JPH11229998A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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Publication number
JPH11229998A
JPH11229998A JP2983498A JP2983498A JPH11229998A JP H11229998 A JPH11229998 A JP H11229998A JP 2983498 A JP2983498 A JP 2983498A JP 2983498 A JP2983498 A JP 2983498A JP H11229998 A JPH11229998 A JP H11229998A
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JP
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valve
valve body
sleeve
fuel injection
fuel
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JP2983498A
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Satoru Iwamoto
悟 岩本
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Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブボディ3内を往復方向に変位するアウ
タバルブ6の摺動抵抗が大きくなることを防止すること
により、インジェクタの噴射孔から内燃機関に噴射する
高圧燃料の初期噴射率や噴射量等の噴射特性が変化する
ことを阻止することのできる蓄圧式燃料噴射装置用二方
電磁弁2を提供する。 【解決手段】 インジェクタのノズルホルダにねじ締め
されるための外周ねじ38が形成されたバルブボディ3
の内周に、はだ焼き鋼等の低炭素合金鋼製のバルブボデ
ィ3よりも耐磨耗性および耐焼き付き性に優れ、バルブ
ボディ3よりも硬度の高い高速度工具鋼製の円筒形状の
スリーブ9を圧入して固定し、そのスリーブ9の内周
に、略円筒形状のアウタバルブ6を挿嵌し、更に、アウ
タバルブ6の内周に、略丸棒形状にインナバルブ7を挿
嵌して、蓄圧式燃料噴射装置用二方電磁弁2を構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料を内燃機関に
噴射供給する燃料噴射装置に関するもので、特に電磁弁
を用いて燃料噴射ノズルの背圧を切り替えることで内燃
機関への噴射を実現する蓄圧式燃料噴射装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、コモンレールに高圧燃料を蓄
圧し、この蓄圧した高圧燃料を内燃機関に噴射供給する
蓄圧式燃料噴射装置が知られている。このうち、内燃機
関に高圧燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、この燃料噴
射ノズルの噴射時期および噴射量を制御する二方電磁弁
とを備えた蓄圧式燃料噴射装置がある。ここで、二方電
磁弁は、バルブの良好な摺動を確保する目的で、バルブ
の外周とバルブボディの内周との間に、例えば1.2μ
m程度のクリアランスが形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の蓄圧
式燃料噴射装置においては、二方電磁弁の開弁時に、燃
料噴射ノズルの後端部に形成された背圧室からバルブボ
ディに形成された燃料排出通路を通って燃料タンクに帰
還する高圧燃料の他に、上記のクリアランスを通って二
方電磁弁内に一旦入ってから燃料排出通路に向かう高圧
燃料も見受けられる。
【0004】したがって、高圧燃料がクリアランス中に
入ることによって、バルブの外周とバルブボディの内周
との間が拡大し、高圧燃料中に含まれる異物(スラッ
ジ)がクリアランス中に侵入すると、バルブと共に異物
がバルブボディの内周を摺動することによりバルブボデ
ィの内周面を傷付けることでバルブの摺動抵抗が大きく
なって摺動不良を生起したり、最終的にはバルブとバル
ブボディとの焼き付きを生起したりする可能性がある。
【0005】また、蓄圧式燃料噴射装置ではなくても、
耐磨耗性、耐焼き付き性に優れた材質でバルブを製作し
た場合には、バルブボディ内を何度もバルブが摺動する
ことにより、バルブボディの磨耗粉がバルブの外周とバ
ルブボディの内周との間のクリアランスに堆積すると、
バルブと共に磨耗粉がバルブボディの内周を摺動するこ
とによりバルブボディの内周面を傷付けたりすることで
バルブの摺動抵抗が大きくなって摺動不良を生起した
り、最終的にはバルブとバルブボディとの焼き付きを生
起することも考えられる。
【0006】ここで、バルブが上昇したまま動かなくな
ると、背圧室より高圧燃料が流出する状態が継続される
ので、燃料噴射ノズルが閉弁しなくなることが予想され
る。また、バルブがバルブボディにシートしたまま動か
なくなると、背圧室内に高圧燃料が充満した状態が継続
されるので、燃料噴射ノズルが開弁しなくなることが予
想される。したがって、上記のように、バルブの摺動不
良が生起すると、初期噴射率や噴射量等の噴射特性が変
化するという問題が生じてしまう。
【0007】上記の問題を解決する目的で、耐磨耗性、
耐焼き付き性に優れた材質を選んでバルブボディを製造
することが考えられるが、バルブボディの外周には、燃
料噴射ノズルのノズルホルダとねじ締め付けにより連結
させるための外周ねじが形成されているため、使用可能
な材質(例えばはだ焼き鋼等)が限られており、単純に
バルブボディの材質を耐磨耗性、耐焼き付き性に優れた
材質に変更することはできない。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、バルブボディ内を往復
方向に変位するバルブの摺動抵抗が大きくなることを防
止することにより、燃料噴射ノズルから内燃機関に噴射
する燃料の初期噴射率や噴射量等の噴射特性が変化する
ことを阻止することのできる燃料噴射装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、バルブボディの内周とバルブの外周との間に、
バルブボディよりも耐磨耗性、耐焼き付き性に優れた材
質製のスリーブを配設することにより、仮にバルブの外
周とスリーブの内周とのクリアランスに異物が侵入し
て、バルブと共に異物がスリーブの内周を摺動しても、
スリーブの内周面が傷付き難くなる。
【0010】それによって、スリーブの内周に摺動自在
に支持されるバルブの摺動抵抗が大きくなることを抑え
ることができるので、バルブボディの材質を変えること
なく、バルブの摺動不良や焼き付きを抑えることができ
る。これにより、電磁弁の開弁または閉弁をスムーズに
行うことができるので、燃料噴射ノズルの開弁状態また
は閉弁状態が継続されることはなく、燃料噴射ノズルか
ら内燃機関に噴射する燃料の初期噴射率や噴射量等の噴
射特性が変化することを防止できる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、スリーブ
の内周に摺動自在に支持される凸状部をバルブの外周に
部分的に設けることにより、スリーブの内周に摺動する
バルブの接触面積を減らすことができるので、バルブの
磨耗量を減少することができる。また、バルブの凸状部
の他の部位の外周とスリーブの内周との間には、通常の
クリアランスよりも大きい隙間が形成されるので、バル
ブの外周とスリーブの内周との間のクリアランス中に堆
積する磨耗粉がクリアランス内を通る燃料により排出さ
れ、クリアランス中に磨耗粉がいつまでも堆積すること
はなく、磨耗粉によるバルブまたはスリーブの傷付けも
なくなる。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、バルブと
スリーブとが略同程度の耐磨耗性を持つように、バルブ
とスリーブの材質を選び、更に、バルブの外周面とスリ
ーブの内周面とに表面処理を施すことにより、バルブの
外周面がスリーブの内周面に摺動する際のバルブまたは
スリーブの磨耗量を減少することができる。それによっ
て、バルブの外周とスリーブの内周との間のクリアラン
ス中に堆積する磨耗粉の量が減少するので、磨耗粉によ
るバルブまたはスリーブの傷付けがし難くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】〔実施例の構成〕図1および図2
は本発明の実施例を示したもので、図1は二方電磁弁の
主要部を拡大した図で、図2は蓄圧式燃料噴射装置を示
した図である。
【0014】本実施例の蓄圧式燃料噴射装置は、図示し
ないエンジン制御装置(以下ECUと呼ぶ)により電子
制御される高圧ポンプ(図示せず)と、この高圧ポンプ
から高圧燃料が供給されるコモンレール(燃料蓄圧部)
と、内燃機関(例えばディーゼルエンジン:以下エンジ
ンと呼ぶ)の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給する燃料噴
射弁(燃料噴射ノズル:以下インジェクタと呼ぶ)1
と、ECUにより電子制御される二方電磁弁2とを備え
る。
【0015】ここで、ECUは、エンジン回転速度セン
サ、コントロールラック位置センサ、噴射時期(進角)
センサおよびアクセル(スロットル)開度センサ等の各
センサからの情報により最適な噴射量および噴射時期を
演算して高圧ポンプや二方電磁弁2等のアクチュエータ
を電子制御する。高圧ポンプは、燃料タンクから汲み上
げた燃料を高圧にしてコモンレールに吐出する。コモン
レールは、比較的に高い圧力(コモンレール圧力:例え
ば120MPa〜150MPa)の高圧燃料を蓄圧する
サージタンクの一種で、インジェクタ1と連通するよう
に構成されている。
【0016】インジェクタ1は、エンジンの各気筒に取
り付けられている。そして、インジェクタ1は、インジ
ェクタ本体内に摺動自在に支持されたノズルニードル1
1と、このノズルニードル11の後端側に連結されて、
ノズルニードル11と一体的に往復変位するピストン1
2とから構成されている。
【0017】インジェクタ本体は、ノズルボディ13、
チップパッキン14およびノズルホルダ15等より構成
されている。ノズルボディ13の内部には、ノズルニー
ドル11の周囲に常に高圧燃料を充満させるための油溜
まり(図示せず)が形成されている。この油溜まりは、
燃料通路16を介してコモンレールに常に連通してい
る。チップパッキン14は、ノズルボディ13とノズル
ホルダ15との間に挟持された状態でリテーニングナッ
ト17により締め付け固定されている。
【0018】ノズルホルダ15は、ピストン12を摺動
自在に支持するシリンダを構成する。そして、ノズルホ
ルダ15の後端部には、後端面で開口する背圧室18が
形成されている。そして、ノズルホルダ15内に形成さ
れる燃料通路16から分岐した燃料通路19は、連通路
20を介して背圧室18に連通している。また、ノズル
ホルダ15内には、ノズルニードル11を閉弁方向に付
勢するコイルスプリング(ニードル付勢手段)21が装
着されている。
【0019】ノズルニードル11は、ノズルボディ13
の内周に摺動自在に支持されている。ノズル開弁時に
は、ノズルニードル11がリフトしてノズルニードル1
1の先端部とノズルボディ13との間に燃料通路が形成
されて油溜まりと噴射孔とが連通してエンジンへの燃料
噴射が成される。また、ノズル閉弁時には、ノズルニー
ドル11の先端部がノズルボディ13のシート面に着座
して高圧燃料の噴射を終了する。
【0020】二方電磁弁2は、図1および図2に示した
ように、インジェクタ1のノズルホルダ15の後端部に
液密的に当接した状態でバルブボディ3の外周に形成さ
れている外周ねじ38によりノズルホルダ15の後端面
に締め付け固定されるバルブボディ3と、このバルブボ
ディ3よりも後端側に配設された鉄心4と、この鉄心4
の収納部に巻装された電磁コイル5とから構成されてい
る。さらに、バルブボディ3内を往復方向に変位するア
ウタバルブ6と、このアウタバルブ6内に配されたイン
ナバルブ7と、アウタバルブ6の最大リフト量を規制す
るストッパ8と、バルブボディ3の内周とアウタバルブ
6の外周との間に挟み込まれた円筒形状のスリーブ9と
から構成されている。なお、30はリテーニングナット
である。
【0021】バルブボディ3は、ねじ成形性に優れた材
質(例えばSCM420等の低炭素合金鋼:はだ焼き
鋼)により略円筒形状に形成されている。このバルブボ
ディ3の先端面とノズルホルダ15の後端面との間に
は、円環板部材31、32が液密的に嵌め込まれてい
る。そして、バルブボディ3の先端部には、背圧室18
に連通する連通路33が形成されている。この連通路3
3は、バルブボディ3やノズルホルダ15等に設けられ
たドレーン通路(燃料排出通路)34、35を介して燃
料タンクに連通している。なお、バルブボディ3には、
ドレーン通路34に連通し、二方電磁弁2内にリークし
た燃料を排出するためのリーク通路37も形成されてい
る。
【0022】そして、バルブボディ3の外周には、ノズ
ルホルダ15の円筒形状の後端部の内周に螺合する外周
ねじ38が形成されている。また、バルブボディ3の中
央部には、スリーブ9を介してアウタバルブ6を摺動自
在に支持するための支持孔(摺動部)39が形成されて
いる。この支持孔39の先端部には、支持孔39よりも
内径の大きい大径孔40が形成されている。
【0023】なお、円環板部材31、32には、背圧室
18の内部圧力をコントロールすることによりインジェ
クタ1の噴射率パターンをコントロールするためのオリ
フィス(固定絞り)10a、10bが形成されている。
鉄心4は、電磁コイル5への通電時に、磁化されて電磁
石となり、リング形状のスペーサ41内に配されたアー
マチャ42を吸着する。電磁コイル5は、通電を受ける
ことにより起磁力を発生して鉄心4を磁化する。
【0024】アウタバルブ6は、耐磨耗性および耐焼き
付き性に優れた材質(例えばSCM415等の低炭素合
金鋼)により略円筒形状に形成され、内周面および外周
面にバルブボディ3よりも硬度および耐磨耗性を向上す
るために浸炭焼入れ等の表面処理が施されている。この
アウタバルブ6の中央部には、連通路43を有する摺動
孔44が形成されている。また、摺動孔44の先端部に
は、摺動孔44よりも内径の大きい大径孔45が形成さ
れている。そして、アウタバルブ6は、圧入または溶接
等によりアーマチャ42と一体的に連結されている。
【0025】そして、アウタバルブ6は、バルブボディ
3の中央部に設置されたスリーブ9内に摺動自在に嵌め
込まれており、鉄心4の内周部に配されたコイルスプリ
ング36によってバルブ閉弁方向に付勢されている。し
たがって、アウタバルブ6は、電磁コイル5の通電状態
に対応して、アーマチャ42と共に移動して、バルブボ
ディ3に対する位置が変化する。
【0026】具体的には、電磁コイル5の通電が停止
(OFF)されている時は、コイルスプリング36のバ
ルブ閉弁方向の付勢力によって図示下方へ押し下げられ
て、バルブボディ3に形成された連通路33とドレーン
通路34との間を遮断する初期位置に移動する。また、
電磁コイル5が通電(ON)された時には、コイルスプ
リング36のバルブ閉弁方向の付勢力に抗して鉄心4側
にアーマチャ42と共に吸引されて、連通路33とドレ
ーン通路34との間を連通するリフト位置に移動する。
【0027】インナバルブ7は、耐磨耗性および耐焼き
付き性に優れた材質(例えばSKH2等の高速度工具
鋼)により略丸棒形状に形成され、外周面にアウタバル
ブ6の硬度と同程度の硬度および耐磨耗性を持つように
焼入れ等の表面処理が施されている。このインナバルブ
7は、アウタバルブ6の中央部に形成された摺動孔44
内に配置されて、アウタバルブ6がインナバルブ7に対
して摺動自在に移動できるように構成されている。
【0028】ストッパ8には、インナバルブ7の後端面
が当接している。これにより、ストッパ8は、電磁コイ
ル5を通電することによって、アウタバルブ6がアーマ
チャ42と共に鉄心4側に吸引された時に、インナバル
ブ7の先端面がアウタバルブ6の段付部分に当接するこ
とでアウタバルブ6の変位量を規制するアウタバルブ規
制手段として働く。
【0029】スリーブ9は、耐磨耗性および耐焼き付き
性に優れた材質(例えばSKH2等の高速度工具鋼)に
より略円筒形状に形成され、内周面および外周面にアウ
タバルブ6の硬度と同程度の硬度および耐磨耗性を持つ
ように焼入れ等の表面処理が施されている。このスリー
ブ9の外周には、支持孔39内に圧入されることにより
バルブボディ3の内周に固定される被固定部51が形成
されている。そして、スリーブ9の中央部には、アウタ
バルブ6の外周に部分的に周設された凸状部49、50
が往復方向に摺動する丸穴形状の摺動孔52が形成され
ている。
【0030】なお、アウタバルブ6の凸状部49、50
は、それぞれアウタバルブ6の外周面において同一円周
上に等間隔で複数個(3個ずつまたは4個ずつ)形成さ
れている。そして、隣設する凸状部49、50間には、
二方電磁弁2の開弁時に、高圧燃料が通る通路が形成さ
れる。
【0031】ここで、二方電磁弁2では、アウタバルブ
6およびインナバルブ7の良好な摺動を確保する目的
で、アウタバルブ6の凸状部49の外周面とスリーブ9
の摺動孔52の内周面との間に、例えば1.2μm程度
のクリアランスが形成されている。また、インナバルブ
7の大径部47の外周面とアウタバルブ6の摺動孔44
の内周面との間には、例えば1.2μm程度のクリアラ
ンスが形成されている。
【0032】〔実施例の作用〕次に、本実施例の蓄圧式
燃料噴射装置の作用を図1および図2に基づいて簡単に
説明する。
【0033】1)ノズル開弁時 ECUにより電子制御されることにより電磁コイル5が
通電(ON)されると、電磁コイル5に起磁力が発生し
て鉄心4を磁化する。これにより、鉄心4にアウタバル
ブ6がアーマチャ42と共に吸引されるため、アウタバ
ルブ6の先端部(シール部)が連通路33の出口を開放
して、アウタバルブ6の凸状部49がスリーブ9内を摺
動しながら上昇して、アウタバルブ6がインナバルブ7
の先端面に当接する。これにより、アウタバルブ6の上
昇が止まる。
【0034】このように、二方電磁弁2を開弁すると、
背圧室18内に充満している高圧燃料がオリフィス10
aおよび連通路33を介してドレーン通路34、35に
排出される。すると、ノズルニードル11およびピスト
ン12が上昇を開始し、ノズルニードル11の先端部が
ノズルボディ13のシート面よりリフトするので、燃料
通路16および油溜まり内の高圧燃料が噴射孔からエン
ジンの燃焼室内に噴射される。
【0035】なお、本実施例のインジェクタ1の場合に
は、二方電磁弁2が開弁している間、すなわち、アウタ
バルブ6が連通路33の出口を開放している間も、コモ
ンレールから燃料通路16、19、連通路20およびオ
リフィス10bを経て背圧室18内に高圧燃料が流入
し、その背圧室18内よりオリフィス10aおよび連通
路33を経てドレーン通路34、35に高圧燃料が流出
している。
【0036】2)ノズル閉弁時 ECUにより電子制御されることにより電磁コイル5の
通電が停止(OFF)されると、コイルスプリング36
のバルブ閉弁方向の付勢力によりアウタバルブ6がイン
ジェクタ1側に押圧されて、アウタバルブ6の凸状部4
9がスリーブ9内を摺動しながら下降し、アウタバルブ
6が初期位置、つまり連通路33の出口を閉塞する位置
に戻されるため、アウタバルブ6のシール部がバルブボ
ディ3のシート面に着座する。
【0037】このように、二方電磁弁2を閉弁すると、
コモンレールから燃料通路16、19および連通路20
を経て供給される高圧燃料により背圧室18内が満たさ
れる。すると、ノズルニードル11およびピストン12
が下降を開始し、ノズルニードル11の先端部がノズル
ボディ13のシート面に着座するので、噴射孔からエン
ジンへの高圧燃料の噴射が終了する。
【0038】〔実施例の効果〕以上のように、本実施例
の蓄圧式燃料噴射装置においては、二方電磁弁2の開弁
時に、インジェクタ1の後端部に形成された背圧室18
からバルブボディ3に形成されたドレーン通路34を通
って燃料タンクに戻される高圧燃料の他に、アウタバル
ブ6の凸状部49、50の外周面とスリーブ9の摺動孔
52の内周面との間に形成されるクリアランスを通って
アーマチャ42および鉄心4内に一旦入ってからリーク
通路37を通ってドレーン通路34に向かう高圧燃料が
ある。
【0039】ここで、高圧燃料がクリアランス中に入る
ことによって、アウタバルブ6の外周とスリーブ9の内
周との間が拡大し、高圧燃料中に含まれる異物(スラッ
ジ)がクリアランス中に侵入すると、アウタバルブ6と
共に異物がスリーブ9の内周を摺動することによりスリ
ーブ9の内周面を傷付ける可能性があるが、スリーブ9
の材質をバルブボディ3よりも耐磨耗性および耐焼き付
き性に優れ、硬度の高いものにしているので、アウタバ
ルブ6の外周面およびスリーブ9の内周面に傷が付き難
くなる。
【0040】したがって、アウタバルブ6の摺動抵抗が
大きくなって摺動不良を生起したり、アウタバルブ6と
スリーブ9との焼き付きを生起することを抑えることが
できるので、アウタバルブ6が上昇したまま動かなかっ
たり、アウタバルブ6がバルブボディ3のシート面にシ
ートしたまま動かなかったりすることはない。これによ
り、インジェクタ1からエンジンに噴射する高圧燃料の
初期噴射率や噴射量等の噴射特性の変化を抑えることが
できる。
【0041】また、バルブボディ3の外周には、インジ
ェクタ1のノズルホルダ15とねじ締め付けにより連結
させるための外周ねじ38が形成されているため、使用
可能な材質(例えばはだ焼き鋼等)が限られており、単
純にバルブボディ3の材質を耐磨耗性、耐焼き付き性に
優れた材質に変更することはできない。このため、本実
施例では、バルブボディ3の内周に、耐磨耗性、耐焼き
付き性に優れた材質よりなる円筒形状のスリーブ9を圧
入固定することにより、バルブボディ3の材質を変更す
ることなく、上述したように、アウタバルブ6の摺動抵
抗が大きくなることを防止できる。
【0042】〔他の実施例〕本実施例では、バルブ付勢
手段として、バルブ閉弁方向の付勢力を発生するコイル
スプリング36を使用した例を示したが、バルブ付勢手
段として、ゴム、エアクッション等の他の弾性体を使用
しても良い。また、本実施例では、ニードル付勢手段と
して、ニードル閉弁方向の付勢力を発生するコイルスプ
リング21を使用した例を示したが、ニードル付勢手段
として、ゴム、エアクッション等の他の弾性体を使用し
ても良い。
【0043】本実施例では、バルブとして2個のバルブ
を用いたが、バルブを1個にしても良い。また、バルブ
ボディ3の内周とアウタバルブ6の外周との間に高圧が
作用するようにしても良い。さらに、バルブボディ3の
外周ねじ38とノズルホルダ15の内周ねじとを螺合さ
せることにより、インジェクタ1と二方電磁弁2とを直
接締め付け固定するようにしたが、バルブボディ3の外
周ねじ38とリテーニングナットやカラーに形成された
内周ねじとを螺合させることにより、インジェクタ1と
二方電磁弁2とを直接締め付け固定するようにしても良
い。なお、外周ねじ38の形成位置は、バルブボディ3
の後端側でも良い。
【0044】本実施例では、燃料噴射装置用電磁弁とし
て二方電磁弁2を使用したが、燃料噴射装置用電磁弁と
して三方電磁弁を使用しても良い。また、燃料噴射装置
として、蓄圧式燃料噴射装置以外の燃料噴射装置に本発
明を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】二方電磁弁の主要部を拡大した断面図である
(実施例)。
【図2】蓄圧式燃料噴射装置を示した断面図である(実
施例)。
【符号の説明】
1 インジェクタ(燃料噴射ノズル) 2 二方電磁弁 3 バルブボディ 6 アウタバルブ 7 インナバルブ 9 スリーブ 18 背圧室 38 外周ねじ 49 凸状部 50 凸状部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】背圧室内から高圧燃料が流出すると開弁し
    て内燃機関に高圧燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、こ
    の燃料噴射ノズルに締め付け固定するためのねじ部が形
    成された筒状のバルブボディ、およびこのバルブボディ
    内を往復方向に変位するバルブを有する電磁弁とを備
    え、 前記バルブボディの内周と前記バルブの外周との間に
    は、内周で前記バルブを摺動自在に支持すると共に、前
    記バルブボディよりも耐磨耗性、耐焼き付き性に優れた
    材質製のスリーブが配設されたことを特徴とする燃料噴
    射装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の燃料噴射装置において、 前記バルブは、前記スリーブの内周に摺動自在に支持さ
    れる複数の凸状部を部分的に突出するように設けてお
    り、 前記複数の凸状部は、前記バルブの外周面のうち略同一
    円周上に位置するように形成されていることを特徴とす
    る燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の燃料噴射
    装置において、 前記バルブは、低炭素合金鋼により製造されて、その外
    周面に表面処理が施されて耐磨耗性に優れており、 前記スリーブは、高速度工具鋼により製造されて、その
    内周面に前記バルブと同程度の耐磨耗性を持つように表
    面処理が施されていることを特徴とする燃料噴射装置。
JP2983498A 1998-02-12 1998-02-12 燃料噴射装置 Pending JPH11229998A (ja)

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