<実施の形態1>
実施の形態1における充電制御装置および充電制御方法の実施の形態を説明する。図1は、実施の形態1における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。充電制御装置100は、道路に設けられた道路側給電システム300から充電対象車両である自車両1に設けられた蓄電装置110への充電を制御する。
道路側給電システム300は、道路に設けられ、車両に搭載された蓄電装置110に非接触で給電を行う機能を有する。道路側給電システム300が設けられた道路には、複数の車両属性の各々に対応して複数の走行規制条件が予め規定されている。
各車両属性は、車両に固有の条件であり、走行中に変化することのない条件である。各車両属性は、例えば、車両区分に関する条件、車種に関する条件、ナンバープレートに関する条件、車両の仕様に関する条件、車両に搭載される装置に関する条件、運転者に関する条件、搭乗者数に関する条件を含む。車両区分とは、大型車両、小型車両、緊急車両等であり、例えば法令で規定される区分である。
各走行規制条件は、道路側給電システム300が設けられる道路、車線または領域に固有の条件である。各走行規制条件は、例えば、車両の走行速度に関する条件、車両の走行パターンに関する条件、特定の車線または領域への進入可否に関する条件、特定の車線または領域における優先走行の可否に関する条件等を含む。車両の走行速度に関する条件とは、制限速度のことである。なお、制限速度とは、法定速度または規制速度で定められる速度である。法定速度または規制速度は、車両属性に応じて、国または地方自治体により規定される。
蓄電装置110は、自車両1に搭載され、車両駆動用の電力を蓄える装置、つまりバッテリである。
充電装置120は、道路側給電システム300から電力を受電し、後述する充電条件設定部20から通知される充電条件に従ってその電力を制御し、蓄電装置110に充電する。
充電制御装置100は、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電を制御する。充電制御装置100は、走行規制条件設定部10と充電条件設定部20とを含む。
走行規制条件設定部10は、道路側給電システム300が設けられた道路に対応しかつ複数の車両属性に応じて予め規定される複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。
充電条件設定部20は、その自車両1に適用される走行規制条件に基づき、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電条件を決定する。充電条件とは、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電に制約を課すための条件である。充電条件とは、例えば、充電の可否すなわち充電のオンまたはオフに関する条件、充電効率に関する条件、充電量に関する条件等である。または、充電条件は、充電する電力に課される電力課金条件であってもよい。本実施の形態1では、充電条件設定部20は、充電条件を充電装置120に通知する。
図2は、充電制御装置100が備える処理回路90の一例を示す図である。走行規制条件設定部10および充電条件設定部20の各機能は、処理回路90により実現される。すなわち、処理回路90は、走行規制条件設定部10および充電条件設定部20を含む。
処理回路90が専用のハードウェアである場合、処理回路90は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路等である。走行規制条件設定部10および充電条件設定部20の各機能は、複数の処理回路により個別に実現されてもよいし、1つの処理回路によりまとめて実現されてもよい。
図3は充電制御装置100が備える処理回路の別の一例を示す図である。処理回路は、プロセッサ91とメモリ92とを含む。プロセッサ91がメモリ92に格納されるプログラムを実行することにより、走行規制条件設定部10および充電条件設定部20の各機能が実現される。例えば、プログラムとして記述されたソフトウェアまたはファームウェアがプロセッサ91により実行されることにより各機能が実現される。すなわち、充電制御装置100は、道路側給電システム300が設けられた道路に対応しかつ複数の車両属性に応じて予め規定される複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定し、自車両1に適用される走行規制条件に基づき、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電条件を決定し、道路側給電システム300から蓄電装置110に充電する充電装置120に、または、道路側給電システム300に充電条件を通知するプログラムを格納するメモリ92と、そのプログラムを実行するプロセッサ91とを備える。また、プログラムは、走行規制条件設定部10および充電条件設定部20の手順または方法をコンピュータに実行させるものである。
プロセッサ91は、例えば、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等である。メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。または、メモリ92は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
上述した走行規制条件設定部10および充電条件設定部20の各機能は、一部が専用のハードウェアによって実現され、他の一部がソフトウェアまたはファームウェアにより実現されてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現する。
図4は、実施の形態1における充電制御方法を示すフローチャートである。
ステップS10にて、走行規制条件設定部10は、道路側給電システム300が設けられた道路に対応しかつ複数の車両属性に応じて予め規定されている複数の走行規制条件を入力する。
ステップS20にて、走行規制条件設定部10は、予め自車両1に記憶されていた自車両1の車両属性を入力する。
ステップS30にて、走行規制条件設定部10は、複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。
ステップS50にて、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件に基づき充電条件を決定する。つまり、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件を順守して走行する車両には、順守せずに走行する車両よりも有利な充電条件を決定する。例えば、充電条件設定部20は、走行規制条件を順守して走行する車両には、充電が許可されるよう、または高い充電効率で充電されるよう充電条件を決定する。
ステップS60にて、充電条件設定部20は、充電装置120に充電条件を通知する。
ステップS70にて、充電装置120は、道路側給電システム300から電力を受電し、充電条件設定部20から通知される充電条件に従って蓄電装置110に充電する。
上記の充電制御装置100において、充電条件設定部20は充電装置120に代えて道路側給電システム300に充電条件を通知してもよい。その場合、道路側給電システム300は、充電条件に従って充電装置120に給電する。
また、自車両1に適用される走行規制条件の設定手順は、ステップS10からステップS30の設定手順に限定されるものではない。上記の走行規制条件設定部10は、ステップS10にて、複数の車両属性に応じて予め規定されている複数の走行規制条件を入力し、ステップS20にて、自車両1の車両属性を入力し、ステップS30にて、複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき自車両1に適用される走行規制条件を設定した。一方で、走行規制条件設定部10は、まず、予め自車両1に記憶されている自車両1の車両属性を入力し、その自車両1の車両属性に対応する走行規制条件を入力し、入力した自車両1の車両属性に対応する走行規制条件を自車両1に適用される走行規制条件に設定してもよい。
以上のように、本実施の形態1における充電制御装置100は、道路に設けられた道路側給電システム300から自車両1に設けられた蓄電装置110への充電を制御する充電制御装置100であって、道路に対応しかつ複数の車両属性の各々に応じて予め規定される複数の走行規制条件と道路を走行する自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する走行規制条件設定部10と、自車両1に適用される走行規制条件に基づき、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電条件を決定する充電条件設定部20と、を備える。充電条件設定部20は、道路側給電システム300から蓄電装置110に充電する充電装置120に、または、道路側給電システム300に充電条件を通知する。
このような構成により、自車両1に適用される走行規制条件を順守して走行する車両には、順守せずに走行する車両よりも有利な条件で充電される。充電制御装置100は、車両が適正な走行をするよう誘導することができる。
また、本実施の形態1における充電制御方法は、道路に設けられた道路側給電システム300から自車両1に設けられた蓄電装置110への充電を制御する充電制御方法であって、道路に対応しかつ複数の車両属性に応じて予め規定される複数の走行規制条件と道路を走行する自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定し、自車両1に適用される走行規制条件に基づき、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電条件を決定し、道路側給電システム300から蓄電装置110に充電する充電装置120に、または、道路側給電システム300に充電条件を通知する。
このような構成により、自車両1に適用される走行規制条件を順守して走行する車両には、順守せずに走行する車両よりも有利な条件で充電される。充電制御方法は、車両が適正な走行をするよう誘導する。
<実施の形態2>
実施の形態2における充電制御装置および充電制御方法を説明する。実施の形態1と同様の構成および動作については説明を省略する。図5は、実施の形態2における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。
充電制御装置100、蓄電装置110および充電装置120は、自車両1に設けられる。自車両1には、車両駆動装置130、車両操作装置140および車両属性記憶装置150がさらに設けられる。
車両駆動装置130は、いずれも図示は省略するが、蓄電装置110より電力の供給を受けて車両を駆動させる。車両駆動装置130は、例えば、モータ、および、そのモータによって駆動される走行駆動部等を含む。
車両操作装置140は、運転者が車両駆動装置130を操作するための装置であり、ハンドル、アクセルおよびブレーキ等である。運転者は、車両操作装置140を操作することにより、車両駆動装置130に対し指示を与え、車両を操縦する。
車両属性記憶装置150は、自車両1の車両属性を予め記憶している。
本実施の形態2において、道路側給電システム300は、特定の車両属性を有する車両のみが進入を許可される車線または領域(区域)に設けられる。複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件は、車両属性ごとの進入可否に関する条件を含む。例えば、一の車両属性は「特定の車線または領域に規定される進入規制を満たす車両」であり、その一の車両属性に対応する走行規制条件は「走行可」である。また、他の車両属性は「特定の車線または領域に規定される進入規制を満たさない車両」であり、他の車両属性に対応する走行規制条件は「走行不可」である。
本実施の形態において、上記の各走行規制条件は、道路側給電システム300に記憶されている。道路側給電システム300は、充電対象の車両に設けられた充電制御装置100に、各走行規制条件を路車間通信によって送信する。または、例えば、道路側給電システム300は、出力する給電波形に各走行規制条件を重畳して各走行規制条件を充電制御装置100に送信してもよい。
走行規制条件設定部10は、道路側給電システム300から各走行規制条件を入力する。また、走行規制条件設定部10は、車両属性記憶装置150から、例えば図示しない車内LAN(Local Area Network)を通じて自車両1の車両属性を入力する。走行規制条件設定部10は、それら複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。
充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件に基づき、充電条件を決定し、充電装置120に通知する。本実施の形態において充電条件は蓄電装置110への充電の許可または不許可に関する条件、すなわち充電のオンまたはオフに関する条件である。
本実施の形態2において、充電装置120は、道路側給電システム300から一定値で給電される電力を受電する。上述の充電条件設定部20は、充電装置120により蓄電装置110に充電される電力が、充電装置120において充電条件に従って制御されるよう充電条件を決定する。つまり、充電装置120は、充電条件に従い、受電した一定値の電力を一定値以下に制御して蓄電装置110を充電する。
図6は、実施の形態2における充電制御方法を示すフローチャートである。
ステップS100にて、充電制御装置100は、道路側給電システム300と通信し、自車両1が道路側給電システム300を走行中か否かを判定する。走行中であると判定された場合、ステップS110が実行される。走行中でないと判定された場合、ステップS100が繰り返される。道路側給電システム300との通信および走行中か否かの判定は、走行規制条件設定部10が実行してもよいし、例えば、充電制御装置100に別途設けられる走行位置判定部(図示せず)により実行されてもよい。
ステップS110にて、走行規制条件設定部10は、自車両1が道路側給電システム300を走行中であるとの判定結果に基づき、複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件を道路側給電システム300から入力する。例えば、道路側給電システム300が、HOV(High-Occupancy Vehicle)レーンに設けられる場合、一の車両属性は「搭乗者数が特定値以上」であり、その一の車両属性に対応する走行規制条件は「走行可」である。また、他の車両属性は「搭乗者数が特定値未満」であり、他の車両属性に対応する走行規制条件は「走行不可」である。なお、特定値とは2以上であり、例えば、「搭乗者数が2人以上」または「搭乗者数が3人以上」などでもよい。
ステップS120にて、走行規制条件設定部10は、自車両1の車両属性を車両属性記憶装置150から入力する。自車両1の車両属性は、「搭乗者数」に応じて「搭乗者数が特定値以上」または「搭乗者数が特定値未満」のいずれかに、走行前に設定される。その「搭乗者数」は、自車両1に設けられる搭乗者数を収集する手段(図示せず)により予め収集され車両属性記憶装置150に記憶される。「搭乗者数」を収集する手段は、例えば、車内撮影カメラまたは重量センサーである。車内撮影カメラは、自車両1内を撮影し「搭乗者数」を認識する。重量センサーは、座席に設置され、重量に基づき「搭乗者数」を認識する。
ステップS130にて、走行規制条件設定部10は、複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。自車両1の車両属性が「搭乗者数が特定値以上」である場合、走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件に「走行可」を設定する。自車両1の車両属性が「搭乗者数が特定値未満」である場合、走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件に「走行不可」を設定する。
ステップS150にて、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件に基づき充電条件を決定する。自車両1に適用される走行規制条件が「走行可」である場合、充電条件設定部20は充電条件を「充電許可」に決定する。自車両1に適用される走行規制条件が「走行不可」である場合、充電条件設定部20は充電条件を「充電不許可」に決定する。
ステップS160にて、充電制御装置100は、充電装置120に充電条件を通知する。
ステップS170にて、充電装置120は、充電条件が「充電許可」である場合、道路側給電システム300から受電した電力を蓄電装置110に充電する。充電条件が「充電不許可」である場合、充電装置120は、道路側給電システム300から受電した電力を蓄電装置110に充電しない。
ステップS180にて、充電制御装置100は、充電制御を終了するか否かを判定する。終了すると判定された場合、充電制御方法は終了する。例えば、充電制御装置100は、運転者によって充電しないことが選択された場合、充電制御を終了する。終了しないと判定された場合、再びステップS100が実行される。
複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件は、上記に限られない。車両属性ごとの進入可否の条件は、ナンバープレートの奇数および偶数に基づいて設定される条件であってもよい。例えば、一の車両属性は「ナンバープレートが偶数」であり、その一の車両属性に対応する走行規制条件は「走行可」である。また、他の車両属性は「ナンバープレートが奇数」であり、他の車両属性に対応する走行規制条件は「走行不可」である。「偶数」が「走行不可」および「奇数」が「走行可」であってもよい。
また別の一例として、車両属性ごとの進入可否の条件は、車種に基づく条件であってもよい。例えば、一の車両属性は「特定車種」であり、他の車両属性が「特定車種以外」である。さらに別の一例として、一の車両属性は「公用車」であり、他の車両属性が「公用車以外」であっても良い。
さらに、上記の各車両属性に特定の曜日、日、時間帯等が組み合わされてもよい。充電制御装置100は、特定の曜日、日、時間帯にのみ走行可能な車両に対して充電を制御することができる。
また、自車両1に適用される走行規制条件の設定手順は、ステップS110からステップS130の設定手順に限定されるものではない。本実施の形態2における走行規制条件設定部10は、ステップS110にて、複数の車両属性に応じて予め規定される複数の走行規制条件を道路側給電システム300から入力し、ステップS120にて、自車両1の車両属性を車両属性記憶装置150から入力し、ステップS130にて、複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき自車両1に適用される走行規制条件を設定した。一方で、走行規制条件設定部10は、まず、自車両1の車両属性を車両属性記憶装置150から入力し、その自車両1の車両属性を道路側給電システム300に送信し、道路側給電システム300から自車両1の車両属性に対応する走行規制条件を入力し、入力した自車両1の車両属性に対応する走行規制条件を自車両1に適用される走行規制条件に設定してもよい。
以上をまとめると、本実施の形態2における充電制御装置100の充電条件設定部20は、自車両1に設けられる。
このような構成により、充電制御装置100が道路側給電システム300に設けられる場合と比較して、道路側給電システム300の構成が簡易化される。また、充電制御装置100は、自車両1に記憶された車両属性を容易に入手できる。
また、本実施の形態2における充電制御装置100の充電条件設定部20は、道路側給電システム300から一定値で給電される電力を受電する充電装置120によって蓄電装置110に充電される電力が、充電条件に従って充電装置120において制御されるよう充電条件を決定し、充電条件を充電装置120に通知する。
このような構成により、道路側給電システム300の構成が簡易化される。
また、本実施の形態2における充電制御装置100が設定する自車両1に適用される走行規制条件は、道路の走行可否に関する条件を含む。充電条件設定部20は、走行可否に関する条件に基づき、充電条件を決定する。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1が走行を許可される車線または領域において、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電を制御することできる。
また、本実施の形態2における充電制御装置100が決定する充電条件は、蓄電装置110への充電のオンまたはオフに関する条件を含む。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1に適用される走行規制条件を順守する車両に対してのみ、道路側給電システム300から蓄電装置110へ充電されるよう制御することができる。
また、本実施の形態2における充電制御装置100の走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件を設定するための複数の走行規制条件を道路側給電システム300から入力する。
このような構成により、充電制御装置100は、道路ごとに異なる複数の走行規制条件を、自車両1が走行する道路に設けられた道路側給電システム300から取得でき、各走行規制条件の取得および照合に関連する装置構成を簡略化できる。
また、本実施の形態2において、充電装置120は自車両に設けられる例が示されたが、充電制御装置100が充電装置120をさらに含む構成であってもよい。この場合も、充電装置120は、充電条件設定部20より通知される充電条件に従って、道路側給電システム300から蓄電装置110へ充電する。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1に適用される走行規制条件を順守して走行する車両には、道路側給電システム300から蓄電装置110に有利な条件で充電させることが可能となる。
(実施の形態2の変形例1)
本実施の形態2の変形例1における道路側給電システム300は、特定の車両属性を有する車両が優先走行可能な車線または領域に設けられる。複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件は、車両属性ごとの優先走行の可否に関する条件を含む。
道路側給電システム300がバス優先道路に設けられる場合、一の車両属性は「バス」であり、その一の車両属性に対応する走行規制条件は「優先走行可」である。また、他の車両属性は「バス以外の車両」であり、他の車両属性に対応する走行規制条件は「優先走行不可」である。
図6におけるステップS150にて、自車両1に適用される走行規制条件が「優先走行可」である場合、充電条件設定部20は、充電条件を「効率100%で充電」に決定する。適用される走行規制条件が「優先走行不可」である場合、充電条件設定部20は、充電条件を「効率50%で充電」に決定する。このように、上記の実施の形態2とは異なり、充電条件が、蓄電装置110への充電効率に関する条件であってもよい。
ステップS170にて、充電装置120は、充電条件に従い蓄電装置110を充電する。充電条件が「効率100%で充電」である場合、充電装置120は、道路側給電システム300から受電した一定値の電力を制限せずに、蓄電装置110に充電する。充電条件が「効率50%で充電」である場合、充電装置120は、道路側給電システム300から受電した一定値の電力を50%に制限して、蓄電装置110に充電する。
また、バスの停留所付近においては、バスに対して「充電許可」、バス以外の車両に対して「充電不許可」の充電条件が決定されてもよい。この場合、充電制御装置100は、自車両1の現在位置と、その現在位置に対応する地図情報とから、自車両1がバスの停留所の近くに位置するか否かを判定する。その判定結果に基づき、充電条件設定部20は、充電効率に関する充電条件を決定するか、充電の可否に関する充電条件を決定するか選択する。
以上のように、本実施の形態2の変形例1における充電制御装置100が設定する自車両1に適用される走行規制条件は、道路における優先走行の可否に関する条件を含み、充電条件設定部20は、優先走行の可否に関する条件に基づき、充電条件を決定する。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1が優先的な走行を許可される車線または領域において、道路側給電システム300から蓄電装置110への充電を制御することできる。
また、本実施の形態2の変形例1における充電制御装置100が決定する充電条件は、蓄電装置110への充電効率に関する条件を含む。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1に適用される走行規制条件を順守しない車両よりも順守する車両に対して、高い効率で充電されるよう制御することができる。
(実施の形態2の変形例2)
本実施の形態2の変形例2において、複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件は、車両属性ごとの優先走行の可否に関する条件を含み、その車両属性は、車両に搭載される車載装置の有無に関する条件を含む。ここで、車載装置は、政府または道路管理者等により搭載が推奨される装置であり、課金装置、交通情報受信装置、予防安全装置、プローブ情報配信装置などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。課金装置とは、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、ETC(Electronic Toll Collection System)などである。交通情報受信装置とは、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)などである。予防安全装置とは、自動運転制御装置、衝突防止ブレーキなどである。
例えば、一の車両属性は「推奨車載装置を搭載する車両」であり、その一の車両属性に対応する走行規制条件は「優先走行可」である。また、他の車両属性は「推奨車載装置を搭載しない車両」であり、他の車両属性に対応する走行規制条件は「優先走行不可」である。
充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件が「優先走行可」である場合、「優先走行不可」である場合よりも有利な充電条件に設定する。
また複数の車両属性は、車両ごとの仕様により区分されてもよい。例えば、複数の車両属性は、各車両に対して課される環境規制の達成度に関する条件であってもよい。環境規制の達成度とは、例えば、電費すなわち単位走行距離当たりの電力消費量の小ささ等である。この場合、充電条件設定部20は、環境規制の達成度が低い仕様を有する車両よりも、達成度が高い仕様を有する車両に有利な充電条件を決定する。
以上のように、本実施の形態2の変形例2において、複数の車両属性は、道路の管理者によって推奨される車載装置の搭載の有無に関する条件を含む。
このような構成により、充電制御装置100は、推奨される車載装置が搭載されている車両には、その車載装置が搭載されていない車両よりも有利な充電条件に決定することができる。
<実施の形態3>
実施の形態3における充電制御装置および充電制御方法を説明する。実施の形態1または実施の形態2と同様の構成および動作については説明を省略する。図7は、実施の形態3における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。
本実施の形態3において、複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件は、車両属性ごとの走行速度に関する情報であり、ここでは最高速度である。
走行規制条件設定部10は、道路側給電システム300から入力する車両属性ごとの最高速度と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。その自車両1に適用される走行規制条件は、最高速度に基づく適正速度範囲を含み、ここでは最高速度以下である。
車両駆動装置130は、自車両1の走行に関する走行情報を充電制御装置100に出力する。本実施の形態3において、自車両1の走行情報は、自車両1の走行速度である。自車両1の走行速度は、車両駆動装置130に設けられた速度計(図示せず)により測定される。
充電条件設定部20は、車両駆動装置130から自車両1の走行情報を入力する。充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件と自車両1の走行情報とに基づき、充電条件を決定する。すなわち、充電条件設定部20は、自車両1の走行速度が、自車両1に適用される適正速度範囲を満たしているか否か判定し、その判定結果に基づいて充電条件を決定する。そして、充電条件設定部20は、充電条件を充電装置120に通知する。
図8は、実施の形態3における充電制御方法を示すフローチャートである。図6に示されるフローチャートにステップS140が追加されており、ステップS100からステップS130の各処理は図6に示される実施の形態2と同様である。
図9は、ステップS110にて、入力される複数の走行規制条件の一例を示す図であり、高速道路において車両属性ごとに規定される最高速度を示す図である。車両属性は、大型トラック、一般車両、緊急車両に区分されており、緊急車両は、さらに通常時、緊急時、追跡時に区分されている。一般車両とは、大型トラックでもなく、緊急車両でもない車両である。
ステップS120で入力される自車両1の車両属性が、一般車両である場合、ステップS130にて、走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件を、最高速度に基づく適正速度範囲である「100km/h以下」に設定する。
ステップS140にて、充電条件設定部20は、車両駆動装置130より自車両1の走行速度を入力する。
ステップS150にて、充電条件設定部20は、充電条件を決定する。図10は、充電条件の決定方法の一例を示すフローチャートである。本実施の形態3において、ステップS150は、図10に示されるフローチャートにより実行される。
ステップS200にて、充電条件設定部20は、自車両1の走行情報が自車両1に適用される走行規制条件を満たしているか判定する。ここでは、充電条件設定部20は、自車両1の走行速度が、「100km/h以下」を満たしているか否かを判定する。満たしていると判定された場合、ステップS210が実行される。満たしていないと判定された場合、ステップS220が実行される。
ステップS210にて、充電条件設定部20は、充電条件を「充電許可」に決定し、充電条件の決定方法は終了する。
ステップS220にて、充電条件設定部20は、充電条件を「充電許不許可」に決定し、充電条件の決定方法は終了する。
続いて、図8に示されるステップS160からステップS180が実行される。これらは、実施の形態2と同様である。
以上により、自車両1の車両属性が一般車両である場合の充電制御方法の一例が示されたが、自車両1の車両属性がその他の車両属性である場合も同様である。自車両1の車両属性が、大型トラックである場合、走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件を「80km/h以下」に設定する。また、自車両1の車両属性が緊急車両である場合は、図9に示される通常時、緊急時または追跡時のそれぞれの最高速度に基づく走行規制条件が設定される。
また、複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件は、最低速度または推奨速度であってもよい。最低速度とは、渋滞を起こすような不自然に遅い速度、または、高速道路の最低速度規制等である。
また、各車両属性は、図9に示される区分に限られず、法令で規定される車両区分であってもよい。各車両属性と各走行規制条件との関係は、国、州または地方自治体により個別に規制されてもよい。
充電条件は、「充電許可」もしくは「充電不許可」で規定される2値のうちのいずれかに決定されることに限られない。例えば、充電条件は、「効率100%で充電」もしくは「効率50%で充電」で規定される2値のうちいずれかに決定されてもよい。
以上をまとめると本実施の形態3における充電制御装置100の充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件と自車両1の走行情報とに基づき、充電条件を決定する。
このような構成により、自車両1に適用される走行規制条件を自車両1が満足するか否かが、自車両1の走行状態に依存する場合でも、充電制御装置100は、自車両1の走行情報を取得し、それに応じた充電条件を決定することができる。
また、本実施の形態3における充電制御装置100が設定する自車両1に適用される走行規制条件は、走行速度に関する条件を含み、充電条件設定部20は、走行情報に含まれる自車両1の走行速度が走行速度に関する条件を満たすか否か判定して、充電条件を決定する。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1が走行速度に関する条件を順守して走行する場合には、順守しない場合よりも高い効率で充電されるよう制御することできる。
(実施の形態3の変形例1)
本実施の形態3の変形例1において、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件の順守度に応じて充電条件を決定する。
上記の実施の形態3と同様に、自車両1の車両属性が一般車両である場合、走行規制条件設定部10は、図8のステップS130にて、自車両1に適用される走行規制条件を「100km/h以下」に設定する。本変形例においては、走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件に基づき複数の順守条件をさらに設定する。例えば、走行規制条件設定部10は、第1順守条件を最高速度に基づく適正速度範囲である「100km/h以下」に設定し、第2順守条件を「100km/hを越え110km/h以下」に設定する。
ステップS150にて、充電条件設定部20は充電条件を決定する。図11は、本実施の形態3の変形例1における充電条件の決定方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、ステップS150は、図11に示されるフローチャートにより実行される。
ステップS300にて、充電条件設定部20は、自車両1の走行速度が、第1順守条件「100km/h以下」を満たしているか否かを判定する。満たしていると判定された場合、ステップS310が実行される。満たしていないと判定された場合、ステップS320が実行される。
ステップS310にて、充電条件設定部20は、充電条件を「効率100%で充電」に決定し、充電条件の決定方法は終了する。
ステップS320にて、充電条件設定部20は、自車両1の走行速度が、自車両1に適用される第2順守条件「100km/hを超えかつ110km/h以下」を満たしているか否かを判定する。満たしていると判定された場合、ステップS330が実行される。満たしていないと判定された場合、ステップS340が実行される。
ステップS330にて、充電条件設定部20は、充電条件を「効率50%で充電」に決定し、充電条件の決定方法は終了する。
ステップS340にて、充電条件設定部20は、充電条件を「充電許不許可」に決定し、充電条件の決定方法は終了する。
以上の充電条件の決定方法では、自車両1の走行速度が最高速度を超過した場合、充電条件は「効率50%で充電」または「充電不許可」に決定された。しかし、充電条件設定部20は自車両1が緊急事態を回避するためにやむなく最高速度を超過した場合などを考慮したうえで、充電条件を決定してもよい。例えば、充電条件設定部20は、ステップS320にて自車両1の走行速度が第2順守条件を満たしていると判定した場合、予め定められた時間、例えば2分間は、充電条件を「効率100%で充電」に決定してもよい。
以上のように、走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件に基づいて複数の順守条件を設定する。走行規制条件設定部10は、自車両1の走行情報が各順守条件を順守するか否かにより自車両1に適用される走行規制条件の順守度を判定する。そして、走行規制条件設定部10は、その判定結果に基づいて充電条件を決定する。これにより、自車両1に適用される走行規制条件の順守度に応じた充電条件が決定される。
上記の充電条件の決定方法では、自車両1に適用される走行規制条件の順守度に応じて3種類の充電条件から1つの充電条件が決定された。充電条件設定部20は、さらに多値の充電条件から1つの充電条件を決定してもよい。さらに充電条件設定部20は、充電条件を順守度に応じて連続的に変化するよう決定してもよい。その場合、充電条件設定部20は、例えば、自車両1の走行情報と自車両1に適用される走行規制条件との関係式から充電条件を決定する。
また、車両属性ごとに異なる種類の充電条件が規定されていても良い。例えば、大型トラックに対しては、「充電許可」または「充電不許可」の2値から1つの充電条件が決定され、一般車両に対しては、多値の充電条件から1つの充電条件が決定されてもよい。
以上のように、本実施の形態3の変形例1における充電制御装置100の充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件の順守度を判定し、判定結果に基づいて充電条件を決定する。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1に適用される走行規制条件を順守しない車両よりも順守する車両に対し、有利な充電条件を決定することができる。
(実施の形態3の変形例2)
複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件は、一定時間内の特定の走行パターンに関する条件であってもよい。特定の走行パターンとは、蛇行運転パターン、急発進急加速パターンなど、自車両1の周囲の車両に対して迷惑運転と認められる走行パターンである。また、車両属性ごとに特定の走行パターンは異なる。例えば、大型トラックと一般車両とでは、同じ走行パターンでも運転者に与える迷惑の程度が異なるからである。特定の走行パターンに関する条件には、車両が特定の走行パターンで走行した場合の車両の速度データおよび加速度のデータが含まれる。
走行規制条件設定部10は、道路側給電システム300から入力する車両属性ごとの特定の走行パターンと自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。すなわち、自車両1に適用される走行規制条件は、一定時間内の特定の走行パターンである。
車両駆動装置130は、自車両1の一定時間内の走行パターンを自車両1の走行情報として充電制御装置100に出力する。自車両1の走行パターンは、速度データおよび加速度データを含む。自車両1の速度データおよび加速度データは、それぞれ車両駆動装置130に設けられた速度計および加速度センサー(いずれも図示せず)によって測定される。
充電条件設定部20は、走行情報に含まれる自車両1の走行パターンが、特定の走行パターンを満たすか否か判定して、充電条件を決定する。この際、充電条件設定部20は、自車両1の走行パターンが特定の走行パターンに一致すればするほど、制限された充電条件、つまり不利な充電条件に設定してもよい。
充電制御装置100は、迷惑運転と認められる走行パターンをしないで走行をする車両には、迷惑運転と認められる走行パターンで走行をする車両よりも、高い効率で充電されるよう制御することできる。その結果、充電制御装置100は車両に対し迷惑走行を抑止することもできる。
(実施の形態3の変形例3)
充電条件設定部20は、自車に適用される走行規制条件および自車両1の走行情報に加えて、自車両1のその他の車両属性に基づき、充電条件を決定してもよい。例えば、自車両1のその他の車両属性が、運転者の運転免許に関する情報を含む場合、充電条件設定部20は、車両属性ごとの最高速度に関する走行規制条件と、自車両1の走行速度と、運転者の運転免許に関する情報とに基づき、充電条件を設定する。運転者の運転免許に関する情報は、運転免許証またはその他の個人情報記憶媒体から自車両1の車両属性として取得される。充電条件設定部20は、運転者が優良運転者でない場合、または、運転免許の履歴に減点がある場合には、優良運転者よりも充電条件を不利に設定する。充電制御装置100は、運転者に対し交通法規を守ることを促すこともできる。
(実施の形態3の変形例4)
充電条件は、蓄電装置110へ充電する電力の充電価格に関する条件であってもよい。つまり、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件と自車両1の走行情報とに基づき、充電価格つまり電力課金条件を決定する。または、充電条件設定部20は、先に決定した充電条件に応じて充電価格を決定する。
自車両1に適用される走行規制条件を満足しない車両の充電価格は、満足する車両の充電価格よりも高い価格に決定される。充電条件設定部20は、決定した充電価格を、自車両1に設けられる課金装置(図示せず)に通知する。
また、別の一例として、充電制御装置100が充電条件を出力する設定条件出力部(図示せず)を含み、設定条件出力部を介して課金装置に充電条件を通知してもよい。この場合、課金装置は、充電条件に従って充電価格を設定する。
本変形例の充電制御装置は、上記の実施の形態3の変形例3における充電制御装置の構成と組み合わせた構成を有してもよい。運転者が優良運転免許証の所有者である場合には、充電条件設定部20は、通常の運転免許証の所有者よりも低価格な充電価格に決定する。
以上のように、充電制御装置100は、自車両1に適用される走行規制条件を順守する車両には、順守しない車両よりも低価格な充電価格を設定することができる。
(実施の形態3の変形例5)
充電制御装置100は、実施の形態3またはその各変形例に記載の構成に、実施の形態2またはその各変形例に記載の構成を組み合わせた構成を有していてもよい。例えば、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件である「優先走行可」および「100km/h以下」のいずれをも自車両1が満足する場合には、充電条件を「効率100%で充電」に決定する。充電条件設定部20は、自車両1が「優先走行可」であるものの、「100km/h以下」の走行規制条件を順守していない場合には、充電条件を「効率75%で充電」に決定する。
<実施の形態4>
実施の形態4における充電制御装置および充電制御方法を説明する。実施の形態1から3のいずれかに記載の充電制御装置100と同様の構成および動作については説明を省略する。
図12は、実施の形態4における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。本実施の形態4における充電制御装置100は、複数の車両属性に応じて予め規定される複数の走行規制条件を、道路側給電システム300に代えて地図情報から取得する。
車載情報システム160が自車両1に設けられている。車載情報システム160は、現在位置取得部161と、走行規制条件取得部162とを含む。
現在位置取得部161は、自車両1の現在位置を取得する。現在位置取得部161は、例えば、自車両1に搭載されたGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機(図示せず)にて受信された現在位置を取得する。
走行規制条件取得部162は、現在位置と地図情報とを照合することにより自車両1が位置する道路に規定される複数の走行規制条件を取得し、走行規制条件設定部10に出力する。地図情報には、道路ごとに、複数の車両属性に応じて予め規定される複数の走行規制条件が格納されている。また、地図情報には、道路側給電システム300の設置情報も含まれている。なお、地図情報は、自車両1に搭載された地図情報記憶装置(図示せず)または車外のサーバ(図示せず)から取得する。
図13は、実施の形態4における充電制御方法を示すフローチャートである。
ステップS90にて、現在位置取得部161は、自車両1の現在位置を取得する。
ステップS92にて、走行規制条件取得部162は、現在位置と地図情報とを照合し、現在位置における複数の車両属性ごとの複数の走行規制条件を地図情報から取得する。
ステップS100にて、充電制御装置100は、車載情報システム160にて取得される自車両1の現在位置と地図情報に含まれる道路側給電システム300の設置情報とに基づき、自車両1が道路側給電システム300を走行中か否かを判定する。この判定は、例えば、走行規制条件設定部10または充電制御装置に含まれる走行位置判定部(図示せず)が実行する。走行中であると判定された場合、ステップS110が実行される。走行中でないと判定された場合、ステップS100が繰り返される。
ステップS110にて、走行規制条件設定部10は、走行規制条件取得部162から複数の車両属性の各々に対応する複数の走行規制条件を入力する。
ステップS120以降は、図8に示される充電制御方法と同様である。
なお、充電制御装置100が上記の現在位置取得部161と走行規制条件取得部162とを含む構成であってもよい。この場合、現在位置取得部161および走行規制条件取得部162の各機能はプログラム化され、図2または図3に示される処理回路により実現される。
以上をまとめると本実施の形態4における充電制御装置100の走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件を設定するための複数の走行規制条件を、自車両1の現在位置に対応する地図情報から入力する。
このような構成により、充電制御装置100は、道路側給電システム300に複数の車両ごとに規定される複数の走行規制条件が記憶されていなくても、自車両1の現在位置に基づいて、自車両1に適用される走行規制条件を設定することができる。充電制御装置100は、自車両1の現在位置に基づいて、地図情報から自車両1に適用される走行規制条件を設定することができる。
また、本実施の形態4における充電制御装置100は、自車両1の現在位置を取得する現在位置取得部161と、現在位置における複数の走行規制条件を取得する走行規制条件取得部162と、をさらに備える。走行規制条件設定部10は、自車両1の車両属性と、走行規制条件取得部162にて取得される複数の走行規制条件とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。
このような構成により、充電制御装置100は、道路側給電システム300に複数の車両ごとに規定される複数の走行規制条件が記憶されていなくても、自車両1の現在位置に基づいて、自車両1に適用される走行規制条件を設定することができる。
また、本実施の形態4における充電制御装置100の走行規制条件取得部162は、地図情報と、現在位置取得部にて取得される現在位置とを照合することにより、現在位置における複数の走行規制条件を地図情報から取得する。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1の現在位置に基づいて、地図情報から自車両1に適用される走行規制条件を設定することができる。
(実施の形態4の変形例1)
図14は、実施の形態4の変形例1における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。本実施の形態4の変形例1では、放送受信機170が自車両1に設けられる。
放送受信機170は、放送情報として、複数の車両属性の各々に対応する複数の走行規制条件を受信する。ここで、放送受信機170が受信する複数の走行規制条件は、自車両1が走行中の道路以外の複数の道路に規定される複数の走行規制条件が含まれる。また、放送受信機170が受信する各走行規制条件は、各走行規制条件が規定される各道路の位置情報と関連付けられている。
充電制御装置100は、上記の実施の形態4に記載された現在位置取得部161と走行規制条件取得部162とを含む。現在位置取得部161は、上述したとおり、自車両1の現在位置を取得する。走行規制条件取得部162は、自車両1の現在位置と放送受信機170から入力する放送情報とを照合し、自車両1が走行する道路に規定される複数の走行規制条件を取得する。
走行規制条件設定部10は、自車両1が走行する道路に規定される複数の走行規制条件と、自車両1の車両属性に基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。
充電制御装置100は、上記の放送受信機170に代えて、ビーコンやDSRCなどの路車間通信装置から複数の道路の各々に規定される複数の走行規制条件を入力してもよい。または、充電制御装置100は、放送受信機170に代えて、特定のサーバから各道路に規定される複数の走行規制条件を入力してもよい。
以上のように、本実施の形態4の変形例1における充電制御装置100の走行規制条件取得部162は、複数の道路に規定される複数の走行規制条件を含み、自車両1にて受信される放送情報と、現在位置取得部161にて取得される現在位置とを照合することにより、現在位置における複数の走行規制条件を放送情報から取得する。
このような構成により、充電制御装置100は、自車両1の現在位置に基づいて、放送情報から自車両1に適用される走行規制条件を設定することができる。
(実施の形態4の変形例2)
図15は、実施の形態4の変形例2における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。本実施の形態4の変形例2では、実施の形態4に記載の車載情報システム160に加えて、放送受信機170が自車両1に設けられる。
放送受信機170は、放送情報として、複数の車両属性ごとに規定される複数の走行規制条件の暫定的な変更情報を受信する。暫定的な変更情報とは、例えば、大雨、事故または渋滞による道路ごとの速度規制情報である。すなわち、暫定的な変更情報には、規制情報とその規制が課される位置情報とが含まれる。
走行規制条件設定部は、その暫定的な変更情報に基づき、複数の走行規制条件を更新する。例えば、走行規制条件設定部10は、変更情報判定部11および走行規制条件更新部12を含む。変更情報判定部11は、自車両1が走行中の道路に、放送受信機170から入力される暫定的な変更情報が適用されるか否かを判定する。走行規制条件更新部12は、暫定的な変更情報が適用される走行規制条件を更新する。変更情報判定部11および走行規制条件更新部12の各機能はプログラム化され、図2または図3に示される処理回路により実現される。
図16は、実施の形態4の変形例2における充電制御方法を示すフローチャートである。
ステップS90からステップS110までは、図13に示された各ステップと同様である。
ステップS112にて、走行規制条件設定部10は、放送受信機170より暫定的な変更情報を受信する。ここで、暫定的な変更情報は、一般車両の最高速度が90km/hに規制された旨を含む情報である。
ステップS114にて、変更情報判定部11は、現在位置取得部161にて取得される自車両1の現在位置と、変更情報に含まれる位置情報とに基づき、自車両1が走行中の道路に暫定的な変更情報が適用されるか否かを判定する。適用されると判定される場合、ステップS116が実行され、適用されないと判定される場合、ステップS120が実行される。
ステップS116にて、走行規制条件更新部12は、走行規制条件取得部162にて取得される複数の車両属性に応じた複数の走行規制条件のうち、暫定的な変更情報が適用される走行規制条件を更新する。その後、ステップS120が実行される。
図17は、ステップS116にて、更新された複数の走行規制条件の一例を示す図である。図9に示される更新前の複数の走行規制条件と比較して、一般車両の最高速度が規制速度90km/hに更新されている。
以上をまとめると本実施の形態4の変形例2における充電制御装置100の走行規制条件設定部10は、自車両1にて受信される放送情報に含まれる複数の走行規制条件に対する変更情報を入力し、その変更情報に基づき複数の走行規制条件を更新する。
このような構成により、充電制御装置100は、各走行規制条件が暫定的に変更された場合でも、その変更情報により更新された走行規制条件を自車両1に設定することができる。充電制御装置100は、時間的に正確な走行規制条件に基づいた充電制御が可能である。
<実施の形態5>
実施の形態5における充電制御装置および充電制御方法を説明する。上述された各実施の形態のいずれかと同様の構成は説明を省略する。図18は、実施の形態5における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。
充電制御装置100は、道路側給電システム300または地図情報等から取得された複数の走行規制条件を記憶する走行規制条件格納部30を含む。走行規制条件格納部30の機能は、図3に示される処理回路を構成するメモリ92によって実現される。
図19は、走行規制条件格納部30が記憶する各走行規制条件の一例を示す図であり、それらの走行規制条件は、一般道路における車両属性ごとに規定される複数の走行規制条件である。
また、自車両1の周辺状況を検出する周辺状況検出装置180が自車両1に設けられている。周辺状況検出装置180は、例えば、いずれも図示しない撮像部と画像処理部とを含む。撮像部とは、例えば車外を撮影するカメラであり、道路に設置された道路標示、つまり標識、標示等を撮影する。画像処理部は、例えば画像認識装置であり、カメラにより撮影された画像から道路の規制情報を画像処理して道路標示に含まれる暫定的な変更情報、つまり規制情報を検出する。
走行規制条件設定部は、周辺状況検出装置180により検出される規制情報に基づき、複数の走行規制条件を更新する。例えば、走行規制条件設定部10は、変更情報判定部11および走行規制条件更新部12を含む。変更情報判定部11は、自車両1が走行中の道路に、周辺状況検出装置180から入力される規制情報が適用されるか否かを判定する。走行規制条件更新部12は、規制情報が適用される走行規制条件を更新する。図20は、規制情報により更新された複数の走行規制条件を示す図である。図19と図20とを比較すると、車両属性が、大型トラック、一般車両および通常時の緊急車両の各最高速度が60km/hから50km/hに規制されている。
走行規制条件設定部10は、規制情報により更新された各走行規制条件と、自車両1の車両属性に基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。
また、実施の形態4の変形例1に記載された放送受信機170に代えて、本実施の形態に記載された周辺状況検出装置180が設けられてもよい。走行規制条件設定部10は、車載情報システム160から入力される複数の走行規制条件のうち、周辺状況検出装置180にて検出される規制情報が適用される走行規制条件を更新する。
以上をまとめると本実施の形態5における充電制御装置100の走行規制条件設定部10は、道路に設置された道路標示に含まれる複数の走行規制条件に対する変更情報を入力し、その変更情報に基づき複数の走行規制条件を更新する。
このような構成により、充電制御装置100は、各走行規制条件を道路標示から取得することができ、規制情報を反映した走行規制条件を自車両1に設定することができる。充電制御装置100は、時間的に正確な走行規制条件に基づいた充電制御が可能である。
<実施の形態6>
実施の形態6における充電制御装置および充電制御方法を説明する。上述された各実施の形態のいずれかと同様の構成は説明を省略する。図21は、実施の形態6における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。
表示装置190が自車両1に設けられている。表示装置190は、例えば、液晶表示装置、HUD(Head-Up Display)、インジケータなどである。
充電制御装置100は、充電条件設定部20にて決定された充電条件、すなわち自車両1に現在適用されている充電条件を表示装置190に表示させる表示制御部40を含む。さらに、表示制御部40は、自車両1が道路側給電システム300上を走行している旨、自車両1に適用される走行規制条件または自車両1の走行情報を表示装置190に表示させてもよい。これら表示制御部40の機能はプログラム化され、図2または図3に示される処理回路により実現される。
図22から図24のそれぞれは、表示装置190に表示される画像の一例を示す図である。図22は、充電条件に従い充電装置120が充電を制限している状況を示す図である。図22には、自車両1が道路側給電システム300上を走行している旨として「充電道路走行中」のメッセージが表示されている。充電条件として「充電効率50%」のメッセージが表示されるとともに、充電効率50%であることのインジケータ191が表示されている。また、速度メータ192が表示されており、自車両1に適用される規制速度90km/hが矢印193により、走行規制条件として規制速度90km以下が領域194により、自車両1の走行速度100km/hが矢印195により図示されている。
図23は、充電装置120が充電を制限していない状況を示す図である。自車両1の走行速度は89km/hであり、規制速度の90km/hを下回っていることから、充電条件設定部20が充電条件を「充電効率100%」に決定し、表示制御装置はその充電条件を表示装置190に表示させている。
充電装置120により充電が制限されていない状況では、表示制御部40は、図23の表示に代わり、図24のように、より少ない表示内容を表示させてもよい。この場合、表示制御装置は、自車両1が道路側給電システム300上を走行している旨として「充電道路走行中」および充電条件として「充電効率100%」の各メッセージのみ表示装置190に表示させている。
以上をまとめると本実施の形態6における充電制御装置100は、充電条件設定部20にて決定される充電条件を自車両1に設けられる表示装置190に表示させる表示制御部40をさらに備える。
このような構成により、運転者は現在の充電条件を認識することができる。
(実施の形態6の変形例)
表示制御部40は、表示装置190に充電条件の改善方法を表示させてもよい。充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件と自車両1の走行情報とに基づき、充電条件の改善方法を決定する。例えば、充電条件設定部20は、自車両1の走行速度が、自車両1に適用される制限速度を満たしているか否かを判定する。充電条件設定部20は、走行速度が制限速度を超えていると判定した場合、運転者に対し制限速度以下まで走行速度を落とすことを促すメッセージを作成する。または、充電条件設定部20は、予め記憶されているメッセージから適当なメッセージを選定する。これらの改善方法は、表示制御部40が作成してもよい。表示制御部40は、その充電条件の改善方法を含むメッセージを表示装置190に表示させる。例えば、図22において、表示制御部40は、「現在の走行速度を10km/h落としてください。充電効率が100%に向上します。」というメッセージを、充電条件の改善方法として表示装置190に表示させる。
なお、充電制御装置100が充電条件の改善方法を音声出力装置(図示せず)に出力させる音声出力制御部(図示せず)をさらに含んでもよい。その場合、改善方法は、音声にて運転者に伝えられる。
また、本実施の形態6の変形例における充電制御装置100は、自車両1に設けられる表示装置190に、充電条件の改善方法を表示させる表示制御部40をさらに備える。充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件に基づき、充電条件の改善方法を決定し、表示装置190に表示させるため表示制御部40に出力する。
このような構成により、運転者は充電条件が改善されるよう自車両1を操縦することができる。
<実施の形態7>
実施の形態7における充電制御装置および充電制御方法を説明する。上述された各実施の形態のいずれかと同様の構成は説明を省略する。図25は、実施の形態7における充電制御装置100およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。本実施の形態7における充電制御装置100は、自車両1が備える自動運転装置と連携して動作する。
自動運転制御装置200は、自車両1に設けられ、車両駆動装置130を自動で制御する。また、自動運転制御装置200は、車両操作装置140からの指示を入力する。
充電制御装置100は、自動運転情報入力部50と、設定条件出力部60とを含む。
自動運転情報入力部50は、自動運転制御装置200から自車両1が自動運転中である旨の情報として自動運転情報を入力し、充電条件設定部20に出力する。
充電条件設定部20は、自動運転情報に基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定条件出力部60に出力する。
設定条件出力部60は、自車両1に適用される走行規制条件を自動運転制御装置200に出力する。
なお、これら自動運転情報入力部50および設定条件出力部60の各機能はプログラム化され、図2または図3に示される処理回路により実現される。
充電条件設定部20は、例えば、設定条件出力部60を介して、自車両1に適用される制限速度を、自動運転制御装置200に出力する。
自動運転制御装置200は、自車両1の走行速度が自車両1に適用される制限速度を満たすよう車両駆動装置130を制御する。自車両1は有利な充電条件が決定されるべき走行速度で走行することができる。
自動運転制御装置200は、充電条件に基づき自車両1が走行する車線または領域を移動するように自車両1を制御してもよい。例えば、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件「走行不可」を、自動運転制御装置200に出力する。自動運転制御装置200は、自車両1に適用される走行規制条件「走行不可」に基づき、車線を移動するよう車両駆動装置130を制御する。
充電制御装置が充電条件の改善方法を決定し、自動運転制御装置に出力してもよい。例えば、充電条件設定部20は、自車両1の走行速度が、自車両1に適用される制限速度を満たしているか否かを判定する。充電条件設定部20は、走行速度が制限速度を超えていると判定した場合、充電条件の改善方法、つまりここでは制限速度以下まで走行速度を落とす指示を含む制御信号を作成する。充電条件設定部20は、設定条件出力部60を介して自動運転制御装置200に制御信号を出力する。自動運転制御装置200は、その制御信号に基づいて車両駆動装置130を制御する。
以上をまとめると本実施の形態7における充電制御装置100の充電条件設定部20は、自車両1に設けられる自動運転制御装置200が自動運転中である旨の情報に基づき、自動運転制御装置200に自車両に適用される走行規制条件または充電条件の改善方法を出力する。
充電制御装置100と自動運転制御装置200との連携により、自車両1は、自車両1に適用される走行規制条件を満たして走行する。すなわち、自車両1は、最適な充電条件で充電される。
<実施の形態8>
実施の形態8における充電制御装置および充電制御方法を説明する。図26は、実施の形態8における充電制御装置101およびそれに関連して動作する装置群の構成を示すブロック図である。実施の形態3に記載された充電制御装置101は自車両1に設けられていたが、充電制御装置101は自車両1の外部に設けられてもよく、本実施の形態8では、道路に設けられる。なお、ここでは、道路側給電システム300が設けられた道路を走行する1以上の車両のうち、充電制御装置101によって充電が制御される充電対象の車両を自車両1という。
道路側給電システム300は、道路に設けられ、車両に搭載された蓄電装置110に非接触で給電を行う機能を有する。また、道路側給電システム300は、車両へ給電する電力を制御する機能、すなわち給電する電力を変化させる機能を有する。
道路側給電システム300は、道路に埋設された複数の給電単位(図示せず)で構成される。道路側給電システム300は、路車間通信により、複数の給電単位ごとに走行車両の車両属性に応じて、給電する電力を個別に制御する。複数の給電単位は互いに通信可能であり、道路側給電システム300は、いずれの給電単位上の道路を車両が走行するか予想する。それにより、道路側給電システム300は、給電能力の事前設定が可能である。また、道路側給電システム300が、一定距離の給電能力を変更する機能を有する場合、車両へ給電する電力の制御方法は、上記の方法に限られない。
自車両1には、蓄電装置110、充電装置120、車両駆動装置130、車両操作装置140、車両属性記憶装置150が設けられる。本実施の形態では、車載通信インターフェース210がさらに自車両1に設けられる。
車載通信インターフェース210は、自車両1の外部に設けられる充電制御装置101と通信する。例えば、車載通信インターフェース210は、自車両1の情報を路車間通信により充電制御装置101に送信する機能を有する。また、自車両1と充電制御装置101との間の双方向の情報授受も可能である。
充電制御装置101は、道路に設けられる。充電制御装置101は、走行規制条件設定部10、充電条件設定部20および通信インターフェース70を含む。
走行規制条件設定部10は、車両属性ごとの複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。車両属性ごとの複数の走行規制条件は、予め各走行規制条件が記憶されている走行規制条件記憶部310より取得される。例えば、走行規制条件記憶部310は道路側給電システム300に設けられ、各走行規制条件は、路車間通信により充電制御装置101に送信されてもよいし、道路側給電システム300が出力する給電波形に各走行規制条件が重畳されて充電制御装置101に送信されてもよい。道路を管理する道路管理システムの指示により、適宜、走行規制条件記憶部310に記憶されている各走行規制条件が書き換えられる構成であってもよい。
充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件と自車両1の走行情報とに基づき、充電条件を決定する。本実施の形態において、充電条件設定部20は、充電条件を道路側給電システム300に通知する。
通信インターフェース70は、車両属性入力部71と走行情報入力部72とを含む。車両属性入力部71は、路車間通信により自車両1の車両属性を入力する。走行情報入力部72は、路車間通信により自車両1の走行情報を入力する。車両属性入力部71および走行情報入力部72の各機能はプログラム化され、図2または図3に示される処理回路により実現される。
図27は、実施の形態8における充電制御方法を示すフローチャートである。
ステップS500にて、充電制御装置101は、充電条件をデフォルトに設定する。本実施の形態では、デフォルトは「充電許可」である。
ステップS505にて、充電制御装置101は、車両と路車間通信を行い、道路側給電システム300が設けられた道路を走行する車両が存在するか否か判定する。走行車両が存在すると判定された場合、ステップS510が実行される。走行車両が存在しないと判定された場合、再びステップS500が繰り返される。
ステップS510にて、走行規制条件設定部10は、複数の車両属性に応じて規定される複数の走行規制条件を走行規制条件記憶部310から入力する。例えば、図9に示される車両属性ごとの複数の走行規制条件が入力される。
ステップS520にて、走行規制条件設定部10は、自車両1の車両属性記憶装置150から車載通信インターフェース210と車両属性入力部71とを介して、自車両1の車両属性を入力する。
ステップS530にて、走行規制条件設定部10は、複数の走行規制条件と自車両1の車両属性とに基づき、自車両1に適用される走行規制条件を設定する。自車両1の車両属性が、一般車両である場合、ステップS130にて、走行規制条件設定部10は、自車両1に適用される走行規制条件を「100km/h以下」に設定する。
ステップS540にて、充電条件設定部20は、自車両1の車両駆動装置130から車載通信インターフェース210と走行情報入力部72とを介して自車両1の走行速度を入力する。
ステップS550にて、充電条件設定部20は、自車両1に適用される走行規制条件に基づき充電条件を決定する。このステップS550は、図10に示される充電条件の決定方法と同様である。ステップS200にて、充電条件設定部20は、自車両1の走行速度が、「100km/h以下」を満たしているか否かを判定する。満たしていると判定された場合、ステップS210が実行される。満たしていないと判定された場合、ステップS220が実行される。
ステップS210にて、充電条件設定部20は、充電条件を「充電許可」に決定し、充電条件の決定方法は終了する。
ステップS220にて、充電条件設定部20は、充電条件を「充電許不許可」に決定し、充電条件の決定方法は終了する。
図27に示されるステップS560にて、充電制御装置101は、道路側給電システム300に充電条件を通知する。
ステップS570にて、充電装置120は、道路側給電システム300は充電条件に従って、自車両1に給電する。より詳細には、道路側給電システム300は、自車両1の位置に対応する各給電単位から充電装置に給電される電力を、充電条件に従って制御する。充電条件が「充電許可」の場合、道路側給電システム300は、自車両1の位置に対応する給電単位から充電装置120に電力を供給する。充電条件が「充電不許可」の場合、道路側給電システム300は、充電装置120に給電しない。
ステップS580にて、充電制御装置101は、充電制御を終了するか否かを判定する。終了すると判定された場合、充電制御方法は終了する。終了しないと判定された場合、再びステップS500が実行される。
なお、ステップS500において、充電条件のデフォルト値は「充電不許可」であってもよい。この場合、充電条件設定部20は、車両が走行中の場合にのみ、充電条件を道路側給電システム300に通知する。
また、道路側給電システム300は、走行規制条件記憶部310だけでなく、充電制御装置101を含む構成であってもよい。
また、実施の形態2または3などと同様に、道路側給電システム300が充電装置120に一定値の電力を供給する構成において、充電条件設定部20が通信インターフェース70と車載通信インターフェース210を介して充電装置120に充電条件を通知してもよい。充電装置120は、その充電条件に従って道路側給電システム300から給電される一定値の電力を制限して蓄電装置110に充電する。
以上をまとめると、本実施の形態8における充電制御装置101の充電条件設定部20は、道路に設けられる。
このような構成により、充電制御装置101が自車両1に設けられる場合と比較して、自車両1の構成が簡易化される。
また、本実施の形態8における充電制御装置101の充電条件設定部20は、道路側給電システム300から充電装置120に給電される電力が、充電条件に従って道路側給電システム300において制御されるよう充電条件を決定し、充電条件を道路側給電システム300に通知する。
このような構成により、自車両1の構成が簡易化される。
各実施の形態もしくは各変形例において、充電制御装置は、自車両1、道路もしくは道路側給電システム300に設けられる例として説明された。しかし、充電制御装置の一部が、それぞれ自車両1、道路もしくは道路側給電システム300に分散して配置されてもよい。または、充電制御装置の機能の一部または全てがサーバシステムに設置されてもよい。充電制御装置の全機能を自車両1に搭載する必要がないため、車載装置の構成を簡素化することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。