JP6578319B2 - 細胞の選択的トランスフェクション用の光熱基板 - Google Patents
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Description
本願は、2011年5月13日出願の米国特許出願第61/486114号の優先権を主張し、その内容はあらゆる目的のため全体が参照として本願に組み込まれる。
“ナノ粒子”との用語は、本願において、電子顕微鏡画像及び/又は標準的な2シータX線回折走査の回折ピーク半値幅で測定して、略800nm、700nm、600nm、又は500nm以下、好ましくは200nm、150nm、又は100nm以下、より好ましくは略50nm又は20nm以下の平均サイズの、又は、略10nm以下の微結晶サイズの、少なくとも一寸法を有する粒子を指称する。特定の実施形態では、好ましくは、サイズ分布の第一標準偏差は、平均粒子サイズの60%以下、好ましくは40%以下、最も好ましくは15から30%である。
多様な実施形態において、“単細胞手術ツール”は、最小の細胞損傷で、マイクロインジェクション(微量注入)、マイクロエクストラクション(微量抽出)、及び/又は細胞内操作を行うものとして提供される。これは、脂質二重層によって区切られたあらゆる細胞(例えば、真核細胞、より好ましくは脊椎動物細胞、更に好ましくは哺乳類細胞)に対して使用可能である。特定の実施形態では、本デバイスは、細胞壁を備えた細胞(例えば、植物細胞)に対して利用可能である。
他の実施形態では、物質(エージェント)(例えば、核酸、タンパク質、有機分子、細胞小器官、抗体、他の配位子等)を生細胞内に送達する、及び/又は、それを細胞から抽出するための方法、デバイス、及びシステムが提供される。典型的には、本デバイスは、粒子(例えば、ナノ粒子)及び/または薄膜を有する基板を備える(例えば、上述のようなもの)。細胞をこの基板上に播種することができ、また、任意で、密集培養物が形成されるまで成長させることができる。特定の実施形態では、パルスレーザ(又は他の電磁エネルギー源)を基板全体に照射するか、又は基板の一領域に選択的に照射する(例えば、シャドウマスクに照射して、対応する照射パターンを基板上にうつすことによって)ことができる。エネルギー源(例えば、パルスレーザ)に晒された領域において、吸収されたエネルギーによって、粒子及び/又は薄膜が高温に加熱される。典型的には、数ナノ秒以内で、粒子及び/又は薄膜を取り囲む液体媒体層内に熱が散逸して、蒸気泡を発生させる。蒸気泡の急速な膨張及びその後の崩壊が過渡流体の流れを引き起こして、その近傍の細胞に強力なせん断応力を誘起して、細胞膜(及び/又は細胞壁)に局所的な細孔が形成される。結果として、流体の流れ又は熱拡散によって、膜不透過性分子を細胞内に運ぶことができる。キャビテーション気泡は、粒子及び/又は薄膜がエネルギー源に晒された箇所において優先的に生じるので、細胞培養物の特定の領域において及び/又は特定の時間において、分子摂取を誘起する照射パターンを選択/設計することができる。基板上の摂取領域の位置を、粒子/ナノ粒子及び/又は薄膜のパターンと、照射パターンとの組み合わせによって決めることができる。同様に、摂取のタイミングを照射のタイミングによって制御することができる。このようにして、基板上の粒子のサイズ、物質及び/若しくは密度、並びに/又は、基板上の膜の物質及び/若しくは厚さ、エネルギー源のタイミング、強度及び頻度、並びに、照射パターンを制御することによって、高スループットで空間的に標的化された及び/又は時間的に標的化された分子送達が可能になる。
物質の選択に応じて、本質的にはあらゆる種類の方法を適用して、本願で説明される手術デバイス及び/又は基板を備えたナノ粒子及び/又は薄膜を励起(加熱)することができる。こうした方法として、マイクロ波、レーザ、非コヒーレント光放射(例えば、赤外線放射)、電気加熱、電子スピン共鳴(ESR,electron spin resonance)加熱、磁気的加熱の印加等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の例示的実施形態では、ナノ粒子及び/又は薄膜の加熱は、磁場及び/又は電場及び/又はRF場及び/又は光(例えば、レーザ)の印加によって達成される。
特定の実施形態では、単細胞手術デバイスが、電磁エネルギー源(例えば、レーザ)を用いて加熱可能な粒子又はナノ粒子及び/又は薄膜をチップに又はその近くに有するマイクロピペットを備えて提供される。多様な実施形態において、細胞トランスフェクションデバイスは、電磁エネルギー源(例えば、レーザ)を用いて加熱可能なナノ粒子及び/又は薄膜を備えた基板(例えば、細胞培養ベッセル、マイクロタイタープレート等)を備えて提供される。
マイクロキャピラリ/マイクロピペットを、加熱及び細胞貫通を許容するのに必要な強度及び耐熱性を提供しながら、引き伸ばすことのできる、エッチングすることのできる、又は他の所望の寸法にすることのできるあらゆる物質から製造することができる。また、物質、対象の細胞にとって有毒ではないことが好ましい。特定の実施形態では、マイクロキャピラリは、ガラス、鉱物(例えば、石英)、セラミック、プラスチック(例えば、デルリン(登録商標)、テフロン(登録商標)等)、金属、半導体等の物質を備える。
同様に、好ましくは細胞に対して有毒ではなく、粒子、ナノ粒子又は薄膜コーティングを有することができて、且つ、粒子、ナノ粒子及び/又は薄膜に対する電磁エネルギーの印加によって生じる局所的加熱に耐えることができるあらゆる従来の物質から、“トランスフェクション基板”を備えた基板を製造することができる。適切な物質として、ガラス/シリコン、ゲルマニウム、鉱物(例えば、石英)、セラミック、プラスチック(例えば、デルリン(登録商標)、テフロン(登録商標)等)、金属、半導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
多様な実施形態において、本願で説明される多様なデバイスを構成する粒子及び/又はナノ粒子又は薄膜は、全て同一の物質で形成される。他の実施形態では、特定のデバイスの粒子及び/又はナノ粒子又は薄膜は異なる物質を含む。従って、例えば、所定のデバイス(例えば、ピペット、トランスフェクション基板)が、二種、三種、四種、五種、又はそれ以上の異なる種類の粒子(例えば、粒子サイズ、及び/又は形状及び/又は物質が異なる)を有する粒子/ナノ粒子又は薄膜を含むことができる。同様に、本デバイスを構成する薄膜は、多数の膜(例えば、多層や、マイクロピペット又は基板の異なる箇所に異なる膜)を備えることができる。例えば、金属薄膜の上に、他の金属又は誘電体(例えば、酸化シリコン、窒化シリコン等)層をコーティングすることによって、本デバイスを修正して、基板の加熱又はピペットの先端によって損傷を受ける細胞の面積の割合に影響を与えるように微小気泡の膨張パターンを制御することができる。
粒子又はナノ粒子を製造して表面上に堆積させる又はこのような粒子を表面上にin situで合成する方法と、表面上に薄膜を堆積させる方法とは当業者には周知である。
非接着性細胞への従来のマイクロインジェクションは、吸引力を印加して細胞を安定化させるために他の保持ピペットを用いる必要があるので、面倒なプロセスである。この方法では、ピペットが細胞膜を貫通する際に注入ピペットによって与えられる力に対抗する支えを細胞が有する。吸気圧力は、注入ピペット及び保持ピペットを相対的に位置決めするものであるが、致命的な細胞の損傷及び脆弱な細胞の死に関与する可能性がある。非接着性細胞のマイクロインジェクション効率を上昇させるための現状の一方法は、注入の前及び基板からの細胞の取り外しの際に表面処理された基板上に細胞を結合させることである。この方法は、細胞に対する追加の化学処理をもたらすだけではなく、時間のかかるものである。光ピンセットについては、ミクロン更にはサブミクロンサイズの物体及び生体学的成分をトラップして操作することができると示されている。光ピンセットのトラッピング力は、典型的にピコニュートンのオーダである。結果として、一般的には、光ピンセットを用いて、従来のガラスマイクロキャピラリ注入中に非接着性細胞を固定することは不可能である。
一般的に、本願で説明される方法及びデバイスは、細胞膜を有する本質的にはあらゆる細胞に対して使用可能である。また、本方法及びデバイスは、細胞壁を有する細胞に対しても使用可能である。
本願で説明される方法及びデバイスを用いて、本質的にはあらゆる所望の物質を細胞内に送達することができると考えられる。このような物質として、核酸、タンパク質、細胞小器官、ドラッグデリバリーナノ粒子、プローブ、標識等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本願で説明される方法を用いて細胞内にプラスミドDNAを送達することは、既に少なくとも三種類の接着性細胞において実証されている。従って、本願で説明される方法及びデバイスを用いて、あらゆるプラスミドサイズの遺伝物質を簡単にトランスフェクションすることができる。
特定の実施形態では、基板(トランスフェクション基板)が、既存の設備と容易に集積可能な“モジュール”として提供される。例えば、特定の実施形態では、トランスフェクション基板が、既存の顕微鏡のステージに対して追加可能な又は置換可能な形態で提供される。特定の実施形態では、基板は、倒立顕微鏡(例えば、Zeis倒立顕微鏡)上のx/y/zステージを置換するような形態とされる。
多様な実施形態において、本発明は、細胞手術又は細胞のパターン化トランスフェクションのためのシステムを想定している。特定の実施形態では、細胞手術システムは、本願で説明されるマイクロサージャリーツールと、例えば細胞に対してツールを正確に配置するためのマイクロマニピュレータ/ポジショナとを備える。本システムは、任意で、細胞を保持するための手段(例えば、ピペットや他のマニピュレータ)、手術ツールを介して細胞内に流体及び/又はガス又はデバイスを送達するための手段、例えばツールを介して細胞から流体、細胞小器官等を取り除くための手段等を更に備える。特定の実施形態では、本システムは、視覚化システム(例えば、顕微鏡)、データ/イメージ取得システム、視覚化システム、マイクロマニピュレータ、データ/イメージ取得システムを制御するためのコンピュータ制御システム等を備えることができる。
他の実施形態では、本発明は、単細胞手術、又は細胞内への物質(エージェント)のパターン化送達(パターン化トランスフェクション)を実施するためのキットを提供する。特定の実施形態では、本キットは、本願で説明される単細胞手術ツール及び/又はトランスフェクション基板を含む容器を備える。多様な実施形態において、本キットは、任意で、本願で説明される手術及び/又は細胞のパターン化トランスフェクションを実施するための試薬やデバイス(例えば、試薬、緩衝剤、チューブ、インジケータ、マニピュレータ等)のいずれかを追加的に含むことができる。
以下の実施例は例示的なものであり、本願発明を限定するものではない。
[0161]
[実施例1]
[細胞手術ツールの製造及び使用]
本実施例は、ナノ粒子光熱効果をマイクロキャピラリ法と集積した新規細胞手術デバイスに関する。ここでは、概念実証のための実験結果を与える。従来のマイクロキャピラリ法は、単細胞の記録及び操作を行うための多目的ツールであるが、マイクロキャピラリが細胞膜に孔を穿つ際に、細胞に対して過度の応力を課す。結果として、この方法は、特に、小型の又は機械的に脆弱な細胞に対して、細胞の死をもたらすことが多い。
[金ナノロッドの合成]
多様な実施形態において、ナノロッドの合成は、リジッドテンプレート又は表面活性剤の使用のいずれかによって達成可能である。本応用では、比較的容易な合成方法である表面活性剤の方を採用した。概説すると、合成されたナノロッドは、Jana等(非特許文献61)によって開発されたシード媒介成長法によって生成され、この方法では、表面活性剤の存在下において、3〜4nmのシードが成長溶液に加えられて熟成されて、特異なアスペクト比を有するナノロッドが得られる。表面活性剤の濃度に加えて、特定の量の銀イオンを加えることによって、アスペクト比が制御されることが示されている(非特許文献62)。結果物のナノロッド溶液を、炭素でコーティングされた銅グリッド上でTEMにより特性評価した。図4は、アスペクト比が3.2及び5.8の合成されたナノロッドを示す。
ベンジルジメチルアンモニウムクロライドハイドレート(BDAC,Benzyldimehtylammoniumchloride hydrate)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムボロミド(CTAB,hexadecyltrimethylammonium bromide)、L‐アスコルビン酸、硝酸銀(AgNO3)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、テトラクロロ金酸(HAuCl4‐3H2O)を、シグマアルドリッチ社から入手した。脱イオン水(18M)を実験全体を通して使用した。
5.0mlの0.20M CTABを、5.0mlの0.0005M HAuCl4と混合して、25℃で撹拌した。0.60mlの良く冷えた0.01M NaBH4をその混合物に加えた。結果物の溶液は、金の還元により、茶色がかった黄色に変わった。結果物の溶液を二分間激しく撹拌して、全てのAuがAu0に還元されていることを保証した。
20.0mlの0.15M BDAC及び0.40gのCTABを組み合わせて、40℃で20分間超音波処理して、CTABを完全に溶解させた。四つの別々の小瓶に、200μl0.004M AgNO3を分配して、続いて、5mlのBDAC/CTAB表面活性剤溶液を分配した。これによって、異なるように熟成される四つの異なる成長溶液が得られた。成長溶液はオレンジ色を帯びていた。各小瓶に対して、5.0mlの0.0010M HAuCl4を加えて穏やかに混合し、続いて、70μlの0.9778M L‐アスコルビン酸を加えた。Au3+からAu0への還元中にオレンジ色は消えた。12μmのシード溶液を各小瓶に加えた。これによって、赤みがかった色が生じ、これは、少なくとも60%のAuが還元したことを示す。結果物の溶液を、1時間、24時間、48時間、72時間熟成した。
ここで説明される実験では、波長532nmで持続時間5ナノ秒のパルスレーザを用いた。レーザは、5×3mm2の非集束スポット上に883J/m2のフルーエンスを伝えた。非特許文献63で報告された方法を用いて、金ナノ粒子をガラスマイクロピペット上に直接合成した(図2)。RPMI中で培養したNALM‐6細胞を使用した。ガラスマイクロピペット上のナノ粒子の光熱効果によって、細胞膜に高度に局在化させた一時的な開口を生じさせ、典型的な開口の寸法は、マイクロピペットの先端サイズに近く、2μm程度であった(図3C)。このプロセスの後において、細胞は生きたままであった。金ナノ粒子を有さない同じサイズのガラスマイクロピペットを用いた対照実験も行った。細胞膜はその形状を瞬間的に復元して、レーザパルスの印加後において孔が開いた兆候を示さなかった。また、導電性及び熱伝導性アモルファスカーボンコーティングのレーザ誘起光熱効果についても調べた。アモルファスカーボンの薄膜をガラスマイクロピペット上にスパッタリングした。実験結果は、同一のレーザ影響下において、細胞を瞬間的に溶解して殺す破裂性効果が大きな体積にわたって広がっているというものであった(図3B)。
この実験は、金属ナノ粒子の光熱効果を利用した新規細胞手術ツールを例示し、概念を立証する実験を与えるものである。アモルファスカーボンでコーティングされたマイクロピペットが瞬間的に細胞を溶解して殺すことと比べると、金ナノ粒子でコーティングされたマイクロピペットを用いると、細胞膜に対して局在化された一時的な孔開けが得られる。
[プラスミドDNAのトランスフェクション及び発現]
本プラズモン光熱ピペットを用いて、細胞膜に対する孔開けを実証した。ここで説明される実験では、Qスイッチ周波数二倍Nd:YAGパルスレーザを532nmの波長及び6nsのパルス持続期間で用いた(Continuum社のMililite I)。レーザは、11.8mm2の非集束スポット上に88.3mJ/cm2のフルーエンスを伝えた。スパッタリングによって、金/パラジウム薄膜をガラスマイクロピペット上に堆積させた。DMEM内で培養したヒト胚腎臓HEK293T細胞を用いた。ガラスマイクロペット上のAu/Pd薄膜の光熱効果によって、細胞膜の崩壊を生じさせた。5nmの膜厚に対して、膜の開口の寸法は、マイクロピペットの先端サイズに近く、2μm程度であった(例えば、図11のaを参照)。厚さ13nmの膜に対しては、大きな体積にわたって広がっている破裂性効果が、同一のレーザ影響下において、細胞を瞬間的に溶解して殺した(図11のb)。コーティングを有さない同じサイズのガラスマイクロピペットを用いた対照実験も行った。細胞膜は、レーザパルス印加後において孔開け又は損傷の兆候を示さなかった。
[光ピンセットとの集積]
図13には、開口数(N.A.)1.3 100×の油浸レンズの焦点(集束点)における50mWで1064nmのレーザビームによってトラップされ、光熱ピペットの先端に接触しているNalm‐6細胞が示されている。この光ピンセットは、光熱細胞手術プロセスの時間分解イメージを撮るために用いられるZeiss社の倒立顕微鏡の上に構築されている。これは、光学トラッピング、細胞手術、時間分解イメージングを同時に行うことができる集積光学システムを提供する。光熱ピペットは、細胞膜に孔を開けるのにナノ気泡の破裂を用いるものであるので、ピペットの先端が細胞に優しく接触するだけでよい。この場合、光ピンセットは、そのプロセス中に細胞を適所に保持するのに十分なトラッピング力を有する。保持ピペット及び注入ピペットの両方から細胞に印加される接触力を最少化することに加えて、光ピンセットを組み込むことの他の利点は、操作中の細胞の選択、トラッピング、放出のし易さという点である。
[金粒子でコーティングされた基板を用いた生細胞への光イメージパターン化分子送達]
オプトポレーションは、細胞内に分子及び遺伝子を送達する方法であり、強く集束したパルスレーザビームを利用して、細胞膜に細孔を生成する(非特許文献7)。この方法は、無接触送達を可能にし、フェムト秒レーザを用いて、単細胞を標的にした100%のトランスフェクション効率が実証されている(非特許文献6)。この方法の欠点の一つは、サイト特定又はパターン化細胞トランスフェクションを得るために、レーザビームが全細胞を走査しなければならない点であり、これは、大型のパターン化細胞トランスフェクションが望まれる場合には、複雑さの問題等により時間がかかる。
特定の実施形態では、本デバイスは、表面上に固定した粒子(例えば、金粒子)を備えたプラスチック基板で構成される(例えば、図7を参照)。例えば、密集培養物が形成されるまで、細胞をこの基板上に播種する。パルスレーザをシャドウマスクに照射して、対応する照射パターンを基板上に写す。パルスレーザに晒された領域において、吸収された光エネルギーによって、金粒子が高温に加熱される。数ナノ秒以内に、熱は金粒子を取り囲む液体媒体薄層に散逸して、破裂性の蒸気泡を発生させる(非特許文献60)。蒸気泡の急速な膨張及びその後の崩壊が、過渡流体流れを生じさせて、接着性細胞に強力なせん断応力を誘起して、細胞膜に局在化した細孔が形成される。結果として、流体流れ又は熱拡散によって、膜不透過性分子を細胞内に運ぶことができる。キャビテーション気泡が、金粒子がレーザに晒された箇所においてのみ生じるので、細胞培養物の特定の領域における分子摂取を対象とするように、光学パターンを設計することができる。このようにして、基板上の金粒子のサイズ、密度、励起レーザフルーエンスを制御することによって、高スループットで空間的に標的化された分子送達が可能になる。
一実験では、2200psiの衝突圧力でバイオリスティック注入器(Bio‐Rad社のPDS‐1000)を用いて、0.6μmの金ナノ球(Bio‐Rad社製)をプラスチックペトリ皿に衝突させた。そして、DMEM内で培養した不死化ヒト胚肝臓細胞(HEK293T)を皿の上に置いて、略70〜80%の細胞密集度が得られるまで一晩培養した。Qスイッチ周波数二倍の波長532nmのNd:YAGレーザ(Continuum社のMinilite I)を用いて、デバイスに照射を行った。レーザは、6ナノ秒のパルス幅及び9.4mm2のスポットサイズを有する。シャドウマスクをビーム経路に配置して、所望の光学パターンを投射して、0.83×の縮写で、デバイス上に写した。金粒子から誘起されたキャビテーション気泡を、図8に示される時間分解イメージングシステムを用いて撮影した。高速増感CCDカメラ(Princeton Instrument社のPI‐MAXII)によって、500psの短さの露光時間が得られた。撮影された気泡のイメージと励起レーザパルスとの間のナノ秒の時間遅延を、光ファイバ遅延ラインの長さによって制御した。レーザパルス印加中、1mg/mlの膜不透過性蛍光色素カルセイン(Invitrogen社製で、分子量622.5)を含有する媒体中に細胞を浸漬した。キャビテーション導入後、細胞培養物をリン酸緩衝食塩水で洗浄し、蛍光染色を調べる前に、新品の媒体中に再び浸漬した。
光パターン化分子送達を可能にするデバイスがここで説明された。蛍光分子の送達の成功が、接着性細胞培養物において実証された。標的とされる送達領域をシャドウマスクによって制御した。このデバイスは、生細胞における大規模な、光パターン化分子及び遺伝子送達を達成する可能性を有する。
[標的細胞への試薬の並列送達]
マイクロ流体構造上に光吸収金属ナノ構造を集積させることによって他の並列送達プラットフォームを開発した(例えば、図14を参照)。図示されるデバイスは、側壁にチタンコーティングを有するマイクロ流体オリフィスのアレイで構成される。オリフィスは、その可能のマイクロ流体チャネルのネットワークに接続される。レーザパルスを印加して細胞膜を開口すると、マイクロ流体チャネル中に担持されたカーゴを、外部圧力源によって流体をポンピングすることによって、オリフィスの上の細胞内に積極的に送達することができる。
[哺乳類細胞内への大型カーゴ送達のための光熱ナノブレード]
弾力的で機械的に脆弱で直ぐに再び閉じてしまう哺乳類細胞膜の制御された切断を達成することは難しい。本実施例では、短レーザパルスエネルギーを取り込んでそれを高度に局在化した破裂性蒸気泡(この気泡は、高速流体流れ及び誘起される一時的なせん断応力によって軽く接触している細胞膜に急速に孔を穿つ)に変換する金属ナノ構造を利用した光熱ナノブレードについて説明する。キャビテーション気泡パターンは、金属構造の構成並びにレーザパルスの持続期間及びエネルギーによって制御される。マイクロピペットと金属ナノ構造を集積させると、ナノブレードが、高濃度カーゴ(5×108個の生細菌/mL)を高効率(46%)且つ高い細胞生存率(>90%)で哺乳類細胞内に送達するためのマイクロメートルサイズの膜アクセルポートを発生させる。三桁のサイズ範囲にわたる追加的な生物学的カーゴ及び無生物カーゴ(DNA、RNA、200nmのポリスチレンビーズから2μmの細菌等)が、多種の哺乳類細胞内に送達されている。全体として、光熱ナノブレードは、哺乳類細胞内に多様なカーゴを送達するための効果的方法である。
[デバイスの製造及び実験設定]
チタン(Ti)でコーティングされたマイクロピペットを、直径1mmのボロシリケートガラスキャピラリチューブ(SutterInstruments社のP‐97)を加熱して引き伸ばし、マグネトロンスパッタ堆積システムを用いて、テーパ状の端部にTi薄膜を堆積させることによって製造した。Tiコーティングの厚さ及びマイクロピペットの先端直径を、走査型電子顕微鏡を用いて定量化した。レーザパルスシステムとして、Qスイッチ周波数二倍Nd:YAGレーザ(Continuum社のMinilite I)を波長532nmでパルス幅6nsで作動させた。
3次元有限差分時間領域(FDTD,finite difference time domain)法を用いて、電磁強度パターンをシミュレーションした(RSoft Desing GroupのFullWAVE)。シミュレーション領域を、水媒体領域(nwater=1.34)及び、先端及び外側の側壁がTi(nTi=1.86+2.56i)薄膜でコーティングされたガラスマイクロピペット(nglass=1.46)で構築した。全領域を、完全整合境界層で取り囲んで、無限に広がる空間を再現した。ピペットの先端に対して30度の角度を成す波数ベクトルk及びyに沿って偏光した電場での平面波励起(λ=532nm)を用いた。Tiの時間平均強度プロファイル|Eave|2を、電磁波振動に対して正規化した電気エネルギー密度によって得た。
最適なレーザフルーエンス、膜開口、高い細胞生存率の維持についての基準について検討した。レーザパルス印加前に、ヨウ化プロピジウム(PI,propidium iodide)色素を細胞培地に加えた。マイクロピペットを細胞膜に接触させて、特定のフルーエンスレベルのレーザパルスを照射した。レーザパルス印加後、加熱された細胞を直ちに調べてPIの摂取を評価した。別途、細胞生存率を、レーザパルス印加の90分後にPIを加えて同様に決定し、また経時的に視覚的成長検出を行った。
細胞生存率を、光熱ナノブレードでの切断の90分後にAnnexin V(アネキシンV)及びヨウ化プロピジウム(PI)細胞染色によって決定した。注入された細胞を正確に追跡するため、化学的にパターン化されたガラスカバースリップ基板上に細胞を播種した(非特許文献68)。円形領域(直径略200μm)を画定して、その領域内に細胞の接着及び成長を制限した。各実験に対して、同一の円形パターン(一つのパターン内に略60個の細胞)内の全ての細胞について、同一のレーザパルス及びカーゴ送達条件とした。パターン化基板上に培養されている細胞の生存率の影響を排除するため、処理パターン内で生きている細胞のパーセンテージを、同一のガラス基板上の隣接する未処理パターン内で生きている細胞のパーセンテージで正規化した。送達後の生存率を、三つの別々の実験の平均によって決定した。
GFP発現RNAを、1×の(1倍の)PBS(pH7.4)中に希釈して、IMR90一次ヒト肺線維芽細胞内に注入した。カチオン性の100nmの緑色ポリスチレンビーズで、DsRedエンコーディングレンチウイルスDNAを培養して、球表面にDNAを吸着させた。ビーズを1×のPBS(pH7.4)中に懸濁させて、ヒト胚性幹(hES,human embryonic stem)細胞内に注入した。マトリゲル(BD Biosciences社製)の薄層の上でROCK抑制剤(非特許文献69)を用いて、hES細胞を解離させて培養した。DsRedの発現を注入の24時間後に評価した。緑色カルボン酸修飾ポリスチレンビーズ(200nm)を1×のPBS(pH7.4)(0.1体積%の固体)に懸濁させて、HEK293T細胞内に注入した。蛍光バークホルデリア・タイランデンシス(Burkholderia thailandensis)細菌を、1×のPBS(pH7.4)(108〜109/mLの濃度)に懸濁させて、HeLa細胞に注入した。ダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM,Dulbecco’s modified Eagle’s medium)を用いて、ペニシリン及びストレプトマイシンを用いずに、チャンバ顕微鏡スライド(Nunc LabTek)中で細胞を培養した。注入後直ちに、PBSで3回、細胞を洗浄して、1000mg/mLのカナマイシンを含有する新品の培地内で2時間にわたって培養して、細胞外細菌を殺した。そして、成長培地を、5mg/mLのセフタジジムを含有するDMEMに交換して、細胞外細菌の成長を抑制し、5%のCO2中で37℃において更に16〜24時間にわたって培養した。注入後15〜24時間後において、細胞を4%のパラホルムアルデヒドで固定して、Aluxa Fluor標識化ファロイジンで染色して、アクチン細胞骨格を視覚化した(Invitrogen)。そして、細胞を、LeicaのSP2 AOBSレーザ走査共焦点顕微鏡設備を用いて視覚化した。
バークホルデリア・タイランデンシス及び変異派生物をL培地で培養した。必要に応じて、クロラムフェニコール(25μg/mL)又はテトラサイクリン(20μg/mL)を加えた。
[光熱ナノブレード上の光強度パターンのシミュレーション]
キャビテーション気泡パターンは、薄膜の組成及び構成、並びにレーザ励起パラメータ(波長、パルス持続期間、エネルギー等)によって制御される。図22Cは、レーザ励起されたTiでコーティングされたマクロピペットの3次元有限差分時間領域(FDTD)シミュレーションを用いた計算結果を示す。Tiでコーティングされたマイクロピペットに対して、先端に対して30°の角度で照射を行った。直線偏光では、プラズモン増強光吸収(∝|Eave|2)は、幅2μmのTiリングに対して不均一である(図22D)。高強度領域は、波の偏光方向に沿ってリングの縁に集中している。Tiリングの温度分布は、高強度領域に発生した熱だけではなくて、レーザパルス印加中に低温の金属領域及び周囲媒体に向かう熱拡散によっても支配される。マイクロピペット上のTi膜において、熱拡散帳(〜(Dτ)1/2)の見積もりは、6nsにおいて230nmである。これは、リング状のピペットの先端全体に沿って滑らかな温度プロファイルをもたらす。従って、Ti膜からの熱エネルギー伝導が、隣接する水薄層を臨界温度以上に加熱して(非特許文献60)、リング状のマイクロピペットの先端に蒸気ナノ気泡を発生させる(図23A)。
生哺乳類細胞内へのマイクロメートルサイズのカーゴの送達については、過渡性の膜ポータルがカーゴのサイズに適合していることが望まれる。更に、細胞の修復を可能にして生存率を維持するように損傷領域が制限されることが好ましい。図23Aは、レーザパルスの照射の70ns後における傾斜させたTiでコーティングされたマイクロピペットの先端におけるキャビテーション気泡を示す。先端が細胞膜に接触すると、その相互作用が気泡の膨張を抑制するので、気泡サイズの劇的な減少が観測された。この場合、70nsで、気泡が、先端の縁から最大400nmの半径にまで成長し、レーザパルスの印加後200nm以内に完全に崩壊する(図23A及び図23B)。染色細胞の生存率(図23C)によって証明されているように、ブレードの先端は、セル内には決して入っていかず、細胞内構造の完全性が保たれて、迅速で修復可能なように細孔が再び閉じるのに有用となる。細胞生存率を、レーザパルス印加の90分後におけるAnnexin V及びヨウ化プロピジウム(PI)排他的染色によって決定した。こうした条件下において、レーザパルス及び破裂のみの場合(180mJ/cm2の最適フルーエンス)、また、HeLa細胞又はHEK293T細胞内への緩衝剤注入と組み合わせた場合において、>90%の細胞生存率が得られた。光熱ブレードで処理された細胞を24時間にわたってモニタリングしたが、細胞は生きたままで、通常通りに成長及び分裂を続けた。
多様な種類の細胞に対して光熱ナノブレードを用いて送達されるカーゴのサイズを調べた。GFP発現RNAが、リポフェクタミン耐性IMR90一次ヒト肺線維芽細胞内に効率的に送達され、また、注入後に、ROCK38抑止剤を分散させたヒト胚性幹細胞内における緑色蛍光ポリスチレンビーズ上にコーティングされたDsRed含有レンチウイルスの発現にも成功した。直径200nmの蛍光ビーズが詰まらずに送達され、マイクロメートルサイズのバクテリアについても同様であった。更に、最も大きくて脆弱なカーゴとして細胞内細菌の送達についてこの方法で試した(図25)。バークホルデリア・タイランデンシスは、略0.7μm×2μmのロッド状の細菌である。注入効率を決定するため、GFP標識細菌を、略5×108/mLの濃度(従来のマイクロインジェクション(非特許文献)よりも2桁高い濃度)で緩衝剤中に懸濁させた。細胞内に送達される液体体積は略1pLに制限されるので、高いカーゴ濃度は、高い送達効率を達成するのに非常に重要である。高濃度にしないと、1回の注入で1個の細菌が放出される確率が低くなる。本実験では、レーザパルス照射及び細胞開口において、1〜5pLの細菌溶液がピペットから放出されて、略1個の細菌/1回の注入の平均に対応している。ピペットの先端は細胞膜に軽く接触して、切断後においてピペットのボアが細胞で完全には密封されていなかったので、放出された溶液の全てが細胞内に送達された訳ではない。この条件下における複数回の別個の実験から、46%の平均送達効率が得られた。
ロバストな動作のためには、金属薄膜が、高温、衝撃波からの過度な圧力、キャビテーション気泡によって生じる高速流に耐えられることが望ましい。Tiが、金等の他の不活性金属と比較して、その高い融点及びガラス基板に対する強い接着性のため、コーティング物質として選択された(非特許文献72)。本発明者の実験では、金でコーティングされたマイクロピペットが、数回のレーザパルス印加後に、薄膜の損傷のために壊れた。Tiでコーティングされたマイクロピペットは、少なくとも50回のレーザパルス及び気泡破裂サイクルに対して機能を保ったままであることが確かめられた。
本実施例で説明される光熱ナノブレードは、現状では送達不能な大型カーゴ(現状の送達方法のサイズ制限を超えている染色体、細胞小器官、細胞内病原体等)を哺乳類細胞内に送達する可能性を有する。光熱ナノブレードの追加的な利点はその使い易さである。膜切断がレーザパルスのエネルギー及びTiコーティングの構成によって制御させるので、ユーザは、送達を行うためにマイクロピペットの先端を細胞膜に優しく接触させて配置するだけでよい。対照的に、従来のガラスマイクロキャピラリマイクロインジェクションでは、送達効率及び細胞生存率が、ガラスニードルを細胞内に挿入する仕方(例えば、速度、力、角度)に大きく左右される。結果として、従来の方法は、ユーザが熟練するのにかなりの訓練及び経験を要する。また、光熱ナノブレードを用いると、マイクロピペットを細胞に貫通させてまた細胞から抜くための高速“ジグザグ”運動が必要でなくなるので、脆弱なマイクロピペットの先端が壊れる確率が減る。光熱ナノブレードは、今回の実演では、特定の表面プラズモン共鳴モードで動作しているものではない。励起レーザ波長に整合するための金属ナノ構造の更なる最適化は、キャビテーション気泡を励起するための閾値レーザエネルギーを低下させ得る。
Claims (9)
- インビボでのヒト細胞に対するマイクロマニピュレーションを除く細胞に対するマイクロマニピュレーションを行う方法であって、
前記細胞をマイクロサージャリーツールと接触させるステップであって、前記マイクロサージャリーツールが、電磁エネルギーの印加によって加熱されるコーティングの膜又はナノ粒子を先端に及び/又は先端近くに有するマイクロキャピラリを備える、ステップと、
前記マイクロサージャリーツールにレーザパルスを印加することによって、前記膜又はナノ粒子の温度を上昇させて、前記細胞の膜に開口を形成するステップとを備え、前記マイクロサージャリーツールと前記細胞との接触角及び/又は前記電磁エネルギーの偏光を変化させて、前記細胞に導入される開口のサイズ及び/又は形状を変更し、
前記マイクロサージャリーツールに直線偏光レーザパルスを印加して前記マイクロキャピラリの先端の両側に沿って前記細胞の膜に二つの孔を開けること、又は、前記マイクロサージャリーツールに円偏光レーザパルスを印加して前記細胞の膜に円形切断部を形成すること、又は、前記マイクロキャピラリを傾斜させて前記先端の一方の側のみを前記細胞と接触させて、前記細胞の膜に半月状開口を形成することを備える方法。 - 前記マイクロサージャリーツールの先端が導光体として機能するように構成されている、請求項1に記載の方法。
- 前記膜又はナノ粒子の温度を大気温度よりも少なくとも150℃上昇させる、請求項1に記載の方法。
- 前記マイクロキャピラリのチューブを介して前記細胞内に試薬を注入するステップを更に備える請求項1に記載の方法。
- 前記マイクロキャピラリの先端の直径が略0.1μmから略5μmの範囲内にある、請求項1に記載の方法。
- 前記ナノ粒子のサイズが略5nmから略500nmの範囲内にある、請求項1に記載の方法。
- 前記膜又はナノ粒子が、半導体、貴金属、貴金属合金、窒化貴金属、及び酸化貴金属から成る群から選択された物質を備え、及び/又は、
前記膜又はナノ粒子が、遷移金属、遷移金属合金、窒化遷移金属、及び酸化遷移金属から成る群から選択された物質を備え、及び/又は、
前記膜又はナノ粒子が、金、チタン(Ti)、TiN、TiCN、及びTiAlNから成る群から選択された物質を備える、請求項1に記載の方法。 - 前記マイクロキャピラリが、ガラス、鉱物、セラミック、及びプラスチックから成る群から選択された物質を備える、請求項1に記載の方法。
- 制御装置を提供して、
前記レーザパルスの印加と、
前記マイクロサージャリーツールの充填と、
前記細胞の表面に対するマイクロキャピラリの角度と、
レーザ照射に対する前記マイクロキャピラリの角度と、
前記マイクロキャピラリの運動と、
前記細胞に試薬を注入するための前記マイクロキャピラリの操作と、
レーザによる前記先端の照射に対する前記マイクロキャピラリの動作の調整と
のうち一つ以上を制御する、請求項1に記載の方法。
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