JP6572816B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御装置に関する。
従来、走行用の駆動力を出力可能な内燃機関および電動機と、内燃機関および電動機の間に配置されたクラッチとを備える車両が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このような車両は、内燃機関を間欠運転するように構成されており、クラッチを解放して電動機から出力される駆動力によって走行するEV走行モードと、クラッチを係合して内燃機関から出力される駆動力によって走行するHV走行モードとを切り替えることが可能である。なお、HV走行モードでは、走行状態に応じて電動機からアシストトルクが出力される。
そして、車両は、EV走行モードからHV走行モードに移行される際に、走行中に内燃機関を始動するときに、クラッチを滑らせながら係合させて内燃機関の回転数を上昇させるように構成されている。このとき、クラッチの係合により発生する減速トルクを打ち消すように電動機から補償トルクが出力されるようになっている。すなわち、クラッチの係合により内燃機関側にトルクが奪われることに起因してショックが発生するのを抑制するために、その奪われるトルク分だけ電動機からの出力が増加される。
特開2014−073705号公報
ここで、たとえば、クラッチの長期間の使用に伴う経年変化などに起因して応答性(クラッチに対する係合開始指示から実際に係合が開始されるまでの無駄時間)が変化した場合には、減速トルクの発生タイミングが変化することから、補償トルクの発生タイミングに対してずれが発生するので、ショックが発生するおそれがある。
そこで、車両走行中の内燃機関の始動時における電動機の基準回転数に対する実際の回転数の乖離量に基づいて、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれを推定して補正することが考えられる。しかしながら、ショックの発生を抑制するために、内燃機関の始動時に電動機の回転変動を抑制するフィードバック制御が実行されると、電動機の回転変動がなまされてしまうため、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれの推定精度が悪化するおそれがある。すなわち、フィードバック制御が行われていると、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因する乖離量を適切に算出することが困難になる。なお、このような課題は未公知である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、学習を行う際に、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因する乖離量を適切に算出することが可能な車両の制御装置を提供することである。
本発明による車両の制御装置は、走行用の駆動力を出力可能な内燃機関および電動機と、内燃機関および電動機の間に配置されたクラッチとを備える車両に適用されるものである。車両は、内燃機関を間欠運転するように構成されており、内燃機関の始動時に、クラッチを係合させて内燃機関の回転数を上昇させる際に発生する減速トルクを打ち消すように電動機から補償トルクを出力するように構成されている。そして、車両の制御装置は、内燃機関の始動時に、電動機の基準回転数に対する実際の回転数の乖離量を算出するとともに、乖離量に基づいて、内燃機関の次回の始動時における、減速トルクの発生タイミング、および、補償トルクの発生タイミングの少なくともいずれか一方を補正する学習手段と、内燃機関の始動時に電動機の回転変動を抑制する回転変動抑制制御を実行可能に構成された電動機制御手段とを備える。基準回転数は、電動機の回転数に対してなまし処理を施すことにより算出されるように構成されている。基準回転数に対する実際の回転数の乖離量は、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因する電動機の回転変動を算出するためのものである。車両の制御装置は、内燃機関の始動時に、学習手段による前回の学習の際に算出された乖離量の絶対値が所定値以上である場合に、電動機制御手段による回転変動抑制制御が行われることなく、学習手段による学習が行われるように構成され、内燃機関の始動時に、学習手段による前回の学習の際に算出された乖離量の絶対値が所定値未満である場合に、学習手段による学習が行われることなく、電動機制御手段による回転変動抑制制御が行われるように構成されている。
このように構成することによって、学習が行われる場合に回転変動抑制制御を実行しないことにより、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因する乖離量を適切に算出することができる。
本発明の車両の制御装置によれば、学習を行う際に、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因する乖離量を適切に算出することができる。
本発明の一実施形態によるECUを備える車両を説明するための概略構成図である。 図1の車両に搭載される内燃機関を示した概略構成図である。 図1の車両の電気的構成を示したブロック図である。 車両走行中の内燃機関の始動時において、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対して、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングが理想的である場合のタイミングチャートである。 車両走行中の内燃機関の始動時において、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対して、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングが早い場合のタイミングチャートである。 車両走行中の内燃機関の始動時において、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対して、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングが遅い場合のタイミングチャートである。 MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングの学習制御を説明するためのフローチャートである。 学習フラグおよびフィードバック制御実行フラグの設定手順を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
−機械的構成−
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態によるECU50を備える車両100の機械的構成(駆動系統)について説明する。
車両100は、図1に示すように、内燃機関1と、クラッチ2と、モータジェネレータ3と、トルクコンバータ4と、変速機5とを備えている。この車両100は、たとえばFR(フロントエンジンリアドライブ)方式のハイブリッド車両である。なお、モータジェネレータ3は、本発明の「電動機」の一例である。
内燃機関1は、たとえば多気筒ガソリンエンジンであり、走行用の駆動力を出力可能に構成されている。内燃機関1のクランクシャフト1aは、クラッチ2を介してモータジェネレータ3のロータシャフト3aに連結されている。なお、内燃機関1の詳細については後述する。
クラッチ2は、たとえば湿式多板型の摩擦係合装置であり、内燃機関1とモータジェネレータ3との間に配置されている。このクラッチ2は、内燃機関1とモータジェネレータ3とを選択的に連結するように構成されている。具体的には、クラッチ2が係合された場合に、内燃機関1とモータジェネレータ3との間の動力伝達経路が連結され、クラッチ2が解放された場合に、内燃機関1とモータジェネレータ3との間の動力伝達経路が遮断されるようになっている。すなわち、クラッチ2が解放された場合には、内燃機関1が駆動輪(後輪)9から切り離される。
モータジェネレータ3は、電動機として機能するとともに、発電機として機能するように構成されている。このため、モータジェネレータ3は、走行用の駆動力を出力可能であるとともに、運動エネルギ(ロータ31の回転)を電気エネルギに変換して発電することが可能である。このモータジェネレータ3は、たとえば、交流同期電動機であり、永久磁石からなるロータ31と、3相巻線が巻回されたステータ32とを有する。ロータ31にはロータシャフト3aが一体的に設けられ、このロータシャフト3aはトルクコンバータ4に連結されている。
トルクコンバータ4は、入力側のポンプインペラ41および出力側のタービンランナ42などを有しており、それらポンプインペラ41とタービンランナ42との間で流体(作動油)を介して動力伝達を行うように構成されている。ポンプインペラ41はロータシャフト3aに連結され、タービンランナ42はタービンシャフト4aを介して変速機5に連結されている。また、トルクコンバータ4は、ロックアップクラッチ43が設けられ、ロックアップクラッチ43が係合することによってポンプインペラ41およびタービンランナ42が一体的に回転するようになっている。
変速機5は、たとえば有段式の自動変速機であって、摩擦係合要素および遊星歯車装置などを有しており、選択的に摩擦係合要素を係合させることにより複数の変速段を成立させるように構成されている。この変速機5は、たとえば車速およびアクセル開度に応じて変速段(変速比)を自動的に切り替えるように構成されている。変速機5の出力は、プロペラシャフト6、デファレンシャル装置7およびドライブシャフト8を介して駆動輪9に伝達される。
−内燃機関−
次に、図2を参照して、車両100に搭載される内燃機関1の概略構成について説明する。
内燃機関1は、図2に示すように、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上部に設けられるシリンダヘッド11とを備えている。この内燃機関1は、たとえば直噴型の4ストロークエンジンである。なお、図2では、1気筒のみを示している。
シリンダブロック10にはシリンダボア10aが形成され、各シリンダボア10a内に往復移動可能にピストン12が設けられている。ピストン12には、コネクティングロッド13を介して出力軸であるクランクシャフト1aが連結されている。
シリンダボア10a内におけるピストン12とシリンダヘッド11との間には燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路20aおよび排気通路20bが接続されている。吸気通路20aには、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ21などが配置されている。スロットルバルブ21は、スロットルモータ21aによって駆動される。排気通路20bには、排気中の有害物質を浄化するための三元触媒(図示省略)などが配置されている。
シリンダヘッド11には、燃焼室14と吸気通路20aとを連通または遮断する吸気バルブ15aが設けられるとともに、燃焼室14と排気通路20bとを連通または遮断する排気バルブ15bが設けられている。また、シリンダヘッド11には、燃焼室14内に燃料を直接噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)16と、点火プラグ17とが設けられている。この点火プラグ17の点火時期は、イグナイタ17aによって調整される。
そして、インジェクタ16から燃焼室14に燃料が直接噴射されることにより、燃焼室14内で空気と燃料とが混合された混合気が形成される。この混合気は点火プラグ17にて点火されて燃焼・爆発する。このときに生じた燃焼ガスによりピストン12が往復動されることにより、クランクシャフト1aが回転されて内燃機関1の駆動力(出力トルク)が得られる。
−電気的構成−
次に、図3を参照して、車両100の電気的構成(制御系統)について説明する。
車両100は、ECU50と、バッテリ51と、インバータ52とを備えている。
ECU50は、車両100を制御するように構成されている。このECU50は、図3に示すように、CPU50aと、ROM50bと、RAM50cと、バックアップRAM50dと、入出力インターフェース50eとを含み、これらがバスを介して接続されている。なお、CPU50aがROM50bに記憶されたプログラムを実行することにより、本発明の「学習手段」および「電動機制御手段」が実現される。
CPU50aは、ROM50bに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。ROM50bには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。RAM50cは、CPU50aによる演算結果や各センサの検出結果などを一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM50dは、車両システムを停止する際に保存すべきデータなどを記憶する不揮発性のメモリである。
入出力インターフェース50eは、各センサの検出結果などが入力されるとともに、各部に制御信号などを出力する機能を有する。入出力インターフェース50eには、クランクポジションセンサ61、スロットル開度センサ62、アクセル開度センサ63、MG回転数センサ64、タービン回転数センサ65、および、車速センサ66などが接続されている。そして、ECU50は、各センサの検出結果などに基づいて、クランクシャフト1aの回転位置(クランク角度)、クランクシャフト1aの単位時間あたり回転数(エンジン回転数)、スロットルバルブ21の開度(スロットル開度)、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度、ロータシャフト3aの単位時間あたりの回転数(MG回転数)、タービンシャフト4aの単位時間あたりの回転数(タービン回転数)、および、車速などを算出する。
また、入出力インターフェース50eには、インジェクタ16、イグナイタ17aおよびスロットルモータ21aが接続されている。そして、ECU50は、各センサの検出結果などに基づいて、燃料噴射量、点火時期およびスロットル開度(吸入空気量)などを制御することにより、内燃機関1の運転状態を制御するように構成されている。
また、入出力インターフェース50eには、油圧制御回路70が接続されている。そして、ECU50は、油圧制御回路70から出力される油圧を調整することにより、クラッチ2の係合解放制御、ロックアップクラッチ43の係合解放制御、および、変速機5の変速段の切替制御などを行うように構成されている。クラッチ2の係合解放制御では、クラッチ2を制御する油圧アクチュエータ(図示省略)に供給される油圧を、油圧制御回路70のソレノイドバルブ(図示省略)によって調圧することにより、クラッチ2のトルク容量を調整することが可能である。
また、入出力インターフェース50eには、バッテリ51およびインバータ52が接続されている。バッテリ51は、充放電可能な蓄電装置であり、モータジェネレータ3を駆動する電力を供給するとともに、モータジェネレータ3で発電された電力を蓄電するように構成されている。インバータ52は、たとえば、IGBTおよびダイオードを有する三相ブリッジ回路であり、ECU50から供給される駆動信号によりIGBTのオン/オフ状態が制御されることによって力行制御または発電制御される。具体的には、インバータ52は、バッテリ51から供給される直流電流を交流電流に変換してモータジェネレータ3を駆動する(力行制御)とともに、モータジェネレータ3で発電された交流電流を直流電流に変換してバッテリ51に出力する(発電制御)。
−走行モード−
次に、車両100の走行モードについて説明する。この車両100は、EV走行モードとHV走行モードとを切り替え可能に構成されている。
EV走行モード時には、クラッチ2を解放するとともに、内燃機関1の運転を停止した状態で、モータジェネレータ3から駆動力を出力することにより、モータジェネレータ3の駆動力のみで走行する。なお、制動時には、モータジェネレータ3で発電可能である。
HV走行モード時には、クラッチ2を係合した状態で内燃機関1の運転を行うことにより、内燃機関1から出力される駆動力で走行する。この場合、モータジェネレータ3から走行用の駆動力(アシストトルク)を出力したり、モータジェネレータ3で発電することも可能である。
すなわち、車両100は、走行状態などに応じて内燃機関1を間欠運転するように構成されている。
−車両走行中の内燃機関の始動−
ここで、車両100は、EV走行モードからHV走行モードに移行される際に、走行中に内燃機関1を始動するときに、クラッチ2を滑らせながら係合させてエンジン回転数を上昇させるように構成されている。このとき、クラッチ2の係合により発生する減速トルクを打ち消すようにモータジェネレータ3から補償トルクが出力されるようになっている。すなわち、クラッチ2の係合により内燃機関1側にトルクが奪われることに起因してショックが発生するのを抑制するために、その奪われるトルク分だけモータジェネレータ3からの出力が増加される。
そして、たとえば、クラッチ2の長期間の使用に伴う経年変化などに起因して応答性(クラッチ2に対する係合開始指示から実際に係合が開始されるまでの無駄時間)が変化した場合には、減速トルクの発生タイミングが変化することから、補償トルクの発生タイミングに対してずれが発生するので、ショックが発生するおそれがある。そこで、本実施形態のECU50は、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれが減少するように、補償トルクの発生タイミングを補正するように構成されている。
また、車両100の走行中における内燃機関1の始動方法としては、たとえば、第1の始動方法と第2の始動方法とがある。第1の始動方法では、クラッチ2を係合させることにより、エンジン回転数を完爆可能な所定回転数まで上昇させた後に、燃料噴射および点火を開始する。第2の始動方法は、いわゆる着火始動であり、クラッチ2が係合されて内燃機関1が回転を開始する当初から燃料噴射および点火を開始する。着火始動では、吸気バルブ15aおよび排気バルブ15bがともに閉じている膨張行程で停止している気筒の燃焼室14にインジェクタ16から燃料を噴射して点火することにより、その気筒で燃焼・爆発させることによって、回転開始当初から駆動力が出力される。この第2の始動方法(着火始動)では、第1の始動方法に比べて、内燃機関1の始動の際に要求されるモータジェネレータ3からの補償トルクを低減することができるので、EV走行モードで走行可能な運転領域を拡大することが可能である。なお、車両走行中の内燃機関1の始動方法は、たとえば車両100の状態などに応じて選択される。
そして、着火始動を行う場合において、クラッチ2が係合を開始するタイミング(減速トルクの発生タイミング)と着火始動の開始タイミングとにずれが生じると、燃焼条件が悪化したり、エンジン回転数が失速するおそれがある。そこで、ECU50は、クラッチ2が係合を開始するタイミングと着火始動の開始タイミングとのずれが減少するように、着火始動の開始タイミングを補正するように構成されている。
図4〜図6は、車両100の走行中における内燃機関1の始動時のタイミングチャートの一例である。次に、図4〜図6を参照して、車両100の走行中における内燃機関1の始動時の動作例について説明する。
なお、図4〜図6では、クラッチ2の油圧アクチュエータに供給される油圧の指示値と、クラッチ2のトルク容量であるクラッチトルクと、モータジェネレータ3からの出力トルクであるMGトルクと、着火始動の開始タイミングと、内燃機関1の単位時間あたりの回転数(エンジン回転数Ne)およびモータジェネレータ3の単位時間あたりの回転数(MG回転数Nmg)とを示した。図4〜図6において、クラッチトルクが発生すると内燃機関1が引きずられるため、そのクラッチトルクと対応する減速トルク(負トルク)が発生する。また、図4〜図6において、MGトルクは補償トルクに相当する。
また、図4は、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対して、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングが理想的である場合を示した。図5は、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対して、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングが早い場合(以下、「タイミングが早い場合」ともいう)を示した。図6は、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対して、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングが遅い場合(以下、「タイミングが遅い場合」ともいう)を示した。
[MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングが理想的である場合]
まず、車両走行中の内燃機関1の始動前においては、EV走行モードであり、クラッチ2が解放され、内燃機関1の運転が停止されている。また、トルクコンバータ4のロックアップクラッチ43が滑っている。なお、図4の例では、モータジェネレータ3から走行用の駆動力が出力されておらず、車両100が惰性走行している場合を示しているが、モータジェネレータ3から走行用の駆動力が出力されることにより車両100が走行していてもよい。
そして、EV走行モードからHV走行モードに移行される際に、内燃機関1の始動が開始されると、図4の時点t1において、ECU50がクラッチ2の係合開始指示を出力する。具体的には、ECU50では、クラッチ2の油圧アクチュエータに供給される油圧の指示値として、ファーストフィルのための一時的に高い値が設定された後に、所定値が設定される。この所定値は、たとえば、予め設定された値であり、クラッチトルクが内燃機関1の着火始動時に必要とされる値になるように設定されたものである。なお、ECU50は、クラッチ2の油圧アクチュエータに供給される油圧が設定された指示値になるように、油圧制御回路70のソレノイドバルブを制御する。
次に、時点t2において、クラッチトルクが立ち上がるとともに、MGトルクが立ち上がる。なお、クラッチトルクは、係合開始指示(油圧指示)から遅れて立ち上がり、MGトルクは、時点t2でECU50がインバータ52を制御することにより立ち上げられる。モータジェネレータ3から出力されるMGトルクの値(増加量)は、予め設定された値であり、たとえばクラッチトルクと同じ値である。このように、クラッチトルクと同時にMGトルクが立ち上がることにより、クラッチ2の係合による減速トルクがモータジェネレータ3によって打ち消される。このため、内燃機関1の始動時にMG回転数Nmgが変動するのを抑制することが可能である。すなわち、モータジェネレータ3の基準回転数Nmgbに対して実際のMG回転数Nmgが乖離するのを抑制することが可能である。なお、基準回転数Nmgbは、MG回転数Nmgに対してなまし処理(フィルタ処理)を施すことにより算出される。
また、時点t2では、着火始動が開始される。すなわち、ECU50がインジェクタ16およびイグナイタ17aを制御することにより、燃料噴射および点火が開始される。このように、クラッチトルクの立ち上がりに合わせて着火始動を開始することにより、着火始動を適切に行うことが可能である。
[タイミングが早い場合]
図5の時点t11までについては、上記した理想的な場合と同様である。そして、時点t11において、ECU50がクラッチ2の係合開始指示を出力する。
次に、時点t12において、MGトルクが立ち上がるとともに、着火始動が開始される。その後、時点t13において、クラッチトルクが立ち上がる。すなわち、この図5の例では、上記した図4の例に比べて、係合開始指示(油圧指示)が出力されてからクラッチトルクが立ち上がるまでの無駄時間が長くなっている。このように、クラッチトルクよりもMGトルクが早く立ち上がると、クラッチトルクの立ち上がりが完了されるまでの間に、モータジェネレータ3から余剰なトルクが出力されるため、ロックアップクラッチ43が滑り、MG回転数Nmgが吹き上がる。すなわち、モータジェネレータ3の基準回転数Nmgbに対して実際のMG回転数Nmgが乖離する。
そして、基準回転数Nmgbに対するMG回転数Nmgの乖離が大きくなるとショックが発生する。また、クラッチトルクの立ち上がりよりも着火始動が早く開始されると、クラッチ2の係合によるアシストトルクが不十分となり、エンジン回転数Neが失速するおそれがある。
そこで、この場合には、内燃機関1の次回の始動時に、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングを遅くするように補正する。なお、着火始動の開始タイミングは、内燃機関1の次回の始動が着火始動である場合のその開始タイミングである。
[タイミングが遅い場合]
図6の時点t21までについては、上記した理想的な場合と同様である。そして、時点t21において、ECU50がクラッチ2の係合開始指示を出力する。
次に、時点t22において、クラッチトルクが立ち上がる。その後、時点t23において、MGトルクが立ち上がるとともに、着火始動が開始される。すなわち、この図6の例では、上記した図4の例に比べて、係合開始指示(油圧指示)が出力されてからクラッチトルクが立ち上がるまでの無駄時間が短くなっている。このように、MGトルクよりもクラッチトルクが早く立ち上がると、MGトルクの立ち上がりが完了されるまでの間に、モータジェネレータ3からの補償トルクが不足するため、ロックアップクラッチ43が滑り、MG回転数Nmgが下がる。すなわち、モータジェネレータ3の基準回転数Nmgbに対して実際のMG回転数Nmgが乖離する。
そして、基準回転数Nmgbに対するMG回転数Nmgの乖離が大きくなるとショックが発生する。また、クラッチトルクの立ち上がりよりも着火始動が遅く開始されると、気筒内が負圧になり燃焼条件が悪化するおそれがある。
そこで、この場合には、内燃機関1の次回の始動時に、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングを早くするように補正する。なお、着火始動の開始タイミングは、内燃機関1の次回の始動が着火始動である場合のその開始タイミングである。
−MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングの学習制御−
ECU50は、MGトルクの立ち上がりタイミング(補償トルクの発生タイミング)および着火始動の開始タイミングの学習制御を行うように構成されている。なお、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングは同期されており、その同期した状態を保ちながら補正される。
具体的には、ECU50は、車両走行中の内燃機関1の始動時に、モータジェネレータ3の基準回転数Nmgbに対する実際のMG回転数Nmgの乖離量を算出するように構成されている。この乖離量は、たとえば、車両走行中の内燃機関1の始動時における、MG回転数Nmgと基準回転数Nmgbとの差の積算値である。このため、乖離量は、タイミングが早い場合(図5参照)に正値であり、タイミングが遅い場合(図6参照)に負値である。
そして、ECU50は、乖離量に基づいて、内燃機関1の次回の始動時における、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動を行う場合のその開始タイミングを補正するように構成されている。なお、乖離量が正値である場合には、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動を行う場合のその開始タイミングを遅くするように補正し、乖離量が負値である場合には、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動を行う場合のその開始タイミングを早くするように補正する。すなわち、クラッチトルクの立ち上がりタイミングとMGトルクの立ち上がりタイミングとのずれに起因して生じる乖離量の絶対値が小さくなるように補正する。また、乖離量が大きくなるほど補正量が大きくなるようになっている。
ここで、ECU50は、学習フラグがオンの場合に上記した学習制御を行い、学習フラグがオフの場合に上記した学習制御を行わないように構成されている。さらに、ECU50は、フィードバック制御実行フラグがオンの場合にMG回転数Nmgのフィードバック制御を実行するとともに、フィードバック制御実行フラグがオフの場合にMG回転数Nmgのフィードバック制御を実行しないように構成されている。このフィードバック制御は、内燃機関1の始動時にモータジェネレータ3の回転変動を抑制するためのものであり、本発明の「回転変動抑制制御」の一例である。
図7は、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動の開始タイミングの学習制御を説明するためのフローチャートである。次に、図7を参照して、本実施形態のECU50による学習制御の詳細について説明する。なお、以下の各ステップはECU50により実行される。
まず、図7のステップS1において、学習開始条件が成立するか否かが判断される。たとえば、車両走行中に内燃機関1の始動が開始され、クラッチ2の係合開始指示が出力され、かつ、学習フラグがオンである場合に、学習開始条件が成立すると判断される。そして、学習開始条件が成立すると判断された場合には、ステップS2に移り、乖離量の演算が開始される。なお、学習開始条件が成立しないと判断された場合には、リターンに移る。
次に、ステップS2において、MG回転数センサ64の検出結果に基づいてMG回転数Nmgが算出される。そして、ステップS3において、MG回転数Nmgに対してなまし処理を施すことにより基準回転数Nmgbが算出される。その後、ステップS4において、MG回転数Nmgと基準回転数Nmgbとの差(MG回転数Nmgから基準回転数Nmgbを引いた値)が算出され、ステップS5において、MG回転数Nmgと基準回転数Nmgbとの差の積算値が算出される。
次に、ステップS6において、乖離量の演算終了条件が成立するか否かが判断される。たとえば、エンジン回転数Neが完爆可能な所定回転数に到達した場合に、演算終了条件が成立すると判断される。なお、エンジン回転数Neが完爆可能な所定回転数に到達したときには、内燃機関1の始動がある程度進行され、クラッチトルクおよびMGトルクが立ち上がっているため、クラッチトルクの立ち上がりタイミングとMGトルクの立ち上がりタイミングとがずれていた場合には、そのずれに起因して基準回転数Nmgbに対するMG回転数Nmgの乖離が既に発生している。そして、乖離量の演算終了条件が成立しないと判断された場合には、ステップS2に戻り、乖離量の演算が継続される。その一方、乖離量の演算終了条件が成立すると判断された場合には、乖離量の演算が終了され、ステップS7に移る。すなわち、演算終了条件が成立するまでステップS2〜S5が繰り返し行われ、最終的な積算値(演算終了条件が成立する直前のステップS5で算出された積算値)が乖離量として用いられる。
次に、ステップS7において、乖離量に所定のゲインを乗じて補正量が算出される。
そして、ステップS8では、内燃機関1の次回の始動時に着火始動を行う場合のその開始タイミングが補正される。具体的には、内燃機関1の次回の始動が着火始動である場合に、油圧指示が出力されてから着火始動が開始されるまでの無駄時間(経過時間)が以下の式(1)により算出される。
Tig(n+1)=Tig(n)+Co ・・・(1)
なお、式(1)において、Tig(n+1)は、内燃機関1の次回の始動が着火始動である場合に着火始動が開始されるまでの無駄時間であり、Tig(n)は、内燃機関1の今回の始動が着火始動である場合に着火始動が開始されるまでの無駄時間である。また、Coは、ステップS7で算出した補正量である。なお、この式(1)による無駄時間の補正は、内燃機関1の今回および次回の始動が着火始動であるか否かにかかわらず行われる。
このため、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対してMGトルクの立ち上がりタイミングが早く、MG回転数Nmgが吹き上がる場合(図5参照)には、ステップS7で正値の補正量が算出されることから、次回の無駄時間が長くなり、次回の始動時に着火始動を行う場合のその開始タイミングが今回に比べて遅くされる。また、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対してMGトルクの立ち上がりタイミングが遅く、MG回転数Nmgが下がる場合(図6参照)には、ステップS7で負値の補正量が算出されることから、次回の無駄時間が短くなり、次回の始動時に着火始動を行う場合のその開始タイミングが今回に比べて早くされる。
また、ステップS9では、内燃機関1の次回の始動時におけるMGトルクの立ち上がりタイミングが補正される。具体的には、内燃機関1の次回の始動時における、油圧指示が出力されてからMGトルクが立ち上げられるまでの無駄時間が以下の式(2)により算出される。
Tmg(n+1)=Tmg(n)+Co ・・・(2)
なお、式(2)において、Tmg(n+1)は、内燃機関1の次回の始動時におけるMGトルクが立ち上げられるまでの無駄時間であり、Tmg(n)は、内燃機関1の今回の始動時におけるMGトルクが立ち上げられるまでの無駄時間である。また、Coは、ステップS7で算出した補正量である。
このため、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対してMGトルクの立ち上がりタイミングが早く、MG回転数Nmgが吹き上がる場合(図5参照)には、ステップS7で正値の補正量が算出されることから、次回の無駄時間が長くなり、次回の始動時におけるMGトルクの立ち上がりタイミングが今回に比べて遅くされる。また、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに対してMGトルクの立ち上がりタイミングが遅く、MG回転数Nmgが下がる場合(図6参照)には、ステップS7で負値の補正量が算出されることから、次回の無駄時間が短くなり、次回の始動時におけるMGトルクの立ち上がりタイミングが今回に比べて早くされる。
その後、学習が終了され、リターンに移る。
なお、上記した学習制御は、車両走行中の内燃機関1の始動毎に行われるため、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動を行う場合のその開始タイミングが、クラッチトルクの立ち上がりタイミングに徐々に収束されるようになる。また、クラッチトルクの立ち上がりタイミングが変化しても、MGトルクの立ち上がりタイミングおよび着火始動を行う場合のその開始タイミングがクラッチトルクの立ち上がりタイミングに追従するようになる。
図8は、学習フラグおよびフィードバック制御実行フラグの設定手順を説明するためのフローチャートである。次に、図8を参照して、本実施形態のECU50による学習フラグおよびフィードバック制御実行フラグの設定動作について説明する。なお、以下の設定動作は、たとえば、車両走行中に内燃機関1の始動が開始された場合に行われるとともに、クラッチ2の係合開始指示が出力される前に行われる。また、以下の各ステップはECU50により実行される。
まず、図8のステップS11において、前回の学習制御時に算出された乖離量の絶対値が所定値以上であるか否かが判断される。この所定値は、たとえば、予め設定された値であり、MGトルクの立ち上がりタイミングとクラッチトルクの立ち上がりタイミングとのずれが許容範囲内であるか否かを判定するための閾値である。そして、乖離量の絶対値が所定値以上であると判断された場合には、MGトルクの立ち上がりタイミングとクラッチトルクの立ち上がりタイミングとのずれが許容範囲外であり、学習を行う必要があることから、ステップS14に移る。その一方、乖離量の絶対値が所定値以上ではないと判断された場合(乖離量の絶対値が所定値未満の場合)には、ステップS12に移る。
次に、ステップS12において、学習の実行回数が所定値以下であるか否かが判断される。この所定値は、たとえば、予め設定された値であり、MGトルクの立ち上がりタイミングがクラッチトルクの立ち上がりタイミングに対して収束されているか否かを判定するための閾値である。そして、学習の実行回数が所定値以下であると判断された場合には、学習の実行回数が少なく、学習を行う必要があることから、ステップS14に移る。その一方、学習の実行回数が所定値以下ではないと判断された場合(学習の実行回数が所定値を超えている場合)には、ステップS13に移る。
次に、ステップS13において、経時劣化に対する補正が必要であるか否かが判断される。たとえば、所定のトリップ毎または所定の走行距離毎に、経時劣化に対する補正が必要であると判断される。そして、経時劣化に対する補正が必要であると判断された場合には、学習を行う必要があることから、ステップS14に移る。その一方、経時劣化に対する補正が必要ではないと判断された場合には、学習を行う必要がないことから、ステップS15に移る。
そして、ステップS14では、学習フラグがオンに設定されるとともに、フィードバック制御実行フラグがオフに設定され、リターンに移る。このため、車両走行中における内燃機関1の始動時に、学習制御が行われるとともに、その学習制御の際にモータジェネレータ3の回転変動を抑制するためのフィードバック制御が行われないようになっている。
また、ステップS15では、学習フラグがオフに設定されるとともに、フィードバック制御実行フラグがオンに設定され、リターンに移る。このため、車両走行中における内燃機関1の始動時に、学習制御を行うことなく、フィードバック制御を行うようになっている。
−効果−
本実施形態では、上記のように、学習制御が行われる場合に、フィードバック制御を実行しないことによって、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因して生じる乖離量を適切に算出することができるので、学習を適切に行うことができる。また、学習制御が行われない場合に、フィードバック制御を実行することによって、内燃機関1の始動時にMG回転数Nmgが変動するのを抑制することができるので、ショックが発生するのを抑制することができる。すなわち、学習を行う必要がある場合には、フィードバック制御を禁止し、学習を優先して適切に行い、学習を行う必要がない場合には、フィードバック制御を行いショックの発生を抑制するようになっている。
また、本実施形態では、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因して生じる乖離量の絶対値が小さくなるように、補償トルクの発生タイミングを補正する。具体的には、MG回転数Nmgが吹き上がり、乖離量が正値である場合(基準回転数Nmgbに対してMG回転数Nmgが高い場合)に、補償トルクの発生タイミングを遅くするとともに、MG回転数Nmgが下がり、乖離量が負値である場合(基準回転数Nmgbに対してMG回転数Nmgが低い場合)に、補償トルクの発生タイミングを早くする。これにより、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれを減少させることができる。したがって、内燃機関1の始動時にショックが発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、MG回転数Nmgが吹き上がり、乖離量が正値である場合に、着火始動を行う場合のその開始タイミングを遅くするとともに、MG回転数Nmgが下がり、乖離量が負値である場合に、着火始動を行う場合のその開始タイミングを早くする。これにより、クラッチ2が係合を開始するタイミング(減速トルクの発生タイミング)と着火始動の開始タイミングとのずれを減少させることができる。したがって、着火始動を適切に行うことができる。
また、本実施形態では、乖離量が大きくなるほど補正量を大きくすることによって、補償トルクの発生タイミングおよび着火始動を行う場合のその開始タイミングを早期に減速トルクの発生タイミングに収束させることができる。
また、本実施形態では、基準回転数Nmgbに対するMG回転数Nmgの乖離量を算出することによって、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれに起因するモータジェネレータ3の回転変動を適切に算出することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、本実施形態では、車両100がFR(フロントエンジンリアドライブ)方式である例を示したが、これに限らず、車両がFF(フロントエンジンフロントドライブ)方式または4WD方式などであってもよい。
また、本実施形態では、着火始動可能な直噴型の内燃機関1が設けられる例を示したが、これに限らず、着火始動できない他の内燃機関が設けられていてもよい。
また、本実施形態では、湿式多板型のクラッチ2が設けられる例を示したが、これに限らず、乾式などの他のクラッチが設けられていてもよい。
また、本実施形態では、トルクコンバータ4が設けられる例を示したが、これに限らず、トルクコンバータの代わりに、トルク増幅作用のないフルードカップリングが設けられていてもよい。
また、本実施形態では、変速機5が有段式の自動変速機である例を示したが、これに限らず、変速機が無段変速機などであってもよい。
また、本実施形態では、乖離量に基づいて補償トルクの発生タイミングを補正する例を示したが、これに限らず、補償トルクの発生タイミングの代わりに、乖離量に基づいて減速トルクの発生タイミングを補正するようにしてもよい。具体的には、MG回転数が吹き上がる場合に減速トルクの発生タイミングを早くするとともに、MG回転数が下がる場合に減速トルクの発生タイミングを遅くする。このように構成しても、減速トルクの発生タイミングと補償トルクの発生タイミングとのずれを減少させることができる。なお、減速トルクの発生タイミングは、たとえば、油圧指示を調整することにより制御可能である。また、乖離量に基づいて、補償トルクの発生タイミングおよび減速トルクの発生タイミングの両方を補正するようにしてもよい。
また、本実施形態では、MG回転数Nmgと基準回転数Nmgbとの差の積算値を乖離量として用いる例を示したが、これに限らず、MG回転数と基準回転数との差の最大値などを乖離量として用いてもよい。
また、本実施形態では、MG回転数Nmgに対してなまし処理を施すことにより基準回転数Nmgbを算出する例を示したが、これに限らず、学習開始条件が成立した時点のMG回転数などを基準回転数としてもよい。
また、本実施形態において、学習開始条件として、トルクコンバータ4のロックアップクラッチ43が滑っていることが含まれていてもよい。
また、本実施形態では、エンジン回転数Neが完爆可能な所定回転数に到達した場合に、乖離量の演算終了条件が成立すると判断する例を示したが、これに限らず、学習開始条件が成立してから所定時間が経過した場合に、乖離量の演算終了条件が成立すると判断するようにしてもよい。なお、乖離量の演算終了条件が成立したときに、クラッチトルクの立ち上がりタイミングとMGトルクの立ち上がりタイミングとのずれに起因する、基準回転数に対するMG回転数の乖離が収束していてもよいし、収束していなくてもよい。
また、本実施形態では、学習制御が行われる場合にフィードバック制御を実行しない例を示したが、これに限らず、学習制御が行われる場合に、ゲインを下げてフィードバック制御を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態のフローチャートでは、着火始動の開始タイミングを補正した後に、MGトルクの立ち上がりタイミングを補正する例を示したが、これに限らず、その順番が逆であってもよいし、同時であってもよい。すなわち、本実施形態のフローチャートは一例であってその手順に限定されるものではない。
また、本実施形態において、ECU50が、HV(ハイブリッド)ECU、エンジンECU、MG(モータジェネレータ)ECUおよびバッテリECUなどによって構成され、これらのECUが互いに通信可能に接続されていてもよい。
本発明は、走行用の駆動力を出力可能な内燃機関および電動機と、内燃機関および電動機の間に配置されたクラッチとを備える車両を制御する車両の制御装置に利用することができる。
1 内燃機関
2 クラッチ
3 モータジェネレータ(電動機)
50 ECU(車両の制御装置)
100 車両

Claims (1)

  1. 走行用の駆動力を出力可能な内燃機関および電動機と、前記内燃機関および前記電動機の間に配置されたクラッチとを備える車両に適用される車両の制御装置であって、
    前記車両は、前記内燃機関を間欠運転するように構成されており、前記内燃機関の始動時に、前記クラッチを係合させて前記内燃機関の回転数を上昇させる際に発生する減速トルクを打ち消すように前記電動機から補償トルクを出力するように構成され、
    前記内燃機関の始動時に、前記電動機の基準回転数に対する実際の回転数の乖離量を算出するとともに、前記乖離量に基づいて、前記内燃機関の次回の始動時における、前記減速トルクの発生タイミング、および、前記補償トルクの発生タイミングの少なくともいずれか一方を補正する学習手段と、
    前記内燃機関の始動時に前記電動機の回転変動を抑制する回転変動抑制制御を実行可能に構成された電動機制御手段とを備え、
    前記基準回転数は、前記電動機の回転数に対してなまし処理を施すことにより算出されるように構成され、
    前記基準回転数に対する実際の回転数の乖離量は、前記減速トルクの発生タイミングと前記補償トルクの発生タイミングとのずれに起因する前記電動機の回転変動を算出するためのものであり、
    前記内燃機関の始動時に、前記学習手段による前回の学習の際に算出された前記乖離量の絶対値が所定値以上である場合に、前記電動機制御手段による回転変動抑制制御が行われることなく、前記学習手段による学習が行われるように構成され、
    前記内燃機関の始動時に、前記学習手段による前回の学習の際に算出された前記乖離量の絶対値が所定値未満である場合に、前記学習手段による学習が行われることなく、前記電動機制御手段による回転変動抑制制御が行われるように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
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