A.実施例:
図1は、一実施例としての排水処理装置800の処理フローを示す説明図である。本実施例の排水処理装置800は、一般家庭等からの排水の浄化処理を行う(このような装置は「浄化槽」とも呼ばれる)。排水処理装置800は、複数のステップを経て浄化処理を行うために、複数の水処理槽を有している。図1の実施例では、排水処理装置800は、上流(図1の左側)から順番に、夾雑物除去槽810、嫌気濾床槽820、接触濾床槽830、処理水槽840、消毒槽850の各水処理槽を、収容している。排水処理装置800に流入した排水は、夾雑物除去槽810、嫌気濾床槽820、接触濾床槽830、処理水槽840、消毒槽850で順次処理された後に、排水処理装置800の外部に放流される。以下、各水処理槽を流れる水を「被処理水」あるいは、単に「水」と呼ぶ。
図2は、排水処理装置800を横から見た概略構成図である。図3は、図2中のA−A断面から下方を向いて見た排水処理装置800の概略構成を示している。図3の下部には、接触濾床槽830と処理水槽840とのそれぞれの壁を表す説明図が示されている。図4は、図2中のB−B断面から夾雑物除去槽810側を向いて見た排水処理装置800の概略構成を示している。図5は、接触濾床槽830と処理水槽840と消毒槽850とを示す概略斜視図である。これらの図中において、Z方向は、鉛直方向の下方から上方へ向かう方向を示し、X方向は、排水処理装置800の長手方向(水平な方向)を示し、Y方向は、X方向とZ方向とのそれぞれに直交する方向(水平な方向)を示している。以下、X方向を「+X方向」とも呼び、X方向側を「+X側」とも呼び、X方向の反対方向を「−X方向」とも呼び、−X方向側を「−X側」とも呼ぶ。Y方向、Z方向についても、同様である。
夾雑物除去槽810は、排水中の夾雑物を分離する水処理槽である。図2、図3に示すように、夾雑物除去槽810は、排水処理装置800の最上流部に配置されている。流入口802からの排水(汚水とも呼ばれる)は、まず、夾雑物除去槽810に流入する。夾雑物除去槽810は、固液分離手段(本実施例では、流入バッフル812)を有しており、排水中の夾雑物を被処理水から分離する。本実施例の流入バッフル812は、夾雑物除去槽810に流入する水を、上方側から下方側へ導く流路を形成している。これにより、流入バッフル812は、夾雑物除去槽810に流入する水に含まれる固形物の流れる方向を、下流側の水処理槽である嫌気濾床槽820へ向かう方向(ここでは、+X方向)ではなく、夾雑物除去槽810の底部に向けることができる。この結果、夾雑物除去槽810は、底部に固形物を堆積させることができる。夾雑物が分離(除去)されたあとの水は、移流開口814を通じて、嫌気濾床槽820に移流する。
嫌気濾床槽820は、嫌気性微生物による嫌気処理を行う水処理槽である。嫌気濾床槽820は、嫌気性微生物が付着するための濾材822を有している。嫌気処理によって、被処理水中の有機物が分解される。また、濾材822は、被処理水中の浮遊物を捕捉し得る。
図2、図3に示すように、嫌気濾床槽820の下流側(+X側)の側壁803は、槽本体801を、X方向に対して垂直に、2つに仕切る壁である(以下、この壁を「仕切板803」とも呼ぶ)。仕切板803の反対側(+X側)には、上から見て、仕切板803から+X側(図3中の右側)に突出する略U字状に配置された側壁部843、842、844が、固定されている。仕切板803と側壁部843、842、844で囲まれる空間が、処理水槽840に相当する。仕切板803と槽本体801とで囲まれる+X側の空間のうちの、側壁部843、842、844の外側の空間は、接触濾床槽830に相当する。側壁部843、842、844の構成については、後述する。
仕切板803における嫌気濾床槽820と接触濾床槽830との境界を成す部分には、移流開口824が形成されている(図2、図3)。移流開口824は、仕切板803の上部に配置されており、通常時には、水面WLは、この移流開口824の途中に位置する。後述するように、水面WLは、低水位LWLと高水位HWLとの間で、変動し得る。嫌気濾床槽820で処理された水は、移流開口824を通じて、接触濾床槽830に移流する。
接触濾床槽830は、好気性微生物による好気処理を行う水処理槽である。図3に示すように、接触濾床槽830は、処理水槽840の三方(+Y方向、+X方向、−Y方向)を囲むように形成されている。図5に示すように、接触濾床槽830の下部には、架台900が配置されている。架台900の上側には、散気装置834が固定されている。また、架台900(散気装置834)の上には、微生物を保持するための好気濾材833が配置され、好気濾材833の上には、微生物を保持するための接触材832が配置されている。以下、接触材832と好気濾材833との全体を、保持部材835と呼ぶ。散気装置834と好気濾材833と接触材832とは、処理水槽840の両側(+Y側と−Y側)に配置されている(図3〜図5)。好気濾材833は、さらに、処理水槽840の+X側にも、配置されている(図5)。以下、+Y側と−Y側とに配置された2つの同じ部材を区別する場合に、+Y側の部材の符号の末尾に文字「p」を付加し、−Y側の部材の符号の末尾に文字「m」を付加する。例えば、+Y側の接触材832を接触材832pとも呼ぶ。なお、図5中では、図示された複数の要素(例えば、架台900、散気装置834等)のそれぞれの形状が、簡略化して示されている。
本実施例では、散気装置834(図5)は、底面に設けられた複数の孔(図示省略)を有するパイプを用いて構成されている。+Y側と−Y側との散気装置834p、834mには、送気パイプ622p、622mが、それぞれ接続されている。送気パイプ622p、622mは、散気装置834p、834mから、上方に向かって、水面WLよりも高い位置まで延びている。図示を省略するが、送気パイプ622p、622mの上方側の端は、散気バルブに接続されている。散気バルブは、図示しないブロワーに接続され、ブロワーから供給されたガス(ここでは、空気)を、+Y側の散気装置834pと、−Y側の散気装置834mとに、分配する。ユーザ(例えば、排水処理装置800の管理人)は、散気バルブを調整することによって、分配量(バランス)を調整することができる。
散気装置834は、酸素を含む気泡BBを、保持部材835に供給する。散気装置834から吐出された多数の気泡BBは、保持部材835(部材832、833)の内部を通過して、水面WLに到達する。気泡BBの移動によって水流が生じ、接触濾床槽830内の水が撹拌される。保持部材835(部材832、833)に保持された好気性微生物は、気泡BBに含まれる酸素を利用して、被処理水中の有機物を分解する。また、好気性微生物に含まれる硝化菌の働きにより、被処理水に含まれるアンモニウムイオンが酸化されて、亜硝酸イオン、そして、硝酸イオンが生成される(硝化)。硝酸イオンを含む水(硝化液)は、後述する循環エアリフトポンプ860によって、夾雑物除去槽810に移送される。接触濾床槽830で処理された水は、接触濾床槽830の底部と処理水槽840の底部とを連通する移流開口836を通じて、処理水槽840に移流する。
処理水槽840は、接触濾床槽830から移流した水を一時的に滞留して、水中の固形物(例えば、汚泥や浮遊物質等)を沈降・分離する水処理槽である。後述するように、処理水槽840は、底部から水が流入する上向流の水処理槽である。
図3に示すように、鉛直方向の上から下を向いて見たときに、第2側壁部842は仕切板803と対向し、第3側壁部843は第4側壁部844と対向する。第3側壁部843は、第2側壁部842の+Y側の端部842e1と仕切板803とを接続する。第4側壁部844は、第2側壁部842の−Y側の端部842e2と仕切板803とを接続する。第3側壁部843と仕切板803との接続部分843eと、第4側壁部844と仕切板803との接続部分844eとのそれぞれは、仕切板803の両端803e1、803e2よりも内側に配置されている。なお、仕切板803は、処理水槽840の−X側の側壁部(第1側壁部とも呼ぶ)を形成している。
図2に示すように、処理水槽840の下部分849は、いわゆるホッパー構造を有している(以下、この下部分849を「ホッパー部分849」とも呼ぶ)。ホッパー部分849では、第2側壁部842が鉛直方向に対して傾斜しており、処理水槽840の水平な断面積は、底に近いほど小さい(第2側壁部842のうちの傾斜した部分842dを「傾斜部842d」とも呼ぶ)。また、図4に示すように、ホッパー部分849の下部分849Lにおいては、さらに、第3側壁部843と第4側壁部844とのそれぞれも、鉛直方向に対して傾斜している(側壁部843、844のそれぞれの傾斜した部分843d、844dを「傾斜部843d、844d」と呼ぶ)。この下部分849Lは、いわゆる3面ホッパー構造を有している。処理水槽840において分離された固形物は、側壁部842、843、844によって、処理水槽840の底部(処理水槽840の上部よりも狭い空間)に集められる。
図2に示すように、仕切板803の下端は、槽本体801の底面に接続されている。一方、図2、図4に示すように、側壁部842、843、844の下端は、槽本体801の底面から離れている。側壁部842、843、844の下端と、槽本体801の底面との間の隙間は、移流開口836に相当する。
図2に示すように、処理水槽840には、循環エアリフトポンプ860が設けられている。循環エアリフトポンプ860は、処理水槽840の底部から高水位HWLよりも上まで上方に向かって延びる第1移流管861と、第1移流管861の上部に接続されて、夾雑物除去槽810の上方まで、緩い下り勾配で延びる第2移流管863と、を有している。第1移流管861の底部側の端は吸入口862を形成している。第2移流管863の夾雑物除去槽810側の端は流出口864を形成している。流出口864は、流入バッフル812内に配置されている。循環エアリフトポンプ860は、処理水槽840の底部から夾雑物除去槽810へ、固形物や水を移送(返送)する。上述したように、処理水槽840の下部分849はホッパー構造を有しているので、処理水槽840で分離された固形物は、底部(吸入口862の近傍)の狭い空間に集められる。その結果、分離された固形物の処理水槽840からの除去を容易に行うことができる。なお、循環エアリフトポンプ860は、上述した図示しないブロワーからの空気によって、駆動される。ブロワーからの空気の分配量は、図示しないバルブによって調整される。循環エアリフトポンプ860は連続的に駆動されてよい。また、循環エアリフトポンプ860は、間欠的に駆動されてもよい。
消毒槽850は、被処理水を消毒する水処理槽である。消毒槽850は、処理水槽840の上部に配置されている(図2)。本実施例では、消毒槽850は、放流エアリフトポンプ870を有している。放流エアリフトポンプ870の吸入口872は、処理水槽840内の低水位LWLの高さに配置されており、放流エアリフトポンプ870の流出口874は、消毒槽850の上流側に配置されている。処理水槽840の水面WL近傍の水(固形物が分離された水)は、吸入口872から放流エアリフトポンプ870に流入する。放流エアリフトポンプ870に流入した水は、放流エアリフトポンプ870の駆動によって、消毒槽850に少しずつ移送される。放流エアリフトポンプ870は、水位WLが低水位LWL以上である状態で、水を移送可能である。このように、通常の使用状態では、最も低い水位WLは、低水位LWLである。このような低水位LWLは、設計上の最低水位ということができる。また、放流エアリフトポンプ870は、上述した図示しないブロワーからの空気によって、駆動される。ブロワーからの空気の分配量は、図示しないバルブによって調整される。
消毒槽850は、消毒剤(例えば、固形塩素剤)が充填された薬剤筒854を有している。消毒槽850において、被処理水は消毒剤と接触し、消毒剤によって被処理水が消毒される。消毒された水は、放流口804を通じて、排水処理装置800の外部へ放流される。
一時的に大量の排水が排水処理装置800に流入した場合には(例えば、ピーク流入時)、放流エアリフトポンプ870よりも上流側の水処理槽810、820、830、840の水位WLは、一時的に、通常時の水位(図中の低水位LWL)よりも上昇し得る。図2の実施例では、水位WLは、高水位HWLまで、上昇し得る。水位WLが高水位HWLを超えると、消毒槽850に設けられた図示しないオーバーフロー開口を通じて、処理水槽840から消毒槽850へ水がオーバーフローする。このように、通常の使用状態では、最も高い水位WLは、高水位HWLである。このような高水位HWLは、設計上の最高水位ということができる。なお、単位時間当たりの流入水量が想定された範囲を超える場合には、一時的に水位が高水位HWLよりも高い位置まで上昇し得る。
このように、ピーク流入時には、複数の水処理槽810、820、830、840の水位が一時的に上昇することによって、接触濾床槽830からの単位時間当たりの流出量の増大が抑制される。この結果、接触濾床槽830から未処理の水が流出する可能性を低減できる。このように、放流エアリフトポンプ870は、ピーク流入に起因する接触濾床槽830からの単位時間当たりの流出量の増大を抑制する機構(「ピークカット機構」と呼ぶ)として、動作する。
図6は、仕切板803と、側壁部842、843、844と、架台900と、散気装置834と、送気パイプ622と、の構成を示す概略斜視図である。図7は、架台900の構成を示す概略図である。図7(A)、図7(C)は、側面図であり、図7(B)は、上面図であり、図7(D)は、斜視図である。図7(E)は、後述する脚部950の斜視図である。本実施例では、1つの部材700(図6)が、側壁部842、843、844の全体を含んでいる(「壁部700」とも呼ぶ)。壁部700の側壁部842、843、844は、処理水槽840の側壁の一部を形成する(「壁形成部842、843、844」とも呼ぶ)。
図7(A)〜図7(E)に示すように、架台900は、散気装置834(図6)と好気濾材833(図5)とを支持する部材支持部910と、部材支持部910から下方に向かって突出する6個の脚部950と、を有している。
部材支持部910は、水平方向に拡がる部材であり、上方から下方(−Z方向)を向いて見た場合に(図7(B))、部材支持部910の縁を全周に渡って形成する部分である枠912と、枠912の内周側に形成された格子914と、を有している。格子914は、格子914を上方側から下方側に向かって貫通する複数の貫通孔を形成している。本実施例では、格子914の形状は、ハニカム形状である。図7(D)に示すように、部材支持部910(ここでは、格子914)の上側(+Z側)には、散気装置834を係止するための6個のフック状の係止部920が設けられている。図6に示すように、散気装置834p、834mは、それぞれ、3個の係止部920によって、部材支持部910に装着されている。このように、部材支持部910は、水平方向の位置が互いに異なる複数の位置で、散気装置834を支持している。また、図5に示すように、格子914上には、複数の好気濾材833が配置されている。このように、部材支持部910は、水平方向の位置が互いに異なる複数の位置で、複数の好気濾材833を支持している。
また、図7(B)、図7(D)に示すように、枠912は、上方から下方(−Z方向)を向いて見た場合に、枠912の縁(すなわち、部材支持部910の縁)が部材支持部910の内周側(ここでは、+X側)に向かって凹んだ部分を形成する凹部990を有している。図6に示すように、凹部990には、壁部700の下端が接続される。図7(B)には、壁部700の一部である鍔710が破線で示されている。鍔710の詳細については、後述する。
図7(E)は、1つの脚部950を切り出して示す概略斜視図である。図中の脚部950は、図7(B)中の6個の脚部950のうちの右下の脚部950xを示している。図示するように、脚部950xは、格子914の1つの貫通孔を形成する環状の部分である環状部916に接続されて下方側に延びる複数の柱部952と、複数の柱部952の下方側の端に接続されるとともに脚部950xの下面950sを形成する下部954と、を含んでいる。脚部950xは、複数の柱部952と下部954とによって形成される複数の開口を有している。複数の開口は、互いに連通している。他の脚部950の構成も、図7(E)の脚部950xの構成と、同様である。
本実施例では、1つの環状部916の形状は、略六角形である。1つの脚部950は、6本の柱部952を含んでいる。6本の柱部952は、環状部916の六角形の形状の6個の頂点部分に接続されている。下部954は、6本の柱部952の6個の端を接続する環状の部分である。本実施例では、脚部950の形状は、環状部916から下方側に向かって延びる六角錐台の形状と、おおよそ同じである。6本の柱部952と下部954とは、六角錐台の辺に対応する。ここで、1つの脚部950の水平な断面の輪郭(すなわち、水平な断面における1つの脚部950の全ての要素を含む凸包)の最大径は、6本の柱部952を頂点とする六角形の最大径である。本実施例では、この最大径は、下方側に向かって小さくなる。このように、脚部950の形状は、下方側に向かって小さくなるテーパ形状である。
図8は、接触濾床槽830の底面830sと、接触濾床槽830内に配置された架台900と、の概略図である。図中には、架台900(図7(B))のうちの−Y側の2個の脚部950(950a、950b)を含む一部分の側面図と、槽本体801の底部の断面図と、が示されている。図示された槽本体801の断面は、架台900の図示された2個の脚部950(950a、950b)と接触する部分の断面であり、図7(B)のC−C断面を示している。
図示された2個の脚部950(950a、950b)は、部材支持部910から下方側(−Z側)に向かって突出して接触濾床槽830の底面830s上で部材支持部910を支持している。図示しない他の脚部950も、同様に、底面830s上で部材支持部910を支持している。従って、部材支持部910が傾くなど、部材支持部910の位置ズレを抑制できる。また、上述したように、各脚部950は、互いに連通する複数の開口を有する。接触濾床槽830内の水は、脚部950の複数の開口を通じて、脚部950を容易に通り抜けることができる。従って、部材支持部910よりも下方側で、脚部950が水の流れを止めることを抑制できる。この結果、部材支持部910よりも下方側に移動した汚泥が移動せずに堆積し続けることを、抑制できる。
また、本実施例では、架台900の全体が、成形型を用いて一体的に成形される(例えば、射出成形、ハンドレイアップ成形、スプレーアップ成形など)。架台900の材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、繊維強化プラスチック(FRP)、ジシクロペンタジエン等の種々の樹脂を採用可能である。また、樹脂とは異なる他の材料を採用してもよい(例えば、金属、セラミックなど)。
このように、本実施例では、部材支持部910と複数の脚部950とは、一体に成形されている。従って、部材支持部910に脚部950を固定する作業が不要であるので、架台900を容易に製造できる。
また、各脚部950のそれぞれの形状は、水平断面の輪郭(具体的には、凸包)の最大径が下方側(すなわち、脚部950の先端側)に向かって小さくなるテーパ形状である。従って、格子914と脚部950とを、1回の成形で、成形することができる。このように、脚部950を含む架台900の製造を容易に行うことができる。また、複数の架台900を積み重ねる場合に、脚部950の端部を、隣の架台900の脚部950の内側に挿入することができる。この結果、複数の架台900を運搬する場合に、複数の架台900を積み重ねるために必要なスペースを小さくできる。
また、図7(E)で説明したように、脚部950は、部材支持部910(ここでは、環状部916)から下方側に向かって延びる複数の柱部952と、複数の柱部952の下方側の端に接続されるとともに脚部950の下面950sを形成する下部954と、を含んでいる。複数の柱部952は、互いに離れた位置に配置されている。柱部952と隣の柱部952との間の空間が、開口に相当する。複数の柱部952は、複数の開口を形成し、複数の開口は、互いに連通している。脚部950は、複数の柱部952の間を水が流れることを許容しつつ、適切に部材支持部910を支持できる。
また、図7(B)、図7(D)に示すように、部材支持部910は、複数の貫通孔を形成する格子914を含んでいる。従って、部材支持部910は、格子914の複数の貫通孔を水が流れることを許容しつつ、適切に、散気装置834と好気濾材833とを支持できる。
また、図7(E)で説明したように、脚部950は、格子914の複数の貫通孔のうちの1つの貫通孔を形成する環状部916に接続されている。従って、複数の貫通孔を形成する格子914に、適切に、脚部950を接続できる。また、格子914の貫通孔と、脚部950の開口とが、互いに連通している。従って、格子914と脚部950との接続部分が水の流れを止めることを抑制できる。そして、部材支持部910の上側と下側との間の水の流れが滞ることが抑制されるので、部材支持部910よりも下方側に移動した汚泥が移動せずに堆積し続けることを、抑制できる。
次に、図8を参照して、脚部950の下面950sの形状について、説明する。接触濾床槽830の底面830sのうち+X側の第1部分底面830asは、底面の高さ(+Z方向の位置)が+X方向に向かって徐々に高くなるように、傾斜している。具体的には、第1部分底面830asは、槽本体801の内面の隅を形成しており、第1部分底面830asの形状は、曲面である。架台900の脚部950aは、この第1部分底面830as上に配置される。脚部950aの下部954aは、脚部950aの下面954asが第1部分底面830asの形状に合わせて傾斜するように、形成されている。すなわち、脚部950aの下面954asの形状は、第1部分底面830asのうち、上方から下方(−Z方向)を向いて見た場合に脚部950aの下面954asと重なる部分の形状と、おおよそ同じである。これにより、脚部950aの下面954asと第1部分底面830asとの間の隙間が大きくなることが抑制される。そして、第1部分底面830asは、脚部950aの下面954asを、適切に支持できる。
図中の底面830sのうち−X側の第2部分底面830bsは、底面の高さ(+Z方向の位置)が−X方向に向かって徐々に高くなるように、傾斜している。架台900の脚部950bは、この第2部分底面830bs上に配置される。脚部950bの下部954bは、脚部950bの下面954bsが第2部分底面830bsの形状に合わせて傾斜するように、形成されている。すなわち、脚部950bの下面954bsの形状は、第2部分底面830bsのうち、上方から下方(−Z方向)を向いて見た場合に脚部950bの下面954bsと重なる部分の形状と、おおよそ同じである。これにより、脚部950bの下面954bsと第2部分底面830bsとの間の隙間が大きくなることが抑制される。そして、第2部分底面830bsは、脚部950bの下面954bsを、適切に支持できる。
他の脚部950の下面950sの形状も、同様に、底面830sのうちの脚部950の下面950sを支持する部分の形状に合わせて、形成されている。従って、底面830sは、複数の脚部950のそれぞれを、適切に支持できる。
なお、図8では図示を省略したが、底面830sの高さは、X方向に限らず、Y方向に沿って変化し得る。このように、底面830sの高さは、水平な任意の方向に沿って、変化し得る。脚部950の下面950sの形状は、このように変化する底面830sに合わせて、形成されている。一般的には、底面830sが水平面に対して傾斜する傾斜部分を含み、脚部950が傾斜部分上に配置される場合に、脚部950の下面950sが、傾斜部分に合わせて傾斜していることが好ましい。この構成によれば、脚部950の下面950sが水平な平面である場合と比べて、脚部950の下面950sと底面830sとの間の隙間が大きくなることを抑制できる。従って、脚部950は、底面830sの傾斜部分上で、適切に、部材支持部910を支持できる。
なお、以下のような場合に、脚部950の下面950sが底面830sの傾斜部分に合わせて傾斜している、ということができる。脚部950の下面950s(底面830sに接触し得る面)を、下面950sのうちの最も高い部分を通る水平面上に、鉛直方向に平行に投影して得られる面を、仮想下面と呼ぶ。脚部950の下面950sと底面830sとの間の鉛直方向の最大距離(すなわち、隙間の最大距離)が、仮想下面と底面830sとの間の鉛直方向の最大距離よりも小さい場合には、下面950sが傾斜部分に合わせて傾斜している、ということができる。
また、本実施例では、脚部950の下面950sは、底面830sの傾斜部分上の複数の位置に接触している。この場合、脚部950から底面830sに印加される荷重が複数の位置に分散されるので、槽本体801と脚部950との破損を抑制できる。なお、底面830sの傾斜部分は、平面であってもよく、曲面であってもよく、平面と曲面との両方を含んでもよい。一般的には、底面830sの傾斜部分としては、水平面に対して傾斜する任意の部分を採用可能である。なお、脚部950の下面950sと底面830sの傾斜部分との複数の接触位置は、1つの連続な接触領域に含まれていてもよく、互いに離れた複数の接触点で構成されていてもよい。
次に、架台900と壁部700との接続について説明する。図9は、壁部700の下方側の一部と、架台900と、の斜視図である。壁部700の3つの側壁部842、843、844の下端(すなわち、3つの傾斜部842d、843d、844dの下端)には、鍔710が設けられている。鍔710は、側壁部842、843、844の下端から外周側(接触濾床槽830側)におおよそ水平に突出する板状の部分である。本実施例では、鍔710は、側壁部842、843、844の下端の全体に亘って、設けられている。
鍔710は、3つの鍔部712、713、714に区分される。第1鍔部712は、第2側壁部842の下端に設けられ、第2側壁部842の−Y側の端から+Y側の端まで、おおよそY方向に延びる部分である(「先鍔部712」とも呼ぶ)。第2鍔部713は、第3側壁部843の下端に設けられ、第1鍔部712の+Y側の端部に接続され、第3側壁部843の+X側の端から−X側の端まで、おおよそ−X方向に延びる部分である。第3鍔部714は、第4側壁部844の下端に設けられ、第1鍔部712の−Y側の端部に接続され、第4側壁部844の+X側の端から−X側の端まで、おおよそ−X方向に延びる部分である。以下、X方向におおよそ平行に延びる鍔部713、714を、「横鍔部713、714」とも呼ぶ。
第2側壁部842上における第1鍔部712よりも高い位置には、上抑え部720が設けられている。この上抑え部720は、第1鍔部712におおよそ平行に、+X方向に突出する板状の部分である。第1鍔部712と上抑え部720との間には、係合爪730が設けられている。係合爪730は、架台900に係合して、架台900が壁部700から外れることを抑制する。
このような3個の側壁部842、843、844と、鍔710と、上抑え部720と、係合爪730と、を含む壁部700は、本実施例では、成形型を用いて一体的に成形される(例えば、射出成形、ハンドレイアップ成形、スプレーアップ成形など)。壁部700の材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、繊維強化プラスチック(FRP)、ジシクロペンタジエン等の種々の樹脂を採用可能である。また、樹脂とは異なる他の材料を採用してもよい(例えば、金属など)。なお、本実施例では、少なくとも係合爪730が弾性変形可能であるように、壁部700が形成される。
架台900の凹部990は、3つの枠部992、993、994に区分される。第1枠部992は、凹部990の奥側(+X側)の部分であり、おおよそY方向に延びている(「奥枠部992」とも呼ぶ)。図示が省略されているが、第1枠部992には、係合爪730に係合する係合部が形成されている。第2枠部993は、第1枠部992の+Y側の端部に接続され、おおよそ−X方向に延びている。第3枠部994は、第1枠部992の−Y側の端部に接続され、おおよそ−X方向に延びている。以下、X方向におおよそ平行に延びる枠部993、994を、「横枠部993、994」とも呼ぶ。
架台900の凹部990の形状と大きさは、壁部700の鍔710の形状と大きさと、おおよそ同じである。壁部700に架台900を接続する場合、架台900の凹部990が、壁部700の下端部(鍔710の上側)に、嵌め込まれる。
図10は、壁部700と架台900とが互いに接続される様子を示す概略図である。図10(A)は、接続の途中の状態を示し、図10(B)は、接続が完了した状態を示している。
図10(A)に示すように、架台900の凹部990の横枠部993、994が、壁部700の鍔710の横鍔部713、714上を、相対的に−X方向に向かって移動するように、架台900の凹部990に、壁部700の下端部が、挿入される。
図4には、横鍔部713、714と、横枠部993、994とが、示されている。第2枠部993は、第2鍔部713上に配置されている。また、第2鍔部713の内側(処理水槽840側)の端からは、傾斜部843dが、上方側に向かって延びている。傾斜部843dは、上方に向かって処理水槽840が広くなるように、+Y方向に傾斜している。傾斜部843dは、第2枠部993よりも−Y側から、第2枠部993の上を通って、第2枠部993よりも+Y側まで延びている。このように、第2枠部993は、第2鍔部713と傾斜部843dとに挟まれている。従って、第2枠部993が下方(−Z方向)に移動することは、第2鍔部713によって防止されている。また、第2枠部993が上方(+Z方向)に移動することは、傾斜部843dによって防止されている。第3枠部994についても、同様である。第3枠部994は、第3鍔部714と傾斜部844dとに挟まれている。第3枠部994の上下方向の移動は、第3鍔部714と傾斜部844dとによって防止されている。従って、架台900を壁部700に接続する場合、架台900の凹部990の位置が、壁部700の鍔710上の位置から大きく離れた意図しない位置にずれることが、抑制される。
図10(A)の状態から、さらに、架台900を壁部700に対して相対的に−X方向へ移動させることによって、接続が完了する(図10(B))。接続が完了した状態では、架台900の奥枠部992は、壁部700の先鍔部712と上抑え部720との間に挟まれている。また、壁部700の側壁部842、843、844は、凹部990に沿って配置されている。そして、側壁部842、843、844は、凹部990と同じ高さの位置から上方側(+Z側)に向かって延びる部分を含んでいる。
図11は、壁部700と架台900とが互いに接続される様子を横から見た概略図である。図中には、図10(B)のD−D断面から−Y方向を向いて見た壁部700と架台900との概略が示されている。図中には、壁部700の下方側の一部と、架台900の−X側の一部とが、示されている。D−D断面は、Y方向に垂直な断面である。図中では、D−D断面に含まれる複数の要素の一部の断面に、ハッチングが付されている。具体的は、架台900の奥枠部992と、壁部700の先鍔部712と傾斜部842dと上抑え部720と係合爪730との、それぞれの断面に、ハッチングが付されている。また、図中には、架台900の第3枠部994と、壁部700の第3鍔部714と、が示されている。壁部700と架台900との接続は、図11(A)〜図11(D)の順番に進行する。
架台900の奥枠部992には、係合部980が設けられている。係合部980は、下方(−Z方向)に向かって延びる壁である。壁部700の係合爪730は、+X方向に向かって突出している。係合爪730は、上方(+Z方向)に向かって突出する突部730aを有している。突部730aの+X側の表面730asは、+X方向に向かって徐々に低くなる傾斜面である(「傾斜面730as」とも呼ぶ)。
図10(A)で説明したように、架台900の第3枠部994は、壁部700の第3鍔部714上を、相対的に−X方向に移動する。(図11(A)、図11(B))。そして、架台900の奥枠部992は、壁部700の上抑え部720と先鍔部712との間に挿入される(図11(C)、図11(D))。ここで、図11(C)に示すように、奥枠部992の上面(+Z側の面)が上抑え部720の下面(−Z側の面)に接触した状態で、係合爪730の突部730aは、係合部980の下端に接触する。架台900は、壁部700に対して相対的に、さらに−X方向に移動される。係合爪730は、弾性変形可能である。これにより、図11(C)に示すように、突部730aの傾斜面730asに接触する係合部980は、突部730a(ひいては、係合爪730)を、下方(−Z方向)に向けて押し下げる。係合爪730は、係合部980に押されて、下方(−Z方向)に向けて弾性的に変形する。そして、図11(D)に示すように、係合部980が係合爪730の突部730aよりも−X側に移動する。弾性的に変形していた係合爪730の形状は、元の形状に戻る。これにより、係合爪730の突部730aが、係合部980の+X側の面に係合する。以上により、架台900と壁部700との接続が完了する。
このように、壁部700(図9)は、処理水槽840の側壁の一部を形成する壁形成部842、843、844と、上抑え部720と、鍔710と、を有している。図10(B)で説明したように、壁形成部842、843、844は、架台900の凹部990の縁に沿って配置されている。上抑え部720は、凹部990のうちの奥枠部992の上側に配置されている。上抑え部720は、奥枠部992が上側(+Z側)に移動しようとする場合に奥枠部992の少なくとも一部に接触することによって、壁部700に対する奥枠部992(ひいては、凹部990)の上側への移動を抑制する。鍔710は、凹部990の下側に配置されている。鍔710は、凹部990が下側に移動しようとする場合に凹部990の少なくとも一部に接触することによって、壁部700に対する凹部990の下側への移動を抑制する。従って、壁部700と架台900との間の位置ズレを抑制できる。以下、鍔710のうち、凹部990に接触し得る部分を、「下抑え部」とも呼ぶ。
また、図11で説明したように、壁部700は、弾性変形可能な係合爪730を有し、架台900は、係合爪730に係合する係合部980を有している。そして、図11(D)で説明したように、架台900と壁部700とは、係合爪730が係合部980に係合することによって、互いに接続されている。これにより、架台900と壁部700との接続を、容易に行うことができる。
また、本実施例では、壁部700と架台900とは、以下のように構成されている。接触濾床槽830内に配置された状態で、架台900(図11(D))の奥枠部992が、壁部700の上抑え部720のうちの奥枠部992に対向する部分720eに接触する。架台900は、奥枠部992と上抑え部720(具体的には、部分720e)との接触位置P2を支点として、外力を支える。上抑え部720よりも、凹部990の奥に向かう方向とは反対方向側(ここでは、+X側)に配置された脚部950は、接触濾床槽830の底面830sから上向き(+Z方向)の力F1を受ける。この力F1に起因して、支点(接触位置P2)よりも、凹部990の奥に向かう方向側(ここでは、−X側)に配置された第3枠部994には、−Z方向の力F2が印加される。第3枠部994の−X側の端部994eは、壁部700の第3鍔部714の対応する部分714eに押しつけられる。図示を省略するが、第2枠部993(図9)の−X側の端部も、壁部700の第2鍔部713の対応する部分に押しつけられる。奥枠部992と上抑え部720との接触位置P2と、第3枠部994と第3鍔部714との接触位置P1と、第2枠部993と第2鍔部713との接触位置(図示せず)とによって、水平面に対する架台900の方向(傾き)が決まる。従って、水平方向に対する架台900の向きのズレを抑制できる。また、本実施例では、このように方向が決められた架台900が、散気装置834を水平に支持するように、架台900が構成されている。従って、散気装置834が傾くことを抑制できる。この結果、散気装置834の複数の孔の一部からガスが吐出されなくなることを、抑制できる。そして、保持部材835(ここでは、好気濾材833と接触材832との少なくとも一方)に好気処理を行うには酸素が不足する部分が生じることを、抑制できる。これにより、保持部材835(好気濾材833と接触材832)の全体を、好気処理に適切に利用できる。また、架台900を仕切板803に固定せずに、架台900の位置ズレを抑制できる。従って、架台900を仕切板803に固定する作業を省略できる。また、架台900の固定のための貫通孔を仕切板803から省略できるので、そのような貫通孔を通る漏水を防止できる。
また、図7(B)には、上方から下方(−Z方向)を向いている場合に凹部990と鍔710とが重なる部分である重畳部分97が、ハッチングで示されている。図示するように、この重畳部分97は、凹部990の縁(特に、凹んだ部分を形成する縁)を全長に亘って含んでいる。すなわち、上方から下方を向いて見る場合に、鍔710は、凹部990の縁に、縁の全長に亘って重なっている。従って、鍔710は、凹部990の縁の全長に亘って位置ズレを抑制できる。この結果、架台900の位置ズレを適切に抑制できる。
B.変形例:
(1)水処理槽内に配置される架台の構成としては、上記の架台900の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、脚部950の総数としては、1以上の任意の数を採用可能である。また、部材支持部910と脚部950とが別部材であってもよい。この場合、部材支持部910と脚部950との接続方法としては、任意の方法を採用可能である。例えば、接着剤を用いて脚部950を部材支持部910に固定してもよい。また、凹部990が省略されてもよい。
また、架台のうちの濾材などの対象部材を支持する部材支持部のうちの複数の貫通孔を形成する部分(「孔形成部」と呼ぶ)の構成としては、上記の格子914の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、平板に複数の貫通孔を形成することによって得られる部材を、採用してもよい。一般的には、孔形成部は、上方側から下方側に向かって貫通する複数の貫通孔を形成することが好ましい。このような孔形成部を採用すれば、水処理槽内の水は、容易に、部材支持部の上側と下側との間を行き来できる。この結果、部材支持部よりも下方側に移動した汚泥が移動せずに堆積し続けることを、抑制できる。なお、貫通孔の形状としては、六角形に代えて、他の任意の形状を採用可能である(例えば、円、多角形など)。また、このような孔形成部を省略してもよい。
また、架台の脚部の構成としては、図7(E)の脚部950xのように柱部952と下部954とを含む構成に代えて、他の任意の構成を採用可能である。例えば、1つの脚部の水平断面の輪郭の形状(すなわち、水平な断面上の1つの脚部の全ての要素を含む凸包の形状)としては、六角形に代えて、他の任意の形状を採用可能である。例えば、三角形や四角形などの多角形、円、楕円などを採用してもよい。また、脚部は、脚部の水平断面の輪郭(具体的には、凸包)の最大径が下方側に向かって一定な部分と、最大径が下方側に向かって大きくなる部分と、の少なくとも一方を含んでもよい。例えば、脚部が、上下方向に延びる円筒状のパイプであってもよい。このようなパイプに複数の貫通孔を形成することによって、脚部が水の流れを止めることを抑制できる。また、脚部が水処理槽の底面の傾斜部分上に配置される場合であっても、脚部の下面の形状は、傾斜部分の形状とは異なる形状であってもよい。また、1つの脚部が、部材支持部の孔形成部(例えば、図7(D)の格子914)の複数の貫通孔に跨がった状態で、部材支持部に接続されていてもよい。また、脚部の互いに連通する複数の開口が、省略されてもよい。例えば、水処理槽の底面に向かって突出するカップ状の部材を、脚部として用いてもよい。また、脚部が省略されてもよい。この場合、架台の縁が、水処理槽の側壁の所定位置に固定されてもよい。
また、架台900のうちの水平面に対する架台900に向きを制限する部分、すなわち、架台900の意図しない傾きを抑制する部分としては、図11(D)の接触位置P1に対応する端部994eと、接触位置P2に対応する奥枠部992と、に代えて、他の任意の部分を採用可能である。例えば、架台900の縁が、水処理槽の側壁の所定位置に固定されてもよい。この場合、架台900の縁のうち側壁に固定された部分は、架台900の意図しない傾きを抑制できる。
(2)架台に接続される壁部の構成としては、上記の壁部700の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、架台900に係合爪が設けられ、壁部700に、架台900の係合爪に係合する係合部が設けられていてもよい。また、係合爪と係合爪に係合する係合部とが、省略されてもよい。また、鍔710の一部が省略されてもよい。すなわち、図7(B)のように上方から下方を向いて見る場合に、凹部990の縁(特に、凹んだ部分を形成する縁)のうちの鍔710に重なる部分が、凹部990の縁の一部のみであってもよい。また、凹部990の縁に縁の全長に亘って重なる鍔が、上抑え部720を形成する部分であってもよい。また、そのような鍔が省略されてもよい。また、上抑え部720と下抑え部(図9の例では、鍔710)との少なくとも一方が省略されてもよい。
また、壁部700の壁形成部は、水処理槽(例えば、処理水槽840)の側壁の一部ではなく側壁の全部を形成してもよい。また、壁形成部は、架台の凹部と同じ高さの位置から下方側に向かって延びる部分を含んでもよい。また、壁部700は、一体に成形された部材ではなく、複数の部材が接続されることによって、形成されてもよい。また、壁部700は、水処理槽ではなく、水が単に移動するだけの流路(例えば、バッフル)の側壁の少なくとも一部を形成してもよい。
(3)架台を収容する水処理槽としては、接触濾床槽830に代えて、他の任意の水処理槽を採用可能である。例えば、嫌気濾材を有する嫌気濾床槽を採用してもよい。そして、嫌気濾床槽内の嫌気濾材の下に配置される架台が、嫌気濾材を支持してもよい。また、架台に接続される壁部は、嫌気濾床槽へ流入する水が流れる流路(バッフルとも呼ばれる)の側壁の少なくとも一部を形成してもよい。また、壁部は、嫌気濾床槽から流出する水が流れるバッフルの側壁の少なくとも一部を形成してもよい。一般的に、架台に接続される壁部は、単に水を移動させるだけの流路と、水を処理する水処理槽と、のいずれかの側壁の少なくとも一部を形成することが好ましい。なお、側壁は、流路または水処理槽の水平方向の範囲(すなわち、水平方向の縁)を定める壁である。
(4)架台によって支持される対象部材は、散気装置と濾材とのいずれか一方のみであってもよい。濾材は、嫌気性微生物を保持するための部材(嫌気濾材とも呼ばれる)であってもよく、好気性微生物を保持するための部材(好気濾材とも呼ばれる)であってもよい。濾材の構成としては、網状の部分を含む構成や、板状の部分を含む構成(「接触材」とも呼ばれる)など、種々の構成を採用可能である。また、架台に支持される散気装置の構成としては、複数の孔を有するパイプに代えて、多数の気泡を吐出可能な任意の構成を採用可能である。例えば、多孔質の材料を用いて散気装置が構成されていてもよい(「ディフューザ」とも呼ばれる)。いずれの場合も、架台は、水平方向の位置が互いに異なる複数の位置で対象部材を支持することが好ましい。この構成によれば、架台は、対象部材を、適切に支持できる。
(5)図9、図10の実施例では、仕切板803に壁部700が固定され、その後に、壁部700に架台900が接続されている。これに代えて、壁部700に架台900が接続された後に、壁部700が仕切板803に固定されてもよい。一般的には、排水処理装置800を組み立てる手順としては、任意の手順を採用可能である。
(6)排水処理装置の構成としては、上記の排水処理装置800の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、夾雑物除去槽810に嫌気濾材が充填されてもよい。また、接触濾床槽830に代えて、微生物を保持する担体が流動する担体流動槽を採用してもよい。
また、処理フローとしては、図1に示すフローに限らず、他の任意のフローを採用可能である。例えば、水位センサと、水位センサによって特定される水位に応じて制御される移送ポンプと、を有する流量調整槽が設けられても良い。また、流量を調整する機能(例えば、ピークカット機能や流量調整槽)が省略されてもよい。また、排水処理装置に設けられる水処理槽の総数としては、1以上の任意の数を採用可能である。また、家庭からの排水に限らず、産業排水を処理する排水処理装置を採用してもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。