JP6588860B2 - 発振器及び演算装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、発振器及び演算装置に関する。
磁性層を用いたスピントルク発振子などの発振器が提案されている。発振器において、安定した発振が望まれる。
特開2007−142746号公報
本発明の実施形態は、発振を安定化できる発振器及び演算装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、発振器は、第1〜第3導電体と、第1積層部と、磁性部と、を含む。前記第1導電体は、第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む。前記第2導電体は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む。
前記第1積層部は、前記第3領域と前記部分との間に設けられる。前記第1積層部は、第1〜第4磁性層と、第1〜第3中間層と、を含む。前記第1磁性層は、第1磁化を有する。前記第2磁性層は、前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する。前記第1中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。前記第3磁性層は、前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する。前記第4磁性層は、前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する。前記第2中間層は、前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられる。前記第3中間層は、前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられる。前記第3導電体は、前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続される。前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向において前記磁性部の少なくとも一部、及び、前記第1積層部の少なくとも一部は、互いに重なる。第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿う。前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有する。前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有する。前記第1領域から前記第2領域に向かって第1電流が流れ、前記第4磁性層から前記第1磁性層に向かって第2電流が流れ、前記第2導電体から前記第1領域に向かって前記第3導電体中を第3電流が流れる第2状態において、前記第2導電体及び前記第3導電体と接続された接続点から発振する信号が出力される。
本発明の実施形態によれば、発振器は、第1〜第3導電体と、第1積層部と、磁性部と、を含む。前記第1導電体は、第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む。前記第2導電体は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む。
前記第1積層部は、前記第3領域と前記部分との間に設けられる。前記第1積層部は、第1〜第4磁性層と、第1〜第3中間層と、を含む。前記第1磁性層は、第1磁化を有する。前記第2磁性層は、前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する。前記第1中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。前記第3磁性層は、前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する。前記第4磁性層は、前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する。前記第2中間層は、前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられる。前記第3中間層は、前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられる。前記第3導電体は、前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続される。前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向において前記磁性部の少なくとも一部、及び、前記第1積層部の少なくとも一部は、互いに重なる。第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿う。前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有する。前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有する。前記第2領域から前記第1領域に向かって第1電流が流れ、前記第1磁性層から前記第4磁性層に向かって第2電流が流れ、前記第1領域から前記第2導電体に向かって前記第3導電体中を第3電流が流れる第2状態において、前記第2導電体及び前記第3導電体と接続された接続点から発振する信号が出力される。
図1(a)〜図1(k)は、第1の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。 第1の実施形態に係る発振器の動作を例示する模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る発振器を例示する模式的平面図である。 第1の実施形態に係る発振器を例示する模式的平面図である。 図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式的平面図である。 図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図7(a)〜図7(k)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図9(a)〜図9(k)は、第2の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。 図10(a)及び図10(b)は、第2の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図11(a)〜図11(k)は、第2の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図12(a)及び図12(b)は、第2の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図13(a)〜図13(k)は、第3の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。 図14(a)及び図14(b)は、第3の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図15(a)〜図15(k)は、第3の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図16(a)及び図16(b)は、第3の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図17(a)〜図17(k)は、第4の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。 図18(a)及び図18(b)は、第4の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図19(a)〜図19(k)は、第4の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図20(a)及び図20(b)は、第4の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。 図21(a)及び図21(b)は、第5の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。 実施形態に係る発振器のシミュレーションモデルを例示する模式図である。 図23(a)〜図23(c)は、実施形態に係る発振器のシミュレーション結果を例示する模式図である。 第6の実施形態に係る演算装置を例示する模式図である。 第7の実施形態に係る電子機器を例示する模式図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜図1(k)は、第1の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。図1(b)は、断面図である。図1(c)は、平面図である。図1(d)〜図1(k)は、磁化を例示する平面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る発振器111は、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。
第1導電体21は、第1領域21a、第2領域21b及び第3領域21cを含む。第2領域21bは、第1方向において第1領域21aと並ぶ。第3領域21cは、第1領域21aと第2領域21bとの間に設けられる。これらの領域は、部分領域である。
第1方向をX方向とする。X方向に対して垂直な1つの方向をZ方向とする。X方向及びZ方向に対して垂直な方向をY方向とする。−Y方向は、Y方向に対して逆向きである。
第1導電体21は、例えば、導電層である。第1導電体21は、例えば、X方向に延びる。第1導電体21のX方向の長さL21は、第1導電体21のY方向の長さ(幅W21)よりも長い(図1(c)参照)。
図1(a)及び図1(b)に示すように、第2導電体22は、第2方向において第3領域21cから離れた部分22pを含む。第2方向は、第1方向(X方向と交差する。この例では、第2方向は、Z方向である。
第1積層部SU1は、第3領域21cと、上記の部分22pと、の間に設けられる。第1積層部は、第1〜第4磁性層11〜14、及び、第1〜第3中間層11i〜13iを含む。
この例では、第1磁性層11は、第1導電体21の第3領域21cと、物理的に接している。第2磁性層12は、第1磁性層11と、上記の部分22pと、の間に設けられる。第1中間層11iは、第1磁性層11と第2磁性層12との間に設けられる。第3磁性層13は、第2磁性層12と、上記の部分22pと、の間に設けられる。第4磁性層14は、第3磁性層13と、上記の部分22pと、の間に設けられる。第2中間層12iは、第3磁性層13と第4磁性層14との間に設けられる。第3中間層13iは、第2磁性層12と第3磁性層13との間に設けられる。
第1〜第4磁性層11〜14のそれぞれは、第1〜第4磁化M1〜M4を有する。第1状態ST1(図1(b)参照)において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第3方向に沿う。第3方向は、第1方向(X方向)及び第2方向(例えばZ方向)に対して垂直である。この例では、第3方向は、Y方向または−Y方向である。後述するように、第1状態ST1においては、第1積層部SU1中に電流が実質的に流れない。
第1状態ST1において、第2磁化M2は、第1磁化M1とは逆向きの成分を有する。例えば、第2磁化M2は、第1磁化M1に対して実質的に反平行である。第1磁性層11、第1中間層11i及び第2磁性層12は、第1積層体SB1に含まれる。第1積層体SB1は、例えば、人工フェリ層(Synthetic Ferri layer)である。
第1状態ST1において、第4磁化M4は、第3磁化M3とは逆向きの成分を有する。例えば、第4磁化M4は、第3磁化M3に対して実質的に反平行である。第3磁性層13、第2中間層12i及び第4磁性層14は、第2積層体SB2に含まれる。第2積層体SB2は、例えば、人工フェリ層である。
図1(c)に示すように、この例では、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。第1磁性層11は、例えば、形状異方性を有する。例えば、形状異方性により、第1状態ST1における第1磁性層11の第1磁化M1が、第3方向に実質的に沿う。
この例では、第1磁化M1は、実質的に−Y方向に向く。第2磁化M2は、実質的にY方向に向く。第3磁化M3は、実質的にY方向に向く。第3磁化M3は、実質的に−Y方向に向く。
図1(d)〜図1(k)は、第1状態ST1における磁化の例を示している。第1〜第4磁化M1〜M4は、第3方向(Y方向または−Y方向)に対して、傾斜していても良い。これらの磁化の方向と、第3方向と、の間の角度は、例えば、45度未満である。磁化の例については、後述する。
第3導電体23は、第2導電体22、及び、第1導電体21の第1領域21aと、電気的に接続される。
磁性部40の少なくとも一部、及び、第1積層部SU1の少なくとも一部は、第1方向(X方向)及び第2方向(例えばZ方向)と交差する方向(例えば、±Y方向)において、互いに重なる。この例では、磁性部40は、第1磁性部分40a及び第2磁性部分40bを含む。第1方向(X方向)及び第2方向(例えばZ方向)と交差する方向(例えば、±Y方向)において、第1磁性部分40aと第2磁性部分40bとの間に、第1積層部SU1の少なくとも一部が配置される。
例えば、磁性部40から磁性部磁場Hexが生じる。磁性部磁場Hexは、第1導電体21の第3領域21cと、第2導電体22の上記の部分22pとの間の空間Sp1に生じる。磁性部磁場Hexは、第1積層部SU1の少なくとも一部に印加される。磁性部磁場Hexは、第1積層部SU1に、外部磁場として作用する。この例では、上記の空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第2磁化M2の向きを有する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、この例では、第1積層部SU1は、第2導電体側磁性層14Pをさらに含む。第2導電体側磁性層14Pは、第4磁性層14と、第2導電体22の上記の部分22pと、の間に設けられる。第2導電体側磁性層14Pの磁化は、例えば、固定されている。第2導電体側磁性層14Pは、例えば、第4磁性層14の第4磁化M4を固定する。第2導電体側磁性層14Pは、例えば、ピニング層である。
発振器111の例においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さく設定される。1つの磁性層の磁気モーメントは、その磁性層の飽和磁化と、その磁性層の体積と、の積である。
発振器111の例においては、第1導電体21は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含む。これらの材料において、スピンホール伝導度は、負である。第1導電体21のスピンホール伝導度が負であり、第1磁気モーメントMT1が第2磁気モーメントMT2よりも小さい場合に、第1磁化M1は、第1導電体21により生じる電流磁場とは逆向きに設定される。
すなわち、第1領域21aから第2領域21bに向かって第1導電体21に電流を流したときに、電流磁場Hiが生じる。第3領域21cと、第2導電体22の上記の部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第1向きD1を有する。第1向きD1は、第3方向に沿う。上記のように、第3方向は、−Y方向またはY方向である。この例では、第1向きD1は、−Y方向である。
このとき、第1状態ST1において、第1磁化M1及び第4磁化M4は、第1向きD1を有する。このとき、第2磁化M2及び第3磁化M3は、第1向きD1とは逆向きである。第2磁化M2及び第3磁化M3は、互いに、略平行である。
図1(a)に示すように、第2導電体22及び第3導電体23と接続された接続点N23が設けられる。第3導電体23は、抵抗部23Rを含む。抵抗部23Rは、上記の接続点N23と第1領域21aとの間に設けられる。
第1導電体21の第2領域21bは、第1電位V1に設定可能である。一方、第2導電体22は、抵抗22Rを介して、スイッチSW1の一端に接続される。スイッチSW1の他端は、第2電位V2に設定可能である。この例では、第2電位V2は、第1電位V1よりも高い。第1電位V1は、例えば、接地電位である。第2電位V2は、正の電位である。第2電位V2は、例えば定電圧源Vddにより与えられる。
図1(a)に例示する第2状態ST2において、スイッチSW1は、閉状態(オン状態)である。この第2状態ST2において、第1積層部SU1は発振する。例えば、第1積層体SB1において、例えば、スピンホールトルク及びスピントルクに基づく発振が生じる。第2状態ST2において、例えば、第1積層体SB1は、発振層として機能する。第2状態ST2において、第2積層体SB2は、例えば、スピン注入層として機能する。
第2状態ST2において、第1領域21aから第2領域21bに向かって、第1電流I1が流れる。第2状態ST2において、第4磁性層14から第1磁性層11に向かって第2電流I2が流れる。第2状態ST2において、第2導電体22から第1領域21aに向かって、第3導電体23中を第3電流I3が流れる。このような第2状態ST2において、第2導電体22及び第3導電体23と接続された接続点N23は、発振する。接続点N23に回路部70が接続される。回路部70は、例えば、接続点N23の電位を増幅する。発振する信号が、回路部70の出力として得られる。
一方、図1(b)に例示する第1状態ST1において、スイッチSW1が開状態(オフ状態)である。第1状態ST1において、例えば、第1積層部SU1には、第2電流I2が流れない。または、第2電流I2は、発振のためのしきい値よりも小さい。
例えば、第2磁性層12、第3中間層13i及び第3磁性層13において、磁気抵抗効果が生じる。例えば、第3磁性層13の第3磁化M3が実質的に固定されており、第2磁性層12の第2磁化M2の方向が発振により変化すると、第2磁化M2と第3磁化M3との間の角度が変化する。これにより、第2磁性層12、第3中間層13i及び第3磁性層13を含む部分の電気抵抗は、上記の角度に応じて変化する。第1積層部SU1は、磁気抵抗効果素子部に対応する。
例えば、第1電位V1、第2電位V2、抵抗22R及び抵抗部23Rが適切に設定されることで、図1(a)に示す第2状態ST2において、適切な大きさの第2電流I2が、第1積層部SU1を流れる。これにより、発振が生じる。発振器111によれば、安定した発振が得られる。
発振器111において、例えば、第2状態ST2(図1(a)参照)において、第1磁性層11の第1磁化M1は、例えば、スピンホールトルクの作用を受ける。このスピンホールトルクは、第1電流I1に伴うスピンホール効果に起因する。さらに、それと同時に、第2磁性層12の第2磁化M2は、例えば、スピン偏極電流スピントルクの作用を受ける。このスピン偏極電流スピントルクは、第1積層部SU1を流れる第2電流I2のスピン偏極電流に基づく。このため、第1積層体SB1において、スピンホールトルク及びスピン偏極電流スピントルクの2つのスピントルクが、同時に作用する。スピン注入が、効率的に行われる。これにより、第1積層体SB1(人工フェリ層)の磁化(第1磁化M1及び第2磁化M2)が振動する。
実施形態においては、例えば、上記の2種のスピントルクを用いて、2つの磁性層(第1磁性層11及び第2磁性層12)が、同時に励起される。これにより、大きな磁化振動エネルギーが生じる。これにより、安定した発振が得られる。
以下、発振器111における動作の例について、さらに説明する。
図2は、第1の実施形態に係る発振器の動作を例示する模式的斜視図である。
第2状態ST2において、第2磁性層12の第2磁化M2に、スピン偏極電流スピントルクが生じる。このスピン偏極電流スピントルクは、電流I2(第3磁性層13から第2磁性層12に向かって流れる電流)によって生じる。既に説明したように、発振器111においては、第1状態ST1(無通電状態)において、第2磁性層12の第2磁化M2及び第3磁性層13の第3磁化M3は、互いに、略平行である。第2磁化M2には、スピン偏極電流スピントルクが働く。このピン偏極電流スピントルクは、第2磁化M2を、第3磁化M3とは反対方向に回転させるように作用する。このスピン偏極電流スピントルクの向きは、第2磁化M2が発振するような向きである。
一方、図2に示すように、第1磁性層11の第1磁化M1に、第1電流I1に基づくスピンホールトルクが作用する。このスピンホールトルクは、第1導電体21に流れる第1電流I1に伴って生じるスピンホール効果に起因した純スピン流21spにより生じる。
既に説明したように、発振器111の例においては、第1導電体21は、スピンホール伝導度が負の材料(Ta、W及びReなど)を含む。このとき、スピンホール効果により、第1電流I1に対して、「左手の向き」のスピン成分を有する純スピン流21spが発生する。これにより、第1磁性層11には、+Y方向に磁気モーメントを持つ純スピン流21spが注入される。その結果、スピンホールトルクは、第1磁性層11の第1磁化M1を+Y方向に回転させる向きに働く。
後述するように、第1導電体21が、スピンホール伝導度が正の材料を含んでも良い。この場合には、スピンホールトルクの方向が逆向きとなる。このような例については、後述する。
このように、発振器111においては、第2状態ST2において、第1磁性層11の第1磁化M1は、例えば、スピンホールトルクの作用を受け、第2磁性層12の第2磁化M2は、例えば、スピン偏極電流スピントルクの作用を受ける。これにより、磁化が振動する。一方、第2積層体SB2の、第3磁性層13の第3磁化M3及び第4磁性層14の第4磁化M4は、実質的に固定されている。振動状態において、固定されている第2積層体SB2の磁化と、第1積層体SB1の磁化と、の間の相対角度は、時間と供に変化する。例えば、第3磁性層13の第3磁化M3と、第2磁性層12の第2磁化M2と、の間の相対角度は、時間と供に変化する。磁気抵抗効果により、第1積層部SU1の電気抵抗において、振動成分が現れる。例えば、第2電位V2を生成する電源は、定電圧源である。このため、第1積層部SU1の電気抵抗の振動を反映して、第1積層部SU1を流れる電流(第2電流I2)には交流成分が現れる。第3導電体23を介して第2導電体22と接続されている第1導電体21に流れる第1電流I1にも、交流成分が現れる。
これらの交流成分に伴って、スピン偏極電流スピントルク及びスピンホールトルクにも交流成分が現れる。スピン偏極電流スピントルク及びスピンホールトルクのそれぞれは、直流成分に加えて交流成分を持つ。これらのスピントルクが、第1積層体SB1に作用する。
このような第2状態ST2は、第1積層部SU1に、ループ状のフィードバック回路を付加した構成に対応する。この構成においては、取り出される交流信号が、第1積層部SU1に戻される。すなわち、実施形態に係る発振器111においては、第1積層体SB1において、振動の自己フィードバックが生じる。第1積層体SB1の磁化(第1磁化M1及び第2磁化M2)に対するインジェクションロッキング効果により、発振が安定化する。
実施形態に係る発振器111においては、2つのタイプのスピントルクが、自己フィードバック効果を伴って、第1積層体SB1の磁化に作用する。これにより、安定な発振が得られる。
このように、実施形態においては、第2状態ST2(通電状態)において、例えば、第1磁性層11がスピンホールトルクの作用を受け、第2磁性層12がスピン偏極電流によるスピントルクの作用を受ける。これにより、第1積層体SB1(人工フェリ層)の磁化が振動する。第1積層体SB1の磁化と、第2積層体SB2の磁化と、の間の角度(相対角度)の変化に伴う抵抗の変化を反映した信号が、回路部70から出力される。抵抗の変化は、例えば、磁気抵抗効果に基づく。
スピントルク発振素子(Spin-Torque Nano-Oscillator:STNO)において、発振の安定性の向上に関して、以下の第1〜第4参考例がある。
第1参考例においては、体積の大きな磁性体の磁化を振動させる。しかしながら、大きな体積の磁石の磁化を振動させるためには、大きなスピン流が必要となる。このため、大きくできる体積には限界があり、発振の安定性の向上に関して制限がある。第2参考例においては、外部の安定シグナルに振動を連動させる(インジェクションロッキング)。この例では、STNOに入力する信号において、磁化を発振させるための直流電流に、安定な外部交流電流が重畳される。この方法においては、安定な外部交流電流が必要であり、実用的ではない。第3参考例では、磁性体の磁化の振動を、その磁性体にフィードバックする。しかしながら、振動の安定性は、不十分である。第4参考例においては、複数のSTNOを結合して、同期振動させる。複数のSTNOを用いるため、構成が複雑である。そして、振動の安定性は不十分である。これらの参考例においては、単一の磁性層に、1種類のスピン注入が行われる。このため、振動の安定性は、不十分である。
これに対して、実施形態に係る発振器111においては、第1磁性層11の第1磁化M1は、例えば、スピンホールトルクの作用を受け、第2磁性層12の第2磁化M2は、例えば、スピン偏極電流スピントルクの作用を受ける。2種のスピントルクに基づいて、2つの磁性層(第1磁性層11及び第2磁性層12)が、同時に励起される。これにより、大きな磁化振動エネルギーが生じる。これにより、安定した振動が得られる。
発振器111において、第1導電体21の第2領域21bは、1つの端子とみなすことができる。第2導電体22は、別の1つの端子とみなすことができる。さらに、回路部70が接続される接続点N23は、さらに別の1つの端子とみなすことができる。このように、発振器111は、3端子型とみなすことができる。
実施形態においては、例えば、第1積層体SB1(例えば、発振層)において、第1磁性層11、第2磁性層12及び第1中間層11iが設けられる。これらの磁性層の磁化は、互いに反平行である。このような2つの磁性層を用いることで、第1磁性層11においてスピンホールトルクの作用が生じ、第2磁性層12においてスピン偏極電流スピントルクの作用が生じる。実施形態に係る新たな構成は、2種のスピントルクの作用を用いることを可能にする。これにより、発振の安定性を従来に比べて高めることができる。
既に説明したように、実施形態においては、例えば、第2磁化M2は、第1磁化M1に対して実質的に反平行であり、第4磁化M4は、第3磁化M3に対して実質的に反平行である。第1中間層11i及び第2中間層12iのそれぞれは、例えば、反強磁性交換結合層である。これらの中間層の材料及び厚さを適切に設定することにより、第1磁性層11及び第2磁性層12との間、第3磁性層13及び第4磁性層14との間において、反強磁性交換結合が得られる。
第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第3方向(Y方向または−Y方向)に沿っている。図1(d)〜図1(k)に示すように、これらの磁化は、第3方向に対して傾斜していても良い。
図1(d)及び図1(e)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1の成分Md1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向(例えば、±X方向)の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。
第2磁化M2は、第1磁化M1に対して実質的に反平行である。従って、図1(f)及び図1(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1とは逆向きの成分Me2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向(例えば、±X方向)の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。
一方、図1(j)及び図1(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1の成分Md4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。
第3磁化M3は、第4磁化M4に対して実質的に反平行である。従って、図1(h)及び図1(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1とは逆向きの成分Me3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向(例えば、±X方向)の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。
図3は、第1の実施形態に係る発振器を例示する模式的平面図である。
図3に示すように、発振器111において、第1状態ST1において、第2磁化M2及び第3磁化M3は、互いに、略平行である。第2磁化M2と第3磁化M3との間の角度θの絶対値は、例えば、45度未満である。実施形態において、角度θは、マイナス10度以上プラス10度以下でも良い。後述するように、別の実施形態において、第2磁化M2及び第3磁化M3は、互いに、略反平行の場合がある。このとき、角度θは、170度以上190度以下でも良い。
第2磁化M2及び第3磁化M3が互いに略平行である場合に、例えば、パラメトリック共鳴が生じる。発振がさらに安定化する。以下、この状態の例について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る発振器を例示する模式的平面図である。
図4に示すように、この例では、第3磁化M3は、Y方向に固定されている。時間tが第1〜第4時刻t1〜t4の状態を繰り返す。第2磁化M2の方向は、時間tとともに変化する。すなわち、振動が生じる。第1時刻t1及び第3時刻t3において、第2磁化M2は、第3磁化M3に対して実質的に平行である。第2時刻t2及び第4時刻t4において、第2磁化M2は、第3磁化M3に対して傾斜する。第1〜第4時刻t1〜t4が、1周期に対応する。
磁気抵抗効果により、第1積層部SU1の抵抗は、第2磁化M2と第3磁化M3との間の角度の変化に応じて変化する。第2磁化M2が、第1〜第4時刻t1〜t4(1周期)の振動の期間に、抵抗は、2回の変化を示す。従って、第1積層部SU1を流れる第2電流I2、及び、第1導電体21を流れる第1電流I1の交流成分の周波数は、第1積層体SB1の磁化の振動周波数の2倍となる。例えば、第1積層体SB1の磁化には、第1積層体SB1の振動周波数の2倍の周波数の自己フィードバック信号が注入される。このように、例えば、パラメトリック共鳴が生じる。これにより、発振の周波数がより安定になる。
後述するように、実施形態において、第3磁化M3が−Y方向に実質的に固定され、第1状態ST1において、第2磁化M2及び第3磁化M3が互いに略平行である場合もある。この場合も、上記の例と同様に、パラメトリック共鳴が生じる。
実施形態において、第1〜4磁性層11〜14は、例えば、Co及びFeを含む。これらの磁性層は、例えば、Co及びFeを含む合金(例えば、CoFe、CoFeBまたはCoMnSiなど)を含む。第1〜第4磁性層11〜14は、例えば、強磁性層である。
第2導電体側磁性層14Pは、例えば、反強磁性体(例えば、PtMnまたはIrMnなど)を含む。第2導電体側磁性層14Pにより、例えば、第4磁性層14の第4磁化M4が所望の方向にピニングされる。
第1中間層11i及び第2中間層12iは、例えば、Ruを含む。これらの中間層のそれぞれの厚さは、例えば、0.8nm以上1nm以下である。この厚さは、例えば、RKKY(Ruderman-Kittek-Kasuya-Yoshida)結合の2ndピークに対応する。これらの中間層のそれぞれの厚さは、0.3nm以上0.6nm以下でも良い。この厚さは、例えば、RKKY結合の1stピークに対応する。
第3中間層13iは、例えば、非磁性層である。第3中間層13iは、例えば、金属(例えばCu及びAgの少なくともいずれか)を含む。第3中間層13iは、絶縁性の材料(例えば、MgO及びAlの少なくともいずれか)を含んでも良い。第3中間層13iが絶縁性の材料を含む場合、第3中間層13iの厚さは、トンネル効果により導電性が得られる厚さ(例えば3nm以下)である。
第1導電体21には、重金属が用いられる。第1導電体21は、例えば、Ta、W及びReの少なくともいずれかが用いられる。これらの材料においては、スピンホール伝導度が負である。後述するように、別の実施形態の例では、第1導電体21は、例えば、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかが用いられる。これらの材料においては、スピンホール伝導度は正である。
第2導電体22及び第3導電体23の少なくともいずれかは、例えば、Cu及びAlの少なくともいずれかなどを含む。
磁性部40(例えば、第1磁性部分40a及び第2磁性部分40b)は、例えば、Co及びFeを含む。磁性部40は、例えば、Co及びFeを含む合金(例えば、CoFe、CoFeBまたはCoMnSiなど)を含む。
上記の材料の記載は、例であり、実施形態は、上記の材料の例に限定されない。
上記のように、発振器111においては、第1磁性層11は、例えば、形状異方性を有する。これにより、第1磁性層11の第1磁化M1は、第3方向(Y方向または−Y方向)の実質的に沿う。実施形態において、第1磁性層11の形状は、等方的でも良い。以下、この例について説明する。
図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式的平面図である。
これらの図は、第1積層部SU1の構成を例示している。図5(a)及び図5(b)に示す発振器111a及び111bにおいても、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40が設けられる。導電体及び磁性部40については、発振器111と同様なので説明を省略する。そして、第1積層部SU1において、平面形状を除いては、発振器111と同様なので説明を省略する。
発振器111aにおいては、第1積層部SU1は、外部磁場印加部18をさらに含む。この例では、外部磁場印加部18は、第1外部磁場印加部18a及び第2外部磁場印加部18bを含む。例えば、第3方向(Y方向または−Y方向)において、第1外部磁場印加部18a及び第2外部磁場印加部18bの間に、第1積層体SB1が配置される。第1外部磁場印加部18a及び第2外部磁場印加部18bは、第1積層体SB1に第3方向に沿った磁場を印加する。これにより、第1磁性層11の第1磁化M1は、第3方向に実質的に沿う。
例えば、第1外部磁場印加部18aと第1積層体SB1との間の距離(−Y方向またはY方向の距離)、及び、第2外部磁場印加部18bと第1積層体SB1との間の距離(−Y方向またはY方向の距離)のそれぞれは、第1積層体SB1の幅(第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3)以下である。これにより、第1積層体SB1に第3方向に沿った磁場が効果的に印加される。
発振器111bにおいては、第1積層体SB1には、結晶磁気異方性が付与されている。これにより、第1磁性層11を含む第1積層体SB1の形状が等方的である場合においても、第1磁化M1は、第3方向に実質的に沿う。
このように、第1積層体SB1の磁化の方向の制御には、例えば、形状異方性、外部磁場、及び、結晶磁気異方性の少なくともいずれかが用いられる。第1積層体SB1の磁化の方向の制御のこのような構成は、以下に説明する実施形態の例に適用しても良い。以下では、外部磁場を用いる場合について説明するが、他の構成を適用しても良い。
実施形態においては、第2磁化M2は、第1磁化M1に対して実質的に反平行であり、第4磁化M4は、第3磁化M3に対して実質的に反平行である。既に説明したように、第1領域21aから第2領域21bに向かって第1導電体21に電流を流したときに空間Sp1に生じる電流磁場Hiの向きを第1向きD1とする。
発振器111、111a及び111bの例においては、第1状態ST1において、第1磁化M1及び第4磁化M4の向きは、第1向きD1である。すなわち、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1の成分Md1は、第1磁化M1の第1方向の成分Ma1よりも大きく、第4磁化M4の第1向きD1の成分は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4よりも大きい。そして、発振器111の例においては、第1導電体21には、スピンホール伝導度が負の材料(例えば、Ta、W及びReなど)が用いられる。そして、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。このとき、磁性部磁場Hexは、第2磁化M2の向きを有する。
以下、実施形態に係る別の例について説明する。
図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図6(a)は、斜視図である。図6(b)は、断面図である。
図6(a)に示すように、本実施形態に係る別の発振器112も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。発振器112においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも大きい。そして、磁性部40から生じる、空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第1磁化M1の向きを有する。これ以外は、発振器111と同様である。
発振器112においても、第1導電体21には、スピンホール伝導度が負の材料(例えば、Ta、WまたはReなど)が用いられる。第1領域21aから第2領域21bに向かって第1導電体21に電流を流したときに空間Sp1に生じる電流磁場Hiの向き(第1向きD1)は、−Y方向である。
図6(b)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1及び第4磁化M4は、第1向きD1(−Y方向)を有する。一方、第2磁化M2及び第3磁化M3は、第1向きD1とは逆向きである。例えば、図1(d)及び図1(e)に関して説明したように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1(この例では−Y方向)の成分Md1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向(この例ではX方向)の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1の成分Md4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。
発振器112においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図7(a)〜図7(k)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図7(a)は、斜視図である。図7(b)は、断面図である。図7(c)は、平面図である。図7(d)〜図7(k)は、磁化を例示する平面図である。
図7(a)に示すように、本実施形態に係る別の発振器113も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。発振器113においては、第1導電体21には、スピンホール伝導度が正の材料が用いられる。例えば、第1導電体21は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含む。これ以外は、発振器111と同様である。
発振器113において、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。磁性部40から生じ空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第2磁化M2の向き(この例では、−Y方向)を有する。
発振器113において、第1領域21aから第2領域21bに向かって第1導電体21に電流を流したときに第3領域21cと部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第3方向に沿う第1向きD1を有している。この例では、第1向きD1は、−Y方向である。このとき、第1状態ST1において、第2磁化M2及び第3磁化M3は、第1向きD1を有している。
すなわち、図7(f)及び図7(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1の成分Md2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。図7(h)及び図7(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1の成分Md3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。第1磁化M1は、第2磁化M2に対して実質的に反平行である。図7(d)及び図7(f)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1とは逆向きの成分Me1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。第4磁化M4は、第3磁化M3に対して実質的に反平行である。図7(j)及び図7(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1とは逆向きの成分Me4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。
既に説明したように、発振器113においては、第1導電体21には、スピンホール伝導度が正の材料が用いられる。この場合、第1導電体21としてスピンホール伝導度が負の材料を用いる場合に対して、純スピン流の向きが異なる。スピンホール伝導度が正の材料の場合は、純スピン流のスピンの向きは、図2を用いて説明した状態とは逆になる。スピンホールトルクは、第1磁性層11の第1磁化M1を−Y方向に回転させる向きに働く。この向きは、第1磁化M1が発振する向きに対応する。外部磁場(磁性部磁場Hex)の向きを発振器111の場合とは逆にすることで、発振が得られる。実施形態において、作用するスピントルクの向きは、磁化発振が得られる適切な向きになっている。
発振器113においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図7(c)に示すように、発振器113においても、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。例えば、形状異方性により、第1状態ST1における第1磁性層11の第1磁化M1が、第3方向に実質的に沿う。
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図8(a)は、斜視図である。図8(b)は、断面図である。
図8(a)に示すように、本実施形態に係る別の発振器114も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。発振器114においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも大きい。そして、磁性部40から生じ空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第1磁化M1の向きを有する。これ以外は、発振器113と同様である。
発振器114においても、第1導電体21には、スピンホール伝導度が正の材料(例えば、Ru、Rh、Pd、OsまたはPtなど)が用いられる。第1領域21aから第2領域21bに向かって第1導電体21に電流を流したときに空間Sp1に生じる電流磁場Hiの向き(第1向きD1)は、−Y方向である。
図8(b)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2及び第3磁化M3は、第1向きD1(−Y方向)を有する。一方、第1磁化M1及び第4磁化M4は、第1向きD1とは逆向き(Y方向)である。例えば、図7(f)及び図7(g)に関して説明したように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1(この例では−Y方向)の成分Md2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向(この例ではX方向)の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1の成分Md3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。
発振器114においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
(第2の実施形態)
図9(a)〜図9(k)は、第2の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。
図9(a)は、斜視図である。図9(b)は、断面図である。図9(c)は、平面図である。図9(d)〜図9(k)は、磁化を例示する平面図である。
図9(a)に示すように、本実施形態に係る発振器121は、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。すなわち、発振器121においては、発振器111に設けられた磁性部40が省略されている。発振器121においては、磁性部40により印加される外部磁場(磁性部磁場Hex)の代わりに、第2積層体SB2から生じる磁場H2(例えば、漏れ磁場)が第1積層体SB1に作用する。発振器121においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。そして、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも小さい。これ以外は、発振器111と同様である。
図9(b)に示すように、第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第3方向に沿っている。第3方向は、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)に対して垂直である。第3方向は、−Y方向またはY方向である。
第2磁化M2は、第1磁化M1とは逆向きの成分を有し、第4磁化M4は、第3磁化M3とは逆向きの成分を有する。例えば、第2磁化M2は、第1磁化M1に対して反平行である。例えば、第4磁化M4は、第3磁化M3に対して反平行である。
図9(a)に示すように、第1領域21aから第2領域21bに向かって第1導電体21に電流を流したときに第3領域21cと部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第3方向に沿う第1向きD1を有する。この例では、第1向きD1は、−Y方向である。
第1状態ST1において、第1磁化M1及び第4磁化M4は、第1向きD1(−Y方向)である。例えば、図9(d)及び図9(e)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1(この例では−Y方向)の成分Md1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向(この例ではX方向)の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。図9(j)及び図9(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1の成分Md4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。一方、図9(f)及び図9(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1とは逆向きの成分Me2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。図9(h)及び図9(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1とは逆向きの成分Me3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。
発振器121においては、発振器111と同様に、第1導電体21は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含む。第1導電体21は、例えば、スピンホール伝導度が負の材料を含む。
既に説明したように、発振器121においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さく、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも小さい。第2積層体SB2から生じ第1積層体SB1に印加される磁場H2は、第2磁化M2の向きを有する。発振器121における磁場H2は、発振器111において磁性部40により印加される外部磁場(磁性部磁場Hex)の向きと同じ向きを有する。
発振器121においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図9(c)に示すように、発振器121においても、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。
図10(a)及び図10(b)は、第2の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図10(a)は、斜視図である。図10(b)は、断面図である。
図10(a)に示すように、本実施形態に係る発振器122も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。発振器122においても、磁性部40が省略される。発振器122においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも大きく、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも大きい。これ以外は、発振器121と同様である。
発振器122においても、図10(b)に示すように、第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第3方向に沿っている。第3方向は、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)に対して垂直である。第3方向は、−Y方向またはY方向である。第1状態ST1において、第1磁化M1及び第4磁化M4は、第1向きD1(−Y方向)である。第2積層体SB2から生じ第1積層体SB1に印加される磁場H2は、第1磁化M1の向きを有する。
発振器122においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
発振器121及び122においては、第1導電体21は、例えば、スピンホール伝導度が負の材料を含む。この場合には、第1積層体SB1は、第1状態ST1において、第1条件(発振器121の条件)、及び、第2条件(発振器122の条件)のいずれかを満たす。第1条件においては、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも小さく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも小さい。第2条件においては、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも大きく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも大きい。
図11(a)〜図11(k)は、第2の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図11(a)は、斜視図である。図11(b)は、断面図である。図11(c)は、平面図である。図11(d)〜図11(k)は、磁化を例示する平面図である。
図11(a)に示すように、本実施形態に係る発振器123も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。この例においても、第2積層体SB2から生じる磁場H2が、第1積層体SB1に印加される。発振器123においては、第1導電体21には、スピンホール伝導度が正の材料(例えば、Ru、Rh、Pd、OsまたはPtなど)が用いられる。これ以外は、発振器121と同様である。すなわち、発振器123においても、発振器121と同様に、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。そして、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも小さい。
図11(b)に示すように、発振器123においても、第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)に対して垂直な第3方向(−Y方向またはY方向)に沿う。第2磁化M2は、第1磁化M1とは逆向きの成分を有する。第4磁化M4は、第3磁化M3とは逆向きの成分を有する。
図11(a)に示すように、第1領域21aから第2領域21bに向かって第1導電体21に電流を流したときに第3領域21cと部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第3方向に沿う第1向きD1を有する。この例では、第1向きD1は、−Y方向である。
第1状態ST1において、第2磁化M2及び第3磁化M3は、第1向きD1(−Y方向)を有する。図11(f)及び図11(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1の成分Md2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。図11(h)及び図11(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1の成分Md3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。一方、図11(d)及び図11(e)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1とは逆向きの成分Me1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。図11(j)及び図11(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1とは逆向きの成分Me4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。
第2積層体SB2から生じ第1積層体SB1に印加される磁場H2は、第2磁化M2の向きである。
発振器123においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図11(c)に示すように、発振器123においても、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。
図12(a)及び図12(b)は、第2の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図12(a)は、斜視図である。図12(b)は、断面図である。
図12(a)に示すように、本実施形態に係る発振器124も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。発振器124においても、磁性部40が省略される。発振器124においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも大きく、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも大きい。これ以外は、発振器123と同様である。
第2積層体SB2から生じ第1積層体SB1に印加される磁場H2は、第1磁化M1の向きである。
発振器124においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
発振器123及び124においては、第1導電体21は、例えば、スピンホール伝導度が正の材料を含む。この場合には、第1積層体SB1は、第1状態ST1において、第1条件(発振器123の条件)、及び、第2条件(発振器124の条件)のいずれかを満たす。第1条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも小さく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも小さい。第2条件においては、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも大きく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも大きい。
発振器111a、111b、112〜114、及び、121〜124において、第2磁化M2と第3磁化M3との間の角度θ(図3参照)は、マイナス10度以上プラス10度以下でも良い。例えば、パラメトリック共鳴が生じる。発振がさらに安定化する。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、第1積層部SU1を流れる第2電流I2の向きが、第1の実施形態とは逆である。
図13(a)〜図13(k)は、第3の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。
図13(a)は、斜視図である。図13(b)は、断面図である。図13(c)は、平面図である。図13(d)〜図13(k)は、磁化を例示する平面図である。
図13(a)に示すように、本実施形態に係る発振器131は、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。
第1〜第3導電体21〜23の構成は、発振器111と同様である。この例においても、第1積層部SU1は、第1〜第4磁性層11〜14、及び、第1〜第3中間層11i〜13iを含む。
図13(b)に示すように、第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)に対して垂直な第3方向に沿う。第3方向は、−Y方向またはY方向である。第2磁化M2は、第1磁化M1とは逆向きの成分を有し、第4磁化M4は、第3磁化M3とは逆向きの成分を有する。例えば、第2磁化M2は、第1磁化M1に対して反平行であり、第4磁化M4は、第3磁化M3に対して反平行である。発振器131においては、第1状態ST1において、第3磁化M3は、第2磁化M2に対して、実質的に反平行である。
例えば、第2磁化M2及び第3磁化M3は、角度θ(図3参照)は、135度以上225度以下である。角度θは、170度以上190度以下でも良い。
発振器131の例においては、第1導電体21は、スピンホール伝導度が正の材料を含む。例えば、第1導電体21は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含む。
第2領域21bから第1領域21aに向かって第1導電体21に電流を流したときに第3領域21cと部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第3方向に沿う第1向きD1を有する。発振器131において、第1向きD1は、例えば、Y方向である。
第1状態において、第2磁化M2及び第4磁化M4は、例えば、第1向きD1を有し、第1磁化M1及び第3磁化M3は、例えば、第1向きD1とは逆向き(−Y方向)を有する。
例えば、図13(f)及び図13(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1の成分Md2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。図13(j)及び図13(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1の成分Md4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。一方、図13(d)及び図13(e)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1とは逆向きの成分Me1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。図13(h)及び図13(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1とは逆向きの成分Me3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。
発振器131においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。磁性部40から生じ空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第2磁化M2の向きを有する。
図13(a)に示すように、発振器131において、第2状態ST2が形成される。第2領域21bが第1電位V1に設定され、第2導電体22が第2電位V2に設定される。第2電位V2は、第1電位V1よりも低い。
第2状態ST2においては、第2領域21bから第1領域21aに向かって第1電流I1が流れる。そして、第1磁性層11から第4磁性層14に向かって第2電流I2が流れる。第1領域21aから第2導電体22に向かって、第3導電体23中を第3電流I3が流れる。第2状態ST2において、第2導電体22及び第3導電体23と接続された接続点N23は、発振する。
例えば、第2状態ST2において、第1磁性層11の第1磁化M1は、例えば、第1電流I1に基づくスピンホールトルクの作用を受ける。一方、第2磁性層12の第2磁化M2は、例えば、第2電流I2に基づくスピン偏極電流スピントルクの作用を受ける。発振器131においても、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図13(c)に示すように、発振器131においても、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。
図14(a)及び図14(b)は、第3の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図14(a)は、斜視図である。図14(b)は、断面図である。
図14(a)に示すように、本実施形態に係る別の発振器132も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。発振器112においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも大きい。そして、磁性部40から生じ空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第1磁化M1の向きを有する。これ以外は、発振器131と同様である。
発振器132においても、第1導電体21には、スピンホール伝導度が正の材料(例えば、Ru、Rh、Pd、OsまたはPtなど)が用いられる。第2領域21bから第1領域21aに向かって第1導電体21に電流を流したときに空間Sp1に生じる電流磁場Hiの向き(第1向きD1)は、Y方向である。
図14(b)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2及び第4磁化M4は、第1向きD1(−Y方向)を有する。一方、第1磁化M1及び第3磁化M3は、第1向きD1とは逆向きである。例えば、図14(f)及び図14(g)に関して説明したように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1(この例では−Y方向)の成分Md2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向(この例ではX方向)の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1の成分Md4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。
発振器132においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
上記の発振器131及び132においては、既に説明したように、第1導電体21には、スピンホール伝導度が正の材料(例えば、Ru、Rh、Pd、OsまたはPtなど)が用いられる。この場合に、第1積層体SB1は、第1状態ST1において、第1条件(発振器131の条件)、及び、第2条件(発振器132の条件)のいずれかを満たす。第1条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも小さく、磁性部磁場Hexは、第2磁化M2の向きを有する。第2条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも大きく、磁性部磁場Hexは、第1磁化M1の向きを有する。
図15(a)〜図15(k)は、第3の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図15(a)は、斜視図である。図15(b)は、断面図である。図15(c)は、平面図である。図15(d)〜図15(k)は、磁化を例示する平面図である。
図15(a)に示すように、本実施形態に係る別の発振器133も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。発振器133においては、第1導電体21には、スピンホール伝導度が負の材料が用いられる。例えば、第1導電体21は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含む。これ以外は、発振器131と同様である。
発振器133において、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。磁性部40から生じ空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第2磁化M2の向き(この例では、−Y方向)を有する。
発振器133において、第2領域21から第1領域21aに向かって第1導電体21に電流を流したときに第3領域21cと部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第3方向に沿う第1向きD1を有している。この例では、第1向きD1は、Y方向である。このとき、第1状態ST1において、第1磁化M1及び第3磁化M3は、第1向きD1を有している。
すなわち、図15(d)及び図15(e)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1の成分Md1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。図15(h)及び図15(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1の成分Md3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。第2磁化M2は、第1磁化M1に対して実質的に反平行である。図15(f)及び図15(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1とは逆向き(−Y方向)の成分Me2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。第4磁化M4は、第3磁化M3に対して実質的に反平行である。図15(j)及び図15(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1とは逆向きの成分Me4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。
発振器133においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図15(c)に示すように、発振器113においても、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。
図16(a)及び図16(b)は、第3の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図16(a)は、斜視図である。図16(b)は、断面図である。
図16(a)に示すように、本実施形態に係る別の発振器134も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23、第1積層部SU1及び磁性部40を含む。発振器134においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも大きい。そして、磁性部40から生じ空間Sp1における磁性部磁場Hexは、第1磁化M1の向き(この例では、Y方向)を有する。これ以外は、発振器133と同様である。
発振器134においても、第1導電体21には、スピンホール伝導度が負の材料(例えば、Ta、WまたはReなど)が用いられる。第2領域21bから第1領域21aに向かって第1導電体21に電流を流したときに空間Sp1に生じる電流磁場Hiの向き(第1向きD1)は、Y方向である。
図16(b)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1及び第3磁化M3は、第1向きD1(Y方向)を有する。一方、第2磁化M2及び第3磁化M3は、第1向きD1とは逆向き(−Y方向)である。例えば、図15(d)及び図15(e)に関して説明したように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1(この例ではY方向)の成分Md1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向(この例ではX方向)の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1の成分Md3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。
発振器134においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
上記の発振器133及び134においては、既に説明したように、第1導電体21には、スピンホール伝導度が負の材料(例えば、Ta、WまたはReなど)が用いられる。この場合に、第1積層体SB1は、第1状態ST1において、第1条件(発振器133の条件)、及び、第2条件(発振器133の条件)のいずれかを満たす。第1条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも小さく、磁性部磁場Hexは、第2磁化M2の向きを有する。第2条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも大きく、磁性部磁場Hexは、第1磁化M1の向きを有する。
発振器131〜134において、第2磁化M2と第3磁化M3との間の角度θ(図3参照)は、170度以上190度以下でも良い。例えば、パラメトリック共鳴が生じる。発振がさらに安定化する。
(第4の実施形態)
図17(a)〜図17(k)は、第4の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。
図17(a)は、斜視図である。図17(b)は、断面図である。図17(c)は、平面図である。図17(d)〜図17(k)は、磁化を例示する平面図である。
図17(a)に示すように、本実施形態に係る発振器141は、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。発振器141においては、磁性部40が省略される。発振器141においては、例えば、第2積層体SB2から生じる磁場H2が第1積層体SB1に作用する。発振器141においては、第1状態ST1において、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。そして、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも大きい。これ以外は、発振器131と同様である。
この例においても、図17(b)に示すように、第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)に対して垂直な第3方向に沿う。第3方向は、例えば、−Y方向またはY方向である。
この例においても、第2磁化M2は、第1磁化M1とは逆向きの成分を有し、第4磁化M4は、第3磁化M3とは逆向きの成分を有する。例えば、第2磁化M2は、第1磁化M1に対して反平行である。例えば、第4磁化M4は、第3磁化M3に対して反平行である。
第2領域21bから第1領域21aに向かって第1導電体21に電流を流したときに第3領域21cと部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第3方向に沿う第1向きD1を有する。第1向きD1は、例えば、Y方向である。
図17(f)及び図17(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1の成分Md2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。図17(j)及び図17(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1の成分Md4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。一方、図17(d)及び図17(e)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1とは逆向き(−Y方向)の成分Me1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。図17(h)及び図17(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1とは逆向きの成分Me3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。
第1導電体21は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含む。第1導電体21は、スピンホール伝導度が正の材料を含む。
発振器141においては、第2積層体SB2から生じる磁場H2が第1積層体SB1に作用する。磁場H2の向きは、発振器131における磁性部磁場Hexの向きと同じである。例えば、磁場H2は、第2磁化M2の向きを有する。
発振器141においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図17(c)に示すように、発振器141においても、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。
図18(a)及び図18(b)は、第4の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図18(a)は、斜視図である。図18(b)は、断面図である。
図18(a)に示すように、本実施形態に係る発振器142も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。発振器142においても、磁性部40が省略される。発振器142においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも大きい。第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも小さい。これ以外は、発振器141と同様である。
発振器142においても、図10(b)に示すように、第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第3方向に沿っている。第3方向は、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)に対して垂直である。第3方向は、−Y方向またはY方向である。第1状態ST1において、第2磁化M2及び第4磁化M4は、第1向きD1(Y方向)である。第2積層体SB2から生じ第1積層体SB1に印加される磁場H2は、第1磁化M1の向きを有する。
発振器142においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
発振器141及び142においては、第1導電体21は、例えば、スピンホール伝導度が正の材料を含む。そして、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1の成分Md2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma1(絶対値)よりも大きく、第4磁化M4の第1向きD1の成分Md4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。この場合に、第1積層体SB1は、第1状態ST1において、第1条件(発振器141の条件)、及び、第2条件(発振器142の条件)のいずれかを満たす。第1条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも小さく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも大きい。第2条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも大きく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも小さい。
図19(a)〜図19(k)は、第4の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図19(a)は、斜視図である。図19(b)は、断面図である。図19(c)は、平面図である。図19(d)〜図19(k)は、磁化を例示する平面図である。
図19(a)に示すように、本実施形態に係る発振器143も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。この例においても、第2積層体SB2から生じる磁場H2が、第1積層体SB1に印加される。発振器143においては、第1導電体21には、スピンホール伝導度が負の材料(例えば、Ta、WまたはReなど)が用いられる。これ以外は、発振器141と同様である。
図19(b)に示すように、発振器143においても、第1状態ST1において、第1〜第4磁化M1〜M4は、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)に対して垂直な第3方向(−Y方向またはY方向)に沿う。第2磁化M2は、第1磁化M1とは逆向きの成分を有する。第4磁化M4は、第3磁化M3とは逆向きの成分を有する。
図19(a)に示すように、第2領域21bから第1領域21aに向かって第1導電体21に電流を流したときに第3領域21cと部分22pとの間の空間Sp1に生じる電流磁場Hiは、第3方向に沿う第1向きD1を有する。この例では、第1向きD1は、Y方向である。
第1状態ST1において、第1磁化M1及び第3磁化M3は、第1向きD1(Y方向)を有する。図19(d)及び図19(e)に示すように、第1状態ST1において、第1磁化M1の第1向きD1の成分Md1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。図11(h)及び図11(i)に示すように、第1状態ST1において、第3磁化M3の第1向きD1の成分Md3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3(絶対値)よりも大きい。一方、図19(f)及び図19(g)に示すように、第1状態ST1において、第2磁化M2の第1向きD1とは逆向きの成分Me2(絶対値)は、第2磁化M2の第1方向の成分Ma2(絶対値)よりも大きい。図19(j)及び図19(k)に示すように、第1状態ST1において、第4磁化M4の第1向きD1とは逆向きの成分Me4(絶対値)は、第4磁化M4の第1方向の成分Ma4(絶対値)よりも大きい。
発振器143においては、第1状態ST1において、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。そして、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも大きい。
第2積層体SB2から生じ第1積層体SB1に印加される磁場H2は、第2磁化M2の向きである。
発振器143においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
図19(c)に示すように、発振器123においても、第1磁性層11の第3方向(Y方向または−Y方向)に沿う長さL3は、第1磁性層11の第1方向(X方向)に沿う長さL1以上である。長さL3は、長さL1よりも長くても良い。
図20(a)及び図20(b)は、第4の実施形態に係る別の発振器を例示する模式図である。
図20(a)は、斜視図である。図20(b)は、断面図である。
図20(a)に示すように、本実施形態に係る発振器144も、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1を含む。発振器144においても、磁性部40が省略される。発振器144においては、第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2よりも小さい。そして、第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4よりも小さい。これ以外は、発振器143と同様である。
第2積層体SB2から生じ第1積層体SB1に印加される磁場H2は、第1磁化M1の向きである。
発振器144においても、例えば、スピンホールトルクの作用、及び、スピン偏極電流スピントルクの作用の2種のスピントルクが利用される。これにより、安定した発振が得られる。
発振器143及び144においては、第1導電体21は、例えば、スピンホール伝導度が負の材料を含む。そして、第1磁化M1の第1向きD1の成分Md1(絶対値)は、第1磁化M1の第1方向(方向)の成分Ma1(絶対値)よりも大きい。第3磁化M3の第1向きD1の成分Md3(絶対値)は、第3磁化M3の第1方向の成分Ma3よりも大きい。この場合には、第1積層体SB1は、第1条件(発振器143の条件)、及び、第2条件(発振器144の条件)のいずれかを満たす。第1条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも小さく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも大きい。第2条件において、第1磁気モーメントMT1は、第2磁気モーメントMT2よりも大きく、第3磁気モーメントMT3は、第4磁気モーメントMT4よりも小さい。
発振器141〜144において、第2磁化M2と第3磁化M3との間の角度θ(図3参照)は、170度以上190度以下でも良い。例えば、パラメトリック共鳴が生じる。発振がさらに安定化する。
(第5の実施形態)
図21(a)及び図21(b)は、第5の実施形態に係る発振器を例示する模式図である。
図21(a)は、斜視図である。図21(b)は、断面図である。
図21(a)に示すように、本実施形態に係る発振器151においては、複数の第1導電体21xと、第2導電体22と、複数の第3導電体23xと、複数の積層部SUxと、が設けられる。複数の第1導電体2xは、第3方向(−Y方向またはY方向)に並ぶ。複数の第1導電体2xのそれぞれの第3領域(第3領域21cなど)と、第2導電体22と、の間に、複数の積層部SUxのそれぞれが設けられる。第2導電体22と、複数の第1導電体21xの第1領域(第1領域21aなど)と、が、複数の第3導電体23xのそれぞれにより、電気的に接続される。第2導電体22は、例えば、第3方向に沿って延びる。
複数の第1導電体21xの1つが、第1導電体21に対応する。複数の第3導電体23xの1つが、第3導電体23に対応する。複数の積層部SUxの1つが、第1積層部SU1に対応する。
複数の第1導電体21xのそれぞれ(導電体21B、21C及び21Nなど)には、第1導電体21に関して説明した構成が適用できる。複数の第3導電体23xのそれぞれ(導電体23B、23C及び23Nなど)には、第3導電体23に関して説明した構成が適用できる。複数の積層部SUxのそれぞれ(積層部SU2、SU3及びSUnなど)には、第1積層部SU1に関して説明した構成が適用できる。
発振器151は、例えば、第1導電体21、第2導電体22、第3導電体23及び第1積層部SU1に加えて、第4導電体21B、第2積層部SU2及び、第5導電体23Bをさらに含む。
第4導電体21Bは、第3方向(例えば−Y方向またはY方向)において、第1導電体21と並ぶ。第4導電体21Bは、第4領域21Ba、第5領域21Bb及び第6領域21Bcを含む。第5領域21Bbは、第1方向(X方向)において、第4領域21Baと並ぶ。第6領域21Bcは、第4領域21Baと第5領域21Bbとの間に設けられる。
第2積層部SU2は、第6領域21Bcと、第2導電体22の別の一部22qと、の間に設けられる。
図21(b)に示すように、第2積層部SU2は、第5〜第8磁性層11B〜14B、及び、第4〜第6中間層11Bi〜13Biを含む。この例では、第2積層部SU2は、第2導電体側磁性層14PBをさらに含む。第5〜第8磁性層11B〜14Bのそれぞれは、第5〜第8磁化MB1〜MB4のそれぞれを含む。
第6磁性層12Bは、第5磁性層11Bと、上記の別の一部22qと、の間に設けられる。第4中間層11Biは、第5磁性層11Bと第6磁性層12Bとの間に設けられる。
第7磁性層13Bは、第6磁性層12Bと、上記の別の一部22qと、の間に設けられる。第8磁性層14Bは、第7磁性層13Bと、上記の別の一部22qと、の間に設けられる。第5中間層12Biは、第7磁性層13Bと第8磁性層14Bとの間に設けられる。
第6中間層13Biは、第6磁性層12Bと第7磁性層13Bとの間に設けられる。
第5導電体23Bは、第2導電体22及び第4領域21Baと電気的に接続される。
第1状態ST1において、第5〜第8磁化MB1〜MB4は、第3方向(例えば、−Y方向またはY方向)に沿う。
第6磁化MB2は、第5磁化MB1とは逆向きの成分を有する。第8磁化MB4は、第7磁化MB3とは逆向きの成分を有す。例えば、第6磁化MB2は、第5磁化MB1に対して反平行である。例えば、第8磁化MB4は、第7磁化MB3に対して反平行である。
第5磁性層11B、第4中間層11Bi及び第6磁性層12Bは、第3積層体SB3に含まれる。第7磁性層13B、第5中間層12Bi及び第8磁性層14Bは、第4積層体SB4に含まれる。
第5〜第8磁性層11B〜14Bのそれぞれには、第1〜第4磁性層11〜14のそれぞれの構成を適用できる。第4〜第6中間層11Bi〜13Biのそれぞれには、第1〜第3中間層11i〜13iのそれぞれの構成を適用できる。
第2状態において、第4導電体21Bに電流が流され、第2積層部SU2に電流が流され、第5導電体23Bに電流が流される。
第5磁性層11Bの第5磁化MB1は、例えば、スピンホールトルクの作用を受け、第6磁性層12Bの第磁化MB2は、例えば、スピン偏極電流スピントルクの作用を受ける。2種のスピントルクに基づいて、2つの磁性層(第5磁性層11B及び第磁性層12B)が、同時に励起される。これにより、大きな磁化振動エネルギーが生じる。これにより、安定した振動が得られる。
発振器151においては、複数の積層部SUxが、第2導電体22を介して、互いに接続されている。複数の積層部SUxが第2導電体22を介して互いに電気的に相互作用を行う。複数の積層部SUxに含まれる積層体(第1積層体SB1及び第3積層体SB3など)の磁化は、互いに同期して振動する。例えば、回路部70から、安定した発振出力が得られる。
発振器151において、積層体(磁性層及び中間層など)には第1〜第4の実施形態に関して説明した任意の構成、及び、その変形の構成が適用できる。磁性部40は必要に応じて設けられ、省略しても良い。
以下、実施形態に係る発振器の特性についてのシミュレーション結果の例について説明する。
図22は、実施形態に係る発振器のシミュレーションモデルを例示する模式図である。 図22に示すように、複数の積層部SUx(第1積層部SU1、第2積層部SU2及び第N積層部SUnなど)が、第2導電体22を介して、互いに並列に接続されている。積層部SUxの数が1の場合についてもシミュレーションが行われる。
このモデルでは、第1導電体21(及び導電体21B及び導電体21Nなど)は、タングステンである。第1導電体21(及び導電体21B及び導電体21Nなど)の電気抵抗率ρは、200μΩ・cmである。第1導電体21(及び導電体21B及び導電体21Nなど)の第1方向(X方向)の長さ(長さL21)は、1.4μmである。第1導電体21(及び導電体21B及び導電体21Nなど)の第3方向(−Y方向またはY方向)の長さ(幅W21)は、100nmである。厚さ(Z方向の長さ)は、6nmである。スピンホール角は、−0.35(無次元量)である。ノードncは、第1導電体21の第3領域21cに対応する。ノードncと、第1領域21の端と、の間の距離(ノードncと第3導電体23との間の距離)は、1.25μmである。ノードncと、第2領域21bの端と、の間の距離(ノードncと、第1電位V1の導体と、の間の距離)は、0.15μmである。ノードncと、第1領域21の端と、の間の抵抗R1は、0.5kΩである。ノードncと、第2領域21bの端と、の間の抵抗は、4.166kΩである。
第2導電体22として、伝導性の高い金属(例えば、Cuなど)が用いられる。後述するように、このシミュレーションでは、第2導電体22の抵抗Rrefが変更される。
第3導電体23(及び導電体23B及び導電体23Nなど)には、伝導性の高い金属(例えば、Cuなど)が用いられる。第3導電体23(及び導電体23B及び導電体23Nなど)の抵抗rは、50Ωである。
複数の積層部SUxのそれぞれは、円柱形状を有する。円柱の直径は、100nmである。第3中間層13i(及び第6中間層13Biなど)には、MgOが用いられる。複数の積層部SUxのそれぞれは、磁気トンネル接合(MTJ)を有する。複数の積層部SUxのそれぞれの面積抵抗は、7.85Ω・μmである。トンネル磁気抵抗効果比は、200%である。スピン偏極率は、0.7である。
第1磁性層11の厚さは、2nmである。第1中間層11iの厚さは、1nmである。第2磁性層12の厚さは、2nmである。第3中間層13iの厚さは、1nmである。第3磁性層13の厚さは、2nmである。第2中間層12iの厚さは、0.5nmである。第4磁性層14の厚さは、7nmである。
第1積層体SB1における反強磁性交換結合係数は、−0.2erg/cmである。第2積層体SB2における反強磁性交換結合係数は、−1erg/cmである。
第1磁性層11の飽和磁化Msは、0.8emu/cmである。第2磁性層12の飽和磁化Msは、0.85emu/cmである。第3磁性層13の飽和磁化Msは、0.9emu/cmである。第4磁性層14の飽和磁化Msは、1.4emu/cmである。
これらの磁性層の面積をS(S=π×50nm)とする。第1磁性層11の第1磁気モーメントMT1は、S×2×0.8emuである。第2磁性層12の第2磁気モーメントMT2は、S×2×0.85emuである。第3磁性層13の第3磁気モーメントMT3は、S×2×0.9emuである。第4磁性層14の第4磁気モーメントMT4は、S×7×1.4emuである。このように、このモデルでは、第2磁気モーメントMT2は、第1磁気モーメントMT1よりも大きい。第4磁気モーメントMT4は、第3磁気モーメントMT3よりも大きい。
このモデルの構成においては、第2積層体SB2からの磁場H2(漏れ磁場)が、第1積層体SB1に印加される。磁場H2は、約500エルステッド(Oe)である。第1積層体SB1の位置において、磁場H2は、第3方向(−Y方向またはY方向)に沿っている。このモデルにおいては、磁性部40が省略される。
第2導電体側磁性層14Pにより、第4磁性層14の第4磁化M4は、第3方向に固定されている。第3磁性層13の第3磁化M3も、第3方向に固定されている。この固定は、第2中間層12iによる反強磁性結合(−1erg/cmの結合係数)に基づく。第3磁化M3は、第4磁化M4とは逆向きである。このモデルでは、第4磁化M4は、−Y方向を有し、第3磁化M3は、Y方向を有する。第2積層体SB2の磁化は、−Y方向となる。
第1状態ST1において、第1磁性層11の第1磁化M1は、−Y方向を有する。第2磁性層12の第2磁化M2は、Y方向を有する。第2積層体SB2からの磁場H2(500エルステッド)が、第1積層体SB1に印加される。第1積層体SB1の位置において、磁場H2は、Y方向を有する。
第1電位V1は0ボルト(V)であり、第2電位V2(定電圧源Vddの電圧)は2.1Vである。1つの素子部50xは、1つの積層部SUx、1つの第1導電体21、及び、1つの第3導電体23を含む。
このシミュレーションでは、複数の素子部50xの数Nは、1、2、4、8、16、24と変更される。この6つの条件の数Nに連動して、第2導電体22の抵抗Rrefは、1900Ω、950Ω、505Ω、275Ω、162.5Ω、125Ωと変更される。第1電位V1を基準にしたときのノードn1の電圧は、約1Vとなる。
シミュレーション結果により、上記の6つの条件の全てにおいて、発振出力が得られる。いずれの条件においても、スピン偏極電流スピントルク及びスピンホールトルクの2つのタイプのスピントルクが、自己フィードバック効果を伴って第1積層体SB1の磁化に作用する。
以下、数Nが24のときのシミュレーション結果の例について説明する。
図23(a)〜図23(c)は、実施形態に係る発振器のシミュレーション結果を例示する模式図である。
図23(a)は、図22に示すモデルにおいて、素子部50xの数Nが24のときの、第1磁性層11の第1磁化M1の変化を示す。横軸は時間tであり、縦軸は、第1磁化M1である。図23(b)は、1つの素子部50xに含まれる第1積層体SB1の磁化軌道を示す。図23(c)は、1つの素子部50xの電流及び電圧を示す。電流iR1は、抵抗R1(図22参照)を流れる電流である。電流iMTJは、積層部SUx(MTJ、図22参照)を流れる電流である。電流iR2は、抵抗R2(図22参照)に流れる電流である。電圧vn1は、ノードn1(図22参照)の電圧である。電圧vncは、ノードnc(図22参照)の電圧である。電流の単位は、マイクロアンペアである。電圧の単位は、ボルトである。
シミュレーションの初期状態(時間tが0)において、24個の第1磁化M1の方向は、−Y方向を中心としてばらついている。
図23(a)に示すように、時間tが0ns〜2.5nsの期間において、複数の第1磁化M1はばらついている。時間tが2.5ns以降において、複数の第1磁化M1は、同期して変化するようになる。これは、24個の第1積層体SB1の磁化が、第2導電体22を介して、相互作用することによる。発振周波数は、約4GHzである。
図23(b)において、軸mx、軸my及び軸mzは、磁化のX方向成分、磁化のY方向成分及び磁化のZ方向成分である。第3磁化M3は、実質的に固定されている。一方、第1磁化M1及び第2磁化M2は、時間と供に変化する。
図23(b)に示すように、積層部SUxの抵抗の高低の変化は、第2磁化M2の1周期の変化の間に、2回生じる。
図23(a)に示す電流及び電圧の周波数は、約8GHzであり、磁化振動の周波数(約4GHz)の約2倍である。
第1積層体SB1の磁化には、その交流成分を伴う2つのスピントルク(スピン偏極電流スピントルク及びスピンホールトルク)が、フィードバックされている。このフィードバックは、電流iMTJ、電流iR1及び電流iR1を介して行われる。
例えば、パラメトリック共鳴に類似の自己フィードバックが生じて、振動が安定化される。このように、実施形態においては、スピン偏極電流スピントルク及びスピンホールトルクの2つのタイプのスピントルクが、自己フィードバック効果を伴って第1積層体SB1の磁化に作用する。ノードn1において、安定した発振に対応する電圧出力が得られる。
図23(a)〜図23(c)の例は、磁化の熱揺らぎがない場合のシミュレーション結果である。磁化の熱揺らぎがある場合(例えば、室温動作を仮定)のシミュレーションにおいても、安定な発振出力が得られる。素子部50xの数Nが大きいと、発振はより安定する。
(第6の実施形態)
本実施形態は、演算装置に係る。
図24は、第6の実施形態に係る演算装置を例示する模式図である。
図24に示すように、本実施形態に係る演算装置211は、第1〜第5の実施形態に係る発振器(及びその変形)と、磁性素子部65と、を含む。この例では、発振器111が図示されている。発振器121〜124及び141〜144などを用いても良い。第3方向(−Y方向またはY方向)において、磁性素子部65の少なくとも一部、及び、第1積層部SU1(複数の積層部SUxのうちの少なくとも1つ)の少なくとも一部は、互いに重なる。磁性素子部65の磁化M65は、−Y方向またはY方向の向きを有する。
この例では、磁性素子部65は、第1磁性素子65a及び第2磁性素子65bを含む。第3方向(−Y方向またはY方向)において、第1磁性素子65a及び、第2磁性素子65bの間に、第1積層部SU1の少なくとも一部が配置される。
複数の積層部SUxが設けられる場合、例えば、第1磁性素子65aと第1積層部SU1との間の距離は、複数の積層部SUxの間の距離よりも短い。第2磁性素子65と第1積層部SU1との間の距離は、複数の積層部SUxの間の距離よりも短い。
この例では、第1導電体21(複数の導電体21xのそれぞれ)の第1領域21aに、電流源60が接続される。
演算装置211は、例えば、連想メモリ動作を行う、発振器アレイ型パターン照合器(連想メモリ)である。この動作においては、例えば、周波数シフトキーイングで入力し、同期振動の程度を出力する。実施形態に係る発振器は、このような発振器アレイパターン照合器として用いることができる。
複数の積層部SUxのそれぞれは、磁性素子部65の磁化M65の向きに応じた漏れ磁場を受ける。複数の積層部SUxのそれぞれにおいて、第1積層体SB1の磁化は、この漏れ磁場を受けて変調される。
例えば、この例においては、第1磁性素子65a及び第2磁性素子65bのそれぞれに情報(2ビット)が格納される。このため、それらの間に配置されている積層部SUxは、4種類の周波数変調を受ける。第1磁性素子65a及び第2磁性素子65bに格納される情報は、テンプレートデータとしてのN次元ベクトルデータの成分に対応する。N次元ベクトルデータのそれぞれ成分は、2ビットである。
第1導電体21には、電流源60が付加されている。第1導電体1には、定電圧源Vddによる電流に加えて、電流源60による電流が流れる。第1積層体SB1の磁化の振動周波数は、第1導電体21に流れる電流によって変調を受ける。複数の電流源60のそれぞれは、テストデータとしてのN次元ベクトルデータの成分に相当する電流を出力する。
例えば、電流源60からテストデータが、第1積層体SB1の磁化の周波数変調として入力される。さらに、磁性素子部65から、テンプレートデータが、第1積層体SB1の磁化の周波数変調として入力される。すなわち、周波数シフトキーイングが行われる。
テストデータの成分とテンプレートデータの成分とが互いに等しい場合に、例えば、周波数シフトがゼロとなるように規格化される。例えば、回路部70から、N個の第1積層体SB1の磁化の同期振動の程度を反映した出力が取り出される。テストデータのすべての成分と、テンプレートデータのすべての成分と、が互いに等しい場合には、完全同期が生じて、出力が最も大きくなる。値が異なる成分が多いと、同期の程度が小さくなる。例えば、同期振動の程度で、パターンマッチング度を測ることができる。
この例の演算装置211(例えば、パターン照合器)は、例えば、多層ニューラルネットワークにおける、積和演算器として利用することも可能である。この場合、磁性素子部65に、「学習重み」が格納される。例えば、電流源60には、1つ前の層の出力が、入力される。
(第7の実施形態)
本実施形態は、電子機器に係る。
図2は、第7の実施形態に係る電子機器を例示する模式図である。
図2に示すように、本実施形態に係る電子機器311は、第1〜第5の実施形態に係る発振器(及びその変形)と、機能部250と、を含む。この例では、発振器111が図示されている。この例のように、演算装置211を設けても良い。
機能部250は、例えば、発振器111からの出力を受け取る。機能部250は、の出力に基づいて、動作を行う。この動作は、例えば、信号の処理(送受信、変調及び増幅などを含む)を行う。電子機器311は、例えばコンピュータである。
実施形態は、以下の構成を含む。
(構成1)
第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む第1導電体と、
前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む第2導電体と、
前記第3領域と前記部分との間に設けられた第1積層部であって、
第1磁化を有する第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する第3磁性層と、
前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する第4磁性層と、
前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられた第3中間層と、
を含む前記第1積層部と、
前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続された第3導電体と、
磁性部であって、前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向において前記磁性部の少なくとも一部、及び、前記第1積層部の少なくとも一部は、互いに重なる、前記磁性部と、
を備え、
第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿い、
前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有した、発振器。
(構成2)
前記第1領域から前記第2領域に向かって第1電流が流れ、前記第4磁性層から前記第1磁性層に向かって第2電流が流れ、前記第2導電体から前記第1領域に向かって前記第3導電体中を第3電流が流れる第2状態において、前記第2導電体及び前記第3導電体と接続された接続点は、発振する、構成1記載の発振器。
(構成3)
前記第1領域から前記第2領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第1磁化の前記第1向きの成分は、前記第1磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第4磁化の前記第1向きの成分は、前記第4磁化の前記第1方向の成分よりも大きい、構成1または2に記載の発振器。
(構成4)
前記第1導電体は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含む、構成3記載の発振器。
(構成5)
前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、
前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有す、構成3または4に記載の発振器。
(構成6)
前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、
前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有す、構成3または4に記載の発振器。
(構成7)
前記第1領域から前記第2領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第2磁化の前記第1向きの成分は、前記第2磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第3磁化の前記第1向きの成分は、前記第3磁化の前記第1方向の成分よりも大きい、構成1または2に記載の発振器。
(構成8)
前記第1導電体は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含む、構成7記載の発振器。
(構成9)
前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、
前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有す、構成7または8に記載の発振器。
(構成10)
前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、
前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有す、構成7または8に記載の発振器。
(構成11)
前記第2領域から前記第1領域に向かって第1電流が流れ、前記第1磁性層から前記第4磁性層に向かって第2電流が流れ、前記第1領域から前記第2導電体に向かって前記第3導電体中を第3電流が流れる第2状態において、前記第2導電体及び前記第3導電体と接続された接続点は、発振する、構成1記載の発振器。
(構成12)
前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第2磁化の前記第1向きの成分は、前記第2磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第4磁化の前記第1向きの成分は、前記第4磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1導電体は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含み、
前記第1状態において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有す、構成1または11に記載の発振器。
(構成13)
前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第2磁化の前記第1向きの成分は、前記第2磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第4磁化の前記第1向きの成分は、前記第4磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1導電体は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含み、
前記第1状態において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有す、構成1または11に記載の発振器。
(構成14)
前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第1磁化の前記第1向きの成分は、前記第1磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第3磁化の前記第1向きの成分は、前記第3磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1導電体は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含み、
前記第1状態において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有す、構成1または11に記載の発振器。
(構成15)
前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第1磁化の前記第1向きの成分は、前記第1磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第3磁化の前記第1向きの成分は、前記第3磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1導電体は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含み、
前記第1状態において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有す、構成1または11に記載の発振器。
(構成16)
第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む第1導電体と、
前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む第2導電体と、
前記第3領域と前記部分との間に設けられた第1積層部であって、
第1磁化を有する第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する第3磁性層と、
前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する第4磁性層と、
前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられた第3中間層と、
を含む前記第1積層部と、
前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続された第3導電体と、
を備え、
第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿い、
前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第1領域から前記第2領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第1磁化の前記第1向きの成分は、前記第1磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第4磁化の前記第1向きの成分は、前記第4磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1導電体は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含み、
前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも小さく、
前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも大きい、発振器。
(構成17)
第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む第1導電体と、
前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む第2導電体と、
前記第3領域と前記部分との間に設けられた第1積層部であって、
第1磁化を有する第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する第3磁性層と、
前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する第4磁性層と、
前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられた第3中間層と、
を含む前記第1積層部と、
前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続された第3導電体と、
を備え、
第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿い、
前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第1領域から前記第2領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第2磁化の前記第1向きの成分は、前記第2磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1状態において、前記第3磁化の前記第1向きの成分は、前記第3磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1導電体は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含み、
前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも小さく、
前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも大きい、発振器。
(構成18)
第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む第1導電体と、
前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む第2導電体と、
前記第3領域と前記部分との間に設けられた第1積層部であって、
第1磁化を有する第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する第3磁性層と、
前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する第4磁性層と、
前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられた第3中間層と、
を含む前記第1積層部と、
前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続された第3導電体と、
を備え、
前記第1導電体は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含み、
第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿い、
前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1状態において、前記第2磁化の前記第1向きの成分は、前記第2磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、前記第4磁化の前記第1向きの成分は、前記第4磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも大きく、
前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも小さい、発振器。
(構成19)
第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む第1導電体と、
前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む第2導電体と、
前記第3領域と前記部分との間に設けられた第1積層部であって、
第1磁化を有する第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する第3磁性層と、
前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する第4磁性層と、
前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられた第3中間層と、
を含む前記第1積層部と、
前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続された第3導電体と、
を備え、
前記第1導電体は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含み、
第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿い、
前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
前記第1磁化の前記第1向きの成分は、前記第1磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、前記第3磁化の前記第1向きの成分は、前記第3磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも大きく、
前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記第3磁性層の第3磁気モーメントは、前記第4磁性層の第4磁気モーメントよりも小さい、発振器。
(構成20)
前記第2磁化と、前記第3磁化と、の間の角度は、マイナス10度以上プラス10度以下、または、170度以上190度以下である、構成1〜19のいずれか1つに記載の発振器。
(構成21)
前記第3方向において前記第1導電体と並ぶ第4導電体であって、第4領域と、前記第1方向において前記第4領域と並ぶ第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間に設けられた第6領域と、を含む前記第4導電体と、
前記第6領域と、前記第2導電体の別の一部と、の間に設けられた第2積層部であって、
第5磁化を有する第5磁性層と、
前記第5磁性層と前記別の前記一部との間に設けられ第6磁化を有する第6磁性層と、
前記第5磁性層と前記第6磁性層との間に設けられた第4中間層と、
前記第6磁性層と前記別の前記一部との間に設けられ第7磁化を有する第7磁性層と、
前記第7磁性層と前記別の前記一部との間に設けられ第8磁化を有する第8磁性層と、
前記第7磁性層と前記第8磁性層との間に設けられた第5中間層と、
前記第6磁性層と前記第7磁性層との間に設けられた第6中間層と、
を含む前記第2積層部と、
前記第2導電体及び前記第4領域と電気的に接続された第5導電体と、
をさらに備え、
前記第1状態において、前記第5〜第8磁化は、前記第3方向に沿い、
前記第6磁化は、前記第5磁化とは逆向きの成分を有し、
前記第8磁化は、前記第7磁化とは逆向きの成分を有した、構成1〜20のいずれか1つに記載の発振器。
(構成22)
構成1〜21のいずれか1つに記載された前記発振器と、
磁性素子部と、
を備え、
前記第3方向において、前記磁性素子部の少なくとも一部、及び、前記第1積層部の少なくとも一部は、互いに重なる、演算装置。
(構成23)
構成1〜21のいずれか1つに記載された前記発振器と、
前記発振器からの出力を受け取る機能部と、
を備えた電子機器。
実施形態によれば、発振を安定化できる発振器及び演算装置が提供できる。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発振器に含まれる導電体、積層部、積層体、磁性層、磁性部及び回路部、及び、演算装置に含まれる磁性素子部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した発振器及び演算装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての発振器及び演算装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11〜14…第1〜第4磁性層、 11B〜14B…第5〜第8磁性層、 11Bi〜13Bi…第4〜第6中間層、 11i〜13i…第1〜第3中間層、 14P、14PB…第2導電体側磁性層、 18…外部磁場印加部、 18a、18b…第1、第2外部磁場印加部、 21…第1導電体、 21B、21C、21N…導電体、 21Ba〜21Bc…第4〜第6領域、 21a〜21c…第1〜第3領域、 21sp…純スピン流、 21x…第1導電体、 22…第2導電体、 22R…抵抗、 22p…部分、 22q…別の部分、 23…第3導電体、 23B、23C、21N…導電体、 23x…第3導電体、 23R…抵抗部、 40…磁性部、 40a、40b…第1、第2磁性部分、 50x…素子部、 60…電流源、 65…磁性素子部、 65a、65b…第1、第2磁性素子、 70…回路部、 θ…角度、 111、111a、111b、112〜114、121〜124、131〜134、141〜144、151…発振器、 211…演算装置、 250…機能部、 311…電子機器、 D1…第1向き、 H2…磁場、 Hex…磁性部磁場、 Hi…電流磁場、 I1〜I3…第1〜第3電流、 L1、L21、L3…長さ、 M1〜M4…第1〜第4磁化、 M65…磁化、 MB1〜MB4…第5〜第8磁化、 MT1〜MT4…第1〜第4磁気モーメント、 Ma1〜Ma4、Md1〜Md4、Me1〜Me4…成分、 N23…接続点、 R1、R2、Rref…抵抗、 SB1〜SB4…第1〜第4積層体、 ST1、ST2…第1、第2状態、 SU1…第1積層部、 SU2、SU3、SUn、SUx…積層部、 SW1…スイッチ、 Sp1…空間、 V1、V2…第1、第2電位、 Vdd…定電圧源、 W21…幅、 iMTJ、iR1、iR2…電流、 mx、my、mz…軸、 n1、nc…ノード、 r…抵抗、 t…時間、 t1〜t4…第1〜第4時刻、 vn1、vnc…電圧

Claims (8)

  1. 第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む第1導電体と、
    前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む第2導電体と、
    前記第3領域と前記部分との間に設けられた第1積層部であって、
    第1磁化を有する第1磁性層と、
    前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
    前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する第3磁性層と、
    前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する第4磁性層と、
    前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
    前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられた第3中間層と、
    を含む前記第1積層部と、
    前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続された第3導電体と、
    磁性部であって、前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向において前記磁性部の少なくとも一部、及び、前記第1積層部の少なくとも一部は、互いに重なる、前記磁性部と、
    を備え、
    第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿い、
    前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有し、
    前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有し、
    前記第1領域から前記第2領域に向かって第1電流が流れ、前記第4磁性層から前記第1磁性層に向かって第2電流が流れ、前記第2導電体から前記第1領域に向かって前記第3導電体中を第3電流が流れる第2状態において、前記第2導電体及び前記第3導電体と接続された接続点から発振する信号が出力される、発振器。
  2. 前記第1導電体は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含み、
    前記第1領域から前記第2領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
    前記第1状態において、前記第1磁化の前記第1向きの成分は、前記第1磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1状態において、前記第4磁化の前記第1向きの成分は、前記第4磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
    前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有し、
    前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有する、請求項1記載の発振器。
  3. 前記第1導電体は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含み、
    前記第1領域から前記第2領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
    前記第1状態において、前記第2磁化の前記第1向きの成分は、前記第2磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1状態において、前記第3磁化の前記第1向きの成分は、前記第3磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
    前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有し、
    前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有する、請求項1記載の発振器。
  4. 第1領域と、第1方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第3領域と、を含む第1導電体と、
    前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた部分を含む第2導電体と、
    前記第3領域と前記部分との間に設けられた第1積層部であって、
    第1磁化を有する第1磁性層と、
    前記第1磁性層と前記部分との間に設けられ第2磁化を有する第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
    前記第2磁性層と前記部分との間に設けられ第3磁化を有する第3磁性層と、
    前記第3磁性層と前記部分との間に設けられ第4磁化を有する第4磁性層と、
    前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
    前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に設けられた第3中間層と、
    を含む前記第1積層部と、
    前記第2導電体及び前記第1領域と電気的に接続された第3導電体と、
    磁性部であって、前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向において前記磁性部の少なくとも一部、及び、前記第1積層部の少なくとも一部は、互いに重なる、前記磁性部と、
    を備え、
    第1状態において、前記第1〜第4磁化は、前記第1方向及び前記第2方向に対して垂直な第3方向に沿い、
    前記第2磁化は、前記第1磁化とは逆向きの成分を有し、
    前記第4磁化は、前記第3磁化とは逆向きの成分を有し、
    前記第2領域から前記第1領域に向かって第1電流が流れ、前記第1磁性層から前記第4磁性層に向かって第2電流が流れ、前記第1領域から前記第2導電体に向かって前記第3導電体中を第3電流が流れる第2状態において、前記第2導電体及び前記第3導電体と接続された接続点から発振する信号が出力される、発振器。
  5. 前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
    前記第1状態において、前記第2磁化の前記第1向きの成分は、前記第2磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1状態において、前記第4磁化の前記第1向きの成分は、前記第4磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1導電体は、Ru、Rh、Pd、Os及びPtの少なくともいずれかを含み、
    前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
    前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有し、
    前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有す、請求項記載の発振器。
  6. 前記第2領域から前記第1領域に向かって前記第1導電体に電流を流したときに前記第3領域と前記部分との間の空間に生じる電流磁場は、前記第3方向に沿う第1向きを有し、
    前記第1状態において、前記第1磁化の前記第1向きの成分は、前記第1磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1状態において、前記第3磁化の前記第1向きの成分は、前記第3磁化の前記第1方向の成分よりも大きく、
    前記第1導電体は、Ta、W及びReの少なくともいずれかを含み、
    前記第1積層部は、前記第1状態において、第1条件及び第2条件のいずれかを満たし、
    前記第1条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも小さく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第2磁化の向きを有し、
    前記第2条件において、前記第1磁性層の第1磁気モーメントは、前記第2磁性層の第2磁気モーメントよりも大きく、前記磁性部から生じ前記空間における磁性部磁場は、前記第1磁化の向きを有す、請求項記載の発振器。
  7. 前記第3方向において前記第1導電体と並ぶ第4導電体であって、第4領域と、前記第1方向において前記第4領域と並ぶ第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間に設けられた第6領域と、を含む前記第4導電体と、
    前記第6領域と、前記第2導電体の別の一部と、の間に設けられた第2積層部であって、
    第5磁化を有する第5磁性層と、
    前記第5磁性層と前記別の前記一部との間に設けられ第6磁化を有する第6磁性層と、
    前記第5磁性層と前記第6磁性層との間に設けられた第4中間層と、
    前記第6磁性層と前記別の前記一部との間に設けられ第7磁化を有する第7磁性層と、
    前記第7磁性層と前記別の前記一部との間に設けられ第8磁化を有する第8磁性層と、
    前記第7磁性層と前記第8磁性層との間に設けられた第5中間層と、
    前記第6磁性層と前記第7磁性層との間に設けられた第6中間層と、
    を含む前記第2積層部と、
    前記第2導電体及び前記第4領域と電気的に接続された第5導電体と、
    をさらに備え、
    前記第1状態において、前記第5〜第8磁化は、前記第3方向に沿い、
    前記第6磁化は、前記第5磁化とは逆向きの成分を有し、
    前記第8磁化は、前記第7磁化とは逆向きの成分を有した、請求項1〜のいずれか1つに記載の発振器。
  8. 請求項1〜のいずれか1つに記載された前記発振器と、
    磁性素子部と、
    を備え、
    前記第3方向において、前記磁性素子部の少なくとも一部、及び、前記第1積層部の少なくとも一部は、互いに重なる、演算装置。
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