JP6584948B2 - 海生生物の付着抑制方法 - Google Patents

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本発明は、海生生物の付着抑制方法に関する。
製鉄所、発電所、あるいは、化学プラント等で海水を取り入れて冷却水として用いている。そのような海水冷却水系の経路や熱交換器に、フジツボ、ヒドロ虫、ホヤ、あるいはムラサキイガイ等の貝類、さらには微生物由来のスライム等が付着し、海水流の妨げや冷却効率の低下等の障害を引き起こすことが知られている。
これら障害を防止するために、海水冷却水系の海水の経路に過酸化水素を添加し、生物の付着を防止する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、過酸化水素はフジツボには有効だが、その他の生物には低濃度では効きにくい。また、過酸化水素は鉄イオンと反応すると活性酸素や酸素ガスを発生し、これらが酸化剤として海水冷却水系内の金属部材に孔食を生じさせ、海水冷却水系や熱交換器等に障害を引き起こす。
一方、遊離塩素剤を使用する方法が特許文献3で提案されているが、遊離塩素剤は水中の有機物と反応してトリハロメタン等の発がん性物質を生成するため好ましくない。
このため、特許文献4では、海水冷却水系の海水に、0.1〜0.5mg/L(リットル)のアンモニウムイオンと、このアンモニウムイオン1モルに対して有効塩素または有効臭素に換算して0.7〜1.2モルの塩素剤または臭素剤との共存下に、海生生物の付着防止有効量の過酸化水素あるいは過酸化水素供給化合物を添加して、海水冷却水系への海生生物の付着を防止すると共に、海水冷却水系に存在する金属製配管の腐食を防止する、海生生物の付着防止方法が提案されている。
しかしながら、水産資源を守るために定められた水産用水基準(非特許文献1)では、海水中のアンモニア態窒素の安全基準濃度は0.03mg/Lとされており、特許文献4の技術でのアンモニウムイオンの添加濃度はこの基準を上回っており、この技術を実施した場合には、水産資源に対する影響が懸念される。
特開昭54−161592号公報 特開2002−248479号公報 特開2005−144212号公報 特開2003−329389号公報
社団法人 日本水産資源保護協会、「水産用水基準 第7版(2012年版)」、平成25年1月発行
本発明は、上記従来技術の問題点を解決する、すなわち、海水冷却水系内の金属部材や水産資源に対する影響の懸念を生じさせずに、海生生物の付着抑制を可能とする海生生物の付着抑制方法を提供することを目的とする。
海生生物の付着抑制方法は、海水冷却水系の海水に対して、モノクロラミン溶液を全残留塩素濃度として0.01mg/L以上0.15mg/L以下の濃度で添加することを特徴とする。
本発明の海生生物の付着抑制方法では、前記モノクロラミン溶液が、下流側端が前記海水冷却水系に接続する送液経路を流れる水に、当該水中の遊離残留塩素濃度が500mg/L以上10000mg/L以下の任意の濃度となるように次亜塩素酸化合物を添加し、かつ、前記次亜塩素酸化合物の添加箇所よりも前記送液経路の下流側の箇所で、前記水中の遊離残留塩素濃度とアンモニウムイオン濃度とのモル比が1:1〜1:1.5の範囲となるようにアンモニウム塩化合物を添加することで、前記次亜塩素酸化合物と前記アンモニウム塩化合物とを反応させて生成したものとすることができる。
本発明の海生生物の付着抑制方法では、前記モノクロラミン溶液の添加を一日当たり12時間以上行うことができる。
本発明の海生生物の付着抑制方法によれば、海水冷却水系内の金属部材や水産資源に対する影響の懸念を生じさせずに、海生生物の付着抑制を可能とする。
本発明の海生生物の付着抑制方法では、前記モノクロラミン溶液が、下流側端が前記海水冷却水系に接続する送液経路を流れる水に、当該水中の遊離残留塩素濃度が500mg/L以上10000mg/L以下の任意の濃度となるように次亜塩素酸化合物を添加し、かつ、前記次亜塩素酸化合物の添加箇所よりも前記送液経路の下流側の箇所で、前記水中の遊離残留塩素濃度とアンモニウムイオン濃度とのモル比が1:1〜1:1.5の範囲となるようにアンモニウム塩化合物を添加することで、前記次亜塩素酸化合物と前記アンモニウム塩化合物とを反応させて生成したものであると、ジクロラミンやトリクロラミン等の副生成物が生成せず、安定で、海生生物の付着抑制効果に優れたモノクロラミンを確実に生成することが可能となる。
本発明の海生生物の付着抑制方法では、前記モノクロラミン溶液の添加を一日当たり12時間以上行うことにより、本発明の海生生物の付着抑制効果を高めることが可能となる。
実施例における試験装置の概要を示すモデル説明図である。 海生生物の付着の有無や多少を調べるための試験体、および、試験体を収納する試験カラムを示すモデル説明図である。 試験で用いたモノクロラミン生成装置のモデル説明図である。 3〜5月の試験後に取り出された試験体の写真である。 5〜7月の試験後に取り出された試験体の写真である。 7〜9月の試験後に取り出された試験体の写真である。 9〜11月の試験後に取り出された試験体の写真である。
本発明者等は、特許文献4に記載の技術について検証を行ったところ、海水冷却水系内の海水に直接、次亜塩素酸化合物、および、アンモニウム塩化合物(以下、これらを併せて「原料薬剤」とも云う。)を低濃度で添加しても、例えば、次のような理由で、海生生物の付着抑制効果に優れたモノクロラミンを、海水中に安定して生成、維持させることができないことが判った。
・原料薬剤を数mg/L以下の低濃度同士で共存させても、モノクロラミンの生成反応は遅い。一方、海水中には種々の有機物が存在し、これら有機物は低濃度の次亜塩素酸化合物とも速やかに反応して、次亜塩素酸化合物を分解してしまうため、添加した次亜塩素酸化合物がモノクロラミンの生成に寄与できない。
・特許文献4では、低濃度のアンモニウム塩化合物存在下に、高濃度の次亜塩素酸化合物を添加しているため、次亜塩素酸化合物の添加箇所周辺の次亜塩素酸化合物と水とが完全混合する前の状態では、アンモニウムイオンに対する次亜塩素酸イオンのモル比が部分的に1以上となる。その結果、モル比が1以上の部分でモノクロラミン以外にジクロラミンやトリクロラミンが生成してしまう。生成したジクロラミンやトリクロラミンは不安定で、これらとモノクロラミンとが複合的に反応してアンモニア態窒素の分解反応が進行する。
上記理由により引用文献4に記載の技術では、海水中にモノクロラミンを安定して生成、維持させることができず、そのため、十分な海生生物の付着抑制効果を得ることができなかった。
これに対して、本発明では、500mg/L以上10000mg/L以下の高濃度のモノクロラミン溶液を生成し、これを海水に添加することでこのような問題を解決することができる。
本発明で用いるモノクロラミン溶液は、例えば次のようにして連続的に生成することができる。すなわち、下流側端が前記海水冷却水系に接続する配管などの送液経路を流れる水に、当該水中の遊離残留塩素濃度が500mg/L以上10000mg/L以下の任意の濃度となるように次亜塩素酸化合物を添加し、次亜塩素酸化合物の添加箇所よりも前記送液経路の下流側の箇所で、前記水中の遊離残留塩素濃度とアンモニウムイオン濃度とのモル比が1:1〜1:1.5の範囲となるようにアンモニウム塩化合物を添加することで、次亜塩素酸化合物とアンモニウム塩化合物とを反応させて生成する。
上記送液経路を流れる水としては、水道水や工業用水などの清水の他、海水を用いることもできる。海水中の次亜塩素酸化合物と反応する物質の量と比較して、次亜塩素酸化合物の上記範囲の添加量が圧倒的に多いので、海水を使用してもモノクロラミンの生成に影響を及ぼすほど次亜塩素酸化合物が減少することはない。但し、海水中の有機物と次亜塩素酸化合物とが反応すると、トリハロメタンが生成するおそれが生じる。このようなトリハロメタンの生成を防ぐ上で、水道水や工業用水などの清水を用いることが好ましい。なお、次亜塩素酸化合物とアンモニウム塩化合物とが反応し、モノクロラミンの形になったものを海水に添加しても、モノクロラミンと海水中の有機物とが反応してトリハロメタンを生成することはない。
用いる次亜塩素酸化合物としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム等やこれらの併用が挙げられるが、これらに限定されるものではない。水中で次亜塩素酸塩を生成する化合物であれば、全て本発明の次亜塩素酸化合物に含まれる。このうち特に、5〜12質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いると、ポンプで注入しやすく、また、市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液には適度な遊離アルカリが共存するため、後述するようにモノクロラミンの生成反応が速やかに進むので好ましい。
次亜塩素酸化合物は水中の遊離残留塩素濃度が500mg/L以上10000mg/L以下となるように添加する。添加濃度が低すぎるとモノクロラミンを効率よく生成させにくくなる。また、生成するモノクロラミン溶液も低濃度となるため、モノクロラミンの海水への添加濃度を全残留塩素濃度として0.01mg/L以上0.15mg/L以下とするためには、海水に対して多量のモノクロラミン溶液を添加しなければならなくなる。そのため、モノクロラミン生成装置が大型化してしまうという弊害が生じる。また、添加濃度が高すぎると、遊離残留塩素に対するアンモニウムイオンのモル比を1以上にしてもモノクロラミン以外にジクロラミンやトリクロラミンが生成してしまうので好ましくない。なお、好ましい濃度範囲は1000mg/L以上5000mg/L以下である。
用いるアンモニウム塩化合物としては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ホウ酸アンモニウム等、および、これらの併用が挙げられ、塩化アンモニウムや、硫酸アンモニウムであると、比較的高濃度の水溶液とすることができ、ポンプでの注入が容易になるので好ましい。
アンモニウム塩化合物は、水中の遊離残留塩素濃度(モル濃度)を1としたときに、アンモニウムイオン濃度(モル濃度)が1以上となるように添加することがモノクロラミンを効率よく生成するために好適である。また、上記のモル比率を1.5超とすると、生成したモノクロラミンを海水に添加した際に、海水中のアンモニア態窒素の濃度が水産用水基準を超える恐れがあるため好ましくない。
また、アンモニウム塩化合物の添加は次亜塩素酸化合物の添加箇所の下流側で行うことが好適である。アンモニウム塩化合物の添加箇所を次亜塩素酸化合物の添加箇所の上流側とすると、次亜塩素酸化合物の添加箇所周辺の次亜塩素酸化合物と水とが完全混合する前の状態では、アンモニウムイオンに対する次亜塩素酸イオン(=遊離残留塩素)のモル比が部分的に1以上となる。その結果、モル比が1以上の部分でモノクロラミン以外にジクロラミンやトリクロラミンが生成してしまう。生成したジクロラミンやトリクロラミンは不安定で、これらとモノクロラミンとが複合的に反応してアンモニア態窒素の分解反応が進行し、モノクロラミン濃度は低下する。また、上記反応はpHの低下を伴う反応であり、溶液のpHが酸性となることで次亜塩素酸イオンから塩素ガスが発生するので極めて危険である。
次亜塩素酸化合物とアンモニウム塩化合物の添加順や両者の濃度およびモル比が適切であれば、上記副反応は起こらず、モノクロラミンのみを生成することが可能だが、モノクロラミンの生成反応はpH8〜9の弱アルカリ性で最も進行しやすい。従って、次亜塩素酸化合物として遊離アルカリを含む次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いると、次亜塩素酸化合物添加後の水のpHが自然と弱アルカリ性になるので好ましい。
なお、原料薬剤の添加箇所の下流側にラインミキサー等の攪拌手段を設置することがモノクロラミンを効率よく発生させる上で好ましい。特に次亜塩素酸化合物添加箇所とアンモニウム塩化合物添加箇所の間にラインミキサーを設置することが、水中の次亜塩素酸イオンを均一濃度とし、次亜塩素酸イオンとアンモニウムイオンの部分的なモル比の逆転を防止する上で好ましい。また、送液経路の途中に混合槽を設け、そこで攪拌を行うこともできる。
モノクロラミン溶液を上記方法で生成することで、最初に添加した次亜塩素酸化合物由来の遊離残留塩素のほとんどすべてがモノクロラミンとなる。従って、生成したモノクロラミン溶液中の全残留塩素濃度は、次亜塩素酸化合物添加時の水中の遊離残留塩素濃度とほぼ同一の、500mg/L以上10000mg/L以下の任意の濃度となる。
本発明では、上記方法で生成した500mg/L以上10000mg/L以下の任意の濃度のモノクロラミン溶液を、海水冷却水系の海水に対して全残留塩素濃度として0.01mg/L以上0.15mg/L以下の濃度で添加する。添加濃度が0.01mg/L未満だと、所望の海生生物付着抑制効果が発揮されず、0.15mg/Lを超えて添加した場合には、水産資源に対する影響が懸念される。
本発明においてモノクロラミンの添加は常時連続的に行ってもよいが、断続的に行うこともできる。その場合、一日にモノクロラミンを添加する時間の合計を12時間以上とすることが好ましい。添加時間が少なすぎると海生生物の付着抑制効果が十分に得られない恐れが生じる。
なお、モノクロラミンを添加した海水冷却水系の海水を海に放流する際には、放流前の海水中の全残留塩素濃度を測定し、全残留塩素が残っている場合には、必要量の還元剤を添加して中和した後に放流することが好ましい。用いる還元剤は、モノクロラミンと反応してモノクロラミンを分解するものであれば特に制限はないが、亜硫酸ナトリウムが好適に利用される。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の海生生物の付着抑制方法は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の海生生物の付着抑制方法を適宜改変することができる。このような改変によってもなお、本発明の海生生物の付着抑制方法の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
以下に、本発明の実施例を示す。
<試験装置>
図1に試験装置の概略をモデル的に示す。
水中ポンプPにより汲み上げられた海水は3つのラインL0、L1、および、L2にそれぞれ供給される。バルブB0、B1、および、B2により1時間当たり3000Lに流量調節された後に、ラインL0ではそのまま、ラインL1ではモノクロラミン溶液が、ラインL2では過酸化水素溶液がそれぞれ添加されたのちラインミキサーM1、および、M2により混合されて、後述する試験カラムFを通過し、流量計FM0、FM1、あるいは、FM2を経て、海へ放流される。なお、ラインL1では放流前に亜硫酸ナトリウムを添加して、残留塩素を中和している。
図2に試験カラムF、および、試験カラムFの内部に収納される試験体1のモデル図を示す。試験カラムFは両端に接続用のフランジ部を有する、内径が75mm(75A)、長さが500mmの塩化ビニル製の配管である。試験カラムFの内部には、アクリル樹脂製の半円筒体(長さ:500mm)で、水の流れ方向上流側の半分に、海生生物の付着を容易とするためにビニロン(PVA繊維)製の網2が貼られた試験体1が収納されている。
<モノクロラミン生成装置>
図3にモノクロラミン生成装置Aをモデル的に示す。
ボールタップLSにより一定水量の工業用水が貯留されている水タンク10から、ポンプ11により1時間当たり0.3Lの流量で工業用水が送液経路に送られる。その送液経路で、タンク12内の12質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液がポンプ13により1時間当たり2.5gの添加量で添加され、ラインミキサー14により攪拌され、次いで、さらにその下流でタンク15内の15質量%の塩化アンモニウム水溶液がポンプ16により1時間当たり1.8gの添加量で添加されてモノクロラミンが生成する。このとき、送液経路内で混合される遊離残留塩素濃度とアンモニウムイオン濃度とのモル比は1:1.2であり、生成されるモノクロラミン水溶液の濃度は全残留塩素濃度として1000mg/Lである。
このようにして生成したモノクロラミン溶液を、送液経路の下流側端から図1のラインL1の海水に添加した。このとき、海水へのモノクロラミンの添加濃度は全残留塩素濃度として0.1mg/Lである。
また、ラインL2には、35質量%の過酸化水素水を1時間当たり17gの添加量で添加した。このとき、海水への過酸化水素の添加濃度は2.0mg/Lである。
試験は東京湾岸で3〜11月の間、2ヶ月ごとに試験体を新しいものへと交換しながら行い、取り出したそれぞれの試験体について海生生物の付着状況を調べた。
その結果、3〜5月の間に試験を行った、無処理系(ラインL0)の試験体には、ヒドロ虫、スライムが付着していたが、モノクロラミン添加処理系(ラインL1)、および、過酸化水素添加処理系(ラインL2)とも、それらの試験体には付着物はなかった(図4参照)。
5〜7月の間に試験を行った、無処理系、および、過酸化水素添加処理系の試験体には、ともに多量のヒドロ虫、および、ホヤが付着していたが、モノクロラミン添加処理系の試験体には、付着物はほとんどなかった(図5参照)。
7〜9月の間に試験を行った、無処理系の試験体にはフジツボ、スライムが付着し、過酸化水素添加処理系の試験体にも若干量のフジツボおよびスライムの付着が見られたが、モノクロラミン添加処理系の試験体には、付着物はほとんど見られなかった(図6参照)。
9〜11月の間に試験を行った、無処理系の試験体には、フジツボ、ホヤ、スライムが付着していたが、モノクロラミン添加処理系、および、過酸化水素添加処理系とも、試験体には付着物はほとんどなかった(図7参照)。
なお、上記3〜11月の試験において、ラインL1の亜硫酸ナトリウムによる中和直前の水を不定期に採取し、全残留塩素濃度の測定を行ったところ、0.05〜0.1mg/Lの範囲であった。
また、この9〜11月の間、ラインL1と同様にして、ただし、モノクロラミンの海水への添加濃度を全残留塩素濃度として0.02mg/Lとした系、および、ラインL1と同様に、ただし、モノクロラミンの添加を一時間おきに交互に行い、1日の添加時間の合計を12時間とした系についても試験を行い、それぞれの系の試験体を調べたが、両者とも付着物はほとんどなかった。
P 水中ポンプ
L0、L1、L2 ライン
B0、B1、B2 バルブ
M1、M2 ラインミキサー
F 試験カラム
1 試験体
2 網
FM0、FM1、FM2 流量計
A モノクロラミン生成装置
LS ボールタップ
10 水タンク
11、13、16 ポンプ
12、15 タンク
14 ラインミキサー

Claims (4)

  1. 海水冷却水系の海水に対して、全残留塩素濃度として500mg/L以上10000mg/L以下の濃度のモノクロラミン溶液を添加して、前記海水の全残留塩素濃度0.01mg/L以上0.15mg/L以下の濃度とすることを特徴とする海生生物の付着抑制方法。
  2. 前記モノクロラミン溶液が、
    下流側端が前記海水冷却水系に接続する送液経路を流れる水に、当該水中の遊離残留塩素濃度が500mg/L以上10000mg/L以下の任意の濃度となるように次亜塩素酸化合物を添加し、かつ、
    前記次亜塩素酸化合物の添加箇所よりも前記送液経路の下流側の箇所で、前記水中の遊離残留塩素濃度とアンモニウムイオン濃度とのモル比が1:1〜1:1.5の範囲となるようにアンモニウム塩化合物を添加することで、前記次亜塩素酸化合物と前記アンモニウム塩化合物とを反応させて生成したものであることを特徴とする請求項1に記載の海生生物の付着抑制方法。
  3. 海水冷却水系の海水に対して、モノクロラミン溶液を全残留塩素濃度として0.01mg/L以上0.15mg/L以下の濃度で添加するものであり、
    前記モノクロラミン溶液が、
    下流側端が前記海水冷却水系に接続する送液経路を流れる水に、当該水中の遊離残留塩素濃度が500mg/L以上10000mg/L以下の任意の濃度となるように次亜塩素酸化合物を添加し、かつ、
    前記次亜塩素酸化合物の添加箇所よりも前記送液経路の下流側の箇所で、前記水中の遊離残留塩素濃度とアンモニウムイオン濃度とのモル比が1:1〜1:1.5の範囲となるようにアンモニウム塩化合物を添加することで、前記次亜塩素酸化合物と前記アンモニウム塩化合物とを反応させて生成したものであることを特徴とする海生生物の付着抑制方法。
  4. 前記モノクロラミン溶液の添加を一日当たり12時間以上行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の海生生物の付着抑制方法。
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