JP6387856B2 - 超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法 - Google Patents

超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、超音波診断装置、及びその制御方法に関し、特に、超音波診断装置における受信ビームフォーミング処理方法に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブ(以後、「プローブ」とする)により被検体内部に超音波を送信し、被検体組織の音響インピーダンスの差異により生じる超音波反射波(エコー)を受信する。さらに、この受信から得た電気信号に基づいて、被検体の内部組織の構造を示す超音波断層画像を生成し、モニタ(以後、「表示部」とする)上に表示するものである。超音波診断装置は、被検体への侵襲が少なく、リアルタイムに体内組織の状態を断層画像などで観察できるため、生体の形態診断に広く用いられている。
従来の超音波診断装置では、受信した反射超音波に基づく信号の受信ビームフォーミング方法として、一般的に整相加算法と呼ばれる方法が使用されている(例えば、非特許文献1)。
図24は、従来の超音波診断装置における受信ビームフォーミング方法を示す模式図である。従来の超音波診断装置は、被検体の体内から反射超音波を受信する複数の超音波振動子201a(以後、「振動子」とする)からなるプローブ201と、振動子201aで受信した反射超音波を電気的に変換して電気信号とし、それに整相加算処理を行う受信ビームフォーマ部202を有している。受信ビームフォーマ部202は、各々の振動子201aが得た反射超音波に基づく電気信号を振動子201aごとに遅延部2021で増幅、A/D変換、遅延処理を行った上で加算部2022により加算した結果を音響線信号として出力する。この際、遅延部2021で適用される遅延量は、送信超音波ビームの中心軸上に位置する振動子と各振動子201aとの距離に基づいて算出される。具体的には、被検体内において送信超音波ビームの中心軸上に位置する任意の観測点をP、観測点Pから最も近い振動子Cと観測点Pとの距離をdc、観測点Pと他の振動子mとの距離をdm、超音波の音速の標準値をCs0とすると、観測点Pからの反射波が振動子cに到達した時刻より(d/Cs0=dm/Cs0−dc/Cs0)遅れた時刻に、観測点Pからの反射波が振動子mに到達する(図25(a))。任意の深さの観測点Pから各振動子cへの反射波の到達時刻を算出し、振動子間の到達時間差(d/Cs0)から振動子mでの反射波の到達時刻を導出することできる。遅延部2021では、到達時間差を加味して各振動子における受信信号を同定し、加算部2022では同定した受信信号を加算して音響線信号を生成する(図25(b))。
しかしながら、図26(a)、(b)に示すように、被検体内の音速Cs1、Cs2は、検査部位を構成する組織の成分によって異なり、その場合、整相された受信信号間に位相ズレが生じ加算後の音響線信号に画像ボケが発生する。これに対し、超音波の走査面内に複数の参照領域を設け、各々に対する評価値から整相加算に用いる音速値の適否を判断する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−119481号公報
伊東正安、望月剛共著「超音波診断装置」コロナ社出版、2002年8月26日(P42−P45)
ところが、上記特許文献1に記載の技術では、評価値を算出するための演算量が大きく、検査に先立って音速キャリブレーションを行うことが必要であった。そのため、被検体中の異なる部位に対する検査を行う度に音速キャリブレーションを行う必要があり、検査効率が悪く、機器の操作も煩雑であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な演算処理によって整相加算に用いる音速値を補正すべきか否かを判定する超音波診断装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る、超音波診断装置は、複数の振動子が列設された超音波プローブが接続可能な超音波診断装置であって、前記複数の振動子から被検体に向けてなされた超音波送信に同期して、被検体内の複数の観測点について、各観測点から前記複数の振動子各々が受波した反射超音波に基づいて生成された受信信号を、前記各観測点と前記複数の振動子各々との間の距離の差を音速値で除して得た振動子各々への反射超音波到達時間の差で補償して加算することにより、前記複数の観測点に対する音響線信号を生成する整相加算部と、被検体内の一部領域内の複数の観測点の中から各観測点に対する音響線信号に基づき選択された特定観測点の音響線信号強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定する判定部と、前記判定部が前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記特定観測点に対する音響線信号を用いて前記一部領域に対する補正音速値を算出する補正音速値算出部とを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係る超音波診断装置及びその制御方法によれば、簡易な演算処理によって整相加算に用いる音速値を補正すべきか否かを判定することができる。その結果、この判定を超音波画像を生成する処理の中で行うことができ、検査効率を向上するとともに、検査時の機器操作を簡便にすることができる。
実施の形態に係る超音波診断装置100の構成を示す機能ブロック図である。 送信ビームフォーマ部103による超音波送信波の伝播経路を示す模式図である。 超音波診断装置100の受信ビームフォーマ部104の構成を示す機能ブロック図である。 受信ビームフォーマ部104における観測点Pについての音響線信号生成動作を説明するための模式図である。 超音波診断装置100の判定部1044の構成を示す機能ブロック図である。 判定部1044において音速値を補正すべきか否かの判定する単位領域である描画領域Ci(i=1〜5)を示す概略図である。 判定部1044において音速値を補正すべきか否かの判定に用いる特定観測点を探索するサーチ領域Di(i=1〜5)を示す概略図である。 判定部1044において音速値を補正すべきか否かの判定に用いる描画領域Ci内の音響線信号の強度の平均値を算出するための平均値算出領域Ei(i=1〜5)を示す概略図である。 超音波診断装置100の音速値設定部1045の構成を示す機能ブロック図である。 音速値保持出力部10453における音速出力方法を説明するための概略図である。 超音波診断装置100の補正音速値算出部10451の構成を示す機能ブロック図である。 補正音速値算出部10451における補正音速値算出方法を説明するための概略図である。 超音波診断装置100における超音波検査時の制御方法を示すフローチャートである。 超音波診断装置100における音速設定処理(ステップS105)を示すフローチャートである。 超音波診断装置100における最適音速値算出の処理(ステップS1054)を示すフローチャートである。 超音波診断装置100に至る検討において補正音速値の評価に用いたファントムの超音波画像である。 超音波診断装置100に至る検討における補正音速値の評価結果である。 超音波診断装置100を用いて音速試験値による音響線信号の強度変化の評価に用いた超音波画像である。 超音波診断装置100を用いて音速試験値の水準を振って算出した、特定観測点と被検体内の深さが等価な観測点の音響線信号の強度波形であり、(a)は特定観測点Q3に関する結果、(b)は特定観測点Q4に関する結果である。 超音波診断装置100を用いて音速試験値による音響線信号の強度変化の評価に用いた超音波画像である。 超音波診断装置100を用いて音速試験値の水準を振って算出した、図20における特定観測点Q1、Q4の音響線信号の強度変化を示した結果である。 超音波診断装置100による音速補正要否判定の評価結果であり、(a)は検査部位が腱、(b)は嚢胞、(c)は白質である場合の結果である。 変形例に係る描画領域Ciの態様を示す概略図である。 従来の超音波信号処理装置における受信ビームフォーマ部202の動作を説明するための模式図である。 従来の超音波信号処理装置における整相加算処理を説明するための模式図である。 従来の超音波信号処理装置における整相加算処理における音速変動の影響を説明するための模式図である。
≪実施の形態≫
<全体構成>
以下、実施の形態に係る超音波診断装置100について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態に係る超音波診断システム1000の機能ブロック図である。図1に示すように、超音波診断システム1000は、被検体に向けて超音波を送信しその反射波の受信する先端表面に列設された複数の振動子101aを有するプローブ101、プローブ101に超音波の送受信を行わせプローブ101からの出力信号に基づき超音波画像を生成する超音波診断装置100、超音波画像を画面上に表示する表示部106を有する。プローブ101、表示部106は、それぞれ、超音波診断装置100に各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置100に、プローブ101、表示部106が接続された状態を示している。なお、プローブ101と、表示部106とが、超音波診断装置100に含まれる態様であってもよい。
<超音波診断装置100の構成>
超音波診断装置100は、プローブ101の複数ある振動子101aのうち、送信又は受信の際に用いる振動子を各々に選択し、選択された振動子に対する入出力を確保するマルチプレクサ部102、超音波の送信を行うためにプローブ101の各振動子101aに対する高電圧印加のタイミングを制御する送信ビームフォーマ部103と、プローブ101で受信した超音波の反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号を増幅し、A/D変換し、受信ビームフォーミングして音響線信号を生成する受信ビームフォーマ部104を有する。また、受信ビームフォーマ部104からの出力信号である音響線信号に対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施して輝度変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことで超音波画像(Bモード画像)を生成する超音波画像生成部105、受信ビームフォーマ部104が出力する音響線信号及び超音波画像生成部105が出力する超音波画像を保存するデータ格納部107と、各構成要素を制御する制御部108を備える。
このうち、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、超音波画像生成部105は、超音波信号処理装置150を構成する。
超音波診断装置100を構成する各要素、例えば、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、超音波画像生成部105、制御部108は、それぞれ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Aplication Specific Ingegrated Circuit)などのハードウェア回路により実現される。あるいは、CPU(Central Processing Unit)やGPGPU(General−Purpose computing on Graphics Processing Unit)やプロセッサなどのプログラマブルデバイスとソフトウェアにより実現される構成であってもよい。これらの構成要素は一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。また、複数の構成要素を組合せて一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。
データ格納部107は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM、半導体メモリ等を用いることができる。また、データ格納部107は、超音波診断装置100に外部から接続された記憶装置であってもよい。
なお、本実施の形態に係る超音波診断装置100は、図1で示した構成の超音波診断装置に限定されない。例えば、マルチプレクサ部102が不要な構成もあるし、プローブ101に送信ビームフォーマ部103や受信ビームフォーマ部104、またその一部などが内蔵される構成であってもよい。
<超音波診断装置100の主要部の構成>
実施の形態に係る超音波診断装置100は、プローブ101での超音波反射波の受信から得た電気信号を演算して超音波画像を生成するための音響線信号を生成する受信ビームフォーマ部104に特徴を有する。そのため、本明細書では、主に、受信ビームフォーマ部104、及び、その前段階でプローブ101の各振動子101aから超音波送信を行わせる送信ビームフォーマ部103について、その構成及び機能を説明する。なお、送信ビームフォーマ部103及び受信ビームフォーマ部104以外の構成については、公知の超音波診断装置に使われるものと同じ構成を適用可能であり、公知の超音波診断装置のビームフォーマ部に本実施の形態に係るビームフォーマ部を置き換えて使用することが可能である。
以下、送信ビームフォーマ部103と、受信ビームフォーマ部104の構成について説明する。
1.送信ビームフォーマ部103
送信ビームフォーマ部103は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、プローブ101から超音波の送信を行うためにプローブ101に存する複数の振動子101aの全てもしくは一部に当たる送信振動子列からなる送信開口Txに含まれる複数の振動子の各々に対する高電圧印加のタイミングを制御する。送信ビームフォーマ部103は送信部1031から構成される。
送信部1031は、制御部108からの送信制御信号に基づき、プローブ101に存する複数の振動子101a中、送信開口Txに含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるためのパルス状の送信信号を供給する送信処理を行う。送信処理では、超音波ビームの送信タイミングを各振動子毎に遅延時間を設定し、遅延時間だけ超音波ビームの送信を遅延させて超音波ビームのフォーカシングを行う。
送信部1031は、超音波送信ごとに送信開口Txを列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う。送信開口Txに含まれる振動子の位置を示す情報は制御部108を介してデータ格納部107に出力される。例えば、プローブ101に存する振動子101a全数を192としたとき、送信開口Txを構成する振動子列の数として、例えば20〜100を選択してもよく、超音波送信毎に漸次移動させる構成としてもよい。以後、送信部1031により同一の送信開口Txから行われる超音波送信を「送信イベント」と称呼する。
図2は、送信ビームフォーマ部103による超音波送信波の伝播経路を示す模式図である。ある送信イベントにおいて、超音波送信に寄与するアレイ状に配列された振動子101aの列を送信開口Txとして図示している。
送信ビームフォーマ部103において、送信開口Txの中心に位置する振動子ほど送信タイミングを遅らせるように各振動子の送信タイミングを制御することにより、送信開口Tx内の振動子列から送信された超音波送信波は、被検体のある深度(Focal depth)において、波面がある一点で送信フォーカス点F(Focal point)があう状態となる。送信フォーカス点Fの深さ(Focal depth)は、任意に設定することができる。送信フォーカス点Fで合焦した波面は、再び拡散し、送信開口Txを底とし送信フォーカス点Fを節とする交差する2つの直線で区切られた砂時計型の空間内を超音波送信波が伝播する。この砂時計型の領域(斜線ハッチングで示した領域)を超音波照射領域Axと称呼する。
2.受信ビームフォーマ部104の構成
受信ビームフォーマ部104は、プローブ101で受信した超音波の反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号から音響線信号を生成する。なお、「音響線信号」とは、整相加算処理がされたあとのある観測点に対する受信信号である。整相加算処理については後述する。図3は、受信ビームフォーマ部104の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、受信ビームフォーマ部104は、受信部1041、受信信号保持部1042、整相加算部1043、判定部1044、音速値設定部1045を備える。
以下、受信ビームフォーマ部104を構成する各部の構成について説明する。
(1)受信部1041
受信部1041は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、送信イベントに同期してプローブ101において超音波反射波を受信して得た電気信号を増幅した後、AD変換した受信信号(RF信号)を生成する回路である。送信イベントの順に時系列に受信信号を生成し受信信号保持部1042に出力し、受信信号保持部1042は受信信号を保持する。
ここで、受信信号(RF信号)とは、各振動子にて受信された反射超音波から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号であり、各振動子にて受信された超音波の送信方向(被検体の深さ方向)に連なった信号の列を形成している。
受信部1041は、送信イベントに同期してプローブ101に存する複数の振動子101aの一部又は全部にあたる振動子列を構成する受信振動子Riの各々が得た反射超音波に基づいて、各受信振動子Riに対する受信信号の列を生成する。受信振動子Riは、マルチプレクサ部102によって選択される。本実施の形態では、受信振動子Riが構成する受信振動子列(受信開口Rz)の列中心は、送信振動子列(送信開口Tx)の列中心と合致するよう選択される。受信振動子Riの数は送信振動子の数と同一か、又は、送信振動子Riの数よりも多いことが好ましい。また、受波振動子Riはプローブ101に存する振動子101aの全数としてもよい。
送信部1031は、送信イベントに同期して送信開口Txを列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する複数の振動子101a全体から超音波送信を行う。受信部1041は、送信イベントに同期して各受波振動子に対する受信信号の列を生成し、生成された受信信号は受信信号保持部1042に保存される。
(2)受信信号保持部1042
受信信号保持部1042は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、半導体メモリ等を用いることができる。受信信号保持部1042は、送信イベントに同期して送信部1031から、各受波振動子に対する受信信号の列を入力し、1枚の超音波画像が生成されるまでの間これを保持する。また、受信信号保持部1042は、例えば、ハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM等を用いることができる。超音波診断装置100に外部から接続された記憶装置であってもよい。また、データ格納部107の一部であってもよい。
(3)整相加算部1043
整相加算部1043は、送信イベントに同期して被検体内の計算対象領域Bx内に存する複数の観測点について、観測点から各受信振動子が受信した受信信号列を整相加算して、音響線信号を生成する回路である。ここで、「計算対象領域Bx」とは、1回の送信イベントに同期して音響線信号を生成する領域である。そして、複数の送信イベントに同期して生成された複数の計算対象領域Bx内の観測点における音響線信号を合成することにより、1フレームの音響線信号を生成する回路である。ここで、「フレーム」とは、1枚の超音波画像を構築する上で必要な1つのまとまった信号を形成する単位をさす。1フレーム分の合成された音響線信号を「フレーム音響線信号」とする。送信イベントに同期して音響線信号が生成される計算対象領域Bxは、本実施の形態では、受信開口Rxの列中心を通り振動子列と垂直であって単一振動子幅の直線状の領域とした。しかしながら、計算対象領域Bxはこれに限定されるものではなく、超音波照射領域Axに含まれる任意の領域に設定してもよい。
図3に示すように、整相加算部1043は、遅延処理部10431、加算部10432、及び合成部10433を備える。以下、各部の構成について説明する。
図4は、整相加算部1043における観測点Pについての音響線信号生成動作を説明するための模式図である。送信開口Txから放射された送信波は、経路401を通って送信フォーカス点Fにて波面が集まり、拡散する中で観測点Pに到達し、観測点Pで音響インピーダンスに変化に応じて反射波を生成し、その反射波がプローブ101における受信開口Rx内の受信振動子Riに戻る。送信フォーカス点Fを経由した任意の観測点Pまでの経路401+402の長さ、及び観測点Pから各受信振動子Riまでの経路403の長さは幾何学的に算出することができる。
i)遅延処理部10431
遅延処理部10431は、受信開口Rx内の受信振動子Riに対する受信信号の列から、計算対象領域Bx内の複数の観測点Pについて、各観測点Pと受信振動子Ri各々との間の距離の差を音速値Csで除した受信振動子Ri各々への反射超音波の到達時間差(遅延量)により補償して、観測点Pからの反射超音波に基づく各受信振動子Riに対応する受信信号として同定する回路である。音速値Csは、その音速値Csを適用する観測点Pが存在する描画領域Ciごとに音速値設定部1045より出力される。描画領域Ci及び音速値Csの設定方法については後述する。
図4に示すように、遅延処理部10431は、送信イベントに同期して、受信振動子Riの位置を示す情報と観測点Pの位置を示す情報とに基づき、観測点Pから各受信振動子Riまでの経路の長さを幾何学的に算出する。そして、観測点Pから各受信振動子Riまでの経路長の差diを音速値Csで除して、任意の観測点Pから各受信振動子Riに到達する反射量音波の到達時間の遅延量tiを各受信振動子Riについて算出する。そして、各受信振動子Riに対応する受信信号の列から、各受信振動子Riに対する遅延量tiを補償した到達時間に対応する受信信号を観測点Pからの反射波に基づく受信信号として同定する。遅延処理部10431は、計算対象領域Bxに含まれる複数の観測点Pの全てについて、各受信振動子Riに対する遅延量tiを算出し受信信号の同定を行う。
ii)加算部10432
加算部10432は、遅延処理部10431から出力される各受信振動子Riに対応して同定された受信信号を入力として、それらを加算して、観測点Pに対する整相加算された音響線信号を生成する回路である。あるいは、さらに、各受信振動子Riに対応して同定された受信信号に、各受信振動子Riに対する重み数列(受信アボダイゼーション)を乗じて加算して、観測点Pに対する音響線信号を生成する構成としてもよい。この場合、重み数列は、受信開口Rxの列方向の中心に位置する振動子に対する重みが最大となるよう送信フォーカス点Fを中心として対称な分布をなすことが好ましい。重み数列の分布の形状は、ハミング窓、ハニング窓、矩形窓などを用いることができ、分布の形状は特に限定されない。
遅延処理部10431において受信開口Rx内に位置する各受信振動子Riが検出した受信信号の位相を整えて加算部10432にて加算処理をすることにより、観測点Pからの反射波に基づいて各受信振動子Riで受信した受信信号を重ね合わせて信号S/N比を増加し、観測点Pからの受信信号を抽出することができる。
1回の送信イベントとそれに伴う処理から、計算対象領域Bx内の全ての観測点Pについて音響線信号を生成することができる。そして、送信イベントに同期して送信開口Txを列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返してプローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行い、各送信イベントに同期して生成された計算対象領域Bxの音響線信号が送信イベント毎に合成部10433に漸次出力される。
iii)合成部10433
合成部10433は、送信イベントに同期して生成される計算対象領域Bxの音響線信号からフレーム音響線信号を合成する回路である。合成部10433は、計算対象領域Bx内の複数の観測点Pについて生成された音響線信号を加算部10432から送信イベントに同期して漸次入力し、音響線信号が取得された観測点Pの位置を指標として各観測点に対する音響線信号を重ねてフレーム音響線信号を合成する。上述のとおり、送信イベントに同期して送信振動子列(送信開口Tx)に用いる振動子を振動子列方向に漸次異ならせて超音波送信が順次行われる。そのため、異なる送信イベントに基づく計算対象領域Bxも送信イベントごとに同一方向に漸次位置が異なる。音響線信号が取得された観測点Pの位置を指標として重ねることにより、全ての計算対象領域Bxを網羅したフレーム音響線信号が合成される。
合成されたフレーム音響線信号は、判定部1044及び超音波画像生成部105に出力される。
(4)判定部1044
判定部1044は、被検体内の一部領域である描画領域Ci内の複数の観測点の中から各観測点に対する音響線信号に基づき選択された特定観測点Qiの音響線信号強度値と、描画領域Ci内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき、描画領域Ci内の観測点についての整相加算に用いる音速値Csを補正すべきか否か判定する回路である。
図5は、判定部1044の構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、判定部1044は、音響線信号保持部10441、領域設定部10442、特定観測点検出部10443、平均値算出部10444、評価値算出部10445、及び判定処理部10446を備える。以下、判定部1044を構成する各部の構成について説明する。
i)音響線信号保持部10441
音響線信号保持部10441は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、半導体メモリ等で構成される。音響線信号保持部10441は、整相加算部1043により合成された1フレームの音響線信号を入力し保持する。
ii)領域設定部10442
領域設定部10442は、フレーム音響線信号が示す超音波画像の描画範囲であるフレームから、音速値を補正すべきか否かの判定に用いる複数種類の領域を設定する。判定に用いる領域には以下の3種類の領域からなる。
図6は、判定部1044において音速値を補正すべきか否かの判定をする単位領域である描画領域Ci(i=1〜5)を示す概略図である。描画領域Ciは、特定観測点を探索するサーチ領域Di(i=1〜5)の取りうる最大範囲を示す範囲であり、判定部1044では描画領域Ciごとに整相加算に用いる音速値Csを補正すべきか否かを判定する。本実施の形態では、描画領域Ciはフレーム音響線信号が示す超音波画像のフレームを被検体の深さ方向に複数に分割した領域とした。設定された描画領域Ciの位置情報は整相加算部1043に出力される。
図7は、判定部1044において音速値を補正すべきか否かの判定に用いる特定観測点を探索するサーチ領域Di(i=1〜5)を示す概略図である。特定観測点Qi(i=1〜5)とは、サーチ領域Di内の複数の観測点Pの中から各観測点に対する音響線信号に基づき選択された観測点をさす。本実施の形態とは、サーチ領域Di内において音響線信号の強度が最大である観測点を特定観測点Qiとした。しかしながら、特定観測点はこれに限定されるものではなく、例えば、サーチ領域Di内において音響線信号の示す輝度が最大である観測点や、音響線信号の強度や音響線信号の示す輝度が極大値を採る観測点としてもよい。
サーチ領域Diは、本実施の形態では、描画領域Ci内において描画領域Ci間の境界近傍を除いた範囲とした。複数の描画領域Ciから各々検出される特定観測点Qi同士が近接することを防止するためである。設定されたサーチ領域Diの位置情報は特定観測点検出部10443に出力される。
図8は、判定部1044において音速値を補正すべきか否かの判定に用いる描画領域Ci内の音響線信号の強度の平均値を算出するための複数の観測点が存在する平均値算出領域Ei(i=1〜5)を示す概略図である。本実施の形態では、平均値の算出方法は算術平均とした。しかしながら、平均値の算出方法は、他の平均値算出方法であってもよい。また、平均値に替えて、平均値算出領域Ei内の音響線信号の強度の中央値、最頻値を用いてもよい。
平均値を算出の対象となる複数の観測点は、特定観測点と被検体内の深さが等価である観測点とした。その場合、平均値算出領域Eiは、特定観測点を含む振動子列方向に平行な線状の領域となる。しかしながら、平均値算出領域Eiはこれに限定されるものではなく、特定観測点とその近傍を含む任意の形状の領域としてもよい。この任意の形状は、少なくとも特定観測点の描画領域Ciと同じ描画領域内であって特定観測点を含む領域である。例えば、平均値算出領域Eiは、特定観測点Qiと被検体内の深さが等価なラインを中心として又は深さが等価なラインを含む予め設定した所定の幅の中の領域としてもよい。あるいは、平均値算出領域Eiは、特定観測点Qiを中心とした一定距離内の領域としてもよい。設定された平均値算出領域Eiの位置情報は平均値算出部10444に出力される。
なお、特定観測点としてサーチ領域Di内の最大輝度点を用いた場合には、音響線信号の強度の平均値に代えて音響線信号の示す輝度の平均値を用いることが好ましい。
iii)特定観測点検出部10443
図5に戻り、特定観測点検出部10443は、サーチ領域Di内の各観測点の示す音響線信号の強度値を比較して、最大値を採る観測点を探索して、特定観測点を検出する。具体的には、領域設定部10442から出力されるサーチ領域Diの位置情報を入力として、音響線信号保持部10441内に保持されているフレーム音響線信号から、上記位置情報が示す範囲の観測点の音響線信号を検索し、音響線信号の強度がサーチ領域Di内の最大値を採る観測点を特定観測点Qiとして検出する。そして、特定観測点Qiの位置情報を整相加算部1043に、特定観測点Qiが示す音響線信号の強度値Max−iを評価値算出部10445に出力する。
iv)平均値算出部10444
平均値算出部10444は、平均値算出領域Ei内の各観測点の示す音響線信号の平均値Avg−iを算出する。具体的には、領域設定部10442から出力される平均値算出領域Eiの位置情報を入力として、音響線信号保持部10441内に保持されているフレーム音響線信号から、上記位置情報が示す範囲の観測点の音響線信号を検索し、平均値算出領域Ei内の平均値Avg−iを算出する。そして、音響線信号の平均値Avg−iを評価値算出部10445に出力する。
v)評価値算出部10445
評価値算出部10445は、描画領域Ci内の観測点についての整相加算に用いる音速値Csを補正すべきか否かの判定に用いる評価値Vl−iを算出する。具体的には、評価値算出部10445は、特定観測点検出部10443から出力される特定観測点が示す音響線信号の値Max−i、及び平均値算出部10444から出力される音響線信号の平均値Avg−iを入力として、
又は
により、描画領域Ciについての評価値Vl−iを算出する。そして、評価値Vl−iを判定処理部10446に出力する。
vi)判定処理部10446
判定処理部10446は、描画領域Ci内の観測点についての整相加算に用いる音速値Csを補正すべきか否か判定する。具体的には、判定処理部10446は、評価値算出部10445から出力される評価値Vl−iを入力として、評価値Vl−iが基準値以上である場合に描画領域Ci内の整相加算に用いる音速値Csi(i=1〜5)を補正すべきと判定し、基準値未満である場合に音速値を補正すべきでない判定する。そして、判定結果Jdg−iを音速値設定部1045に出力する。
(5)音速値設定部1045
図3に戻り、音速値設定部1045は、整相加算部1043における被検体内の一部領域である描画領域Ci内の観測点について、描画領域Ciごとに整相加算に用いる音速値Csiを設定し、整相加算部1043に出力する回路である。
図9は、超音波診断装置100の音速値設定部1045の構成を示す機能ブロック図である。音速値設定部1045は、補正音速値算出部10451、固定音速値設定部10452、及び音速値保持出力部10453を備える。以下、音速値設定部1045を構成する各部の構成について説明する。
i)補正音速値算出部10451
補正音速値算出部10451は、判定部1044が、描画領域Ci内の観測点の整相加算に用いる音速値Cs−iを補正すべきと判定をしたとき、特定観測点Qiに対する音響線信号を用いて描画領域Ciに対する補正音速値CsOpt−iを算出し音速値保持出力部10453に出力する。描画領域Ciにおける特定観測点Qiの位置情報は、判定部1044から整相加算部1043に出力される。補正音速値CsOpt−iの算出方法については後述する。
ii)固定音速値設定部10452
固定音速値設定部10452は、判定部1044が、描画領域Ci内の観測点の整相加算に用いる音速値Cs−iを補正すべきでないと判定をしたとき、描画領域Ciに対する固定音速値CsFix−i(第2の固定値)を設定し音速値保持出力部10453に出力する。また、描画領域Ciにおける特定観測点Qiを検出するための仮の音響線信号を算出する整相加算を行う場合にも、固定音速値CsFix−i(第1の固定値)を設定し音速値保持出力部10453に出力する。固定音速値CsFix−iは、人体内にて取り得る音速値として1525m/s以上1545m/s以下であることが好ましい。本実施の形態では、固定音速値CsFix−iとして、人体内の標準的な音速値である1540m/sを用いる構成としている。しかしながら、描画領域Ciに適用される固定音速値CsFix−iはこれに限定されるものではなく、例えば、一の描画領域Ciに適用される固定音速値CsFix−iは、一の描画領域Ciを挟んで一の描画領域Ciに隣接する2つの描画領域Ci+1及び描画領域Ci−1に各々適用される音速値Csi+1又は音速値Csi−1の何れか一方である構成としてもよい。
あるいは、一の描画領域Ciに適用される固定音速値CsFix−iは、一の描画領域Ciを挟んで一の描画領域Ciに隣接する2つの描画領域Ci+1及び描画領域Ci−1に各々適用される音速値Csi+1及び音速値Csi−1の平均値等である構成としてもよい。
また、一の描画領域Ciが複数の描画領域からなる列の端部に位置する場合には、一の描画領域Ciに適用される固定音速値CsFix−iは、一の描画領域Ciに隣接する1つの描画領域Ci+1又は描画領域Ci−1に適用される音速値Csi+1又は音速値Csi−1の何れか一方である構成としてもよい。
iii)音速値保持出力部10453
音速値保持出力部10453は、描画領域Ciごとに整相加算に用いる音速値Cs−iを保持し、制御部108からの指示を受けて整相加算部1043に出力する。図10は、音速値保持出力部10453における音速出力方法を説明するための概略図である。
音速値保持出力部10453は、保持される音速値Cs−iは、補正音速値算出部10451より算出される補正音速値CsOpt−i(i=1〜5)、又は固定音速値設定部10452より設定される固定音速値CsFix−i(i=1〜5)の何れかであり、描画領域Ciごと設定され1枚の超音波画像が生成されるまでの時間保持される。音速値保持出力部10453は、各描画領域Ciごとの補正音速値CsOpt−i(又は、固定音速値CsFix−i)を被検体深さ方向に線形補間して被検体の各深さに連続して変化する補正音速値の出力値を算出し、整相加算部1043に出力する。
(6)補正音速値算出部10451の詳細について
次に、上述した補正音速値算出部10451の詳細について説明する。図11は、補正音速値算出部10451の構成を示す機能ブロック図である。図12は、補正音速値算出部10451における補正音速値算出方法を説明するための概略図である。
図11に示すように、補正音速値算出部10451は、音速試験値設定部104511、特定観測点音響線信号保持部104512、最大値検出部104513、及び補正音速値決定部104514を備える。
音速試験値設定部104511は、判定部1044から、描画領域Ci内の観測点の整相加算に用いる音速値Cs−iを補正すべきとの判定結果Jdg−iを取得したとき、音速試験値CsTst−iを整相加算部1043に出力する。音速試験値CsTst−iとは、描画領域Ciにおける特定観測点Qiを検出するための仮の音響線信号を算出する整相加算を行うための試験用音速値であり、図12に示すように、複数の音速値からなる。本実施の形態では、音速試験値CsTst−iは、1400m/sから1590m/sまで10m/sごとの20段階からなるm=1〜20の音速値とした。
整相加算部1043は、音速試験値CsTst−iと、判定部1044から整相加算部1043に出力される特定観測点Qiの位置情報とに基づき、各音速試験値CsTst−iを用いて整相加算して算出した特定観測点Qiにおける仮の音響線信号を生成し、特定観測点音響線信号保持部104512に出力する。
特定観測点音響線信号保持部104512はこれを保持する。最大値検出部104513は、特定観測点音響線信号保持部104512に保持される音響線信号の中から信号強度が最大である音響線信号を検出して、最大値が得られた音速試験値の水準を識別する識別情報mを補正音速値決定部104514に出力し、補正音速値決定部104514は最大値が得られたときの音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとして決定する。補正音速値CsOpt−iは、音速値保持出力部10453に出力される。
音響線信号の最大値が得られたときの音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとしたのは、検査部位に適合した音速値を用いて整相加算されたときに観測点からの反射超音波に基づく受信信号が適切に整相加算されて音響線信号が最大化するためである。
<動作について>
以上の構成からなる超音波診断装置100の動作について説明する。
1.超音波検査時の動作の概要
図13は、超音波診断装置100における超音波検査時の制御方法を示すフローチャートである。
先ず、超音波検査開始後、第1回目のフレーム超音波画像の生成である場合には、kを初期化(ステップS101)する。
次に、ステップS102において、送信部1031は、プローブ101に存する複数の振動子101a中送信開口Txに含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるための送信信号を供給する送信処理(送信イベント)を行う。
次に、ステップS103において、受信部1041は、プローブ101での超音波反射波の受信から得た電気信号に基づき受信信号を生成し受信信号保持部1042に出力し、受信信号保持部1042に受信信号を保持する。プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信が完了したか否かを判定する(ステップS104)。完了していない場合にはステップS102に戻り、送信開口Txを列方向に漸次移動させながら送信イベントを行い、完了している場合にはステップS105に進む。
次に、ステップS105において、音速値設定部1045は、被検体内の超音波画像を生成すべきフレームの範囲において、描画領域Ciごとに描画領域Ci内の観測点について整相加算部1043における整相加算に用いる音速値Cs−iを設定し、整相加算部1043に出力する。音速設定処理(ステップS105)の詳細については後述する。
次に、ステップS106において、整相加算部1043は、被検体内の超音波画像を生成すべきフレームの範囲内に存する複数の観測点について、描画領域Ciごとに設定された音速値Cs−iを用いて観測点から各受信振動子が受信した受信信号列を整相加算して、上記フレームの範囲内に存する複数の観測点について1フレームの音響線信号を生成する。
次に、ステップS107において、超音波画像生成部105は、整相加算部1043から出力される1フレームの音響線信号に対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施して輝度変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことで1フレームの超音波画像(Bモード画像)を生成する。
次に、ステップS108において、表示部106は、超音波画像生成部105から出力される1フレームの超音波画像を表示画面に表示し、検査を終了する操作入力がされているか否かを判定し(ステップS109)、検査を終了する操作入力がされていない場合にはkをインクリメントして(ステップS110)ステップS101に戻り、終了する操作入力がされている場合には超音波検査を終了する。
2.音速設定処理
図14は、超音波診断装置100における音速設定処理(ステップS105)を示すフローチャートである。
先ず、超音波検査開始後、第1回目のフレーム超音波画像の生成であるか否かを判定(ステップS1051)する。
第1回目のフレーム超音波画像の生成でない場合(第2回目以後のフレーム超音波画像の生成である場合)には、音速値設定部1045は制御部108からの指示に基づき、前回のフレーム超音波画像の生成時に用いられ音速値保持出力部10453に保持されている音速値Cs−iを、現フレームにおける描画領域Ciの音速値Cs−iとして設定して(ステップS1052)、ステップS1057に進む。
第1回目のフレーム超音波画像の生成である場合には、音速補正の要否判定処理を行う(ステップS1053)。
ステップS1053では、固定音速値設定部10452は制御部108からの指示に基づき、固定音速値CsFix−i(第1の固定値)を描画領域Ciの音速値Cs−iに設定し音速値保持出力部10453に出力する。音速値設定部1045は、音速値保持出力部10453に保持されている固定音速値CsFix−iを描画領域Ciの音速値Cs−iとして整相加算部1043に出力し(ステップS10531)、整相加算部1043は、描画領域Ci内の観測点Pについて仮音響線信号を生成し(ステップS10532)、音響線信号保持部10441に出力する。
次に、特定観測点検出部10443は、描画領域Ci内のサーチ領域Di内の各観測点Pにおける音響線信号の強度値を比較して、音響線信号の最大値Max−iを採る観測点Pを探索して、特定観測点Qiを検出する(ステップS10533)。平均値算出部10444は、描画領域Ci内の平均値算出領域Ei内の各観測点の示す音響線信号の平均値Avg−iを算出する(ステップS10534)。そして、評価値算出部10445は、数式(1)又は数式(2)により、描画領域Ci内の観測点についての整相加算に用いる音速値Cs−iを補正すべきか否かの判定に用いる評価値Vl−iを算出し(ステップS10535)、判定処理部10446は、描画領域Ci内の観測点Pについての整相加算に用いる音速値Cs−iを補正すべきか否か判定する(ステップS10536)。
評価値Vl−iが基準値以上である場合には、判定処理部10446は、音速値Cs−iを補正すべきと判定し(ステップS10537)、補正音速値算出部10451は特定観測点Qiに対する音響線信号を用いて描画領域Ciに対する補正音速値CsOpt−iを算出し(ステップS1054)、補正音速値CsOpt−iを音速値保持出力部10453に出力する。音速値保持出力部10453は補正音速値CsOpt−iから描画領域Ciの音速値Cs−iを設定する(ステップS1055)。最適音速値算出の処理(ステップS1054)の詳細は後述する。
評価値Vl−iが基準値未満である場合には、補正音速値算出部10451は音速値を補正すべきでないと判定し(ステップS10538)、固定音速値設定部10452は制御部108からの指示に基づき、固定音速値CsFix−i(第2の固定値)を音速値保持出力部10453に出力する。音速値保持出力部10453は固定音速値CsFix−iを描画領域Ciの音速値Cs−iに設定する(ステップS1056)。
次に、音速値設定部1045は、音速値保持出力部10453に保持されている音速値を描画領域Ciの音速値Cs−iとして整相加算部1043に出力し(ステップS1057)、全ての描画領域Ciについて音速値Cs−iが設定されているか否かを判定し(ステップS1058)、設定されていない場合には描画領域Ciをインクリメントして(ステップS1059)ステップS1051に戻り、設定されている場合には音速設定処理を終了する。
3.最適音速値算出処理
図15は、超音波診断装置100における最適音速値算出の処理(ステップS1054)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS10541では、音速試験値設定部104511は、判定部1044から、描画領域Ciについて音速値Cs−iを補正すべきとの判定結果Jdg−iを取得したとき、例えば、1400m/sから1590m/sまでの変動範囲のうち、最小の音速試験値CsTst−iを設定し整相加算部1043に出力する。
次に、整相加算部1043は、音速試験値CsTst−iを用いて整相加算して算出した特定観測点Qiにおける仮の音響線信号を生成する(ステップS10542)。
次に、最大値検出部104513は、仮の音響線信号が特定観測点音響線信号保持部104512に保持されている音響線信号強度より大きいか否かを判定する(ステップS10543)。初回のステップS10543であって、保持されている音響線信号がない場合も同様の判定をする。
仮の音響線信号が特定観測点音響線信号保持部104512に保持されている音響線信号の強度以上である場合には、ステップS10542で音響線信号を生成したときに用いた音速試験値CsTst−iの識別情報mを補正音速値決定部104514に出力し保持させる(ステップS10544)。未満である場合には、現在の音速試験値CsTst−iが上記変動範囲における最大値であるか否かを判定する(ステップS10545)。最大値でない場合には、音速試験値CsTst−iを増加し(ステップS10546)、ステップS10542に戻る。最大値である場合には、補正音速値決定部104514に保持されている識別情報mが示す音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとして算出する(ステップS10547)。補正音速値CsOpt−iは、音速値保持出力部10453に出力される。
<評価試験>
1.特定観測点から算出した補正音速値の適否について
超音波診断装置100に至るための実験検討として、特定観察点Qiにおいて最大音響線強度Max−iを示した音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとし、算出した補正音速値CsOpt−iの適否について評価を行った。超音波診断装置100の動作から、描画領域Ciの整相加算に用いる音速値を補正すべきか否かを判定する動作を除外した実験としての動作条件である。
図16は、超音波診断装置100に至る検討において補正音速値の評価に用いたファントムの超音波画像である。ファントムの音速値は既定値1470±10m/sである。超音波画像のフレームは、振動子列方向に振動子列と同幅の描画領域C1〜C5により被検体深さ方向に5分割されている。描画領域C1〜C5内の観測点(point1〜5)は音響線強度が描画領域C1〜C5内で最大である特定観測点Q1〜Q5である。図17は、超音波診断装置100に至る検討における補正音速値の評価結果である。図16に示す特定観測点Q1〜Q5について音速試験値CsTst−iの水準を振って最大音響線強度Max−iを示した音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとして算出した結果である。本実験では、描画領域C1における特定観測点Q1、及び描画領域C5における特定観測点Q5において、算出された補正音速値CsOpt−iが、ファントムの既定値と大きく異なる異常値を示した。
このように、描画領域Ciの代表点として音響線強度が描画領域Ci内で最大である特定観測点Qiを選択し、最大音響線強度Max−iを示した音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとした場合に既定値と大きく異なる補正音速値CsOpt−iが算出される場合があることが確認された。この原因として、振動子列近傍における多重反射の影響、被検体内深部における反射超音波の強度低下、ブレードな低密度組織からなるスペックル部分での反射超音波の強度低下に起因する反射超音波受波の信頼性低下等が考えられる。
2.最適音速値による音速補正の適否について
超音波診断装置100に至るための実験検討として、音速値の補正の適否について、超音波診断装置100を用いてフレーム音響線信号に基づき超音波画像生成部105で生成したBモード画像を表示部106に表示させて確認した。
図18、図20は、超音波診断装置100における音速試験値による音響線信号の強度変化の評価に用いた超音波画像である。超音波画像のフレームは、振動子列方向に振動子列と同幅の描画領域C1〜C5により被検体深さ方向に5分割されている。描画領域C1〜C5内の観測点(point1〜4)は特定観測点Q1〜Q4である。このうち、特定観測点Q3、Q4(point3〜4)について、特定観測点Q3、Q4と被検体内の深さが等価な観測点について、振動子列と平行に、3水準の音速試験値CsTst−iを用いて音響線信号の強度を算出した。図19は、超音波診断装置100を用いて音速試験値CsTst−iの水準を振って算出した、特定観測点と被検体内の深さが等価な観測点の音響線信号の強度波形であり、(a)は図18における特定観測点Q3に関する結果、(b)は特定観測点Q4に関する結果である。
図19(a)に示すように、特定観測点Q3では、特定観測点Q3での音響線信号の強度値は急峻なピークを示し、ピークの高さは特定観測点Q3と被検体内の深さが等価な観測点での音響線信号の強度値の変動に対して約4倍以上の大きさがある。そして、3水準の音速試験値CsTst−iを用いて算出した音響線信号の強度は、特定観測点Q3付近において異なる値を示した。
他方、図19(b)では、特定観測点Q4での音響線信号の強度値はピークを示す。特定観測点Q4のピークの付近の変動幅は被検体内の深さが等価な観測点での音響線信号の強度値の変動幅に対してほぼ同じ大きさを示す。そして、3水準の音速試験値CsTst−iを用いて算出した音響線信号の強度は、特定観測点Q4付近において重なっており、ほぼ同一の値を示した。
図21は、超音波診断装置100を用いて音速試験値の水準を振って算出した、図20における特定観測点Q1、Q4の音響線信号の強度変化を示した結果である。
図21に示すように、特定観測点Q1では、20水準の音速試験値CsTst−iを用いて算出した音響線信号の強度は、中央部分にピークを有する中凸形状を示し、音速試験値CsTst−iが約1470m/sにおいて音響線信号の強度は最大値を示す。他方、20水準の音速試験値CsTst−iを用いて算出した特定観測点Q4での音響線信号の強度は平坦な形状を示し、明確な音響線信号の強度は最大値を示す音速試験値CsTst−iは特定できない結果となった。
以上の結果から、音響線信号の強度値が急峻なピークを示す特定観測点Q3(図18)、Q1(図20)では、特定観測点Q3、Q1付近の音響線信号の強度は音速試験値が変動したとき、特定観測点Q3、Q1付近において異なる値を示すことが確認された。このような場合には、音響線信号の最大値が得られたときの音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとし、この補正音速値CsOpt−iを用いて整相加算することにより音響線信号を最大化することができる。すなわち、観測点からの反射超音波に基づく受信信号が適切に整相加算されて音響線信号が最大化され、検査部位に適合した補正音速値が算出され、検査部位に適合した補正音速値を算出する処理が有効に作用する。
これに対し、音響線信号の強度値が明確なピークを示さない特定観測点Q4(図18及び図20)では、音速試験値が変動したとき、特定観測点Q4における音響線信号の強度はほぼ同一の値を示すことが確認された。このような場合には、音響線信号の最大値が得られたときの音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとし、この補正音速値CsOpt−iを用いて整相加算しても音響線信号を最大化することができない。しかしながら、音速試験値が変動範囲全体にわたって、特定観測点Q4における音響線信号の強度はほぼ同一の値を示すことは、変動範囲内の音速試験値であればどのような音速値を用いても音響線信号の強度はほぼ同一の値を示すことを意味し、検査部位に適合した補正音速値を算出する処理は不要となると考えられる。
3.超音波診断装置100における音速値補正の要否判定機能の評価
超音波診断装置100における音速値補正の要否判定機能の適否について、フレーム音響線信号に基づき超音波画像生成部105で生成したBモード画像を表示部106に表示させて確認した。
図22は、超音波診断装置100による音速補正要否判定の評価結果であり、(a)は検査部位が腱、(b)は嚢胞、(c)は白質である場合の結果である。
実験では、各検査部位を描画領域C1〜C5に分割し、各々の描画領域Ci内で最大音響線強度Max−iを示す点を特定観察点Qiとした。そして、最大音響線強度Max−iと描画領域Ci内の平均値算出領域Ei内の平均音響線強度との比率から評価値Vl−iを算出した。
音速値補正の要否判定機能の評価では、特定観察点Qiにおいて最大音響線強度Max−iを示した音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとして各描画領域Ci内の観測点について整相加算を行い、生成した音響線信号から超音波画像を生成して、画質良化の有無を調べた。補正音速値CsOpt−iを適用して画質が良化した描画領域Ciを「◎」とし、画質が変化しない描画領域Ciを「○」とした。前者を「◎」で示したのは、この描画領域Ciでは、補正音速値CsOpt−iを用いることにより最上の画質が得られることに基づく。後者を「○」で示したのは、描画領域Ciでは、一定範囲(例えば、1400m/sから1590m/sまで)の音速試験値CsTst−iであれば画質が変化せず、どのような音速値を用いても一定以上の画質が得られることに基づく。
図22(a)、(b)及び(c)に示すように、評価値Vl−iが5.71以上であれば、補正音速値CsOpt−iを適用して描画領域Ciの画質が良化するという結果になった。したがって、描画領域Ciの評価値Vl−iが5.71以上であれば、描画領域Ciの整相加算に用いる音速値を補正すべきと判定をすることが好ましい。
他方、価値Vl−iが5.43以下であれば、補正音速値CsOpt−iを適用しても、描画領域Ciの画質が変化しないという結果になった。したがって、描画領域Ciの評価値Vl−iが5.43以下であれば、描画領域Ciの整相加算に用いる音速値を補正すべきでないと判定をすることが好ましい。
以上により、両者の中間値である5.5を閾値として、描画領域Ciの評価値Vl−iが閾値以上である場合には、描画領域Ciの整相加算に用いる音速値を補正すべきと判定し、評価値Vl−iが閾値未満である場合には音速値を補正すべきでないと判定する構成を採ってもよい。
これにより、描画領域Ciの代表点として音響線強度が描画領域Ci内で最大である特定観測点Qiを選択し、最大音響線強度Max−iを示した音速試験値CsTst−iを補正音速値CsOpt−iとした場合において、図17で示した例のように、既定値と大きく異なる補正音速値CsOpt−iが算出されることを抑制できる。
<効 果>
以上、説明したように本実施の形態に係る超音波診断装置100によれば、フレーム音響線信号が示す超音波画像の描画範囲であるフレームを複数に分割した描画領域Ciを設定し、描画領域Ciの代表点として描画領域Ci内で音響線強度が最大である特定観測点Qiを選択する。
そして、特定観測点Qiの音響線信号強度値と、描画領域Ci内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき、描画領域Ci内の観測点についての整相加算に用いる音速値Cs−iを補正すべきか否か判定する判定部を備えた。
さらに、判定部が、音速値を補正すべきと判定をしたとき、代表点として特定観測点Qiにおいて最大音響線強度Max−iを示した音速試験値CsTst−iを描画領域Ciに対する補正音速値CsOpt−iとする補正音速値算出部を備えた構成を採る。
上記した構成により、描画領域Ciの代表点である特定観測点Qiにおいてのみ整相加算を行うことで補正音速値CsOpt−iを算出できるので、簡易な演算処理によって整相加算に用いる補正音速値CsOpt−iを算出することができる。
さらに、特定観測点Qiの音響線信号強度値と、描画領域Ci内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき、描画領域Ci内の観測点Pについての整相加算に用いる音速値を補正すべきか否か判定するので、簡易な演算処理によって音速補正の要否を判定でき、既定値と大きく異なる補正音速値CsOpt−iが算出されることを抑制できる。
そのため、整相加算に用いる音速値を補正すべきか否かの判定を超音波画像を生成する処理の中で行うことができ、検査効率を向上するとともに、検査時の機器操作を簡便にすることができる。その結果、超音波検査において、検査部位を変える度に異なる検査部位の組織に適合するための音速値キャリブレーションに伴う検査中断がなく、検査効率を向上するとともに、検査時の機器操作を簡便にすることができる。
<変形例1>
実施の形態に係る超音波診断装置100では、図6に示すように、描画領域Ciはフレーム音響線信号が示す超音波画像のフレームを被検体の深さ方向に複数に分割した領域とした。しかしながら、描画領域Ciの構成は、同一の音速値Csを用いて整相加算を行う観測点Pが存在する範囲であればよく、超音波画像の描画範囲であるフレーム内において適宜変更することができる。
図23は、変形例に係る描画領域Ciの態様を示す概略図である。変形例では、描画領域Ciはフレーム音響線信号が示す超音波画像のフレームを被検体の深さ方向と振動子列方向との各々においてマトリックス状に複数に分割した領域(C11〜C53)とした。これにより、被検体の深さ方向のみならず、振動子列方向においても描画領域Ciごとに検査部位の組織に適合した補正音速値を用いて整相加算を行い音響線信号を生成することができる。その結果、被検体の表面に沿った方向で組織の成分が異なる場合に画質を良化することができる。
なお、別の態様として、描画領域Ciはフレーム音響線信号が示す超音波画像のフレームを被検体の深さ方向と垂直な体表に平行な方向に複数に分割した領域としてもよい。
<変形例2>
実施の形態に係る超音波診断装置100では、音波検査開始後、第1回目のフレーム超音波画像の生成であるか否かの判定を行う。そして、第1回目のフレーム超音波画像の生成でない場合(第2回目以後のフレーム超音波画像の生成である場合)には、前回のフレーム超音波画像の生成時に用いられた音速値Cs−iを、現フレームにおける描画領域Ciの音速値Cs−iとして設定して整相加算を行う。または、第1回目のフレーム超音波画像の生成である場合には、音速補正の要否判定処理を行う構成とした。しかしながら、第1回目のフレーム超音波画像の生成でない場合であっても、例えば、操作パネルやプローブ101への付属ボタン等の操作入力受付手段に、検査者からの操作入力があった場合には、当該指示に基づいて音速補正の要否判定処理を行う構成としてもよい。
これにより、検査途中に検査対象部位が変更された場合等に、検査を継続しながら変更された検査部位の組織に適合した補正音速値を用いて整相加算を行い音響線信号を生成することができる。そのため、被検体の表面に沿った方向で組織の成分が異なる検査部位において、プローブを体表に沿って移動する検査などにおいて画質を良化することができる。また、異なる検査部位に適合するための音速値キャリブレーションを行う必要性から、検査部位を変える度に超音波検査を中断することがなく、検査効率を向上するとともに、検査時の機器操作を簡便にすることができる。
<変形例3>
実施の形態に係る超音波診断装置100では、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104の構成は、実施の形態に記載した構成以外にも、適宜変更することができる。
例えば、送信部1031は、実施の形態では、プローブ101に存する複数の振動子101aの一部に当たる送信振動子列からなる送信開口Txを設定し、超音波送信ごとに送信開口Txを列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う構成とした。
しかしながら、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う構成としてもよい。超音波送信を繰り返すことなく、一度の超音波送信で超音波照射領域Ax全域から反射超音波を受信できる。
また、実施の形態では、計算対象領域Bxは、受信開口Rxの列中心を通り振動子列と垂直であって単一振動子幅の直線状の領域とした。
しかしながら、計算対象領域Bxはこれに限定されるものではなく、超音波照射領域Axに含まれる任意の領域に設定してもよい。例えば、受信開口Rxの列中心を通り振動子列に垂直な直線を中心線とする複数の振動子幅の帯状の矩形領域としてもよい。また、超音波照射領域Axと相似の砂時計型の領域としてもよい。また、送信イベントごと設定される計算対象領域Bxが振動子列方向に重なるように設定してもよい。合成開口法により重なる領域の音響線信号を合成することにより生成される超音波画像のS/N比を向上できる。
<その他の変形例>
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下のような場合も本発明に含まれる。
例えば、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。例えば、本発明の超音波診断装置の診断方法のコンピュータプログラムを有しており、このプログラムに従って動作する(又は接続された各部位に動作を指示する)コンピュータシステムであってもよい。
また、上記超音波診断装置の全部、もしくは一部、またビームフォーミング部の全部又は一部を、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等の記録媒体、ハードディスクユニットなどから構成されるコンピュータシステムで構成した場合も本発明に含まれる。上記RAM又はハードディスクユニットには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置はその機能を達成する。
また、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1つのシステムLSI(Large Scale Integration(大規模集積回路))から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。なお、LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。上記RAMには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。例えば、本発明のビームフォーミング方法がLSIのプログラムとして格納されており、このLSIがコンピュータ内に挿入され、所定のプログラム(ビームフォーミング方法)を実施する場合も本発明に含まれる。
なお、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。上記超音波診断装置の診断方法や、ビームフォーミング方法を実施させるプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。プログラムや信号を記録媒体に記録して移送することにより、プログラムを独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい、また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
上記実施形態に係る超音波診断装置では、記憶装置であるデータ格納部を超音波診断装置内に含む構成としたが、記憶装置はこれに限定されず、半導体メモリ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、磁気記憶装置、等が、超音波診断装置に外部から接続される構成であってもよい。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
また、超音波診断装置には、プローブ及び表示部が外部から接続される構成としたが、これらは、超音波診断装置内に一体的に具備されている構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、プローブは、複数の圧電素子が一次元方向に配列されたプローブ構成を示した。しかしながら、プローブの構成は、これに限定されるものではなく、例えば、複数の圧電変換素子を二次元方向に配列した二次元配列振動子や、一次元方向に配列された複数の振動子を機械的に揺動させて三次元の断層画像を取得する揺動型プローブを用いてもよく、測定に応じて適宜使い分けることができる。例えば、2次元に配列されたプローブを用いた場合、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって、送信する超音波ビームの照射位置や方向を制御することができる。
また、プローブは、送受信部の一部の機能をプローブに含んでいてもよい。例えば、送受信部から出力された送信電気信号を生成するための制御信号に基づき、プローブ内で送信電気信号を生成し、この送信電気信号を超音波に変換する。併せて、受信した反射超音波を受信電気信号に変換し、プローブ内で受信電気信号に基づき受信信号を生成する構成を採ることができる。
また、各実施の形態に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。更に上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
≪まとめ≫
以上、説明したように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、複数の振動子が列設された超音波プローブが接続可能な超音波診断装置であって、前記複数の振動子から被検体に向けてなされた超音波送信に同期して、被検体内の複数の観測点について、各観測点から前記複数の振動子各々が受波した反射超音波に基づいて生成された受信信号を、前記各観測点と前記複数の振動子各々との間の距離の差を音速値で除して得た振動子各々への反射超音波到達時間の差で補償して加算することにより、前記複数の観測点に対する音響線信号を生成する整相加算部と、被検体内の一部領域内の複数の観測点の中から各観測点に対する音響線信号に基づき選択された特定観測点の音響線信号強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定する判定部と、前記判定部が前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記特定観測点に対する音響線信号を用いて前記一部領域に対する補正音速値を算出する補正音速値算出部とを備えた構成を採る。
係る構成により、簡易な演算処理によって整相加算に用いる補正音速値を算出することができる。また、簡易な演算処理によって音速補正の要否を判定でき、既定値と大きく異なる補正音速値が算出されることを抑制できる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記整相加算部は、予め定めた第1の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する仮音響線信号を生成し、前記判定部は、当該仮音響線信号に基づき前記特定観測点を選択し、前記特定観測点に関する仮音響線信号の強度値と前記一部領域内の複数の観測点の仮音響線信号の強度値とに基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定し、前記判定部が、前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記補正音速値算出部は前記補正音速値を算出し、前記整相加算部は前記補正音速値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成し、前記判定部が、前記音速値を補正すべきでないと判定をしたとき、前記整相加算部は、予め定められた第2の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成する構成であってもよい。
係る構成により、整相加算に用いる音速値を補正すべきか否かの判定を超音波画像を生成する処理の中で行うことができ、検査効率を向上するとともに、検査時の機器操作を簡便にすることができる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記特定観測点は、前記一部領域内の複数の観測点のうち音響線信号の強度値が最大である観測点である構成であってもよい。また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記判定部は、前記特定観測点に関する音響線信号の強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号の強度の平均値との比率に基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定する構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって整相加算に用いる補正音速値を算出するとともに音速補正の要否を判定できる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記音響線信号の強度の平均値算出の対象となる複数の観測点は、前記特定の観測点と被検体内の深さが等価である観測点である構成であってもよい。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記音響線信号の強度の平均値算出の対象となる複数の観測点は、前記特定観測点を中心とした一定距離内の領域の中にある観測点である構成であってもよい。また、別の態様では、前記音響線信号の強度の平均値算出の対象となる複数の観測点は、前記特定観測点と被検体内の深さが等価なラインを中心として予め設定した所定の幅の中の領域内にある観測点である構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって精度よく音速補正の要否を判定できる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記判定部は、前記比率が基準値以上である場合に前記音速値を補正すべきと判定する構成であってもよい。また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記判定部は、前記比率が基準値未満である場合に前記音速値を補正すべきでないと判定する構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって既定値と大きく異なる補正音速値が算出されることを抑制できる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記判定部は、被検体内の複数の前記一部領域について前記音速値を補正すべきか否か判定する構成であってもよい。複数の前記一部領域はマトリックス状に配される構成であってもよい。
係る構成により、精度よく音速補正の要否を判定できる。また、被検体の深さ方向のみならず、振動子列方向においても描画領域Ciごとに検査部位の組織に適合した補正音速値を用いて整相加算を行い音響線信号を生成することができる。その結果、被検体の表面に沿った方向で組織の成分が異なる場合に画質を良化することができる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記第2の固定値は、1525m/s以上1545m/s以下である構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって適切に整相加算に用いる補正音速値を算出することができる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記複数の一部領域は、被検体の深さ方向に並んで領域設定されている構成であってもよい。また、別の態様では、一の描画領域に適用される第2の固定音速値は、前記一の描画領域を挟んで前記一の描画領域に隣接する2つの描画領域に各々適用される音速値の何れか一方である構成であってもよい。また、別の態様では、一の描画領域に適用される第2の固定音速値は、前記一の描画領域を挟んで前記一の描画領域に隣接する2つの描画領域に各々適用される音速値の平均値である構成であってもよい。 係る構成により、簡易な演算処理によって精度よく補正音速値を算出することができる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記補正音速値算出部は、前記音速値を予め定めた範囲内で異ならせて前記特定観測点に対する音響線信号を複数回生成し、音響線信号強度が最大となったときの音速値を前記補正音速値とする構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって検査部位の組織に適合した補正音速値を算出することができる。
また、本実施の形態に係る超音波診断装置の制御方法は、超音波プローブに列設された複数の振動子から被検体に向けてなされた超音波送信に同期して、被検体の一部領域内の複数の観測点について、各観測点から前記複数の振動子各々が受波した反射超音波に基づいて受信信号を生成し、当該受信信号を前記各観測点と前記複数の振動子各々間の距離差を予め定めた第1の固定値からなる音速値で除して得た振動子各々への反射超音波到達時間の差で補償して加算することにより、前記複数の観測点に対する音響線信号を生成し、各観測点に対する音響線信号に基づき前記一部領域内の複数の観測点から前記特定観測点を選択し、前記特定観測点に関する音響線信号強度値と前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき前記音速値を補正すべきか否か判定し、前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記特定観測点に対する音響線信号を用いて前記一部領域に適した補正音速値を算出し、前記補正音速値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成し、前記音速値を補正すべきでないと判定をしたとき、予め定めた第2の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成する構成を採る。
係る構成により、簡易な演算処理によって、整相加算に用いる補正音速値を算出することができる。また、簡易な演算処理によって、音速補正の要否を判定でき、既定値と大きく異なる補正音速値が算出されることを抑制できる。さらに、整相加算に用いる音速値を補正すべきか否かの判定を超音波画像を生成する処理の中で行うことができ、検査効率を向上するとともに、検査時の機器操作を簡便にすることができる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記特定観測点は、前記一部領域内の複数の観測点のうち音響線信号の強度値が最大である観測点である構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって整相加算に用いる補正音速値を算出することができる。
また、別の態様では、上記少なくとも何れかの構成において、前記特定観測点に関する音響線信号の強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号の強度の平均値との比率が基準値以上である場合に前記音速値を補正すべきと判定する構成であってもよい。簡易な演算処理によって音速補正の要否を判定でき、既定値と大きく異なる補正音速値が算出されることを抑制できる。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。なお、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
本開示にかかる超音波信号処理装置、超音波診断装置、超音波信号処理方法、及びコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体は、従来の超音波診断装置の性能向上、特に画質向上として有用である。また本開示は超音波への適用のみならず、複数のアレイ素子を用いたセンサ等の用途にも応用できる。
101、201 プローブ
101a、201a 超音波振動子
102 マルチプレクサ部
103 送信ビームフォーマ部
1031 送信部
104 受信ビームフォーマ部
1041 受信部
1042 受信信号保持部
1043 整相加算部
10431 遅延処理部
10432 加算部
10433 合成部 1042 受信開口設定部
1044 判定部
10441 音響線信号保持部
10442 領域設定部
10443 特定観測点検出部
10444 平均値算出部
10445 評価値算出部
10446 判定処理部
1045 音速値設定部
10451 補正音速値算出部
104511 音速試験値設定部
104512 特定観測点音響線信号保持部
104513 最大値検出部
104514 補正音速値決定部
10452 固定音速値設定部
10453 音速値保持部
105 超音波画像生成部
106 表示部
107 データ格納部
108 制御部
202 受信ビームフォーマ部

Claims (21)

  1. 複数の振動子が列設された超音波プローブが接続可能な超音波診断装置であって、
    前記複数の振動子から被検体に向けてなされた超音波送信に同期して、被検体内の複数の観測点について、各観測点から前記複数の振動子各々が受波した反射超音波に基づいて生成された受信信号を、前記各観測点と前記複数の振動子各々との間の距離の差を音速値で除して得た振動子各々への反射超音波到達時間の差で補償して加算することにより、前記複数の観測点に対する音響線信号を生成する整相加算部と、
    被検体内の一部領域内の複数の観測点の中から各観測点に対する音響線信号に基づき選択された特定観測点の音響線信号強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定する判定部と、
    前記判定部が前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記特定観測点に対する音響線信号を用いて前記一部領域に対する補正音速値を算出する補正音速値算出部とを備えた
    超音波診断装置。
  2. 前記整相加算部は、予め定めた第1の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する仮音響線信号を生成し、
    前記判定部は、当該仮音響線信号に基づき前記特定観測点を選択し、前記特定観測点に関する仮音響線信号の強度値と前記一部領域内の複数の観測点の仮音響線信号の強度値とに基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定し、
    前記判定部が、前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記補正音速値算出部は前記補正音速値を算出し、前記整相加算部は前記補正音速値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成し、
    前記判定部が、前記音速値を補正すべきでないと判定をしたとき、前記整相加算部は、予め定められた第2の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成する
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記特定観測点は、前記一部領域内の複数の観測点のうち音響線信号の強度値が最大である観測点である
    請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
  4. 複数の振動子が列設された超音波プローブが接続可能な超音波診断装置であって、
    前記複数の振動子から被検体に向けてなされた超音波送信に同期して、被検体内の複数の観測点について、各観測点から前記複数の振動子各々が受波した反射超音波に基づいて生成された受信信号を、前記各観測点と前記複数の振動子各々との間の距離の差を音速値で除して得た振動子各々への反射超音波到達時間の差で補償して加算することにより、前記複数の観測点に対する音響線信号を生成する整相加算部と、
    被検体内の一部領域内の複数の観測点の中から各観測点に対する音響線信号に基づき選択された特定観測点の音響線信号強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定する判定部とを備え、
    前記判定部は、前記特定観測点に関する音響線信号の強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号の強度の平均値との比率に基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定す
    音波診断装置。
  5. 前記音響線信号の強度の平均値算出の対象となる複数の観測点は、前記特定の観測点と被検体内の深さが等価である観測点である
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記音響線信号の強度の平均値算出の対象となる複数の観測点は、前記特定観測点を中心とした一定距離内の領域の中にある観測点である
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  7. 前記音響線信号の強度の平均値算出の対象となる複数の観測点は、前記特定観測点と被検体内の深さが等価なラインを中心として予め設定した所定の幅の中の領域内にある
    観測点である
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  8. 前記判定部は、前記比率が基準値以上である場合に前記音速値を補正すべきと判定する
    請求項4から7の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  9. 前記判定部は、前記比率が基準値未満である場合に前記音速値を補正すべきでないと判定する
    請求項4から8の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  10. 前記判定部は、被検体内の複数の前記一部領域について前記音速値を補正すべきか否か判定する
    請求項1から9の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  11. 前記第2の固定値は、1525m/s以上1545m/s以下である
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  12. 前記複数の一部領域は、被検体の深さ方向に並んで領域設定されている
    請求項10に記載の超音波診断装置。
  13. 一の描画領域に適用される第2の固定音速値は、前記一の描画領域を挟んで前記一の描画領域に隣接する2つの描画領域に各々適用される音速値の何れか一方である
    請求項12に記載の超音波診断装置。
  14. 一の描画領域に適用される第2の固定音速値は、前記一の描画領域を挟んで前記一の描画領域に隣接する2つの描画領域に各々適用される音速値の平均値である
    請求項12に記載の超音波診断装置。
  15. 前記補正音速値算出部は、前記音速値を予め定めた範囲内で異ならせて前記特定観測点に対する音響線信号を複数回生成し、音響線信号強度が最大となったときの音速値を前記補正音速値とする
    請求項1から14の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  16. 超音波診断装置の制御方法であって、
    超音波プローブに列設された複数の振動子から被検体に向けてなされた超音波送信に同期して、被検体の一部領域内の複数の観測点について、各観測点から前記複数の振動子各々が受波した反射超音波に基づいて受信信号を生成し、当該受信信号を前記各観測点と前記複数の振動子各々間の距離差を予め定めた第1の固定値からなる音速値で除して得た振動子各々への反射超音波到達時間の差で補償して加算することにより、前記複数の観測点に対する音響線信号を生成し、
    各観測点に対する音響線信号に基づき前記一部領域内の複数の観測点から前記特定観測点を選択し、前記特定観測点に関する音響線信号強度値と前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき前記音速値を補正すべきか否か判定し、
    前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記特定観測点に対する音響線信号を用いて前記一部領域に適した補正音速値を算出し、前記補正音速値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成し、
    前記音速値を補正すべきでないと判定をしたとき、予め定めた第2の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成する
    超音波診断装置の制御方法。
  17. 前記特定観測点は、前記一部領域内の複数の観測点のうち音響線信号の強度値が最大である観測点である
    請求項16に記載の超音波診断装置の制御方法。
  18. 超音波診断装置の制御方法であって、
    超音波プローブに列設された複数の振動子から被検体に向けてなされた超音波送信に同期して、被検体の一部領域内の複数の観測点について、各観測点から前記複数の振動子各々が受波した反射超音波に基づいて受信信号を生成し、当該受信信号を前記各観測点と前記複数の振動子各々間の距離差を予め定めた第1の固定値からなる音速値で除して得た振動子各々への反射超音波到達時間の差で補償して加算することにより、前記複数の観測点に対する音響線信号を生成し、
    各観測点に対する音響線信号に基づき前記一部領域内の複数の観測点から前記特定観測点を選択し、前記特定観測点に関する音響線信号強度値と前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号強度値とに基づき前記音速値を補正すべきか否か判定し、
    前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記特定観測点に対する音響線信号を用いて前記一部領域に適した補正音速値を算出し、前記補正音速値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成し、
    前記音速値を補正すべきでないと判定をしたとき、予め定めた第2の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成し、
    前記特定観測点に関する音響線信号の強度値と、前記一部領域内の複数の観測点の音響線信号の強度の平均値との比率が基準値以上である場合に前記音速値を補正すべきと判定す
    音波診断装置の制御方法。
  19. 前記整相加算部は、予め定めた第1の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する仮音響線信号を生成し、
    前記判定部は、当該仮音響線信号に基づき前記特定観測点を選択し、前記特定観測点に関する仮音響線信号の強度値と前記一部領域内の複数の観測点の仮音響線信号の強度値とに基づき、前記音速値を補正すべきか否か判定し、
    前記判定部が、前記音速値を補正すべきと判定をしたとき、前記補正音速値算出部は前記補正音速値を算出し、前記整相加算部は前記補正音速値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成し、
    前記判定部が、前記音速値を補正すべきでないと判定をしたとき、前記整相加算部は、予め定められた第2の固定値を前記音速値として前記一部領域内の複数の観測点に対する音響線信号を生成する
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  20. 前記特定観測点は、前記一部領域内の複数の観測点のうち音響線信号の強度値が最大である観測点である
    請求項4又は19に記載の超音波診断装置。
  21. 前記特定観測点は、前記一部領域内の複数の観測点のうち音響線信号の強度値が最大である観測点である
    請求項18に記載の超音波診断装置の制御方法。
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