JP6585221B2 - 大型低速2ストロークエンジン内で使用され、焼入れ弁座を有する潤滑油インジェクタ及び製造方法 - Google Patents

大型低速2ストロークエンジン内で使用され、焼入れ弁座を有する潤滑油インジェクタ及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、潤滑油を大型低速2ストロークエンジン、例えば舶用ディーゼルエンジン又は発電所におけるガス若しくはディーゼルエンジンのシリンダに噴射するインジェクタに関する。本発明は又、かかるエンジンの製造方法及びかかるエンジンに関する。(なお、本明細書において、「潤滑油」と「潤滑剤」は同義であり、区別なく用いられる。)
大型低速2ストローク舶用ディーゼルエンジンの潤滑のため、数種類の互いに異なるシステムが存在し、かかるシステムとしては、シリンダライナ及び/又はピストン表面への直接的な潤滑油の噴射が挙げられる。商業的にスワール噴射原理(Swirl Injection Principle :SIP)と呼ばれる別の方法は、シリンダ内の掃気スワール中への潤滑剤の噴霧スプレーの注入を利用している。スワールの結果として、潤滑剤は、外方に押されて薄く且つ平らな層としてシリンダ壁に当たる。あらゆる場合において、潤滑剤噴射のタイミングは、極めて重要である。潤滑油インジェクタとも呼ばれている潤滑油噴射弁は、インジェクタハウジングを有する逆止弁であり、往復動弁部材、典型的にはニードル弁がこのインジェクタハウジング内に設けられている。例えばニードルチップを備えた弁部材は、正確なタイミングに従ってノズル孔に対する接近を止めたり可能にしたりする。かかる大型舶用エンジンでは、多数個のインジェクタがシリンダ軸線に垂直な平面内にシリンダ周りに円をなして配置され、各インジェクタは、チップ(先端)のところに設けられていて、潤滑剤ジェット又はスプレーを各インジェクタからシリンダ内に送り込む1つ又は2つ以上のノズル孔を有する。舶用エンジンの潤滑剤インジェクタの例が国際公開第02/35068号パンフレット、同第2004/038189号パンフレット、同第2005/124112号パンフレット、同第2012/126480号パンフレット、同第2012/126473号パンフレット、及び同第2014/048438号パンフレットに開示されている。
燃料の噴射のために往復動するニードルが収納された弁体を有する燃料インジェクタに関する一般的な原理は、自動車用エンジンから知られる。長年にわたり、独国特許第10013198号明細書、同第102005020143号明細書、欧州特許第1940577号明細書、同第2138705号明細書、米国特許出願公開第2011/133002号明細書、同第2014/203109号明細書、同第2015/083829号明細書に開示されているように焼入れ表面をかかる燃料弁の種々の部分に利用することが知られている。焼入れ表面は、かかるインジェクタ一般について知られているが、主要なものと考えられる焼き入れすべきコンポーネントについての明確な規則は存在しない。
しかしながら、燃料インジェクタと比較すると、条件及びかくして要件並びに動作パラメータは、潤滑油インジェクタについては異なっている。特に、潤滑油粘度は、ディーゼル又はガソリン燃料の粘度よりも高い。粘性潤滑油を25〜100barの範囲の圧力で高い精度を持って適時噴射する場合、インジェクタの性能に幾つかの極めて重要な要求が課され、燃料インジェクタとは異なる問題が伴う。これら互いに異なる条件及び要件に起因して、大型低速2ストローク舶用ディーゼルエンジンのための潤滑油インジェクタの開発は、自動車及びモータサイクル用エンジンのための燃料インジェクタとは別の道筋を辿っており、従って、2つの技術分野は、それぞれの専門家によって別々であるとみなされている。
潤滑油インジェクタの供給業者が直面している特定の課題のうちの1つは、燃料インジェクタの供給業者とは対照的に、油中の粒子に起因した摩耗の増大である。これは、周知の問題であり、油の洗浄によって、例えば、遠心力式油濾過器による技術的努力が行われている。しかしながら、インジェクタ自体を改良する技術的努力も行われている。この点に関し、焼入れ表面を潤滑油インジェクタのニードルに利用することが知られている。ニードルは、弁体のライナ内で往復動し、これに対し、ニードルは焼き入れされ、弁体はそうではない。潤滑油インジェクタ、特にSIPインジェクタに関するニードルとライナとの異種材料硬度を用いた場合の利点の背後にある理論は、ナム・ピー・スー(Nam P. Suh),「コンプレキシティ:セオリー・アンド・アプリケーションズ(Complexity: Theory and Applications)」,オックスフォード・ユニバーシティ・プレス(Oxford University Press),2005年のチャプター「7.2レビュー・オブ・フリクション・アンド・ウェアー・メカニズム(7.2 Review of Friction and Wear Mechanism)」に記載されており、滑り接触領域内に捕捉された粒子によるいわゆる「耕し機構(plowing mechanism)」が研究され、粒子が互いに異なる硬度の2つの表面相互間の軟質の材料中に押し込まれる場合を両方の表面の硬度が等しい場合と比較している。結論は、「したがって、2つの同種の材料が互いに対して摺動しているとき、摩擦係数は、異種材料が互いに対して摺動している場合よりも高く、その理由は、粒子が両方の表面に入り込み、入り込みの深さは、硬度が同一である場合に最も大きい」ということである。
環境保護に対する注目に起因して、舶用エンジンからのエミッションの減少に関する技術的努力が進行中である。これは又、かかるエンジンのための潤滑系統の着実な最適化を伴う。それにより、競争の激しさが増すと共に油消費量を減少させるという経済的観点が高められる。というのは、これは、船舶の運転費の相当な部分を占めるからである。かくして、SIPインジェクタを含む潤滑油インジェクタの精度及び寿命に関して着実な技術改良が要望されている。
焼入れ表面は、一般に、例えば米国特許出願公開第2005/252997号明細書及び同第2015/068471号明細書に開示されているようにピストン冷却のために用いられる潤滑油噴射弁用として開示されている。これらの場合、弁は、管を介してノズル孔に連結され、油は、ジェットとしてノズル孔から放出されてピストンの燃料燃焼側とは逆のピストンのクランクシャフト側のピストン表面に当てられる。これは、上述のSIP弁の使用とは極めて異なる原理であり、焼入れ弁についての一般的な言及は、ニードルが弁ライナ内で摺動し、ノズル孔を閉鎖するSIPインジェクタをどのように改良するかについての何らかの特定の検討をもたらすものではない。
国際公開第02/35068号パンフレット 国際公開第2004/038189号パンフレット 国際公開第2005/124112号パンフレット 国際公開第2012/126480号パンフレット 国際公開第2012/126473号パンフレット 国際公開第2014/048438号パンフレット 独国特許第10013198号明細書 独国特許第102005020143号明細書 欧州特許第1940577号明細書 欧州特許第2138705号明細書 米国特許出願公開第2011/133002号明細書 米国特許出願公開第2014/203109号明細書 米国特許出願公開第2015/083829号明細書 米国特許出願公開第2005/252997号明細書 米国特許出願公開第2015/068471号明細書
ナム・ピー・スー(Nam P. Suh),「コンプレキシティ:セオリー・アンド・アプリケーションズ(Complexity: Theory and Applications)」,オックスフォード・ユニバーシティ・プレス(Oxford University Press),2005年のチャプター「7.2レビュー・オブ・フリクション・アンド・ウェアー・メカニズム(7.2 Review of Friction and Wear Mechanism)」
したがって、本発明の目的は、当該技術分野における改良を提供することにある。具体的に言えば、大型低速2ストロークエンジン用の改良型潤滑油インジェクタを提供することが一目的である。SIPインジェクタを改良することが別の目的である。この改良は、特に、複数個のインジェクタに関する噴射の精度及び性能の一様性に関する。さらに、目的は、寿命の向上にある。かかる目的は、以下に記載する潤滑油インジェクタにより達成される。
特に、以下において詳細に説明するように、弁部材が摺動する滑り軸受のための焼入れ表面を用いる場合インジェクタが良好で一様な性能をもたらすことが判明した。また、ノズルのところの弁座用の焼入れ表面は、技術改良をもたらした。
既存のインジェクタでは、十分な且つ見かけ上適切な潤滑がシリンダライナ内に提供されているが、大々的な調査結果の示すところによれば、単一シリンダ内で一時的に群として稼働した同一の潤滑油インジェクタに関する性能の或る程度のばらつきが存在した。群をなすインジェクタの中には、比較的短期間の作動後に性能が変化したものがあれば、長い寿命を呈したものもあった。インジェクタの中には動かなくなったものがあれば、長い期間にわたって適性に働いているように見えるものもあった。油中の粒子に起因した普通の摩耗が予想されて極めてよく知られているが、性能の面で発見したばらつきは、通常の摩耗のせいだけではなかったと言える。
この理由で、この問題を解決するために種々の試験を実施して製造技術の変更に関して実験を行った。製造方式を変更して互いに対して摺動的に当接している弁部材及び滑り軸受の表面の両方を焼き入れして同一の表面硬度を生じさせ或いはこれら両方の表面を硬度を僅かな程度だけ異ならせたに過ぎないようにすることによって上述の問題を解決することができるということが判明した。これは、ニードル弁ステム及び滑り軸受がこれらの接触領域に沿って実質的に異なる硬度を備えていれば最善であるはずだという当該技術分野における考えとは異なっている。従来用いられている潤滑工学的理論が不正確であるということが判明していないが、それにもかかわらず、互いに対して摺動する2つの互いに衝合する焼入れ表面の使用により、顕著な改良が得られるということが判明した。寿命が全体的として延びることは、摩耗減少を原因とする場合があるが、同一に製造されたインジェクタの大幅な性能上のばらつきがなくなることはあり得ない。性能の向上の正確な理由は、知られていないが、片一方の表面ではなく、両方の表面の焼入れにより、寸法公差が改良した製品についてパラメータ上の一様性の向上が得られ又は寸法公差の維持の向上が得られるということが考えられる。この考えは、極めて一様な性能が観察され、長くなった寿命全体にわたって適性に機能していることに由来している。
大型低速2ストロークエンジンのシリンダ内に潤滑油を噴射する向上した特性を備えたインジェクタについて以下に説明する。代表的には、かかるエンジンは、機能的に潤滑油ポンプに連結された制御装置を有し、この潤滑油ポンプは、潤滑油を所定の油圧力レベルで提供するために潤滑油供給ラインによってインジェクタに連結され、この所定の油圧力レベルは、25〜100barの範囲内にあるレベルである。
インジェクタの典型的な使用は、舶用エンジン向きである。しかしながら、インジェクタは又、発電所で用いられる大型エンジンにも有用である。例えば、これらエンジンは、ディーゼル又はガス燃料を燃焼させる。
インジェクタは、エンジンシリンダのシリンダ壁内に設けられるよう構成されたインジェクタハウジングを有する。インジェクタハウジングは、インジェクタハウジングの一端のところに設けられていて、インジェクタハウジングがシリンダ壁内に設けられると、シリンダ内に達するノズルチップを有する。例えば、ノズルチップは、インジェクタハウジングの一体部分であるが、これは、必ずしもそうである必要はない。ノズルがノズルチップ内に設けられている。ノズルは、インジェクタハウジング内の内部キャビティからノズルチップの壁を貫通して延び、内部キャビティ内の潤滑油が高圧下で、代表的には、25〜100barの圧力下でスプレーをもたらすようノズルを通ってインジェクタハウジングから加圧放出されるようになっている。弁部材がインジェクタの開放状態と閉鎖状態との間でその長手方向軸線に沿って往復動摺動可能にインジェクタハウジング内に設けられている。弁部材は、ノズルへの潤滑油の接近を阻止するために閉鎖状態にあるときにノズルを密封的に覆い、弁部材は、油放出段階の際、内部キャビティからノズルへの潤滑油の接近を可能にするよう開放状態にある間、ノズルから遠ざかることができる。
一実施形態では、インジェクタハウジングは、第1の表面を備えた滑り軸受を有し、弁部材は、第2の表面を備えたステム弁棒を有し、第2の表面は、ステムが滑り軸受によってステムと滑り軸受との間の接触領域に沿って往復動可能に案内されるようにするために第1の表面に摺動可能に衝合した状態で設けられている。弁部材は、ステムの同軸長手方向延長部としてニードル弁を有する。ニードル弁は、ノズルチップに設けられた協働する弁座に当接したときにノズルを閉鎖するニードルチップを有する。例えば、インジェクタの原理は、単一のノズル孔については、国際公開第02/35068号パンフレット、同第2004/038189号パンフレット、又は同第2005/124212号パンフレットに記載されているようなものであり、又は、多数のノズル孔については、国際公開第2012/126480号パンフレットに開示されているようなものである。変形例として、インジェクタは、国際公開第2012/126473号パンフレットに開示されているインジェクタとほぼ同じである。他の実施例が先行技術に開示されている。
ステムの表面の高い硬度だけでなく、高い硬度を備えた滑り軸受を提供することによっても全体的な改良が達成される。この理由で、第1の表面と第2の表面の両方を表面焼き入れすることが有利である。変形例として、ステムは、最初から極めて硬質の材料、例えばセラミックで提供され、第1の表面である軸受の表面は、ステムが滑り軸受内で摺動する接触領域に沿って互いに衝合している硬質の表面を提供するために表面焼き入れされる。
オプションとして又は変形例として、弁座は、焼入れ表面を有する。この場合、ニードルチップは、表面焼入れによるかニードル弁が硬質材料、例えばセラミックとして提供されているかのいずれかに起因して硬質表面を有する。これに対応して、弁座も又、特にこれがインジェクタハウジングの一部である場合、表面焼き入れされる。ニードルチップと弁座の両方は、これに対応して硬質である。例えば、ニードル弁は、他の円筒形ニードル弁の端部のところに円錐形部分を有し、但し、端部は、変形例として円錐とは異なる状態にテーパしていても良い。別の変形例では、ニードルチップは、前側のほとんどの部分を形成すると共に弁座と密封的に協働するボールを有する。ロックウェルCスケール硬度(HRC)で表した弁座の有用な硬度は、少なくとも50、例えば少なくとも55又は少なくとも60である。
別の実施形態では、インジェクタハウジングは、ノズルチップ内に第1の表面を備えた円筒形キャビティ部分を有する。円筒形キャビティは、弁部材の往復運動方向と平行に延びている。ノズルは、第1の表面からノズルチップの壁を貫通して延びる。弁部材は、第2の表面を備えた円筒形の封止ヘッドを有し、第2の表面は、インジェクタが閉鎖状態にあるときにノズルを密封的に覆うようにするために第1の表面に摺動可能に衝合する状態で配置されている。例えば、インジェクタの原理は、国際公開第2014/048438号パンフレットに開示されているものである。
円筒形封止ヘッドの高い硬度だけでなく第1の表面であるキャビティ壁の表面と第2の表面である円筒形封止ヘッドの表面との間の接触領域に沿うキャビティ壁の高い硬度によって全体的な改良が達成される。この理由で、第1の表面と第2の表面の両方を表面焼き入れすることが有利である。変形例として、弁部材の円筒形封止ヘッドは、最初から極めて硬質の材料、例えばセラミックで提供され、キャビティ壁の表面は、円筒形封止ヘッドが円筒形キャビティ内で摺動する接触領域に沿って互いに衝合している硬質の表面を提供するために表面焼き入れされる。
かかる表面の表面硬化を利用することにより、例えばディーゼル又はガスを燃焼させる大型低速2ストロークエンジン、特に舶用エンジン又は発電所内におけるエンジンのための複数の同一の潤滑油インジェクタについて一様な長期間性能が向上する。焼入れは、インジェクタの製造中、第1の表面及び第2の表面について、弁座について、又は第1の表面及び第2の表面並びに弁座について実施される。オプションとして、ニードルチップも又、焼き入れされ、又は焼入れ材料の硬度に対応した硬質材料に設けられる。
本明細書において説明する目的のために表面焼き入れされる有用な材料は、炭素鋼又は低合金鋼である。有用な鋼は、形式ETG(登録商標)88のものである。かかる鋼は、0.42〜0.48%炭素、0.10〜0.30%珪素、1.35〜1.65%マンガン、0.04%未満の燐及び0.24〜0.33%の硫黄を含む。鋼の名称は、商標であるが、鋼は、或る含有量の化学元素を有すると共に容易に利用できるデータシートに従って不変のままである物理的性質を有する。
例えば、焼入れ方法は、鋼焼入れ方法として当該技術分野において一般的に知られている浸炭窒化、オプションとしてオーステナイト浸炭窒化によって鋼表面を焼き入れするステップを含む。適当な温度の一例は、約850℃である。浸炭窒化は、炭素及び窒素並びに微量の酸素を含むガス雰囲気内で実施される。一例は、0.5〜0.8%炭素及び0.2〜0.4%窒素が添加された雰囲気である。オプションとして、拡散後、コンポーネントを直ぐに油内に浸漬させる。別のオプションは、150〜200℃の温度での次の焼戻しである。
別の表面焼入れプロセスは、鋼焼入れ方法として当該技術分野において一般的に知られているガス窒化である。ガス窒化は、代表的には、約520℃で実施される。別の変形例は、ガス窒化に類似しているが、炭素ガスが添加される軟窒化である。焼入れ表面の層厚さは、プロセス中におけるガス組成の影響を受ける。先行技術における別のプロセスは、商標Corr‐I‐Dur(登録商標)及び種々の他の商標でも知られているガスフェライト軟窒化である。
ロックウェルCスケール硬度(HRC)で表されたETG88鋼の硬度は、28である。これは、かかる形式のインジェクタのハウジングに用いられる材料について代表的なものである。本明細書において説明する一般形式の先行技術のインジェクタでは、62のHRCまで焼き入れされたニードル弁が用いられた。これは、上述の値相互の2倍を超える相当な硬度の差である。HRC58の値までのハウジングの焼入れ後、ニードル弁と比較したハウジングの硬度の差は、(62−58)/62=6%である。これは、良好な実験結果を生じさせた。しかしながら、実験結果は、最も低い硬度を備えたコンポーネントの表面硬度が40%未満小さく、例えば30%未満又は20%未満小さく、又はそれどころか良好には10%未満小さい場合、同様に有効であると考えられる。第1又は第2の表面のうちの最も硬度の高い表面についての有用な硬度は、HRCが少なくとも50であり、例えば少なくとも55又は少なくとも60である。
焼入れ表面という表現は、表面がその下に位置するバルク材料よりも高い硬度を有していることを意味している。かかる焼入れ表面は、高度の製品一様性及び良好な寸法公差が得られるよう提供される。加うるに、寸法公差は、寸法変化が相当な程度まで生じるまで良好な寿命を有する。もう1つの利点は、場合によっては良好な寸法公差に起因した摩耗の減少である。これは、寿命にも影響を及ぼす。
図面を参照して本発明を詳細に説明する。
大型低速2ストロークエンジン、例えば舶用ディーゼルエンジンにおけるシリンダ潤滑系統を示す図である。 潤滑油インジェクタの第1の形式を示す図である。 潤滑油インジェクタの第2の形式を示す図である。 潤滑油インジェクタの第3の形式を示す図である。 焼入れステムを備えたインジェクタについての圧力測定結果を示す図である。 焼入れステム及び焼入れ滑り軸受を備えたインジェクタについての圧力測定結果を示す図である。 舶用ディーゼルエンジンのインジェクタの圧力測定値、即ち、このエンジンの第1のシリンダから得られた表を示す図である。 舶用ディーゼルエンジンのインジェクタの圧力測定値、即ち、このエンジンの第2のシリンダから得られた表を示す図である。
図1は、大型低速2ストロークエンジン、例えば舶用ディーゼルエンジンのシリンダの半分を示している。シリンダは、シリンダ壁3の内側に設けられたシリンダライナ2を有している。シリンダ壁3の内側には、複数個の潤滑油インジェクタ4が設けられており、これらインジェクタ4は、隣り合うインジェクタ相互間の角度距離が同一の状態で円に沿って分布して配置されている。インジェクタ4は、給油器ポンプ・制御装置システム11から潤滑油供給ライン9を通って潤滑油を受け取る。潤滑油の何割かは、潤滑油戻りライン10によってポンプに戻される。給油器ポンプ・制御装置システム11は、加圧潤滑油をエンジンのシリンダ1内のピストン運動と同期された正確にタイミングを取ったパルスの状態でインジェクタ4に供給する。同期のため、給油器ポンプ・制御装置システム11は、クランクシャフトの速度、負荷及び位置を含むエンジンの実際の状態及び動きに関するパラメータをモニタするコンピュータを含む。というのは、クランクシャフトは、シリンダ内におけるピストンの位置を明らかにするからである。
インジェクタ4の各々は、ノズル5を有し、小さな液滴7のスプレーがこのノズルから高圧下でシリンダ内に放出される。シリンダ1内における掃気のスワール9′は、スプレー8をシリンダライナ2に押し当て、その結果、シリンダライナ2上における潤滑油の均一な分布が達成される。この潤滑システムは、スワール噴射原理(SIP)として当該技術分野において知られている。ただし、他の原理も又、改良型インジェクタ、例えばシリンダライナの方へ差し向けられるジェットを有するインジェクタと関連して想定される。オプションとして、シリンダライナは、インジェクタからのスプレー又はジェットのための適当な空間を提供するための自由切れ目6を備えている。
図2aは、潤滑油インジェクタの第1の形式4aを示している。インジェクタの一般化された原理は、単一ノズル孔については、国際公開第02/35068号パンフレット、同第2004/038189号パンフレット、又は同第2005/124212号パンフレットに開示されている原理とほぼ同じであり、又は、多数のノズル孔については、国際公開第2012/126480号パンフレットに開示されている原理とほぼ同じである。これら特許文献は又、追加の技術的詳細並びにここで提供されているインジェクタの機能に関する説明を提供しており、これらについては、便宜上本明細書においては繰り返さない。
インジェクタ4aは、ノズルチップ13を備えたインジェクタハウジング12を有し、ノズルチップ13は、インジェクタハウジング12に一端のところで一体になっている。ノズル孔14′を備えたノズル14が潤滑油を放出するためにノズルチップ13内に設けられている。ノズル14は、ノズル孔14′からノズルチップ13の壁21を通ってインジェクタハウジング12の円筒形内部キャビティ15内に延びるダクト20を更に有している。弁部材16がインジェクタハウジング12の内側に設けられている。弁部材16は、滑り軸受13内で往復動可能に摺動可能に案内されるステム17を有し、滑り軸受23は、図示の実施形態では、インジェクタハウジング内の別個の静止部品である。ただし、滑り軸受は、インジェクタハウジング12の一部であっても良い。ステム17の同軸長手方向延長部として、ニードル弁18がインジェクタハウジング12の内部キャビティ15内に設けられている。ニードル弁18は、内部キャビティ15の直径よりも小さな直径を有し、その結果、ニードル弁18の端のところに設けられたニードルチップ22、例えば円錐形端部品がダクト20の第2の端のところに設けられた弁座19から引っ込められてダクト20が潤滑油を放出するノズル孔14′への潤滑油の流れを可能にするよう開かれると、潤滑油は、ニードル弁18に沿ってダクト20まで流れ、そしてノズル孔14′から流出することができるようになっている。弁部材16及びニードル弁18の位置は、弁部材の反対側の端に作用する適度のばね圧力によってノズルチップ13の方へ前方にあらかじめ動かされており、ニードル弁18を備えた弁部材16は、キャビティ15内における油圧力の増大によって後方にオフセットされて弁座19から遠ざけられる。これについては、本明細書において引用した先行技術文献において詳細に説明されている。
滑り軸受23と弁部材16のステム17との間の接触領域24に沿って、焼入れ表面がステム17及び滑り軸受23上に設けられており、その結果、2つの焼入れ表面は、接触領域24のところで互いに沿って摺動するようになっている。代替的に又はオプションとして追加的に、弁座19は、弁座19とニードル弁18のニードルチップ22との間の接触領域のところに焼入れ表面を有する。別のオプションとして、ニードルチップ22も又、焼入れ表面を有する。
図2bは、潤滑油インジェクタの第2の形式4bを示している。インジェクタの一般化された原理は、国際公開第2014/048438号パンフレットに開示された原理とほぼ同じである。これら特許文献は又、追加の技術的詳細並びにここで提供されているインジェクタの機能に関する説明を提供しており、これらについては、便宜上本明細書においては繰り返さない。
インジェクタ4bは、ノズルチップ13を備えたインジェクタハウジング12を有し、ノズルチップ13は、インジェクタハウジング12とその一端のところで一体である。ノズル孔14′が潤滑油の放出のためにノズルチップ13内に設けられている。インジェクタハウジング12のキャビティ15内には、弁部材16が設けられ、弁部材16は、ステム17及びインジェクタハウジング12のノズルチップ13のところに設けられた円筒形のキャビティ部分15′内に摺動可能に配置された円筒形封止ヘッド25を有する。弁部材16の位置は、ばね26によってノズルチップ13から後方に遠ざかってあらかじめ定められており、この位置は、油圧力がチャネル28を通ってステムの後側部分27に作用することによって前方にオフセットされており、油圧力は、ばね26の力に抗して作用する。ノズル孔14′は、封止ヘッド25によって摺動的に覆われ、この封止ヘッドは、弁部材16がもし前方に押されなければ、ノズルチップ13のところで円筒形キャビティ部分15′に当接し、その結果、封止ヘッド25は、ノズル孔14′を越えて滑ってこれから遠ざかり、それにより潤滑油が内部キャビティ15からノズル孔14′を通って放出可能に流れることができるようになっている。
内部キャビティ15の円筒形部分15′とこれに当接する円筒形封止ヘッド25との接触領域29のところに、内部キャビティ15の円筒形部分15′と封止ヘッド25の両方は、焼入れ表面を有している。
図2cは、潤滑油インジェクタの第3の形式4cを示している。インジェクタの一般化された原理は、国際公開第2012/126473号パンフレットに開示された原理とほぼ同じである。これら特許文献は又、追加の技術的詳細並びにここで提供されているインジェクタの機能に関する説明を提供しており、これらについては、便宜上本明細書においては繰り返さない。
インジェクタ4cは、ノズルチップ13を備えたインジェクタハウジング12を有し、ノズル14がこのノズルチップのところに、ダクト20及びダクト20の第1の端部のところに位置したノズル孔14′を備えている。ダクト20は、ノズル孔14′からノズルチップ13の壁21を通ってインジェクタハウジング12の内部キャビティ15内に延びている。インジェクタハウジング12のキャビティ15内には、弁部材16が設けられ、弁部材16は、ステム17を有し、ステム17は、滑り軸受23内で往復動可能に摺動的に案内され、滑り軸受23は、この実施形態では、滑り軸受23は、図示の実施形態では、インジェクタハウジング内の別個の静止部品である。ただし、滑り軸受は、インジェクタハウジング12それ自体の一部であっても良い。弁部材16の位置は、ばね26によってノズルチップ13に向かって前方にあらかじめ定められている。考えられる1つの引き込み機構体は、国際公開第2012/126473号パンフレットに開示されており、この引き込み機構体では、電気コイルが電磁力を弁部材に及ぼし、弁部材は、対応の電磁応答部分を備えている。しかしながら、原理的には、弁部材16がばね26の力に抗して弁部材16に作用するキャビティ15内の油圧力の増大によって後方にオフセットされるという適当な構成によっても可能である。ステム17の同軸長手方向延長部として、弁部材16は、ニードル弁18を有し、封止ボール部材28がニードルチップ22の一部としてニードル弁18に締結されており、ニードルチップ22は、閉鎖弁条件では、ダクト20を閉鎖するよう弁座19に押し当てられ、ニードルチップ22は、開放弁状態では、潤滑油が内部キャビティ15からボール28を備えたニードルチップ22を通り、そしてダクト20内に入り、そしてノズル孔14′から流出することができるようにする距離だけ弁座19からオフセットしている。Oリング31によって、内部キャビティ15は、インジェクタハウジング12内の残りの部品に向かって後方に封止されている。
弁座19は、ボール部材28の打撃の繰り返しに起因した摩耗に対して寿命を延ばすために弁座19とボール部材28との間の封止接触領域30のところに焼入れ表面を有している。代替的に又はオプションとして追加的に、焼入れ表面がステム17の表面及び滑り軸受23の表面に設けられ、その結果、2つの焼入れ表面は、接触領域24のところで互いに沿って摺動するようになっている。
焼入れ表面という表現は、表面がその下に位置するバルク材料よりも高い硬度を有していることを意味している。両方の表面上のかかる焼入れ表面は、良好な寿命を備えた状態で高度の製品一様性及び良好な寸法公差が得られるよう提供される。別の利点は、場合によっては良好な寸法公差に起因する摩耗の減少である。衝合する表面は、同一の高度を有するべきであり、或いは、少なくとも、40%内の同一のものである硬度、例えば、30%未満又は20%未満、それどころか10%という少ない割合の硬度の差を有するべきである。
インジェクタハウジングにとって代表的な寸法は、直径が10〜30mmであり、長さは50〜130mmである。ただし、供給ラインが接続された後側端部を含むインジェクタは、これよりも幾分長くても良い。弁部材16は、40〜80mmの代表的な長さ並びにステムのところの5〜7mmの直径及びニードル弁18についてこれよりも小さい直径を有する。ノズルチップ13は、インジェクタハウジング12の全体的サイズに応じて、6〜10mmの代表的な直径を有する。
図3a及び図3bは、ステム直径が6mmであり変位が2mmの形式4aの潤滑油インジェクタに関する圧力試験からの測定結果を示している。図3aは、形式4aの潤滑油インジェクタから取った測定値に関するグラフ図であり、この場合、弁部材16のステム17の表面だけが焼き入れされ、滑り軸受23の表面は焼き入れされていない。図3bは、他の点では同一の潤滑油インジェクタ4aから取った測定値に関するグラフ図であり、この潤滑油インジェクタ4aは、しかしながら、ステム17の表面と滑り軸受23の表面の両方が焼き入れされた接触領域24を備えている。実験を9気筒2ストローク舶用ディーゼルエンジン内でのインジェクタの作動後に行ったが、この場合、各シリンダは、シリンダライナの周囲に沿って分布して配置された10個のSIPスプレー式インジェクタを有している。
横軸は、図3aでは繰り返された測定相互間を約2秒とし、図3bでは約2.7秒とした時間を示しており、測定の開始は、スパイクによって示されている。縦軸は、barで表された圧力である。図3aでは、圧力は、次の測定に先立って53.5barまで測定の63.5barの開始時から約10bar減少し、図3bでは、圧力は、63barと64barとの間で0.7bar未満のばらつきがある。インジェクタの良好な性能がステム並びに滑り軸受を焼き入れした場合に達成されていることは明白である。
表面は、オーステナイト浸炭窒化によって焼き入れされており、かかるオーステナイト浸炭窒化は、焼入れコンポーネントの表面内に炭素及び窒素を必要とする。浸炭窒化は、炭素鋼又は低合金鋼の表面に対して0.5〜0.8%炭素及び0.2〜0.4%(<5%)窒素が添加されたガス雰囲気内で約850℃の温度で実施された。拡散後、コンポーネントを直ぐに油中に浸漬させた。代表的な焼入れ深さは、0.7mmを超えることはなく、浸炭窒化深さで決まるだけでなく、焼入れ温度及び冷却までの時間で決まった。150〜200℃の温度での次の焼戻しを大きな焼入れ深さ及び脆性の減少が得られるよう用いるのが良い。
図4aは、インジェクタ性能に関する表示を備えた表を示している。左側の欄は、測定に関するデータを示し、欄の両方の見出しは、シリンダの10個のインジェクタの番号を示している。表の各エントリ中の番号は、インジェクタの動作時間数を示している。薄い灰色の表示は、例えば図3bに示されているように0〜1barの小規模な圧力損失に対応している。僅かに暗い灰色の陰影表示は、許容できる1〜5barの圧力損失に対応している。暗い灰色の表示は、スプレー特性に実質的に影響を及ぼす5barを超える圧力損失を示している。図4aでは、インジェクタに関する性能が同一の作動時間数後であっても極めて異なっていることが観察される。第1のインジェクタ(欄1)は、200時間に過ぎない作動後に性能が変わり、これに対し、稼働させた他のインジェクタは、640時間にわたる作動まで安定している。
表の下側部分には、測定値がハウジングを焼き入れしたインジェクタについて示されている。かくして、ステムと滑り軸受との間の接触領域は、両方とも硬化された表面を有していた。かかるインジェクタを2014年7月5日にシリンダ番号1中に挿入し、10個全てのインジェクタを4280時間まで良好に稼働させた。僅かな漏れがインジェクタ番号8について観察され、しかしながら、これは重要なものではなかった。
ハウジング全体の焼入れに起因して、ニードル弁のための弁座も又、焼き入れされ、かかる弁座は、潜在的に、全体的な結果に影響を及ぼす場合があり、この全体的な結果は、しかしながら、接触領域の二重表面焼入れよりも影響の度合いは小さいように思われる。
図4bでは、焼き入れされたステムだけを有し、滑り軸受表面を備えていないインジェクタを備えた同一のエンジンのシリンダ番号2について測定を実施した。図4bに関し、停止作動のための黒色の表示も又存在する。理解されるように、インジェクタについての性能の実質的なばらつきは、これらインジェクタの改良されたインジェクタへの交換に先立って、図4aの状態とほぼ同じであることが分かる。
結論として、性能は、寿命だけでなく、特に、鋼製ステムの表面と鋼製滑り軸受の表面の両方を焼き入れしたインジェクタについての一様な性能に関しても顕著に向上した。
上述の先行技術文献は、参照により、これらの記載内容が本明細書の一部とされている。詳細な説明における実施例は、説明のために設けられており、本発明の原理を限定するものではない。
1 シリンダ
2 シリンダライナ
3 シリンダ壁
4 潤滑油インジェクタ
4a 潤滑油インジェクタの第1の形式
4b 潤滑油インジェクタの第2の形式
4c 潤滑油インジェクタの第3の形式
5 ノズル
6 ライナに設けられた自由切れ目
7 スプレー液滴
8 単一インジェクタからのスプレー
9 潤滑油供給ライン
10 潤滑油戻りライン
11 給油器ポンプ・制御装置システム
12 インジェクタハウジング
13 インジェクタハウジング12のノズルチップ
14 ノズル
14′ ノズル孔
15 インジェクタハウジング12の内部キャビティ
15′ 内部キャビティ15の円筒形部分
16 ステム17を備えた弁部材
16′ 一体形ボールを備えた封止前側部分
17 弁部材16のステム
18 弁部材16のニードル弁
19 弁座
20 内部キャビティ15からノズル孔14′までノズルチップ13を通るダクト
21 ノズルチップ13の壁
22 ニードル弁18のニードルチップ、例えば円錐形部分
23 滑り軸受
24 ステム17と滑り軸受23との間の接触領域
25 円筒形封止ヘッド
26 ばね
27 弁部材26の後方部分
28 ニードルチップ22を形成するボール部材
30 弁座19のところの封止接触領域
31 Oリング

Claims (15)

  1. 大型低速2ストロークエンジンのシリンダ(1)内に潤滑油を噴射するインジェクタ(4)であって、このインジェクタ(4)は、前記シリンダ(1)のシリンダ壁(3)内に設けられるよう構成されたインジェクタハウジング(12)を有し、このインジェクタハウジング(12)は、当該インジェクタハウジングの一端のところに設けられていて、当該インジェクタハウジング(12)が前記シリンダ壁(3)内に設けられると、前記シリンダ(1)内に達するノズルチップ(13)を有し、このノズルチップ(13)内にノズル(14)が設けられ、このノズル(14)は、前記インジェクタハウジング(12)内に設けられた内部キャビティ(15)から前記ノズルチップ(13)の壁(21)を貫通して延びていて、潤滑油を前記内部キャビティ(15)から前記ノズル(14)を通って前記インジェクタハウジング(12)から放出するようになっており、前記インジェクタハウジング(12)内に弁部材(16)が設けられ、この弁部材(16)は、前記インジェクタ(4)の開放状態と閉鎖状態との間で往復動可能に設けられ、且つ、前記閉鎖状態にあるとき、前記ノズル(14)への潤滑油の接近を阻止するために前記ノズル(14)を密封的に覆い、尚且つ、開放状態にある間、潤滑油放出段階の際に前記内部キャビティ(15)から前記ノズル(14)までの潤滑油の接近を可能にするために前記ノズル(14)から遠ざかることができ、
    前記インジェクタハウジング(12)は、第1の表面を備えた滑り軸受(23)を有し、前記弁部材(16)は、第2の表面を備えたステム(17)を有し、この第2の表面は、前記ステム(17)が前記滑り軸受(23)によって当該ステム(17)と前記滑り軸受(23)との間の接触領域(24)に沿って往復動可能に案内されるように、前記第1の表面に摺動可能に当接した状態で設けられ、前記弁部材(16)は、前記ステム(17)の同軸長手方向延長部としてニードル弁(18)を有し、このニードル弁(18)は、前記ノズルチップ(13)に設けられた協働する弁座(19)に当接したときに前記ノズル(14)を閉鎖するニードルチップ(22)を有し、
    前記弁座(19)は、焼入れ表面を有
    前記ニードル弁(18)は、硬質表面又は焼入れ表面を有する、インジェクタ。
  2. 前記弁座(19)は、ロックウェルCスケール硬度に準拠して少なくとも50の表面硬度を有する、請求項1記載のインジェクタ。
  3. 前記弁座と密封的に協働する前記ニードルチップ(22)は、円筒形ニードル弁(18)の円錐形端部又は円錐とは異なる状態でテーパしている端部を有し、又は前記ニードルチップ(22)は、ボール(28)を有する、請求項1又は2記載のインジェクタ。
  4. 前記インジェクタは、所定の油圧力レベルでの作動時に潤滑油をスプレーとして放出するよう構成されたスプレー式インジェクタであり、前記所定の油圧力レベルは、25〜100barの範囲にあるレベルである、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のインジェクタ。
  5. 前記ニードルチップ(22)は、焼き入れされるか、又は前記弁座(19)の前記焼入れ表面の硬度に対応する硬質材料で提供される、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のインジェクタ。
  6. 複数個のシリンダ及び各シリンダ内に設けられたピストンを有する大型低速2ストロークエンジンであって、前記ピストンは、2つの死点間で往復動し、前記各シリンダは、燃料の着火のための着火チャンバを有し、請求項1〜5のうちいずれか一に記載のインジェクタ(4)が少なくとも3つ、前記着火チャンバ内の前記シリンダ壁の潤滑のために前記2つの死点間で各シリンダの内周部に沿って設けられている、エンジン。
  7. 前記エンジンは、舶用エンジンである、請求項6記載のエンジン。
  8. 潤滑油供給ラインによって前記インジェクタに連結された潤滑油ポンプ及び制御装置が設けられ、前記潤滑油ポンプは、潤滑油を所定の油圧力レベルで前記インジェクタに提供するよう構成され、前記所定の油圧力レベルは、25〜100barの範囲にあるレベルである、請求項6又は7記載のエンジン。
  9. 大型低速2ストロークエンジンのための同一生産された複数個の潤滑油インジェクタについて一様な長期間性能を達成する方法であって、このインジェクタ(4)は、前記シリンダ(1)のシリンダ壁(3)内に設けられるよう構成されたインジェクタハウジング(12)を有し、このインジェクタハウジング(12)は、当該インジェクタハウジングの一端のところに設けられていて、当該インジェクタハウジング(12)が前記シリンダ壁(3)内に設けられると、前記シリンダ(1)内に達するノズルチップ(13)を有し、このノズルチップ(13)内にノズル(14)が設けられ、このノズル(14)は、前記インジェクタハウジング(12)内に設けられた内部キャビティ(15)から前記ノズルチップ(13)の壁(21)を貫通して延びていて、潤滑油を前記内部キャビティ(15)から前記ノズル(14)を通って前記インジェクタハウジング(12)から放出するようになっており、前記インジェクタハウジング(12)内に弁部材(16)が設けられ、この弁部材(16)は、前記インジェクタ(4)の開放状態と閉鎖状態との間で往復動可能に設けられ、且つ、前記閉鎖状態にあるとき、前記ノズル(14)への潤滑油の接近を阻止するために前記ノズル(14)を密封的に覆い、尚且つ、開放状態にある間、潤滑油放出段階の際に前記内部キャビティ(15)から前記ノズル(14)までの潤滑油の接近を可能にするために前記ノズル(14)から遠ざかることができ、
    前記インジェクタハウジング(12)は、第1の表面を備えた滑り軸受(23)を有し、前記弁部材(16)は、第2の表面を備えたステム(17)を有し、この第2の表面は、前記ステム(17)が前記滑り軸受(23)によって当該ステム(17)と前記滑り軸受(23)との間の接触領域(24)に沿って往復動可能に案内されるように、前記第1の表面に摺動可能に当接した状態で設けられ、前記弁部材(16)は、前記ステム(17)の同軸長手方向延長部としてニードル弁(18)を有し、このニードル弁(18)は、前記ノズルチップ(13)に設けられた協働する弁座(19)に当接したときに前記ノズル(14)を閉鎖するニードルチップ(22)を有し、
    前記方法は、前記弁座(19)を焼き入れするステップを含
    前記ニードル弁(18)は、硬質表面又は焼入れ表面を有する、方法。
  10. 前記方法は、前記弁座を鋼表面として用意するステップ、及び浸炭窒化によって前記鋼表面を焼き入れするステップを含む、請求項9記載の方法。
  11. 前記方法は、0.5〜0.8%炭素及び0.2〜0.4%窒素が添加されたガス雰囲気中で850℃の温度でオーステナイト浸炭窒化することにより前記鋼表面を焼き入れするステップを含む、請求項10記載の方法。
  12. 大型低速2ストロークエンジンのための複数個の同一の潤滑インジェクタについて一様な長期間性能を達成するための表面焼入れの使用方法であって、各インジェクタに関して、このインジェクタ(4)は、前記シリンダ(1)のシリンダ壁(3)内に設けられるよう構成されたインジェクタハウジング(12)を有し、このインジェクタハウジング(12)は、当該インジェクタハウジングの一端のところに設けられていて、当該インジェクタハウジング(12)が前記シリンダ壁(3)内に設けられると、前記シリンダ(1)内に達するノズルチップ(13)を有し、このノズルチップ(13)内にノズル(14)が設けられ、このノズル(14)は、前記インジェクタハウジング(12)内に設けられた内部キャビティ(15)から前記ノズルチップ(13)の壁(21)を貫通して延びていて、潤滑油を前記内部キャビティ(15)から前記ノズル(14)を通って前記インジェクタハウジング(12)から放出するようになっており、前記インジェクタハウジング(12)内に弁部材(16)が設けられ、この弁部材(16)は、前記インジェクタ(4)の開放状態と閉鎖状態との間で往復動可能に設けられ、且つ、前記閉鎖状態にあるとき、前記ノズル(14)への潤滑油の接近を阻止するために前記ノズル(14)を密封的に覆い、尚且つ、開放状態にある間、潤滑油放出段階の際に前記内部キャビティ(15)から前記ノズル(14)までの潤滑油の接近を可能にするために前記ノズル(14)から遠ざかることができ、
    前記インジェクタハウジング(12)は、第1の表面を備えた滑り軸受(23)を有し、前記弁部材(16)は、第2の表面を備えたステム(17)を有し、この第2の表面は、前記ステム(17)が前記滑り軸受(23)によって当該ステム(17)と前記滑り軸受(23)との間の接触領域(24)に沿って往復動可能に案内されるように、前記第1の表面に摺動可能に当接した状態で設けられ、前記弁部材(16)は、前記ステム(17)の同軸長手方向延長部としてニードル弁(18)を有し、このニードル弁(18)は、前記ノズルチップ(13)に設けられた協働する弁座(19)に当接したときに前記ノズル(14)を閉鎖するニードルチップ(22)を有し、
    前記表面焼入れは、前記インジェクタの製造中、前記弁座(19)の焼入れを含
    前記ニードル弁(18)は、硬質表面又は焼入れ表面を有する、表面焼入れの使用方法
  13. 複数個のシリンダ(2)及び各シリンダ(2)内に設けられたピストンを有する大型低速2ストロークエンジンの潤滑用の請求項1〜5のうちいずれか一に記載の複数のインジェクタの使用方法であって、前記ピストンは、2つの死点間で往復動し、前記各シリンダ(2)は、燃料の着火のための着火チャンバを有し、前記複数のインジェクタ(4)のうちの少なくとも3つが、前記着火チャンバ内の前記シリンダ壁(3)の潤滑のために前記2つの死点間で各シリンダの内周部に沿って設けられている、複数のインジェクタの使用方法
  14. 前記エンジンは、舶用エンジンである、請求項13記載の複数のインジェクタの使用方法
  15. 前記エンジンは、潤滑油供給ライン(9)によって前記インジェクタ(4)に連結された潤滑油ポンプ及び制御装置(11)を有し、前記インジェクタ(4)には、潤滑油が所定の油圧力レベルで提供され、前記所定の油圧力レベルは、25〜100barの範囲にあるレベルであり、潤滑油のスプレーを提供するために用いられる、請求項13又は14記載の複数のインジェクタの使用方法
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