JP6589652B2 - ケース及びパーティクル測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平板状の収容物を収容する密閉型のケース、および、このケース内のパーティクル測定方法に関し、特に、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハ等の精密部品を収容するケース及びパーティクル測定方法に関するものである。
半導体デバイスや、半導体デバイスを製造する際に用いられるフォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハ等の精密部品は、異物(パーティクル)の付着を防ぐために、一般的に、クリーンルーム内で扱われる。そして、クリーンルーム内の装置に搬送する際や保管する際には、これらの精密部品を、専用のケース内に収容することも行われている(例えば、特許文献1)。
特開2001−53136号公報
上記のような専用のケースは、通常、使用前に、純水、温水、または薬液等により、洗浄される。しかしながら、ケース内に残留するパーティクルが、搬送中に収容物である精密部品に付着してしまうという問題があり、ケースを密閉した状態、さらにはケース内に収容物を収容して密閉した状態で、ケース内のパーティクルを測定することが望まれていた。
そこで、ケースに孔を開けて、この孔を通してケース内のパーティクルを、ケースの外に設置したパーティクル測定器で測定する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、バルブ等を設けてパーティクル測定時以外は孔を塞ぐ構成にしたとしても、このような構成を設けた為に、却ってパーティクルが発生し易くなるおそれがあり、採用し難い。また、ケースの洗浄も困難になるおそれもある。
なお、パーティクル測定用の試験ケースにのみ孔を設ける場合は、あくまで、試験ケースの測定結果が得られるだけであって、製品である精密部品を収容するケース、すなわち、実際に使用するケースのパーティクル管理としては不十分である。
また、小型のパーティクル測定器をケース内に備えてパーティクル測定する方法も考えられる。ただし、ケースの洗浄等に際しては、この小型のパーティクル測定器が容易にケースから着脱可能であることが必要である。
例えば、この小型のパーティクル測定器の着脱を、ねじ止めで行うような構成では、却ってパーティクルが発生し易くなるおそれがあり、採用し難い。
一方、この小型のパーティクル測定器の装着は、製品である精密部品を収容したケースを、実際に搬送させた場合と同様の振動を受ける状態で、ケースと分離せずに、確実にケースに備え付けられていることが望ましい。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ケースに複雑な構成を付加することなく、ケースを密閉した状態、さらにはケース内に収容物を収容して密閉した状態で、ケース内のパーティクルを測定することが可能な、ケース及びパーティクル測定方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、平板状の収容物を収容する密閉型のケースであって、天板部と、該天板部の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部を有し、該天板部と該周壁部から構成される空間に前記収容物が納められる蓋部と、前記収容物を保持する底部と、を有しており、前記底部の上面には、前記収容物の裏面を保持する収容物保持部が複数個設けられており、前記複数個の収容物保持部で囲まれる領域に、粘着シートを介してパーティクル測定器が配置されていることを特徴とする、ケースである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記粘着シートと前記パーティクル測定器を合わせた厚みの大きさが、前記複数個の収容物保持部で保持される前記収容物の裏面と前記底部の上面との間の距離よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のケースである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記収容物が、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハのいずれかであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のケースである。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記粘着シートが、シリコーンを含むシートであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のケースである。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記パーティクル測定器が、無線によって制御されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のケースである。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記蓋部及び前記底部には、標準機械的インターフェースSMIF(Standard Mechanical Interface)機構が組み込まれていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のケースである。
また、本発明の請求項7に係る発明は、平板状の収容物を収容する密閉型のケース内のパーティクル測定方法であって、前記ケースは、天板部と、該天板部の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部を有し、該天板部と該周壁部から構成される空間に前記収容物が納められる蓋部と、前記収容物を保持する底部と、を有しており、前記底部の上面には、前記収容物の裏面を保持する収容物保持部が複数個設けられており、平面視上、前記複数個の収容物保持部で囲まれる領域に、粘着シートを介してパーティクル測定器を配置し、その後、前記蓋部と前記底部を合わせて前記ケースを密閉し、前記パーティクル測定器により、前記密閉したケース内のパーティクルを測定することを特徴とする、パーティクル測定方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記密閉したケースを、4.9m/s2以上49m/s2以下の加速度で振動させた状態で、前記密閉したケース内のパーティクルを測定することを特徴とする、請求項7に記載のパーティクル測定方法である。
また、本発明の請求項9に係る発明は、前記パーティクル測定器を配置した後に前記収容物保持部に前記収容物を保持させ、その後、前記蓋部と前記底部を合わせて密閉し、前記パーティクル測定器により、前記密閉したケース内のパーティクルを測定することを特徴とする、請求項7または請求項8に記載のパーティクル測定方法である。
また、本発明の請求項10に係る発明は、前記粘着シートと前記パーティクル測定器を合わせた厚みの大きさが、前記複数個の収容物保持部で保持される前記収容物の裏面と前記底部の上面との間の距離よりも小さいことを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法である。
また、本発明の請求項11に係る発明は、前記収容物が、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハのいずれかであることを特徴とする、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法である。
また、本発明の請求項12に係る発明は、前記粘着シートが、シリコーンを含むシートであることを特徴とする、請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法である。
また、本発明の請求項13に係る発明は、無線によって制御されることを特徴とする、請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法である。
本発明によれば、ケースに複雑な構成を付加することなく、ケースを密閉した状態、さらにはケース内に収容物を収容して密閉した状態で、ケース内のパーティクルを測定することができる。
本発明のケースの一例について示す図 本発明のケースの底部の一例について示す図 加速度計測結果について示す図 本発明に係るパーティクル測定方法の一例について示す図
<ケース>
まず、本発明のケースについて説明する。
図1は、本発明のケースの一例について示す図である。ここで、図1(a)は、収容物50を収容し、蓋部20と底部30を合わせて密閉した状態のケース10の断面図を示し、図1(b)は、図1(a)に示すケース10の蓋部20と底部30を分離した状態を示す。なお、図1(b)においては、収容物50が搭載されていない状態を示している。
図1(a)、(b)に示すように、ケース10は、主たる構成要素として、蓋部20と底部30を有している。
蓋部20は、天板部21と、天板部21の周縁から下方(図中のZ方向と逆の方向)に延びるように設けられた周壁部22を有しており、天板部21と周壁部22から構成される空間に収容物50が納められる。
底部30は、底部本体31と、底部本体31の上に設けられた収容物保持部32を有し、収容物保持部32によって、収容物50の周縁の一部が下側及び側面側から保持される。
収容物50としては、異物の付着を嫌う製品及び部品を挙げることができ、特に、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハ等の精密部品を、好適に挙げることができる。
天板部21の平面形態は、収容物50の形態にもよるが、例えば、収容物50がフォトマスクやマスクブランクス、またはその製造中間品である場合は、通常、略四角形である。この場合、開口部23の平面形態も、略四角形になる。
同様に、底部30の平面形態も、収容物50の形態にもよるが、例えば、収容物50がフォトマスクやマスクブランクス、またはその製造中間品である場合は、通常、略四角形である。
ケース10は、蓋部20と底部30を合わせた状態で密閉状態になるものであるが、蓋部20と底部30のいずれか、若しくはその両方には、ケース10内に気体を供給するための給気孔や、ケース10内から気体を排出するための排気孔が設けられていても良い。
例えば、不活性ガスをケース10内に充填することで、収容物50の化学的な経時変化を抑制できるからである。
また、図示は省略しているが、蓋部20は、収容物50を上方から下方に押圧するピンを有していても良い。このようなピンを有することで、収容物50を収容し、蓋部20と底部30を合わせた際に、収容物50が、ケース10内で移動したり、収容物保持部32から浮き上がったりすることを、より効果的に防止できるからである。
また、ケース10の蓋部20及び底部30には、標準機械的インターフェースSMIF(Standard Mechanical Interface)機構が組み込まれていることが好ましい。ケース10の蓋部20を底部30と分離した開放状態にして、底部30の収容物保持部32に保持されている収容物50を各種装置に移動させることを自動化でき、この収容物50の装置への移動過程において異物が混入することを、より抑制できるからである。
なお、上記の「標準機械的インターフェースSMIF機構が組み込まれていること」とは、標準機械的インターフェースSMIFシステムに適合した、蓋部と底部のロック機構及び取外し機構を備えていることを意味する。
図2は、本発明のケースの底部の一例について示す図である。ここで、図2(a)は、底部30の平面図を示し、図2(b)は、底部30の断面図を示す。なお、図2(a)、(b)においては、収容物50は破線で示している。
図2(a)に示すように、底部30の上面(より詳しくは、底部本体31の上面)には、収容物50の周縁の一部を下側及び側面側から保持する収容物保持部32が複数個(図2(a)に示す例においては3個)設けられており、これら複数個の収容物保持部32で囲まれる領域に、粘着シート41を介してパーティクル測定器42が配置されている。
そして、パーティクル測定器42は、例えば、無線によって制御され、ケース内のパーティクルを測定する。また、パーティクル測定器42は、例えばカメラのセルフタイマーのように、密閉後一定時間経過後から所定の時間、ケース内のパーティクルを測定するようなプログラムで制御される方式であっても良い。
上記のような構成を備えるため、ケース10においては、複雑な構成を付加することなく、ケース10を密閉した状態、さらにはケース10内に収容物50を収容して密閉した状態で、ケース10内のパーティクルを測定することができる。
ここで、上記のように、パーティクル測定器42は粘着シート41を介して底部30の上面(より詳しくは、底部本体31の上面)に備え付けられる。それゆえ、パーティクル測定器42は、例えば、ねじ止め等の作業が不要であり、端部から引き剥がすことで、ケース10(より詳しくは、底部本体31の上面)から容易に取り外すことができる。
一方、地震対策用にテレビやPC(パーソナルコンピュータ)の底に装着される粘着シートが奏する効果と同様に、ケース10が受ける振動に対してパーティクル測定器42は、粘着シート41により確実にケース10(より詳しくは、底部本体31の上面)に備え付けられることになる。
すなわち、本発明においては、ケース10に複雑な構成を付加することなく、パーティクル測定器42を容易に着脱することができる。
粘着シート41は、ケース10の底部30(より詳しくは、底部本体31の上面)とパーティクル測定器42との間に配設され、ケース10に与えられる振動に対抗して、パーティクル測定器42をケース10に備え付ける作用を奏するものである。
この粘着シート41は、地震対策用の粘着シートのようなシートであり、その粘着剤としては、例えば、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン− ジエンブロック共重合体系粘着剤、などの粘着剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、粘着性成分のほかに、ポリイソシアネート、アルキルエーテル化メラミン化合物などの架橋剤や、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などの粘着付与剤等の添加剤を、適宜含んでいてもよい。
本発明においては、粘着シート41として、シリコーンを含むシートを好適に用いることができる。シリコーンを含むシートは、パーティクルを嫌うフォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハ等の精密部品を扱う各種治具において用いられており、実績があるからである。
また、本発明においては、図2(b)に示すように、粘着シート41とパーティクル測定器42を合わせた厚みの大きさ(H1)が、収容物保持部32で保持される収容物50の裏面と底部30の上面(より詳しくは、底部本体31の上面)との間の距離(H2)よりも小さいことが好ましい。
このような大きさであれば、パーティクル測定器42が収容物50に接触してしまうことを防止しつつ、ケース10内に収容物50を収容して密閉した状態で、ケース10内のパーティクルを測定することができるからである。
さらには、パーティクル測定器42の上面と収容物50の裏面との間の距離(H2−H1)を、収容物50を各種装置に移動させる際の搬送機構(例えば搬送アーム)が通過できる大きさとすることで、収容物50をケース10から各種装置に移動させることを容易にでき、この移動過程を自動化することができる。
パーティクル測定器42の平面形態は、複数個の収容物保持部32で囲まれる領域に配置できるものであれば、特に限定されず、図2(a)に例示する円形の形態の他に、矩形、多角形、楕円や、その他曲線で構成される外形を含む形態であってもよい。
同様に、粘着シート41も、その平面形態は、複数個の収容物保持部32で囲まれる領域に配置できるものであれば、特に限定されず、多角形、円形、楕円や、その他曲線で構成される外形を含む形態であってもよい。
ただし、粘着シート41とパーティクル測定器42の平面サイズの関係は、図2に例示するように、粘着シート41の平面サイズ(面積)が、パーティクル測定器42の平面サイズ(面積)よりも小さく、両者を重ねた際には、粘着シート41の外形が、パーティクル測定器42の外形の内側に含まれる大きさであるか、若しくは、粘着シート41とパーティクル測定器42が互いに同じ平面形態であって、同じ平面サイズ(面積)を有していることが好ましい。
その理由は、もし、粘着シート41の平面サイズ(面積)がパーティクル測定器42の平面サイズ(面積)よりも大きい場合、両者を重ねた際には、平面視上、パーティクル測定器42の外形から粘着シート41がはみ出てしまい、この粘着シート41のはみ出た領域に付着していたパーティクルが、ケースが受ける振動等によって、ケース内に放出されてしまうおそれがあるからである。
それゆえ、本発明においては、粘着シート41を介してパーティクル測定器42を配置するに際し、平面視上、パーティクル測定器42の外形から粘着シート41がはみ出ないように配置することが好ましい。
<パーティクル測定方法>
次に、本発明に係るパーティクル測定方法について説明する。
本発明に係るパーティクル測定方法は、平板状の収容物を収容する密閉型のケース内のパーティクル測定方法であって、対象とするケースは、上記のケース10のように、天板部21と、天板部21の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部22を有し、天板部21と周壁部22から構成される空間に収容物50が納められる蓋部20と、収容物50を保持する底部30と、を有しており、底部30の上面には、収容物50の裏面を保持する収容物保持部32が複数個設けられているものである。
そして、本発明に係るパーティクル測定方法においては、平面視上、複数個の収容物保持部32で囲まれる領域に、粘着シート41を介してパーティクル測定器42を配置し、その後、蓋部20と底部30を合わせてケース10を密閉し、パーティクル測定器42により、密閉したケース10内のパーティクルを測定する。
なお、本発明に係るパーティクル測定方法おいては、ケース10内に収容物50を収容した状態で、ケース10内のパーティクルを測定してもよい。
より詳しくは、ケース10内にパーティクル測定器42を配置した後に、収容物保持部32に収容物50を保持させ、その後、蓋部20と底部30を合わせて密閉し、パーティクル測定器42により、密閉したケース10内のパーティクルを測定してもよい。
このような測定方法を用いれば、実際の使用状態と同じ状態で、密閉したケース10内のパーティクルを評価できる。
ここで、上記のように、粘着シート41とパーティクル測定器42を合わせた厚みの大きさ(図2(b)に示すH1)は、収容物保持部32で保持される収容物50の裏面と底部30の上面(より詳しくは、底部本体31の上面)との間の距離(図2(b)に示すH2)よりも小さいことが好ましい。
このような大きさであれば、パーティクル測定器42が収容物50に接触してしまうことを防止しつつ、ケース10内に収容物50を収容して密閉した状態で、ケース10内のパーティクルを測定することができるからである。
収容物50としては、異物の付着を嫌う製品及び部品を挙げることができ、特に、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハ等の精密部品を、好適に挙げることができる。
上記のように、パーティクル測定器42は粘着シート41を介して底部30の上面(より詳しくは、底部本体31の上面)に備え付けられる。それゆえ、パーティクル測定器42は、例えば、ねじ止め等の作業が不要であり、端部から引き剥がすことでケース10(より詳しくは、底部本体31の上面)から容易に取り外すことができる。
一方、ケース10が受ける振動に対してパーティクル測定器42は、粘着シート41により確実にケース10(より詳しくは、底部本体31の上面)に備え付けられることになる。
すなわち、本発明においては、ケース10に複雑な構成を付加することなく、パーティクル測定器42を容易に着脱することができる。
粘着シート41は、例えば、シリコーンを含むシートを好適に用いることができる。
パーティクル測定器42は、例えば、無線によって制御され、ケース内のパーティクルを測定する。また、パーティクル測定器42は、例えばカメラのセルフタイマーのように、密閉後一定時間経過後から所定の時間、ケース内のパーティクルを測定するようなプログラムで制御される方式であっても良い。
上記のように、本発明に係るパーティクル測定方法おいては、複雑な構成を付加することなく、ケース10を密閉した状態、さらにはケース10内に収容物50を収容して密閉した状態で、ケース10内のパーティクルを測定することができる。
また、本発明に係るパーティクル測定方法おいては、密閉したケース10を振動させた状態で、ケース10内のパーティクルを測定することもできる。このような測定方法を用いれば、実際の使用状態に近い状態で、密閉したケース10内のパーティクルを評価することができる。
図3は、ケース10を搬送、保管する際に、ケース10に与えられる加速度を計測した結果について示す図である。ここで、図3(a)はケース10をゆっくり置いた場合に受ける加速度、図3(b)はケース10を普通に置いた場合に受ける加速度、図3(c)はケース10を持って歩行した場合に受ける加速度、図3(d)はケース10を落とした場合(高さ5cm)に受ける加速度を、それぞれ示す。いずれも、X軸は時間(秒)を、Y軸は加速度(G)を示す。
図3(a)〜(c)に示すように、ケース10を搬送、保管する際の通常の作業において、ケース10に与えられる加速度の範囲は5G(49m/s2)以下であること、および、歩行時には0.5G〜1G(4.9m/s2〜9.8m/s2)の加速度が継続的に与えられることが判明した。
なお、図3(d)においては、16G(157m/s2)を超える加速度になるが、ケース10を落とすようなことは、ケース10を搬送、保管する際の通常の作業ではなく、この数値は、あくまで参考値である。
それゆえ、本発明に係るパーティクル測定方法おいて、密閉したケース10を振動させた状態でケース10内のパーティクルを測定する場合、密閉したケース10に与える加速度は、0.5G以上5G以下(4.9m/s2以上49m/s2以下)の範囲であることが好ましい。
図4は、本発明に係るパーティクル測定方法の一例について示す図である。
例えば、図4に示すように、振動装置100は、ケース10を保持するケース保持機構110と、ケース保持機構110が装着された振動機構120を備えており、本実施形態においては、振動機構120による振動を、密閉したケース10に与えた状態で、ケース10内のパーティクルを測定する。
より詳しくは、図4に示す振動装置100において、ケース保持機構110は、ケース10を保持するケース保持部111と、ケース保持部111が設けられた支柱部112を有しており、支柱部112は、その下面(底面)側が振動機構120のステージ121に装着されており、ステージ121は、振動部122に連結されており、振動発生部123による振動部122の振動が、ステージ121、支柱部112、ケース保持部111を介してケース10に与えられる。
このようなパーティクル測定方法を採用することで、実際の使用状態に近い状態で密閉したケース10内のパーティクルを評価できる。それゆえ、パーティクルの付着を嫌う収容物を収容するケースの品質管理を、より信頼性高く行うことができる。
例えば、上記のような振動を所定の時間与え、測定されるパーティクルが所定の数値以下であるケースのみを使用することで、製品である収容物にパーティクルが付着してしまうことを、より効果的に防止できる。
以上、本発明に係るケース及びパーティクル測定方法について、それぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
10 ケース
20 蓋部
30 底部
21 天板部
22 周壁部
23 開口部
31 底部本体
32 収容物保持部
41 粘着シート
42 パーティクル測定器
50 収容物
100 振動装置
110 ケース保持機構
111 ケース保持部
112 支柱部
120 振動機構
121 ステージ
122 振動部
123 振動発生部

Claims (13)

  1. 平板状の収容物を収容する密閉型のケースであって、
    天板部と、該天板部の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部を有し、該天板部と該周壁部から構成される空間に前記収容物が納められる蓋部と、
    前記収容物を保持する底部と、
    を有しており、
    前記底部の上面には、前記収容物の裏面を保持する収容物保持部が複数個設けられており、
    前記複数個の収容物保持部で囲まれる領域に、粘着シートを介してパーティクル測定器が配置されていることを特徴とする、ケース。
  2. 前記粘着シートと前記パーティクル測定器を合わせた厚みの大きさが、前記複数個の収容物保持部で保持される前記収容物の裏面と前記底部の上面との間の距離よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のケース。
  3. 前記収容物が、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハのいずれかであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のケース。
  4. 前記粘着シートが、シリコーンを含むシートであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のケース。
  5. 前記パーティクル測定器が、無線によって制御されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のケース。
  6. 前記蓋部及び前記底部には、標準機械的インターフェースSMIF(Standard Mechanical Interface)機構が組み込まれていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のケース。
  7. 平板状の収容物を収容する密閉型のケース内のパーティクル測定方法であって、
    前記ケースは、
    天板部と、該天板部の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部を有し、該天板部と該周壁部から構成される空間に前記収容物が納められる蓋部と、
    前記収容物を保持する底部と、
    を有しており、
    前記底部の上面には、前記収容物の裏面を保持する収容物保持部が複数個設けられており、
    平面視上、前記複数個の収容物保持部で囲まれる領域に、粘着シートを介してパーティクル測定器を配置し、
    その後、前記蓋部と前記底部を合わせて前記ケースを密閉し、前記パーティクル測定器により、前記密閉したケース内のパーティクルを測定することを特徴とする、パーティクル測定方法。
  8. 前記密閉したケースを、4.9m/s2以上49m/s2以下の加速度で振動させた状態で、前記密閉したケース内のパーティクルを測定することを特徴とする、請求項7に記載のパーティクル測定方法。
  9. 前記パーティクル測定器を配置した後に前記収容物保持部に前記収容物を保持させ、その後、前記蓋部と前記底部を合わせて密閉し、前記パーティクル測定器により、前記密閉したケース内のパーティクルを測定することを特徴とする、請求項7または請求項8に記載のパーティクル測定方法。
  10. 前記粘着シートと前記パーティクル測定器を合わせた厚みの大きさが、前記複数個の収容物保持部で保持される前記収容物の裏面と前記底部の上面との間の距離よりも小さいことを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法。
  11. 前記収容物が、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハのいずれかであることを特徴とする、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法。
  12. 前記粘着シートが、シリコーンを含むシートであることを特徴とする、請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法。
  13. 前記パーティクル測定器が、無線によって制御されることを特徴とする、請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載のパーティクル測定方法。
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