JP6586772B2 - 流体圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータから送り出される流体を制御部材で制御することにより流体の吐出量を調節する流体圧ポンプに関する。
上記のように構成された流体圧ポンプとして、特許文献1には、ロータの回転軸芯に沿って直線的に移動自在な制御部材(文献では弁スライダ)を備え、この制御部材を負圧によりロータの外周を覆う位置に突出させる技術が記載されている。
この特許文献1では、制御部材(弁スライダ)が、ロータの外周を取り囲む形状のシリンダを有するリング状に形成されている。制御部材は、複数のピストンロッドで支持されると共に、圧縮バネによりロータから離間する方向に付勢されている。このような構成において、ピストンロッドに負圧を作用させることで制御部材のシリンダをロータの外周を取り囲む位置まで変位させロータからの流体の吐出量の低減を実現する。
また、流体圧ポンプとして、特許文献2には、ロータに備えた複数の羽根の出没を可能にする制御部材(文献では可動部材)を、羽根の駆動軸に支持し、流体圧により制御部材を駆動軸の回転軸芯に沿って移動させる技術が記載されている。
この特許文献2では、制御部材(可動部材)が、底壁部と側壁部とを備えて椀状に構成され、底壁部に対して複数の羽根の挿通が可能となる溝が形成されている。駆動軸の突出端にはサーモワックスにより制御部材の位置を設定する部材を備えており、流体の温度が上昇するほど、制御部材を大きく移動させ、制御部材に対する羽根の突出量を増大させポンプの吐出量の増大を実現している。尚、この特許文献2では、サーモワックスを用いずに電磁式に制御部材を作動させる構成も示されている。
特表2009‐520899号公報 特開2009‐293578号公報
特許文献1、特許文献2に記載される流体圧ポンプは、車両においてエンジンの冷却水を循環するために構成されている。この種の流体圧ポンプは、制御部材の作動により流体の流量の調節が可能であるため、例えば、電動モータでロータを駆動するものと比較すると、故障が少なく、既存の流体圧ポンプとの置き換えも可能にするものである。
しかしながら、特許文献1に記載される構成は、制御部材を複数のピストンにより支持する構成であるため、部品点数が増大しやすく、大型化も招くものである。特に、各々のピストンの内端側が冷却水に接触し、外端側が大気に接触し、各々のピストンがハウジングに対して摺動する構成であるため、ピストンとハウジングとの間に配置されるシールのシール性能を高くすることが要求されることになる。
また、特許文献2に記載される構成は、特許文献1に記載される構成と比較して部品点数の低減が可能となるものの、水温に対応して冷却水の吐出量を調節するものであるため、吐出量を任意のタイミングで調節できないものであり改善の余地がある。
即ち、このような流体圧ポンプでは、大型化を抑制しつつ単純な構成で流体の吐出量の調節を任意に設定できることが求められる。
本発明の特徴は、ポンプ室、及び、このポンプ室に連通する吸入口と吐出口とが形成されたポンプハウジングと、
前記ポンプ室に回転自在に収容され、回転により前記吸入口から吸入した流体を前記吐出口に送り出すインペラを有するロータと、
前記ポンプ室のうち前記ロータの外周の渦室に配置され、前記ポンプ室から前記吐出口への流体の流れを許す開放位置と前記ポンプ室から前記吐出口への流体の流れを阻止する閉塞位置との間で作動する制御部材と、
前記制御部材を作動させる作動制御機構とを備え、
前記ポンプハウジングが、前記ポンプハウジングの内部の流体の圧力を、前記制御部材を前記閉塞位置に向けて作用させる第1流体圧室と、前記開放位置に向けて作用させる第2流体圧室とを備え、
前記作動制御機構が、
前記第1流体圧室と前記第2流体圧室との一方に対して前記ポンプハウジングの内部の高圧領域の流体の圧力を作用させる高圧連通路と、
前記第1流体圧室と前記第2流体圧室との他方に対して前記ポンプハウジングの内部で前記高圧領域より低圧となる低圧領域の流体の圧力を作用させる低圧連通路と、
流体の漏れにより前記第1流体圧室と前記第2流体圧室との圧力を均衡させることが可能なリーク流路と、
前記制御部材に対し前記低圧連通路から圧力が作用する方向と同じ方向に付勢力を作用させる付勢部材と、
前記低圧連通路と前記高圧連通路との何れか一方での流体の流れの遮断が可能な電磁弁とを備え
前記制御部材が、前記ロータの回転軸芯を中心にして回転自在に支持されると共に、前記制御部材が、前記ロータを取り囲む領域に配置される本体部と、前記本体部の外周から外方に突出する突出部と、回転に伴い前記吐出口から送り出される流体の流れを制御する流体制御部とを備えており、
前記ポンプハウジングにおいて前記本体部を取り囲む領域に形成された圧力室を前記突出部が仕切ることにより前記第1流体圧室と前記第2流体圧室とが形成されている点にある。
例えば、第1流体圧室に高圧連通路が連通し、第2流体圧室に低圧連通路が連通し、この低圧連通路に電磁弁を備え、付勢部材の付勢力を制御部材に対し開放位置に向けて作用するように構成したものでは次のように作動する。つまり、電磁弁により低圧連通路での流体の流れを許容した場合には、第1流体圧室に作用する圧力が、第2流体圧室に作用する圧力より高くなるため、第1流体圧室の圧力により付勢部材の付勢力に抗して制御部材を閉塞位置に作動させる。これとは逆に、電磁弁により低圧連通路の流れを遮断した場合には、リーク流路に流体が流れ第1流体圧室と第2流体圧室との圧力を均衡させ、付勢部材の付勢力により制御部材を開放位置に作動させる。
このように、外部から電力や流体を供給しなくとも、ポンプハウジングの内部の流体の圧力を利用して制御部材を閉塞位置と開放位置との間で作動させることが可能となる。しかも、制御部材を作動させるための専用のアクチュエータが不要であり、電磁弁は流体の流れを制御できれば良いため小型で済む。
従って、大型化を抑制しつつ単純な構成で流体の吐出量の調節を任意に設定できる流体圧ポンプが構成された。
また、制御部材が回転軸芯を中心に回転することにより、流体制御部がポンプ室から吐出口への流体の流れを制御することができる。また、制御部材の突出部を制御空間に嵌め込むことで第1流体圧室と第2流体圧室とを形成できる。更に、第1流体圧室と第2流体圧室との圧力の設定により、突出部に作用する圧力を制御部材に作用させて回転軸芯を中心に回転させることが可能となる。
本発明は、前記流体制御部が、前記圧力室に形成された前記吐出口と、前記制御部材の回転により前記吐出口と連通する位置又は連通しない位置に切り換えられるように前記突出部において前記ポンプ室の流体を当該突出部の外周壁に向けて送る吐出流路とを備えており、
前記第1流体圧室と前記第2流体圧室とのうち、前記付勢部材の付勢力が作用する方向と逆方向に流体の圧力を作用させる流体圧室に対して前記吐出流路の流体の圧力を作用させる前記高圧連通路が形成されても良い。
この構成では、制御部材の突出部に隣接する位置に第1流体圧室と第2流体圧室とが形成されているため、突出部に形成される吐出流路から分岐する形態で高圧連通路を容易に形成でき、この突出部を流体制御部に兼用することも可能となる。
第1実施形態で直進シュラウドが開放するウォータポンプの断面図である。 第1実施形態で直進シュラウドが閉塞するウォータポンプの断面図である。 回転軸芯に沿う方向視での直進シュラウドの形状を示す断面図である。 直進シュラウドが緩和部材に当接する状態の拡大断面図である。 閉塞位置での直進シュラウドと緩和部材との拡大断面図である。 緩和部材の一部を切り欠いた斜視図である。 直進シュラウドと弁体と筒状材とを示す分解斜視図である。 第1実施形態の変形例のウォータポンプの断面図である。 第2実施形態で直進シュラウドが開放するウォータポンプの断面図である。 第2実施形態で直進シュラウドが閉塞するウォータポンプの断面図である。 第3実施形態で直進シュラウドが開放するウォータポンプの断面図である。 第3実施形態で直進シュラウドが閉塞するウォータポンプの断面図である。 第4実施形態のウォータポンプの断面図である。 回転シュラウドが開放するウォータポンプの断面図である。 回転シュラウドが閉塞するウォータポンプの断面図である。 緩和部材の別実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明す
〔第1実施形態〕
図1〜3に示すように、ポンプハウジングHに対し軸受機構Bを介して回転自在にシャフト1を支持すると共に、シャフト1の内端に備えたロータ2をポンプハウジングHのポンプ室11に収容して流体圧ポンプとしてのウォータポンプが構成されている。
このウォータポンプは、車両に備えたエンジンの冷却水(流体の一例)を、エンジンとラジエータ等との間で循環させるために使用される。
シャフト1の外端に入力プーリ3を備えており、この入力プーリ3とエンジンのクランクシャフトに備えた出力プーリとに亘って駆動ベルト4が巻回されている。ロータ2は、ディスク2aに対して複数のインペラ2bを備えている。
ポンプハウジングHは、ポンプ室11が形成されるポンプ室形成部Haと、シャフト1を支持するシャフト支持部Hbとで構成されている。ポンプ室形成部Haには、ポンプ室11からシャフト1の回転軸芯X(ロータ2の回転軸芯と共通)に沿う方向に開放する吸入口12と、ポンプ室11からロータ2の外周に向けて開放する吐出口13とが形成されている。シャフト支持部Hbは、ポンプ室形成部Haのポンプ室11を閉塞する位置に配置され、連結ボルト15によって連結固定される蓋体16と、軸受機構Bを取り囲む位置に配置される筒状の軸受体17とを備えている。
ウォータポンプ(流体圧ポンプ)は、エンジンの外壁の一部をポンプ室形成部Haとしたものでも良い。この場合、ポンプ室形成部Haはエンジンの外壁と兼用される。
軸受機構Bは、シャフト1に形成された軸受部の外周に配置される複数のボール18と、この外周に配置されるアウターレース19とで構成され、このアウターレース19が軸受体17に内嵌する。また、軸受機構Bよりロータ2に近い位置でシャフト1とポンプハウジングHとの間にはメカニカルフィルタ5を備えている。
この構成から、エンジンの稼働時には、シャフト1とともにロータ2が回転するため吸入口12から冷却水(流体の一例)を吸入し、ロータ2の回転に伴いインペラ2bから作用する遠心力により冷却水を吐出口13から送り出す作動が行われる。
このウォータポンプでは、ポンプ室11が、ロータ2を収容するインペラ室11aと、このインペラ室11aの外周に形成される渦室11bとで構成されている。吐出口13は渦室11bにおいて旋回するように流れる冷却水を接線方向に送り出すように形成されている。
〔シュラウド〕
このウォータポンプでは、ロータ2から送り出される冷却水の水量を制御する制御部材として直進シュラウド20を備えている。この直進シュラウド20(制御部材)は、シャフト1の回転軸芯Xに沿って直線的に移動自在となるようにシャフト支持部Hbに支持され、この移動による位置調節により、冷却水の送り出し量の調節や、送り出しの遮断を実現する。
図7に示すように、直進シュラウド20は、ロータ2の外径より僅かに大きい内径となる筒状部21と、シャフト1の回転軸芯に対して直交する姿勢で筒状部21に一体形成された鍔状部22と、この鍔状部22の外端を折り曲げて筒状に形成したガイド部23とを備えている。回転軸芯Xに沿う方向視において、筒状部21は、インペラ室11aと渦室11bとの境界部分に配置される。直進シュラウド20は金属のプレス加工や絞り加工により製造されるものを想定しているが樹脂を用いて製造されるものでも良い。
シャフト支持部Hbには、回転軸芯Xを中心とする環状でポンプ室形成部Haと連通する圧力室Sが形成されている。この圧力室Sでは、回転軸芯Xを基準として圧力室Sの内側の内周壁までの距離(半径)が、回転軸芯Xを基準として直進シュラウド20の筒状部21の内周壁までの距離(半径)より僅かに小さく設定されている。また、回転軸芯Xを基準として圧力室Sの外側の内周壁までの距離(半径)が、回転軸芯Xを基準として直進シュラウド20のガイド部23の外周壁までの距離(半径)より僅かに大きく設定されている。
圧力室Sに対して直進シュラウド20を収容し、鍔状部22で圧力室Sを仕切ることにより第1流体圧室S1と第2流体圧室S2とが形成されている。更に、ガイド部23の外周には回転軸芯Xに沿う溝状にリーク流路Lとして機能する連通部23aが形成されている。尚、圧力室Sの外側の内周壁と直進シュラウド20のガイド部23の外周壁との間の隙間でも冷却水の流れを可能にするリーク流路Lが形成される。これらのリーク流路Lでは冷却水が漏れる状態での流動が許容される。
この構成では、回転軸芯Xに沿う方向において、ポンプ室11に隣接する位置に第2流体圧室S2が配置され、ポンプ室11から離間する位置に第1流体圧室S1が配置されている。このような配置により、圧力室Sの内部面に沿って鍔状部22とガイド部23とが移動自在となり、この移動により、筒状部21がロータ2の外周部を取り囲む位置と、ロータ2から分離する位置とに移動自在となる。
この直進シュラウド20には、後述するリリーフ弁RVを構成する筒状材29がスライド移動自在に外嵌しており、この筒状材29に一体形成されたフランジ部29Fが、鍔状部22に当接可能な位置に配置されている。このフランジ部29Fとシャフト支持部Hbとの間に付勢部材として圧縮型のコイルスプリング26が備えられている。このコイルスプリング26は直進シュラウド20を開放位置に移動させる付勢力を作用させると共にリリーフ弁RVを閉塞方向に作動させる付勢力を作用させる。
特に、直進シュラウド20の鍔状部22には複数の貫通孔22aが形成され、この鍔状部22において第2流体圧室S2に面する内面に対して筒状材29のフランジ部29Fが密着する位置関係で配置されている。
〔緩和部材〕
直進シュラウド20は、作動制御機構Cの制御により、図2,5に示す閉塞位置に達することで冷却水の流れを遮断する。このように冷却水を遮断する場合には、ウォータハンマー現象による衝撃を招くこともあり、この衝撃を抑制するための筒状部21が閉塞位置に達した場合に、筒状部21の先端縁21Tが当接する緩和部材28を備えている。
緩和部材28は、ゴムや柔軟な樹脂等の可撓性材料を用いて中空の環状に形成され、ポンプ室11の内壁を形成するポンプ室形成部Haの環状の凹部に嵌め込む状態で備えている。この緩和部材28は、図4〜6に示すように、筒状部21の先端縁21Tが当接する状態において内部空間28aを介してポンプ室11のインペラ室11aと、渦室11bとを連通させる複数の孔部28bが形成されている。
つまり、直進シュラウド20の作動に伴い筒状部21の先端縁21Tが閉塞位置に移動する際には、先端縁21Tと緩和部材28との間の間隙が低減するに伴い、吐出口13に送り出される冷却水の水量が絞るよう減じられる。緩和部材28は、弾性変形することにより絞り速度を緩めることになり、筒状部21の先端縁21Tが緩和部材28に当接する場合にも冷却水が瞬時に遮断されることはない。
この後に、図5に示すように直進シュラウド20が閉塞位置に達した状態では、緩和部材28の内部空間28aを押し潰すことになり、インペラ室11aと渦室11bの間での冷却水の流れが完全に遮断される。
また、直進シュラウド20が閉塞位置に達する以前に、図4に示すように筒状部21の先端縁21Tが緩和部材28に当接した状態では、緩和部材28に形成された孔部28bと内部空間28aとが、ポンプ室11のインペラ室11aから渦室11bへの流体の流れを許容する。このため直進シュラウド20が閉塞状態にある場合にインペラ室11aの圧力上昇を過剰に上昇させることがなく、ウォータハンマー現象による衝撃を招くこともない。
〔リリーフ弁〕
このウォータポンプでは、エンジンの稼働時にはシャフト1が継続的に回転するため、直進シュラウド20が閉塞位置に達した場合には、インペラ室11aの圧力が上昇し、このインペラ室11aの冷却水の圧力が過大に上昇することもある。
このような理由から、直進シュラウド20が閉塞位置に達しポンプ室11の圧力が上昇した場合に、ポンプ室11の圧力を吐出口13の方向に排出するリリーフ弁RVを筒状部21に備えている。
このリリーフ弁RVは、金属製の筒状材29の一部に周方向に沿う姿勢のスリット状のリリーフ開口29aを形成し、この筒状材29を筒状部21に対して回転軸芯Xに沿う方向に移動自在に外嵌して構成されている。筒状部21には、筒状材29の移動時にリリーフ開口29aに連通する排出開口21aが形成されている。
この構成により第1流体圧室S1の圧力が第2流体圧室S2の圧力より上昇した場合には、この圧力が貫通孔22aを介して筒状材29のフランジ部29Fに作用する。これにより、筒状材29がコイルスプリング26の付勢力に抗して作動し、図5に示すように、リリーフ開口29aが排出開口21aと連通する位置に達する。この位置関係からポンプ室11の圧力を吐出口13に逃がし、ポンプ室11の圧力上昇を抑制する。
この構成のリリーフ弁RVでは、直進シュラウド20と筒状材29とが回転軸芯Xを中心にして相対的に回転することもある。この不都合を解消するため、図3,図7に示すように、筒状材29には2つのリリーフ開口29aを形成し、直進シュラウド20には4つの排出開口21aを形成している。これにより、筒状材29がスライド移動した場合には、直進シュラウド20と筒状材29との相対回転姿勢に拘わらず、リリーフ開口29aが排出開口21aに対して必ず重複する位置関係となる。この構成では、筒状材29がスライド作動した場合には、リリーフ開口29aと排出開口21aとが重複する開口面積が決まった値となるように各々の周方向での長さが設定されている。
〔作動制御機構〕
このウォータポンプでは、ポンプ室11における冷却水の圧力と、吸入口12における冷却水の圧力との圧力差を利用して直進シュラウド20の作動を制御する作動制御機構Cを備えている。
作動制御機構Cは、圧力の作用により直進シュラウド20を閉塞位置の方向に作動させる第1流体圧室S1と、圧力の作用により直進シュラウド20を開放位置の方向に作動させる第2流体圧室S2とを備えている。また、作動制御機構Cは、第1流体圧室S1にポンプ室11の冷却水の圧力を作用させる高圧連通路31と、第2流体圧室S2に対して吸入口12の冷却水の圧力を作用させる低圧連通路32と、低圧連通路32での流体の流れの遮断が可能な電磁弁35とを備えている。更に、隔壁部材25の内周面と、筒状部21の外周面との間の隙間で補助連通路33が形成されている。
この構成では、ポンプ室11が、ポンプハウジングHの内部の高圧領域に相当する領域であり、吸入口12が、高圧領域より低圧となる低圧領域である。
高圧連通路31は、筒状部21の内周面と、圧力室Sの内周面との間の間隙で構成されている。また、低圧連通路32はポンプハウジングHのうち、ポンプ室形成部Haにおいて吸入口12に連通する第1連通部32a、及び、ポンプ室形成部Haとシャフト支持部Hbとの境界に形成さる第2連通部32bを備えている。
電磁弁35は、第1連通部32aを連通状態と遮断状態とに切り換えることが可能なスプール35aと、このスプール35aを作動させる電磁ソレノイド35bとを備えている。この電磁弁35では、電磁ソレノイド35bへ電力を供給して低圧連通路32を連通させるように作動し、電磁ソレノイド35bに電力を供給しない状態で低圧連通路32を閉じる。
尚、電磁ソレノイド35bに供給する電力は、エンジンを制御するECU等により制御され、この制御時には、間歇信号のON時間を調節するデューティ制御により電磁ソレノイド35bに供給する電力を任意に設定して、低圧連通路32に流れる冷却水の水量の調節も可能に構成されている。
〔作動形態〕
この構成から、エンジンの始動時のように暖機を行う場合には、電磁弁35の電磁ソレノイド35bに電力を供給して、低圧連通路32での冷却水の流れを許容する。これにより、第1流体圧室S1に対して高圧連通路31から冷却水が供給されると共に、第2流体圧室S2から冷却水が低圧連通路32に排出される。
この状態では、第1流体圧室S1の圧力が第2流体圧室S2の圧力より高い状態に維持されるため、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との圧力差により、直進シュラウド20はコイルスプリング26の付勢力に抗して図2,4に示す閉塞位置に達し、ポンプ室11の冷却水は吐出口13に排出されることがない。
これとは逆に、エンジンの冷却を行うために直進シュラウド20を大きく開放する場合には、電磁弁35の電磁ソレノイド35bへの電力供給を停止する。これにより第1流体圧室S1に対して高圧連通路31から冷却水が供給され、第2流体圧室S2から冷却水が排出されない状態となる。
この状態では、第1流体圧室S1に供給された冷却水の一部が、ガイド部23の連通部23a(リーク流路L)と、ガイド部23の外周位置のリーク流路Lとを介して第2流体圧室S2に供給される。この供給により第1流体圧室S1との圧力と、第2流体圧室S2の圧力が均衡し、直進シュラウド20はコイルスプリング26の付勢力(第2流体圧室S2に作用する圧力)により図1に示す開放位置に達する。尚、この状態では、隔壁部材25の内周面と筒状部21の外周面との間の隙間状の補助連通路33からの冷却水も第2流体圧室S2に供給される。
特に、電磁ソレノイド35bに供給する電力をデューティ制御により調節することで電磁弁35の開度を任意に設定することも可能である。この設定により、低圧連通路32での冷却水の流動量に連係して直進シュラウド20の筒状部21の位置が決まり、ポンプ室11から吐出口13に対する冷却水の供給量の微妙な設定も可能となる。
このウォータポンプでは、前述した電磁弁35の構成により、例えば、電磁ソレノイド35bが断線した場合のように電磁弁35が作動不能に陥った場合にも、直進シュラウド20を開放位置に保持して冷却水の循環を可能にしてエンジンのオーバーヒートを抑制するように構成されている。
〔作動形態:閉塞状態での各部の機能〕
例えば、低圧連通路32が連通状態にあり、エンジンが高速で稼動する状況において、電磁弁35の制御で低圧連通路32での冷却水の流れを遮断した場合には、ポンプ室11の内部で流動する冷却水の流量が大きいため、第1流体圧室S1の圧力が急激に上昇して直進シュラウド20が高速に作動して閉塞位置に達することもある。
このように短時間で冷却水の流れが遮断された場合には、直進シュラウド20の筒状部21の先端縁21Tが閉塞位置に達する際には、緩和部材28が弾性変形することにより絞り速度を緩める状態で冷却水の水量を低減し、ウォータハンマー現象に起因する衝撃を抑制する。
また、筒状部21の先端縁21Tが緩和部材28に当接した状態では、図4に示すように、筒状部21を基準にしてポンプ室11のインペラ室11aと、筒状部21より外側の渦室11bとが緩和部材28の孔部28bと内部空間28aとを介して連通することにより、インペラ室11aの圧力上昇を抑制する。
また、直進シュラウド20が閉塞位置に達した直後のように、ポンプ室11の圧力が急激に上昇した場合には、第1流体圧室S1の圧力が第2流体圧室S2の圧力より上昇し、この圧力が貫通孔22aを介して筒状材29のフランジ部29Fに作用する。これにより、図5に示すように、リリーフ弁RVを構成する筒状材29がコイルスプリング26の付勢力に抗してスライドし、リリーフ開口29aが排出開口21aと連通する位置に達する。この位置に達することでポンプ室11の圧力を吐出口13に逃がし、ポンプ室11の圧力上昇を抑制する。
〔第1実施形態の変形例〕
この変形例は、図8に示すように、第1実施形態と基本的な構成が共通するものであり、直進シュラウド20のガイド部23を、第1実施形態と逆方向に突出させた点が第1実施形態と異なっている。
この変形例では、直進シュラウド20を開放位置に保持する場合には、圧力室Sの内壁にガイド部23の延出端が当接するため、この直進シュラウド20の位置決めが可能となり、直進シュラウド20の鍔状部22が圧力室Sの内壁(回転軸芯Xに沿う方向でロータ2の反対側の面)に密着する不都合も解消する。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、図9、10に示すように、ポンプ室形成部Haに圧力室Sを形成した点で第1実施形態と異なり、直進シュラウド20(制御部材)のガイド部23の形状が第1実施形態の変形例に共通する。尚、1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と共通する符号を付している。
この第2実施形態は、第1実施形態と同様に、圧力室Sを直進シュラウド20の鍔状部22で仕切ることにより第1流体圧室S1と第2流体圧室S2とが形成されている。作動制御機構Cも第1実施形態と同様となる。また、ガイド部23の外周面と、圧力室Sの内周面との間の隙間でリーク流路Lが形成される。尚、この実施形態では、リリーフ弁RVを構成する筒状材29が直進シュラウド20に対してスライド移動自在に内嵌する構成となる。
このような構成から、電磁弁35の電磁ソレノイド35bに電力を供給して、低圧連通路32での冷却水の流れを許容することで第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との間の圧力差により直進シュラウド20が図10に示す閉塞位置まで作動する。このように直進シュラウド20が閉塞位置に達した状態では、第1流体圧室S1の圧力が第2流体圧室S2の圧力より上昇した場合には、この圧力が貫通孔22aを介して筒状材29のフランジ部29Fに作用する。これにより、リリーフ弁RVを構成する筒状材29がコイルスプリング26の付勢力に抗してスライドし、リリーフ開口29aが排出開口21aと連通する位置に達する。この位置に達することでポンプ室11の圧力を吐出口13に逃がし、ポンプ室11の圧力上昇を抑制する。
これとは逆に、電磁弁35の電磁ソレノイド35bへの電力供給を停止することにより、低圧連通路32で冷却水が排出されず、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との圧力が均衡し直進シュラウド20は、コイルスプリング26の付勢力により図9に示す開放位置に達する。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、図11,12に示すように、圧力室Sが第1実施形態と同様の位置に配置されているが、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2とからの圧力の作用方向が逆であり、コイルスプリング26の付勢方向も逆である点が第1実施形態と異なる。尚、1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と共通する符号を付している。
また、この第3実施形態では、直進シュラウド20(制御部材)のガイド部23の形状が第1実施形態の変形例に共通するものであり、ガイド部23の外周面と、圧力室Sの内周面との間の隙間でリーク流路Lが形成される。第1流体圧室S1に低圧連通路32が接続し、第2流体圧室S2がポンプ室11に連通している。
特に、この第3実施形態では、電磁弁35の制御により低圧連通路32での冷却水の流れを許容することで、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との間の圧力差により、図11に示すように直進シュラウド20(制御部材)が開放位置まで作動する。これとは逆に、電磁弁35の制御により低圧連通路32で冷却水の流れを阻止することで、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との圧力が均衡し、図12に示すように直進シュラウド20はコイルスプリング26の付勢力により閉塞位置に達する。尚、この実施形態では、リリーフ弁RVを構成する筒状材29が直進シュラウド20に対してスライド移動自在に外嵌する構成となる。
また、第3実施形態では、直進シュラウド20のガイド部23に対してバネ受部材23bを備え、このバネ受部材23bと筒状材29のフランジ部29Fとの間にリリーフスプリング29bを備えている。そして、直進シュラウド20が閉塞位置に達した状態では、第1流体圧室S1の圧力が第2流体圧室S2の圧力より上昇した場合には、この圧力が貫通孔22aを介して筒状材29のフランジ部29Fに作用する。これにより、リリーフ弁RVを構成する筒状材29がリリーフスプリング29bの付勢力に抗してスライドし、リリーフ開口29aが排出開口21aと連通する位置に達する。この位置に達することでポンプ室11の圧力を吐出口13に逃がし、ポンプ室11の圧力上昇を抑制する。
この第3実施形態では第1実施形態と同様に電磁ソレノイド35bへの電力を供給することで低圧連通路32での冷却水の流れを許容し、電力を供給しないことで低圧連通路32での冷却水の流れを遮断する電磁弁35を用いることも可能である。しかしながら、この第3実施形態では、フェイルセーフの観点から電磁ソレノイド35bへ電力を供給することにより低圧連通路32での冷却水の流れを遮断し、電力を供給しないことで低圧連通路32での冷却水の流れを許容するものが用いられている。
〔第4実施形態〕
この第4実施形態は、図13〜15に示すように、制御部材としての回転シュラウド40が、ロータ2を取り囲む領域に配置されると共に、この回転シュラウド40が回転軸芯Xを中心に設定角度だけ回転自在に支持される構成と、作動制御機構Cの構成とが第1実施形態と異なる。尚、1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と共通する符号を付している。
回転シュラウド40は、ロータ2を収容するシュラウド本体41(本体部の具体例)に対し回転軸芯Xに沿う方向での一方に基端筒状部42が形成され、他方に先端筒状部43が形成されている。基端筒状部42をシャフト支持部Hbの軸受体17の外面にブッシュ7を介して外嵌し、先端筒状部43をポンプ室形成部Haの吸入口12の内面にブッシュ7を介して内嵌している。
シュラウド本体41の外周の2箇所には回転軸芯Xから離間する方向に突出する突出部45が形成され、各々の突出部45には、ポンプ室11と吐出口13とを結ぶ吐出流路45aが形成されている。
ポンプ室形成部Haには、ポンプ室11を取り囲む領域の2箇所に対して、回転軸芯Xを中心とする円弧状となる圧力室Sが形成され、この圧力室Sの外周側の壁部に連通するように吐出口13が形成されている。また、突出部45の外周壁とポンプ室11とを結ぶ領域に吐出流路45aが形成され、圧力室Sのうち突出部45の外周壁に向かい合う内周壁に開口するように吐出口13が形成されている。
この構成からポンプハウジングHに対する突出部45の回転位置の設定により、ポンプ室11と吐出口13とが連通する状態と、遮断する状態とが作り出され、これら突出部45と吐出流路45aと吐出口13との位置関係を含む構成により流体制御部が構成されている。
回転軸芯Xを基準として各々の圧力室Sの外周側の壁部までの距離(半径)が、回転軸芯Xを基準として回転シュラウド40の突出部45の外周側の壁部までの距離(半径)より僅かに大きく設定されている。
この構成から、突出部45が圧力室Sに嵌め込まれることにより、回転軸芯Xを中心とする周方向に第1流体圧室S1と第2流体圧室S2とが形成される。このように突出部45が圧力室Sに嵌め込まれた状態では、突出部45の外周側の壁部と、圧力室Sの外周側の壁部との間に隙間状にリーク流路Lが形成され、このリーク流路Lでは冷却水が漏れる状態での流動が許容される。特に、このリーク流路Lは吐出流路45aが連通する位置関係になるため、後述するように低圧連通路32での冷却水の流れが遮断された場合には、吐出流路45aの冷却水を、リーク流路Lを介して第2流体圧室S2に供給することも可能となる。
この第4実施形態のウォータポンプでは、作動制御機構Cとして、ポンプハウジングHに対して回転シュラウド40に対して、回転軸芯Xを中心とする回転力を作用させるため付勢部材としてのトーションスプリング52を備えている。このトーションスプリング52は、回転シュラウド40を図14に示す開放位置に回転させる付勢力を作用させる。
更に、作動制御機構Cとして、高圧連通路31と低圧連通路32と電磁弁35とを備えている。高圧連通路31は、回転シュラウド40の突出部45において、高圧領域となる吐出流路45aから分岐して第1流体圧室S1に連通する。低圧連通路32は、ポンプ室形成部Haにおいて、低圧領域となる吸入口12と第2流体圧室S2に連通する。電磁弁35は、電磁ソレノイド35bに対する電力の供給により低圧連通路32を連通させ、電力を供給しないことにより冷却水の流れを遮断するように構成されている。
〔作動形態〕
この構成から、エンジンの始動時のように暖機を行う場合には、電磁弁35の電磁ソレノイド35bに電力を供給して、低圧連通路32での冷却水の流れを可能にする。これにより、第1流体圧室S1に対して高圧連通路31から冷却水が供給されると共に、第2流体圧室S2から冷却水が排出される。
これにより、第1流体圧室S1の圧力が第2流体圧室S2の圧力より高い状態に維持されるため、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との圧力差により回転シュラウド40はトーションスプリング52の付勢力に抗して図15に示す閉塞位置に達し、ポンプ室11の冷却水は吐出口13に排出されることがない。
これとは逆に、エンジンの冷却を行うために回転シュラウド40を大きく開放する場合には、電磁弁35の電磁ソレノイド35bへの電力供給を停止する。この状態では、吐出流路45aの冷却水がリーク流路Lを介して第2流体圧室S2に供給される。これにより第1流体圧室S1の圧力と第2流体圧室S2の圧力とが均衡し、回転シュラウド40はトーションスプリング52の付勢力により図14に示す開放位置に達し、ポンプ室11の冷却水が吐出口13に排出される。
この第4実施形態においても、電磁ソレノイド35bに供給する電力をデューティ制御により調節することで電磁弁35の開度を任意に設定しても良い。この設定により、回転シュラウド40の回転位置を設定して冷却水が送り出される吐出流路45aに送られる冷却水の流量を任意に設定することも可能である。
〔第4実施形態の変形例〕
変形例として、第4実施形態と比較して、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との位置関係を逆に設定し、トーションスプリング52の付勢方向を逆向きに設定しても良い。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
(a)図16に示すように、緩和部材28として可撓性材料で成る中実リング状の部材を用いると共に、筒状部21の先端に当接する領域に対して、回転軸芯Xに沿う方向での高さが異なる凹凸状(波状)となる当接面28Sを形成する。このように凹凸状となる当接面28Sを形成することにより、筒状部21の先端縁21Tが緩和部材28に当接する場合にも、一部が接触した状態でも冷却水の流れを許容することが可能となる。
この後に、直進シュラウド20が閉塞位置に達した場合には、筒状部21の先端縁21Tが凹凸状の当接面28Sを押し潰し、インペラ室11aと渦室11bの間での冷却水の流れが完全に遮断される。尚、この別実施形態(a)の構成の変形例として、筒状部21の先端縁21Tを凹凸状に形成しても良い。
(b)緩和部材28は、ポンプハウジングHに支持されるものに代えて、筒状部21の先端に支持されるものであっても良い。
(c)本発明では、第1流体圧室S1と第2流体圧室S2との圧力差により制御部材(直進シュラウド20又は回転シュラウド40)を作動させるものであるため、低圧連通路32に代えて、高圧連通路31に対して電磁弁を備えても良い。
本発明は、ロータの回転により流体を円周方向の吐出口から送り出す流体圧ポンプに利用することができる。
2 ロータ
2b インペラ
11 ポンプ室
11b 渦室
12 吸入口
13 吐出口
20 制御部材・直進シュラウド
21 筒状部
22 鍔状部
23a 連通部(リーク流路)
26 付勢部材(コイルスプリング)
31 高圧連通路
32 低圧連通路
35 電磁弁
40 制御部材・回転シュラウド
41 シュラウド本体
45 突出部・流体制御部
45a 吐出流路
52 付勢部材(トーションスプリング)
C 作動制御機構
H ポンプハウジング
L リーク流路
RV リリーフ弁
S 圧力室
S1 第1流体圧室
S2 第2流体圧室
X 回転軸芯

Claims (2)

  1. ポンプ室、及び、このポンプ室に連通する吸入口と吐出口とが形成されたポンプハウジングと、
    前記ポンプ室に回転自在に収容され、回転により前記吸入口から吸入した流体を前記吐出口に送り出すインペラを有するロータと、
    前記ポンプ室のうち前記ロータの外周の渦室に配置され、前記ポンプ室から前記吐出口への流体の流れを許す開放位置と前記ポンプ室から前記吐出口への流体の流れを阻止する閉塞位置との間で作動する制御部材と、
    前記制御部材を作動させる作動制御機構とを備え、
    前記ポンプハウジングが、前記ポンプハウジングの内部の流体の圧力を、前記制御部材を前記閉塞位置に向けて作用させる第1流体圧室と、前記開放位置に向けて作用させる第2流体圧室とを備え、
    前記作動制御機構が、
    前記第1流体圧室と前記第2流体圧室との一方に対して前記ポンプハウジングの内部の高圧領域の流体の圧力を作用させる高圧連通路と、
    前記第1流体圧室と前記第2流体圧室との他方に対して前記ポンプハウジングの内部で前記高圧領域より低圧となる低圧領域の流体の圧力を作用させる低圧連通路と、
    流体の漏れにより前記第1流体圧室と前記第2流体圧室との圧力を均衡させることが可能なリーク流路と、
    前記制御部材に対し前記低圧連通路から圧力が作用する方向と同じ方向に付勢力を作用させる付勢部材と、
    前記低圧連通路と前記高圧連通路との何れか一方での流体の流れの遮断が可能な電磁弁とを備え
    前記制御部材が、前記ロータの回転軸芯を中心にして回転自在に支持されると共に、前記制御部材が、前記ロータを取り囲む領域に配置される本体部と、前記本体部の外周から外方に突出する突出部と、回転に伴い前記吐出口から送り出される流体の流れを制御する流体制御部とを備えており、
    前記ポンプハウジングにおいて前記本体部を取り囲む領域に形成された圧力室を前記突出部が仕切ることにより前記第1流体圧室と前記第2流体圧室とが形成されている流体圧ポンプ。
  2. 前記流体制御部が、前記圧力室に形成された前記吐出口と、前記制御部材の回転により前記吐出口と連通する位置又は連通しない位置に切り換えられるように前記突出部において前記ポンプ室の流体を当該突出部の外周壁に向けて送る吐出流路とを備えており、
    前記第1流体圧室と前記第2流体圧室とのうち、前記付勢部材の付勢力が作用する方向と逆方向に流体の圧力を作用させる流体圧室に対して前記吐出流路の流体の圧力を作用させる前記高圧連通路が形成されている請求項記載の流体圧ポンプ。
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