JP6593701B2 - 誘電体薄膜 - Google Patents
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X1−CH2−Ar−(Y1)n (1)
〔前記式(1)中、X1はハロゲン原子を表し、Arは芳香族環を表し、Y1は重合開始能を有する官能基を含有する基を表し、nは1〜3の整数である。〕
で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体を含む重合開始剤とを反応させてZnO微粒子の表面に前記重合開始剤を結合させ、次いで、表面に前記重合開始剤が結合しているZnO微粒子とラジカル重合性モノマーとを反応させてZnO微粒子の表面にラジカル重合性モノマーをグラフト重合させる。これにより、ZnO微粒子の表面に、所定の平均厚さの高分子被覆層を容易に形成することができる。
先ず、ポリメタクリル酸メチル被覆酸化亜鉛微粒子を成形体の厚さが約0.5mmとなるようにプレス成形して、直径33mmの成形体(ポリメタクリル酸メチル修飾酸化亜鉛厚膜)を作製し、この成形体の厚さを正確に測定した。次いで、この成形体の両面にイオンコータ―を用いて直径27mmの金電極を作製し、LCRメータ(日置電機(株)製「IM3523」)を用いて、周波数1kHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。
実施例及び比較例で得られた金電極を有する前記ポリメタクリル酸メチル修飾酸化亜鉛薄膜に、紫外線ランプ(アズワン(株)製「SLUV−4」)を用いて紫外線(波長365nm)を3分間照射した。なお、紫外線照射強度は、紫外線ランプとポリメタクリル酸メチル修飾酸化亜鉛薄膜との距離を変化させることにより調整した。次いで、紫外線照射後のポリメタクリル酸メチル修飾酸化亜鉛薄膜について、LCRメータ(日置電機(株)製「IM3523」)を用いて、周波数1kHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。
<重合開始剤修飾酸化亜鉛微粒子の調製>
先ず、N,N−ジメチルホルムアミド97mlに酸化亜鉛(ZnO)微粒子(関東電化工業(株)製、粒子径15nm、比表面積60m2/g、密度5.22g/cm3)10gを分散させた後、トリメトキシ[3−(メチルアミノ)プロピル]シラン840μl(4.3mmol)及び水0.5mlを添加した。この分散液に超音波処理を施しながら50℃で6時間反応させ、ZnO微粒子にアミノ基を導入した。得られた分散液に遠心分離を施してアミン修飾ZnO微粒子を回収した。このアミン修飾ZnO微粒子をアセトニトリルに再分散させた後、遠心分離を施してアミン修飾ZnO微粒子を回収した。この操作を繰り返してアミン修飾ZnO微粒子を洗浄した。
<ポリメタクリル酸メチル被覆酸化亜鉛微粒子の調製>
調製例1で得られた重合開始剤修飾ZnO微粒子2.0g及び臭化銅(I)14.3mg(100μmol)を混合し、これにN,N−ジメチルアセトアミド60mlを添加して超音波処理を施し、前記重合開始剤修飾ZnO微粒子を均一に分散させた。この分散液に、2,2’−ビピリジル46.8mg(300μmol)を溶解させたメタクリル酸メチル90mlを添加し、60℃で180分間攪拌して重合を行なった。その後、メタノール中に析出させた固形物を遠心分離により精製し、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)被覆ZnO微粒子を得た。
D={(1/Φ)(1/3)−1}×d/2
ここで、ΦはPMMA被覆ZnO微粒子中のZnO微粒子の割合であり、dはZnO微粒子の粒子径である。
前記PMMA−ZnO(5%)微粒子をγ−ブチロラクトンに分散させ、得られた分散液を、表面に透明電極(ITO電極)を有するガラス基板上に滴下し、スピンコートにより薄膜化した。γ−ブチロラクトンを揮発させた後、120℃で加熱して、PMMA−ZnO(5%)微粒子からなる薄膜(以下、「PMMA−ZnO(5%)薄膜」と略す。)を形成した。スピンコーターの回転数を変化させることにより、膜厚が異なる4種類のPMMA−ZnO(5%)薄膜を作製した。これらの薄膜上にイオンコータ―を用いて直径9mmの金電極を作製した。得られたPMMA−ZnO(5%)薄膜の膜厚、比誘電率及び誘電正接を前記方法により測定した。図1(a)には、各膜厚のPMMA−ZnO(5%)薄膜における紫外線照射強度と比誘電率との関係を、図1(b)には、各膜厚のPMMA−ZnO(5%)薄膜における紫外線照射強度と誘電正接との関係を示す。
<ポリメタクリル酸メチル被覆酸化亜鉛微粒子の調製>
重合開始剤修飾ZnO微粒子の量を5.6gに変更し、重合時間を115分間に変更した以外は実施例1と同様にして、PMMA被覆ZnO微粒子を調製した。実施例1と同様にして、このPMMA被覆ZnO微粒子中のZnO微粒子の割合を算出したところ、11vol%であり(以下、このPMMA被覆ZnO微粒子を「PMMA−ZnO(11%)微粒子」と略す。)、また、前記PMMA−ZnO(11%)微粒子中の高分子被覆層(PMMA層)の厚さを算出したところ、8.2nmであった。
PMMA−ZnO(5%)微粒子の代わりに、前記PMMA−ZnO(11%)微粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚が異なる4種類の、PMMA−ZnO(11%)微粒子からなる薄膜(以下、「PMMA−ZnO(11%)薄膜」と略す。)を作製し、さらに、これらの薄膜上に金電極を作製した。得られたPMMA−ZnO(11%)薄膜の膜厚、比誘電率及び誘電正接を前記方法により測定した。図2(a)には、各膜厚のPMMA−ZnO(11%)薄膜における紫外線照射強度と比誘電率との関係を、図2(b)には、各膜厚のPMMA−ZnO(11%)薄膜における紫外線照射強度と誘電正接との関係を示す。
<ポリメタクリル酸メチル被覆酸化亜鉛微粒子の調製>
重合開始剤修飾ZnO微粒子の量を11.2gに、N,N−ジメチルアセトアミドの量を75mlに、メタクリル酸メチルの量を75mlに変更し、重合時間を130分間に変更した以外は実施例1と同様にして、PMMA被覆ZnO微粒子を調製した。実施例1と同様にして、このPMMA被覆ZnO微粒子中のZnO微粒子の割合を算出したところ、17vol%であり(以下、このPMMA被覆ZnO微粒子を「PMMA−ZnO(17%)微粒子」と略す。)、また、前記PMMA−ZnO(17%)微粒子中の高分子被覆層(PMMA層)の厚さを算出したところ、6.0nmであった。
PMMA−ZnO(5%)微粒子の代わりに、前記PMMA−ZnO(17%)微粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚が異なる4種類の、PMMA−ZnO(17%)微粒子からなる薄膜(以下、「PMMA−ZnO(17%)薄膜」と略す。)を作製し、さらに、これらの薄膜上に金電極を作製した。得られたPMMA−ZnO(17%)薄膜の膜厚、比誘電率及び誘電正接を前記方法により測定した。図3(a)には、各膜厚のPMMA−ZnO(17%)薄膜における紫外線照射強度と比誘電率との関係を、図3(b)には、各膜厚のPMMA−ZnO(17%)薄膜における紫外線照射強度と誘電正接との関係を示す。
<ポリメタクリル酸メチル被覆酸化亜鉛微粒子の調製>
重合開始剤修飾ZnO微粒子の量を16.8gに、N,N−ジメチルアセトアミドの量を90mlに、メタクリル酸メチルの量を60mlに変更し、重合時間を150分間に変更した以外は実施例1と同様にして、PMMA被覆ZnO微粒子を調製した。実施例1と同様にして、このPMMA被覆ZnO微粒子中のZnO微粒子の割合を算出したところ、23vol%であり(以下、このPMMA被覆ZnO微粒子を「PMMA−ZnO(23%)微粒子」と略す。)、また、前記PMMA−ZnO(23%)微粒子中の高分子被覆層(PMMA層)の厚さを算出したところ、4.7nmであった。
PMMA−ZnO(5%)微粒子の代わりに、前記PMMA−ZnO(23%)微粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚が異なる4種類の、PMMA−ZnO(23%)微粒子からなる薄膜(以下、「PMMA−ZnO(23%)薄膜」と略す。)を作製し、さらに、これらの薄膜上に金電極を作製した。得られたPMMA−ZnO(23%)薄膜の膜厚、比誘電率及び誘電正接を前記方法により測定した。図4(a)には、各膜厚のPMMA−ZnO(23%)薄膜における紫外線照射強度と比誘電率との関係を、図4(b)には、各膜厚のPMMA−ZnO(23%)薄膜における紫外線照射強度と誘電正接との関係を示す。
PMMAとZnO微粒子との合計量に対するZnO微粒子の割合が17vol%となるように、PMMA及び調製例1で得られた重合開始剤修飾ZnO微粒子をγ−ブチロラクトンに溶解した。この溶液を用いて薄膜を形成した以外は実施例1と同様にして、PMMAと重合開始剤修飾ZnO微粒子との混合物からなる薄膜(以下、「PMMA/重合開始剤修飾ZnO(17%)薄膜」と略す。)を作製し、さらに、この薄膜上に金電極を作製した。得られたPMMA/重合開始剤修飾ZnO(17%)薄膜の比誘電率及び誘電正接を前記方法により測定した。
PMMAをγ−ブチロラクトンに溶解した。この溶液を用いて薄膜を形成した以外は実施例1と同様にして、PMMA薄膜を作製し、さらに、この薄膜上に金電極を作製した。得られたPMMA薄膜の比誘電率及び誘電正接を前記方法により測定した。
Claims (7)
- 酸化亜鉛微粒子と該酸化亜鉛微粒子の表面に形成されている平均厚さが5〜500nmの高分子被覆層とからなる高分子被覆酸化亜鉛微粒子を含有することを特徴とする誘電体薄膜。
- 前記酸化亜鉛微粒子の平均粒子径が10nm〜1μmであることを特徴とする請求項1に記載の誘電体薄膜。
- 前記高分子被覆酸化亜鉛微粒子中の酸化亜鉛微粒子の含有率が1〜20vol%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体薄膜。
- 前記高分子被覆層を構成する高分子材料が前記酸化亜鉛微粒子の表面に化学的に結合していることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の誘電体薄膜。
- 前記高分子材料が、前記酸化亜鉛微粒子の表面に結合している重合開始剤を介して前記酸化亜鉛微粒子の表面に化学的に結合していることを特徴とする請求項4に記載の誘電体薄膜。
- 前記高分子被覆層が、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸エステル類、ポリスチレン、及びポリ(α−メチルスチレン)からなる群から選択される少なくとも1種の高分子材料からなるものであることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の誘電体薄膜。
- 平均膜厚が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の誘電体薄膜。
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