JP6573388B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真技術を利用した画像形成装置に関するものである。
電子写真技術を用いた画像形成装置では、感光ドラムの表面を帯電ローラによって帯電し、帯電された感光ドラムを露光装置で露光することで感光ドラムに静電潜像を形成している。そして、静電潜像は現像装置によってトナー像として現像され、トナー像は転写ローラによって記録媒体に転写される。その後、記録媒体に転写されたトナー像は定着装置によって記録媒体に定着される。このようにして、記録媒体に画像が形成される。ここで、電子写真技術を用いた画像形成装置では、感光ドラムを安定して帯電する手段として帯電ローラが用いられることが多い。帯電ローラは、感光ドラムと接触しながら回転する。帯電ローラと感光ドラムとの接触部分の近傍で、帯電ローラと感光ドラムとの隙間において生じる放電によって感光ドラムが帯電される。
帯電ローラと感光ドラムとの間に放電が生じるような電圧(放電開始電圧Vth)より大きな電圧を帯電ローラに印加した場合、帯電ローラと感光ドラムとの間に放電が生じ、感光ドラム表面の電位が増加する。感光ドラム表面の電位は、帯電ローラに印加される電圧に比例して増加する。具体的には、例えば、感光ドラム表面の電位を目標値Vdにするためには、目標値Vd+放電開始電圧Vthの電圧を帯電ローラに印加する必要がある。しかし、感光ドラムの劣化によって感光層の膜厚が薄くなると放電開始電圧Vthが低くなってしまう。帯電ローラに印加される電圧が一定である場合、放電開始電圧Vthが低くなると、感光ドラム表面の電位が大きくなってしまう。
そこで、特許文献1に開示される技術では、感光ドラムの感光層の膜厚を取得し、感光層の膜厚に基づいて、感光ドラムにおけるトナー像が形成されない部分である非画像形成部(以下、非画像部とする)の電位を目標値にしている。具体的には、まず、感光ドラムの表面全体の電位が目標値以上の電位となるように帯電ローラが感光ドラムを帯電する。その後、露光装置が非画像部を第1出力で露光することにより、非画像部の電位の絶対値を低くし、非画像部の電位を目標値にしている。そして、その後、感光ドラムにおけるトナー像が形成される部分である画像形成部(以下、画像部とする)を露光装置が第2出力で露光することで、感光ドラムの表面に静電潜像を形成している。
ここで、露光装置が感光ドラムの表面を露光した場合、図19に示すように、感光ドラムにおける電荷発生層でプラス電荷が発生する。プラス電荷は、電荷輸送層を伝って感光ドラムの表面に移動する。このようなメカニズムで、感光ドラムの表面が露光されると、感光ドラムの表面の電位の絶対値が小さくなる。また、帯電ローラに印加される電圧が一定である場合に、画像形成装置が使用される場所の湿度によっても、感光ドラムの電位は変化してしまう。そこで、特許文献2に開示される技術では、画像形成装置が使用される場所の湿度によらず、感光ドラムにおける画像部の電位が一定になるようにしている。
ここで、特許文献1に開示される技術において、高温高湿環境(H/H)(温度:30℃/湿度:80%)では、湿度が高く、感光ドラムと帯電ローラとの間に生じる放電量が多くなることで、感光ドラムとクリーニングブレードとの摩擦力が大きくなってしまう。これにより、クリーニングブレードが細かく振動し、異音が生じるおそれがある。
一方、低温低湿環境(L/L)(温度:15℃/湿度:10%)では、湿度が低いため、クリーニングブレードの硬度が上がり、感光ドラムの表面とクリーニングブレードとの当接状態が不安定になる。これにより、感光ドラムの表面とクリーニングブレードとの間をトナーがすり抜けて、帯電ローラにトナーが付着してしまうおそれがある。ここで、帯電ローラに付着したトナーは、主に、感光ドラムから中間転写ベルトなどに転写されなかったトナーである。このトナーは、主に正極性に帯電している。
ここで、湿度が低い場合、感光ドラム上に残留したトナーが、十分に負極性に帯電されず、負極性の電圧が印加される帯電ローラに付着してしまう。正極性に帯電したトナーが帯電ローラに付着すると、帯電ローラにおけるトナーが付着した部分の電位が不安定になる。これにより、感光ドラムが帯電ローラによって適切に帯電されない場合がある。
特許第5511891号公報 特開2000−187363号公報
そこで、本発明は、感光ドラムなどの像担持体と帯電ローラなどの帯電部材との間に生じる放電の影響により発生する画像弊害や異音を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
感光体と、
前記感光体を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材によって帯電された前記感光体の表面に、トナー像が形成されない非画像部電位となるように第1の露光量で露光する第1の露光と、前記トナー像が形成される画像部電位となるように前記第1の露光量より大きい第2の露光量で露光する第2の露光と、を行う露光装置と、
前記感光体の前記表面にトナーを供給して、 前記トナー像を前記感光体の前記表面上
に形成させる現像装置と、
前記帯電部材に帯電バイアスを印加する電圧印加手段と、
画像形成装置内の湿度と前記感光体の感光層の厚さと、に関連して、前記露装置前記電圧印加手段と、を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、画像形成時において、前記第1の露光量によって露光され前記感光体の前記表面に形成された前記非画像部電位と前記帯電バイアスとの電位差を、前記湿度が小さくなるにつれて大きくし、前記湿度が大きくなるにつれて小さくするように制御することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明は、
記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
感光体と、
前記感光体を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材によって帯電された前記感光体の表面に、トナー像が形成されない非画像部電位となるように第1の露光量で露光する第1の露光と、前記トナー像が形成される画像部電位となるように前記第1の露光量より大きい第2の露光量で露光する第2の露光と、を行う露光装置と、
前記感光体の表面にトナーを供給して、前記トナー像を前記感光体の表面上に形成させる現像装置と、
前記帯電部材に帯電バイアスを印加する電圧印加手段と、
前記露光装置と前記電圧印加手段と、を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、画像形成時において、前記第1の露光量によって露光され前記感光体の前記表面に形成された前記非画像部電位と前記帯電バイアスとの電位差を、画像形成装置内の絶対湿度が小さくなるにつれて大きくし、前記絶対湿度が大きくなるにつれて小さくするように制御することを特徴とする。
さらに、上記目的を達成するため、本発明は、
記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
感光体と、前記感光体を帯電する帯電部材と、前記感光体の表面にトナーを供給して、トナー像を前記感光体の表面上に形成させる現像装置と、を有する複数の画像形成ユニットと、
前記帯電部材によって帯電された前記感光体の表面に、トナー像が形成されない非画像部電位となるように第1の露光量で露光する第1の露光と、前記トナー像が形成される画像部電位となるように前記第1の露光量より大きい第2の露光量で露光する第2の露光と、を行う露光装置と、
それぞれの前記帯電部材に帯電バイアスを印加する共通の電圧印加手段と、
前記露光装置と前記電圧印加手段と、を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、画像形成時において、それぞれの前記感光体の前記非画像部電位と前記帯電バイアスと、の電位差を、画像形成装置内の絶対湿度が小さくなるにつれて大きくし、前記絶対湿度が大きくなるにつれて小さくするように制御することを特徴とする。
本発明によれば、感光ドラムなどの像担持体と帯電ローラなどの帯電部材との間に生じる放電の影響により発生する画像弊害や異音を抑制することができる。
実施例1に係る画像形成装置の概略断面図 実施例1に係るプロセスカートリッジの概略断面図 レーザパワー制御系のハードウェア構成を示すブロック図 感光ドラムの表面の電位とレーザパワーとの関係を示す図 感光ドラム表面における画像部と非画像部の電位を示す図 感光ドラムの表面の電位とレーザパワーとの関係を示す図 帯電された感光ドラムの表面の電位と絶対湿度との関係を示す図 感光ドラムの非画像部における電位と絶対湿度との関係を示す図 感光ドラムの膜厚とレーザパワーとの関係を示す図 感光ドラムの表面の電位と印刷枚数との関係を示す図 帯電された感光ドラムの表面と非画像部との電位差を示す図 画像形成装置が使用される湿度とレーザパワーとの関係を示す図 感光ドラムの表面の電位と印刷枚数との関係を示す図 感光ドラムの膜厚および湿度と露光量との関係を示す図 画像形成装置が使用される湿度と帯電ローラの汚れとの関係を示す図 非画像部における露光前後の電位差と帯電ローラの汚れとの関係を示す図 画像形成装置が使用される湿度と異音の発生との関係を示す図 非画像部における露光前後の電位差と異音の発生との関係を示す図 感光ドラムの表面の電位が露光によって変化するメカニズムを示す図 帯電ローラにバイアスを印加するための電気回路を示す図 帯電バイアスと露光量とを求めるためのテーブルを示す図
以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
(実施例1)
<画像形成装置>
実施例1に係る複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置を図1に基づいて説明する。図1は、実施例1に係る画像形成装置の概略断面図である。図1において、画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンターである。画像形成装置1は、制御部100にインターフェース201を介して接続されているプリンタコントローラ200(外部ホスト装置)から入力される画像データ(電気的な画像情報)に対応した画像を記録媒体としての用紙Pに形成する。制御部100は、画像形成装置1の動作を制御し、プリンタコントローラ200と各種の電気的情報信号の授受をする。また、制御部100は、各種のプロセス機器や、センサから入力される電気的情報信号の処理や、各種のプロセス機器への指令信号の処理や、所定のイニシャルシーケンス制御や、所定の作像シーケンス制御などを司る。プリンタコントローラ200は、例えば、ホストコンピュータやネットワークやイメージリーダやファクシミリ等である。また、用紙Pは、例えば、記録紙やOHPシートや葉書や封筒やラベル等である。
<プロセスカートリッジ>
図1に示した画像形成装置1には、4つの画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジ10Y・10M・10C・10Kが横方向(略水平方向)に一定の間隔を置いて並列配置されている。これは、いわゆるタンデム型と呼ばれる。ここで、プロセスカートリッジ10は、感光体として電子写真方式の感光ドラム11を少なくとも備える。また、プロセスカートリッジ10は、感光ドラム11と、感光ドラム11に作用するプロセス手段とが一体的に備わっているものである。ここで、プロセスカートリッジ10Y〜10Kは、収納されるトナーの色以外は同一の構成である。そこで、プロセスカートリッジ10Y〜10Kにおいて、同一の部分については、特に限定する場合を除いて、添え字であるY〜Kを省略してまとめて説明する。
本実施例では、プロセスカートリッジ10には、像担持体としての感光ドラム11と帯電部材としての帯電ローラ12と現像剤担持体としての現像ローラ13とドラムクリーナ14とが一体として設けられている。帯電ローラ12は、感光ドラム11の表面を所定の電位で一様に帯電する帯電手段である。現像ローラ13は、非磁性一成分トナー(マイナス帯電特性)を担持搬送し、感光ドラム11上に形成された静電潜像を、現像剤像としてのトナー像として現像する現像手段である。ドラムクリーナ14は、トナー像が転写された後の感光ドラム11の表面を清掃するためのものである。ここで、実施例1において、現像ローラ13と現像容器15とを有し、感光ドラム11上の静電潜像を現像する構成を現像装置とする。
本実施例では、ドラムクリーナ14として、ウレタンゴム製チップブレードと板金とで構成された弾性クリーニングブレードが用いられている。ドラムクリーナ14は、クリーニングブレードの先端部が感光ドラム11の回転方向に対してカウンター方向に対向させて感光ドラム11に当接するように配設されている。感光ドラム11の表面に残留したトナーは、ドラムクリーナ14により掻き取られ、廃トナー容器に貯留される。感光ドラム11は、不図示の駆動手段によって、図1の矢印方向に、約150(mm/sec)の表面移動速度(周速)で回転駆動される。ここで、感光ドラム11は、アルミ素管上に、下地層と電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層することで形成されている。本実施例では、下地層と電荷発生層と電荷輸送層とを合わせて感光層として説明する。
ここで、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kは、現像容器15に収納されたトナーの色を除いて略同様に構成されている。各プロセスカートリッジ10Y・10M・10C・10Kでは、それぞれ、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・ブラック(K)のトナー像が形成される。また、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kは、画像形成装置1の装置本体に対して着脱可能に構成されている。例えば、現像容器15内のトナーが消費された場合には、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kを交換することができる。
図2は、実施例1に係るプロセスカートリッジの概略断面図である。また、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kには、記憶部としてメモリ16Y・16M・16C・16K(図3を参照)が設けられている。メモリ16としては、例えば、接触不揮発性メモリや非接触不揮発性メモリや電源を有する揮発性メモリなどを用いることができる。本実施例では、記憶手段として、非接触不揮発性のメモリ16がプロセスカートリッジ10に搭載されている。
非接触不揮発性のメモリ16は、メモリ側の情報伝達手段であるアンテナ(不図示)を有し、画像形成装置1の装置本体側の制御部100と無線で通信することで情報の読み出し・書き込みを行うことができる。本実施例では、制御部100は、演算部や記憶部(ROM)や時計などを備え、さらに、装置本体側の情報伝達手段を介してメモリ16への情報の読み書きを行うことができる。
このメモリ16には、新品時の感光ドラム11に関する情報が記憶される。この情報とは、例えば、新品時の感光層の膜厚(初期感光層膜厚)や新品時の感度(初期感度)などである。これらの情報は、製造時にメモリ16に記憶される。また、メモリ16は、感光ドラム11の使用に伴い変化する感光ドラム11に関する情報(感光層膜厚と感度の変化量に関する情報)を随時書き込み・読み出しすることができる。
現像剤担持体としての現像ローラ13は、芯金と、芯金の周りに同心一体に形成された導電性弾性体層とを有している。現像ローラ13は、感光ドラム11に対してほぼ並行に配置される。現像ローラ13は、摩擦によって負極性に帯電されたトナーを、感光ドラム
11と対向する現像位置に担持搬送する。現像ローラ13は、感光ドラム11に対して、不図示の接離機構によって当接・離間される。また、画像形成工程時においては、現像ローラ13は感光ドラム11に当接し、現像ローラ13の芯金には現像バイアスとして約−400VのDCバイアス電圧が印加される。
<画像形成装置の動作>
本実施例の画像形成装置1には、露光系として、プロセスカートリッジ10Y〜10Kにそれぞれ配設された感光ドラム11を露光する露光装置としてのレーザ露光ユニット20Y・20M・20C・20Kが設けられている。レーザ露光ユニット20には、画像処理された画像情報の時系列電気デジタル画素信号が入力される。この時系列電気デジタル画素信号は、プリンタコントローラ200からインターフェース201を介して制御部100に入力されたものである。
レーザ露光ユニット20は、入力された時系列電気デジタル画素信号に対応して変調したレーザ光を出力するレーザ出力部や、回転多面鏡(ポリゴンミラー)や、fθレンズや、反射鏡などを有している。レーザ露光ユニット20は、レーザ光Lによって感光ドラム11の表面を主走査露光する。このレーザ露光ユニット20による主走査露光と、感光ドラム11の回転による副走査とによって、画像情報に対応した静電潜像が感光ドラム11の表面に形成される。
ここで、接触型の帯電手段としての帯電ローラ12は、芯金と、芯金周りに同心一体に形成された導電性弾性体層とを有している。帯電ローラ12は、感光ドラム11に対して略平行に配列され、導電性弾性体層の弾性に抗して所定の押圧力で感光ドラム11に当接している。帯電ローラ12の芯金の両端部は軸受けによって回転可能に支持されており、帯電ローラ12は感光ドラム11の回転に従動して回転する。本実施例においては、帯電ローラ12の芯金に対して帯電バイアスが印加される。
一方、本実施例に係る画像形成装置1には、プロセスカートリッジ10における感光ドラム11に当接するように、第二の像担持体である中間転写ベルト30が配置されている。中間転写ベルト30としては、電気抵抗値(体積抵抗率)が1011〜1016(Ω・cm)程度であって厚さが100〜200μmである樹脂フィルムを無端状に形成したものが用いられている。中間転写ベルト30の材料としては、PVdf(ポリフッ化ビニリデン)やナイロンやPET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)などを用いることができる。
また、中間転写ベルト30は、駆動ローラ34と2次転写対向ローラ33とによって張架され、駆動ローラ34が不図示のモーターによって回転することによりプロセス速度で循環駆動される。1次転写ローラ31は、軸に導電性弾性層を設けたローラであり、感光ドラム11に対して略平行に配置されている。また、1次転写ローラ31は、中間転写ベルト30を介して感光ドラム11に所定の押圧力で当接している。1次転写ローラ31の軸には正極性のDCバイアス電圧が印加され、これにより、感光ドラム11と1次転写ローラ31との間に転写電界が形成される。1次転写ローラ31の形状は、感光ドラム11から中間転写ベルト30に1次転写を適切に行うことができれば限定されない。1次転写ローラ31の形状は、例えば、パッド形状やブラシ状であってもよい。
感光ドラム11上に形成された各色トナー像は、感光ドラム11が図1の矢印方向にさらに回転することで1次転写位置に送られる。そして、感光ドラム11上のトナー像は、1次転写ローラ31と感光ドラム11との間に形成された1次転写電界によって、中間転写ベルト30上に順次1次転写される。このとき、4色のトナー像は、中間転写ベルト30上に重畳的に順次転写される。
1次転写後に感光ドラム11上に残留した1次転写残トナーは、ドラムクリーナ14によってクリーニングされる。ドラムクリーナ14によって感光ドラム11上から除去された1次転写残トナーは、廃トナー容器内に蓄積される。このようにして、感光ドラム11の表面はクリーニングされる。なお、トナー像の1次転写が高転写効率や低再転写率などの条件を満たして常に良好に行われるには、1次転写バイアス電源によって印加される正極性のバイアスを、環境やパーツの特性などを考慮した最適な値に常に制御する必要がある。この制御は、不図示の制御手段によって行われている。
その後、中間転写ベルト30上の4色のトナー像は、2次転写部を通過する過程で、2次転写高圧電源18によって2次転写ローラ32に2次転写電圧が印加されることで、記録材供給装置51によって給送された用紙Pの表面に一括転写される。ここで、記録材供給装置51は、用紙カセット50に集積された記録材である用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送する。ここで、本実施例において、感光ドラム11上のトナー像を用紙Pに転写させる構成(1次転写ローラ31や2次転写ローラ32など)を転写部材とする。
2次転写後に中間転写ベルト30上に残留した2次転写残トナーは、中間転写ベルト30に当接する転写クリーニング装置19によって掻き取られる。その後、4色のトナー像が担持された用紙Pは定着装置60に導入される。そして、用紙Pが加熱・加圧されることで4色のトナーが溶融混色して用紙Pに定着される。以上の画像形成動作により、フルカラーのプリント画像が用紙Pに形成される。
<レーザ露光ユニット>
図3は、レーザパワー制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施例に係るレーザ露光ユニット20について図3を用いて説明する。ここで、本実施例に係るレーザ露光ユニット20は、感光ドラム11の表面を露光する際のレーザ出力を、第一のレーザパワー(E1)と、第二のレーザパワー(E2)とに切り替えることができる。本実施例では、レーザ露光ユニット20は、感光ドラム11の表面を露光する時間を変化させることなく、レーザパワーを変化させることで、感光ドラム11の表面に対する露光量を変化させている。
制御部100には、各々のレーザパワーを個別に制御するレーザパワー制御部102が設けられている。ここで、プリンタコントローラ200から送られてくる画像信号は、8ビット=256階調の深さ方向をもつ多値信号(0〜255)である。この画像信号が0のときにはレーザ光はオフとなり、画像信号が255のときにはレーザ光は完全にオン(全点灯)となり、画像信号が1〜254のときにはレーザ光は両者の中間(完全オンとオフとの中間)となる。
本実施例においては、プリンタコントローラ200から送られてくる画像信号は、画像処理部103においてシリアルな時系列デジタル信号に変換される。さらに、時系列デジタル信号は、画像処理部103において、4×4ディザマトリックスによる面積階調と、600ドット/インチの各ドットパルスのレーザ発光時間を制御したレーザパルス幅変調とを用いることで256段階に制御される。
また、通信部101は、各プロセスカートリッジ10のメモリ16Y〜16Kに格納された感光ドラム11の膜厚と感度とに関する情報を読み出す。そして、感光ドラム11Y〜11Kの状態に応じて選択されたレーザパワー信号と、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する画像データ信号とが、レーザパワー制御部102からレーザ露光ユニット20Y〜20Kに送られる。レーザパワー出力部21は、レーザパワー制御部102から入力された選択信号に応じてレーザパワーを切り替えてレーザダイオード22を発光さ
せる。レーザダイオード22から照射されたレーザは、ポリゴンミラーを含んだ補正光学系23を経て、レーザ光Lとして感光ドラム11Y〜11Kに照射される。
本実施例では、レーザパワー制御部102は、第一のレーザパワー(E1)と第二のレーザパワー(E2)とを、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対して個別に制御する。第一のレーザパワー(E1)は、感光ドラム11の表面の非画像領域(非画像部)にトナーを付着させないための暗部電位(非画像部電位Vdと称す)を形成するためのレーザパワーである。レーザ露光ユニット20が第一のレーザパワー(E1)で感光ドラム11を露光することで、感光ドラム11を第一露光量で露光し、帯電ローラ12により帯電された感光ドラム11の表面電位を暗部電位へ減衰させる。第二のレーザパワー(E2)は、感光ドラム11の表面の画像領域(画像部)にトナーを付着させるための明部電位(画像部電位Vlと称す)を形成するためのレーザパワーである。レーザ露光ユニット20が第二のレーザパワー(E2)で感光ドラム11を露光することで、感光ドラム11を第二露光量で露光し、帯電ローラ12により帯電された感光ドラム11の表面電位を明部電位へ減衰させる。
本実施例では、画像形成工程において、レーザダイオード22に所定のバイアス電流を流しておくことによってレーザを弱発光させておく。このときのレーザのパワーを第一のレーザパワー(E1)とする。また、これよりも大きいバイアス電流をレーザダイオード22に流した際のレーザパワーを第二のレーザパワー(E2)とする。また、レーザパワー制御部102は、レーザダイオード22に流す電流量を変化させることでレーザパワーE1・E2を制御する。
<露光に対する電位設定>
感光ドラム11の表面における画像部と非画像部の電位について図4と図5を用いて説明する。図4は、感光ドラム11の表面の電位とレーザパワーとの関係を示す図である。また、図5は、感光ドラム11表面における画像部と非画像部の電位を示す図である。本実施例に係る感光ドラム11は、アルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆うOPC(有機半導体)感光層とによって構成されている。
図4は、具体的には、感光層の初期膜厚が18(μm)である感光ドラム11を所定のレーザパワーで露光した場合における感光ドラム11の表面の電位とレーザパワーとの関係(以下、E−V曲線と称す)を示した図である。感光ドラム11は、約−1150(V)のDC電圧が印加された帯電ローラ12によって帯電されている。感光ドラム11が帯電ローラ12に帯電された後の感光ドラム11の表面の電位を一次帯電電位V0とする。ここで、図4では、一次帯電電位V0は約−580Vとなっている。
図4において、グラフの横軸は、感光ドラム11の表面に照射されるレーザのレーザパワーE(μJ/cm)を表している。ここで、感光ドラム11の表面において、トナー像が形成される部分を画像部とし、トナー像が形成されない部分を非画像部とする。図4では、レーザ露光ユニット20は、感光ドラム11における画像部を第二のレーザパワーE2(μJ/cm)で露光する。これにより、画像部の電位を画像部電位Vl(約−170V)にする。
同時に、感光ドラム11における非画像部(バックグラウンドと称す)を、第一のレーザパワーE1(μJ/cm)で露光する。これにより、非画像部の電位を非画像部電位Vd(約−510V)にする。ここで、V0からVdへの電位変化を電位変化ΔV(=|V0−Vd|)とする。また、現像ローラ13には、約−360VのDCバイアス電圧が印加される。そのため、現像位置に搬送された現像ローラ13上の負帯電トナーは、感光ドラム11上の画像部電位Vlと現像バイアスVdcとの電位コントラストにより、感光
ドラム11のおける電位が画像部電位Vlである部分に付着する。これにより、画像部(静電潜像)がトナー像として現像される。
なお、本実施例に係る画像形成装置1では、帯電ローラ12は感光ドラム11を負極性(マイナス)に帯電する。すなわち、負極性(マイナス)に帯電されたトナーで現像が行なわれる反転現像方式が用いられている。したがって、第二のレーザパワーE2で露光された領域が画像部となり、第一のレーザパワーE1で露光された領域が白地部(非画像部)となる。非画像情報部は、いわゆるバックグラウンド領域である。
図5において、一次帯電電位V0は、帯電ローラ12により帯電された感光ドラム11表面の電位である。画像部電位Vlと現像バイアスVdcとの差である現像コントラストVcは、画像部の画像濃度および階調性を決定する要因となる。すなわち、現像コントラストVcが小さくなると、充分な画像濃度および階調性を得ることができない。そのため、現像コントラストVcは、所定値以上である必要がある。
また、現像バイアスVdcと非画像部電位Vdとの差である白地部コントラストVbは、白地部でのかぶり(地肌汚れ)量を決める要因となる。すなわち、白地部コントラストVbが大きくなり所定値を超えると、逆帯電されたトナー(プラスに帯電されたトナー)が白地部に付着してかぶりとなる。これにより、画像汚れや機内汚染などが引き起こされる。一方、白地部コントラストVbが小さくなり所定値を下回ると、正常に帯電されたトナー(マイナス帯電されたトナー)が白地部に現像されてかぶりが発生する。そのため、白地部コントラストVbは、所定の範囲内に設定される必要がある。詳細については後述するが、本実施例では、感光ドラム11の膜厚と絶対湿度とに応じて、レーザ露光ユニット20の露光量と、帯電ローラ12に印加されるバイアスとを調整する。これにより、一次帯電電位V0と非画像部電位Vdのみならず、現像コントラストVcと白地部コントラストVbとを最適な値にしている。
<環境センサ>
本実施例では、湿度センサとしての環境センサ300を給紙ユニット部(記録材供給装置51など)付近に設置している。環境センサ300で温度を算出する場合、制御部100は、ASICを介して環境センサ300からASICへ入力された電圧をAD変換することでAD値を取得している。また、環境センサ300による検知結果は、10bitのAD値として取得される。
AD値は10msec間隔でサンプリングされ、サンプリングされたAD値を0.1℃単位の環境温度に変換する。この環境温度への変換を10回行なった時点(100msec毎)で、直前の100msecでサンプリングした環境温度10点のうち最大値と最小値とを2点ずつ除いた6点の平均値を求める。そして、この平均値を現在の温度値(0.1℃単位)として採用し、小数点第一位を四捨五入したものを現在の温度値(1℃単位)としてRAM(不図示)に保持する。また、環境センサ300は、画像形成動作による昇温の影響で上昇する画像形成装置1内の温度を推定して、環境温度を補正する制御を行う。画像形成装置1内の昇温の影響を受けることで、実際の使用状況が環境の雰囲気温度とずれるため、環境センサ300は、環境温度を補正し、適正な値を採用するように制御している。
一方、環境センサ300で湿度を算出する場合、制御部100は、ASICを介して環境センサ300からASICへ入力された電圧をAD変換することでAD値を取得している。環境湿度センサによる検知結果は、ASICのAD変換によって10bitのAD値として取得される。環境湿度(%)は、環境湿度センサAD値の平均と環境温度(℃)とから算出され、100msec間隔で更新される。環境湿度センサAD値を10msec
間隔で10回サンプリングし、サンプリングした環境湿度センサAD値の最大値と最小値をそれぞれ2点ずつ除いた6点の平均値を求める。これにより、環境湿度センサAD平均値が算出される。
そして、環境湿度センサAD平均値の5℃における環境湿度RH5(%)と、環境湿度センサAD平均値の50℃における環境湿度RH50(%)とを取得する。環境湿度(%)は、RH5(%)とRH50(%)と環境温度T(℃)とを用いて、以下の数式1によって算出される。
(数式1)
環境湿度(%)=RH50+(50−T)×((RH5−RH50)/(50−5))
環境温度Tは小数点第一位までを有効数字とした値を用いる。また、環境湿度は小数点第一位を四捨五入したものとする。算出された環境湿度(%)は、次の更新タイミングでRAMに保持される。
続いて、環境湿度から絶対湿度を算出する。絶対湿度(g/m)は、環境温度T(℃)と環境湿度RH(%)とから決まる。また、絶対湿度(g/m)は、環境温度T(℃)における飽和水分量Wmax(g/m)に基づいて取得される。絶対湿度(g/m)は、飽和水分量Wmax(g/m)と環境湿度RH(%)とを用いて以下の数式2によって算出される。
(数式2)
絶対湿度(g/m)=Wmax×(RH/100)
絶対湿度の更新タイミングは、環境湿度の平均値算出タイミングと同一とする。また、環境温湿度に対する記載に関して、L/Lを温度:15℃/湿度:10%と、N/Nを温度:23℃/湿度:50%と、H/Hを温度:30℃/湿度:80%と定義する。
<膜厚の測定>
また、画像形成装置1には、画像形成装置1内の所定の位置を用紙Pが通過したことを検知する通紙センサ400(図1を参照)が設けられている。本実施例では、通紙枚数に基づいて、感光ドラム11の感光層の膜厚を測定している。制御部100は、通紙センサ400から入力された信号に基づいて通紙枚数を積算してメモリ16に記憶させる。また、メモリ16には、感光ドラム11の膜厚と通紙枚数との対応関係が示されたテーブルが予め記憶されている。そして、制御部100は、感光ドラム11の膜厚と通紙枚数との対応関係と通紙枚数とから感光ドラム11の膜厚を取得する。
<感光ドラムの膜厚による感度の違い>
次に、感光ドラム11のE−V曲線の変化特性に関して説明する。図6は、感光ドラムの表面の電位とレーザパワーとの関係を感光層の膜厚ごとに示した図である。感光ドラム11の表面の感光層は、印字動作によって、放電を繰り返し受けるとともに、ドラムクリーナ14や現像ローラ13と摺擦する。これにより、感光ドラム11の感光層は削られる。その結果、感光ドラム11の感光層の膜厚が減少し、感光ドラム11の表面の電位に変化が生じる。
図6では、感光層の膜厚が異なる感光ドラム11の一次帯電電位V0(帯電された感光ドラム11表面の電位)を一定に揃えている。図6に示すように、感光層の膜厚の減少に伴い、感光ドラム11の表面の電荷密度が上昇するためE−V曲線の傾きが小さくなっている。すなわち、感光層の膜厚の経時的な変化と、製造時の感光層の膜厚(初期膜厚)とによって感光ドラム11の電位は変化する。このような電位の変化に対応するために、本実施例では、感光ドラム11の膜厚に応じて、レーザ露光ユニット20の露光量を補正している。この補正に関しては後ほど詳細に説明する。
<絶対湿度による一次帯電電位の変化>
次に、図7と図8とを用いて、帯電ローラ12から感光ドラム11が受ける放電量の絶対湿度に応じた変化に関して説明する。図7は、帯電された感光ドラム11の表面の電位(一次帯電電位V0)と絶対湿度との関係を示す図である。また、図8は、感光ドラム11の非画像部における電位と絶対湿度との関係を示す図である。絶対湿度が異なると、帯電ローラ12に同じ帯電バイアスが印加されたとしても、放電開始電圧Vthが変わるため、感光ドラム11の表面の一次帯電電位V0が変わる。ここで、感光ドラム11の表面に形成される一次帯電電位V0は、L/L側では低く、H/H側では高い。
図7に、感光層の膜厚が18μmである感光ドラム11について、帯電ローラ12に印加される帯電バイアスを−1120Vに固定した場合の一次帯電電位V0の値を示す。図7に示すように、感光ドラム11の膜厚が同じ場合、帯電ローラ12に同じ帯電バイアスを印加したとしても環境によって一次帯電電位V0は変化する。すなわち、一次帯電電位V0を同じにするためには、L/L側の方がH/H側よりも、帯電ローラ12に印加される帯電バイアスを高くする必要がある。図7では、一次帯電電位V0を一定にするためには、L/L(温度:15℃/湿度:10%)ではH/H(温度:30℃/湿度:80%)よりも絶対値で約70V高い帯電バイアスが帯電ローラ12に印加される必要がある。
また、絶対湿度に応じて、レーザ露光ユニット20からの露光に対する感光ドラム11の感度も異なる。絶対湿度が高いほど、感光層の電荷発生層で生成される電荷量が多く、電荷輸送層での電荷の移動が速い。したがって、図8に示したように、一次帯電電位V0が同じになるように帯電ローラ12に印加されるバイアスを調整したとしても、レーザ露光ユニット20から非画像部への露光量が同じ場合、非画像部電位Vdが絶対湿度に応じて異なる。
つまり、絶対湿度に応じて、電位変化ΔV(=|V0−Vd|)が変わってしまう。したがって、環境に異なっても電位変化ΔVを同じにするためには、絶対湿度が低い場合では、絶対湿度が高い場合よりも、非画像部への露光量を大きくする必要がある。本実施例では、電位変化ΔVを環境によらず同じにするために、非画像部への露光量を変化させている。また、本実施例では、絶対湿度の変化に対応するために、環境センサ300の検知結果に応じて、レーザ露光ユニット20の露光量と、帯電ローラ12に印加されるバイアスとを補正している。この補正に関しては後ほど詳細に説明する。
<感光ドラムの膜厚の変化に伴う潜像設定>
本実施例では、感光ドラム11の感光層の膜厚と絶対湿度と応じてレーザ露光ユニット20の露光量を変化させている。まず、感光ドラム11の膜厚が変化した場合に関して説明する。帯電ローラ12に印加されるバイアスを所定の値に固定した場合、感光層の膜厚が薄くなるにつれて一次帯電電位V0が上昇する。これは、感光層の膜厚が薄くなるにつれて、帯電ローラ12と感光ドラム11との間の放電開始電圧Vthが小さくなることに起因する。
図9は、感光ドラム11の膜厚とレーザパワーとの関係を示す図である。具体的には、図9は、帯電ローラ12に印加されるバイアス(帯電バイアス)を所定の値に固定した場合における感光層の膜厚ごとのE−V曲線である。帯電ローラに印加されるバイアスは約−1150(V)に固定されている。図9では、感光層の膜厚が18(μm)の感光ドラム11と、感光層の膜厚が13(μm)の感光ドラム11とについてのE−V曲線が示されている。図9に示すように、感光ドラム11の感光層の膜厚が薄くなることにより、一次帯電電位V0が上昇し、E−V曲線の傾きが変化する。
図9では、感光層の膜厚が18(μm)の場合では、所望の非画像部電位Vdが得られ
るように、レーザ露光ユニット20の第一の露光量をE1=0.037(μJ/cm)にした。一方、感光層の膜厚が18(μm)の場合において、所望の画像部電位Vlが得られるように、レーザ露光ユニット20の第二の露光量をE2=0.25(μJ/cm)にした。帯電ローラに印加されるバイアスとレーザ露光ユニット20の露光量とを変更せずに、感光層の膜厚が13(μm)になるまでプリントテストを行った場合、非画像部電位Vdと画像部電位Vlとがいずれも目標値からバラついてしまう。図9に示すように、非画像部電位はVdmとなり、画像部電位はVlmとなってしまう。目標値に合わせるためには、非画像部に対する露光量をE1からE1mに補正し、画像部に対する露光量をE2からE2mに補正する必要がある。図9では、E1m=0.044(μJ/cm)であり、E2m=0.30(μJ/cm)である。つまり、本実施例では、感光ドラム11の膜厚が変化しても帯電バイアスは変化させず所定の値に固定しているため、感光ドラム11の膜厚が薄くなるほど第一の露光量及び第二の露光量を大きくするよう制御を行っている。
図10は、感光ドラム11の表面の電位と印刷枚数との関係を示す図である。図10では、帯電ローラ12に印加されるバイアスを固定し、感光ドラム11の使用情報(印字枚数)に応じて露光量を変更させていない。図10は、非画像部電位Vdと画像部電位Vlの変化を示している。図10の横軸は印刷枚数となっている。印刷枚数が多いほど、感光ドラム11の感光層の膜厚が薄くなる。
上述したように、感光層の膜厚の変化によりE−V曲線が変化することで、非画像部電位Vdと画像部電位Vlとが変化する。その結果、感光ドラム11の使用情報に応じて露光量を変更させない場合には、白地部コントラストVbがVb1に増大し、現像コントラストVcがVc1に減少してしまう。これは、画像濃度やカブリやライン幅や階調性などの画像品質の低下に繋がる。
本実施例では、白地部コントラストVbと現像コントラストVcとの関係性を保つために、感光ドラム11の膜厚によらず、非画像部電位Vdと画像部電位Vlと現像バイアスVdcとを一定にしている。画像濃度やカブリやライン幅や階調性などの画像品質の低下を抑制している。制御部100は、感光ドラム11の使用情報をメモリ16に記憶させ、感光ドラム11の使用情報に応じて、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、非画像部への露光量と、画像部への露光量とを決定する。
<本実施形態の特徴>
従来では、感光層の膜厚が変化しても画像不良(かぶりや転写不良など)が生じないように、感光層の膜厚によらず、露光後の非画像部の電位Vdと、現像ローラの電位Vdcと、露光後の画像部の電位Vlとを一定値にするよう制御していた。具体的には、感光層の膜厚に応じて、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、感光ドラム11に対する露光量とを変化させる制御を行っていた。
しかし、本実施例では、上記のような膜厚との関係だけでなく、湿度との関係で、感光ドラム11上の非画像部と帯電ローラ12との電位差が後述する不具合が生じないような電位差になるように、帯電ローラ12に印加されるバイアスを変化させる必要がある。このとき、帯電ローラ12に印加されるバイアスに応じて露光量を変化させない場合、帯電ローラ12によって帯電された後の感光ドラム11表面の電位が変化してしまう。しかしながら、上述したように、画像不良を抑制するためには、白地部コントラストVbと現像コントラストVcとの関係性を保つ必要がある。
そこで、本実施例では、帯電ローラ12に印加されるバイアスを絶対湿度に応じて変化させた場合であっても、感光ドラム11への露光量を調整することで、露光後の非画像部
の電位Vdを一定値に保っている。なお、感光ドラム11表面において画像部の面積は非画像部の面積よりもかなり小さいため、本実施例では、帯電ローラ12と画像部との電位差については考慮していない。具体的には、本実施例では、制御部100は、レーザ露光ユニット20の露光量と、帯電ローラ12に印加されるバイアスとを制御する。
ここで、感光ドラム11は、感光ドラム11と帯電ローラ12との間で生じる放電によって帯電される。具体的には、感光ドラム11を帯電させるための放電は、主には、感光ドラム11と帯電ローラ12とが接触している部分よりも、感光ドラム11の回転方向上流側において、感光ドラム11と帯電ローラ12との間で放電が生じる。高温高湿環境(H/H)(温度:30℃/湿度:80%)では、湿度が高いため、感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との電位差が大きい場合、感光ドラム11と帯電ローラ12との間に生じる放電量が多くなってしまう。この放電によって、感光ドラム11とドラムクリーナ14との摩擦力が大きくなる。これにより、ドラムクリーナ14が細かく振動し、異音が生じるおそれがある。
一方、低温低湿環境(L/L)(温度:15℃/湿度:10%)では、湿度が低いため、ドラムクリーナ14の硬度が上がり、感光ドラム11の表面とドラムクリーナ14との当接状態が不安定になる。このとき、感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との電位差が小さい場合、感光ドラム11の表面とドラムクリーナ14との間をトナーがすり抜けて、帯電ローラにトナーが付着してしまうおそれがある。
そこで、本実施例では、画像形成装置1内の絶対湿度が小さくなるにつれて、第一のレーザパワーE1で露光された後の感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との電位差を大きくしている。また、画像形成装置1内の湿度が大きくなるにつれて、第一のレーザパワーE1で露光された後の感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との電位差を小さくしている。
本実施例では、メモリ16には、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、第一のレーザパワーE1と、感光ドラム11の感光層の厚さと、湿度との対応関係(第1対応関係)が記憶されている。この対応関係は、露光後の非画像部と帯電部材との電位差を、湿度が小さくなるにつれて大きくし、湿度が大きくなるにつれて小さくするような対応関係となっている。ここで、放電は、露光された後の非画像部と1次転写ローラ31との間においても生じる。そのため、感光ドラム11の非画像部と1次転写ローラ31との間で生じる放電も考慮して対応関係は設定されている。制御部100は、この対応関係に基づいて、帯電ローラ12に印加されるバイアスと第一のレーザパワーE1とを制御している。
また、本実施例では、制御部100は、現像ローラ13の表面の電位Vdcが一定となるように、現像ローラ13に印加されるバイアスを制御している。そして、メモリ16に記憶されている上述した対応関係であって、帯電ローラ12に印加されるバイアスと第一のレーザパワーE1と感光層の厚さと湿度との対応関係は、さらに、非画像部の電位Vdが一定となるように設定されている。また、この対応関係において、非画像部の電位Vdと現像ローラ13の電位Vdcとの差は、感光ドラム11にかぶりが生じにくい電位差に設定されている。感光ドラム11にかぶりが生じにくい電位差は、実験的によって予め求められている。
また、本実施例では、メモリ16には、帯電ローラ12に印加されるバイアスと第二のレーザパワーE2と感光層の厚さと湿度との対応関係も記憶されている。制御部100は、この対応関係に基づいて、第二のレーザパワーE2を制御している。そして、第二のレーザパワーE2と感光層の厚さと湿度との対応関係は、画像部の電位Vlが一定となるような対応関係となっている。さらに、第二のレーザパワーE2で露光された画像部の電位
Vlと現像ローラ13の電位Vdcとの差は、現像不良が生じないように設定されている。現像不良が生じにくい電位差は、実験的によって予め求められている。
ここで、図21は、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、第一のレーザパワーE1とを求めるためのテーブルを示す図である。図21では、Wは湿度を示し、Xは感光層の膜厚を示し、Yは帯電ローラ12に印加されるバイアスを示し、Zは第一のレーザパワーE1を示す。実施例1では、図21に示すように、画像形成装置1内の湿度と感光層の膜厚とから、このテーブルを用いて、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、第一のレーザパワーE1とが同時に決定される。そして、図21に示すテーブルに基づいて、制御部100が、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、第一のレーザパワーE1とを制御している。なお、第一のレーザパワーE1についても、図21に示したテーブルと同様のテーブルを用いて決定される。
図11は、上述した制御を行った場合の帯電後の感光ドラム11の電位(一次帯電電位V0)と、露光後の感光ドラム11の画像部の電位Vl、非画像部の電位Vdとの差を示す図である。図11では、感光層の膜厚がある値の感光ドラム11に対して、絶対湿度が低い状態(「L/L」と示す)の場合、絶対湿度が高い状態(「H/H」と示す)の場合を並べて示した。本実施例では、図11に示すように、絶対湿度が通常状態である場合と比べ小さい場合には、帯電ローラ12に印加されるバイアスを通常状態である場合と比べ大きくしている。一方、絶対湿度が通常状態である場合と比べ大きい場合には、帯電ローラ12に印加されるバイアスを通常状態である場合と比べ小さくしている。また、本実施例では、図11に示すように、帯電ローラ12に印加されるバイアスが変化した場合でも、非画像部の電位Vdと画像部の電位Vlが一定の値となるように、レーザ露光ユニット20のレーザパワーを制御している。つまり、絶対湿度が通常状態である場合と比べ小さい場合には、第一のレーザパワーE1、第二のレーザパワーE2を通常状態である場合と比べ大きくしている。また、絶対湿度が通常状態である場合と比べ大きい場合には、第一のレーザパワーE1、第二のレーザパワーE2を通常状態である場合と比べ小さくしている。このようにレーザ露光ユニット20のレーザパワーが制御された場合、L/L環境とH/H環境とでは、一次帯電電位V0と非画像部の電位Vdとの差である電位変化ΔVが異なった値となる。
図12は、画像形成装置1内の湿度とレーザパワーと露光後の感光ドラム表面電位との関係を示す図である。感光ドラム11の膜厚が一定の場合であって絶対湿度が異なる場合における感光ドラム11の表面の電位に関して図12を用いて詳しく説明する。ここでは、感光ドラム11の膜厚が18μmである場合について説明する。なお、図12では、一次帯電電位V0が一定となるように、帯電ローラ12に印加されるバイアスが制御されている。
なお、一次帯電電位V0を一定にするためには、図7と図8とに示したように、帯電ローラ12に印加されるバイアスの絶対値を、L/L側で大きくし、H/H側で小さくする必要がある。図12に示すように、絶対湿度に応じてレーザ露光ユニット20のレーザパワーを変化させない場合、非画像部電位Vdと画像部電位Vlとが目標値からずれてしまう。図12に示したように、レーザパワーを変化させない場合、非画像部電位VdはVdhとなり、画像部電位VlはVlhとなってしまう。
ここで、図12に示すように、感光ドラムのEV感度特性の関係から、絶対湿度が異なる場合、第二のレーザパワーE2の誤差よりも、第一のレーザパワーE1の誤差の方が大きい。非画像部への露光量は画像部への露光量に比べて小さいため、露光量の誤差が少しである場合でも影響は大きくなる。また、第一のレーザパワーE1の誤差は、感光ドラム11と帯電ローラ12との間の放電開始電圧Vthに大きく影響する。画像部電位Vlは
絶対湿度がばらついても比較的安定するが、非画像部電位Vdを安定させるためには第一のレーザパワーE1を最適化する必要がある。
そこで、本実施例では、設定パラメータの値(帯電ローラ12に印加されるバイアスや露光量など)を絶対湿度に応じて線形補完している。制御部100は、環境センサ300から出力された信号に基づいて検知された絶対湿度に応じて、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、非画像部への露光量(第一のレーザパワーE1)と、画像部への露光量(第二のレーザパワーE2)を制御する。これにより、第一のレーザパワーE1で露光された感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との電位差を適正値にしている。H/H側では放電が抑制されるように、L/L側では放電が促されるように、第一のレーザパワーE1で露光された感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との電位差は調整される。
上述したように、絶対湿度が高いH/Hでは、放電により感光ドラム11とドラムクリーナ14との摩擦力が大きくなり、ドラムクリーナ14が細かく振動する。これにより異音が発生する。感光ドラム11とドラムクリーナ14との摩擦力がさらに大きくなると、最終的にはドラムクリーナ14がめくれてしまう。この場合、感光ドラム11上に残留したトナーをドラムクリーナ14がクリーニングをできない。そのため、絶対湿度が高いH/Hでは、感光ドラム11と帯電ローラ12との間の放電が抑制されることが好ましい。
一方、絶対湿度が低いL/Lでは、ドラムクリーナ14の硬度が上がるため、感光ドラム11表面とドラムクリーナ14との当接状態が不安定になる。感光ドラム11上のトナーがドラムクリーナ14と感光ドラム11との間をすり抜けた場合、帯電ローラ12にトナーが付着してしまう。この場合、感光ドラム11を精度良く帯電することができない。ここで、帯電ローラ12に付着するトナーは、主に、中間転写ベルト30に1次転写されなかった転写残トナーである。
転写残トナーは、正極性に帯電しており、負極性に帯電した帯電ローラ12と引き合う。そのため、転写残トナーは、電気的に帯電ローラ12に付着してしまう。そこで、転写残トナーが帯電ローラ12に付着しないように、帯電ローラ12と感光ドラム11との間の放電によって感光ドラム11上の転写残トナーを負極性に帯電させる。そのためには、帯電ローラ12と感光ドラム11の電位差を大きくし、帯電ローラ12と感光ドラム11との間の放電を促進させる必要がある。
ここで、画像形成装置1内で生じる放電には、露光を行う際に生じる放電と、感光ドラム11と帯電ローラ12との間で生じる放電と、感光ドラム11と1次転写ローラ31との間で生じる放電とがある。本実施例においては、現像ローラ13と感光ドラム11との電位差は少ないため、現像ローラ13と感光ドラム11との間では放電は起こらない。ここで、感光ドラム11における画像部を露光する際に生じる放電は、現像ローラ13から感光ドラム11に対してトナーを供給することに必要であるため避けられない。よって、感光ドラム11における画像部を露光する際に生じる放電を意図的に低減させることは困難である。露光量を減らして現像コントラストVcが減少すると画像品質が低下してしまうためである。
また、感光ドラム11と1次転写ローラ31との間の放電は、感光ドラム11から中間転写ベルト30にトナー像を転写させるために必要である。そのため、感光ドラム11と1次転写ローラ31との間の放電を意図的にコントロールすることは困難である。1次転写ローラ31に印加されるバイアスを小さくして感光ドラム11と1次転写ローラ31との間の放電量を減らすと、1次転写部において感光ドラム11の表面と1次転写ローラ31との電位差が小さくなってしまう。これにより、1次転写の精度が悪くなってしまう。したがって、画像形成動作が実行されていない場合において、第一のレーザパワーE1で
露光された感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との間で生じる放電をコントロールすることが望ましい。
ここで、1次転写後に感光ドラム11と帯電ローラ12との間で起こる放電は、感光ドラム11が1次転写ローラ31から放電を受けてトナー像が中間転写ベルト30に転写された後であって、1次転写残トナーがドラムクリーナ14を通過した後に生じる。したがって、1次転写後の感光ドラム11の電位(1次転写後電位Vt)と帯電ローラ12との電位差(帯電コントラストと称す)が放電の大きさに寄与する。
図13は、感光ドラム11の表面の電位と印刷枚数との関係を示す図である。図13において、1次転写後電位Vtは、上述したように、1次転写後の感光ドラム11の表面の電位である。ここで、図13において、1次転写ローラ31に印加されるバイアスは+500Vとなっている。図13では、横軸は印字枚数となっている。印字枚数が多いほど感光ドラム11の膜厚は薄くなる。図13に示すように、非画像部電位Vdの絶対値が大きいほど1次転写後電位Vtは大きくなり、非画像部電位Vdの絶対値が小さいほど1次転写後電位Vtは小さくなる。
よって、非画像部電位Vdを小さくするとともに、帯電ローラ12に印加されるバイアスを大きくすれば、1次転写後電位Vtと帯電ローラ12の電位との差(帯電コントラスト)を大きくすることができる。逆に、非画像部電位Vdを低くするとともに、帯電ローラ12に印加されるバイアスを大きくすれば、帯電コントラストを小さくすることができる。なお、本実施例では、非画像部電位Vdを一定にするとともに、帯電ローラ12に印加されるバイアスを変化させることで、1次転写後電位Vtと帯電ローラ12の電位との差(帯電コントラスト)を変化させている。ここで、帯電ローラ12に印加されるバイアスをただ大きくすると非画像部電位Vdが高くなってしまうため、白地部コントラストVbと現像コントラストVcとのバランスが崩れてしまう。このため、用紙Pに形成された現像剤像に現像剤不足と現像剤過多とが生じてしまう。
そこで、本実施例では、非画像部への露光(第一のレーザパワーE1による露光)を最適に行うことで上記問題を解決する。本実施例では、帯電ローラ12に印加されるバイアスと非画像部への露光とを制御することで、第一のレーザパワーE1で露光された感光ドラム11の表面の電位(非画像部電位Vd)を一定値にしている。本実施例では、感光ドラム11の感光層の膜厚と絶対湿度とに応じて、非画像部電位Vdが一定値となるように第一のレーザパワーE1が制御されている。
ここで、上述したように、本実施例では、画像形成装置1内の絶対湿度が小さくなるにつれて、第一のレーザパワーE1で露光された感光ドラム11の表面と帯電ローラ12との電位差を大きくしている。これにより、一次帯電電位V0と非画像部電位Vdとの差である電位変化ΔV(=|V0−Vd|)も変化する。また、このような制御を行うことで、絶対湿度の変化によって生じる弊害を抑制するとともに、画像形成を良好に行うことができる。本実施例では、上述したような制御を行うことで、H/H側の電位変化ΔVが小さくなり、L/L側の電位変化ΔVが大きくなる。ここで、本実施例では、H/H(温度:30℃/湿度:80%)では電位変化ΔVを50Vとし、L/L(温度:15℃/湿度:10%)では電位変化ΔVを70Vとしている。
ここで、本実施例では、感光ドラム11の膜厚を変動しても帯電バイアスは固定の値であるので、感光ドラム11の膜厚の変動によらず非画像部電位Vdを一定にするために、非画像部への露光量を変化させる必要がある。また、L/LとH/Hによらず非画像部電位Vdを一定にする場合にも、非画像部への露光量を変化させる必要がある。図6に示したように、感光ドラム11の膜厚が薄くなった場合には、非画像部電位Vdを目標値にす
るために、非画像部への露光量を多くする制御を行う。また、絶対湿度が小さくなるほど帯電バイアスの絶対値を大きく、絶対湿度が大きくなるほど帯電バイアスの絶対値を小さく設定している。そのため、図12に示したように、非画像部電位Vdを目標値にするためには、絶対湿度が小さくなるほど、非画像部への露光量を多くする制御を行う。
このように、非画像部への露光量は、感光ドラム11の膜厚と絶対湿度というパラメータに応じて変化させる必要がある。例えば、印字枚数が多くなって感光ドラムの膜厚が薄くなったときには、非画像部電位Vdを目標値にするために、非画像部への露光量を補正する必要がある。この場合、感光ドラム11の膜厚と絶対湿度とについての情報をメモリ16から読み出して、読み出した情報に応じて露光量を補正する必要がある。また、本実施例では、図14に示すように、L/Lの方がH/Hに比べて、感光ドラム11の膜厚に対する露光量の変化が大きくなるようにしている。これにより、絶対湿度が変動するとともに感光ドラム11の膜厚が変動した場合であっても、非画像部電位Vdを目標値にすることができる。
なお、感光ドラム11の膜厚が薄くなるにつれて、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差が大きくなるように露光量を調整しても良い。感光ドラム11の膜厚が薄くなるにつれて、ドラムクリーナ14に回収される1次転写残トナーの量は累積で増えていく。すなわち、帯電ローラ12と感光ドラム11との間を通過するトナーの総量も多くなるため、印字枚数が多いほど、帯電ローラ12の汚染レベルは悪くなる。
よって、帯電ローラ12の汚染を抑制するために、感光ドラム11の膜厚が薄い場合には、膜厚が厚い場合(初期状態)に比べて、帯電ローラ12と感光ドラム11との間の放電量を多くすることが望ましい。なお、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差が大きくなると、帯電ローラ12と感光ドラム11との間の放電が多くなってしまう。そのため、帯電ローラ12の汚染のレベルが悪い環境に限って、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差を変化させてもよい。
<本実施例の作用>
以上のように、本実施例によれば、湿度に応じて、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差を変化させることで、感光ドラム11と帯電ローラ12との間の放電量を適正化することができる。ここで、L/L(温度:15℃/湿度:10%)で生じる帯電ローラ12の汚染と、H/H(温度:30℃/湿度:80%)で生じるドラムクリーナ14の異音とに関して説明する。
最初に、帯電ローラ12がトナーによって汚染することを抑制する効果に関して説明する。図15は、画像形成装置1内の湿度と帯電ローラ12の汚れとの関係を示す図である。図15では、L/LとH/Hにおいて、電位変化ΔVを50Vとなっている。そして、印字率が1%の印字パターンを連続ジョブで2000枚印字した後に、帯電ローラ12の汚染具合を比較している。図15において、帯電ローラ12の汚染のレベルは、○が「汚染無し」で、△が「汚染はあるが画像弊害無し」で、×が「汚染・画像弊害あり」である。
絶対湿度が大きいH/Hでは、感光ドラム11に対するドラムクリーナ14の当接状態が良く、感光ドラム11とドラムクリーナ14との間をトナーがほとんどすり抜けない。そのため、帯電ローラ12の汚染は発生しない。また、H/Hでは、トナーが帯電ローラに電気的に付着する力が弱い。一方で、絶対湿度が小さいL/Lでは、感光ドラム11とドラムクリーナ14との間をトナー多くすり抜けるため、帯電ローラ12がトナーによって汚染されてしまう。よって、絶対湿度が小さいほど、帯電ローラ12はトナーによって汚染されやすくなる。帯電ローラ12の汚染を抑制するためには、非画像部電位Vdと帯
電ローラ12の電位との差を最適化する必要がある。
図16は、非画像部における露光前後の電位差と帯電ローラ12の汚れとの関係を示す図である。図16には、L/Lおける非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差と、帯電ローラ12の汚染との関係が示されている。図16では、L/Lにおいて、印字率が1%の印字パターンを連続ジョブで2000枚印字した後に、帯電ローラ12の汚染具合を比較している。図16の結果から、1次転写後電位Vtと帯電ローラ12との電位差(帯電コントラスト)が大きいほど、帯電ローラ12の汚染のレベルが良いことが分かる。
これは、帯電コントラストが大きいことで、感光ドラム11と帯電ローラ12との間の放電が促され、それにより、帯電ローラ12に付着したトナーが効果的に剥ぎ取られていることを意味している。本実施例では、図16に示すように、電位変化ΔV=70Vとしている。これにより、本実施例では十分な効果が得られている。一方、比較例1では、電位変化ΔV=50Vであり、帯電ローラ12の汚染のレベルは許容できない。また、比較例2では、電位変化ΔV=60Vであり、画像における弊害は発生していないが帯電ローラ12の汚染が発生している。このように、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差の変化によって、一次帯電電位V0と非画像部電位Vdとの差である電位変化ΔVも変化する。
次に、感光ドラム11と帯電ローラ12との間の放電によって生じるドラムクリーナ14の異音に関して説明する。図17は、画像形成装置1内の湿度と異音の発生との関係を示す図である。図17では、L/LとH/Hにおいて、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、レーザ露光ユニット20による露光量(ΔV=70Vとなるような露光量)と、1次転写ローラ31に印加されるバイアス(+500V)とが適宜設定されている。そして、感光ドラム11を2分間空回転させた後におけるドラムクリーナ14の異音をそれぞれ比較している。異音レベルは、○が「異音発生無し」であり、△が「微かに異音が聞こえる」であり、×が「はっきり異音が聞こえる」である。
絶対湿度が小さいL/Lでは、感光ドラム11と帯電ローラ12との摩擦力を上がらないため異音が発生しなかった。一方で、絶対湿度が大きいH/Hでは、水分量が多い環境下であるため、感光ドラム11と帯電ローラ12との間で放電が生じやすい。そのため、感光ドラム11と帯電ローラ12との摩擦力が上昇したことで異音が発生した。よって、ドラムクリーナ14の異音は絶対湿度が大きいほど大きくなるため、異音を抑制するためには、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差を最適化する必要がある。
図18は、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差と異音の発生との関係を示す図である。図18には、ドラムクリーナ14の異音レベルと、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位との差とのH/Hにおける相関関係が示されている。H/Hにて、図18の条件をそれぞれ満たすように、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、レーザ露光ユニット20による露光量と、1次転写ローラ31に印加されるバイアス(+500V)とを適宜設定した。そして、感光ドラム11を2分間空回転させた後におけるドラムクリーナ14の異音をそれぞれ比較している。図18の結果から、非画像部電位Vdと帯電ローラ12の電位(帯電バイアス)との差が小さいほど異音の発生が抑制されていることが分かる。
これは、実施例1の条件であれば、感光ドラム11と帯電ローラ12との間で放電が生じているが、感光ドラム11と帯電ローラ12との摩擦力が、異音が発生するほど上昇していないことを意味している。なお、本実施例では、電位変化ΔV=50Vにおいて十分な効果が得られていることが分かる。一方、比較例3では、電位変化ΔV=60Vであり
、ドラムクリーナ14から異音が発生し始めている。また、比較例4では、電位変化ΔV=70Vであり、ドラムクリーナ14から異音が発生している。
以上のように、本実施例では、レーザ露光ユニット20の露光量を膜厚及び絶対湿度に関連して変えるよう制御しつつ、帯電ローラ12に印加される帯電バイアスの絶対値を絶対湿度に関連して変えるよう制御している。具体的には、膜厚が薄くなるほど第一の露光量と第二の露光量を大きくするよう制御し、且つ、絶対湿度が小さくなるほど第一の露光量と第二の露光量を大きくするよう制御し、且つ、絶対湿度が小さくなるほど帯電バイアスの絶対値を大きくするよう制御する。つまり、膜厚の変化については少なくとも第一露光量及び第二露光量の制御で対応し、絶対湿度の変化については帯電バイアス、第一露光量、及び第二露光量の制御で対応する。これにより、画像形成装置1内の湿度が小さくなるにつれて、非画像部と帯電ローラ12との電位差を大きくし、画像形成装置1が使用される湿度が大きくなるにつれて、非画像部と帯電ローラ12との電位差を小さくしている。これにより、感光ドラムなどの像担持体と帯電ローラなどの帯電部材との電位差と、画像形成装置内の湿度との関係によって生じる不具合を抑制することができる。
(実施例2)
次に実施例2について説明する。実施例2においては、実施例1と同様の機能を有する部分については同一の符号を付すことでその説明を省略する。
<非画像部への露光>
実施例1では、非画像部を露光する場合に、感光ドラム11の表面を露光するレーザの出力を、第一のレーザパワー(E1)と第二のレーザパワー(E2)とに切り替えている。また、第一のレーザパワー(E1)は第二のレーザパワー(E2)よりも弱い。実施例1において感光ドラム11の表面を露光する手法をアナログバックグラウンド露光と呼ぶ。アナログバックグラウンド露光は、第一のレーザパワー(E1)と第二のレーザパワー(E2)とを独立して変更することができるという利点を有している。
一方、本実施例である実施例2では、非画像部を、画像部に対するレーザパワー(E2)と同じレーザパワー(E2)で、画像部を露光する時間よりも短い時間で露光する。この手法を、デジタルバックグラウンド露光と称する。このデジタルバックグラウンド露光により、感光ドラム11の表面の非画像部を第一露光量で露光しトナーが付着させないための暗部電位を形成する。このデジタルバックグラウンド露光は、レーザの発光輝度(パワー)ではなく、発光時間を制御することによって第一露光量で露光を行い、暗部電位を形成するものである。このため、レーザ露光ユニット20に用いるレーザ素子やその駆動回路の制約によって弱い光量(低輝度)での露光が行えないときなどに有効である。
実施例1におけるバックグラウンド露光方法では、バックグラウンド露光を行う際の弱いレーザパワーから、トナー像を形成する際の強いレーザパワーまでの範囲で、レーザパワーを変化させる必要がある。さらに、レーザパワーが変化できる範囲の全域においてレーザパワーの精度も求められる。このため、バックグラウンド露光方法で感光ドラム11を露光するためには高価なレーザ素子や駆動回路を用いる必要があった。
本実施例では、レーザ露光ユニット20のレーザパワーを変化させることなく、露光する時間を変化させることで、感光ドラム11の表面に対する露光量を変化させている。これによって、高価なレーザ素子を用いる必要がなくなる。また、感光ドラム11の感度も、感光ドラム11を強いレーザパワーで露光した方が安定する。
<その他>
なお、各実施例では、反転現像が用いられる画像形成装置において説明を行ったが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、画像形成時の感光ドラム11の帯電極性とト
ナーの帯電極性とが逆になる正規現像が用いられる画像形成装置であってもよい。
各実施例では、4色フルカラーの画像形成装置について説明を行ったが、必ずしもこれに限られることはない。例えば、各実施例に係る技術は、単色モノカラー画像形成装置に対しても適用可能である。
上述した実施例では、感光ドラム11の膜厚の変化に対しては、第一の露光量、第二の露光量を変化させることで対応を行っていたが、帯電バイアスの絶対値を制御することで対応しても良い。この場合、感光ドラム11の膜厚が薄くなるほど帯電バイアスの絶対値が小さくなるよう制御することで、膜厚の変化に対して第一の露光量及び第二の露光量を固定の値としても露光後の非画像部の電位Vdと露光後の画像部の電位Vlとを一定値にしている。そして、このような帯電バイアスの制御による、膜厚の変化への対応に加え、上述した実施例と同様に帯電バイアス及び絶対湿度の変化への対応を行ってもよい。
具体的には、絶対湿度が小さくなるほど第一の露光量と第二の露光量を大きくするよう制御し、且つ、膜厚が薄くなるほど帯電バイアスの絶対値を小さくするよう制御し、且つ、絶対湿度が小さくなるほど帯電バイアスの絶対値を大きくするよう制御する。このように、膜厚の変化については少なくとも帯電バイアスの制御で対応し、絶対湿度の変化については、帯電バイアス、第一露光量、及び第二露光量の制御で対応してもよい。
また、帯電ローラ12Y〜12Kにバイアスを印加する高圧電源を共通にし、現像ローラ13Y〜13Kにバイアスを印加する高圧電源を共通にしてもよい。この場合、電源の数を少なくできるため、画像形成装置1の小型化・低コスト化することができる。また、各プロセスカートリッジ10において、帯電ローラ12Y〜12Kに印加されるバイアスを同じにし、現像ローラ13Y〜13Kに印加されるバイアスを同じにしてもよい。
<帯電高圧電源について>
図20を用いて帯電高圧電源53について説明する。図20は、帯電ローラ12にバイアスを印加するための電気回路を示す図である。図20は、図1における画像形成装置1の要部のみを示している。図20では、転写クリーニング装置19などの部材は不図示としている。図20において、図1に示す部分と同一の機能を有する部分については同一の符号を付すことでその説明を省略する。
帯電高圧電源53は、トランスと、トランス駆動・制御系とから構成されている。図20では、帯電ローラ12Y〜12Kが帯電高圧電源53に接続されており、帯電高圧電源53は、負のトランスから出力された帯電電圧Vcdc(電源電圧)を帯電ローラ12Y〜12Kに供給している。すなわち、帯電ローラ12Y〜12Kに電圧を供給する電源には、1つの帯電高圧電源53が適用されている。したがって、図20の電源回路においては、帯電高圧電源53から帯電ローラ12Y〜12Kに印加する電圧を一括して調整することができる。しかしながら、帯電ローラ12Y〜12Kを独立して調整することができない。
ここで、帯電電圧Vcdcを略一定に制御するために、帯電電圧VcdcをR2/(R1+R2)で降圧させた負電圧を、基準電圧Vrgvによって正極性の電圧にオフセットさせることでモニタ電圧Vrefとしている。そして、モニタ電圧Vrefが一定値となるようフィードバック制御を行っている。具体的には、制御部100で予め設定されたコントロール電圧Vconをオペアンプ55の正端子に入力し、モニタ電圧Vrefを負端子に入力する。制御部100は、状況によってその都度コントロール電圧Vconを変更する。そして、モニタ電圧Vrefとコントロール電圧Vconとが等しくなるように、オペアンプ55の出力値が、トランスの制御・駆動系をフィードバック制御する。これにより、トランスから出力される帯電電圧Vcdcが目標値になるように制御される。
ここで、抵抗素子R1とR2は、固定抵抗と半固定抵抗と可変抵抗のいずれによって構
成されていてもよい。また、図20では、帯電高圧電源53がトランスからの電源電圧自体を帯電ローラ12Y〜12Kに直接入力しているが、必ずしもこの入力形態に限定されない。帯電ローラ12や現像ローラ13などにそれぞれ様々な入力形態が想定される。例えば、トランスからの出力自体に替えて、それをコンバータによりDC−DC変換した変換電圧や、電源電圧や変換電圧などを固定の電圧降下特性を持った電子素子によって分圧・降圧された電圧などを帯電ローラ12Y〜12Kに入力しても良い。
なお、固定の電圧降下特性を持った電子素子として、例えば、抵抗素子やツェナーダイオードなどを用いることができる。また、コンバータには可変レギュレータなども含まれる。また、電子素子により分圧・降圧するとは、分圧した電圧をさらに降圧することや、その逆の場合なども含むものとする。また、トランスの出力制御について、オペアンプ55の出力を制御部100へ入力し、制御部100による演算結果をトランスの制御・駆動系に反映しても良い。
続いて、現像ローラ13Y〜13Kにバイアスを印加する高圧電源に関して説明する。帯電高圧電源53から現像ローラ13に高圧を印加するために、現像ローラ13には電圧安定素子が接続されている。現像ローラに印加される電圧は、帯電高圧電源53が必要とする電圧より小さい。このため、現像ローラ13に接続されるのは電圧安定素子で十分である。なお、電圧安定素子としてはツェナーダイオードやバリスタなどが望ましい。ここでは、帯電ローラ12に印加される電圧と、現像ローラ13に印加される電圧とが共通化されている。しかし、帯電ローラ12に印加される電圧と、現像ローラ13に印加される電圧とをそれぞれ共通化してもよい。
以上のように、実施例2では、実施例1と同様に、非画像部と帯電ローラ12との電位差と、画像形成装置1内の湿度との関係によって生じる不具合を抑制することができる。
また、実施例2では、レーザ露光ユニット20は、露光の出力を変化させることなく、感光ドラム11の表面を露光する時間を変化させることで、感光ドラム11の表面に対する露光量を変化させている。これにより、高価なレーザ露光ユニット20を用いる必要がないため、画像形成装置1の製造コストを低くすることができる。
なお、各実施例において、トナー像が形成される像担持体は必ずしも感光ドラム11である必要はない。トナー像が形成されれば像担持体の形状などは限定されない。また、各実施例において、感光ドラム11を帯電する帯電部材は必ずしも感光ドラム11である必要はない。感光ドラム11を帯電できれば帯電部材の形状などは限定されない。また、各実施例において、感光ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト30に転写させる転写部材は必ずしも1次転写ローラ31である必要はない。感光ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト30に転写させることができれば転写部材の形状などは限定されない。
また、各実施例では、メモリ16に記憶されたテーブルと感光ドラム11の膜厚と湿度とから、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、レーザ露光ユニット20の露光量とを決定している。しかし、必ずしもこれに限られることはない。例えば、感光ドラム11の膜厚と湿度とから、計算式に基づいて、帯電ローラ12に印加されるバイアスと、レーザ露光ユニット20の露光量とを決定してもよい。
また、各実施例において、感光ドラム11の感光層の膜厚は通紙枚数から測定されているが必ずしもこれに限られることはない。例えば、感光ドラム11の感光層の膜厚は、感光ドラム11の総回転数や、感光ドラム11の表面の電位などから測定してもよい。
1…画像形成装置、11…感光ドラム、12…帯電ローラ、16…メモリ、
20…レーザ露光ユニット、31…1次転写ローラ、32…2次転写ローラ、
100…制御部、300…環境センサ、P…用紙

Claims (19)

  1. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    感光体と、
    前記感光体を帯電する帯電部材と、
    前記帯電部材によって帯電された前記感光体の表面に、トナー像が形成されない非画像部電位となるように第1露光量で露光する第1の露光と、前記トナー像が形成される像部電位となるように前記第1の露光量より大きい第2露光量で露光する第2の露光と、を行う露光装置と、
    前記感光体の前記表面にトナーを供給して、前記トナー像を前記感光体の前記表面上に形成させる現像装置と、
    前記帯電部材に帯電バイアスを印加する電圧印加手段と、
    画像形成装置内の湿度と前記感光体の感光層の厚さと、に関連して、前記露装置と前記電圧印加手段と、を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、画像形成時において、前記第1の露光量によって露光され前記感光体の前記表面に形成された前記非画像部電位と前記帯電バイアスとの電位差を、前記湿度が小さくなるにつれて大きくし、前記湿度が大きくなるにつれて小さくするように制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記帯電バイアスと、前記第1の露光量と、前記感光層の厚さと、前記湿度との第1対応関係が記憶される記憶部を有し、前記制御部は、前記第1対応関係に基づいて、前記電位差を前記湿度が小さくなるにつれて大きくし、前記湿度が大きくなるにつれて小さくするように前記帯電バイアスと前記第1の露光量と、を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像装置は、前記トナーを担持する現像剤担持体を有し、
    前記第2の露光量によって露光され前記感光体の前記表面に形成された前記画像部電位の領域に前記現像剤担持体から前記トナーが電気的に移動することで、前記感光体の前記表面上に前記トナー像が形成され、
    前記現像剤担持体に印加される現像バイアスは一定であって、
    前記制御部は、前記非画像部電位が一定となるように前記第1の露光量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記非画像部電位と前記現像バイアスとの電位差は、前記感光体にかぶりが生じないような電位差であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記帯電バイアスと前記感光層の厚さと前記湿度と、に関連して前記第2の露光量を制御し、
    前記制御部は、前記画像部電位が一定となるように前記帯電バイアスと前記第2の露光量とを制御することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記帯電バイアスと、前記第2の露光量と、前記感光体の厚さと、前記湿度との第2対応関係が記憶される記憶部を有し、
    前記制御部は、前記第2対応関係に基づいて、前記画像部電位が一定となるように前記帯電バイアスと前記第2の露光量を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 画像形成装置内の前記湿度を検知する湿度センサを有し、
    前記制御部は、前記湿度センサの出力に基づいて、画像形成装置内の前記湿度を取得することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 画像形成装置内の所定の位置を記録媒体が通過したことを検知する通紙センサを有し、
    前記制御部は、前記通紙センサの出力に基づいて、前記感光層の厚さに関する値を取得することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記感光層の厚さと通紙枚数との第3対応関係が記憶される記憶部を有し、
    前記制御部は、前記通紙センサの出力に基づいて、前記通紙枚数を取得し、取得した前記通紙枚数と前記第3対応関係から前記感光層の厚さに関する値を取得することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記露光装置は、前記感光体を露光する時間を変化させることなく、露光の出力を変化させることで、前記第1の露光量および前記第2の露光量を変化させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記露光装置は、露光の出力を変化させることなく、前記感光体を露光する時間を変化させることで、前記第1の露光量および前記第2の露光量を変化させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記湿度は絶対湿度であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記絶対湿度をA(g/m3)、飽和湿度をWmax(g/m3)、環境湿度RH(%)とすると、前記絶対湿度は、
    A=Wmax×(RH/100)
    から算出されることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記環境湿度をE(%)、環境温度5(℃)における環境湿度をRH5(%)、環境温度50(℃)における環境湿度をRH50(%)、環境温度をT(℃)とすると、前記環境湿度は、
    E=RH50+(50−T)×((RH5−RH50)/(50−5))
    から算出されることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    感光体と、
    前記感光体を帯電する帯電部材と、
    前記帯電部材によって帯電された前記感光体の表面に、トナー像が形成されない非画像部電位となるように第1の露光量で露光する第1の露光と、前記トナー像が形成される画像部電位となるように前記第1の露光量より大きい第2の露光量で露光する第2の露光と、を行う露光装置と、
    前記感光体の表面にトナーを供給して、前記トナー像を前記感光体の表面上に形成させる現像装置と、
    前記帯電部材に帯電バイアスを印加する電圧印加手段と、
    前記露光装置と前記電圧印加手段と、を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、画像形成時において、前記第1の露光量によって露光され前記感光体の前記表面に形成された前記非画像部電位と前記帯電バイアスとの電位差を、画像形成装置内の絶対湿度が小さくなるにつれて大きくし、前記絶対湿度が大きくなるにつれて小さくするように制御することを特徴とする画像形成装置。
  16. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    感光体と、前記感光体を帯電する帯電部材と、前記感光体の表面にトナーを供給して、トナー像を前記感光体の表面上に形成させる現像装置と、を有する複数の画像形成ユニットと、
    前記帯電部材によって帯電された前記感光体の表面に、トナー像が形成されない非画像部電位となるように第1の露光量で露光する第1の露光と、前記トナー像が形成される画像部電位となるように前記第1の露光量より大きい第2の露光量で露光する第2の露光と、を行う露光装置と、
    それぞれの前記帯電部材に帯電バイアスを印加する共通の電圧印加手段と、
    前記露光装置と前記電圧印加手段と、を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、画像形成時において、それぞれの前記感光体の前記非画像部電位と前記帯電バイアスと、の電位差を、画像形成装置内の絶対湿度が小さくなるにつれて大きくし、前記絶対湿度が大きくなるにつれて小さくするように制御することを特徴とする画像形成装置。
  17. 前記絶対湿度をA(g/m3)、飽和湿度をWmax(g/m3)、環境湿度RH(%)とすると、前記絶対湿度は、
    A=Wmax×(RH/100)
    から算出されることを特徴とする請求項15または16に記載の画像形成装置。
  18. 前記環境湿度をE(%)、環境温度5(℃)における環境湿度をRH5(%)、環境温度50(℃)における環境湿度をRH50(%)、環境温度をT(℃)とすると、前記環境湿度は、
    E=RH50+(50−T)×((RH5−RH50)/(50−5))
    から算出されることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 画像形成装置内の湿度を検知する湿度センサを有し、
    前記制御部は、前記湿度センサの出力に基づいて、画像形成装置内の前記絶対湿度を取得することを特徴とする請求項15または16に記載の画像形成装置。
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