JP6586855B2 - 超音波信号処理装置、及び超音波診断装置 - Google Patents

超音波信号処理装置、及び超音波診断装置 Download PDF

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本開示は、超音波信号処理装置、及びそれを用いた超音波診断装置に関し、特に、超音波信号処理装置におけるビームフォーミング処理に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブ(以後、「プローブ」とする)により被検体内部に超音波を送信し、被検体組織の音響インピーダンスの差異により生じる超音波反射波(エコー)を受信する。さらに、この受信から得た電気信号に基づいて、被検体の内部組織の構造を示す超音波断層画像を生成し、モニタ(以後、「表示部」とする)上に表示するものである。超音波診断装置は、被検体への侵襲が少なく、リアルタイムに体内組織の状態を断層画像などで観察できるため、生体の形態診断に広く用いられている。
従来の超音波診断装置では、受信した反射超音波(エコー信号)に基づく信号の受信ビームフォーミング方法として、一般的に整相加算法と呼ばれる方法が使用されている(例えば、非特許文献1)。
図16は、従来の超音波診断装置における受信ビームフォーミング方法を示す模式図である。従来の超音波診断装置は、被検体の体内から反射超音波を受信する複数の超音波振動子201a(以後、「振動子」とする)からなるプローブ201と、振動子201aで受信した反射超音波を電気的に変換して電気信号とし、そのアナログ電気信号に増幅及びA/D変換処理を施してデジタル信号とした後、整相加算処理を行う受信ビームフォーマ部202を有している。受信ビームフォーマ部202は、各々の振動子201aに対応づけられ、電気信号に対して増幅処理、A/D変換処理、遅延処理を行う遅延部2021、複数の遅延部2021からの出力信号をアポダイゼーションと呼ばれる重みを乗じて加算する加算部2022とを有している。この受信ビームフォーマ部202は、振動子201aが得た反射超音波に基づく電気信号を振動子201aごとに遅延部2021で遅延処理を行った上で加算部2022により加算した結果を音響線信号として出力する。この際、遅延部2022で適用される遅延量は、送信超音波ビームの中心軸上に位置する観測点と各振動子201aとの距離に基づいて算出されることが一般である。
具体的には、被検体内において送信超音波ビームの中心軸上に位置する任意の観測点をP、観測点Pから最も近い振動子Cと観測点Pとの距離をdc、観測点Pと他の振動子mとの距離をdm、超音波の音速をcsとすると、観測点Pからの反射波が振動子cに到達した時刻より(dm/cs−dc/cs)遅れた時刻に、観測点Pからの反射波が振動子mに到達する。任意の深さの観測点Pに対して振動子cへの反射波の到達時刻を算出し、振動子間の到達時間差から振動子mでの反射波の到達時刻を導出することできる。遅延部2021では、到達時間差を加味して各振動子における受信信号を同定し、加算部2022では同定した受信信号を加算して音響線信号を生成する。
伊東正安、望月剛共著「超音波診断装置」コロナ社出版、2002年8月26日(P42−P45) "Virtual ultrasound sources in high resolution ultrasound imaging",S.I.Nikolov and J.A. Jensen, in Proc, SPIE − Progress in biomedical optics and imaging, vol. 3, 2002, P. 395-405
ところが、上記非特許文献1記載の受信ビームフォーミング方法では、放射された超音波が被検体内のある深さにおいてその波面が集まる送信フォーカス点近傍では、分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を得ることができる。他方、送信フォーカス点近傍から離れた超音波照射領域では高画質な画像を得ることが難しいという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、超音波照射領域全体にわたり分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を生成できる超音波信号処理装置及びそれを用いた超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る超音波信号処理装置は、超音波プローブから被検体に超音波を送信し、得られた反射超音波に基づく受信信号から音響線信号を生成する超音波信号処理装置であって、超音波信号処理回路を備え、前記超音波信号処理回路回路は、前記超音波プローブにある複数の振動子の全てもしくは一部に当たる第1の振動子列から超音波送信を行わせる送信部と、前記複数の振動子が得た前記被検体中からの反射超音波に基づいて各振動子に対する受信信号列を生成する受信部と、前記複数の振動子の一部に当たり、列中心が前記第1の振動子列の列中心と合致する第2の振動子列を選択する受信開口設定部と、被検体中において送信された超音波が到達する範囲内に位置する複数の観測点について、送信された超音波が被検体中の各観測点に到達するまでの送信時間を算出する送信時間算出部と、前記各観測点からの反射波が前記第2の振動子列に含まれる受信振動子の各々に到達する受信時間を算出する受信時間算出部と、前記送信時間と前記受信時間との和から、送信された超音波が前記各観測点で反射され前記各受信振動子へ到達するまでの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて前記各受信振動子に対する遅延量を算出する遅延量算出部と、前記各受信振動子に対する前記受信信号列から、前記遅延量に相当する受信信号値を同定する遅延処理部と、前記各受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき前記各観測点に対する音響線信号を生成する加算部とを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係る超音波信号処理装置及びそれを用いた超音波診断装置によれば、超音波照射領域全体にわたり従来よりも分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を生成できる。
実施の形態1に係る超音波診断装置100の構成を示す機能ブロック図である。 超音波診断装置100における送信ビームフォーマ部103による超音波送信波の伝播経路を示す模式図である。 超音波診断装置100における受信ビームフォーマ部104の構成を示す機能ブロック図である。 受信ビームフォーマ部104により設定された受信開口Rxと送信開口Txとの関係を示す模式図である。 送信開口Txから放射され、超音波照射領域Ax内の任意の位置にある観測点Pijにおいて反射され受信開口Rx内の振動子に到達する超音波の伝播経路を説明するための模式図である。 受信ビームフォーマ部104のビームフォーミング処理動作を示すフローチャートである。 受信ビームフォーマ部104における観測点Pijについての音響線信号生成動作を示すフローチャートである。 受信ビームフォーマ部104における観測点Pijについての音響線信号生成動作を説明するための模式図である。 実施の形態2に係る超音波診断装置100Aの受信ビームフォーマ部104Aの構成を示す機能ブロック図である。 受信ビームフォーマ部104Aにより設定された受信開口Rxと送信開口Txとの関係を示す模式図である。 受信ビームフォーマ部104Aのビームフォーミング処理動作を示すフローチャートである。 受信ビームフォーマ部104Aにおける観測点Pijについての音響線信号生成動作を説明するための模式図である。 実施の形態3に係る超音波診断装置100Bの受信ビームフォーマ部104Bの主要部の機能ブロック図である。 変形例1に係る超音波診断装置100Cの受信ビームフォーマ部104Cの主要部の機能ブロック図である。 変形例2に係る超音波診断装置の受信ビームフォーマ部における、Tx/Rx重み信号算出部701Aの入力信号を説明するための模式図である。 従来の超音波信号処理装置における受信ビームフォーマ部202の動作を説明するための模式図である。
≪発明を実施するための形態に至った経緯≫
発明者は超音波診断装置において、超音波画像における分解能及び信号S/N比の向上するために各種の検討を行った。
非特許文献1に記載の、従来の超音波診断装置では、一般に、複数の振動子によって行われる被検体への超音波送信が行われる際、被検体のある深さで超音波ビームがフォーカスを結ぶよう送信ビームフォーミングがなされる。このとき、観測点Pが送信フォーカス点近傍にある場合には、送信フォーカス点近傍では超音波ビームは絞り込まれているので超音波ビームの分解能は高まり、また、空間エネルギー密度が高いために得られる反射超音波の信号S/N比(対象観測点Pから放射されたエコー信号をS、それ以外の領域からの信号をNとする)も高くなる。その結果、得られる音響線信号の分解能及び信号S/N比が高く高画質な超音波画像を得ることができる。他方、観測点Pが送信超音波ビームの中心軸上に位置する場合であっても、送信フォーカス点近傍から離れた位置にある場合には、得られる音響線信号の分解能及び信号S/N比が低く高画質な超音波画像を得ることが難しい。
また、従来の超音波診断装置では、送信超音波ビームの中心軸上に観測点Pを設定するために、超音波照射範囲中、送信超音波ビームの中心軸上に位置する観測点Pからの反射超音波だけに基づき受信ビームフォーミングが行われることとなる。そのため、1回の超音波送信イベントから送信超音波ビームの中心軸上にある1本の音響線信号しか生成することができず、超音波の利用効率が悪いという課題も存在する。
これに対して、合成開口法(Synthetic Aperture Method)により、送信フォーカス点近傍以外の領域においても分解能の高い、高画質な画像を得る受信ビームフォーミング方法が考案されている(例えば、非特許文献2)。この方法によれば、超音波送信波の伝播経路と、その伝播経路による反射波の振動子への到達時間の両方を加味した遅延制御を行うことで、送信フォーカス点近傍以外に位置する超音波照射領域からの反射超音波も反映した受信ビームフォーミングを行うことができる。その結果、1回の超音波送信イベントから超音波照射領域全体に対して音響線信号を生成することができる。また、合成開口法では、複数の送信イベントから得た同一観測点Pに対する複数の受信信号をもとに仮想的に送信フォーカスを合わせることで、非特許文献1記載の受信ビームフォーミング方法と比較して、分解能及び信号S/N比の高い超音波画像を得ることが可能となる。
しかしながら、合成開口法を用いた受信ビームフォーミング方法においても、検査対象となる被検体の検査部位や疾患の種類、検査部位の特性、疾患の程度等(以後、「検査部位の特性等」とする)によっては十分な画像品質が得られない場合がある。そして、その際には、検査部位の特性等に応じて、受信ビームフォーミング方法の選択や調整、又は受信ビームフォーミング方法を変更することが必要となり、検査効率低下の要因となっていた。
発明者は、検査部位の特性等により十分な画像品質が得られない場合の要因について鋭意検討を行った。その結果、受信開口を広く設定する方が画像全体での空間分解能を向上できるものの、信号S/N比は空間分解能には必ずしも比例しないことがその要因であることを見出した。そして、検査部位の特性等によらず十分な画像品質を得るためには、局所的に高い空間分解能を保ちつつ、広い観測領域でも均一的な空間分解能を確保することが必要であるとの知見に至った。そこで、発明者は、局所的な高い空間分解能と、広い観測領域での均一的な空間分解能とを両立する技術、あるいは、局所的な高い空間分解能と、広い観測領域での均一的な空間分解能及び受信アポダイゼーションとを両立する技術について鋭意検討を行い、本発明の実施の形態に係る超音波画像処理方法及びそれを用いた超音波診断装置に想到するに至ったものである。
以下、実施の形態に係る超音波画像処理方法及びそれを用いた超音波診断装置について図面を用いて詳細に説明する。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本実施の形態に係る超音波信号処理装置は、超音波プローブから被検体に超音波を送信し、得られた反射超音波に基づく受信信号から音響線信号を生成する超音波信号処理装置であって、超音波信号処理回路を備え、前記超音波信号処理回路は、前記超音波プローブにある複数の振動子の全てもしくは一部に当たる第1の振動子列から超音波送信を行わせる送信部と、前記複数の振動子が得た前記被検体中からの反射超音波に基づいて各振動子に対する受信信号列を生成する受信部と、前記複数の振動子の一部に当たり、列中心が前記第1の振動子列の列中心と合致する第2の振動子列を選択する受信開口設定部と、被検体中において送信された超音波が到達する範囲内に位置する複数の観測点について、送信された超音波が被検体中の各観測点に到達するまでの送信時間を算出する送信時間算出部と、前記各観測点からの反射波が前記第2の振動子列に含まれる受信振動子の各々に到達する受信時間を算出する受信時間算出部と、前記送信時間と前記受信時間との和から、送信された超音波が前記各観測点で反射され前記各受信振動子へ到達するまでの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて前記各受信振動子に対する遅延量を算出する遅延量算出部と、前記各受信振動子に対する前記受信信号列から、前記遅延量に相当する受信信号値を同定する遅延処理部と、前記各受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき前記各観測点に対する音響線信号を生成する加算部とを備えたことを特徴とする。また、前記加算部は、前記各受信振動子に対応して同定された受信信号値を加算する構成であってもよい。
また、別の態様では、さらに、前記第2の振動子列の列中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう前記各受信振動子に対する重み数列を算出する重み算出部を備え、前記加算部は、前記各受信振動子に対応して同定された受信信号値に、前記各受信振動子に対する重みを乗じて加算する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記受信開口設定部を第1の受信開口設定部、前記受信時間算出部を第1の受信時間算出部、前記遅延量算出部を第1の遅延量算出部、前記遅延処理部を第1の遅延処理部、前記加算部を第1の加算部、前記受信振動子を第1の受信振動子、前記音響線信号を第1の音響線信号としたとき、さらに、列中心が前記観測点に最も空間的に近接する振動子と合致するよう第3の振動子列を選択する第2の受信開口設定部と、前記観測点からの反射波が、前記第3の振動子列に含まれる第2の受信振動子の各々に到達する受信時間を算出する第2の受信時間算出部と、前記送信時間と前記受信時間との和から、送信された超音波が前記観測点で反射され前記各第2の受信振動子へ到達するまでの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて前記各第2の受信振動子に対する遅延量を算出する第2の遅延量算出部と、前記各第2の受信振動子に対する前記受信信号列から、前記遅延量に相当する受信信号値を同定する第2の遅延処理部と、前記各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき前記観測点に対する第2の音響線信号を生成する第2の加算部とを備えた構成であってもよい。
また、別の態様では、さらに、前記第3の振動子列の列中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう前記各第2の受信振動子に対する重み数列を算出する重み算出部を備え、前記第2の加算部は、前記各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に、前記各第2の受信振動子に対する重みを乗じて加算する構成であってもよい。
また、別の態様では、さらに、前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを選択するTx/Rx選択信号算出部と、選択結果に基づき前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを出力する選択出力部とを備えた構成であってもよい。また、前記第2の加算部は、前記各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値を加算する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx選択信号算出部は、操作者からの操作入力、又は予め設定された条件に基づき、前記第1音響線信号又は前記第2音響線信号の何れかを選択する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx選択信号算出部は、受信信号の特徴量に基づき、前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを選択する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx選択信号算出部は、受信信号に基づいて穿刺針の有無を判断し、前記穿刺針が有ると判断した場合には前記第1の音響線信号を選択する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx選択信号算出部は、受信信号に基づいて鏡面構造物が検出されるか否かにより穿刺針の有無を判断し、前記鏡面構造物が検出され前記穿刺針が有ると判断した場合には前記第1の音響線信号を選択する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx選択信号算出部は、前記第1の音響線信号及び/又は前記第2の音響線信号に基づき、前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを選択する構成であってもよい。
また、別の態様では、さらに、前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出するTx/Rx重み算出部と、当該重みを用いて前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号に対し各々に対する重みを乗じて加算した結果を出力する混合出力部とを備えた構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx重み算出部は、操作者からの操作入力、又は予め設定された条件に基づき、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx重み算出部は、受信信号の特徴量に基づき、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記Tx/Rx重み算出部は、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号に基づき、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記特徴量は、最も遅延量の小さな第1の受信振動子に対応して同定された前記観測点からの反射超音波に基づく受信信号、及び、最も遅延量の小さな第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき算出される構成であってもよい。
また、別の態様では、前記第1の振動子列に含まれる振動子が前記超音波プローブにある複数の振動子の一部であるときに、前記送信部は、さらに、前記複数の振動子の一部に当たり前記第1の振動子列とは異なる振動子列から、超音波送信ごとに用いる振動子列を異ならて超音波送信を順次行い、前記加算部は、異なる超音波送信に基づき生成された同一位置の観測点に対する複数の音響線信号を合成して当該観測点に対する音響線信号を生成する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記送信部は、用いる振動子列を異ならせて超音波送信を順次行うことにより前記超音波プローブにある複数の振動子の全てから超音波送信を行う構成であってもよい。
また、別の態様では、前記超音波プローブが接続可能に構成された超音波診断装置であってもよい。
≪実施の形態1≫
<全体構成>
以下本実施の形態に係る超音波診断装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1に係る超音波診断システム1000の機能ブロック図である。図1に示すように、超音波診断システム1000は、被検体に向けて超音波を送信しその反射波の受信する複数の振動子101aを有するプローブ101、プローブ101に超音波の送受信を行わせプローブ101からの出力信号に基づき超音波画像を生成する超音波診断装置100、超音波画像を画面上に表示する表示部106を有する。プローブ101、表示部106は、それぞれ、超音波診断装置100に各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置100に、プローブ101、表示部106が接続された状態を示している。なお、プローブ101と、表示部106とは、超音波診断装置100の内部にあってもよい。
<超音波診断装置100の構成>
超音波診断装置100は、プローブ101の複数ある振動子101aのうち、送信又は受信の際に用いる振動子を各々に選択し、選択された振動子に対する入出力を確保するマルチプレクサ部102、超音波の送信を行うためにプローブ101の各振動子101aに対する高電圧印加のタイミングを制御する送信ビームフォーマ部103と、プローブ101で受信した超音波の反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号を増幅し、A/D変換し、受信ビームフォーミングして音響線信号を生成する受信ビームフォーマ部104を有する。また、受信ビームフォーマ部104からの出力信号に基づいて超音波画像を生成する超音波画像生成部105、受信ビームフォーマ部104が出力する音響線信号及び超音波画像生成部105が出力する超音波画像を保存するデータ格納部107と、各構成要素を制御する制御部108を備える。
このうち、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、超音波画像生成部105は、超音波信号処理回路151を構成しており、超音波信号処理回路151が超音波信号処理装置150を構成する。
超音波診断装置100を構成する各要素、例えば、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、超音波画像生成部105、制御部108は、それぞれ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(APlication Specific Ingegrated Circuit)などのハードウェア回路により実現される。あるいは、CPU(Central Processing Unit)やプロセッサなどのプログラマブルデバイスとソフトウェアにより実現される構成であってもよい。これらの構成要素は一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。また、複数の構成要素を組合せて一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。
データ格納部107は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM、半導体メモリ等を用いることができる。また、データ格納部107は、超音波診断装置100に外部から接続された記憶装置であってもよい。
なお、本実施の形態に係る超音波診断装置100は、図1で示した構成の超音波診断装置に限定されない。例えば、マルチプレクサ部102が不要な構成もあるし、プローブ101に送信ビームフォーマ部103や受信ビームフォーマ部104、またその一部などが内蔵される構成であってもよい。
<超音波診断装置100の主要部の構成>
本実施の形態に係る超音波診断装置100は、プローブ101の各振動子101aから超音波送信を行わせる送信ビームフォーマ部103と、プローブ101での超音波反射波(エコー信号)の受信から得た電気信号を演算して超音波画像を生成するための音響線信号を生成する受信ビームフォーマ部104に特徴を有する。そのため、本明細書では、主に、送信ビームフォーマ部103及び受信ビームフォーマ部104について、その構成及び機能を説明する。なお、送信ビームフォーマ部103及び受信ビームフォーマ部104以外の構成については、公知の超音波診断装置に使われるものと同じ構成を適用可能であり、公知の超音波診断装置のビームフォーマ部に本実施の形態に係るビームフォーマ部を置き換えて使用することが可能である。
以下、送信ビームフォーマ部103と、受信ビームフォーマ部104の構成について説明する。
1.送信ビームフォーマ部103
送信ビームフォーマ部103は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、プローブ101から超音波の送信を行うためにプローブ101に存する複数の振動子101aの全てもしくは一部に当たる振動子列(第1の振動子列)からなる送信開口Txに含まれる各振動子に対する高電圧印加のタイミングを制御する。送信ビームフォーマ部103は送信部1031から構成される。
送信部1031は、制御部108からの送信制御信号に基づき、プローブ101に存する複数の振動子101a中、送信開口Txに含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるためのパルス状の送信信号を供給する送信処理を行う。具体的には、送信部1031は、例えば、クロック発生回路、パルス発生回路、遅延回路を備えている。クロック発生回路は、超音波ビームの送信タイミングを決定するクロック信号を発生させる回路である。パルス発生回路は、各振動子を駆動するパルス信号を発生させるための回路である。遅延回路は、超音波ビームの送信タイミングを各振動子毎に遅延時間を設定し、遅延時間だけ超音波ビームの送信を遅延させて超音波ビームのフォーカシングを行うための回路である。
送信部1031は、超音波送信ごとに送信開口Txを列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う。送信開口Txに含まれる振動子の位置を示す情報は制御部108を介してデータ格納部107に出力される。例えば、プローブ101に存する振動子101a全数を192としたとき、送信開口Txを構成する振動子列の数として、例えば20〜100を選択してもよく、超音波送信毎に漸次移動させる構成としてもよい。以後、送信部1031により同一の送信開口Txから行われる超音波送信を送信イベントと称呼する。
図2は、超音波診断装置100における送信ビームフォーマ部103による超音波送信波の伝播経路を示す模式図である。ある送信イベントにおいて、超音波送信に寄与するアレイ状に配列された振動子101aの列(第1の振動子列)を送信開口Txとして図示している。また、送信開口Txの列長を送信開口長と呼ぶ。
送信ビームフォーマ部103において、送信開口Txの中心に位置する振動子ほど送信タイミングを遅らせるように各振動子の送信タイミングを制御することにより、送信開口Tx内の振動子列から送信された超音波送信波は、被検体のある深度(Focal depth)において、波面がある一点で送信フォーカス点F(Focal point)があう状態となる。送信フォーカス点Fの深さは、任意に設定することができる。送信フォーカス点Fにて焦点が集まった波面は、再び拡散し、送信開口Txを底とし送信フォーカス点Fを節とする交差する2つの直線で区切られた砂時計型の空間内を超音波送信波が伝播する。すなわち、送信開口Txで放射された超音波は、しだいにその空間上での幅(図中の横軸方向)を小さくし、送信フォーカス点Fでその幅を最小化し、それよりも深部(図中では上部)に進行するにしたがって、再び、その幅を大きくしながら拡散し、伝播することとなる。この砂時計型の領域(斜線ハッチングで示した領域)を超音波照射領域Axと称呼する。
2.受信ビームフォーマ部104の構成
受信ビームフォーマ部104は、プローブ101で受信した超音波の反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号から音響線信号を生成する。図3は、受信ビームフォーマ部104の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、受信ビームフォーマ部104は、受信部1041、受信開口設定部1042、送信時間算出部1043、受信時間算出部1044、遅延量算出部1045、遅延処理部1046、重み算出部1047、及び加算部1048を備える。
以下、受信ビームフォーマ部104を構成する各部の構成について説明する
(1)受信部1041
受信部1041は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、送信イベント毎にプローブ101での超音波反射波の受信から得た電気信号を増幅した後AD変換した受信信号(RF信号)を生成する回路である。送信イベントの順に時系列に受信信号を生成しデータ格納部107に出力し、データ格納部107に受信信号を保存する。
ここで、受信信号(RF信号)とは、各振動子にて受信された反射超音波から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号であり、各振動子にて受信された超音波の送信方向(被検体の深さ方向)に連なった信号の列を形成している。
送信イベントでは、上述のとおり、送信部1031は、プローブ101に存する複数の振動子101a中、送信開口Txに含まれる各振動子に超音波ビームを送信させる。これに対し、受信部1041は、送信イベントごとにプローブ101に存する複数の振動子101aの一部又は全部に当る振動子の各々が得た反射超音波に基づいて、各振動子に対する受信信号の列を生成する。ここで、反射超音波を受信する振動子の数は、送信開口Txに含まれる振動子の数よりも多いことが好ましい。また、当該振動子の数はプローブ101に存する振動子101aの全数としてもよい。
送信部1031は、送信イベントごとに送信開口Txを列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する複数の振動子101a全体から超音波送信を行う。受信部1041は、送信イベントごとに各振動子に対する受信信号の列を生成し、生成された受信信号はデータ格納部107に保存される。
(2)受信開口設定部1042
受信開口設定部1042は、制御部108からの制御信号に基づき、プローブ101に存する複数の振動子の一部に当たり、列中心が送信開口Txに含まれる振動子列の列中心と合致する振動子列(第2の振動子列)を受信振動子として選択して受信開口Rxを設定する回路である。
図4は、受信ビームフォーマ部104により設定された受信開口Rxと送信開口Txとの関係を示す模式図である。図4に示すように、本実施の形態では、受信開口Rxの中心軸Rxoの位置は、送信開口Txの中心軸Txoの位置と同一であり、受信開口Rxは、送信フォーカス点Fを中心として対称な開口である。したがって、送信イベントにごとに列方向に移動する送信開口Txの位置変化に同期して、受信開口Rxの位置も移動する。
また、超音波照射領域全体からの反射波を受信するために、受信開口Rxに含まれる振動子の数は、対応する送信イベントにおける送信開口Txに含まれる振動子の数以上に設定することが好ましい。受信開口Rxを構成する振動子列の数は、例えば32,64,96,128,192等としてもよい。
受信開口Rxを設定は、送信イベントに対応して、送信イベントと同じ回数だけ行われる。また、受信開口Rxの設定は、送信イベントに同期して漸次行われる構成であってもよく、あるいは、全ての送信イベントが終了した後に、各送信イベントに対応した受信開口Rxの設定が送信イベントの回数分まとめて行われる構成であってもよい。
選択された受信開口Rxの位置を示す情報は制御部108を介してデータ格納部107に出力される。
受信開口Rxの位置を示す情報が出力されたデータ格納部107は、受信開口Rxの位置を示す情報と受信振動子に対応する受信信号とを、送信時間算出部1043、受信時間算出部1044、遅延処理部1046に出力する。
(3)送信時間算出部1043
送信時間算出部1043は、送信された超音波が被検体中の観測点Pに到達する送信時間を算出する回路である。送信イベントに対応して、データ格納部107から取得した、送信開口Txに含まれる振動子の位置を示す情報に基づき、超音波照射領域Ax内に存在する任意の観測点Pijについて、送信された超音波が被検体中の観測点Pijに到達する送信時間を算出する。
図5は、送信開口Txから放射され、超音波照射領域Ax内の任意の位置にある観測点Pijにおいて反射され受信開口Rx内に位置する受信振動子Rkに到達する超音波の伝播経路を説明するための模式図である。送信開口Txから放射された送信波は、経路401を通って送信フォーカス点Fにて波面が集まり、再び、拡散する中で観測点Pijに到達し、観測点Pijで音響インピーダンスに変化があれば反射波を生成し、その反射波がプローブ101における受信開口Rx内の受信振動子Rkに戻っていく。送信フォーカス点Fは送信ビームフォーマ部103の設計値として規定されているので、送信フォーカス点Fから任意の観測点Pijまでの経路402の長さは幾何学的に算出することができる。
送信時間算出部1043は、1回の送信イベントに対し、超音波照射領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについて、送信された超音波が被検体中の観測点Pijに到達する送信時間を算出して遅延量算出部1045に出力する。
(4)受信時間算出部1044
受信時間算出部1044は、観測点Pからの反射波が、受信開口Rxに含まれる受信振動子Rkの各々に到達する受信時間を算出する回路である。送信イベントに対応して、データ格納部107から取得した受信振動子Rkの位置を示す情報に基づき、超音波照射領域Ax内に存在する任意の観測点Pijについて、送信された超音波が被検体中の観測点Pijで反射され受信開口Rxの各受信振動子Rkに到達する受信時間を算出する。
上述のとおり、観測点Pijに到達した送信波は、観測点Pijで音響インピーダンスに変化があれば反射波を生成し、その反射波がプローブ101における受信開口Rx内の各受信振動子Rkに戻っていく。受信開口Rx内の各受信振動子Rkの位置情報はデータ格納部107から取得されるので、任意の観測点Pijから各受信振動子Rkまでの経路403の長さは幾何学的に算出することができる。
受信時間算出部1044は、1回の送信イベントに対し、超音波照射領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについて、送信された超音波が観測点Pijで反射して各受信振動子Rkに到達する受信時間を算出して遅延量算出部1045に出力する。
(5)遅延量算出部1045
遅延量算出部1045は、送信時間と受信時間とから受信開口Rx内の各受信振動子Rkへの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて、各受信振動子Rkに対する受信信号の列に適用する遅延量を算出する回路である。遅延量算出部1045は、送信時間算出部1043から送信された超音波が観測点Pijに到達する送信時間と、観測点Pijで反射して各受信振動子Rkに到達する受信時間を取得する。そして、送信された超音波が各受信振動子Rkへ到達するまでの総伝播時間を算出し、各受信振動子Rkに対する総伝播時間の差異により、各受信振動子Rkに対する遅延量を算出する。遅延量算出部1045は、超音波照射領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについて、各受信振動子Rkに対する受信信号の列に適用する遅延量を算出して遅延処理部1046に出力する。
(6)遅延処理部1046
遅延処理部1046は、受信開口Rx内の受信振動子Rkに対する受信信号の列から、各受信振動子Rkに対する遅延量に相当する受信信号を、観測点Pijからの反射超音波に基づく各受信振動子Rkに対応する受信信号として同定する回路である。遅延処理部1046は、送信イベントに対応して、データ格納部107から受信振動子Rkの位置を示す情報、及び受信振動子Rkに対応する受信信号を、遅延量算出部1045から各受信振動子Rkに対する受信信号の列に適用する遅延量を入力として取得する。そして、各受信振動子Rkに対応する受信信号の列から、各受信振動子Rkに対する遅延量を差引いた時間に対応する受信信号を観測点Pijからの反射波に基づく受信信号として同定し、加算部1048に出力する。
(7)重み算出部1047
重み算出部1047は、受信開口Rxの列方向の中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう各受信振動子Rkに対する重み数列(受信アポダイゼーション)を算出する回路である。
図4に示すように、重み数列は受信開口Rx内の各振動子に対応する受信信号に適用される重み係数の数列である。重み数列は、送信フォーカス点Fを中心として対称な分布をなす。重み数列の分布の形状は、ハミング窓、ハニング窓、矩形窓などを用いることができ、分布の形状は特に限定されない。重み数列は、受信開口Rxの列方向の中心に位置する振動子に対する重みが最大となるように設定され、重みの分布の中心軸は、受信開口中心軸Rxoと一致する。重み算出部1047は、データ格納部107から出力される受信振動子Rkの位置を示す情報を入力として、各受信振動子Rkに対する重み数列を算出し加算部1048に出力する。
(8)加算部1048
加算部1048は、遅延処理部1046から出力される各受信振動子Rkに対応して同定された受信信号を入力として、それらを加算して、観測点Pijに対する整相加算された音響線信号を生成する回路である。あるいは、さらに、重み算出部1047から出力される各受信振動子Rkに対する重み数列を入力として、各受信振動子Rkに対応して同定された受信信号に、各受信振動子Rkに対する重みを乗じて加算して、観測点Pijに対する音響線信号を生成する構成としてもよい。ここで、「音響線信号」とは、整相加算処理がされたあとの観測点Pijに対する受信信号をさす。遅延処理1046において受信開口Rx内に位置する各受信振動子Rkが検出した受信信号の位相を整えて加算部1048にて加算処理をすることにより、観測点Pijからの反射波に基づいて各受信振動子Rkで受信した受信信号を重ね合わせてその信号S/N比を増加し、観測点Pijからの受信信号を抽出することができる。
1回の送信イベントとそれに伴う処理から、超音波照射領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについて音響線信号を生成することができる。そして、送信イベントごとに送信開口Txを列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行うことにより1フレームの音響線信号を生成する。「フレーム」とは、1枚の超音波画像を構築する上で必要な1つのまとまった信号の単位をさす。また、1回の送信イベントから生成される超音波照射領域Ax内に存在する全ての観測点Pijに対する音響線信号をサブフレームの音響線信号と称呼する。
加算部1048により、送信イベントごとに超音波照射領域Ax内に存在する全ての観測点Pijに対するサブフレームの音響線信号が生成される。生成されたサブフレームの音響線信号は、データ格納部107出力され保存される。
<動作について>
以上の構成からなる超音波診断装置100の動作について説明する。図6は、超音波診断装置100における受信ビームフォーマ部104のビームフォーミング処理動作を示すフローチャートである。
先ず、ステップS101において、送信部1031は、プローブ101に存する複数の振動子101a中送信開口Txに含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるための送信信号を供給する送信処理(送信イベント)を行う。
次に、ステップS102において、受信部1041は、プローブ101での超音波反射波の受信から得た電気信号に基づき受信信号を生成しデータ格納部107に出力し、データ格納部107に受信信号を保存する。プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信が完了したか否かを判定する(ステップS103)。そして、完了していない場合にはステップS101に戻り、送信開口Txを列方向に漸次移動させながら送信イベントを行い、完了している場合にはステップS104に進む。
次に、ステップS104において、受信開口設定部1042は、送信イベントに対応して列中心が送信開口Txに含まれる振動子列の列中心と合致する振動子列を受信振動子Rkとして選択して受信開口Rxを設定する。
次に、送信開口Tx及び受信開口Rxから求められる超音波照領域Ax内の観測点Pijの位置を示す座標ijを超音波照領域Ax内の最小値に初期化し(ステップS105、S106)、観測点Pijについて音響線信号を生成する(ステップS107)。
次に、ステップS107における、観測点Pijについて音響線信号を生成処理の動作について説明する。図7は、受信ビームフォーマ部104における観測点Pijについての音響線信号生成動作を示すフローチャートである。図8は、受信ビームフォーマ部104における観測点Pijについての音響線信号生成動作を説明するための模式図である。
先ず、ステップS1071において、送信時間算出部1043は、超音波照射領域Ax内に存在する任意の観測点Pijについて、送信された超音波が被検体中の観測点Pijに到達する送信時間を算出する。送信時間は、幾何学的に定まる受信開口Rx内の受信振動子から送信フォーカス点Fを経由して観測点Pijに至る経路(401+402)の長さを超音波の音速csで除することにより算出できる。
次に受信開口Rx内の受信振動子Rkの位置を示す座標kを受信開口Rx内の最小値に初期化し(ステップS1072)、送信された超音波が被検体中の観測点Pijで反射され受信開口Rxの受信振動子Rkに到達する受信時間を算出する(ステップS1073)。受信時間は、幾何学的に定まる観測点Pijから受信振動子Rkまでの経路403の長さを超音波の音速csで除することにより算出できる。さらに、送信時間と受信時間の合計から、送信開口Txから送信された超音波が観測点Pijで反射して受信振動子Rkに到達するまでの総伝播時間を算出し(ステップS1074)、受信開口Rx内の各受信振動子Rkに対する総伝播時間の差異により、各受信振動子Rkに対する遅延量を算出する(ステップS1075)。
受信開口Rx内に存在する全ての受信振動子Rkについて遅延量の算出を完了したか否かを判定し(ステップS1076)、完了していない場合には座標kをインクリメント(ステップS1077)して、更に受信振動子Rkについて遅延量の算出し(ステップS1073)、完了している場合にはステップS1078に進む。この段階では、受信開口Rx内に存在する全ての受信振動子Rkについて観測点Pijからの反射波到達の遅延量が算出されている。
ステップS1078において、遅延処理部1046は、受信開口Rx内の受信振動子Rkに対応する受信信号の列から、各受信振動子Rkに対する遅延量を差引いた時間に対応する受信信号を観測点Pijからの反射波に基づく受信信号として同定する。
次に、重み算出部1047は、受信開口Rxの列方向の中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう各受信振動子Rkに対する重み数列を算出する(ステップS1079)。加算部1048は、各受信振動子Rkに対応して同定された受信信号に、各受信振動子Rkに対する重みを乗じて加算して、観測点Pijに対する音響線信号を生成し(ステップS1170)、生成された観測点Pijについて音響線信号はデータ格納部107に出力され保存される(ステップS1171)。
次に、図6に戻り、座標ijをインクリメントしてステップS107を繰り返すことにより、超音波照領域Ax内の座標ijに位置する全ての観測点Pij(図8中の「・」)について音響線信号が生成される。超音波照領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについて音響線信号の生成を完了したか否かを判定し(ステップS108、S110)、完了していない場合には座標ijをインクリメント(ステップS109、S111)して、観測点Pijについて音響線信号を生成し(ステップS107)、完了した場合にはステップS112に進む。この段階では、1回の送信イベントに伴う超音波照領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについてのサブフレームの音響線信号が生成され、データ格納部107に出力され保存されている。
次に、ステップS112では、ステップS107で生成した観測点Pijに関する音響線信号と、同一位置の観測点Pについての異なる送信イベントにより既に生成されデータ格納部107に保存されている音響線信号の有無を判定する。存在する場合には、加算部1048は、ステップS107で生成した音響線信号とデータ格納部107に保存されている音響線信号とを合成する。全ての送信イベントについて、サブフレームの音響線信号の生成が終了したか否かを判定し(ステップS113)、終了していない場合には、ステップS104に戻り、次の送信イベントでの送信開口Txに対応する受信開口Rxを設定する(ステップS104)し、終了している場合には処理を終了する。
<効 果>
以上説明した、本実施の形態に係る超音波診断装置100では、上記した構成により、受信開口設定部1042は送信イベントに対応して列中心が送信開口Txに含まれる振動子列の列中心と合致する振動子列を受信振動子として選択して受信開口Rxを設定する。そのため、受信開口Rxの中心軸Rxoの位置は、送信開口Txの中心軸Txoの位置と同一であり、送信イベントにごとに列方向に移動する送信開口Txの位置変化に同期して、受信開口Rxの位置も変化(移動)する。あるいは、さらに、送信開口Txの中心軸Txoの位置を中心として列方向に対称な受信アポダイゼーションを用いて受信ビームフォーマを行う。よって、送信イベント毎にそれぞれ異なる受信開口(または、受信開口及び受信アポダイゼーション)にて整相加算を行うことができ、複数の送信イベントにわたって受信時刻は異なるものの、結果としてより一層広い受信開口(または、受信開口及び受信アポダイゼーション)を用いた受信処理の効果が得られ、広い観測領域で空間分解能を均一にすることができる。
また、超音波診断装置100は、送信開口Txから送信された超音波が送信フォーカス点Fを経由して超音波照領域Ax内の観測点Pijで反射され受信開口Rxの受信振動子Rkに到達するまでの総伝播時間を算出して総伝播経路に基づく遅延制御を行なうことで、超音波照領域Ax内に位置する全ての観測点Pijについて各点にフォーカスした整相加算を行い、当該点について音響線信号を生成する。これにより、1回の超音波送信イベントから、超音波照射範囲中、送信超音波ビームの中心軸上以外の範囲からの反射超音波に基づいても音響線信号を生成することができ、送信超音波の利用効率を向上することにより空間分解能と信号S/N比を向上することができる。
さらに、超音波診断装置100は、合成開口法により、異なる送信イベントにより生成された同一位置にある観測点Pについての音響線信号に重ね合わせて合成する。これにより、複数の送信イベントに対して送信フォーカス点F以外の深度にある観測点Pにおいても、仮想的に送信フォーカスを行った効果が得られ空間分解能と信号S/N比をより一層向上することができる。
≪実施の形態2≫
実施の形態1に係る超音波診断装置100では、受信開口設定部1042は、列中心が送信開口Tx振動子列の列中心と合致する受信開口Rx振動子列を選択する構成とした。しかしながら、受信開口Rxの構成は、送信開口Txから送信された超音波が送信フォーカス点Fを経由して超音波照領域Ax内の観測点Pijで反射され受信開口Rxの受信振動子Rkに到達するまでの総伝播時間を算出して総伝播経路に基づく遅延制御を行なうことで、超音波照領域Ax内に位置する全ての観測点Pijについての音響線信号を生成するものであればよく、受信開口Rxの構成は適宜変更することができる。
実施の形態2では、受信ビームフォーマ部104Aにおける受信開口設定部1042Aは、列中心が観測点Pに最も空間的に近接する振動子と合致するよう受信開口Rxを選択する構成とした。受信開口設定部1042A以外の構成については、実施の形態1に示した各要素と同じであり、同し部分については説明を省略する。超音波診断装置100Aは、上記受信ビームフォーマ部104Aの他、実施の形態1と同じマルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、超音波画像生成部105から構成される超音波信号処理回路からなる超音波信号処理装置を備える。
<構 成>
以下、実施の形態2に係る超音波診断装置100Aについて、図面を参照しながら説明する。図9は、超音波診断装置100Aの受信ビームフォーマ部104Aの構成を示す機能ブロック図である。超音波診断装置100Aは、超音波診断装置100における受信開口設定部1042に替えて受信開口設定部1042Aを備えた点で超音波診断装置100と相違する。受信開口設定部1042A以外の構成については、超音波診断装置100と同じであり、同し部分については説明を省略する。
上述のとおり、受信開口設定部1042Aは、列中心が観測点Pに最も空間的に近接する振動子と合致するよう受信開口Rx振動子列を選択する。図10は、受信ビームフォーマ部104Aにより設定された受信開口Rxと送信開口Txとの関係を示す模式図である。図10に示すように、実施の形態2では、受信開口Rx振動子列の列中心が、観測点Pijに最も空間的に近接する振動子Xkと合致するように受信開口Rx振動子列が選択される。また、受信開口Rxの列方向の中心に位置する振動子Xkに対する重みが最大となるよう受信開口Rxの各受信振動子Rkに対する重み数列(受信アポダイゼーション)は算出される。重み数列は、振動子Xkを中心として対称な分布をなす。重み数列の分布の形状は、ハミング窓、ハニング窓、矩形窓などを用いることができ、分布の形状は特に限定されない。
そのため、受信開口Rxの位置は、観測点Pijの位置によって定まり、送信イベント毎に変動する送信開口Txの位置に基づいては変化しない。すなわち、異なる送信イベントであっても、同一位置にある観測点Pijについての音響線信号を生成する処理においては、同一の受信開口Rx内の受信振動子Rkによって取得された受信信号に基づき整相加算が行われる。
<動作について>
図11は、受信ビームフォーマ部104Aのビームフォーミング処理動作を示すフローチャートである。本フローチャートでは、図6における送信同期型ビームフォーミング処理(ステップS10(S104〜S111))に替えて観測点同期型ビームフォーミング処理(ステップS20(S204〜S211))を行う点にて相違する。ステップS20以外の処理については、図6と同じであり、同し部分については説明を省略する。
まず、観測点Pijの位置を示す座標ijを初回の送信イベントにおける送信開口Txから求められる超音波照領域Ax内の最小値に初期化し(ステップS205、S206)、受信開口設定部1042Aは、列中心が観測点Pijに最も空間的に近接する振動子Xkと合致するよう受信開口Rx振動子列を選択する(ステップS204)。
次に、観測点Pijについて音響線信号を生成する(ステップS207)。
図12は、受信ビームフォーマ部104Aにおける観測点Pijについての音響線信号生成動作を説明するための模式図である。ステップS207における処理方法は、図6におけるステップS107(図7におけるステップS1071〜ステップS1171)と同じである。座標ijをインクリメントしてステップS207を繰り返すことにより、超音波照領域Ax内の座標ijに位置する全ての観測点Pij(図12中の「・」)について音響線信号が生成される。超音波照領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについて音響線信号の生成を完了したか否かを判定し(ステップS208、S210)、完了していない場合には座標ijをインクリメント(ステップS209、S211)して、観測点Pijについて音響線信号を生成し(ステップS207)、完了している場合にはステップS112に進む。この段階では、1回の送信イベントに伴う超音波照領域Ax内に存在する全ての観測点Pijについてのサブフレームの音響線信号が生成され、データ格納部107に出力され保存されている。
次に、ステップS112では、ステップS207で生成した観測点Pijに関する音響線信号と、同一位置の観測点Pについての異なる送信イベントにより既に生成されデータ格納部107に保存されている音響線信号が存在する場合には、加算部1048は、ステップS207で生成した音響線信号とデータ格納部107に保存されている音響線信号とを合成する。
次に、全ての送信イベントについて、サブフレームの音響線信号の生成が終了したか否かを判定し(ステップS113)、終了していない場合には、ステップS205に戻り、観測点Pijの位置を示す座標ijを、次の送信イベントでの送信開口Txから求められる超音波照領域Ax内の最小値に初期化し(ステップS205、S206)、受信開口Rxを設定する(ステップS204)し、終了している場合には処理を終了する。
<効 果>
以上説明したように、本実施の形態に係る超音波診断装置100Aでは、受信開口設定部1042Aは、列中心が観測点Pに最も空間的に近接する振動子と合致するよう受信開口Rx振動子列を選択し、送信イベントに依存せず観測点Pの位置に基づいて、観測点Pを中心として列方向に対称な受信開口を用いて受信ビームフォーマを行う。あるいは、さらに、観測点Pを中心として列方向に対称な受信アポダイゼーションを用いて受信ビームフォーマを行う。そのため、送信フォーカス点Fを横軸方向に変化(移動)させる送信イベントに同期せず、受信開口(または、受信開口及び受信アポダイゼーション)の位置が一定となり、異なる送信イベントにおいても同一の観測点Pに対して同一の受信開口(または、受信開口及び受信アポダイゼーション)にて整相加算を行うことができる。併せて、観測点Pからの反射波を、観測点Pから距離が小さい振動子ほど大きな重み数列が適用されることができるので、超音波が伝播距離に依存して減衰することを鑑みても、観測点Pに対して最も感度よく反射波を受信することができる。その結果、局所的に高い空間分解能と信号S/N比を実現できる。
≪実施の形態3≫
実施の形態1に係る超音波診断装置100では、受信開口設定部1042が、列中心が送信開口Tx振動子列の列中心と合致する受信開口Rx振動子列を選択する受信ビームフォーマ部104(送信同期型受信開口(Tx))を備える構成とした。また、実施の形態2に係る超音波診断装置100Aでは、受信開口設定部1042Aは、列中心が観測点Pに最も空間的に近接する振動子と合致するよう受信開口Rx振動子列を選択する受信ビームフォーマ部104A(観測点同期型受信開口(Rx))を備える構成とした。
しかしながら、ビームフォー部マ104、104Aを有する構成において、両方のビームフォーマ部を同時に使用し、予め決定された方法や操作者による選択により何れかのビームフォーマを選択したり、ビームフォーマ部104、104Aの出力を混合する構成としてもよい。
実施の形態3に係る超音波診断装置100Bは、実施の形態1に係る受信ビームフォーマ部104(又は実施の形態2に係る受信ビームフォーマ部104A)に替えて、受信ビームフォーマ部104及び104Aを内包する選択出力受信ビームフォーマ部104Bを備えた点に特徴を有する。選択出力受信ビームフォーマ部104B以外の構成は、実施の形態1に示した各要素と同じであり、同し部分については説明を省略する。超音波診断装置100Bは、受信ビームフォーマ部104Bの他、実施の形態1と同じマルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、超音波画像生成部105から構成される超音波信号処理回路からなる超音波信号処理装置を備える。
図13は、超音波診断装置100Bの選択出力受信ビームフォーマ部104Bの構成を示す機能ブロック図である。図13に示すように、選択出力受信ビームフォーマ部104Bは、受信ビームフォーマ部104と、受信ビームフォーマ部104Aと、両ビームフォーマ部の出力に基づいて両出力に対する選択信号を算出するTx/Rx選択信号算出部701と、選択信号に基づき受信ビームフォーマ部104及び受信ビームフォーマ部104Aの各々の出力の何れかを選択して出力する選択出力部704を有する。
Tx/Rx選択信号算出部701は、受信ビームフォーマ部104の出力する音響線信号(以後、「第1の音響線信号」とする)及び/又は受信ビームフォーマ部104Aの出力する音響線信号(以後、「第2の音響線信号」とする)を入力として、例えば、両信号の示す値、例えば輝度値の大小等に基づき選択信号を算出して選択出力部704に出力する。選択信号は、第1又は第2の音響線信号の何れを選択するかを示す信号である。Tx/Rx選択信号算出部701に入力される各ビームフォーマ部からの出力は、合成開口法により合成された、被検体内の砂時計型の超音波照射領域Axにある観測点Pに対する整相加算された音響線信号である。選択出力部704は、Tx/Rx選択信号算出部701からの選択信号を入力し、第1の音響線信号及び第2の音響線信号のうち、選択信号の示す信号を超音波画像生成部105に出力する。あるいは、Tx/Rx選択信号算出部701は、プローブ101の複数の振動子で取得された超音波の反射波に基づく電気信号をA/D変換した受信信号などを入力としてもよい。ここで、選択出力部704の出力信号を切替えるための動作はフレーム毎に行うことが好ましい。しかしながら、観測点毎、または送信イベント毎に行う構成であってもよい。
受信ビームフォーマ部104と受信ビームフォーマ部104Aの選択の異なる一例について更に説明する。それらは,Tx/Rx選択信号算出部701、および選択出力部704の動作に関する。
生体内に穿刺針を挿入して組織や体液を採取し、これを診断する生体組織診断(バイオプシー)が行われる場合に、穿刺針の位置を確認しながら穿刺針を生体内へ挿入する。このとき、アタッチメントやガイドを備えた超音波探触子に穿刺針を取りつけ、超音波画像により穿刺針の位置を確認しがら穿刺針の挿入を行う場合がある。そして、このように穿刺針を生体内に挿入する際に、例えば、Tx/Rx選択信号算出部701は、第1の音響線信号又は第2の音響線信号に基づき、穿刺針の有無を判断し、穿刺針があると判断した場合にはビームフォーマ部104を選択する構成としてもよい。穿刺針の有無の判断では、得られた音響線信号に高輝度な線状の反射部分があり、かつ被検体の体表からも線状の反射部分の一部が観測されている場合に、穿刺針有と判断することができる。
穿刺針からの反射波は、一般的な生体組織でみられる散乱反射によるエコー像とは異なり、超音波の反射が鏡面反射の影響が強い。そのため、生体への針挿入角とプローブとの位置関係とに基づき決定される方向に強い反射波が生成されるので、穿刺針からの反射波の検出では、その特定の方向からの反射波を受信することが必須となる。これに対し、本形態に係るビームフォーマ部104では、合成開口技術を用いているので受信開口を広く設定することができるので、特定の方向からの反射波を受信するために適した構成であるといえる。すなわち、穿刺針からの反射波の検出には、ビームフォーマ部104を用いることが好ましい。
なお、穿刺針に限らず、他の鏡面構造物を生体内に挿入している場合にも、同様の構成を適用することができる。
また、Tx/Rx選択信号算出部701は、操作者からの操作入力、又は予め設定された条件に基づき、第1音響線信号又は第2音響線信号の何れかを選択する構成としてもよい。ここで、操作者からの操作入力とは、直接的に第1音響線信号又は第2音響線信号の何れかを選択する操作入力であってもよい。あるいは、第1音響線信号又は第2音響線信号の何れかを選択する動作とは異なる別の動作の指示を行うための操作入力であってもよい。別の動作の指示を行うための操作入力とは、例えば、穿刺針を挿入する穿刺針モードを選択するという操作入力でもよい。穿刺針モードとは、生体像と穿刺針との両方を描出することにより、操作者が生体像と穿刺針との双方の位置関係を把握することができるモードである。穿刺針モードでは、例えば、針先が強調表示される構成としてもよい。穿刺針モードの選択では、例えば、超音波診断装置に接続されたキーボードやキーなどの入力部によりモードが選択される構成であってもよく、また、予め登録している所定の超音波探触子が超音波診断装置に接続されたことに基づきモードが選択される構成であってもよい。
Tx/Rx選択信号算出部701が、予めいずれかのビームフォーマ部の出力を選択出力受信ビームフォーマ部104Bの出力として採用する場合には、選択出力部704では、予め定められた方のビームフォーマ部の出力をそのまま選択出力受信ビームフォーマ部104Bの出力とする。
<変形例1>
実施の形態3の変形例1に係る超音波診断装置100Cは、実施の形態3に係る選択出力受信ビームフォーマ部104Bに替えて、混合出力受信ビームフォーマ部104Cを備えた点に特徴を有する。混合出力受信ビームフォーマ部104C以外の構成は、実施の形態1に示した各要素と同じであり、同し部分については説明を省略する。超音波診断装置100Cは、受信ビームフォーマ部104Cの他、実施の形態1と同じマルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、超音波画像生成部105から構成される超音波信号処理回路からなる超音波信号処理装置を備える。
図14は、超音波診断装置100Cの混合出力受信ビームフォーマ部104Cの構成を示す機能ブロック図である。図13に示すように、混合出力受信ビームフォーマ部104Cは、受信ビームフォーマ部104と、受信ビームフォーマ部104Aと、両ビームフォーマ部の出力に基づいて両出力に対する重み信号を算出するTx/Rx重み信号算出部701Aと、重み信号に基づき受信ビームフォーマ部104及び受信ビームフォーマ部104Aの出力に対し、各々に対する重みを乗じて加算した結果を出力する混合出力部704Aを有する。
Tx/Rx重み信号算出部701Aは、受信ビームフォーマ部104の出力する音響線信号(第1の音響線信号)及び受信ビームフォーマ部104Aの出力する音響線信号(第2の音響線信号)を入力として、例えば両信号の示す値、例えば平均輝度等の比率に応じて両信号の混合比率を示す重み信号を算出して、混合出力部704Aに出力する。混合出力部704Aは、Tx/Rx重み信号算出部701Aからの重み信号を入力として、第1の音響線信号及び第2の音響線信号の各々に対する重みを乗じて加算した結果を超音波画像生成部105に出力する。また、Tx/Rx重み信号算出部701Aは、プローブ101の複数の振動子で取得された超音波の反射波に基づく電気信号をA/D変換した受信信号などを入力としてもよい。ここで、混合出力部704Aの出力信号における混合比率を変更するための動作はフレーム毎に行うことが好ましい。しかしながら、観測点毎、または送信イベント毎に行う構成であってもよい。
また、Tx/Rx重み信号算出部701Aは、操作者からの操作入力又は予め設定された条件に基づき、第1音響線信号及び第2音響線信号を混合する構成としてもよい。Tx/Rx重み信号算出部701A4によって、予め2つのビームフォーマの出力に対する混合比率が定められている場合(例えば0.6:0.4等)には、混合出力受信ビームフォーマ部104Cの出力は、各々のビームフォーマの出力に対して所定の混合比率を乗じたものを加算して混合出力受信ビームフォーマ部104Cの出力とする。これら混合比率は操作者が指定してもよい。操作者の指定により何れか一方のみを出力する構成としてもよい。
<効 果>
実施の形態3に係る超音波診断装置100B、及び変形例1に係る超音波診断装置100Cでは、受信開口Rxの設定方法を検査部位の特性等に対して適応的に、あるいは、適切に設定することができるよう受信ビームフォーマ部を構成することにより、検査部位の特性等に適応して、局所的に高い空間分解能を保ちつつ、広い観測領域でも均一的な空間分解能を確保することができる。
上述した実施の形態1に係る超音波診断装置100では、送信同期型の受信ビームフォーマ104を用いることにより受信開口Rxを拡げ、観測点Pから幅広い角度に向けて反射される反射波を拾いそれを画像に反映させて定性的に空間分解能を向上させることができる。よって、超音波診断装置100では、仮想的な広い受信開口による広い観測領域で空間分解能を均一にすることができる。そのため、例えば、臓器等、反射波の強度が比較的均一であり、かつ極端な強度分布がない検査部位に対して有効である。受信開口Rxを拡げることで広い観測領域で空間分解能の均一性向上が図れ、広い観測領域で高画質が得られるので、被検体内の疾患部位を検索する場合等、特定の検査対象が既定されていないような検査により適応するためである。反面、超音波診断装置100では、検査部位等の特性等によっては観測点P以外からのノイズ信号を広く拾う場合もあり得る。
他方、実施の形態2に係る超音波診断装置100Aにおいて、観測点同期型の受信ビームフォーマ104Aを用いることにより、いかなる送信イベントにおいても受信開口Rxの位置は観測点Pに対し横軸方向に変動しない。そのため、超音波診断装置100の構成に比べて同一の観測点Pに対しては狭い受信開口Rxを用いて受信ビームフォーミングを行うことができる。その結果、局所的に高い空間分解能と信号S/N比を実現できる。例えば、ポリープ等、局所的な強度が高い反射波が生じ、また、検査対象が明確であるようなる検査部位に対して適応性が高い。受信開口Rxを拡げない方が、局所的に高い空間分解能と信号S/N比を実現でき高画質が得られるためである。反面、超音波診断装置100Aでは、受信開口Rxと送信フォーカス点Fとが横軸方向で離れる場合に、送信フォーカス点Fが横軸方向に近接している場合に比べて、受信開口Rxが受信する反射波の受信信号エネルギーの総和が減少するので、検査部位等の特性等によっては、受信感度、信号S/N比が劣化することがあり得る。
これに対し、実施の形態3に係る超音波診断装置100B、及び変形例1に係る超音波診断装置100Cでは、最適な受信開口Rxの設定方法を、検査部位の特性等に適応して、操作者による選択又は受信信号の特徴に応じて設定することができるよう受信ビームフォーマ部が構成されている。そのため、検査部位の特性等に適応して、所的に高い空間分解能を保ちつつ、広い観測領域でも均一的な空間分解能を確保することができ、超音波照射領域全体にわたり従来よりも分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を生成できる。
<変形例2>
変形例2に係る超音波診断装置は、さらに、変形例1に係る混合出力受信ビームフォーマ部104Cにおいて、入力としてプローブで受信した反射超音波に基づく電気信号をA/D変換した受信信号を用いることを特徴とする。Tx/Rx重み信号算出部701Aが受信信号から特徴抽出を行い、その特徴に基づいて重み信号を適応的に変化させる構成を採る。
図15は、変形例2に係る超音波診断装置の受信ビームフォーマ部における、Tx/Rx重み信号算出部701Aの入力信号を説明するための模式図である。本例の混合出力受信ビームフォーマ部は、送信開口Txから放射され、超音波照射領域Ax内の任意の位置にある観測点Pijにおいて反射され、観測点Pijから最も近接した位置にある受信開口Rx内の振動子Rpに到達する反射超音波に基づく受信信号を入力信号とする。図15において伝播経路801、802、803として表される振動子Rpに対する受信信号値は、受信ビームフォーマ後の信号と高い相関を持つことが発明者の検討により判明している。例えば、経路801、802、803の和に基づいて、遅延を施した振動子Rpに対する受信信号値が大きな値である場合に、受信ビームフォーマ後の信号も大きな値であることが多くなる。したがって、この特徴を用いて、Tx/Rx重み算出部701Aの制御を簡易的に行うことが可能となる。
変形例1に示したように、送信同期型の受信ビームフォーマ104、観測点同期型の受信ビームフォーマ104Aの両方を動作させ、それらによる整相加算後の出力結果を用いて、Tx/Rx重み算出部701Aによって重みを算出することもできる。しかしながら、その場合には、2つのビームフォーマを動作させる必要があり高い演算能力が機器に要求される。演算負荷の少ないより簡易な実施の形態として、伝播経路801、802、803の和に基づいて遅延を施した振動子Rpに対する整相加算前の受信信号値を判定値とし、その判定値に基づき重みを算出することができる。
例えば、あらかじめ定めた閾値Aよりも、判定値が大きい場合には、混合出力受信ビームフォーマ部は、観測点同期型の受信ビームフォーマ104Aの出力をそのまま受信ビームフォーマ部の出力とする。他方、予め定めた閾値Bよりも判定値が小さい場合は、混合出力受信ビームフォーマ部は、送信同期型の受信ビームフォーマ104の出力をそのまま受信ビームフォーマ部の出力とする。また、判定値が閾値Aと閾値Bの間の場合は、所定の方法により混合比率を導出して、混合出力部704Aにおいて混合比率に基づいた出力の混合を行い、混合出力受信ビームフォーマ部の出力とすることができる。
閾値Aと閾値Bを同じ値に設定すれば、Tx/Rx重み算出部701Aはスイッチとして動作することになり、混合出力部704Aでは選択された何れかのビームフォーマの出力を混合出力受信ビームフォーマ部として出力とする。この場合には、実勢の形態3に係る選択出力受信ビームフォーマ部と同じ動作をさせることができる。
以上のように構成された混合出力受信ビームフォーマ部を用いれば、演算負荷の少ないより簡易な処理方法を採ることにより、簡易な回路構成にで、操作者のよる選択又は受信信号の特徴に応じた最適な受信ビームフォーミング方法を設定することができる。そのため、超音波照射領域全体にわたり従来よりも分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を生成できる。
<その他の変形例>
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下のような場合も本発明に含まれる。
例えば、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。例えば、本発明の超音波診断装置の診断方法のコンピュータプログラムを有しており、このプログラムに従って動作する(又は接続された各部位に動作を指示する)コンピュータシステムであってもよい。
また、上記超音波診断装置の全部、もしくは一部、またビームフォーミング部の全部又は一部を、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等の記録媒体、ハードディスクユニットなどから構成されるコンピュータシステムで構成した場合も本発明に含まれる。上記RAM又はハードディスクユニットには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置はその機能を達成する。
また、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1つのシステムLSI(Large Scale Integration(大規模集積回路))から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。なお、LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。上記RAMには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。例えば、本発明のビームフォーミング方法がLSIのプログラムとして格納されており、このLSIがコンピュータ内に挿入され、所定のプログラム(ビームフォーミング方法)を実施する場合も本発明に含まれる。
なお、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(FieldProgrammableGateArray)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(ReConfigurablleProcessor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。上記超音波診断装置の診断方法や、ビームフォーミング方法を実施させるプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。プログラムや信号を記録媒体に記録して移送することにより、プログラムを独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい、また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
上記実施形態に係る超音波診断装置では、記憶装置であるデータ格納部を超音波診断装置内に含む構成としたが、記憶装置はこれに限定されず、半導体メモリ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、磁気記憶装置、等が、超音波診断装置に外部から接続される構成であってもよい。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
また、超音波診断装置には、プローブ及び表示部が外部から接続される構成としたが、これらは、超音波診断装置内に一体的に具備されている構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、プローブは、複数の圧電素子が一次元方向に配列されたプローブ構成を示した。しかしながら、プローブの構成は、これに限定されるものではなく、例えば、複数の圧電変換素子を二次元方向に配列した二次元配列振動子や、一次元方向に配列された複数の振動子を機械的に揺動させて三次元の断層画像を取得する揺動型超音波探触子を用いてもよく、測定に応じて適宜使い分けることができる。例えば、2次元に配列されたプローブを用いた場合、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって、送信する超音波ビームの照射位置や方向を制御することができる。
また、プローブは、送信ビームフォーマ部、受信ビームフォーマ部の一部の機能をプローブに含んでいてもよい。例えば、送信ビームフォーマ部から出力された送信電気信号を生成するための制御信号に基づき、プローブ内で送信電気信号を生成し、この送信電気信号を超音波に変換する。併せて、受信ビームフォーマ部で受信した反射超音波を受信電気信号に変換し、プローブ内で受信電気信号に基づき受信信号を生成する構成を採ることができる。
また、各実施の形態に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。更に上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
≪まとめ≫
以上、説明したように、本実施の形態に係る超音波信号処理装置は、超音波プローブ101から被検体に超音波を送信し、得られた反射超音波に基づく受信信号から音響線信号を生成する超音波信号処理装置150であって、超音波信号処理回路151を備え、超音波信号処理回路151は、超音波プローブ101にある複数の振動子の全てもしくは一部に当たる第1の振動子列から超音波送信を行わせる送信部1031と、複数の振動子が得た被検体中からの反射超音波に基づいて各振動子に対する受信信号列を生成する受信部1041と、複数の振動子の一部に当たり、列中心が第1の振動子列の列中心と合致する第2の振動子列を選択する受信開口設定部1042と、被検体中において送信された超音波が到達する範囲内に位置する複数の観測点Pについて、送信された超音波が被検体中の観測点Pに到達するまでの送信時間を算出する送信時間算出部1043と、観測点Pからの反射波が第2の振動子列に含まれる受信振動子の各々に到達する受信時間を算出する受信時間算出部1044と、送信時間と受信時間との和から、送信された超音波が観測点Pで反射され各受信振動子へ到達するまでの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて各受信振動子に対する遅延量を算出する遅延量算出部1045と、各受信振動子に対する受信信号列から、遅延量に相当する受信信号値を同定する遅延処理部1046と、各受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき観測点Pに対する音響線信号を生成する加算部1048とを備えたことを特徴とする。また、加算部1048は、各受信振動子に対応して同定された受信信号値を加算する構成であってもよい。
係る構成により、超音波照射領域全体にわたり従来よりも分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を生成できる。
また、別の態様では、さらに、第2の振動子列の列中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう各受信振動子に対する重み数列を算出する重み算出部1047を備え、加算部1048は、各受信振動子に対応して同定された受信信号値に、各受信振動子に対する重みを乗じて加算する構成であってもよい。
係る構成により、送信イベント毎にそれぞれ異なる受信開口にて整相加算を行うことができ、より一層広い受信開口を用いた受信処理の効果が得られ、広い観測領域で空間分解能を均一にすることができる。
また、別の態様では、受信開口設定部を第1の受信開口設定部1042、受信時間算出部を第1の受信時間算出部1044、遅延量算出部を第1の遅延量算出部1045、遅延処理部を第1の遅延処理部1046、加算部を第1の加算部1048、受信振動子を第1の受信振動子、音響線信号を第1の音響線信号としたとき、さらに、被検体中において送信された超音波が到達する範囲内に位置する複数の観測点について、列中心が観測点Pに最も空間的に近接する振動子と合致するよう第3の振動子列を選択する第2の受信開口設定部1042Aと、観測点Pからの反射波が、第3の振動子列に含まれる第2の受信振動子の各々に到達する受信時間を算出する第2の受信時間算出部1044と、送信時間と受信時間との和から、送信された超音波が観測点Pで反射され各第2の受信振動子へ到達するまでの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて各第2の受信振動子に対する遅延量を算出する第2の遅延量算出部1045と、各第2の受信振動子に対する受信信号列から、遅延量に相当する受信信号値を同定する第2の遅延処理部1046と、各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき観測点Pに対する第2の音響線信号を生成する第2の加算部1048とを備えた構成であってもよい。また、第2の加算部1048は、各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値を加算する構成であってもよい。
係る構成により、送信フォーカス点Fを横軸方向に変化(移動)させる送信イベントに同期せず、受信開口の位置が一定となり、異なる送信イベントにおいても同一の観測点Pに対して同一の受信開口にて整相加算を行うことができる。
また、別の態様では、さらに、第3の振動子列の列中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう各第2の受信振動子に対する重み数列を算出する重み算出部1047を備え、第2の加算部1048は、各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に、各第2の受信振動子に対する重みを乗じて加算する構成であってもよい。
係る構成により、観測点Pからの反射波を、観測点Pから距離が小さい振動子ほど大きな重み数列が適用されることができるので、超音波が伝播距離に依存して減衰することを鑑みても、観測点Pに対して最も感度よく反射波を受信することができる。その結果、局所的に高い空間分解能と信号S/N比を実現できる。
また、別の態様では、さらに、第1の音響線信号又は第2の音響線信号の何れかを選択するTx/Rx選択信号算出部701と、選択結果に基づき第1の音響線信号又は第2の音響線信号の何れかを出力する選択出力部704とを備えた構成であってもよい。また、Tx/Rx選択信号算出部701は、操作者からの操作入力、又は予め設定された条件に基づき、第1音響線信号又は第2音響線信号の何れかを選択する構成であってもよい。また、Tx/Rx選択信号算出部701は、受信信号の特徴量に基づき、第1の音響線信号又は第2の音響線信号の何れかを選択する構成であってもよい。また、別の態様では、前記Tx/Rx選択信号算出部は、受信信号に基づいて穿刺針の有無を判断し、前記穿刺針が有ると判断した場合には前記第1の音響線信号を選択する構成であってもよい。このとき、Tx/Rx選択信号算出部701は、受信信号に基づいて鏡面構造物が検出されるか否かにより穿刺針の有無を判断し、前記鏡面構造物が検出され前記穿刺針が有ると判断した場合には前記第1の音響線信号を選択する構成であってもよい。また、Tx/Rx選択信号算出部701は、第1の音響線信号及び/又は第2の音響線信号に基づき、第1の音響線信号又は第2の音響線信号の何れかを選択する構成であってもよい。また、さらに、第1の音響線信号及び第2の音響線信号の各々に対する重みを算出するTx/Rx重み算出部701Aと、当該重みを用いて第1の音響線信号及び第2の音響線信号に対し各々に対する重みを乗じて加算した結果を出力する混合出力部704Aとを備えた構成であってもよい。また、Tx/Rx重み算出部701Aは、操作者からの操作入力、又は予め設定された条件に基づき、観測点Pに対する第1の音響線信号及び第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する構成であってもよい。また、Tx/Rx重み算出部701Aは、受信信号の特徴量に基づき、観測点Pに対する第1の音響線信号及び第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する構成であってもよい。また、Tx/Rx重み算出部701Aは、観測点Pに対する第1の音響線信号及び第2の音響線信号に基づき、観測点Pに対する第1の音響線信号及び第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する構成であってもよい。
係る構成により、最適な受信開口Rxの設定方法を、検査部位の特性等に適応して、操作者による選択又は受信信号の特徴に応じて設定することができるよう受信ビームフォーマ部が構成されている。そのため、検査部位の特性等に適応して、局所的に高い空間分解能を保ちつつ、広い観測領域でも均一的な空間分解能を確保することができ、超音波照射領域全体にわたり従来よりも分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を生成できる。
また、別の態様では、特徴量は、最も遅延量の小さな第1の受信振動子に対応して同定された観測点Pからの反射超音波に基づく受信信号、及び、最も遅延量の小さな第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき算出される構成であってもよい。
係る構成により、演算負荷の少ないより簡易な処理方法を採ることにより、簡易な回路構成にで、操作者のよる選択又は受信信号の特徴に応じた最適な受信ビームフォーミング方法を設定することができる。
また、別の態様では、第1の振動子列に含まれる振動子が超音波プローブにある複数の振動子の一部であるときに、 送信部1031は、さらに、複数の振動子の一部に当たり第1の振動子列とは異なる振動子列から、超音波送信ごとに用いる振動子列を異ならて超音波送信を順次行い、
加算部1048は、異なる超音波送信に基づき生成された同一位置の観測点に対する複数の音響線信号を合成して当該観測点に対する音響線信号を生成する構成であってもよい。
また、別の態様では、送信部1031は、用いる振動子列を異ならせて超音波送信を順次行うことにより超音波プローブにある複数の振動子の全てから超音波送信を行う構成であってもよい。
また、別の態様では、超音波プローブ101が接続可能に構成された超音波診断装置であってもよい。
係る構成により、超音波照射領域全体にわたり従来よりも分解能が高く雑音をより抑制した高画質な超音波画像を生成できる超音波診断装置を提供することができる。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
本開示にかかる超音波信号処理装置、超音波診断装置、超音波信号処理方法、及びコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体は、従来の超音波診断装置の性能向上、特に画質向上として有用である。また本開示は超音波への適用のみならず、複数のアレイ素子を用いたセンサ等の用途にも応用できる。
100 超音波信号処理回路
101、201 プローブ
101a、201a 超音波振動子
102 マルチプレクサ部
103 送信ビームフォーマ部
1031 送信部
104 受信ビームフォーマ部(送信同期型ビームフォーマ部)
104A 受信ビームフォーマ部(観測点同期型ビームフォーマ部)
1041 受信部
1042 受信開口設定部(第1の受信開口設定部)
1042A 受信開口設定部(第2の受信開口設定部)
1043 送信時間算出部(第1の送信時間算出部、第2の送信時間算出部)
1044 受信時間算出部(第1の受信時間算出部、第2の受信時間算出部)
1045 遅延量算出部(第1の遅延量算出部、第2の遅延量算出部)
1046 遅延処理部(第1の遅延処理部、第2の遅延処理部)
1047 重み算出部(第1の重み算出部、第2の重み算出部)
1048 加算部(第1の加算部、第2の加算部)
105 超音波画像生成部
150 超音波信号処理装置
106 表示部
107 データ格納部
202 受信ビームフォーマ部
701 Tx/Rx重み算出部
704 選択出力部
704A 混合出力部

Claims (17)

  1. 超音波プローブから被検体に超音波を送信し、得られた反射超音波に基づく受信信号から音響線信号を生成する超音波信号処理装置であって、
    前記超音波プローブにある複数の振動子の全てもしくは一部に当たる第1の振動子列から超音波送信を行わせる送信部と、
    前記複数の振動子が得た前記被検体中からの反射超音波に基づいて各振動子に対する受信信号列を生成する受信部と、
    前記複数の振動子の一部に当たり、列中心が前記第1の振動子列の列中心と合致する第2の振動子列を選択する受信開口設定部と、
    被検体中において送信された超音波が到達する範囲内に位置する複数の観測点について、送信された超音波が前記各観測点に到達するまでの送信時間を算出する送信時間算出部と、
    前記各観測点からの反射波が前記第2の振動子列に含まれる受信振動子の各々に到達する受信時間を算出する受信時間算出部と、
    前記送信時間と前記受信時間との和から、送信された超音波が前記各観測点で反射され前記各受信振動子へ到達するまでの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて前記各受信振動子に対する遅延量を算出する遅延量算出部と、
    前記各受信振動子に対する前記受信信号列から、前記遅延量に相当する受信信号値を同定する遅延処理部と、
    前記各受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき前記各観測点に対する音響線信号を生成する加算部とを備え、
    前記受信開口設定部を第1の受信開口設定部、前記受信時間算出部を第1の受信時間算出部、前記遅延量算出部を第1の遅延量算出部、前記遅延処理部を第1の遅延処理部、前記加算部を第1の加算部、前記受信振動子を第1の受信振動子、前記音響線信号を第1の音響線信号としたとき、
    さらに、被検体中において送信された超音波が到達する範囲内に位置する複数の観測点について、列中心が前記各観測点に最も空間的に近接する振動子と合致するよう第3の振動子列を選択する第2の受信開口設定部と、
    前記各観測点からの反射波が、前記第3の振動子列に含まれる第2の受信振動子の各々に到達する受信時間を算出する第2の受信時間算出部と、
    前記送信時間と前記受信時間との和から、送信された超音波が前記各観測点で反射され前記各第2の受信振動子へ到達するまでの総伝播時間を算出し、当該総伝播時間に基づいて前記各第2の受信振動子に対する遅延量を算出する第2の遅延量算出部と、
    前記各第2の受信振動子に対する前記受信信号列から、前記遅延量に相当する受信信号値を同定する第2の遅延処理部と、
    前記各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき前記各観測点に対する第2の音響線信号を生成する第2の加算部とを備えた、
    超音波信号処理装置。
  2. さらに、前記第2の振動子列の列中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう前記各受信振動子に対する重み数列を算出する重み算出部を備え、
    前記加算部は、前記各受信振動子に対応して同定された受信信号値に、前記各受信振動子に対する重みを乗じて加算する
    請求項1に記載の超音波信号処理装置。
  3. さらに、前記第3の振動子列の列中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう前記各第2の受信振動子に対する重み数列を算出する重み算出部を備え、
    前記第2の加算部は、前記各第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に、前記各第2の受信振動子に対する重みを乗じて加算する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  4. さらに、前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを選択するTx/Rx選択信号算出部と、
    選択結果に基づき前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを出力する選択出力部とを備えた
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  5. 前記Tx/Rx選択信号算出部は、操作者からの操作入力、又は予め設定された条件に基づき、前記第1音響線信号又は前記第2音響線信号の何れかを選択する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  6. 前記Tx/Rx選択信号算出部は、受信信号の特徴量に基づき、前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを選択する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  7. 前記Tx/Rx選択信号算出部は、受信信号に基づいて穿刺針の有無を判断し、前記穿刺針が有ると判断した場合には前記第1の音響線信号を選択する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  8. 前記Tx/Rx選択信号算出部は、受信信号に基づいて鏡面構造物が検出されるか否かにより穿刺針の有無を判断し、前記鏡面構造物が検出され前記穿刺針が有ると判断した場合には前記第1の音響線信号を選択する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  9. 前記Tx/Rx選択信号算出部は、前記第1の音響線信号及び/又は前記第2の音響線信号に基づき、前記第1の音響線信号又は前記第2の音響線信号の何れかを選択する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  10. さらに、前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出するTx/Rx重み算出部と
    当該重みを用いて前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号に対し各々に対する重みを乗じて加算した結果を出力する混合出力部とを備えた
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  11. 前記Tx/Rx重み算出部は、操作者からの操作入力、又は予め設定された条件に基づき、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する
    請求項10に記載の超音波信号処理装置。
  12. 前記Tx/Rx重み算出部は、受信信号の特徴量に基づき、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  13. 前記Tx/Rx重み算出部は、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号に基づき、前記観測点に対する前記第1の音響線信号及び前記第2の音響線信号の各々に対する重みを算出する
    請求項10に記載の超音波信号処理装置。
  14. 前記特徴量は、最も遅延量の小さな第1の受信振動子に対応して同定された前記観測点からの反射超音波に基づく受信信号、及び、最も遅延量の小さな第2の受信振動子に対応して同定された受信信号値に基づき算出される
    請求項又は12の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。
  15. 前記第1の振動子列に含まれる振動子が前記超音波プローブにある複数の振動子の一部であるときに、
    前記送信部は、さらに、前記複数の振動子の一部に当たり前記第1の振動子列とは異なる振動子列から、超音波送信ごとに用いる振動子列を異ならて超音波送信を順次行い、
    前記加算部は、異なる超音波送信に基づき生成された同一位置の観測点に対する複数の音響線信号を合成して当該観測点に対する音響線信号を生成する
    請求項に記載の超音波信号処理装置。
  16. 前記送信部は、用いる振動子列を異ならせて超音波送信を順次行うことにより前記超音波プローブにある複数の振動子の全てから超音波送信を行う
    請求項15に記載の超音波信号処理装置。
  17. 前記超音波プローブが接続可能に構成された、
    請求項1から16の何れか1項に記載の超音波信号処理装置を備えた
    超音波診断装置。
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