JP2007002776A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
内燃機関の燃料噴射装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007002776A JP2007002776A JP2005184678A JP2005184678A JP2007002776A JP 2007002776 A JP2007002776 A JP 2007002776A JP 2005184678 A JP2005184678 A JP 2005184678A JP 2005184678 A JP2005184678 A JP 2005184678A JP 2007002776 A JP2007002776 A JP 2007002776A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel injection
- plunger
- fuel
- valve
- internal combustion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
【解決手段】 燃料噴射ポンプのプランジャにより高圧に加圧された燃料を燃料噴射弁に導入し、該燃料噴射弁の針弁の開弁によりこの燃料をエンジンの燃焼室内に噴射するように構成された内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料噴射ポンプ及び燃料噴射弁の摺動部材の表面に、炭素を主成分とするコーティング材によるコーティング処理を施したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプは、たとえば特許文献1(特開平5−180116号公報)に開示されているように、燃料カムによりタペットを介してプランジャが上動して該プランジャのリード部がプランジャバレルの給排油孔を閉じると、プランジャ室内の燃料が高圧に加圧され、該高圧燃料が噴射管を通して燃料噴射弁に導入され、該燃料噴射弁の針弁の開弁圧を超えて該高圧燃料の圧力によって針弁が開弁すると、該高圧燃料が燃料噴射弁の噴孔からエンジンの燃焼室内に噴射せしめられるように構成されている。
また、該プランジャの表面に前記クロムナイトライド(窒化クロム)処理を施して、表面硬度Hv2000程度まで硬化しているものもある。
そして、図の(C)のようにプランジャ1の上部リード15aにより給排油孔14が開かれると、プランジャ室19及び燃料噴射弁側からの高圧燃料が給排油孔14に戻される。
このスラスト力Tは、図のように上部リード15a及び下部リード15bの2つのリードを有するプランジャ1の場合には、上部リード15a側と下部リード15b側とのスラスト力がある程度バランスするため、さほど大きくならないが、小型燃料噴射ポンプのように、上部リード15aのみの1つのリードを有するプランジャ1の場合には、前記のようなスラスト力のバランス作用がないため、前記スラスト力Tが大きくなる。
このため、かかる燃料噴射ポンプにおいては、前記スラスト力Tによってプランジャ1の上部リード15aのエッジ部1cに局部的に大きな面圧が発生し、プランジャ1とプランジャバレル2との間に過大摩耗や焼付きが発生し易くなる。
一方、プランジャ1の表面にクロムナイトライド(窒化クロム)処理を施して表面硬度Hv2000程度まで硬化する手段にあっては、プランジャ1の硬度は高硬度を保持でき前記大面圧には対応できるが、通常、軸受鋼で製作されているプランジャバレル2との間の摺動時のなじみ性が良好でなく、しかもかかるなじみ性を向上させる手段は施されていない。
(1)前記摺動部材が特殊鋼からなるプランジャであり、該プランジャが往復摺動自在に嵌合されるプランジャバレルを特殊鋼で構成する。
(2)前記摺動部材が特殊鋼からなる針弁であり、該針弁が往復摺動自在に嵌合されるノズルチップを特殊鋼で構成する。
(3)前記燃料として、沸点が90℃以下で、且つ動粘度が0.7mm2/s以下であるエーテル系化合物を用いる。
表面に、炭素を主成分とするコーティング材、たとえばDLC(ダイヤモンド.ライク.カーボン)によるコーティング処理を施すことによって、Hv硬度(ビッカース硬度)1000〜2000程度の高硬度が得られるとともに、炭素を主成分とするためプランジャバレル、ノズルチップ等の特殊鋼からなる相手部材と凝着し難く、摺動のなじみ性が良好となって、高い耐焼付き性と高い耐摩耗性を示す。
DME(ジオメチルエーテル)等のエーテル系化合物(沸点が90℃以下で、且つ動粘度が0.7mm2/s以下である)のように低粘度の燃料を使用するエンジンであっても、前記DLCによるコーティングに加えて、燃料中に潤滑性向上剤を添加することにより、燃料噴射系の円滑な潤滑を行うことができる。
これにより、耐焼付き性および耐摩耗性が向上されて、高回転数、高出力エンジンに使用しても高い耐久性を有する燃料噴射装置が得られる。
このように構成すれば、先端部等の角部に丸みを形成して、その上にコーティング材によるコーティング処理を施すことにより、該角部におけるコーティング材の剥離の発生を回避でき、摺動部材の全面に均一なコーティング層を形成できる。
図1において、100は燃料噴射ポンプで、次のように構成されている。
3はポンプケース、2は該ポンプケース3に固定されたプランジャバレルである。1は該プランジャバレル2内に往復摺動可能に嵌合されたプランジャで、この例では上部リード15a及び下部リード15bを備えているが、上部リード15aのみのものもある。
14は該プランジャバレル2に明けられた給排油孔、13は給排油室、4は吐出弁、5は該吐出弁4の弁座、6は吐出弁ばね、7は吐出コネクタである。
また、11は図示しないエンジンのクランク軸に連動される燃料カム、9はタペット、10は該タペット9に回転自在に支持されたタペットローラ、8はタペットスプリング、12は燃料噴射量調整用のラックである。
そして、プランジャ1の先端部に前記のような丸みを形成しておき、該プランジャ1の表面に前記DLC(ダイヤモンド.ライク.カーボン)によるコーティング処理を施す。図2において、10はDLCコーティング層である。
図4は、前記のようなプランジャ1先端部に前記のような丸みR,あるいはR1を形成した場合の、丸みRあるいはR1の大きさとコーティング材の剥離の有無、及びプランジャ1摺動面の摩耗量の計測値を、前記丸み無しの場合と比較して示す。図5の明らかなように、前記丸みRあるいはR1を少なくとも0.6mm以上付すことにより、コーティング材の剥離を回避でき、且つ前記丸みRあるいはR1を大きくするに従い摩耗が小さくなる。
図3において、20は燃料噴射弁で、次のように構成されている。
21は弁本体、22はノズルチップ、23は該ノズルチップ22内の往復摺動可能に嵌合された針弁、27は針弁ばね、26は前記燃料噴射ポンプ100の燃料吐出口からの噴射管(図示省略)に接続される燃料通路、25は前記ノズルチップ22の先端部に明けられた噴孔である。
かかる燃料噴射弁20をそなえたエンジンの運転時において、前記燃料噴射ポンプ100から圧送され、燃料通路26を通って燃料溜め28内に溜められた高圧燃料は、該高圧燃料の圧力が前記針弁23の開弁圧つまり針弁ばね27のセット圧によって設定された開弁圧を超え、該高圧燃料の圧力によって針弁23が開弁すると、噴孔25からエンジンの燃焼室内に噴射せしめられる。
さらに、燃料中に潤滑性向上剤を添加することにより、DME(ジオメチルエーテル)等のエーテル系化合物(沸点が90℃以下で、且つ動粘度が0.7mm2/s以下である)のように低粘度の燃料を使用するエンジンであっても、プランジャ1と相手部材であるプランジャバレル2、あるいは針弁23と相手部材であるノズルチップ22との間の、摺動部における潤滑油膜の形成が確実になされる。
以上により、かかる実施例によれば、耐摩耗性及び耐焼付き性が向上されて、高回転数、高出力エンジンに使用しても高い耐久性を有する燃料噴射装置が得られる。
尚、前記第1実施例は、上部リード15a及び下部リード15bの2つのリードを有するプランジャ1であるが、小型燃料噴射ポンプのように、上部リード15aのみの1つのリードを有するプランジャ1の場合には、スラスト力のバランス作用がなく該スラスト力Tが大きくなるため、前記効果がより顕著となる。
1 プランジャ
2 プランジャバレル
3 ポンプケース
4 吐出弁
10 DLCコーティング層
14 給排油孔
20 燃料噴射弁
22 ノズルチップ
23 針弁
R,R1 丸み
Claims (5)
- 燃料噴射ポンプのプランジャにより高圧に加圧された燃料を燃料噴射弁に導入し、該燃料噴射弁の針弁の開弁によりこの燃料をエンジンの燃焼室内に噴射するように構成された内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料噴射ポンプ及び燃料噴射弁の摺動部材の表面に、炭素を主成分とするコーティング材によるコーティング処理を施したことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記摺動部材が特殊鋼からなる前記プランジャであり、該プランジャが往復摺動自在に嵌合されるプランジャバレルを特殊鋼で構成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記プランジャは、その先端部に所定の曲率半径からなる丸みが形成され、該丸み形成部分及びこれに連なる端面及び外周面に、前記コーティング材によるコーティング処理を施したことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記摺動部材が特殊鋼からなる前記針弁であり、該針弁が往復摺動自在に嵌合されるノズルチップを特殊鋼で構成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記燃料として、沸点が90℃以下で、且つ動粘度が0.7mm2/s以下であるエーテル系化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005184678A JP2007002776A (ja) | 2005-06-24 | 2005-06-24 | 内燃機関の燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005184678A JP2007002776A (ja) | 2005-06-24 | 2005-06-24 | 内燃機関の燃料噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007002776A true JP2007002776A (ja) | 2007-01-11 |
Family
ID=37688617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005184678A Pending JP2007002776A (ja) | 2005-06-24 | 2005-06-24 | 内燃機関の燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007002776A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011231723A (ja) * | 2010-04-28 | 2011-11-17 | Yanmar Co Ltd | 燃料噴射ポンプ |
JP2014109222A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Yanmar Co Ltd | 燃料噴射ポンプ |
JP2015137627A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | 株式会社デンソー | インジェクタ |
-
2005
- 2005-06-24 JP JP2005184678A patent/JP2007002776A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011231723A (ja) * | 2010-04-28 | 2011-11-17 | Yanmar Co Ltd | 燃料噴射ポンプ |
JP2014109222A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Yanmar Co Ltd | 燃料噴射ポンプ |
JP2015137627A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | 株式会社デンソー | インジェクタ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6802457B1 (en) | Coatings for use in fuel system components | |
JP4768826B2 (ja) | 特に内燃機関の燃料噴射装置のための高圧ポンプ | |
KR101145627B1 (ko) | Gdi엔진의 연료 펌프 윤활 장치 | |
JP4010175B2 (ja) | 内燃機関の燃料ポンプ | |
EP3289213B1 (en) | Lubricant injector for large slow-running two-stroke engine and production method | |
US20110089359A1 (en) | Spring retaining sleeve | |
JPH11311164A (ja) | 耐スカッフィング、耐摩耗プランジャ、ジルコニアセラミックプランジャ、ユニット燃料インジェクタ、アキュムレ―タアセンブリ、及び電子燃料ポンプ | |
KR20100034889A (ko) | 캠으로 구동하는 연료 펌프 윤활장치 | |
JP2018109416A (ja) | 大型低速2ストロークエンジン内で使用され、焼入れ弁座を有する潤滑油インジェクタ及び製造方法 | |
US20150114353A1 (en) | Injection nozzle | |
JP2007002776A (ja) | 内燃機関の燃料噴射装置 | |
JP2007297994A (ja) | 燃料供給用ポンプ | |
JP6441934B2 (ja) | ポンプ要素 | |
EP1288486A3 (de) | Leckagekanal in einem Kraftstoffhochdrucksystem | |
US20090026292A1 (en) | Coatings for use in fuel system components | |
EP2146087B1 (en) | Fuel injection device for diesel engine, method for manufacturing the same, and valve unit | |
US10393111B2 (en) | Pump with wear-resistant barrel and plunger having coating support | |
JP2010180783A (ja) | 燃料供給装置 | |
JP2011174424A (ja) | 高圧燃料供給ポンプ | |
JP2010229898A (ja) | 燃料供給ポンプ | |
JP2008057527A (ja) | プランジャポンプ | |
JP3940259B2 (ja) | 燃料ポンプ及びそれを用いた筒内噴射エンジン | |
JP2010001848A (ja) | 流量調整弁及びこの流量調整弁を用いた高圧燃料ポンプ | |
US20110220065A1 (en) | Common Rail High Pressure Pump | |
CN105065166B (zh) | 柴油机喷油嘴的针阀、针阀偶件及针阀加工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070802 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20090122 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090123 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20090323 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090605 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090904 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20090925 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20091113 |