JP6593050B2 - 高分子材料のシミュレーション方法 - Google Patents

高分子材料のシミュレーション方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6593050B2
JP6593050B2 JP2015180986A JP2015180986A JP6593050B2 JP 6593050 B2 JP6593050 B2 JP 6593050B2 JP 2015180986 A JP2015180986 A JP 2015180986A JP 2015180986 A JP2015180986 A JP 2015180986A JP 6593050 B2 JP6593050 B2 JP 6593050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
density
polymer material
molecular chain
polymerization
molecular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015180986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017058768A (ja
Inventor
真一 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2015180986A priority Critical patent/JP6593050B2/ja
Publication of JP2017058768A publication Critical patent/JP2017058768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6593050B2 publication Critical patent/JP6593050B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

本発明は、高分子材料の重合度依存性の少ない密度を推定することができるシミュレーション方法に関する。
近年、ゴム配合の開発のために、コンピュータを用いて、高分子材料の物理量を計算するためのシミュレーション(数値計算)が種々提案されている。この種のシミュレーションでは、分子鎖モデルを定義する工程と、定義された分子鎖モデルをセル内に配置して高分子材料モデルと定義する工程と、分子動力学計算に基づいて高分子材料モデルを構造緩和させる工程と、構造緩和された高分子材料モデルを用いて、各種の物理量を計算する工程とを含んでいる。
特開2013−195220号公報
ところで、高分子材料の密度は、重合度(分子量)によって変化する重合度依存性を有する。このため、異なる2つの分子間で密度の違いを評価する場合、どのような重合度で互いの密度を比較すればよいのか明確な基準がなく、これまでは、技術者の経験や勘に頼っていた。
また、重合度依存性を小さくするために、分子鎖モデルの重合度を十分に高めた高分子材料モデルを用いて、シミュレーションで密度を計算することも考えられる。しかしながら、計算コストやコンピュータ性能に鑑みると、このような方法は、現実的ではなかった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、高分子材料の重合度依存性の少ない密度を推定することができる高分子材料のシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、高分子材料の重合度依存性の少ない密度を推定するための方法であって、前記高分子材料について、重合度が異なる複数の分子動力学計算用の分子鎖モデルを、コンピュータに定義する工程と、前記コンピュータが、各分子鎖モデルを同じ温度条件下でそれぞれ分子動力学計算を行ない、前記重合度毎に前記高分子材料の密度を求める工程と、前記コンピュータが、前記重合度毎の密度の変化に基づいて、分子量が無限大と仮定された前記高分子材料の第1密度を計算する工程と、前記コンピュータが、前記第1密度を、前記高分子材料の重合度依存性の少ない密度として推定する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記高分子材料のシミュレーション方法において、前記第1密度は、下記式(1)に基づいて計算されるのが望ましい。

ここで、各変数は次のとおりである。
ρ:各高分子材料の密度
ρ:第1密度
K:比例定数
n:各分子鎖モデルの分子量
本発明に係る前記高分子材料のシミュレーション方法において、前記コンピュータが、前記各分子鎖モデルから少なくとも一つの分子鎖モデルを選択する工程、前記コンピュータが、選択された前記分子鎖モデルについて、前記分子動力学計算で計算された物理量から、前記分子鎖の充填長さを求める工程、及び前記コンピュータが、前記分子鎖の充填長さと、前記高分子材料の重合度依存性の少ない密度とに基づいて、前記高分子材料のからみ合い点間分子量を計算する工程をさらに含むのが望ましい。
本発明に係る前記高分子材料のシミュレーション方法において、前記高分子材料のからみ合い点間分子量は、下記式(2)に基づいて計算されるのが望ましい。

ここで、各変数は次のとおりである。
:高分子材料のからみ合い点間分子量
ρ:第1密度
p:分子鎖の充填長さ
本発明に係る前記高分子材料のシミュレーション方法において、前記分子鎖の充填長さは、下記式(3)に基づいて計算されるのが望ましい。

ここで、各変数は次のとおりである。
p:分子鎖の充填長さ
M:分子鎖モデルの分子量
ρ:高分子材料の密度
<R2>:分子鎖モデルの末端間距離の二乗平均
N_A:アボガドロ定数
本発明の高分子材料のシミュレーション方法は、各分子鎖モデルを同じ温度条件下でそれぞれ分子動力学計算を行ない、高分子材料の重合度毎の密度を求める工程と、重合度毎の密度の変化に基づいて、分子量が無限大と仮定された高分子材料の第1密度を計算する工程と、第1密度を、高分子材料の重合度依存性の少ない密度として推定する工程とを含んでいる。
高分子材料の密度は、重合度(分子量)によって変化する重合度依存性を有しており、分子量に比例して大きくなる。また、高分子材料の密度は、分子量が所定の値よりも大きくなると、略一定の値に収束している。このような一定の値に収束した密度は、重合度依存性が少ない。
第1密度は、分子量が無限大と仮定された高分子材料の密度である。このため、第1密度は、分子量が所定の値よりも大であり、かつ、重合度依存性が少ない高分子材料の密度に近似する。従って、本発明のシミュレーション方法では、第1密度を計算することにより、高分子材料の重合度依存性の少ない密度を、確実に推定することができる。
本発明の作成方法を実行するコンピュータの斜視図である。 ポリブタジエンの構造式である。 本実施形態のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の分子鎖モデル2の概念図である。 (a)〜(c)は、ポテンシャルを説明する分子鎖モデルの部分図である。 分子鎖モデルのポテンシャルを説明する概念図である。 本実施形態のシミュレーション工程S2の一例を示すフローチャートである。 高分子材料モデルの概念図である。 高分子材料の密度ρと、分子鎖の分子量Mnの逆数との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態のシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。 からみ合い点間分子量計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 分子鎖の充填長さと、分子鎖の重合度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態の高分子材料のシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある)は、高分子材料の重合度依存性の少ない密度を推定するための方法である。本明細書において、分子量は、ポリマーを構成する分子鎖1本あたりの平均分子量を示すための数平均分子量を示すものとする。
図1は、本発明の作成方法を実行するコンピュータの斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成されている。この本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態のシミュレーション方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。
高分子材料としては、例えば、ゴム、樹脂又はエラストマー等が含まれる。本実施形態では、高分子材料として、cis-1,4ポリブタジエン(以下、単に「ポリブタジエン」ということがある。)が例示される。図2は、ポリブタジエンの構造式である。このポリブタジエンを構成する分子鎖Mcは、メチレン基(−CH−)とメチン基(−CH−)とからなるモノマー{−[CH−CH=CH−CH]−}が、重合度で連結されて構成されている。なお、高分子材料には、ポリブタジエン以外の高分子材料が用いられてもよい。
図3は、本実施形態のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のシミュレーション方法では、先ず、高分子材料の分子鎖Mc(図2に示す)について、重合度がそれぞれ異なる複数の分子動力学計算用の分子鎖モデルが、コンピュータ1に定義される(工程S1)。図4は、本実施形態の分子鎖モデル2の概念図である。
図2及び図4に示されるように、本実施形態の分子鎖モデル2は、複数の粒子モデル3と、粒子モデル3、3間を結合するボンド4とを含む全原子モデルとして構成されている。これらの粒子モデル3及びボンド4は、分子鎖Mcのモノマーをなす単位構造6(図2に示す)に基づいて、それぞれ連結されることにより、モノマーモデル7が設定される。このモノマーモデル7が、重合度に基づいて連結されることにより、分子鎖モデル2が設定される。
粒子モデル3は、分子動力学計算に基づいたシミュレーションにおいて、運動方程式の質点として取り扱われる。即ち、粒子モデル3は、質量、直径、電荷、又は、初期座標などのパラメータが定義される。本実施形態の粒子モデル3は、分子鎖Mcの炭素原子をモデル化した炭素粒子モデル3C、及び、分子鎖Mcの水素原子をモデル化した水素粒子モデル3Hを含んでいる。
ボンド4は、粒子モデル3、3間を拘束するものである。本実施形態のボンド4は、炭素粒子モデル3C、3Cを連結する主鎖4a、及び、炭素粒子モデル3Cと水素粒子モデル3Hとの間を連結する側鎖4bとを含んでいる。
図5(a)〜(c)は、ポテンシャルを説明する分子鎖モデル2(図4に示す)の部分図である。図5(a)〜(b)に示されるように、分子鎖モデル2には、各粒子モデル3、3間の結合長さである結合長r、及び、ボンド4を介して連続する3つの粒子モデル3がなす角度である結合角θが定義されている。さらに、図5(c)に示されるように、分子鎖モデル2には、ボンド4を介して連続する4つの粒子モデル3において、隣り合う3つの粒子モデル3が作る一方の平面5Aと他方の平面5Bとのなす角度ある二面角φが定義される。結合長r、結合角θ及び二面角φは、分子鎖モデル2に作用する外力又は内力によって変化する。
結合長r、結合角θ及び二面角φは、下記式(4)で定義される結合ポテンシャルUbond(r)、下記式(5)で定義される結合角ポテンシャルUAngle(θ)、及び、下記式(6)で定義される結合二面角ポテンシャルUtorsion(φ)によって設定される。



ここで、各定数及び変数は、次のとおりである。
r:結合長
0:平衡長
1、k2:ばね定数
θ:結合角
θ0:平衡角度
k3:二面角ポテンシャルの強度
N−1:二面角ポテンシャル多項式の次数
φ:二面角
n:二面角定数
なお、結合長r及び平衡長r0は、各粒子モデル3の中心(図示省略)間の距離として定義される。
各結合ポテンシャルUbond(r)、結合角ポテンシャルUAngle(θ)、及び、結合二面角ポテンシャルUtorsion(φ)の各定数については、適宜設定することができる。なお、これらのポテンシャルは、論文(J. Phys. Chem. 94, 8897 (1990))に基づいて、分子鎖Mcの構造に応じて設定されるのが望ましい。
図6は、分子鎖モデル2のポテンシャルを説明する概念図である。隣接する分子鎖モデル2、2の粒子モデル3、3間には、相互作用ポテンシャルP1が定義される。相互作用ポテンシャルP1は、下記式(7)で定義されるLJポテンシャルULJ(rij)である。

ここで、各定数及び変数は、Lennard-Jones ポテンシャルのパラメータであり、次のとおりである。
ij:粒子モデル間の距離
c:カットオフ距離
ε:粒子モデル間に定義されるLJポテンシャルの強度
σ:粒子モデルの直径に相当
なお、距離rij及びカットオフ距離rcは、各粒子モデル3、3の中心3c、3c(図4に示す)間の距離として定義される。
相互作用ポテンシャルP1は、粒子モデル間の距離rijがσよりも小さくなるほど、粒子モデル3、3間に作用する斥力が大きくなる。また、相互作用ポテンシャルP1は、粒子モデル間の距離rijがσになるときに最小となり、粒子モデル3、3間に斥力や引力は働かない。さらに、相互作用ポテンシャルP1は、粒子モデル間の距離rijがσよりも大になるほど、粒子モデル3、3間に作用する引力が働く。このように、相互作用ポテンシャルP1は、粒子モデル間の距離rijに応じて、斥力及び引力を定義することができる。
相互作用ポテンシャルP1は、炭素粒子モデル3C、3C間に設定される第1ポテンシャルP1a、水素粒子モデル3H、3H間に設定される第2ポテンシャルP1b、及び、炭素粒子モデル3Cと水素粒子モデル3Hとの間に設定される第3ポテンシャルP1cを含んでいる。なお、上記式(7)中の各定数は、上記論文に基づいて、適宜設定することができる。また、分子鎖モデル2は、例えば(株)JSOL社製のJ−OCTAというソフトウェアを用いて作成することができる。
工程S1では、重合度(分子量Mn)がそれぞれ異なる複数の分子鎖モデル2が設定される。本実施形態では、第1分子鎖モデル2a、第2分子鎖モデル2b、及び、第3分子鎖モデル2cが設定されている。
第1分子鎖モデル2aは、例えば、第1重合度(第1分子量Mn1)に基づいて、複数のモノマーモデル7(図4に示す)が連結されることによって設定される。第2分子鎖モデル2bは、例えば、第2重合度(第2分子量Mn2)に基づいて、複数のモノマーモデル7が連結されることによって設定される。第3分子鎖モデル2cは、例えば、第3重合度(第3分子量Mn3)に基づいて、複数のモノマーモデル7が連結されることによって設定される。
第1重合度(第1分子量Mn1)、第2重合度(第2分子量Mn2)、第3重合度(第3分子量Mn3)はそれぞれ異なり、例えば、以下の関係を満たしている。各分子鎖モデル2a、2b及び2cは、コンピュータ1で取り扱い可能な数値データであり、コンピュータ1に記憶される。
第1重合度(第1分子量Mn1)<第2重合度(第2分子量Mn2)<第3重合度(第3分子量Mn3
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ1が、各分子鎖モデル2a、2b及び2cを同じ温度条件下でそれぞれ分子動力学計算を行ない、分子鎖モデル2重合度毎に、高分子材料の密度を求める(シミュレーション工程S2)。図7は、本実施形態のシミュレーション工程S2の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のシミュレーション工程S2では、先ず、予め定められた空間(セル)9に、重合度が異なる各分子鎖モデル2a、2b及び2cがそれぞれ配置された複数の高分子材料モデルが、コンピュータ1に定義される(工程S21)。図8は、高分子材料モデルの概念図である。
本実施形態の空間9は、互いに向き合う三対の平面10、10を有する立方体として定義されている。各平面10には、周期境界条件が定義されている。これにより、空間9では、例えば、一方の平面10aから出て行った分子鎖モデル2の一部が、反対側の平面10bから入ってくるように計算することができる。従って、一方の平面10aと、反対側の平面10bとが連続している(繋がっている)ものとして取り扱うことができる。
空間9の一辺の長さL1は、適宜設定することができる。本実施形態の長さL1は、分子鎖モデル2の慣性半径(図示省略)の2倍以上が望ましい。慣性半径は、分子動力学計算において、分子鎖モデル2の拡がりを示すパラメータである。このような空間9では、分子動力学計算において、分子鎖モデル2の回転運動をスムーズに計算することができる。さらに、空間9の大きさは、例えば1atmで安定な体積に設定される。このような空間9は、高分子材料の少なくとも一部の体積を定義することができる。
工程S21では、分子量Mnが異なる各分子鎖モデル2a、2b及び2cが、独立して設けられた空間9にそれぞれ配置され、複数の高分子材料モデル11が定義される。
複数の高分子材料モデル11は、複数の第1分子鎖モデル2aが配置された第1高分子材料モデル11a、複数の第2分子鎖モデル2bが配置された第2高分子材料モデル11b、及び、複数の第3分子鎖モデル2cが配置された第3高分子材料モデル11cが含まれる。各高分子材料モデル11a、11b及び11cは、各分子鎖モデル2a、2b及び2cが、オペレータ等によって配置される。従って、各高分子材料モデル11a、11b及び11cは、緩和計算されていない初期の高分子材料モデル11a、11b及び11cである。各高分子材料モデル11a、11b及び11cは、コンピュータ1に記憶される。
各空間9に配置される分子鎖モデル2(本実施形態では、第1分子鎖モデル2a、第2分子鎖モデル2b及び第3分子鎖モデル2c)の個数については、適宜設定することができる。分子鎖モデル2の個数が少ないと、後述する分子動力学計算において、分子鎖モデル2の他端側と、一方の平面10aから出て行きかつ反対側の平面10bから入ってきた一端側とが絡まりやすくなり、分子運動が正しく計算されないおそれがある。逆に、分子鎖モデル2の個数が多くても、運動方程式の質点として取り扱われる粒子モデル3が増大し、多くの計算時間を要するおそれがある。このような観点より、空間9に配置される分子鎖モデル2の個数は、好ましくは8個以上であり、また、好ましくは、100個以下である。
次に、本実施形態のシミュレーション工程S2では、各高分子材料モデル11(本実施形態では、第1高分子材料モデル11a、第2高分子材料モデル11b、及び、第3高分子材料モデル11c)に、同一の温度条件Tがそれぞれ定義される(工程S22)。温度条件Tについては、実施されるシミュレーションに応じて適宜設定されうる。本実施形態では、各高分子材料モデル11a〜11cに、絶対温度300Kが設定される。
次に、本実施形態のシミュレーション工程S2では、コンピュータ1が、各分子鎖モデル2が配置された初期の高分子材料モデル11(本実施形態では、第1高分子材料モデル11a〜第3高分子材料モデル11c)から一つの高分子材料モデル11を選択し(工程S23)、選択された高分子材料モデル11について、温度条件Tの下で、分子動力学計算を行う(工程S24)。
本実施形態の分子動力学計算では、例えば、空間9について所定の時間、分子鎖モデル2が古典力学に従うものとして、ニュートンの運動方程式が適用される。そして、各時刻での粒子モデル3の動きが、単位時間毎に追跡される。このような構造緩和の計算は、例えば(株)JSOL社製のソフトマテリアル総合シミュレーター(J−OCTA)に含まれるCOGNACを用いて処理することができる。
構造緩和の計算は、空間9において、圧力及び温度が一定、又は、体積及び温度が一定に保たれる。これにより、工程S24では、実際の高分子材料の分子運動に近似させて、分子鎖モデル2の初期配置を精度よく緩和することができる。
次に、本実施形態のシミュレーション工程S2では、コンピュータ1が、分子鎖モデル2の初期配置を十分に緩和できたか否かを判断する(工程S25)。本実施形態の工程S25では、例えば、従来と同様に、分子鎖モデル2の末端間ベクトルの自己相関関数が1/e以下になったか否かにより、分子鎖モデル2の初期配置が緩和できたか否かが判断される。
工程S25では、分子鎖モデル2の初期配置を十分に緩和できたと判断された場合(工程S25で、「Y」)、次の工程S26が実施される。一方、分子鎖モデル2の初期配置を十分に緩和できていないと判断された場合(工程S25で、「N」)、単位時間を一つ進めて(工程S27)、工程S24及び工程S25が再度実施される。これにより、シミュレーション工程S2では、分子鎖モデル2の平衡状態(即ち、構造が緩和した状態)を確実に計算することができる。
シミュレーション工程S2では、分子鎖モデル2の初期配置が緩和されたと判断された後、一定時間、分子動力学計算が実施されてもよい。これにより、分子鎖モデル2の初期配置がさらに緩和されるため、次の工程S26において、高分子材料の密度を精度よく計算することができる。なお、一定時間については、適宜設定することができる。本実施形態の一定時間としては、初期配置が緩和されたと判断された時間(緩和時間)の2倍程度が望ましい。即ち、分子動力学計算は、前記緩和時間の3倍程度実施される。
次に、本実施形態のシミュレーション工程S2では、コンピュータ1が、平衡状態の分子鎖モデル2を含む高分子材料モデル11に基づいて、高分子材料の密度ρを計算する(工程S26)。密度ρは、高分子材料モデル11の空間9に対する分子鎖モデル2の混み合いの程度を示すものである。このような密度ρは、平衡状態の分子鎖モデル2を含む高分子材料モデル11について、高分子材料モデル11における全分子の重さを、平衡状態の体積で除することによって求めることができる。これにより、温度条件Tでの高分子材料の密度ρが計算されうる。なお、密度ρは、上記ソフトマテリアル総合シミュレーターによって計算される。このような密度ρは、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション工程S2は、コンピュータ1が、全ての高分子材料モデル11(本実施形態では、第1高分子材料モデル11a〜第3高分子材料モデル11c)について、高分子材料の密度ρが計算されたか否かを判断する(工程S28)。工程S27において、全ての高分子材料モデル11a〜11cに基づいて、密度ρが計算されたと判断された場合(工程S28で、「Y」)、次の工程S3が実施される。他方、全ての高分子材料モデル11a〜11cに基づいて、密度ρが計算されていないと判断された場合(工程S28で、「N」)、密度ρが計算されていない初期の高分子材料モデル11を選択して(工程S29)、工程S24〜工程S28が再度実施される。これにより、シミュレーション工程S2では、重合度が異なる分子鎖モデル2(本実施形態では、第1分子鎖モデル2a〜第3分子鎖モデル2c)がそれぞれ配置された高分子材料モデル11a〜11cに基づいて、分子鎖モデル2の重合度毎に、高分子材料の密度ρを求めることができる。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ1が、分子鎖モデル2の重合度毎に求められた高分子材料の密度ρの変化に基づいて、分子量が無限大と仮定された高分子材料の第1密度ρを計算する(工程S3)。本実施形態の第1密度ρは、各高分子材料モデル11a、11b及び11cの密度ρを用いて、下記式(1)に基づいて計算される。

ここで、各変数は次のとおりである。
ρ:各高分子材料の密度
ρ:第1密度
K:比例定数
n:各分子鎖モデルの分子量
図9は、高分子材料の密度ρと、分子鎖の分子量Mnの逆数との関係を示すグラフである。高分子材料の密度は、重合度(分子量)によって変化する重合度依存性を有している。高分子材料の密度ρは、分子鎖の分子量Mnに比例して大きくなる。また、高分子材料の密度は、分子量が所定の値よりも大きくなると、略一定の値に収束している。このような一定の値に収束した密度(以下、単に「収束密度」ということがある。)は、重合度依存性が少ない。
第1密度ρは、分子量Mnが無限大と仮定された分子鎖モデルを持った高分子材料モデルに基づいて計算される。このため、第1密度ρは、収束密度に近似するとみなせる。従って、本実施形態では、第1密度ρを計算することにより、重合度依存性の少ない密度ρを推定することができる。
工程S3では、上記式(1)を、第1重合度(第1分子量Mn1)の密度ρ1、第2重合度(第2分子量Mn2)の密度ρ2、及び、第3重合度(第3分子量Mn3)の密度ρ3に、直線近似させる(外挿する)ことにより、第1密度ρを計算している。なお、第1密度ρは、第1分子量Mn1の密度ρ1〜第3分子量Mn3の密度ρ3を、上記式(1)に代入した連立方程式を解くことによって求められてもよい。
本実施形態では、重合度が異なる3つの密度ρ(即ち、第1重合度の密度ρ1、第2重合度の密度ρ2、及び、第3重合度の密度ρ3)に基づいて、第1密度ρが計算されるものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、2つ以上の重合度の密度ρが求められれば、第1密度ρを計算することができる。一方、重合度が異なる密度ρの数が多すぎても、各密度ρを計算するのに多くの時間を要するおそれがある。このため、重合度が異なる密度ρの数は、好ましくは、5つ以下が望ましい。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ1が、第1密度ρを、高分子材料の重合度依存性のない密度として推定する(工程S4)。上述したように、第1密度ρは、収束密度に近似するとみなせる。このような高分子材料の重合度依存性のない密度(即ち、第1密度ρ)は、コンピュータ1に記憶される。
このように、本実施形態のシミュレーション方法では、分子鎖モデル2の重合度(分子量)を、実際の高分子材料のように大きく設定しなくても、重合度依存性の少ない密度を推定することができる。従って、現実には存在しない未知の高分子材料の密度を算出する場合、技術者の経験や勘に頼ることなく、重合度依存性の少ない密度ρが一意に決定されうる。これにより、未知の高分子材料の密度ρが、既存の高分子材料の密度ρに対して高いか否かを予測することができるため、例えば、未知の高分子材料を合成すべきか否かの判断材料として使用することができる。
本実施形態のシミュレーション方法では、高分子材料の重合度依存性の少ない密度(第1密度ρ)のみが推定されたが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、高分子材料の重合度依存性の少ない密度(第1密度ρ)を用いて、高分子材料のからみ合い点間分子量がさらに計算されてもよい。
図10は、本発明の他の実施形態のシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。なお、この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。この実施形態のシミュレーション工程S2では、第1密度ρを、高分子材料の重合度依存性のない密度として推定する工程S4の後、コンピュータ1が、高分子材料のからみ合い点間分子量を計算する(からみ合い点間分子量計算工程S5)。
からみ合い点間分子量は、一方の分子鎖のからみ合いと、他方の分子鎖のからみ合いとの間の分子量を示す指標である。からみ合い点間分子量が小さくなるほど、分子鎖同士が大きくからみ合い、高分子材料の剛性(弾性)が大きくなる傾向がある。従って、からみ合い点間分子量は、高分子材料の剛性(弾性)を示す指標として用いることができる。
からみ合い点間分子量は、論文(J. Polym. Sci. Part B, 37, 1023 (1999))に基づいて、下記式(8)で計算することができる。下記式(8)に示されるように、からみ合い点間分子量Mは、高分子材料の密度ρ、充填長さ(packing length)pに基づいて計算される。

ここで、各変数は次のとおりである。
:高分子材料のからみ合い点間分子量
ρ:高分子材料の密度
p :分子鎖の充填長さ
上述したように、高分子材料の密度ρは、高分子材料の重合度(分子量)によって変化する重合度依存性を有している。このため、重合度依存性を有する密度ρが用いられた場合、からみ合い点間分子量Mを精度よく求めることが難しい。
この実施形態のシミュレーション方法は、高分子材料の重合度依存性の少ない密度(第1密度ρ)が用いられる。このため、からみ合い点間分子量Mを精度よく求めることできる。からみ合い点間分子量は、下記式(2)で計算される。

ここで、各変数は次のとおりである。
:高分子材料のからみ合い点間分子量
ρ:第1密度
p :分子鎖の充填長さ
充填長さ(packing length)pとは、高分子材料に充填されている各分子鎖の長さを示す指標である。この充填長さpを3乗することにより、高分子材料に配置される各分子鎖の体積が求められる。分子鎖の充填長さpは、下記式(3)に基づいて計算される。なお、高分子材料の密度ρ、及び、末端間距離の二乗平均<R2>は、シミュレーション工程S2において計算される。

ここで、各変数は次のとおりである。
p:分子鎖の充填長さ
M:分子鎖モデルの分子量
ρ:高分子材料の密度
<R2>:分子鎖モデルの末端間距離の二乗平均
N_A:アボガドロ定数
図11は、この実施形態のからみ合い点間分子量計算工程S5の処理手順の一例を示すフローチャートである。この実施形態のからみ合い点間分子量計算工程S5では、先ず、コンピュータ1が、各分子鎖モデル2a〜2cから少なくとも一つの分子鎖モデル2を選択する(工程S51)。
図12は、分子鎖の充填長さpと、分子鎖の重合度との関係を示すグラフである。発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、図12に示されるように、分子鎖モデル2の重合度が小さいと、充填長さpの重合度依存性が大きくなることを知見した。このような重合度依存性が大きい充填長さpが用いられると、からみ合い点間分子量を精度良く計算することが難しい。さらに、発明者らは、重合度が5以上の分子鎖モデル2が選択されることにより、充填長さpの重合度依存性を少なくすることを知見した。このような知見に基づいて、本実施形態の工程S51では、重合度が5以上の分子鎖モデル2が選択される。
次に、この実施形態のからみ合い点間分子量計算工程S5では、コンピュータ1が、選択された分子鎖モデル2について、分子動力学計算で計算された物理量から、分子鎖の充填長さpを求める(工程S52)。分子鎖の充填長さpは、上記式(3)に基づいて計算される。
この実施形態では、重合度が5以上の分子鎖モデル2が選択される。このため、工程S52では、分子鎖モデル2の重合度依存性の少ない充填長さpを計算することができる。なお、上記式(3)において、高分子材料の密度ρは、工程S4で推定された高分子材料の重合度依存性の少ない密度ρである必要はない。これは、上記式(3)において、密度ρを分子量無限大にした場合、分子鎖モデルの分子量Mや分子鎖モデルの末端間距離の二乗平均<R2>も無限大となってしまい、充填長さpを計算できなくなるためである。
次に、この実施形態のからみ合い点間分子量計算工程S5では、コンピュータ1が、分子鎖の充填長さpと、高分子材料の重合度依存性の少ない密度ρとに基づいて、高分子材料のからみ合い点間分子量を計算する(工程S53)。高分子材料のからみ合い点間分子量は、上記式(2)に基づいて計算される。
本実施形態では、工程S4で推定された重合度依存性の少ない密度ρが用いられる。これにより、技術者の経験や勘に頼ることなく、例えば、未知の高分子材料のからみ合い点間分子量を計算して、あらゆるシミュレーション(例えば、(株)JSOL社製のソフトマテリアル総合シミュレーター(J−OCTA)に含まれるレオロジーシミュレーション(PASTA、NAPLES等))に用いることができる。さらに、本実施形態では、工程S52で求められた分子鎖モデル2の重合度依存性の少ない充填長さpが用いられるため、未知の高分子材料のからみ合い点間分子量Mを精度よく求めることができる。
これまでの実施形態のシミュレーション方法では、分子鎖モデル2が、全原子モデルとして構成されるものが例示されたが、これに限定されるわけではない。分子鎖モデル2は、例えば、炭素原子に結合した水素原子を、該炭素原子と一体化して一つの粒子モデルとして扱うユナイテッドアトムモデルとして構成されてもよい。このような分子鎖モデル2は、粒子モデル3の数を大幅に小さくできるため、計算時間を短縮することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
[実施例A]
日本ゼオン(株)が公表している仕様によれば、スチレンブタジエンゴム(Nipol 1739)の密度ρは、0.98g/cm3である。
図3、図7、図10及び図11に示した手順に従って、SBRについて、重合度がそれぞれ異なる4つの分子鎖モデルA〜Dを、予め定められた空間に定義され、4つの高分子材料モデルが定義された。そして、各高分子材料モデルについて、高分子材料の密度がそれぞれ計算され、高分子材料モデルの第1密度が計算された。この第1密度が、重合度依存性のない密度として推定された。シミュレーションの詳細、及び、推定された密度は、次のとおりである(実施例1)。
変形シミュレーションソフト:ソフトマテリアル総合シミュレーター(J−OCTA)に含まれるCOGNAC
絶対温度:300K
分子鎖モデルの個数:各10本
重合度がそれぞれ異なる複数の分子鎖モデル:
分子鎖モデルA:
重合度:3、密度ρ:0.862g/cm3
分子鎖モデルB:
重合度:6、密度ρ:0.921g/cm3
分子鎖モデルC:
重合度:10、密度ρ:0.945g/cm3
分子鎖モデルD:
重合度:15、密度ρ:0.955g/cm3
SBRの重合度依存性の少ない密度ρ:0.980g/cm3
また、比較のために、SBRの密度が、技術者の経験則に従って、上記分子鎖モデルA〜Dから選択された分子鎖モデル(例えば、重合度:10の分子鎖モデルC)に基づいて、密度ρ(例えば0.945g/cm3)が求められた(比較例1)。
テストの結果、実施例1の重合度依存性の少ない密度ρは、比較例1の密度ρに比べて、実際の密度に近似した。従って、実施例1では、実際の高分子材料の密度を推定しうることが確認できた。これにより、未知の高分子材料モデルの密度を算出する場合でも、技術者が経験則に従って決定することなく、精度よく推定しうることが確認できた。
[実施例B]
文献(James E. Mark著、「Physical Properties of Polymers Handbook」、(米国)、第二版、Springer社、2007年、p447−454)によれば、SBRのからみ合い点間分子量Mが、2900g/molであることが示されている。
図11に示した処理手順に従って、からみ合い点間分子量Mが計算された(実施例2)。実施例2では、重合度が20の分子鎖モデルが選択され、分子鎖の充填長さpが上記式(3)に計算された。そして、分子鎖の充填長さpと、実施例Aの実施例1で求められたSBRの重合度依存性の少ない密度ρとが用いられ、からみ合い点間分子量Mが計算された。
また、比較のために、実施例Aで密度が計算された重合度が異なる4つの分子鎖モデルA〜Dについて、からみ合い点間分子量Mが計算された(比較例2)。4つの分子鎖モデルA〜Dのからみ合い点間分子量Mは、下記のとおりである。なお、シミュレーション条件等については、実施例Aと同一である。
実施例2:2900g/mol
比較例2:
分子鎖モデルA:
重合度:3
分子量:164
末端間距離の二乗平均<R2>:126A2
からみ合い点間分子量M:3800g/mol
分子鎖モデルB:
重合度:6
分子量:327
末端間距離の二乗平均<R2>:310A2
からみ合い点間分子量M:1700g/mol
分子鎖モデルC:
重合度:10
分子量:543
末端間距離の二乗平均<R2>:500A2
からみ合い点間分子量M:1800g/mol
分子鎖モデルD:
重合度:15
分子量:813
末端間距離の二乗平均<R2>:770A2
からみ合い点間分子量M:1600g/mol
テストの結果、実施例2のからみ合い点間分子量Mは、比較例2の各分子鎖モデルのからみ合い点間分子量Mに比べて、実際のからみ合い点間分子量Mに近似した。従って、実施例2では、実際の高分子材料のからみ合い点間分子量Mを確実に推定しうることが確認できた。これにより、未知の高分子材料モデルのからみ合い点間分子量Mを算出する場合でも、技術者が経験則に従って決定することなく、精度よく推定しうることが確認できた。
S1 重合度が異なる複数の分子鎖モデルを定義する工程
S2 重合度毎に高分子材料の密度を求める工程
S3 高分子材料の第1密度を計算する工程
S4 高分子材料の重合度依存性の少ない密度として推定する工程

Claims (5)

  1. 高分子材料の重合度依存性の少ない密度を推定するための方法であって、
    前記高分子材料について、重合度が異なる複数の分子動力学計算用の分子鎖モデルを、コンピュータに定義する工程と、
    前記コンピュータが、各分子鎖モデルを同じ温度条件下でそれぞれ分子動力学計算を行ない、前記重合度毎に前記高分子材料の密度を求める工程と、
    前記コンピュータが、前記重合度毎の密度の変化に基づいて、分子量が無限大と仮定された前記高分子材料の第1密度を計算する工程と、
    前記コンピュータが、前記第1密度を、前記高分子材料の重合度依存性の少ない密度として推定する工程とを含む高分子材料のシミュレーション方法。
  2. 前記第1密度は、下記式(1)に基づいて計算される請求項1記載の高分子材料のシミュレーション方法。

    ここで、各変数は次のとおりである。
    ρ:各高分子材料の密度
    ρ:第1密度
    K:比例定数
    n:各分子鎖モデルの分子量
  3. 前記コンピュータが、前記各分子鎖モデルから少なくとも一つの分子鎖モデルを選択する工程、
    前記コンピュータが、選択された前記分子鎖モデルについて、前記分子動力学計算で計算された物理量から、前記分子鎖の充填長さを求める工程、及び
    前記コンピュータが、前記分子鎖の充填長さと、前記高分子材料の重合度依存性の少ない密度とに基づいて、前記高分子材料のからみ合い点間分子量を計算する工程をさらに含む請求項1又は2のいずれかに記載の高分子材料のシミュレーション方法。
  4. 前記高分子材料のからみ合い点間分子量は、下記式(2)に基づいて計算される請求項3記載の高分子材料のシミュレーション方法。

    ここで、各変数は次のとおりである。
    :高分子材料のからみ合い点間分子量
    ρ:第1密度
    p:分子鎖の充填長さ
  5. 前記分子鎖の充填長さは、下記式(3)に基づいて計算される請求項3又は4に記載の高分子材料のシミュレーション方法。

    ここで、各変数は次のとおりである。
    p:分子鎖の充填長さ
    M:分子鎖モデルの分子量
    ρ:高分子材料の密度
    <R2>:分子鎖モデルの末端間距離の二乗平均
    N_A:アボガドロ定数
JP2015180986A 2015-09-14 2015-09-14 高分子材料のシミュレーション方法 Active JP6593050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015180986A JP6593050B2 (ja) 2015-09-14 2015-09-14 高分子材料のシミュレーション方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015180986A JP6593050B2 (ja) 2015-09-14 2015-09-14 高分子材料のシミュレーション方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017058768A JP2017058768A (ja) 2017-03-23
JP6593050B2 true JP6593050B2 (ja) 2019-10-23

Family

ID=58390305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015180986A Active JP6593050B2 (ja) 2015-09-14 2015-09-14 高分子材料のシミュレーション方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6593050B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09127030A (ja) * 1995-11-01 1997-05-16 Sekisui Chem Co Ltd 無定形高分子のガラス転移温度の予測方法
JP5421649B2 (ja) * 2009-04-28 2014-02-19 住友ゴム工業株式会社 高分子材料モデルの作成方法
JP5469696B2 (ja) * 2012-03-19 2014-04-16 住友ゴム工業株式会社 高分子材料のエネルギーロスの計算方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017058768A (ja) 2017-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5923069B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6254325B1 (ja) 高分子材料の粗視化分子動力学シミュレーション方法
JP6405183B2 (ja) ゴム材料のシミュレーション方法
JP2014206913A (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP2016081297A (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6353290B2 (ja) 高分子材料モデル作成方法
JP5530480B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6082303B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP7040152B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6200193B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP2018101354A (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6593050B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP5897992B2 (ja) 高分子の粘弾性計算装置、その方法及びプログラム
JP6575062B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6554995B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6368212B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6965517B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6055359B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6101159B2 (ja) 高分子材料のエネルギーロスの計算方法
JP6050903B1 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP7087300B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法及び高分子材料の破壊特性評価方法
JP6711186B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP6434805B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP7347148B2 (ja) 高分子材料のシミュレーション方法
JP2024007219A (ja) 高分子材料の解析方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6593050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250