JP6586388B2 - 石英ガラスルツボ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は石英ガラスルツボ及びその製造方法に関し、詳しくは、引き上げられるシリコン単結晶インゴットのエアポケットの発生を抑制する石英ガラスルツボ及びその製造方法に関する。
シリコン単結晶の製造においては、例えばCZ法が用いられている。この方法は、石英ルツボ内に収容された原料であるシリコン融液の表面に種結晶を接触させ、石英ルツボを回転させるとともに、前記種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げ、種結晶の下端に単結晶インゴットを育成させるものである。尚、このシリコン単結晶の引き上げは、アルゴン雰囲気下で行われる。
このシリコン単結晶の製造において用いられる石英ガラスルツボは、カーボンルツボ内に収容され、前記カーボンルツボによって前記石英ガラスルツボの外周囲が保持されている。そして、前記石英ガラスルツボに対して、カーボンルツボの外側からヒータによって加熱し、石英ガラスルツボ内に収容されたポリシリコンを溶融、貯留するように構成されている。
この石英ガラスルツボについては、種々の課題を解決するために、色々な提案がなされており、例えば、特許文献1,2に示すように、ルツボ内表面に凹凸部を形成し、ルツボ内のシリコン融液表面の安定化及び沈静化(湯面振動の抑制)を図る提案等がなされている。
この石英ガラスルツボの技術的課題の一つに、引上げられたシリコン単結晶内にエアポケットが生じるという課題がある。
具体的に述べると、一般的な石英ガラスのルツボ内部にポリシリコンを充填する際、石英ガラスルツボの底部表面に、前記ポリシリコンが接触することによって、前記底部表面に欠け、凹み、クラック等の損傷を受け、ポリシリコン溶融開始時にパージされるアルゴンガスが前記損傷部に捕捉されることがある。そして単結晶引上げの際、この捕捉されたアルゴンガスの気泡が、前記欠け、凹み、クラック等の損傷部から脱離し、シリコン融液の対流等により単結晶引上げ界面に移動し、引上げられた単結晶内にエアポケットが生じる。
このエアポケットは、ウェーハをスライスした際に、穴、クボミ等となり、ウェーハの不良原因となるという課題があった。
この課題について、本出願人は、先に特許文献3に記載した発明を提案している。即ち、ルツボ内表面のうち底部の中心部分の領域にのみに結晶化促進剤からなる塗布層を形成することにより、ポリシリコンの接触によるルツボ内表面の欠け、凹み、クラック等の損傷部の発生を抑制することを提案している。
特開2000−327478号公報 国際公開第2011/074568号 特開2013−209227
しかしながら、特許文献3に記載された、ルツボ内表面のうち底部の中心部分の領域にのみに結晶化促進剤からなる塗布層を形成する発明にあっては、石英ガラスルツボ内部に原料であるポリシリコンをルツボに充填する際に、前記ポリシリコンが塗布された結晶化促進剤の塗布層に接触する虞がある。そして、剥離、脱落等した塗布層によって、石英ガラスの結晶化、特に、ルツボ内表面底部の結晶化にバラツキが生じるという虞があった。
そこで、本発明者らは、ポリシリコンの接触によるルツボ内表面の欠け、凹み、クラック等の損傷部の発生を抑制するため、結晶化促進剤からなる塗布層を形成する方法とは異なる新たな方法を鋭意研究した。
具体的には、ポリシリコンの接触によるルツボ底部表面の欠け、凹み、クラック等の損傷部の発生自体を抑制するのではなく、ルツボ底部表面に生じた損傷部を、シリコン単結晶引き上げ時までに消失させ、前記損傷部に取り込まれていたアルゴンガスの気泡を離脱、消滅させることを検討した。
その結果、ルツボ底部表面に形成された特定構造の凸部が前記損傷を受けた場合、単結晶引上げ開始前までに、前記損傷部がシリコン融液によって溶融、消滅し、捕捉されていたアルゴンガスを離脱することを知見し、本発明を想到するに至った。
尚、前記特許文献1,2のように、従来からルツボ内表面に凹凸部を形成する提案はなされている。しかしながら、前記提案はルツボ内の融解液表面の安定化及び沈静化(湯面振動の抑制)を目的とするものであり、本発明のように特定構造の凸部によって、前記損傷部によって捕捉されたアルゴンガスの気泡を消滅させ、シリコン単結晶インゴットに発生するエアポケットを抑制するものではない。
本発明は、石英ガラスルツボの内層表面の特定の範囲に、複数の特定構造の凸部を設けることによって、ルツボ底部表面の欠け、凹み、クラック等の損傷部に捕捉される気泡を消滅させ、引上げられるシリコン単結晶におけるエアポケットの発生を抑制した石英ガラスルツボを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた石英ガラスルツボは、シリコン単結晶引上げ用の石英ガラスルツボにおいて、ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域に、最大高さ1μm以上100μm以下の複数の凸部を有し、かつ、前記ポリシリコンの積載領域における、複数の凸部を含む表面粗さの算術平均粗さが、10μm以上50μm以下であることを特徴としている。
このように、ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域に、最大高さ1μm〜100μmの複数の凸部が形成され、かつ、複数の凸部を含む表面粗さの算術平均粗さが、10μm以上50μm以下であるため、投入されるポリシリコンが前記凸部に接触し、前記凸部は欠け、凹み、クラック等の損傷を受ける。
そして、前記欠け、凹み、クラック等の損傷部においてアルゴンガスが捕捉されるが、損傷部を有する凸部あるいは凸部表面が、単結晶引上げ開始前までにシリコン融液によって溶融され、前記損傷部が消滅し、捕捉されたアルゴンガス(気泡)が離脱(開放)される。その結果、単結晶引上げ中に気泡が前記損傷部から離脱することに起因する、シリコン単結晶へのアルゴンガス(気泡)の取り込みが抑制される。
また、前記凸部は、最大高さが10μm以上、100μm以下に形成されている。
前記凸部の最大高さが100μmを越える場合には、シリコン単結晶の引上げを開始するまでに、前記凸部全体が溶融せず、残存するため好ましくない。
また、前記凸部の最大高さが10μm未満である場合には、ポリシリコンが接触した際、まず、凸部が優先的に破壊されるが、高さが低いために凸部ではない凹部、すなわち隣り合う凸部と凸部の間のルツボ内層表面まで前記損傷部が到達し、残存するため好ましくない。
また、ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域内における、複数の凸部を含む表面粗さの算術平均粗さが、10μm以上50μm以下になされている。
前記複数の凸部を含む表面粗さの算術平均粗さが10μm未満の場合には、前記凸部の大きさが小さく、ポリシリコンが凸部ではない凹部、すなわち隣り合う凸部と凸部の間のルツボ内層表面に接触する虞があり、ルツボ内層表面に前記損傷部が残るため、好ましくない。
一方、前記複数の凸部を含む表面粗さの算術平均粗さが50μmを超える場合には、引上げ開始までに、前記凸部全体が溶融せず、残存する虞があり、前記損傷部が残るため好ましくない。
ここで、ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域は、ルツボ内層表面の底部中心から、ルツボ内径の少なくとも40%の領域であることが望ましい。
また、ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域は、ルツボ内層表面の底部中心から、ルツボ内径の多くとも90%の領域であることが望ましい。
前記内層表面の底部中心からルツボ内径の90%以下の領域は、ポリシリコンがルツボに投入(積載)される際、ポリシリコンが接触する領域であり、損傷を受けやすいためである。尚、前記内層表面の底部中心からルツボ内径の40%までの領域は引上げられるシリコン単結晶の直下であり、この領域には少なくとも凸部を設ける必要がある。
本発明は、石英ガラスルツボの内層表面の特定の範囲に、複数の特定構造の凸部を設けることによって、ルツボ底部表面の欠け、凹み、クラック等の損傷部に捕捉される気泡を消滅させ、引上げられるシリコン単結晶におけるエアポケットの発生を抑制した石英ガラスルツボを得ることができる。
図1は、本発明に係る石英ガラスルツボの模式的な断面図である。 図2は、損傷部に捕捉された気泡が離脱する様子を説明する模式的な断面図であって、(a)は本発明に係る石英ガラスルツボの場合、(b)は凸部が形成されていない石英ガラスルツボの場合を示す図である。 図3は、本発明に係る石英ガラスルツボを製造するための製造装置を示す模式的な断面図である。 図4は、ルツボの内表面底部の表面粗さ、最高高さの測定範囲を示す模式的な平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して、詳細に説明する。
図1に示すように、本発明に係る石英ガラスルツボ1は、下凸湾曲状の底部2と円筒状の側壁部3との間にアール状のコーナー部4を有し、断面が略U字状形状に形成されている。
この石英ガラスルツボ1は、内層5と外層6とを備えた2層構造であって、前記石英ルツボ1の内表面(内層5表面)の底部のポリシリコン積載領域7には、最大高さRyが1以上100μm以下の複数の凸部8を有し、前記ポリシリコンPの積載領域7における、複数の凸部8を含む表面粗さの算術平均粗さRaが、10μm以上50μm以下になされている。
尚、ポリシリコン積載領域7とは、石英ガラスルツボ1内にポリシリコンP収容した際、ポリシリコンPが接する底部内表面の領域をいう。
ポリシリコン積載領域7は、底部中心Oから、石英ガラスルツボ1の内径dの40%〜100%の直径D(図4参照)の領域である。
即ち、ポリシリコン積載領域7は、下限が底部中心Oから、石英ガラスルツボ1の内径dの40%の直径Dの領域であり、上限が底部中心Oから、石英ガラスルツボ1の内径dの100%の直径D(図4参照)の領域である。
シリコン単結晶引上げ時のシリコン融液の対流を考慮すると、少なくとも内表面(内層5表面)の底部中心Oから、前記内径dの50%の直径Dの領域に、形成されているのが好ましい。
ポリシリコンPが石英ガラスルツボ1に投入(積載)される際、ポリシリコンPはポリシリコン積載領域7に積載されるため、前記領域7にポリシリコンPが最も接触し、かつ前記領域7が損傷を最も受けやすいためである。
しかしながら、コーナー部4にポリシリコンPが投入(積載)され難いことを考慮すれば、前記ポリシリコン積載領域7が、内表面(内層5表面)の底部全体(100%)である必要はなく、好ましくは石英ガラスルツボ1の内径dの90%以下の直径Dの領域である。
尚、一般的には、石英ガラスルツボ(内層5の内表面の直径)は、内径dが800mmである場合、前記領域7は、内表面(内層5表面)の底部中心Oとした直径Dの少なくとも320mm(40%)の範囲とするのが好ましい。
次に、図2に基づいて、更に、凸部について説明する。
図2(a)に示すように、ポリシリコンPが前記凸部8に接触すると、欠け、凹み、クラック等の損傷部9(実線の斜線と点線の斜線で図示する)が凸部8に発生する。このとき、前記損傷部9の内部に、アルゴンガスGが捕捉される。尚、アルゴンガスGを捕捉した損傷部9は、点線の斜線で図示する。
しかしながら、前記損傷部9を有する凸部8あるいは凸部8表面が、単結晶引上げ開始前までにシリコン融液によって溶融され(図2(a)に示す仮想線Xまで溶融され)、前記損傷部9は消滅する。
即ち、損傷部9に捕捉されたアルゴンガス(気泡)Gが離脱(開放)される。その結果、単結晶引上げ中に気泡が離脱することに起因する、シリコン単結晶へのアルゴンガス(気泡)の取り込みが抑制される。
尚、単結晶引上げ開始前までにシリコン融液によって、前記凸部8全体が溶融され、消滅するのが好ましい。
一方、図2(b)に示すように、前記凸部8が設けられていない場合には、ポリシリコンPはルツボの内層5の表面と接触し、前記損傷部9が内層5の表面に発生する。このとき、前記損傷部9に、アルゴンガスGが捕捉される。
ここで、溶融シリコンの接触角からして、損傷部9の開放角θが87度より大きい角度θ1の場合には、損傷部9内に溶融シリコンが侵入し、シリコン単結晶引き上げ開始時までに、損傷部9に捕捉されたアルゴンガス(気泡)Gが離脱(開放)される。
しかしながら、損傷部9の開放角θが87度より小さい角度θ2の場合には、損傷部9内に溶融シリコンが侵入しない。そのため、損傷部9に捕捉されたアルゴンガス(気泡)Gは捕捉された状態が維持され、離脱(開放)されない。
そして、単結晶引上げ中に、振動等によって、捕捉された気泡が突然離脱し、シリコン単結晶へのアルゴンガス(気泡)が取り込まれることになる。
尚、図2(b)に示すように、ルツボの内層5の表面は溶融されるが、凸部8を溶融する場合に比べて、凸部8のように表面積が大きくないため、溶融し難い。その結果、引き上げ開始時までに、ルツボの内層5の表面が図2(b)に示す仮想線Xまで溶融されても、前記損傷部9が残存し、その内部に気泡が残ることになる。
また、前記凸部8の最大高さRyは10μm以上、100μm以下である。
前記凸部8の最大高さRyが100μmを越える場合には、引上げ開始までに、前記凸部8全体が溶融せず、残存するため好ましくない。
また、前記凸部8の最大高さRyが10μm未満である場合には、ポリシリコンPが接触した際、まず凸部8が優先的に破壊されるが、高さRyが低いために、前記損傷部9がツボ内表面まで到達し、好ましくない。
また、前記ポリシリコン積載領域7における、複数の凸部を含む表面粗さの算術平均粗さRaが、測定長さ2.0mmで、10μm以上50μm以下になされている。
前記複数の凸部8を含む表面粗さの算術平均粗さRaが10μm未満の場合には、前記凸部8形成された数が少なく、ポリシリコンPが凸部8ではなく、底部表面に優先的に接触するため、好ましくない。
一方、前記複数の凸部8を含む表面粗さの算術平均粗さRaが50μmを超える場合には、引上げ開始までに、前記凸部8全体が溶融せず、残存するため好ましくない。
次に、本発明にかかる石英ガラスルツボの製造方法について、図3に基づいて説明する。
石英ガラスルツボを製造するには、前記石英ガラスルツボ製造装置10を用いて、シリカ粉成形体を形成する。このシリカ粉成形体を製造するには、図示しない回転駆動源を稼働して回転軸15を矢印の方向に、ルツボ成形用型11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用型11内の上部の原料粉供給ノズル20から天然シリカ原料粉末を装填し、さらにその内表面に合成シリカ原料粉末を装填する。
初めに供給された天然シリカ原料粉末は、遠心力によってルツボ成形用型11の内側部材12に押圧され、一つの天然シリカ原料粉末層1bが形成される。
そして、この天然シリカ原料粉末に続いて、合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型11内に供給され、合成シリカ原料粉末は、遠心力によって天然シリカ原料粉末の層に押圧され一つの合成シリカ原料粉末層1aが形成され、全体としてルツボ形状の2層のシリカ粉成形体1が形成される。
その後、減圧機構18を作動させることにより、内側部材12に形成された貫通穴(図示せず)、通気部13、保持体14の開口部16、排気口17を介して、減圧機構18を動作させることにより、内側部材3内部の雰囲気を内周面から吸引し、減圧する。
続いて、カーボン電極19に通電してシリカ粉成形体1の内側から加熱し、シリカ粉成形体1を内側から順次溶融する。その後、冷却することにより、石英ガラスルツボとなす。
前記凸部8は、前記石英ガラスルツボとなした後に、ブラスト加工やローレット加工のような物理的処理によって形成しても良く、またケミカルエッチング(酸溶解処理)のような化学的処理により形成しても良い。
更には、2層のシリカ粉成形体1に、シリカ原料粉末を半融解状態で吹付け、シリカ粉成形体1のアーク溶融によって、前記石英ガラスルツボの形成と同時に、前記凸部8を形成しても良い。
更にまた、2層のシリカ粉成形体1の内層底部表面に、窒化ケイ素(SiN)懸濁液を塗布し、シリカ粉成形体1のアーク溶融によって前記石英ガラスルツボを形成するのと同時に、アーク溶融によって発泡させ、凸部8を形成しても良い。
ここで使用する窒化ケイ素粉末は、粒径0.1〜3.0μmが望ましい。また、窒化ケイ素懸濁液は、前記窒化ケイ素粉末を有機溶媒、例えば、エタノール、メタノールというようなアルコール類に0.035wt%〜0.045wt%で分散させたものを用いることが好ましい。
前記窒化ケイ素懸濁液は、ポリシリコン積載領域7を形成する範囲に対して、所定量噴霧され、例えば、ポリシリコン積載領域7が直径640mmの範囲である場合には、10mL〜50mLの噴霧されるのが好ましい。
尚、上記製造方法は、特に限定されるものではなく、特定構造の前記凸部を有し、かつ前記凸部を含む表面粗さの算術平均粗さRaが、10μm以上50μm以下となる石英ガラスルツボを製造できるものであれば良い。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[石英ガラスルツボの形成]
図3に示す製造装置を用いて、回転モールド法により、シリカ原料を堆積させ、内層及び外層を有するシリカガラス成形体を形成した。
ここで、前記シリカガラス成形体の口径は、外径が840mm、内径が805mmであり、シリカガラス成形体の内層5の厚さは5mm、外層の厚さは30mmとなるように、シリカ原料を堆積させた。
また、シリカガラス成形体の内層5には、高純度天然シリカ原料を使用し、シリカガラス成形体の外層には、不透明な天然質シリカガラス層を使用した。
[凸部の形成]
粒径1μmの窒化ケイ素粉末をアルコールに分散させ、0.040wt%の窒化ケイ素懸濁液を調製した。
前記、窒化ケイ素懸濁液20mLを、前記工程で形成したシリカガラス成形体の底部中心から直径640mmの範囲に噴霧した。
尚、噴霧量、噴霧位置を変えることにより、凸部の最大高さ、及び平均粗さ変化させた。
[アーク溶融法]
前記窒化ケイ素懸濁液が噴霧されたシリカガラス成形体に、通電時間20min、出力 2500A、水素雰囲気下でアーク溶融を行った。
このアーク放電により、噴霧した窒化ケイ素懸濁液とシリカガラス成形体が溶融する際に、窒素起因の微小泡が開放され、窒化ケイ素懸濁液噴霧部位に凸部が形成された石英ガラスルツボを作製した。
[表面解析]
測定装置として、表面粗さ計(サーフテストSJ-201P(Mitutoyo社製))を用いて、前記工程により作製した石英ガラスルツボの底部の表面解析を行った。
図4に示す石英ガラスルツボ平面図を用いて測定部分を定義する。石英ガラスルツボの底部中心Oとして、Aで示す直径30mmの円状範囲を底部中央とした。また、Bで示す直径150mmの円状範囲を底部中央からφ150mmとし、Cで示す直径300mmの円状範囲を底部中央からφ300mmとし、Dで示す直径600mmの円状範囲を底部中央からφ600mmとした。
そして、各範囲内における任意の箇所の最大高さ、及び平均粗さを測定した。この作業は10回行い、算出した平均値を表1に示す。
比較例
比較例1は、実施例の[凸部の形成]工程を除き、同じ方法で石英ガラスルツボを作製した。
比較例2は、実施例の[凸部の形成]工程を用いて、シリカガラス成形体の底部中心から直径640mmの範囲に、表1に示す凸部の最大高さ、及び平均粗さになるように凸部を形成した。
比較例3は、実施例の[凸部の形成]工程を用いて、シリカガラス成形体の底部中心から直径150mmの範囲に、表1に示す凸部の最大高さ、及び平均粗さになるように凸部を形成した。
参考例1は、実施例の[凸部の形成]工程を用いて、シリカガラス成形体の底部中心から直径300mmの範囲に、表1に示す凸部の最大高さ、及び平均粗さになるように凸部を形成した。
Figure 0006586388
各記実施例及び比較例の石英ガラスルツボに、同一条件下で、シリコン溶融液を投入し、シリコン単結晶インゴットを作製した。前記シリコン単結晶インゴットをスライスし、ウェーハを作製した。
そして、前記ウェーハについて、CCDカメラ及び赤外レーザー検出装置を用いて、各ウェーハの表面上及び肉中における中心からの距離別のエアポケット発生率を測定した。
Figure 0006586388
表2に示すように、本発明により、エアエアポケットの発生率が24%〜44%減少することが確認された。
1 石英ガラスルツボ
2 底部
3 側壁部
4 コーナー部
5 内層
6 外層
7 ポリシリコン積載領域
8 凸部
O ルツボの底部中心
A ルツボの底部中心Oからの直径30mm
B ルツボの底部中心Oからの直径150mm
C ルツボの底部中心Oからの直径300mm

Claims (3)

  1. シリコン単結晶引上げ用の石英ガラスルツボにおいて、
    ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域に、最大高さ1μm以上100μm以下の複数の凸部を有し、
    かつ、前記ポリシリコンの積載領域における、複数の凸部を含む表面粗さの算術平均粗さが、10μm以上50μm以下であることを特徴とする石英ガラスルツボ。
  2. ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域は、ルツボ内層表面の底部中心からルツボ内径の少なくとも40%の領域であることを特徴とする請求項1記載の石英ガラスルツボ。
  3. ルツボ内層表面の底部のポリシリコンの積載領域は、ルツボ内層表面の底部中心からルツボ内径の多くとも90%の領域であることを特徴とする請求項1または2記載の石英ガラスルツボ。
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