JP6590591B2 - マルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法 - Google Patents

マルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、マルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法に係り、例えば、マルチビーム描画装置に搭載される予定のブランキング装置の検査方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、フォトマスク用ブランクス等へ電子線を使って描画することが行われている。
例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームを照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される。
ここで、マルチビーム描画では、個々のビームの照射量を照射時間により個別に制御する。かかる各ビームの照射量を高精度に制御するためには、ビームのON/OFFを行うブランキング制御を高速で行う必要がある。マルチビーム方式の描画装置では、マルチビームの各ブランカーを配置したブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載する。
ここで、マルチビームの各ブランカーは、対向する2つの電極によって構成され、一方の制御用電極にブランキング制御用の電圧が印加され、他方の対向電極はグランド接続されている。ブランキング制御は、グランド接続された対向電極に対して、制御用電極に正電位が印加されることによりビームを制御用電極側に偏向して、その下方に設置されたブランキングアパーチャ部材の制限開口を通過させないようにすることでビームOFF状態を形成する。例えば、n×n個のビームによってマルチビームが構成される場合、n×n個の電極の組とその制御回路がブランキング装置にアレイ配置されることになる。例えば、512×512個の電極の組とその制御回路がアレイ配置されたブランキング装置において、電極の組とその制御回路による構成の不良率が0.04%程度存在するとの報告がなされている。不良の1つとして、何らかの異常により電極間が短絡(ショート)している場合がある。かかる場合、ビームのON/OFF制御ができず、ブランキング制御機能が果たせないといった問題があった。また、不良の他の1つとして、何らかの異常により制御回路と制御電極間が断線(オープン)等により電極が浮遊状態となってしまう場合がある。かかる場合、ビームのON/OFF制御ができず、ブランキング制御機能が果たせないといった問題があった。かかる電極の組とその制御回路による構成の不良は、従来、実際に描画装置にブランキング装置を搭載して、マルチビームの各ビームを照射してみないとビームの制御状態を確認することが困難であった。仮に描画装置にブランキング装置を搭載して検査する場合でも、ビーム本数が膨大な数であるため検査に時間がかかってしまう。さらに、描画装置に搭載した後にブランキング装置が使用不可であることがわかった場合、さらに、交換作業等の手間も生じてしまう。
従来、その他の不良としてビームONに固定されて制御不能になってしまうといった問題があった。かかる不良により不良ビームを含むビーム群が試料に照射される前にかかるビーム群の直下に可動式の遮蔽部材を移動させて強制的に遮蔽してしまうといった手法も検討されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来、描画装置にブランキング装置を搭載する前の段階でビーム不良が生じる機構なのかどうかを検査する有効な手法は確立されていなかった。
特開2013−128031号公報
そこで、本発明の一態様は、描画装置にブランキング装置を搭載する前の段階でのブランキング装置を検査可能な方法を提供する。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法は、
ブランキング装置の不良個別ブランキング機構を検査するブランキング装置の検査方法であって、
第1と第2の電位を選択的に印加可能な第1の電位印加部と、
第1の電位が印加される第1の抵抗と、
第1の電位印加部から第1と第2の電位が選択的に印加されると共に、第1の抵抗が接続された第1の電極と、
第2の電位が印加される第2の抵抗と、
第2の抵抗が接続されると共に、配線を介して第1と第2の電位が選択的に印加される第2の電極と、
第1の電位印加部と第1の電極との間、若しくはかかる配線中に直列に接続された第3の抵抗と、
をそれぞれ備えた、アレイ配置され、マルチ荷電粒子ビームの対応ビームのブランキング制御を行う複数の個別ブランキング機構と、
複数の個別ブランキング機構の第2の電極に、第1と第2の電位を選択的に印加可能な少なくとも1つの第2の電位印加部と、
が搭載されたブランキング装置を用いて、各個別ブランキング機構について第1の電位印加部から第1の電位が第1の電極に印加され、少なくとも1つの第2の電位印加部のうち対応する第2の電位印加部から第2の電位が第2の電極に印加された状態で、各個別ブランキング機構へ第1と第2の電位差の電圧を供給する電源から流れる第1の電流値を測定する工程と、
測定された第1の電流値が有限値であり、予め設定された第1の閾値以下の場合に、複数の個別ブランキング機構のうち短絡が生じた個別ブランキング機構が存在すると判定し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、描画装置にブランキング装置を搭載する前の段階で、ブランキング装置内に、少なくとも電極間の短絡(ショート)もしくは電極線の開放(オープン)が生じた個別ブランキング機構が存在するかどうかを検査できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す断面図である。 実施の形態1における個別ブランキング機構の一例を示す図である。 実施の形態1における個別ブランキング機構に流れる電流の関係を示す図である。 実施の形態1におけるマルチビームのブランキング装置の検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるグループ化の仕方の一例を示す図である。 実施の形態1におけるグループ化の仕方の他の一例を示す図である。 実施の形態1におけるグループ化の仕方の他の一例を示す図である。 実施の形態1における複数の個別ブランキング機構に1つのキャンセル回路が配置された構成の一例を示す図である。 実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態2における個別ブランキング機構の一例を示す図である。 実施の形態2における個別ブランキング機構に流れる電流の関係を示す図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。複数の荷電粒子ビームによって構成されるマルチ荷電粒子ビームについは、以下、マルチビームと示す。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、アパーチャ部材203、ブランキングプレート204、縮小レンズ205、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、及び偏向器208が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、ファラディーカップ106が配置される。また、XYステージ105上には、描画時には描画対象基板となるマスクブランクス等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。試料101には、レジストが塗布されている。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置される。位置測定には通常He−Neガスレーザー(波長633nm)が用いられる。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ステージ位置検出器139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ステージ位置検出器139及び記憶装置140,142は、図示しないバスを介して互いに接続されている。記憶装置140(記憶部)には、描画データが外部から入力され、格納されている。
制御計算機110に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。図2(a)において、アパーチャ部材203には、縦(y方向)m列×横(x方向)n列(m,n≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2(a)では、例えば、512×8列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。ここでは、y方向の各列について、x方向にAからHまでの8つの穴22がそれぞれ形成される例が示されている。これらの複数の穴22をアパーチャ部材203で成形された電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、縦横(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、縦横(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2(a)のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。図2(b)に示すように、例えば、縦方向(y方向)1段目の列と、2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)2段目の列と、3段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
図3は、実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す断面図である。図3において、制御電極24と対向電極26と制御回路41,43の位置関係は一致させて記載していない。ブランキングプレート204は、図3に示すように、支持台33上にシリコン等からなる半導体基板31が配置される。基板31の中央部は、例えば裏面側から削られ、薄い膜厚hのメンブレン領域30(第1の領域)に加工されている。メンブレン領域30を取り囲む周囲は、厚い膜厚Hの外周領域32(第2の領域)となる。メンブレン領域30の上面と外周領域32の上面とは、同じ高さ位置、或いは、実質的に高さ位置になるように形成される。基板31は、外周領域32の裏面で支持台33上に保持される。支持台33の中央部は開口しており、メンブレン領域30の位置は、支持台33の開口した領域に位置している。
メンブレン領域30には、図2に示したアパーチャ部材203の各穴22に対応する位置にマルチビームのそれぞれビームの通過用の通過孔25(開口部)が開口される。そして、メンブレン領域30上には、図3に示すように、各通過孔25の近傍位置に該当する通過孔25を挟んでブランキング偏向用の制御電極24と対向電極26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)がそれぞれ配置される。また、メンブレン領域30上の各通過孔25の近傍には、各通過孔25用の制御電極24に偏向電圧を印加する制御回路41(ロジック回路)が配置される。各ビーム用の対向電極26は、後述するようにプルダウン抵抗を介して接地(グランド接続)される。また、各ビーム用の対向電極26は、かかるプルダウン抵抗と並列に制御回路43(ロジック回路:キャンセル回路)に接続される。また、ブランキングプレート上の各ビーム用の対向電極26は、複数の対向電極26毎にグループ化し、グループ毎に1つの制御回路43に接続されると好適である。但し、これに限るものではない。対向電極26毎に1つの制御回路43に接続されるように構成してもよい。
また、各制御回路41は、制御信号用の複数の配線が接続される。各制御回路41は、制御用の配線の他、クロック信号線および電源用の配線が接続される。クロック信号線および電源用の配線は制御信号用の配線の一部の配線を流用しても構わない。マルチビームを構成するそれぞれのビーム毎に、制御電極24と対向電極26と制御回路41とによる個別ブランキング機構47が構成される。また、図4の例では、制御電極24と対向電極26と制御回路41とが基板31の膜厚が薄いメンブレン領域30に配置され、制御回路43(キャンセル回路)が基板31の膜厚が厚い外周領域32に配置される。但し、これに限るものではない。制御回路43も基板31の膜厚が薄いメンブレン領域30に配置されても構わない。同様に、制御回路41は必ずしもメンブレン領域30内に設置される必要はなく、外周領域32に設置されていても構わない。
各通過孔25を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立にかかる対となる2つの電極24,26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。言い換えれば、制御電極24と対向電極26の組は、アパーチャ部材203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうちの対応ビームをそれぞれブランキング偏向する。
図4は、実施の形態1における個別ブランキング機構の一例を示す図である。図4において、各個別ブランキング機構47は、マルチビームのうちの対応ビームのブランキング制御を行う。各個別ブランキング機構47は、制御回路41(第1の電位印加部)と、制御電極24(第1の電極)と、対向電極26(第2の電極)と、プルアップ抵抗66(第1の抵抗)と、プルダウン抵抗60(第2の抵抗)と、保護抵抗69(第3の抵抗)と、をそれぞれ備えている。そして、制御回路41は、正電位(Vdd)(第1の電位)とグランド電位(第2の電位)を選択的に印加可能に構成される。制御電極24は、制御回路41から正電位(Vdd)とグランド電位が選択的に印加されると共に、プルアップ抵抗66が正電位(Vdd)に接続される。対向電極26は、プルダウン抵抗60によりグランド接続されると共に、配線を介して正電位(Vdd)とグランド電位が選択的に印加される。プルアップ抵抗66には正電位(Vdd)が印加される。プルダウン抵抗60にはグランド電位が印加される。保護抵抗69は、制御回路43と対向電極26との間の配線中に直列に接続される。ブランキングプレート204(ブランキング装置)上には、複数の個別ブランキング機構47がアレイ配置される。そして、後述するように、少なくとも1つの制御回路43(キャンセル回路)(第2の電位印加部)が複数の個別ブランキング機構47の対向電極26に、正電位(Vdd)とグランド電位を選択的に印加可能に配置される。具体的には以下のように構成される。
制御回路41内には、CMOS(Complementary MOS)インバータ回路70が配置される。そして、CMOSインバータ回路70は正の電位(Vdd:第1の電位)(例えば、3.3V)とグランド電位(第2の電位)に接続される。CMOSインバータ回路の出力線(OUT)は制御電極24に接続される。なお、図4では、制御回路41内に、CMOSインバータ回路70しか示していないが、データ転送およびCMOSインバータ回路への信号入力用の図示しない回路等が配置されることは言うまでもない。例えば、入力線(IN)の前段にはデータ転送用として、シフトレジスタ、及びレジスタが配置される。また、かかるレジスタに格納された信号によりCMOSインバータ回路70への入力信号を切り替えるカウンタ回路が配置される。
制御電極24は、さらに、プルアップ抵抗66を介して正電位(Vdd)が印加される。プルアップ抵抗66の抵抗値は十分高い値に設定する。例えば、数十kΩ以上、好ましくは数百kΩ以上にすると好適である。これにより、制御回路41の出力電位がグランド電位であっても、制御電極24はグランド電位となり、プルアップ抵抗66には数十〜数百mA程度の電流がながれるのみで、正常にビーム偏向を行うことができる。
一方、対向電極26は、プルダウン抵抗60を介して接地(グランド接続)される。また、対向電極26は、保護抵抗69の両端子の一方に接続され、保護抵抗69の両端子の他方には制御回路43の出力端子が接続される。保護抵抗69の抵抗値は十分小さい値に設定する。保護抵抗69によって、制御電極24と対向電極26がショートした際に、保護抵抗69間に電圧が印加されるような状態であっても、保護抵抗69での電圧降下により制御回路41のインバータ回路及び制御回路43の後述するインバータ回路を保護できる。さらに、ブランキングプレート204上のアパーチャ部材203で散乱された電子が対向電極26から侵入して、制御回路43の後述するインバータ回路を破壊することを防ぐことができる。保護抵抗69は、通常は抵抗のない回路に挿入しているので(回路の浮遊容量Cによる時定数τ=CRを小さくするために)、抵抗値はできるだけ低い方が望ましい。プルダウン抵抗60との分圧比を考慮して、保護抵抗69の抵抗値は、例えば、数100Ω以下、好ましくは数十Ω以下にすると好適である。
制御回路43内には、CMOS(Complementary MOS)インバータ回路68が配置される。CMOSインバータ回路68は正電位Vddとグランド電位に接続される。正電位(Vdd)の電源は、制御回路41のCMOSインバータ回路70に印加する電位の直流電源46から接続される。但し、これに限るものではなく、別の正電位の電源を用意してもよい。
制御回路43内において、CMOSインバータ回路68の出力線(OUT)は、保護抵抗69を介して対向電極26に接続される。CMOSインバータ回路68の入力(IN)には、閾値電圧よりも低くなるL(low)電位(例えばグランド電位)と、閾値電圧以上となるH(high)電位とのいずれかが制御信号として印加される。実施の形態1では、CMOSインバータ回路の入力(IN)にH電位が印加される状態では、CMOSインバータ回路の出力(OUT)はグランド電位となり、対向電極26の電位はプルダウン抵抗60及び保護抵抗69があっても電流が流れないため保護抵抗での電圧降下が生じないためグランド電位となる。よって、制御電極24の電位が正電位(Vdd)の場合には電位差により対応ビーム20を偏向し、制限アパーチャ部材206で遮蔽することでビームOFFになるように制御する。また、制御電極24の電位がグランド電位の場合には電位差が無くなり対応ビーム20を偏向しないので制限アパーチャ部材206を通過することでビームONになるように制御される。よって、故障していない通常使用時は、CMOSインバータ回路68の入力(IN)にH電位が印加されることになる。
また、仮に制御回路43の出力線が断線(オープン)しても、対向電極26はプルダウン抵抗によってグランド接続されているため、グランド電位となる。プルダウン抵抗の値としては、プルアップ抵抗と同様、例えば、数十kΩ以上、好ましくは数百kΩ以上にすると好適である。
ここで、制御電極24の電位が何らかの理由により常時グランド電位に固定された場合には、対応ビーム20が常時基板を照射することとなる。この際、CMOSインバータ回路68の入力(IN)にL電位(アクティブ電位)を印加すると制御回路43の出力は正電位(Vdd)となる。これにより、対向電極26の電位は実質的に正電位(Vdd)になるので、対応ビームを、通常のブランキング偏向と逆方向となる対向電極26側に偏向して、制限アパーチャ部材206に照射させてビームOFFにできる。言い換えれば、制御回路43(電位変更部)は、制御電極24(第1の電極)の電位がグランド電位に固定された場合に、グランド接続された対向電極26(第2の電極)の電位をグランド電位から正電位に変更する。このように、制御回路43(電位変更部)内のCMOSインバータ回路68(第2の電位印加部)は、対向電極26(第2の電極)に、正電位を含む異なる2つの電位(Vdd,グランド電位)を選択的に印加する。
さらに、制御回路41と制御電極24との間が断線等により浮遊状態になった場合には、制御電極24の電位を、プルアップ抵抗66を介して正電位(Vdd)にできる。そして、CMOSインバータ回路68の入力(IN)には、H電位が印加される。これにより、対向電極26の電位を、グランド電位にできる。これにより、制御回路41によって制御不能となった個別ブランキング機構47でも、通常のブランキング偏向と同方向となり不必要な電子ビーム照射を防ぐことができる。一方、制御回路43と対向電極26との間が断線等により浮遊状態になった場合には、対向電極26の電位はプルダウン抵抗60を介してグランド電位にできる。よって、制御回路41と制御電極24との間に故障等が生じない限り、ブランキングプレート204をそのまま使用することもできる。
図4には、マルチビームのうちの1つのビーム用の個別ブランキング機構について示しているが、残りのビーム用の個別ブランキング機構についても同様に構成されている。また、制御回路43(キャンセル回路)は、個別ブランキング機構毎に配置しても良いが、これに限るものではない。図4の説明において示したように、ブランキングプレート204上の複数の個別ブランキング機構47を複数の組にグループ化して、組(グループ)毎に1つの制御回路43を配置しても良い。検査精度を低くする場合であれば、ブランキングプレート204上のすべての個別ブランキング機構47に対して1つの制御回路43(キャンセル回路)が配置されてもよい。このように、少なくとも1つの制御回路43(キャンセル回路)(第2の電位印加部)が配置される。複数の個別ブランキング機構47は、ブランキングプレート204(ブランキング装置)上にアレイ配置される。
また、正電位(Vdd)を供給する直流電源46と電流計48とは、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に対して1つずつ配置すればよい。なお、直流電源46の負極はグランド接続される。ブランキングプレート204(ブランキング装置)上のすべての個別ブランキング機構47は、直流電源46から並列に正電位(Vdd)が印加されればよい。また、正電位(Vdd)を供給する直流電源46に並列に接続された、CMOSインバータ回路70、プルアップ抵抗66、及び、CMOSインバータ回路68に流れる電流は、かかる直流電源46に直列に接続された電流計48によってまとめて測定される。なお、電流計48は必要な時だけ、接続しても構わない。
図5は、実施の形態1における個別ブランキング機構に流れる電流の関係を示す図である。図5において、プルアップ抵抗66の抵抗値R、プルダウン抵抗60の抵抗値R、保護抵抗69の抵抗値R、および正電位Vddを用いて、個別ブランキング機構47に流れる電流の関係を示す。図5では、CMOSインバータ回路70と制御電極24間を流れる電流Iの絶対値|I|と、CMOSインバータ回路68と対向電極26間を流れる電流Iの絶対値|I|と、電流計48を流れる全電流の電流値Itotalが示されている。図5では、個別ブランキング機構47に異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)と、制御電極24と対向電極26との間が短絡(ショート)した状態(電極間Short)と、CMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)との各場合を示している。なお、電極線Openでは、CMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じても、制御電極24にはプルアップ抵抗66が接続されているので制御電極24には正電位Vddが印加される。よって、実際に制御電極24が浮遊状態になるわけではないことは言うまでもない。
(1)「Normal」ケースについて説明する。
(1−1)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
(1−2)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/(R+R)となる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/R+Vdd/(R+R)となる。
(1−3)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、ゼロとなる。
(1−4)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/(R+R)となる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/(R+R)となる。
(2)「電極間Short」ケースについて説明する。
(2−1)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
(2−2)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd(R+R)/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。|I|は|I|を含んでいるため、全電流の電流値Itotalは、Vdd(R+R)/Rとなる。
(2−3)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd(R+R)/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。|I|は|I|を含んでいるため、全電流の電流値Itotalは、Vdd(R+R)/Rとなる。
(2−4)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
(3)「電極線Open」ケースについて説明する。
(3−1)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、ゼロとなる。
(3−2)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/(R+R)となる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/(R+R)となる。
(3−3)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、ゼロとなる。
(3−4)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/(R+R)となる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/(R+R)となる。
よって、CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であるか、或いはCMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。一方、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(Vdd(R+R)/R+測定誤差)ならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、制御電極24と対向電極26との間が短絡(ショート)した状態(電極間Short)であることがわかる。
CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロであり、さらに、CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(Vdd/R+測定誤差)ならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であることがわかる。一方、CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロであり、さらに、CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、制御電極24が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。
さらに、複数の個別ブランキング機構47に対して同時に上記操作を行った場合、以下のようになる。かかる場合、全電流の電流値Itotalは、測定対象の複数の個別ブランキング機構47の合成値となる。
各CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、各CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロならば、測定対象の複数の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であるか、或いはCMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。一方、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(n・Vdd(R+R)/R+測定誤差)ならば、測定対象の複数の個別ブランキング機構47のうちn個の個別ブランキング機構47は、制御電極24と対向電極26との間が短絡(ショート)した状態(電極間Short)であることがわかる。
CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロであり、さらに、CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(m・Vdd/R+測定誤差)ならば、測定対象の複数の個別ブランキング機構47(S個の個別ブランキング機構47)のうちm個の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であることがわかる。そして、残りの(S−m)個の個別ブランキング機構47は、CMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。
そこで、実施の形態1では、かかる全電流の電流値Itotalを測定し、結果を判定することで、ブランキングプレート204の検査を行う。実施の形態1の検査方法を用いることで、ブランキングプレート204(ブランキング装置)を描画装置100に搭載する前の段階で、ブランキングプレート204の検査が可能となる。
図6は、実施の形態1におけるマルチビームのブランキング装置の検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図6において、実施の形態1におけるマルチビームのブランキング装置の検査方法は、電流測定(1)工程(S102)と、判定(1)工程(S104)と、電流測定(2)工程(S106)と、判定(2)工程(S108)と、判定工程(S110)と、グループ化処理工程(S120)と、電流測定(3)工程(S122)と、判定(3)工程(S124)と、電流測定(4)工程(S126)と、判定(4)工程(S128)と、いう一連の工程を実施する。
電流測定(1)工程(S102)として、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47を測定対象として、各個別ブランキング機構47について、制御回路41から正電位Vdd(第1の電位)が制御電極24(第1の電極)に印加され、少なくとも1つの制御回路43(第2の電位印加部)のうち対応する制御回路43からグランド電位(第2の電位)が対向電極26(第2の電極)に印加された状態で、各個別ブランキング機構47へ正電位Vddとグランド電位の電位差の電圧を供給する直流電源46から流れる直流電流値(第1の電流値)を測定する。具体的には、各CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、各CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合における全電流の電流値Itotalを直流電流計48で測定する。
判定(1)工程(S104)として、測定された電流値(第1の電流値)が有限値であり、予め設定された閾値(第1の閾値)以下の場合に、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47(複数の個別ブランキング機構47)のうち短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構47が存在すると判定する。例えば、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載された個別ブランキング機構47の個数がS個である場合、S個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。また、S個の個別ブランキング機構47のうち、n個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、n・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。しかし、実際には、測定誤差が含まれるので、理論値で測定することは困難である。そこで、実施の形態1では、ブランキングプレート204に生じる短絡(ショート)数の許容値aを予め設定する。そして、かかる許容値aを使って閾値を予め設定しておく。例えば、閾値をa・Vdd(R+R)/Rという有限値に設定する。そして、測定された電流値Itotalがかかる閾値以下のゼロではない有限値であれば、短絡(ショート)が生じた許容値内の個数の個別ブランキング機構47が存在すると判定する。測定された電流値Itotalがかかる閾値を超える場合には、当該ブランキングプレート204は使用不可と判定される。
さらに、全電流の電流値Itotalがゼロの場合に、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47(複数の個別ブランキング機構47)は、それぞれ、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であるか、或いはCMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が開放となった状態(電極線Open)であると判定される。判定結果は、出力される。
電流測定(2)工程(S106)として、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47を測定対象として、各個別ブランキング機構47について制御回路41からグランド電位(第2の電位)が制御電極24(第1の電極)に印加され、対応する制御回路43(第2の電位印加部)からグランド電位(第2の電位)が対向電極26(第2の電極)に印加された状態で直流電源46から流れる電流値(第2の電流値)を測定する。具体的には、各CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、各CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合における全電流の電流値Itotalを直流電流計48で測定する。
判定(2)工程(S108)として、測定された電流値(第2の電流値)が有限値であり、予め設定された閾値(第2の閾値)より小さい場合に、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47(複数の個別ブランキング機構47)のうち断線が生じた予め設定された許容数b(第1の許容数)を超える個別ブランキング機構47が存在すると判定する。例えば、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載された個別ブランキング機構47の個数がS個である場合、S個の個別ブランキング機構47が、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)である場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S・Vdd/Rという有限の値になる。また、S個の個別ブランキング機構47のうち、m個の個別ブランキング機構47が、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)である場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、m・Vdd/Rという有限の値になる。しかし、実際には、測定誤差が含まれるので、理論値で測定することは困難である。そこで、実施の形態1では、ブランキングプレート204に生じる断線が生じた個別ブランキング機構47の許容数bを予め設定する。そして、かかる許容数bを使って閾値を予め設定しておく。例えば、閾値を(S−b)・Vdd/Rという有限値に設定する。そして、測定された電流値Itotalがかかる閾値より小さければ、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)の個別ブランキング機構47の数が不足している、言い換えれば、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47(複数の個別ブランキング機構47)のうち断線が生じた予め設定された許容数b(第1の許容数)を超える個別ブランキング機構47が存在すると判定する。判定結果は、出力される。
判定工程(S110)として、測定された電流値(第2の電流値)が、閾値(第2の閾値)以上の場合にブランキングプレート204(ブランキング装置)が使用可能であると判定する。なお、判定(1)工程(S104)で測定された電流値(第1の電流値)がゼロではない有限値であり、予め設定された閾値(第1の閾値)以下であっても、短絡した電極間では電位差が生じないためビームOFFにブランキング制御を行うことは困難である。すなわち、描画装置100に搭載後は、ビームON固定の状態となる。そのため、ビームON固定を回避するための他の対策が無い場合には、不良ビームを照射し続けることになるので、かかる場合には当該ブランキングプレート204は使用不可と判定すればよい。判定結果は、出力される。
以上の工程により、ブランキングプレート204(ブランキング装置)単位で、まず、使用可能か否かを判定できる。かかる工程で使用可となった場合には、次に、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47のうちの不良個別ブランキング機構(異常個所)を特定する。異常個所の特定は、以下に示すグループ単位で判定することができる。
グループ化処理工程(S120)として、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47(複数の個別ブランキング機構)を個別ブランキング機構群ごとに複数のグループにグループ化する。
図7は、実施の形態1におけるグループ化の仕方の一例を示す図である。図7(a)の例では、マルチビーム20をブランキング制御する、ブランキングプレート204上の例えば、9×9の個別ブランキング機構47のうち、上から3段目かつ左から5列目の個別ブランキング機構21が常時な不良個別ブランキング機構(異常個所)とする場合を示している。図7(b)の例では、y方向に同じ段でx方向に並ぶすべての個別ブランキング機構47で1つの組(グループ)を構成する。そして、グループ毎に1つの制御回路43(キャンセル回路)を配置する。図7(b)の例では、上から1段目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43aが配置される。上から2段目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43bが配置される。上から3段目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43cが配置される。上から4段目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43dが配置される。上から5段目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43eが配置される。同様に、各段の個別ブランキング機構47群に対して順に、制御回路43f〜43iが配置される。図7(b)に示すように横(x方向)1列を1つのグループとして構成する。
図8は、実施の形態1におけるグループ化の仕方の他の一例を示す図である。図8の例では、x方向に同じ列でy方向に並ぶすべての個別ブランキング機構47で1つの組(グループ)を構成する。そして、グループ毎に1つの制御回路43(キャンセル回路)を配置する。図8の例では、左から1列目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43Aが配置される。左から2列目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43Bが配置される。左から3列目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43Cが配置される。左から4列目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43Dが配置される。左から5列目の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43Eが配置される。同様に、各列の個別ブランキング機構47群に対して順に、制御回路43F〜43Iが配置される。図8に示すように縦(y方向)1列を1つのグループとして構成する。
図9は、実施の形態1におけるグループ化の仕方の他の一例を示す図である。図9では、n×nの個別ブランキング機構47のうち、m×mの個別ブランキング機構47群毎に1つの組(グループ)を構成する。図9の例では、例えば、9×9の個別ブランキング機構47のうち、3×3の個別ブランキング機構47群毎に1つの組(グループ)を構成する。そして、グループ毎に1つの制御回路43(キャンセル回路)を配置する。図9の例では、左上からx方向および−y方向に最初の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43jが配置される。左上からx方向に1番目かつ−y方向に2番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43kが配置される。左上からx方向に1番目かつ−y方向に3番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43lが配置される。左上からx方向に2番目かつ−y方向に1番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43mが配置される。左上からx方向に2番目かつ−y方向に2番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43nが配置される。左上からx方向に2番目かつ−y方向に3番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43pが配置される。左上からx方向に3番目かつ−y方向に1番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43qが配置される。左上からx方向に3番目かつ−y方向に2番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43rが配置される。左上からx方向に3番目かつ−y方向に3番目の3×3の個別ブランキング機構47群に対して制御回路43sが配置される。図9に示すように縦(y方向)横(x方向)に1塊の個別ブランキング機構47群を1つのグループとして構成する。なお、縦(y方向)横(x方向)に同数の個別ブランキング機構47アレイで無くてもよい。
図10は、実施の形態1における複数の個別ブランキング機構に1つのキャンセル回路が配置された構成の一例を示す図である。図10の例では、図7〜図9のいずれかの手法でグループ化された、個別ブランキング機構47a〜個別ブランキング機構47nの個別ブランキング機構群に1つの制御回路43(キャンセル回路)が配置された場合を一例として示している。図10では、ブランキングプレート204の上面の一部を示している。個別ブランキング機構47aにおいて、制御電極24aには、制御回路41aと並列にプルアップ抵抗66aが接続され、プルアップ抵抗66aには直流電源46から供給された正電位(Vdd)が印加される。また、制御回路41a内の図4で示したCMOSインバータ回路70には直流電源46から供給された正電位(Vdd)とグランド電位が印加される。また対向電極26aには、接地されたプルダウン抵抗60aと並列に保護抵抗69aが接続される。同様に、個別ブランキング機構47bにおいて、制御電極24bには、制御回路41bと並列にプルアップ抵抗66bが接続され、プルアップ抵抗66bには直流電源46から供給された正電位(Vdd)が印加される。また、制御回路41b内の図4で示したCMOSインバータ回路70には直流電源46から供給された正電位(Vdd)とグランド電位が印加される。また対向電極26bには、接地されたプルダウン抵抗60bと並列に保護抵抗69bが接続される。同じグループ内のその他の個別ブランキング機構47についても同様である。
そして、同じグループ内の各個別ブランキング機構47の保護抵抗69a〜69nは、制御回路43(キャンセル回路)内の図4で示したCMOSインバータ回路68の出力に接続される。また、制御回路43内の図4で示したCMOSインバータ回路68には直流電源46から供給された正電位(Vdd)とグランド電位が印加される。各グループとも、同様に構成される。そして、各グループに正電位Vddを供給する各配線は、それぞれ当該グループ用のスイッチ45の両端のうちの一方に並列に接続され、スイッチ45の両端のうちの他方は並列に直流電源46の正極に接続され、直流電源46に直列に電流計48が接続される。また、直流電源46の負極は接地される。かかる構成は、スイッチ45のON/OFFを切り替えることで、グループ単位で正電位(Vdd)の供給を切り離すことができる。言い換えれば、グループ毎に個別ブランキング機構47群の検査が可能となる。
電流測定(3)工程(S122)として、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47のうち、測定対象グループの個別ブランキング機構47群を測定対象として、グループ毎に、当該グループ内の各個別ブランキング機構47について制御回路41(第1の電位印加部)から正電位Vdd(第1の電位)が制御電極24(第1の電極)に印加され、当該グループ用の制御回路43(第2の電位印加部)からグランド電位(第2の電位)が対向電極26(第2の電極)に印加され、他のグループ内の各個別ブランキング機構47については電流が流れないように制御された状態で、当該グループ内の各個別ブランキング機構へ正電位Vddとグランド電位の電圧を供給する直流電源46から流れる電流値(第3の電流値)を測定する。具体的には、測定対象グループ以外のグループについてはスイッチ45をOFF(開)にして、測定対象グループの各CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、各CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合における全電流の電流値Itotalを電流計48で測定する。
判定(3)工程(S124)として、グループ毎に、測定された全電流の電流値Itotal(第3の電流値)がゼロではない有限値である場合に、当該グループ内の個別ブランキング機構47群のうち短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構47が存在すると判定する。例えば、測定対象グループ内の個別ブランキング機構47の個数がS’個である場合、S’個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S’・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。また、S’個の個別ブランキング機構47のうち、n’個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、n’・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。よって、有限値を示せば、グループ内に短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構47が存在することがわかる。短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構47が存在するグループについては、描画装置100に搭載した際にビームが試料101に届かないように対策を講じることになる。
さらに、全電流の電流値Itotalがゼロの場合に、当該グループ内の個別ブランキング機構47群は、それぞれ、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であるか、或いはCMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であると判定される。判定結果は、出力される。
電流測定(4)工程(S126)として、グループ毎に、当該グループ内の各個別ブランキング機構47について制御回路41(第1の電位印加部)からグランド電位(第2の電位)が制御電極24(第1の電極)に印加され、当該グループ用の制御回路43(第2の電位印加部)からグランド電位(第2の電位)が対向電極26(第2の電極)に印加され、他のグループ内の各個別ブランキング機構については電流が流れないように制御された状態で直流電源46から流れる電流値(第4の電流値)を測定する。具体的には、測定対象グループ以外のグループについてはスイッチ45をOFF(開)にして、測定対象グループの各CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、各CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合における全電流の電流値Itotalを電流計48で測定する。
判定(4)工程(S128)として、グループ毎に、測定された電流値(第4の電流値)が有限値であり、予め設定された閾値(第3の閾値)より小さい場合に当該グループ内の個別ブランキング機構47群のうち断線が生じた個別ブランキング機構47が存在すると判定する。例えば、測定対象グループ内の個別ブランキング機構47の個数がS’個である場合、S’個の個別ブランキング機構47が、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)である場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S’・Vdd/Rという有限の値になる。よって、閾値を予め設定しておく。例えば、閾値をS’・Vdd/Rという有限値に設定する。そして、測定された電流値Itotalがかかる閾値より小さければ、当該グループ内に断線が生じた個別ブランキング機構47が存在することがわかる。判定結果は、出力される。
以上の電流測定(3)工程(S122)から判定(4)工程(S128)によって、ショートが生じているグループと、断線が生じているグループとを特定することができる。
上述した実施の形態1によれば、描画装置100にブランキングプレート204(ブランキング装置)を搭載する前の段階で、ブランキングプレート204内に、短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構が存在するかどうかを検査できる。さらに、描画装置100にブランキングプレート204(ブランキング装置)を搭載する前の段階で、ブランキングプレート204内に、制御回路41と制御電極24間の断線が生じている個別ブランキング機構が存在するかどうかを検査できる。さらに、短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構および制御回路41と制御電極24間の断線が生じている個別ブランキング機構については、グループ単位で特定できる。
描画装置100にブランキングプレート204を搭載した際に、制御回路41と制御電極24間の断線については、制御回路43(キャンセル回路)を使って、ビームOFFに制御できる。よって、断線が生じているグループが特定できれば、かかるグループ内の個別ブランキング機構47群をすべてビームOFFに制御することで描画動作を進めることができる。一方、制御電極24と対向電極26との間にショートが生じている場合には、制御回路43(キャンセル回路)を使って、ビームOFFに制御することは困難である。よって、ショートが生じているグループが特定できれば、かかるグループ内の個別ブランキング機構47群から照射されるビームを遮蔽する必要が生じる。その他、制御回路41等の異常により制御電極24の電位がグランド電位に固定され、制御回路41によって制御不能になった場合には、制御回路43(キャンセル回路)を使って、ビームOFFに制御できる。以下、検査済のブランキングプレート204を搭載した描画装置100の動作について説明する。
図11は、実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。図11に示すように、試料101の描画領域30は、例えば、y方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域32に仮想分割される。かかる各ストライプ領域32は、描画単位領域となる。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のストライプ領域32の左端、或いはさらに左側の位置に一回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34が位置するように調整し、描画が開始される。第1番目のストライプ領域32を描画する際には、XYステージ105を例えば−x方向に移動させることにより、相対的にx方向へと描画を進めていく。XYステージ105は所定の速度で例えば連続移動させる。第1番目のストライプ領域32の描画終了後、ステージ位置を−y方向に移動させて、第2番目のストライプ領域32の右端、或いはさらに右側の位置に照射領域34が相対的にy方向に位置するように調整し、今度は、XYステージ105を例えばx方向に移動させることにより、−x方向にむかって同様に描画を行う。第3番目のストライプ領域32では、x方向に向かって描画し、第4番目のストライプ領域32では、−x方向に向かって描画するといったように、交互に向きを変えながら描画することで描画時間を短縮できる。但し、かかる交互に向きを変えながら描画する場合に限らず、各ストライプ領域32を描画する際、同じ方向に向かって描画を進めるようにしても構わない。1回のショットでは、アパーチャ部材203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、各穴22と同数の複数のショットパターンが一度に形成される。
具体的には、制御計算機110が、記憶装置140から描画データを読み出し、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域がメッシュ状に仮想分割された複数のメッシュ領域のメッシュ領域毎にその内部に配置されるパターンの面積密度を算出する。例えば、まず、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を所定の幅で短冊状のストライプ領域に分割する。そして、各ストライプ領域を上述した複数のメッシュ領域に仮想分割する。メッシュ領域のサイズは、例えば、ビームサイズ、或いは、それ以下のサイズであると好適である。例えば、10nm程度のサイズにすると好適である。データ処理部56は、例えば、ストライプ領域毎に記憶装置140から対応する描画データを読み出し、描画データ内に定義された複数の図形パターンをメッシュ領域に割り当てる。そして、メッシュ領域毎に配置される図形パターンの面積密度を算出すればよい。
また、制御計算機110は、所定のサイズのメッシュ領域毎に、1ショットあたりの電子ビームの照射時間T(ショット時間、或いは露光時間ともいう。以下、同じ)を算出する。多重描画を行う場合には、各階層における1ショットあたりの電子ビームの照射時間Tを算出すればよい。基準となる照射時間Tは、算出されたパターンの面積密度に比例して求めると好適である。また、最終的に算出される照射時間Tは、図示しない近接効果、かぶり効果、ローディング効果等の寸法変動を引き起こす現象に対する寸法変動分を照射量によって補正した補正後の照射量に相当する時間にすると好適である。照射時間Tを定義する複数のメッシュ領域とパターンの面積密度を定義した複数のメッシュ領域とは同一サイズであってもよいし、異なるサイズで構成されても構わない。異なるサイズで構成されている場合には、線形補間等によって面積密度を補間した後、各照射時間Tを求めればよい。メッシュ領域毎の照射時間Tは、照射時間マップに定義され、照射時間マップが例えば記憶装置142に格納される。
また、制御計算機110は、対応するビームの照射時間のデータを例えば10ビットのデジタルデータに変換し、照射時間配列データを作成する。作成された照射時間配列データは、偏向制御回路130に出力する。
偏向制御回路130は、ショット毎に、各制御回路41に照射時間配列データを出力する。
そして、描画工程として、描画制御部58の制御のもとで、描画部150は、各ビームのショット毎に、該当する照射時間の描画を実施する。具体的には以下のように動作する。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直にアパーチャ部材203全体を照明する。アパーチャ部材203には、矩形の複数の穴(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴が含まれる領域を照明する。複数の穴の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかるアパーチャ部材203の複数の穴をそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a〜eが形成される。かかるマルチビーム20a〜eは、ブランキングプレート204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。かかるブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。
ブランキングプレート204を通過したマルチビーム20a〜eは、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ部材206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向された電子ビーム20は、制限アパーチャ部材206(ブランキングアパーチャ部材)の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材206によって遮蔽される。一方、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向されなかった電子ビーム20は、図1に示すように制限アパーチャ部材206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ部材206は、個別ブランキング機構によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ部材206を通過したビームにより、1回分のショットのビームが形成される。制限アパーチャ部材206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、偏向器208によって、制限アパーチャ部材206を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向にまとめて偏向され、各ビームの試料101上のそれぞれの照射位置に照射される。また、例えばXYステージ105が連続移動している時、ビームの照射位置がXYステージ105の移動に追従するように偏向器208によって制御される。XYステージ105の位置は、ステージ位置検出器139からレーザーをXYステージ105上のミラー210に向けて照射し、その反射光を用いて測定される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的にはアパーチャ部材203の複数の穴の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。描画装置100は、ショットビームを連続して順に照射していくラスタースキャン方式で描画動作を行い、所望のパターンを描画する際、パターンに応じて必要なビームがブランキング制御によりビームONに制御される。
ここで、描画装置100に搭載前の検査によって、制御回路41と制御電極24間が断線した個別ブランキング機構47については、CMOSインバータ回路68の入力をH電位にする。これにより、制御回路41と制御電極24間が断線した個別ブランキング機構47の制御電極24には、プルアップ抵抗66を介して正電位Vddが印加され、一方、対向電極26には、制御回路43からグランド電位が印加される。よって、電極間の電位差によって、通過するビームは偏向され、制限アパーチャ206によって遮蔽されるのでビームOFFにできる。
一方、制御電極24と対向電極26間がショートしている個別ブランキング機構47を含むグループについては、例えば、上述した特許文献1の手法と同様、当該グループ内の個別ブランキング機構47を通過するビーム群が試料に照射される前にかかるビーム群の直下に可動式の遮蔽部材を移動させて強制的に遮蔽してしまえばよい。
また、実施の形態1におけるブランキングプレート204では、制御回路43(キャンセル回路)を使って、制御電極24の電位が常時グランド電位に固定されることに起因するビームON固定の状態をビームOFFに制御することができる。具体的には、制御電極24の電位が常時グランド電位に固定された場合には、CMOSインバータ回路68の入力(IN)にL電位(アクティブ電位)を印加する。これにより、対向電極26の電位は実質的に正電位(Vdd)になるので、対応ビームを、通常のブランキング偏向と逆方向となる対向電極26側に偏向して、制限アパーチャ部材206に照射させてビームOFFにできる。言い換えれば、制御回路43(電位変更部)は、制御電極24(第1の電極)の電位がグランド電位に固定された場合に、グランド接続された対向電極26(第2の電極)の電位をグランド電位から正電位に変更する。このように、制御回路43(電位変更部)内のCMOSインバータ回路68(第2の電位印加部)は、対向電極26(第2の電極)に、正電位を含む異なる2つの電位(Vdd,グランド電位)を選択的に印加する。また、ビームON固定となる個別ブランキング機構47を含むグループについては、各CMOSインバータ回路70の入力をH電位にし、CMOSインバータ回路68の入力をL電位にすればよい。これにより、ビームON固定となる個別ブランキング機構47の制御電極24には、元々、グランド電位が印加され、当該グループ内の正常な個別ブランキング機構47の制御電極24には、制御回路41からグランド電位が印加される。一方、対向電極26には、制御回路43から正電位Vddが印加される。よって、電極間の電位差によって、通過するビームは偏向され、制限アパーチャ206によって遮蔽されるのでビームOFFにできる。
なお、実施の形態1では、不良個別ブランキング機構を含むグループを描画処理から外しているので、かかるグループの個別ブランキング機構47を通過するビームで描画されるはずであった照射位置は描画されていないことになる。そこで、実施の形態1では、かかる照射位置を正常な個別ブランキング機構47によって構成されるグループが描画するように追加露光を実施する。これにより、一部のグループが使用不可であっても高精度な描画処理を実施することができる。
以上のように実施の形態1によれば、描画装置にブランキング装置を搭載する前の段階で、ブランキング装置内に、少なくとも電極間の短絡(ショート)もしくは電極線の開放(オープン)が生じた個別ブランキング機構が存在するかどうかを検査できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、制御回路41と制御電極24間の断線や制御電極24がグランド電位固定になった場合でもビームOFFに制御可能な構成の一例について説明したが、これに限るものではない。実施の形態2では、他の一例について説明する。また、描画装置100の構成は図1と同様である。また、以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様である。
図12は、実施の形態2における個別ブランキング機構の一例を示す図である。図12において、保護抵抗69の配置位置が、対向電極26側から制御電極24側に変わった点以外は、図4と同様である。すなわち、図12において、制御電極24には、プルアップ抵抗66と保護抵抗69の両端子の一方とが接続され、保護抵抗69の両端子の他方には制御回路41の出力端子が接続される。保護抵抗69の抵抗値は十分小さい値に設定する。保護抵抗69によって、制御電極24と対向電極26がショートした際に、制御回路41のインバータ回路70及び制御回路43のインバータ回路68を保護できる。さらに、ブランキングプレート204上のアパーチャ部材203で散乱された電子が制御電極24から侵入して、制御回路41のインバータ回路70を破壊することを防ぐことができる。保護抵抗の配置としてはより重要なインバータ回路70を保護する目的においては、実施の形態1よりも好適である。保護抵抗69は、通常は抵抗のない回路に挿入しているので(回路の浮遊容量Cによる時定数τ=CRを小さくするために)、抵抗値はできるだけ低い方が望ましい。プルアップ抵抗66との分圧比を考慮して、保護抵抗69の抵抗値は、例えば、数100Ω以下、好ましくは数十Ω以下にすると好適である。一方、対向電極26は、プルダウン抵抗60と制御回路43の出力端子が接続される。かかる構成では、図4の個別ブランキング機構とは、流れる電流の理論値が異なる。
図13は、実施の形態2における個別ブランキング機構に流れる電流の関係を示す図である。図13において、プルアップ抵抗66の抵抗値R、プルダウン抵抗60の抵抗値R、保護抵抗69の抵抗値R、および正電位Vddを用いて、個別ブランキング機構47に流れる電流の関係を示す。図13では、CMOSインバータ回路70と制御電極24間を流れる電流Iの絶対値|I|と、CMOSインバータ回路68と対向電極26間を流れる電流Iの絶対値|I|と、電流計48を流れる全電流の電流値Itotalが示されている。図13では、個別ブランキング機構47に異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)と、制御電極24と対向電極26との間が短絡(ショート)した状態(電極間Short)と、CMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)との各場合を示している。なお、電極線Openでは、CMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じても、制御電極24にはプルアップ抵抗66が接続されているので制御電極24には正電位Vddが印加される。よって、実際に制御電極24が浮遊状態になるわけではないことは言うまでもない。
(1)「Normal」ケースについて説明する。
(1−1)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/(R+R)となる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/(R+R)となる。
(1−2)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/(R+R)となる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/(R+R)+Vdd/Rとなる。
(1−3)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、ゼロとなる。
(1−4)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
(2)「電極間Short」ケースについて説明する。
(2−1)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
(2−2)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd(R+R)/Rとなる。
(2−3)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd(R+R)/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd(R+R)/Rとなる。
(2−4)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
(3)「電極線Open」ケースについて説明する。
(3−1)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、ゼロとなる。
(3−2)CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
(3−3)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。全電流の電流値Itotalは、ゼロとなる。
(3−4)CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がL電位の場合、電流Iの絶対値|I|は、ゼロとなる。電流Iの絶対値|I|は、Vdd/Rとなる。全電流の電流値Itotalは、Vdd/Rとなる。
よって、CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であるか、或いはCMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。一方、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(Vdd(R+R)/R+測定誤差)ならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、制御電極24と対向電極26との間が短絡(ショート)した状態(電極間Short)であることがわかる。
CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロであり、さらに、CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(Vdd/(R+R)+測定誤差)ならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であることがわかる。一方、CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロであり、さらに、CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロならば、測定対象の個別ブランキング機構47は、制御電極24が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。
さらに、複数の個別ブランキング機構47に対して同時に上記操作を行った場合、以下のようになる。かかる場合、全電流の電流値Itotalは、測定対象の複数の個別ブランキング機構47の合成値となる。
各CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、各CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロならば、測定対象の複数の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であるか、或いはCMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。一方、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(n・Vdd(R+R)/R+測定誤差)ならば、測定対象の複数の個別ブランキング機構47のうちn個の個別ブランキング機構47は、制御電極24と対向電極26との間が短絡(ショート)した状態(電極間Short)であることがわかる。
CMOSインバータ回路70の入力がL電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロであり、さらに、CMOSインバータ回路70の入力がH電位で、CMOSインバータ回路68の入力がH電位の場合、全電流の電流値Itotalがゼロでなく、有限の値(m・Vdd/(R+R)+測定誤差)ならば、測定対象の複数の個別ブランキング機構47(S個の個別ブランキング機構47)のうちm個の個別ブランキング機構47は、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であることがわかる。そして、残りの(S−m)個の個別ブランキング機構47は、CMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であることがわかる。
そこで、実施の形態2では、実施の形態1と同様、かかる全電流の電流値Itotalを測定し、結果を判定することで、ブランキングプレート204の検査を行う。実施の形態1と同様、それぞれの判定結果は、出力される。実施の形態2の検査方法を用いることで、ブランキングプレート204(ブランキング装置)を描画装置100に搭載する前の段階で、ブランキングプレート204の検査が可能となる。
実施の形態2におけるマルチビームのブランキング装置の検査方法は、図6とお同様である。
なお、判定(1)工程(S104)において、例えば、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載された個別ブランキング機構47の個数がS個である場合、S個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。また、S個の個別ブランキング機構47のうち、n個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、n・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。しかし、実際には、測定誤差が含まれるので、理論値で測定することは困難である。そこで、実施の形態2では、ブランキングプレート204に生じる短絡(ショート)数の許容値aを予め設定する。そして、かかる許容値aを使って閾値を予め設定しておく。例えば、閾値をa・Vdd(R+R)/Rという有限値に設定する。そして、測定された電流値Itotalがかかる閾値以下のゼロではない有限値であれば、短絡(ショート)が生じた許容値内の個数の個別ブランキング機構47が存在すると判定する。測定された電流値Itotalがかかる閾値を超える場合には、当該ブランキングプレート204は使用不可と判定される。
さらに、全電流の電流値Itotalがゼロの場合に、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47(複数の個別ブランキング機構47)は、それぞれ、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)であるか、或いはCMOSインバータ回路70と制御電極24間に断線等が生じてCMOSインバータ回路70と制御電極24間が浮遊状態となった状態(電極線Open)であると判定される点は実施の形態1と同様である。判定結果は、出力される。
判定(2)工程(S108)において、例えば、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載された個別ブランキング機構47の個数がS個である場合、S個の個別ブランキング機構47が、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)である場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S・Vdd/(R+R)という有限の値になる。また、S個の個別ブランキング機構47のうち、m個の個別ブランキング機構47が、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)である場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、m・Vdd/(R+R)という有限の値になる。しかし、実際には、測定誤差が含まれるので、理論値で測定することは困難である。そこで、実施の形態2では、ブランキングプレート204に生じる断線が生じた個別ブランキング機構47の許容数bを予め設定する。そして、かかる許容数bを使って閾値を予め設定しておく。例えば、閾値を(S−b)・Vdd/(R+R)という有限値に設定する。そして、測定された電流値Itotalがかかる閾値より小さければ、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)の個別ブランキング機構47の数が不足している、言い換えれば、ブランキングプレート204(ブランキング装置)に搭載されたすべての個別ブランキング機構47(複数の個別ブランキング機構47)のうち断線が生じた予め設定された許容数b(第1の許容数)を超える個別ブランキング機構47が存在すると判定する。判定結果は、出力される。
また、判定(3)工程(S124)において、例えば、測定対象グループ内の個別ブランキング機構47の個数がS’個である場合、S’個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S’・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。また、S’個の個別ブランキング機構47のうち、n’個の個別ブランキング機構47が短絡していた場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、n’・Vdd(R+R)/Rという有限の値になる。よって、有限値を示せば、グループ内に短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構47が存在することがわかる。短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構47が存在するグループについては、描画装置100に搭載した際にビームが試料101に届かないように対策を講じることになる。判定結果は、出力される。
また、判定(4)工程(S128)において、例えば、測定対象グループ内の個別ブランキング機構47の個数がS’個である場合、S’個の個別ブランキング機構47が、異常が無い正常のブランキング動作ができる状態(Normal)である場合、全電流の電流値Itotalは、理論上、S’・Vdd/(R+R)という有限の値になる。よって、閾値を予め設定しておく。例えば、閾値をS’・Vdd/(R+R)という有限値に設定する。そして、測定された電流値Itotalがかかる閾値より小さければ、当該グループ内に断線が生じた個別ブランキング機構47が存在することがわかる。判定結果は、出力される。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、描画装置100にブランキングプレート204(ブランキング装置)を搭載する前の段階で、ブランキングプレート204内に、短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構が存在するかどうかを検査できる。さらに、描画装置100にブランキングプレート204(ブランキング装置)を搭載する前の段階で、ブランキングプレート204内に、制御回路41と制御電極24間の断線が生じている個別ブランキング機構が存在するかどうかを検査できる。さらに、短絡(ショート)が生じた個別ブランキング機構および制御回路41と制御電極24間の断線が生じている個別ブランキング機構については、グループ単位で特定できる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。上述した例では、各制御回路41の制御用に10ビットの制御信号が入力される場合を示したが、ビット数は、適宜設定すればよい。例えば、2ビット、或いは3ビット〜9ビットの制御信号を用いてもよい。なお、11ビット以上の制御信号を用いてもよい。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置、マルチ荷電粒子ビーム描画装置、及びマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法は、本発明の範囲に包含される。
20 マルチビーム
22 穴
24 制御電極
26 対向電極
30 描画領域
32 ストライプ領域
41,43 制御回路
46 直流電源
47 個別ブランキング機構
48 直流電流計
60 プルダウン抵抗
66 プルアップ抵抗
68,70 CMOSインバータ回路
69 保護抵抗
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
106 ファラディーカップ
110 制御計算機
112 メモリ
130 偏向制御回路
139 ステージ位置検出器
140,142 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 アパーチャ部材
204 ブランキングプレート
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ部材
207 対物レンズ
208 偏向器
210 ミラー

Claims (9)

  1. ブランキング装置の不良個別ブランキング機構を検査するブランキング装置の検査方法であって、
    第1と第2の電位を選択的に印加可能な第1の電位印加部と、
    前記第1の電位が印加される第1の抵抗と、
    前記第1の電位印加部から前記第1と第2の電位が選択的に印加されると共に、前記第1の抵抗が接続された第1の電極と、
    前記第2の電位が印加される第2の抵抗と、
    前記第2の抵抗が接続されると共に、配線を介して前記第1と第2の電位が選択的に印加される第2の電極と、
    前記第1の電位印加部と前記第1の電極との間、若しくは前記配線中に直列に接続された第3の抵抗と、
    をそれぞれ備えた、アレイ配置され、マルチ荷電粒子ビームの対応ビームのブランキング制御を行う複数の個別ブランキング機構と、
    前記複数の個別ブランキング機構の第2の電極に、前記第1と第2の電位を選択的に印加可能な少なくとも1つの第2の電位印加部と、
    が搭載されたブランキング装置を用いて、各個別ブランキング機構について前記第1の電位印加部から前記第1の電位が前記第1の電極に印加され、前記少なくとも1つの第2の電位印加部のうち対応する第2の電位印加部から前記第2の電位が前記第2の電極に印加された状態で、各個別ブランキング機構へ前記第1と第2の電位差の電圧を供給する電源から流れる第1の電流値を測定する工程と、
    測定された第1の電流値が有限値であり、予め設定された第1の閾値以下の場合に、前記複数の個別ブランキング機構のうち短絡が生じた個別ブランキング機構が存在すると判定し、結果を出力する工程と、
    を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  2. 前記第1の電位は正電位であり、前記第2の電位はグランド電位であることを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  3. 測定された前記第1の電流値が前記第1の閾値を超える場合に、前記ブランキング装置は使用不可であると判定し、結果を出力することを特徴とする請求項2記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  4. 前記第1の閾値は、前記複数の個別ブランキング機構のうち、短絡している個別ブランキング機構の数の許容値を用いて設定されることを特徴とする請求項3記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  5. 前記各個別ブランキング機構について前記第1の電位印加部から前記第2の電位が前記第1の電極に印加され、前記対応する第2の電位印加部から前記第2の電位が前記第2の電極に印加された状態で前記電源から流れる第2の電流値を測定する工程と、
    測定された第2の電流値が有限値であり、予め設定された第2の閾値より小さい場合に、前記複数の個別ブランキング機構のうち断線が生じた予め設定された第1の許容数を超える個別ブランキング機構が存在すると判定し、結果を出力する工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  6. 前記第2の電位はグランド電位であることを特徴とする請求項5記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  7. 測定された第2の電流値が、前記第2の閾値以上の場合に前記ブランキング装置が使用可能であると判定し、結果を出力することを特徴とする請求項5記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  8. 前記複数の個別ブランキング機構を個別ブランキング機構群ごとに複数のグループにグループ化する工程と、
    グループ毎に、当該グループ内の各個別ブランキング機構について前記第1の電位印加部から前記第1の電位が前記第1の電極に印加され、前記対応する第2の電位印加部から前記第2の電位が前記第2の電極に印加され、他のグループ内の各個別ブランキング機構については電流が流れないように制御された状態で、各個別ブランキング機構へ前記第1と第2の電位差の電圧を供給する電源から流れる第3の電流値を測定する工程と、
    グループ毎に、測定された第3の電流値が有限値である場合に、当該グループ内の個別ブランキング機構群のうち短絡が生じた個別ブランキング機構が存在すると判定し、結果を出力する工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
  9. グループ毎に、当該グループ内の各個別ブランキング機構について前記第1の電位印加部から前記第2の電位が前記第1の電極に印加され、前記対応する第2の電位印加部から前記第2の電位が前記第2の電極に印加され、他のグループ内の各個別ブランキング機構については電流が流れないように制御された状態で前記電源から流れる第4の電流値を測定する工程と、
    グループ毎に、測定された第4の電流値が有限値であり、予め設定された第3の閾値より小さい場合に当該グループ内の個別ブランキング機構群のうち断線が生じた個別ブランキング機構が存在すると判定し、結果を出力する工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項記載のマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置の検査方法。
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