JP6574128B2 - 発色性組成物 - Google Patents
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このような課題を解決するためにアシルグルタミン酸塩と非イオン性活性剤で調製したラメラ液晶により組成物を発色させる技術(例えば特許文献4)が試みられているが、肌水分保持能等のスキンケア機能が充分に発揮されない場合があり、審美感と機能の両立という観点で課題を残していた。
また、これまで結晶の析出を抑制し、振動安定性を高めるという観点から発色性組成物の組成が検討されたことは無かった。
また、発色性組成物を一定期間保存すると発色性が失われるという問題があった。特に、低温下での保存後に発色性が失われやすいという問題があった。
また、本発明は発色性組成物の保存安定性、特に低温における保存安定性を向上することを課題とする。
(ア)グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルからなる群から選択される2種以上(ただし、水酸基を2個以上含む場合には、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数は10以上である)。
(イ)疎水基として炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤。
(ウ)1種または2種以上のポリオール(ただし、成分(ア)を除く)。
を含有することを特徴とする、発色性組成物である。
本発明の発色性組成物は、従来の発色性組成物よりも結晶の析出を起こしにくく、振動安定性に優れる。
また、本発明の発色性組成物は保存安定性、特に低温での保存安定性に優れている。
前記(a)や(b)の界面活性剤を含む本発明の発色性組成物は、振動安定性に優れる。また、このような形態の発色性組成物は、保存安定性に特に優れる。
アミノ酸を対イオンとする界面活性剤を用いることによって、特に低温における保存安定性を向上させることができる。
アルギニンを対イオンとする界面活性剤を含む発色性組成物は、特に低温における保存安定性に優れる。
成分(イ)として脂肪酸石鹸を用いることによって、発色性組成物の振動安定性を向上させることができる。
また、本発明においては成分(ア)としてグリセリン又はポリグリセリンのモノオレイルエーテルを含むことも好ましい。
このような非イオン性界面活性剤を用いることによって、保存安定性を向上させることができる。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
(i)単糖、2〜5の単糖が重合した多糖又は炭素数が4以上の糖アルコール。
(ii)平均分子量が100〜10000であるポリエチレングリコール。
(iii)2〜5個の水酸基を有し、炭素数が3〜20のポリオール(ただし、(i)及び(ii)を除く)。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
このような界面活性剤を用いることによって、発色性組成物の発色性をより向上させることができる。
このような形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
本発明の発色性組成物は、高い審美感を有しながらも、結晶化を起こしにくく、振動安定性に優れているため、化粧料として有用である。
(ア)グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルからなる群から選択される2種以上(ただし、水酸基を2個以上含む場合には、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数は10以上である)。
(イ)疎水基として炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤。
(ウ)1種または2種以上のポリオール(ただし、成分(ア)を除く)。
を含有することを特徴とする、濃縮組成物にもある。
上述の通り、本発明の発色性組成物は結晶析出を起こしにくい。そのため、濃縮組成物の形態としても析出を起こしにくく有用である。
また、本発明によれば発色性組成物の保存安定性、特に低温における安定性を向上させることができる。
また、本発明の好ましい形態では、より発色性に優れた発色性組成物を提供することができる。
本発明は、下の成分(ア)〜(ウ)を必須成分として含有する。
(ア)グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルからなる群から選択される2種以上(ただし、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数は10以上である)。
(イ)疎水基として炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤。
(ウ)1種または2種以上のポリオール(ただし、成分(ア)を除く)。
以下、各成分について詳細に説明する。
本発明の発色性組成物は必須成分として、成分(ア)グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル、アルキルエーテルからなる群から選択される2種以上(以下、グリセリン系誘導体という)を含有する。
すなわち、炭素数が9以下の脂肪酸又はアルキル基によって構成され、水酸基を2個以上含むグリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル及びアルキルエーテルは、成分(ア)のグリセリン系誘導体に含まれず、後述する成分(ウ)に含まれる。
成分(ア)のグリセリン系誘導体として、このような脂肪酸エステルを用いることで、発色性組成物の発色性を向上させることができる。
成分(ア)のグリセリン系誘導体として、このようなアルキルエーテルを用いることで、発色性組成物の発色性を向上させることができる。
ポリグリセリンの重合度を前記範囲とすることによって、発色性組成物の発色性を向上させることができる。
具体的には、「ニッコール DGMO−90V」(ジグリセリンモノオレイン酸エステル 日光ケミカルズ(株)製)、「サンファクト2GML−90」(ジグリセリンモノラウリン酸エステル 太陽化学(株)製)、「サンソフトNo.750」(グリセリンモノラウリン酸エステル 太陽化学(株)製)、「NIKKOL(登録商標) セラキルアルコール」(モノオレイルグリセリルエーテル 日光ケミカルズ(株)製)、「NIKKOL(登録商標) バチルアルコール」(グリセリンモノステアリルエーテル 日光ケミカルズ(株)製)等が例示できる。
成分(ア)のグリセリン系誘導体の含有量を前記範囲とすることにより、組成物の発色性を向上させることができる。
また、成分(ア)として、グリセリン又はポリグリセリンのモノオレイルエーテルを含むことが好ましく、特にグリセリンモノオレイルエーテルを含むことが好ましい。
さらには、成分(ア)として、グリセリン又はポリグリセリンのモノラウリルエーテルと、モノオレイルエーテルを共に含むことが好ましい。
成分(ア)として、このような非イオン性界面活性剤を用いることにより、温度変化により失った発色性組成物の保存安定性を向上させることができる。
本発明のより好ましい実施の形態では、前記モノオレイン酸エステルは、ポリグリセリンのモノオレイン酸エステルであり、さらに好ましくはジグリセリンのモノオレイン酸エステルである。
このような実施の形態の本発明によれば、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
成分(ア)に占めるグリセリン又はポリグリセリンのモノオレイン酸エステルの割合を前記範囲とすることによって、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
また、低温保存した時の経時的な発色性の低下を抑制する観点から、好ましくは1.5:3.5〜1:1、より好ましくは1:2〜1:1.5、より好ましくは1:1.8〜1:1.5である。
このような実施の形態の本発明は、発色性組成物を低温保存した時の経時的な発色性の低下を抑制することができる。
このような実施の形態の本発明は、発色性組成物を低温保存した時の経時的な発色性の低下を抑制することができる。
また、低温保存した時の経時的な発色性の低下を抑制する観点から、好ましくは1.5:3.5〜1:1、より好ましくは1:2〜1:1.5、より好ましくは1:1.8〜1:1.5である。
成分(ア)のグリセリン系誘導体の純度を前記範囲とすることにより、発色性組成物を低温保存した場合の経時的な発色性の低下を抑制することができる。
このような高純度のグリセリン系誘導体は、例えば、市販品を分子蒸留器に繰り返し通すという手法により得られる。また、純度の確認は例えばGPCカラムを用いたHPLC法により確認できる。
本発明の発色性組成物は必須成分として、疎水基として炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤を含む。疎水基としての炭化水素鎖の種類や本数、対イオンの種類などは特に限定されず、(a)ジェミニ型イオン性界面活性剤、(b)疎水基として分岐及び/又は不飽和の炭化水素鎖を有する界面活性剤、(c)脂肪酸石鹸を例示できる。以下、それぞれのイオン性界面活性剤について説明する。
本発明で言うジェミニ型イオン性界面活性剤とは、一般的なイオン性界面活性剤が連結基により連結した二量体構造を持つものであり、その構造中に、少なくとも2つの疎水性鎖、少なくとも2つのイオン性基、及びスペーサー部分を含んでいる。
具体的な構造としては、アシルアミノ酸リシン塩、二本鎖ビスカルボン酸型化合物、ビスピリジニウム四級アンモニウム塩型化合物等が好適に例示できる。
(b)のイオン性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の何れであってもよいが、好ましくはアニオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤としてはスルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩を挙げることができ、さらに好ましくはカルボン酸塩、リン酸塩を挙げることができる。
また、分岐鎖を有する炭化水素鎖における主鎖の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜19、さらに好ましくは9〜18である。
また、分岐鎖を有する炭化水素鎖における側鎖の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6である。
このような(b)のイオン性界面活性剤としては、オレイン酸、リノール酸及びウンデシレン酸などの塩、並びにこれら脂肪酸におけるカルボキシル基をリン酸基に置換した有機リン酸などの塩が好ましく例示できる。
このような炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤としては、オレイン酸、リノール酸などの塩、並びにこれら脂肪酸におけるカルボキシル基をリン酸基に置換した有機リン酸などの塩が好ましく例示でき、特に好ましくはオレイン酸を例示することができる。
本発明で言う脂肪酸石鹸とは、脂肪酸をアルカリ剤で中和したものであり、該脂肪酸の炭素数は、好ましくは10以上、より好ましくは10〜20、さらに好ましくは12〜16である。
脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよい。また、脂肪酸は直鎖脂肪酸であっても分岐鎖脂肪酸であってもよい。
本発明の好ましい実施の形態では、脂肪酸石鹸はラウリン酸の塩である。
このような実施の形態の本発明は、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、脂肪酸石鹸は脂肪酸のカリウム塩である。
このような実施の形態の本発明は、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、成分(イ)として(a)及び(b)の界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む。
(a)又は(b)の界面活性剤を含むことによって、本発明の発色性組成物の高温又は低温環境下における安定性を向上させることができる。
(a)及び(b)の界面活性剤の対イオンとするアミノ酸としては、アルギニンやリジンなどの塩基性アミノ酸を好ましく挙げることができ、このうち特に好ましくはアルギニンを挙げることができる。
成分(イ)の含有量を前記範囲とすることにより、組成物の発色性を向上させることができる。
成分(ア)と成分(イ)の質量比を前記範囲とすることにより、成分(イ)のジェミニ型イオン性界面活性剤又は脂肪酸石鹸が、成分(ア)のグリセリン系誘導体により調製されるラメラ液晶中に溶解している状態を容易に形成することができる。
本発明の発色性組成物は必須成分として、1種又は2種以上のポリオールを含有する。本発明において、ポリオールとは水酸基を2個以上含む化合物のことを言う。
ただし、水酸基を2個以上含むグリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルであって、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数が10以上のものは、成分(ウ)に含まれず、成分(ア)に含まれる。
すなわち、成分(ウ)のポリオールに含まれるグリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルは、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数が9以下のものである。
成分(ウ)の含有量を前記範囲とすることにより、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
以下、(i)〜(iii)について詳述する。
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等)、六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等)、七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八炭糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等)、アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記炭素数が4以上の糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、ガラクチトールからなる群から選ばれる1種又は2種である。
前記(i)の含有量を前記範囲とすることにより、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
本発明においては、ポリエチレングリコールの平均分子量は、100〜10000、より好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
平均分子量が前記範囲のポリエチレングリコールを用いることにより、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
前記(ii)の含有量を前記範囲とすることにより、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
このような(iii)のポリオールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等)、3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(例えば、ジグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等)、5価アルコール(例えば、トリグリセリン等)、多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、多価アルコールのアルキルエーテル(例えば、グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル等)等が挙げられる。
また、前記(iii)として多価アルコールのアルキルエーテル、特に3価アルコールのモノアルキルエーテルを採用する場合には、本発明の実施の形態では、前記(iii)の含有量が、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
前記(iii)の含有量を前記範囲とすることにより、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
成分(ア)と成分(ウ)の質量比を前記範囲とすることにより、発色性組成物の結晶析出温度をより低下させることができ、また、振動安定性をより向上させることができる。
すなわち、本発明の濃縮組成物は、水で希釈することにより、上記発色性組成物を調製するためのものである。本発明の濃縮組成物は、以下の成分(ア)、(イ)及び(ウ)
(ア)グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルからなる群から選択される2種以上(ただし、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数は10以上である)。
(イ)疎水基として炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤。
(ウ)1種または2種以上のポリオール(ただし、成分(ア)を除く)。
を含有する。
各成分の実施形態については、本発明の発色性組成物において説明したとおりである。
本発明の濃縮性組成物は、上記必須成分及び任意成分を加熱条件下、溶解混合し、冷却する等の常法に従って処理することにより調製することができる。
表1に示す処方により本発明の発色性組成物と比較例の発色性組成物を調製した。すなわち表1の成分を65℃以上の加熱下に攪拌混合溶解し、透明均一な溶液とした後、冷却し、30℃以下で香料を添加し、発色性組成物を得た。
実施例1〜6の発色性組成物は、成分(ア)、(イ)及び(ウ)を含有する一方、比較例1〜3の発色性組成物は、成分(ウ)を含有しない。
実施例1〜6、比較例1〜3の発色性組成物の発色性を以下の方法により評価した。すなわち、10人の評価者によって1〜5点の評点を付し、その平均値を評価値とした。各評点の評価基準は以下の通りである。
5:はっきりと発色している
4:発色している
3:やや発色している
2:白濁しているがやや発色している
1:発色していない
結果を表2に示す。
実施例1〜6、比較例1〜3の発色性組成物の入った容器の雰囲気温度を降下させ、結晶が析出する温度を測定した。
結果を表2に示す。
実施例1〜6、比較例1〜3の発色性組成物の入ったガラス容器を手で5回振盪した後の発色性の程度を、試験例1と同様の方法により評価した。
結果を表2に示す。
この結果は、成分(ア)及び(イ)が組成物の発色性に寄与していることを示している。
しかし、比較例1〜3の発色性組成物の結晶析出温度は5℃又は7℃であるのに対して、実施例1〜6の発色性組成物の結晶析出温度は−5℃又は0℃であった。
この結果は、成分(ア)及び(イ)に加え、成分(ウ)を含有することにより、発色性組成物の結晶析出温度を低下させることができることを示している。
この結果は、成分(ア)及び(イ)に加え、成分(ウ)を含有することにより、発色性組成物の振動安定性が向上することを示している。
つまり、本発明の成分(ウ)として(i)〜(iii)の何れのポリオールを用いた場合であっても、発色組成物の結晶析出温度を低下させ、振動安定性を向上させることができることがわかった。
表3に記載の成分を65℃以上の加熱下に攪拌混合溶解し、透明均一な溶液とした後、冷却し、実施例7の濃縮組成物を得た。
当該濃縮組成物1000mLを、42℃の水90Lに添加し、混合したところ発色した。この発色状態を試験例1と同様の方法により評価したところ、評価値は「3」であった。
さらに、この発色状態は、1時間後も続いていた。
この結果より、本発明の濃縮組成物は、希釈して用いることにより、良好な発色安定性を有することが分かった。
表4に示す処方により本発明の発色性組成物と比較例の発色性組成物を調製した。すなわち表1の成分を65℃以上の加熱下に攪拌混合溶解し、透明均一な溶液とした後、冷却し、30℃以下で香料を添加し、発色性組成物を得た。
実施例8〜21、比較例4〜7の発色性組成物の入ったガラス容器を手で5回振盪した後の発色性の程度を、試験例1と同様の方法により評価した。
実施例8〜21、比較例4〜7の発色性組成物について、(i)製造直後の発色性、(ii)20℃で1ヶ月保存したときの発色性、(iii)10℃で1ヶ月保存したときの発色性及び(iv)10℃で1ヶ月保存した後に20℃に戻したときの発色性を評価した。結果を表4に示す。
この結果は、成分(ア)として2種以上のノニオン性界面活性剤を含む本発明の発色性組成物は、振動安定性に優れることを示している。
また、10℃下での保存後における発色性においても、実施例8〜19の発色性組成物は、比較例4〜7の発色性組成物よりも優れていた(表4)。
さらに実施例10、14、18及び19の発色性組成物については、10℃下での保存により発色性が低下したとしても、これを20℃に戻したときに発色性が回復することがわかった。
これらの結果は、本発明の発色性組成物は保存安定性、特に低温保存安定性に優れていることを示している。
この結果は、成分(イ)として対イオンがアミノ酸であるイオン性界面活性剤を含むことにより、発色性組成物の保存安定性を向上させることができることを示している。
Claims (18)
- 以下の成分(ア)、(イ)及び(ウ)
(ア)グリセリン又はポリグリセリンのモノラウリルエーテルと、グリセリン又はポリグリセリンのモノオレイルエーテル。
(イ)疎水基として炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤。
(ウ)1種または2種以上のポリオール(ただし、成分(ア)を除く)。
を含有することを特徴とする、発色性組成物。 - 以下の成分(ア)、(イ)及び(ウ)
(ア)グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルからなる群から選択される2種以上(ただし、水酸基を2個以上含む場合には、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数は10以上である)。
(イ)(a)ジェミニ型イオン性界面活性剤、並びに(b)疎水基として分岐及び/又は不飽和の炭化水素鎖を有する界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤。
(ウ)1種または2種以上のポリオール(ただし、成分(ア)を除く)。
を含有し、前記成分(イ)の(a)及び(b)の界面活性剤の対イオンがアミノ酸であることを特徴とする、発色性組成物。 - 前記アミノ酸がアルギニンであることを特徴とする、請求項2に記載の発色性組成物。
- 以下の成分(ア)、(イ)及び(ウ)
(ア)グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル又はアルキルエーテルからなる群から選択される2種以上(ただし、水酸基を2個以上含む場合には、前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸又は前記アルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数は10以上である)。
(イ)疎水基として炭化水素鎖を有するイオン性界面活性剤。
(ウ)1種または2種以上のポリオール(ただし、成分(ア)を除く)。
を含有し、前記成分(イ)として、脂肪酸石鹸を含むことを特徴とする、発色性組成物。 - 前記成分(ア)がグリセリン又はポリグリセリンのモノラウリルエーテルを含むことを特徴とする、請求項2〜4の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 前記成分(ア)がグリセリン又はポリグリセリンのモノオレイルエーテルを含むことを特徴とする、請求項2〜5の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 前記成分(ア)がグリセリン又はポリグリセリンのモノオレイン酸エステルを含むことを特徴とする、請求項2〜6の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 前記成分(ア)が、ジグリセリンのモノオレイン酸エステルを含むことを特徴とする、請求項7に記載の発色性組成物。
- 前記成分(ウ)の含有量が0.1〜60質量%であることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 前記成分(ウ)が、以下の(i)〜(iii)からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の発色性組成物。
(i)単糖、2〜5の単糖が重合した多糖又は炭素数が4以上の糖アルコール。
(ii)平均分子量が100〜10000であるポリエチレングリコール。
(iii)2〜5個の水酸基を有し、炭素数が3〜20のポリオール(ただし、(i)及び(ii)を除く)。 - 前記成分(i)の含有量が、発色性組成物全体に対して、0.1〜30質量%であることを特徴とする、請求項10に記載の発色性組成物。
- 前記成分(ii)の含有量が、発色性組成物全体に対して、0.1〜20質量%であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の発色性組成物。
- 前記成分(iii)の含有量が、発色性組成物全体に対して、0.1〜60質量%であることを特徴とする、請求項10〜12の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 前記成分(イ)の界面活性剤の疎水基を構成する炭化水素鎖の炭素数が10〜20であることを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 前記成分(ア)と前記成分(ウ)との質量比が1:25〜4:1であることを特徴とする、請求項1〜14の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 化粧料であることを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の発色性組成物。
- 水で希釈することにより、請求項1〜16の何れか一項に記載の発色性組成物を調製するための濃縮組成物であって、前記(ア)、前記(イ)及び前記(ウ)を含有することを特徴とする、濃縮組成物。
- 入浴剤であることを特徴とする請求項17に記載の濃縮組成物。
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