JP6577491B2 - ベルビンの酸化的脱芳香族化 - Google Patents

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Description

本開示は、概して、ベルビンの酸化的脱芳香族化及び結果生じるベルビン誘導体に関する。
複素環化合物のベルビンクラスは、植物アルカロイドベルベリンに構造的に関連する。ベルビン化合物は、多くの治療効果を有すると報告されている。例えば、ベルビンは、抗菌、抗糖尿病、鎮痛、及び抗癌活性を有すると見い出されている。ベルビン化合物及びその誘導体の潜在的な治療的価値のために、より強力及び/または効果的であり得る新しい誘導体が求められている。
本開示の様々な態様の中でも、以下の図式のような、式(VIIIa)、式(VIIIb):
式中:
Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルであるか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成し;
、Rは、存在するとき、R、及びRは、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
、R、R10、R11、及びR12は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
15及びR16は、独立して、水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
nは、1〜3の整数である、
の化合物、またはその医薬的に許容され得る塩の提供である。
いくつかの実施形態では、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールである。他の実施形態では、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、または置換アリールである。ある特定の実施形態では、R、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516であるか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成する。他の実施形態では、R及びRは両方とも水素であり、R及びRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、ニトロであるか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成する。特定の実施形態では、R及びRは両方とも水素であり、Rは、ヒドロキシもしくはC−Cアルコキシであり、Rは水素であるか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CH)O{−}を形成する。さらなる実施形態では、R、R、R10、R11、及びR12は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールである。ある特定の実施形態では、R、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、水素である。他の実施形態では、R、Rは、存在するとき、R、及びRは、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、またはNR1516であり;R15及びR16は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールである。他の実施形態では、及びR、Rは、存在するとき、R、及びRは、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、またはニトロである。特定の実施形態では、Rは、水素またはハロゲンであり;Rは、存在するとき、水素であり、Rは、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシであり;Rは、存在するとき、水素である。
本開示のさらなる態様は、式(VIIIa)または式(VIIIb)の化合物を調製するためのプロセスであって、a)式(VIIa)の化合物を酸化剤と接触させて、式(VIIIa)の化合物を以下の反応スキーム:
に従って形成すること、
またはステップb)式(VIIb)の化合物を酸化剤と接触させて、式(VIIIb)の化合物を以下の反応スキーム:
に従って形成すること、のいずれかを含み:
式中:
Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルであるか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成し;
、Rは、存在するとき、R、及びRは、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
、R、R10、R11、及びR12は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
15及びR16は、独立して、水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
nは、1〜3の整数であり;
ここでR、R、R、R、R、Rのそれぞれは、存在するとき、R、及びRは、存在するとき、ヒドロキシ以外である、
前記プロセスを提供する。
ある特定の実施形態では、酸化剤は、ハロゲンまたはキノンであり;式(VIIa)または式(VIIb)の化合物の酸化剤に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:10である。他の実施形態では、該接触は、非酸化性溶媒の存在下で実行され;溶媒の式(VIIa)または式(VIIb)の化合物に対する体積対質量比は、約10:1〜約300:1である。さらなる実施形態では、該接触は、約−50℃〜約200℃の温度で実行される。代替の実施形態では、該接触は、プロトン受容体の存在下で実行され;プロトン受容体は、酢酸塩類、重炭酸塩類;ホウ酸塩類、炭酸塩類、水酸化物塩、リン酸塩、ブトキシド、有機塩基、またはそれらの組み合わせから選択され;式(VIIa)または式(VIIb)の化合物のプロトン受容体に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:10である。なおも他の実施形態では、酸化剤は、ハロゲンまたはキノンであり;式(VIIa)または式(VIIb)の化合物の酸化剤に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:10であり;該接触は、約−50℃〜約200の温度で実行され;該接触は、アルコールまたはアセトニトリルから選択された溶媒の存在下で実行され;溶媒の式(VIIa)または式(VIIb)の化合物に対する体積対質量比は、約50:1〜約250:1であり;該接触は、任意選択で酢酸塩類の存在下で実行され;式(VIIa)または式(VIIb)の化合物の酢酸塩類に対するモル対モル比は、約1:3〜約1:7である。
本開示のなおも別の態様は、癌細胞の増殖を阻害するための方法を包含する。本方法は、癌細胞を、有効量の、上記に詳述したような、式(VIIIa)、式(VIIIb)の化合物、もしくはその医薬的に許容され得る塩と、または式(VIIIa)、式(VIIIb)の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩を含む組成物と接触させることを含む。
特定の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式(VIIIa)、式(VIIIb):

式中:
Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
、R 、R 、及びR は、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、NR 15 16 、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルであるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH O{−}を形成し;
、R は、存在するとき、R 、及びR は、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、NR 15 16 、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
15 及びR 16 は、独立して、水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
nは、1〜3の整数である、
の化合物、またはその医薬的に許容され得る塩。
(項目2)
Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであり;R 、R 、R 、及びR は、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、NR 15 16 であるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH O{−}を形成し;R 、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであり;R 、R は、存在するとき、R 、及びR は、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、またはNR 15 16 であり;R 15 及びR 16 は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 のそれぞれは、水素であり;R 及びR は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C −C アルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、ニトロであるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH O{−}を形成し;R 、R は、存在するとき、R 、及びR は、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C −C アルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、またはニトロである、項目2に記載の化合物。
(項目4)
Rは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、または置換アリールであり;R は、ヒドロキシもしくはC −C アルコキシであり、R は、水素であるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH )O{−}を形成し;R は、水素またはハロゲンであり;R は、存在するとき、水素であり、R は、ヒドロキシまたはC −C アルコキシであり;R は、存在するとき、水素である、項目3に記載の化合物。
(項目5)
項目1〜4のいずれかの化合物及び少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦形剤を含む組成物。
(項目6)
式(VIIIa)または式(VIIIb)の化合物を調製するためのプロセスであって、ステップa)またはステップb):
a)式(VIIa)の化合物を酸化剤と接触させて、式(VIIIa)の化合物を以下の反応スキーム:

に従って形成すること、または
b)式(VIIb)の化合物を酸化剤と接触させて、式(VIIIb)の化合物を以下の反応スキーム:

に従って形成すること、のいずれかを含み:
式中、
Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
、R 、R 、及びR は、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、NR 15 16 、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルであるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH O{−}を形成し;
、R は、存在するとき、R 、及びR は、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、NR 15 16 、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
15 及びR 16 は、独立して、水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
nは、1〜3の整数であり;
ここでR 、R 、R 、R 、R 、R のそれぞれは、存在するとき、R 、及びR は、存在するとき、ヒドロキシ以外である、
前記プロセス。
(項目7)
Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであり;R 、R 、R 、及びR は、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、NR 15 16 であるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH O{−}を形成し;R 、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであり;R 、R は、存在するとき、R 、及びR は、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、OR 15 、NO 、またはNR 15 16 であり;R 15 及びR 16 は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールである、項目6に記載のプロセス。
(項目8)
、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 のそれぞれは、水素であり;R 及びR は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C −C アルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、ニトロであるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH O{−}を形成し;R 、R は、存在するとき、R 、及びR は、存在するとき、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C −C アルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、またはニトロである、項目7に記載のプロセス。
(項目9)
Rは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、または置換アリールであり;R は、ヒドロキシもしくはC −C アルコキシであり、R は、水素であるか、またはR 及びR は一緒になって{−}O(CH )O{−}を形成し;R は、水素またはハロゲンであり;R は、存在するとき、水素であり、R は、ヒドロキシまたはC −C アルコキシであり;R は、存在するとき、水素である、項目8に記載のプロセス。
(項目10)
前記酸化剤が、ハロゲンまたはキノンであり;式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物の前記酸化剤に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:10であり;前記接触が、約−50℃〜約200℃の温度で実施される、項目6〜9のいずれかに記載のプロセス。
(項目11)
前記接触が、非酸化性溶媒の存在下で実行され;前記溶媒の式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物に対する体積対質量比は、約10:1〜約300:1である、項目6〜10のいずれかに記載のプロセス。
(項目12)
前記接触が、酢酸塩類、重炭酸塩類;ホウ酸塩類、炭酸塩類、水酸化物塩、リン酸塩、ブトキシド、有機塩基、またはそれらの組み合わせ;から選択されたプロトン受容体の存在下で実行され;式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物の前記プロトン受容体に対する、モル対モル比は、約1:1〜約1:10である、項目6〜11のいずれかに記載のプロセス。
(項目13)
前記接触が、アルコールまたはアセトニトリルから選択された溶媒の存在下で実行され;前記溶媒の式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物に対する体積対質量比は、約50:1〜約250:1であり;前記接触は、任意選択で酢酸塩類の存在下で実行され;式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物の前記酢酸塩類に対するモル対モル比は、約1:3〜約1:7である、項目10に記載のプロセス。
(項目14)
癌細胞の増殖を阻害するための方法であって、前記癌細胞を有効量の項目1〜4のいずれかに記載の化合物または項目5に記載の組成物と接触させることを含む、前記方法。
(項目15)
前記癌細胞は、インビトロである、項目14に記載の方法。
本開示の他の態様及び反復は、下記により詳細に記載する。
本発明は、シクロへキサジエノン部分を含むベルビン誘導体及びそれらを調製するためのプロセスを提供する。本明細書に開示の化合物は、癌細胞の増殖を阻害するために使用してよい。
考察を容易にするため、ベルビン化合物の環原子を、下記の図式のように番号付けした。
(I)酸化型ベルビン化合物
(a)式(VIIIa)の化合物
本開示の一態様は、式(VIIIa):
式中:
Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルであるか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成し;
、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
、R、R10、R11、及びR12は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
15及びR16は、独立して、水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
nは、1〜3の整数である、
を有する化合物を包含する。
様々な実施形態では、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであってよい。いくつかの反復では、Rは、水素であってよい。他の反復では、Rは、低級アルキルであってよく、それは本明細書ではC−Cと定義する。アルキルは、直鎖、分岐鎖、または環状であってよく、任意選択で置換されていてよい。例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルであってよいか、またはアミノ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、もしくはオキソで置換された前述のいずれかであってよい。さらなる反復では、Rは、アリールまたは置換アリールであってよい。例えば、Rは、フェニル、ベンジル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、オキサジニルであってよいか、またはアミノ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、もしくはオキソで置換された前述のいずれかであってよい。
いくつかの実施形態では、R15及びR16は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであってよい。ある特定の反復では、R15及びR16は、独立して、水素、C−Cアルキル、アシル(すなわち、C(=O)R、ここでRは、アルキルまたはアリールである)、フェニル、またはそれらの置換されたものであってよい。
ある特定の実施形態では、R、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、もしくはニトロであってよいか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成してよく、ここでnは、1または2である。ある特定の反復では、R及びRのそれぞれは、水素であってよく、R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシ、もしくはC−Cアルコキシであってよいか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成してよく、ここでnは、1である。一態様では、R、R、及びRのそれぞれは、水素であってよく、Rは、ヒドロキシまたはメトキシであってよい。別の態様では、R及びRのそれぞれは、水素であってよく、R及びRは一緒になって{−}O(CH)O{−}を形成してよい。
様々な実施形態では、R、R、R10、R11、及びR12は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであってよい。特定の実施形態では、R、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、水素であってよい。
いくつかの実施形態では、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、またはニトロであってよい。いくつかの反復では、R及びRは、水素であってよく、Rは、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシであってよい。他の反復では、Rは、ハロゲンであってよく、RはヒドロキシまたはC−Cアルコキシであってよく、Rは、水素であってよい。
特定の実施形態では、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、または置換アリールであってよく;R、R、R、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、水素であってよく;Rは、ヒドロキシもしくはC−Cアルコキシであってよく、Rは、水素であってよいか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CH)O{−}を形成してよく;Rは、水素またはハロゲンであってよく;Rは、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシであってよく;Rは、水素であってよい。
式(VIIIa)の化合物の特定の例を下記に示す:
式中、R15は、水素またはC−Cアルキルであり、Yは、水素、アミノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、またはニトロである。
(b)式(VIIIb)の化合物
本開示の別の態様は、式(VIIIb):
式中:
Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルであるか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成し;
、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、OR15、NO、NR1516、シアノ、チオール、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
、R、R10、R11、及びR12は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
15及びR16は、独立して、水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルであり;
nは、1〜3の整数である、
の化合物を提供する。
様々な実施形態では、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであってよい。いくつかの反復では、Rは、水素であってよい。他の反復では、Rは、低級アルキルであってよく、これは本明細書ではC−Cと定義する。アルキルは、直鎖、分岐鎖、または環状であってよく、任意選択で置換されていてよい。例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルであってよいか、またはアミノ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、もしくはオキソで置換された前述のいずれかであってよい。さらなる反復では、Rは、アリールまたは置換アリールであってよい。例えば、Rは、フェニル、ベンジル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、オキサジニルであってよいか、またはアミノ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、もしくはオキソで置換された前述のいずれかであってよい。
いくつかの実施形態では、R15及びR16は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであってよい。ある特定の反復では、R15及びR16は、独立して、水素、C−Cアルキル、アシル(すなわち、C(=O)R、ここでRは、アルキルまたはアリールである)、フェニル、またはそれらの置換されたものであってよい。
ある特定の実施形態では、R、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、もしくはニトロであってよいか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成してよく、ここでnは、1または2である。ある特定の反復では、R及びRのそれぞれは、水素であってよく、R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシ、もしくはC−Cアルコキシであってよいか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CHO{−}を形成してよく、ここでnは、1である。一態様では、R、R、及びRのそれぞれは、水素であってよく、Rは、ヒドロキシまたはメトキシであってよい。別の態様では、R及びRのそれぞれは、水素であってよく、R及びRは一緒になって{−}O(CH)O{−}を形成してよい。
様々な実施形態では、R、R、R10、R11、及びR12は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、または置換アリールであってよい。特定の実施形態では、R、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、水素であってよい。
いくつかの実施形態では、R、R、及びRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、アミン、アミノ、またはニトロであってよい。いくつかの反復では、R及びRは、水素であってよく、Rは、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシであってよい。他の反復では、Rは、ハロゲンであってよく、Rは、水素であってよく、Rは、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシであってよい。
特定の実施形態では、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、または置換アリールであってよく;R、R、R、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、水素であってよく;Rは、ヒドロキシもしくはC−Cアルコキシであってよく、Rは、水素であってよいか、またはR及びRは一緒になって{−}O(CH)O{−}を形成してよく;Rは、水素またはハロゲンであってよく;Rは、水素であってよく;Rは、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシであってよい。
式(VIIIb)の化合物の特定の例を下記に示す:
式中、R15は、水素またはC−Cアルキルであり、Yは、水素、アミノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、またはニトロである。
(II)式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を調製するためのプロセス
本開示の別の態様は、本明細書に開示の化合物を調製するためのプロセスを提供する。一般に、本プロセスは、フェノール部分がシクロへキサジエノン部分へと変換される酸化的脱芳香族化反応を必然的に伴う。具体的には、本プロセスは、式(VIIa)または(VIIb)の化合物を酸化剤と接触させて、それぞれ、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を形成することを含む。反応スキーム1及び2は、それぞれ、本開示のこの態様に従う、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の合成を示す:
式中、R、R−R12は、上に定義する通りであるが、しかしながら、R、R、R、R、R、Rのそれぞれは、存在するとき、R、及びRは、存在するとき、ヒドロキシ以外である。
本明細書に開示のプロセスは、キラル化合物を、アキラル化合物へと変換する。具体的には、式(VIIa)または(VIIb)の化合物は、一般に少なくとも1つのキラル炭素(例えば、C−14)を含有する。
(a)反応混合物
本プロセスは、式(VIIIa)または(VIIIb)を有する化合物及び酸化剤を含む反応混合物の形成で始まる。一般に、反応混合物は、溶媒も含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、プロトン受容体をさらに含んでよい。
(i)酸化剤
様々な酸化剤が、本明細書に開示のプロセスにおける使用に好適である。好適な酸化剤の非限定的な例には、ヨウ素、臭素、及び塩素などのハロゲン;2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)、1,4−ベンゾキノン、及びクロラニルなどのキノン;N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミドなどのスクシンイミド;ジクロロイソシアヌル酸またはトリクロロイソシアヌル酸などのクロロイソシアヌル酸;ならびに銀、セリウム(例えば、硝酸セリウムアンモニウム)、クロム、銅、モリブデン、セレン、及びコバルトなどの無機剤が挙げられる。いずれの特定の理論に縛れることなく、過酸化物及びペルオキシ酸などのいくつかの酸素含有薬剤は、式(VIIIa)または(VIIIb)を有する化合物よりむしろN−オキシド化合物を得るように思われる。1つの特定の実施形態では、酸化剤は、ヨウ素などのハロゲンであってよい。別の特定の実施形態では、酸化剤は、DDQなどのキノンであってよい。
反応混合物に添加される酸化剤の量は、例えば、酸化剤の強さに依存して変動することができる及び変動するだろう。一般に、式(VIIa)または(VIIb)の化合物の酸化剤に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:10の範囲であってよい。様々な実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)の化合物の酸化剤に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:2、約1:2〜約1:4、約1:4〜約1:6、約1:6〜約1:8、または約1:8〜約1:10の範囲であってよい。一実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)の化合物の酸化剤に対するモル対モル比は、約1:1.5であってよい。別の実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)の化合物の酸化剤に対するモル対モル比は、約1:2であってよい。さらなる実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)の化合物の酸化剤に対するモル対モル比は、約1:4であってよい。
(ii)溶媒
反応混合物は、概して、溶媒をさらに含む。一般に、溶媒は、非酸化性溶媒である。好適な溶媒の非限定的な例には、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール等)、アセトニトリル(acetronitrile)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロメタン、ベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ヘキサメチルホスホルアミド、アセトアミド、ベンズアミド、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、プロピオニトリル、プロピレングリコール、エチレングリコール、プロパンジオール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。1つの特定の実施形態では、溶媒は、エタノールであってよい。別の特定の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルであってよい。
一般に、溶媒の式(VIIa)または(VIIb)の化合物に対する体積対質量比(すなわち、mL/g)は、約10:1〜約300:1の範囲である。様々な実施形態では、溶媒の式(VIIa)または(VIIb)の化合物に対する体積対質量比は、10:1〜約50:1、約50:1〜約100:1、約100:1〜約200:1、または約200:1〜約300:1の範囲であってよい。特定の実施形態では、溶媒の式(VIIa)または(VIIb)の化合物に対する体積対質量比は、約50:1〜約250:1の範囲であってよい。
(iii)任意選択のプロトン受容体
いくつかの実施形態では、反応混合物は、プロトン受容体をさらに含んでよい。好適なプロトン受容体の非限定的な例には、酢酸塩類(例えば、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等)、重炭酸塩類(例えば、重炭酸リチウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等)、ホウ酸塩類(例えば、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)、水酸化物塩(例えば、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、リン酸塩(例えば、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等)、ブトキシド(例えば、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)、有機塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン等)、及び前述のいずれかの混合物が挙げられる。1つの特定の実施形態では、プロトン受容体は、酢酸ナトリウムであってよい。
反応混合物に添加されるプロトン受容体の量は、例えば、プロトン受容体の同一性に依存して変動することができる及び変動するだろう。一般に、式(VIIa)または(VIIb)の化合物のプロトン受容体に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:10の範囲であってよい。様々な実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)の化合物のプロトン受容体に対するモル対モル比は、約1:1〜約1:2、約1:2〜約1:4、約1:4〜約1:6、約1:6〜約1:8、または約1:8〜約1:10の範囲であってよい。1つの特定の実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)の化合物のプロトン受容体に対するモル対モル比は、約1:3〜約1:7の範囲であってよい。
(b)反応条件
一般に、反応は、約−50℃〜約200℃の範囲の温度で実行される。様々な実施形態では、反応は、約−50℃〜約0℃、約0℃〜約30℃、約30℃〜約60℃、約60℃〜約100℃、約100℃〜約150℃、または約150℃〜約200℃の温度で実行されてよい。特定の実施形態では、反応は、還流下で実行されてよい。他の実施形態では、反応は室温で実行されてよい。さらなる実施形態では、反応は、第一の温度、その後第二の温度で実行されてよい。反応は、概して周囲圧力下で行われる。
典型的に、反応は、クロマトグラフィー(例えば、HPLC)または別の好適な方法によって決定されて反応が完了するまで、十分な期間にわたって自然に進行する。この文脈では、「完了した反応」とは、概して、反応混合物が、反応の開始時に存在したそれぞれの量と比較して、有意に減少した量の式(VIIa)または(VIIb)の化合物、及び有意に増加した量の式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を含有することを意味する。典型的に、反応が完了した後に反応混合物中に残っている式(VIIa)または(VIIb)の化合物の量は、約3%未満、または約1%未満であってよい。一般に、反応は、約2時間〜約120時間にわたって進行してよい。ある特定の実施形態では、反応は、約2時間〜約20時間、約20時間〜約40時間、約40時間〜約90時間、約90時間〜約120時間の範囲、または約120時間より長い期間にわたって自然に進行してよい。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物は、当業者に既知の技術を使用して反応混合物から単離されてよい。好適な技術の非限定的な例には、沈殿、濾過、抽出、蒸発、蒸留、クロマトグラフィー、及び結晶化が挙げられる。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の収率は、変動することができる及び変動するだろう。典型的に、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の収率は、少なくとも約30重量%であってよい。ある特定の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の収率は、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%であってよい。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物は、酸化型ベルビン化合物の誘導体を形成するためにさらなる反応を受けてよい。
本明細書に開示の化合物は、医薬的に許容され得る塩へと変換されてよい。「医薬的に許容され得る塩」という用語は、アルカリ金属塩または遊離酸もしくは遊離塩基の付加塩を形成するためによく使用される塩を指す。塩の特性は、医薬的に許容され得る限り、変動してよい。本明細書に開示の化合物の好適な医薬的に許容され得る酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製してよい。好適な無機酸の非限定的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、過塩素酸及びリン酸が含まれる。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環式、カルボン酸及びスルホン酸類の有機酸から選択されてよく、その例は、ギ酸、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸である。本明細書に開示の化合物の好適な医薬的に許容され得る塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から作成された金属塩またはN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、及びプロカインから作成された有機塩が含まれる。これらの塩はすべて、例えば、適切な酸または塩基を本明細書に開示の化合物のいずれかと反応させることによって対応する化合物から従来の手段によって調製されてよい。
(III)組成物
本開示のさらなる態様は、式(VIIIa)、式(VIIIb)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩、これは項(I)にて上に詳述される、及び少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物包含する。
医薬的に許容され得る賦形剤は、希釈剤、結合剤、充填剤、緩衝剤、pH調節剤、崩壊剤、分散剤、防腐剤、潤滑剤、味覚マスキング剤、着香剤、または着色剤であってよい。医薬組成物を形成するために活用される賦形剤の量及び種類は、薬科学の既知の原理に従って選択することができる。
一実施形態では、賦形剤は、少なくとも1つの希釈剤を含んでよい。希釈剤は、圧縮性(すなわち、可塑的に変形可能)であってよいかまたは摩耗によって脆弱になり得る。好適な圧縮性希釈剤の非限定的な例には、微結晶セルロース(MCC)、セルロース誘導体、セルロース粉末、セルロースエステル(すなわち、酢酸塩及び酪酸塩混合エステル)、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コーンスターチ、リン酸塩処理コーンスターチ、アルファ化コーンスターチ、コメデンブン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、デンプン−ラクトース、デンプン−炭酸カルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、グルコース、果糖、ラクトース、ラクトース一水和物、スクロース、キシロース、ラクチトール、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン、及びトレハロースが含まれる。好適な摩耗によって脆弱になる希釈剤の非限定的な例には、二塩基性リン酸カルシウム(無水物または二水和物)、三塩基性リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウムが含まれる。
別の実施形態では、賦形剤は、結合剤であってよい。好適な結合剤は、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン、ポリビニルアルコール、C12−C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、多糖類、オリゴサッカリド、ポリペプチド、オリゴペプチド、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
別の実施形態では、賦形剤は、充填剤であってよい。好適な充填剤は、炭水化物、無機化合物、及びポリビニルピロリドンを含むが、これらに限定されない。非限定的な例として、充填剤は、二塩基性及び三塩基性両方の硫酸カルシウム、デンプン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、微結晶セルロース、二塩基性リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、加工デンプン、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールが挙げられる。
なおも別の実施形態では、賦形剤は、緩衝剤であってよい。好適な緩衝剤の代表的な例には、リン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、トリス緩衝液、及び緩衝生理食塩水(例えば、トリス緩衝生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水)が含まれるが、これらに限定されない。
様々な実施形態では、賦形剤は、pH調節剤であってよい。非限定的な例としては、pH調節剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、またはリン酸であってよい。
さらなる実施形態では、賦形剤は、崩壊剤であってよい。崩壊剤は、非発泡性または発泡性であってよい。非発泡性崩壊剤の好適な例には、デンプン、例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、そのアルファ化及び加工デンプン、甘味料、粘土、例えば、ベントナイト、微結晶セルロース、アルギン酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、ガム、例えば、寒天、グアル、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、及びトラガントが挙げられるが、これらに限定されない。好適な発泡性崩壊剤の非限定的な例には、クエン酸と組み合わせた重炭酸ナトリウム及び酒石酸と組み合わせた重炭酸ナトリウムが挙げられる。
なおも別の実施形態では、賦形剤は、分散剤または分散促進剤であってよい。好適な分散剤は、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カオリン、ベントナイト、精製木材セルロース、ナトリウムデンプングリコレート、イソ無定形シリケート、及び微結晶セルロースを含んでよいが、これらに限定されない。
別の代替の実施形態では、賦形剤は、防腐剤であってよい。好適な防腐剤の非限定的な例には、抗酸化剤、例えば、BHA、BHT、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、またはパルミチン酸レチニル、クエン酸、クエン酸ナトリウム;キレート剤、例えば、EDTAまたはEGTA;及び抗菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、またはフェノールが含まれる。
さらなる実施形態では、賦形剤は、潤滑剤であってよい。好適な潤滑剤の非限定的な例には、鉱物、例えば、タルクまたはシリカ;及び脂肪、例えば、植物性ステアリン、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸が含まれる。
なおも別の実施形態では、賦形剤は、味覚マスキング剤であってよい。味覚マスキングの材料は、セルロースエーテル;ポリエチレングリコール;ポリビニルアルコール;ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールコポリマー;モノグリセリドまたはトリグリセリド;アクリル樹脂;アクリル樹脂とセルロースエーテルの混合物;酢酸セルロースフタル酸塩;及びそれらの組み合わせを含む。
代替の実施形態では、賦形剤は、着香剤であってよい。着香剤は、合成の香油及び着香芳香剤及び/または天然の油、植物、葉、花、果実からの抽出物及びそれらの組み合わせから選択されてよい。
なおもさらなる実施形態では、賦形剤は、着色剤であってよい。好適な着色添加剤は、食品、医薬品及び化粧品用染料(FD&C)、医薬品及び化粧品用染料(D&C)、または外部医薬品及び化粧品用染料(Ext.D&C)を含むが、これらに限定されない。
組成物中の賦形剤または賦形剤の組み合わせの重量分率は、組成物の全重量の約99%以下、約97%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2%、または約1%以下であってよい。
組成物は、様々な剤形へと製剤化されることができ、治療有効量の有効成分(すなわち、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物)を送達するだろう多くの異なる手段により投与されることができる。そのような組成物は、従来の非毒性の薬学的に許容され得るキャリア、補助剤、及びビヒクルを所望に応じて含有する単位剤形製剤において、経口的に、非経口的に、または局所的に投与されることができる。局所投与は、経皮パッチまたはイオン導入デバイスなどの経皮投与の使用も必然的に含んでよい。非経口という用語は、本明細書で用いるとき、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射、または注入技術を含む。薬物の製剤化は、例えば、Gennaro,A.R.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.(18版,1995)、及びLiberman,H.A.and Lachman,L.,編.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Dekker Inc.,New York,N.Y.(1980)にて論じられている。
経口投与用の固体剤形は、カプセル、錠剤、ジェルタブ、カプレット、ジェルカプセル、丸剤、散剤、ペレット、及び顆粒を含む。そのような固体剤形では、有効成分は、通常、その例が上に詳述される1つまたは複数の医薬的に許容され得る賦形剤と組み合わされる。経口調製物は、水性懸濁剤、エリキシル、またはシロップ剤として投与されてもよい。これらについては、有効成分は、様々な甘味料または着香剤、着色剤、及び望ましい場合、乳化剤及び/または懸濁剤、ならびに水、エタノール、グリセリンなどの希釈剤及びそれらの組み合わせと組み合わせてよい。
非経口投与(皮下、皮内、静脈内、筋肉内、及び腹腔内を含む)については、調製物は、水性または油をベースにした溶液であってよい。水性溶液には、水などの滅菌希釈液、生理食塩液、グリセロールやプロピレングリコールなどの薬学的に許容されるポリオール、または他の合成溶媒;ベンジルアルコール、メチルパラベン、クロロブタノール、フェノール、及びチメロサール等の抗菌及び/または抗真菌剤;アスコルビン酸または重硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などのバッファー;及び/または塩化ナトリウム、デキストロースなどの毒性を調節するための薬剤、またはマンニトールやソルビトールなどのポリアルコールなどを含んでよい。水性溶液のpHは、塩酸や水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調節してよい。油をベースにした溶液または懸濁液は、ゴマ、落花生、オリーブ油、または鉱油をさらに含んでよい。
局所(例えば、経皮または経粘膜)投与については、障壁を透過させるのに適切な透過物が、調製物に一般に含まれる。経粘膜投与は、鼻スプレー、エアロゾルスプレー、錠剤、または坐剤の使用を通して実現してよく、経皮投与は、当技術分野で一般に公知の軟膏、膏薬、ゲル、パッチ、またはクリームを介してよい。
(IV)使用方法
本開示のさらなる態様は、癌細胞の増殖を阻害するために本明細書に開示の化合物を使用する方法を提供する。本方法は、癌細胞を有効量の式(VIIIa)、(VIIIb)の化合物、またはいずれかの医薬的に許容され得る塩と接触させることを含む。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物は、項(I)において上に詳述し、前記化合物を含む組成物は、項(III)において上述されている。
本方法は、癌細胞を有効量の上に列挙した化合物の1つと接触させることを含む。本化合物と接触する細胞の種類は、変動することができる及び変動するだろう。いくつかの実施形態では、癌細胞はインビトロであってよい。癌細胞は、原発性癌細胞または培養された癌細胞系統細胞であってよい。癌細胞系統は、ヒト癌細胞系統または哺乳類癌細胞系統であってよい。ヒトまたは他の哺乳類癌細胞系統は、市販されている及び/または当業者に周知である。インビトロ癌細胞は、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物と、短期間にわたって、継続的に、間欠的に、または任意の様々なレジメンで接触してよい。
他の実施形態では、癌細胞はインビボであってよい、すなわち、癌細胞は対象内に入ってよい。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトであってよい。他の実施形態では、対象は、非ヒト動物であってよい。非ヒト哺乳類の非限定的な例には、ペット(例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ウサギ、アレチネズミ)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、家禽)、研究用動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、霊長類)、及び動物園の動物(例えば、ライオン、トラ、ゾウ等)が挙げられる。
対象の癌は、原発性または転移性であってよく;腫瘍は、悪性または良性であってよい。癌は、初期または後期であってよい。処置されてよい癌の非限定的な例には、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星細胞腫(小児小脳または大脳)、基底細胞癌腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍(小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、視覚路及び視床下部膠腫)、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍(小児、胃腸)、原発不明の癌腫、中枢神経系リンパ腫(原発性)、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性膠腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖障害、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜癌、脳室上衣細胞腫、食道癌、ユーイングファミリー腫瘍のユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍(小児)、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌(眼内メラノーマ、網膜芽細胞腫)、胆嚢癌、胃癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍(小児頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫(成人、小児脳幹、小児大脳星細胞腫、小児視覚路及び視床下部)、胃カルチノイド、毛髪様細胞白血病、頭頚部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部及び視覚路膠腫(小児)、眼内メラノーマ、島細胞癌、カポジ肉腫、腎癌(腎細胞癌)、喉頭癌、白血病(急性リンパ芽球性、急性骨髄性、慢性リンパ性、慢性骨髄性、毛様細胞)、口唇及び口腔癌、肝臓癌(原発性)、肺癌(非小細胞、小細胞)、リンパ腫(AIDS関連、バーキット、皮膚T細胞、ホジキン、非ホジキン、原発性中枢神経系)、マクログロブリン血症(ワルデンシュトレーム)、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽細胞腫(小児)、メラノーマ、眼内メラノーマ、メルケル細胞癌腫、中皮腫(成人悪性、小児)、不顕性原発性の転移性扁平上皮性頸部癌、口腔癌、多発性内分泌新形成症候群(小児)、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄性白血病(慢性)、骨髄性白血病(成人急性、小児急性)、多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害(慢性)、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌腫、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌(表面上皮−間質性腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、膵臓癌、膵臓癌(島細胞)、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、クロム親和性細胞腫、松果体星細胞腫、松果体胚細胞腫、松果体芽細胞腫及びテント上未分化神経外胚葉性腫瘍(小児)、下垂体アデノーマ、形質細胞新形成、胸膜肺芽細胞腫、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌腫(腎臓癌)、腎盂及び尿管移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫(小児)、唾液腺癌、肉腫(ユーイングファミリー腫瘍、カポジ、軟組織、子宮)、セザリー症候群、皮膚癌(非メラノーマ、メラノーマ)、皮膚癌腫(メルケル細胞)、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、扁平上皮性癌腫、不顕性原発性(転移性)の扁平上皮性頸部癌、胃癌、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍(小児)、T細胞リンパ腫(皮膚)、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫(小児)、胸腺腫及び胸腺癌腫、甲状腺癌、甲状腺癌(小児)、腎盂及び尿管の移行上皮癌、栄養膜腫瘍(妊娠性)、未知の原発性部位(成人、小児)、尿管及び腎盂移行上皮癌、尿道癌、子宮癌(子宮内膜)、子宮肉腫、膣癌、視覚路及び視床下部膠腫(小児)、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、及びウィルムス腫瘍(小児)が挙げられる。
癌細胞がインビボである実施形態では、癌細胞は通常、有効量の式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を対象に投与することにより化合物と接触する。化合物は、経口(固体または液体として)、非経口(筋肉内、静脈内、皮内、腹腔内、及び皮下を含む)、または局所(経粘膜及び経皮を含む)投与されてよい。「有効」量は、癌細胞の増殖を阻害する化合物の用量を指す。使用するべき量は、化合物の所望の投与量及び副作用の観点から当業者により決定されることができる。式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物は、1回または反復して対象に投与されてよい。反復投与は、2時間、6時間、12時間、24時間、2日間、5日間、7日間、30日間等の定期的な感覚であってよい。
化合物との接触後、癌細胞の増殖は通常阻害される。いくつかの実施形態では、癌細胞増殖は、約0.5倍、約1倍、約2倍、約5倍、約10倍、または10倍を超えて阻害され得る。他の実施形態では、癌細胞増殖は、細胞が(アポトーシスまたは壊死を介して)細胞死に至る程度まで阻害され得る。
ある特定の実施形態では、本方法は、少なくとも1つの化学療法剤及び/または放射線療法剤を投与することをさらに含んでよい。化学療法剤及び/または放射線療法剤は、同時または逐次投与されてよい。
化学療法剤は、アルキル化剤、抗代謝物、抗腫瘍抗生剤、抗細胞骨格剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ホルモン剤、標的治療剤、またはこれらの組合せであってよい。好適なアルキル化剤の非限定的な例には、アルトレタミン、ベンゾドーパ、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン(BCNU)、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、クロロゾトシン、シスプラチン、シクロスホスファミド、ダカルバジン(DTIC)、エストラムスチン、フォテムスチン、イホスファミド、イムプロスルファン、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、メツレドーパ、ニムスチン、ノブエンビキン、フェネステリン、ピポスルファン、プレドニムスチン、ラニムスチン;テモゾロミド、チオテパ、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)、トロホスファミド、ウラシルマスタード、及びウレドーパが挙げられる。好適な代謝拮抗剤は、アミノプテリン、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カペシタビン、カルモフル(1−ヘキシルカルバモイル(hexylcarbomoyl)−5−フルオロウラシル)、クラドリビン、シタラビンまたはシトシンアラビノシド(Ara−C)、ジデオキシウリジン、デノプテリン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムセタビン、ヒドロキシウレア、ロイコボリン(フォリン酸)、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、ペメトレキセド、プテロプテリン、チアミプリン、トリメトレキセート、及びチオグアニンを含むがこれに限定されない。好適な抗腫瘍抗生物質の非限定的な例には、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アドリアマイシン、アウトラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、ミトマイシン、ミトラマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、プリカマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、バルルビシン、ウベニメックス、ジノスタチン、及びゾルビシンが挙げられる。好適な抗細胞骨格剤の非限定的な例には、コルヒチン、ドセタキセル、マクロマイシン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビンが挙げられる。好適なトポイソメラーゼ阻害剤は、アムサクリン、エトポシド(VP−16)、イリノテカン、ミトキサントロン、RFS2000、テニポシド、及びトポテカンを含むがこれらに限定されない。好適な抗ホルモン剤の非限定的な例は、例えば、アミノグルテチミド、4(5)−イミダゾールを阻害するアロマターゼ、ビカルタミド、フィナステリド、フルタミド、ゴセレリン、4−ヒドロキシタモキシフェン、ケオキシフェン、ロイプロリド、LY117018、ミトタン、ニルタミド、オナプリストン、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、及びトリロスタンである。標的治療剤の例には、これらに限定されないが、アレムツズマブ、エプラツズマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、リツキシマブ、トシツモマブ、及びトラスツズマブなどのモノクローナル抗体;ベバシズマブ、セツキシマブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ムブリチニブ(mubritinib)、ニロチニブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、及びバンデタニブなどのタンパク質キナーゼ阻害剤;アンジオスタチン、エンドスタチン、ベバシズマブ、ゲニステイン、インターフェロンα、インターロイキン−2、インターロイキン−12、パゾパニブ、ペガプタニブ、ラニビズマブ、ラパマイシン、サリドマイドなどの血管新生(angiogeneisis)阻害剤;及びエリスロポエチン、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−6)、白血病阻害因子、インターフェロン、トロンボポエチン、TNF−α、CD30リガンド、4−1BBリガンド、及びApo−1リガンドなどの増殖阻害ポリペプチドが挙げられる。上記に列挙した薬剤のいずれかの医薬的に許容され得る塩、酸、または誘導体も含まれる。化学療法剤の投与の様式は、薬剤及び癌の種類に依存して変動することができる及び変動するだろう。当業者は、化学療法剤の適切な用量を決定することができるだろう。
放射線療法剤は、放射性同位体を含んでよい。好適な放射性同位体は、これらに限定されないが、ヨウ素−131、ヨウ素−125、ヨウ素−124、ルテチウム−177、リン(phosphorous)−132、レニウム−186、ストロンチウム−89、イットリウム−90、イリジウム−192、及びサマリウム−153を含む。あるいは、放射線療法剤は、金、銀、プラチナ、パラジウム、コバルト、鉄、銅、スズ、タンタル、バナジウム、モリブデン、タングステン、オスミウム、イリジウム、レニウム、ハフニウム、タリウム、鉛、ビスマス、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、及びウラニウムから選択された高Z元素を含んでよい。放射線療法剤の適切な用量は、当業者により決定されることができる。
定義
本組成物及びプロセスにおいて有用な化合物は、任意のそれらの医薬的に許容され得る形態で本明細書に記載のものを含み、それには、ジアステレオマー及びエナンチオマー、塩、溶媒和化合物、及び多形体などの異性体、ならびにラセミ混合物及び本明細書に記載の化合物の純異性体が、適切な場合に、含まれる。
本発明またはその好ましい実施形態(複数可)の要素を導入するとき、冠詞「a」、「an」、「the」及び「前記」は、1つまたは複数の要素があることを意味すると意図される。「含む(comprising)」、「含む(including)」及び「有する」という用語は、包括的であると意図され、列挙された要素以外に追加の要素があってよいこと意味する。
「約」という用語は、特に、所与の量に関して、プラスマイナス5%の偏差を包含すると意図される。
「アシル」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で用いるとき、有機カルボン酸の基COOHからヒドロキシ基を除去することによって形成された部分を示し、例えばRC(O)−であり、ここでRは、R、RO−、RN−、またはRS−であり、Rは、ヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビル、またはヘテロシクロであり、Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。
「アシルオキシ」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で用いるとき、酸素連結(O)を通して結合された上述のアシル基を示し、例えば、RC(O)O−であり、ここでRは、「アシル」という用語に関連して定義された通りである。
「アルキル」という用語は、本明細書で用いるとき、好ましくは、1〜8個の炭素原子を主鎖中に、及び最大で20個までの炭素原子を含有する低級アルキルである基を示す。それらは、直鎖または分岐鎖または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル等を含む。
「アルケニル」という用語は、本明細書で用いるとき、好ましくは、2〜8個の炭素原子を主鎖中に、及び最大で20個までの炭素原子を含有する低級アルケニルである基を示す。それらは、直鎖または分岐鎖または環状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニル等を含む。
「アルキニル」という用語は、本明細書で用いるとき、好ましくは、2〜8個の炭素原子を主鎖中に、及び最大で20個までの炭素原子を含有する低級アルキニルである基を示す。それらは、直鎖または分岐鎖であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニル等を含む。
「芳香族」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で用いるとき、任意選択で置換された同素環または複素環式芳香族基を示す。これらの芳香族基は、好ましくは、6〜14個の原子を環部分に含有する単環式、二環式、または三環式基である。「芳香族」という用語は、下に定義する「アリール」及び「ヘテロアリール」を包含する。
「アリール」という用語または「Ar」は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で用いるとき、任意選択で置換された同素環式芳香族基、好ましくは、6〜12個の炭素を環部分に含有する単環式または二環式基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチルを示す。フェニル及び置換フェニルは、より好ましいアリールである。
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で用いるとき、塩素、臭素、フッ素、及びヨウ素を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、炭素及び水素以外の原子を意味するだろう。
「ヘテロシクロ」または「複素環式」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で用いるとき、少なくとも1つのヘテロ原子を少なくとも1つの環に、及び好ましくは5または6個の原子を各環に有する、任意選択で置換された、完全飽和または不飽和、単環式または二環式、芳香族または非芳香族基を示す。ヘテロシクロ基は、好ましくは、1または2個の酸素原子及び/または1〜4個の窒素原子を環内に有し、残りの分子に、炭素またはヘテロ原子を通して結合する。例示的なヘテロシクロ基は、上述のようにヘテロ芳香族を含む。例示的な置換基は、以下の基の1つまたは複数を含む:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステル及びエーテル。
「ヘテロアリール」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で用いるとき、少なくとも1つのヘテロ原子を少なくとも1つの環に、及び好ましくは5または6個の原子を各環に有する、任意選択で置換された芳香族基を示す。ヘテロアリール基は、好ましくは、1または2個の酸素原子及び/または1〜4個の窒素原子を環に有し、残りの分子に炭素を通して結合する。例示的なヘテロアリールは、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジル等を含む。例示的な置換基は、以下の基の1つまたは複数を含む:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステル及びエーテル。
「炭化水素」及び「ヒドロカルビル」という用語は、本明細書で用いるとき、元素炭素及び水素のみからなる有機化合物またはラジカルを示す。これらの部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリール部分を含む。これらの部分は、アルカリール、アルケナリール(alkenaryl)及びアルキナリール(alkynaryl)などの他の脂肪族または環状炭化水素基と置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリール部分も含む。別段の指定がない限り、これらの部分は、好ましくは1〜20個の炭素原子を含む。
本明細書に記載の「置換ヒドロカルビル」部分は、炭素鎖原子が、窒素、酸素、ケイ素、リン(phosphorous)、ホウ素、硫黄、またはハロゲン原子などのヘテロ原子で置換された部分を含む、炭素以外の少なくとも1つの原子で置換されたヒドロカルビル部分である。これらの置換基は、ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール、アセタール、エステル及びエーテルを含む。
本発明を詳細に記述してきたが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく、修正及び変更が可能であることが理解されよう。
実施例1:酸化脱芳香族化−試験1
3首丸底フラスコ内にベルビン(320mg、1.027mmol)及びエタノール(25mL)を充填した。5分間撹拌した後、ヨウ素(4.0当量、1.04g、4.11mmol)を反応器内へと導入した。混合物を24時間還流し、次いで、室温まで冷却した。室温で撹拌した後、黄色の沈殿物が形成された。固体を濾過し、無水エタノール(10mL)で洗浄し、一晩真空下で乾燥させて、生成物(420mg、94%収率)を黄色固体として得た。
実施例2:酸化脱芳香族化−試験2
3首丸底フラスコ内にベルビン(100mg、0.32mmol)及び無水エタノール(20mL)を充填した。反応混合物中にヨウ素(4.0当量、326mg、1.28mmol)を加えた。反応混合物を48時間還流し、次いで室温まで冷却し、ここで沈殿物が形成された。沈殿物を濾過し、次いで、無水エタノール(5.0mL)で洗浄した。固体をCHCl(50mL)に溶解し、次いで、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。クロロホルム抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、真空下40℃で一晩乾燥させた後、生成物を生成物の混合物(100mg、10分子量率:433,90分子量率:307)として単離した。
実施例3:酸化脱芳香族化−試験3
3首丸底フラスコ内にベルビン(200mg、0.64mmol)、酢酸カリウム(6.0当量、980mg、3.85mmol)及び無水エタノール(50mL)を充填した。反応混合物中に、ヨウ素(10.0当量、630mg、6.40mmol)を加えた。反応混合物を24時間還流し、次いで、48時間室温まで冷却した。暗色固体がフラスコの底に存在した。反応溶媒をデカントして取り除いた後、フラスコの底にある暗色残渣をCHCl(100mL)に溶解した。クロロホルム溶液を、蒸留水(50mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(2×25mL)、及び飽和食塩水(10mL)で洗浄した。クロロホルム抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、真空下40℃で一晩乾燥させた後、生成物(240mg、86%収率)を黄色固体として単離した。
実施例4:酸化脱芳香族化−試験4
3首丸底フラスコ内にベルビン(340mg、0.88mmol)、酢酸カリウム(4.0当量、345mg、3.51mmol)及び無水エタノール(25mL)を充填した。反応混合物中にヨウ素(2.0当量、440mg、6.40mmol)を加えた。反応混合物を18時間還流し、次いで、室温まで冷却した。次いで、エタノールを減圧下で除去し、暗色油状物質が残った。油状物質に蒸留水(50mL)及び10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)を加えた。この溶液を、30分間室温で撹拌し、ここで黄色固体が形成された。固体を濾過し、10%チオ硫酸ナトリウム(10mL)及び蒸留水(2×20mL)で洗浄した。固体を漏斗上で乾燥させ、次いで、減圧下で24時間40℃で乾燥させて、生成物の混合物を得た(320mg、96分子量率:383,4分子量率:509)。
実施例5:酸化脱芳香族化−試験5
3首丸底フラスコ内にベルビン(170mg、0.44mmol)、酢酸カリウム(4.0当量、170mg、1.75mmol)及び無水エタノール(20mL)を充填した。反応混合物中に、ヨウ素(4.0当量、445mg、1.70mmol)を加えた。反応混合物を18時間還流し、次いで、室温で24時間撹拌した。このとき、反応は完了したとHPLCによりみなされ、少量の沈殿物が存在した。沈殿物を濾過し、濾過物を1首丸底フラスコへと移した。溶媒を減圧下で蒸発させ、次いで、残渣をCHCl(50mL)に溶解した。クロロホルム溶液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(2×25mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して硫酸ナトリウムを除去し、クロロホルムを蒸発させた後、粗生成物(250mg)を油状物質として単離した。生成物の精製は、0%i−PrOH/CHCl〜5%i−PrOH/CHClのグラジエント溶出を使用する分取HPLCを使用して達成した。同様の留分を合一し、次いで、蒸発させて生成物(190mg、85%収率)を黄色結晶固体として、真空下室温で一晩乾燥させた後に得た。
実施例6:酸化脱芳香族化−試験6
3首丸底フラスコ内にベルビン(270mg、0.70mmol)及び無水エタノール(10mL)を充填した。この混合物にヨウ素(2.0当量、350mg、1.39mmol)を加え、この混合物を室温で72時間撹拌し、次いで、24時間還流し、このとき反応をHPLCにより完了したとみなした。反応混合物に、無水エタノール(20mL)を加え、24時間撹拌し、ここで沈殿物が形成された。黄色沈殿物を濾過により単離した。沈殿物を蒸留水(10mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)、及び蒸留水(10mL)で洗浄した。漏斗上で乾燥させた後、黄色固体を、さらに40℃で真空オーブン内で乾燥させて、生成物の混合物を得た(280mg、58分子量率:383,42分子量率:509)。
実施例7:酸化脱芳香族化−試験7
3首丸底フラスコ内にベルビン(620mg、1.43mmol)、酢酸カリウム(4.0当量;560mg、5.72mmol)及び無水エタノール(50mL)を充填した。この混合物にヨウ素(2.0当量、727mg、2.86mmol)を加え、この混合物を室温で72時間撹拌し、次いで24時間還流し、このとき反応をHPLCにより完了したとみなした。黄色沈殿物を濾過により単離した。沈殿物を無水エタノール(5.0mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)、及び蒸留水(10mL)で洗浄した。漏斗上で乾燥させた後、固体をさらに室温で真空オーブン内で乾燥させて生成物を得た(310mg、39%収率)。
実施例8:酸化脱芳香族化−試験8
3首丸底フラスコ内にベルビン(110mg、0.35mmol)、酢酸カリウム(4.0当量、140mg、1.41mmol)及び無水エタノール(10mL)を充填した。反応混合物中に、ヨウ素(2.0当量、177mg、0.70mmol)を加えた。反応混合物を室温で72時間撹拌し、次いでさらに24時間還流した。このとき、反応をHPLCにより完了したとみなした。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をCHCl(50mL)に溶解した。クロロホルム溶液を蒸留水(20mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(2×25mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して硫酸ナトリウムを除去し、クロロホルムを蒸発させた後、生成物(100mg、93%収率)を油状物質として単離した。
実施例9:酸化脱芳香族化−試験9
3首丸底フラスコ内にベルビン(140mg、0.45mmol)、酢酸カリウム(4.0当量、180mg、1.80mmol)及び無水エタノール(15mL)を充填した。反応混合物中にヨウ素(2.0当量、228mg、0.90mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。このとき、反応をHPLCにより完了したとみなした。反応混合物を、焼結ガラス漏斗を通して濾過した後、濾過物を減圧下で蒸発させた。残渣に蒸留水(20mL)を加えた。CHCl(25mL)を加え、混合物を分液漏斗へと移した。水相をCHClで抽出した(2×25mL)。クロロホルム抽出物を合一し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(2×25mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して硫酸ナトリウムを除去し、クロロホルムを蒸発させた後、生成物(150mg、77%収率)を油状物質として単離した。
実施例10:酸化脱芳香族化−試験10
3首丸底フラスコ内にベルビン(180mg、0.58mmol)及び無水アセトニトリル(10mL)を充填した。反応混合物中にDDQ:2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(1.5当量、197mg、0.87mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。このとき、追加量のDDQ(100mg、0.44mmol)及び無水アセトニトリル(10mL)を加えた。さらに24時間撹拌した後、反応をHPLCにより完了したとみなした。このとき、飽和KCO(5.0mL)を加え、この混合物を1時間撹拌した。蒸留水(10mL)を加え、混合物をCHCl(3×20mL)で抽出した。クロロホルム抽出物を合一し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して硫酸ナトリウムを除去し、クロロホルムを蒸発させた後、生成物(170mg、95%収率)を、真空下で24時間40℃で乾燥させた後、油状物質として単離した。
実施例11:酸化脱芳香族化−試験11
3首丸底フラスコ内にベルビン(120mg、0.39mmol)及び無水エタノール(15mL)を充填した。反応混合物中にヨウ素(2.0当量、195mg、0.77mmol)を加えた。反応混合物を24時間還流した。このとき、反応をHPLCにより完了したとみなした。反応混合物を1首フラスコへと移し、次いで減圧下で蒸発させた。残渣に、CHCl(50mL)を加え、混合物を分液漏斗へと移した。クロロホルム抽出物を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(2×25mL)、蒸留水(20mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して硫酸ナトリウムを除去し、クロロホルムを蒸発させた後、生成物(100mg、84%収率)を油状物質として単離した。

Claims (8)

  1. 式(VIIIa)、式(VIIIb):

    式中:
    Rは、水素、フェニル、またはアミノ、ハロゲン、ヒドロキシもしくはニトロで置換されたフェニルであり;
    は、C −C アルコキシであり;
    は、水素またはハロゲンであり;
    は、C −C アルコキシであり;
    、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 及びR 12 のそれぞれは、水素であり;
    及びR は、存在するとき、水素である;
    の化合物、またはその医薬的に許容され得る塩。
  2. 前記化合物が、

    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(VIIIa)または式(VIIIb)の化合物を調製するためのプロセスであって、ステップa)またはステップb):
    a)式(VIIa)の化合物を酸化剤と接触させて、式(VIIIa)の化合物を以下の反応スキーム:

    に従って形成すること、または
    b)式(VIIb)の化合物を酸化剤と接触させて、式(VIIIb)の化合物を以下の反応スキーム:

    に従って形成すること、のいずれかを含み:
    式中、
    Rは、水素、フェニル、またはアミノ、ハロゲン、ヒドロキシもしくはニトロで置換されたフェニルであり;
    は、C −C アルコキシであり;
    は、水素またはハロゲンであり;
    は、C −C アルコキシであり;
    、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 及びR 12 のそれぞれは、水素であり;
    及びR は、存在するとき、水素である;
    前記プロセス。
  4. 前記化合物が、

    からなる群から選択される、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記酸化剤が、ハロゲンまたはキノンであり;式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物の前記酸化剤に対するモル対モル比は、1:1〜1:10であり;前記接触が、−50℃〜200℃の温度で実施される、請求項3または4に記載のプロセス。
  6. 前記接触が、非酸化性溶媒の存在下で実行され;前記溶媒の式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物に対する体積対質量比(mL/g)、10:1〜300:1である、請求項3〜5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 前記接触が、酢酸塩類、重炭酸塩類;ホウ酸塩類、炭酸塩類、水酸化物塩、リン酸塩、ブトキシド、有機塩基、またはそれらの組み合わせ;から選択されたプロトン受容体の存在下で実行され;式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物の前記プロトン受容体に対する、モル対モル比は、1:1〜1:10である、請求項3〜6のいずれかに記載のプロセス。
  8. 前記接触が、アルコールまたはアセトニトリルから選択された溶媒の存在下で実行され;前記溶媒の式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物に対する体積対質量比(mL/g)、50:1〜250:1であり;前記接触は、任意選択で酢酸塩類の存在下で実行され;式(VIIa)または式(VIIb)の前記化合物の前記酢酸塩類に対するモル対モル比は、1:3〜1:7である、請求項に記載のプロセス。
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