以下、一実施形態の構成を図1ないし図16を参照して説明する。
図16において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、掃除機本体12と、この掃除機本体12に対して着脱可能に接続される風路形成体である管部13とを有している。
掃除機本体12は、被掃除面としての床面上を旋回および走行可能であり、電動送風機18、この電動送風機18の動作を制御する図示しない本体制御部、および、これら電動送風機18および本体制御部などに給電するためのコードリール装置、あるいは二次電池などの電源部などを収容しているとともに、電動送風機18の吸込側に連通する図示しない集塵部を備えている。また、掃除機本体12の前部には、集塵部に連通するとともに管部13の基端側が接続される本体吸込口19が開口形成されている。
管部13は、ホース体21と、このホース体21に対して着脱可能な例えば合成樹脂製の延長管22と、この延長管22に対して着脱可能な吸込口体としての床ブラシ23とを備えている。
ホース体21は、可撓性を有するホース部25と、このホース部25の基端側(下流側)に設けられ本体吸込口19に接続される接続管部26と、ホース部25の先端側(上流側)に設けられた手元操作部27とを有している。
手元操作部27には、延長管22の基端側(下流側)が着脱可能に接続される。また、この手元操作部27には、使用者が把持する把持部28が基端側に突出して形成されており、この把持部28には電動送風機18の動作モードを本体制御部に設定するための設定ボタン29が配置されている。
また、図1ないし図16に示すように、床ブラシ23は、床面上を走行することにより床面上の塵埃を吸い込むものである。なお、以下、前後方向および左右方向(両側方向、幅方向)はこの床ブラシ23の走行方向を基準とする。そして、この床ブラシ23は、左右方向に延びる長手状、すなわち横長に形成されたケース体31と、このケース体31の後部にてこのケース体31に対して相対的に回動可能に接続され延長管22の先端側(上流側)に着脱可能に接続される接続管32とを備えている。
ケース体31は、例えば合成樹脂などの部材により成形されており、下ケース34と、この下ケース34の上部を覆う上ケース35と、これら下ケース34と上ケース35との間に挟持された緩衝部材であるバンパ36および固定管である中ケース37とを備えている。そして、このケース体31の内部には、下ケース34と上ケース35との間に、接続管32の上流側(前端側)と連通する吸込室41が前部に左右幅方向に長手状に区画され、この吸込室41の後方でかつ接続管32の両側に、駆動室42と制御室43とが区画され、駆動室42の一側方に伝達室44が前後方向に長手状に区画され、かつ、駆動室42の他側方に軸支室45が区画されている。
下ケース34は、例えば横長四角形状の下ケース本体47と、この下ケース本体47の後部の中央部から後方に突出する突出部48とを一体に備えた平面視で凸字状となっている。そして、この下ケース34は、例えば上下方向を成形型の開閉方向として成形されている。
下ケース本体47には、吸込室41に連通し床面に対向して開口する横長の吸込口50が形成されており、この吸込口50には、回転体としての回転清掃体である回転ブラシ51が回転可能に軸支されている。この回転ブラシ51は、床面に入り込んだ塵埃などを掻き出すもので、長尺状に形成された軸部53と、この軸部53から径方向へと突出する複数の清掃部材54とを備えている。
軸部53の両端部には、軸受体56,56が取り付けられており、これら軸受体56,56が伝達室44および軸支室45の内部でケース体31の図示しない軸受部に対して回動可能に保持されている。
清掃部材54は、例えば塵埃を掃き取る毛ブラシ、あるいは軟質の部材により板状に形成され塵埃を叩き出すブレードなどが用いられ、軸部53の外周に螺旋状にねじれた状態で配置されている。
突出部48には、後端部に嵌合切欠部58が切り欠き形成され、この嵌合切欠部58には、床ブラシ23(ケース体31)を床面上に載置した状態で床面と接触して従動回転する走行輪59が左右方向に沿って軸方向を有するように回転自在に軸支されている。
上ケース35は、下ケース34の下ケース本体47の上側を覆って閉塞している。また、この上ケース35の前部には、吸込室41(吸込口50)と連通する横長の連通開口61が切り欠き形成されているとともに、この連通開口61に、フラップ状の前蓋部62の上端部が回動可能に軸支されている。この前蓋部62は、例えば障害物などに床ブラシ23の前部を接近させた際にこの障害物などと接触して下端側が後方へと押し込まれるように回動することで、吸込口50(吸込室41)の真空度を向上するように構成されている。また、この前蓋部62は、下端側が前方へと回動する方向に付勢されている。
バンパ36は、床ブラシ23を床面上で走行させた際などの障害物や壁などへの衝突による衝撃を吸収するもので、ケース体31の両側から前側に亘って配置されている。
中ケース37は、ケース体31に対して軸心回り方向に回動しないように固定された上流側管部であり、下ケース34の突出部48と上ケース35の後部中央との間に形成された接続開口64に下流端側である後端側が位置し、接続管32の前端(上流端)と接続される。この中ケース37は、例えば合成樹脂により一体成形され、略円筒状の固定管本体としての中ケース本体65と、この中ケース本体65からフランジ状に突出するフランジ部66とを備えている。
中ケース本体65は、下流端である後端側から上流端である前端側へと徐々に拡径状に形成されており、下ケース34と上ケース35との間に収容され、前端が左右方向に扁平な楕円(長円)形状となって吸込室41(吸込口50)と連通している。また、この中ケース本体65の後端側の外周には、図示しないが、接続管32を軸方向に抜け止めするための抜止凸部が径方向に沿って突設されている。
フランジ部66は、中ケース本体65の後端と前端との中間の位置にて径方向に突設されて円形板状となっており、接続開口64に嵌合してこの接続開口64を閉塞するとともに、下ケース34と上ケース35との間の図示しない溝部に外縁部が保持されている。また、このフランジ部66には、周方向に沿って長孔状の開口部68,69が中ケース本体65を挟んで左右両側に開口されている。
吸込室41には、回転ブラシ51が収容されている。さらに、この吸込室41は、吸込口50により、ケース体31の外部と連通しているとともに、接続管32と連通している。
駆動室42には、回転ブラシ51を回転駆動させる駆動手段としての電動機71が収容されている。すなわち、この電動機71は、接続管32の軸心Cに対して側方(一側)に位置している。さらに、この電動機71は、左右方向に沿って回転軸71aを有するように配置されている。また、この電動機71は、例えば掃除機本体12側からの給電によって駆動するようになっている。
制御室43には、電動機71の駆動状態(駆動および停止)などを制御する内蔵物としての制御部73が収容されている。すなわち、この制御部73は、接続管32の軸心Cに対して側方(他側)に位置している。さらに、この制御部73は、例えば基板に各種部品を実装して構成され、フランジ部66の開口部69を介して制御室43に導入された図示しないリード線を介して掃除機本体12側から給電を受けている。そして、この制御部73は、設定ボタン29の操作に応じて、電動機71の駆動および停止を切り換えるようになっている。
ここで、この制御部73は、電動機71よりも軽量に構成されている。そのため、床ブラシ23(ケース体31)は、接続管32(接続管32の軸心C)に対して一側、すなわち電動機71側の重量が相対的に重く、他側、すなわち制御部73側の重量が相対的に軽くなっている。換言すれば、床ブラシ23(ケース体31)の左右の重心バランスは、一側(電動機71側)に偏っている。
伝達室44には、電動機71の駆動力を回転ブラシ51に伝達する伝達手段を構成するプーリ76およびタイミングベルト77が収容されている。プーリ76は、電動機71の回転軸71aに取り付けられている。また、タイミングベルト77は、伝達室44に挿入された一方の軸受体56とプーリ76との間に無端状に巻き掛けられている。
一方、接続管32は、中ケース37の下流側に対して軸心回り方向(軸心Cの周囲)に回動可能に軸支された下流側管部である回転管80と、この回転管80に軸心Cに対して交差(直交)する方向に回動可能に軸支された接続部81とを備えている。そして、この接続管32に対して、一側方向である電動機71側へのケース体31の回動が規制部82によって規制されている。
回転管80は、例えばABS、あるいはポリプロピレン(PP)などの、軟質の合成樹脂により成形され、円筒状(円環状)の回転管本体84と、この回転管本体84の後端部に突設された接続突出部としての接続腕部85,85とを備えている。そして、この回転管80は、例えば回転管本体84の中心軸および接続腕部85,85の中心を通る平面により2つの回転管ケース部に分割されており、中ケース37の中ケース本体65の後端側をこれら回転管ケース部により挟持することでこの中ケース37に対して軸心回りに回動可能に接続され、かつ、中ケース本体65の抜止凸部によって軸方向に抜け止めされている。
回転管本体84は、上流端である前端が中ケース37のフランジ部66の後部に当接しており、回転管80を中ケース37(ケース体31)に対して回動させた状態でフランジ部66に沿って摺接するようになっている。また、この回転管本体84は、接続開口64に対して後方でかつ突出部48の上方に位置してケース体31の外部に露出している。そして、この回転管本体84の前端には、中ケース37のフランジ部66の開口部68に挿入される突起部としてのシャフト86が回転管本体84(回転管80(接続管32))の軸方向に対して略平行となるように一体的に突設されている。このシャフト86は、例えば円柱状に形成されており、開口部68からケース体31の駆動室42内へと挿入されて、この駆動室42内に突出し、中ケース37(ケース体31)に対して回転管80(接続管32)と一体的に軸心回りに回動して開口部68内を移動可能となっている。したがって、この開口部68により、中ケース37(ケース体31)に対する回転管80(接続管32)の回動角度が規制されている。
各接続腕部85は、回転管80に対して接続部81を回動可能に軸支するためのもので、回転管本体84との間に、接続部81を回動させるための回動用切欠部87を区画している。
接続部81は、延長管22の上流端(先端)に着脱可能に接続される部分であり、前後方向に沿って軸方向を有する円筒状に形成され、回転管80の軸方向と直交する方向に沿う図示しない回動軸が回転管80の接続腕部85,85に軸支されていることにより、回動用切欠部87側および反回動用切欠部87側に回動可能となっている。したがって、例えば回転管80がケース体31(中ケース37)に対して回動していない中立位置では、接続部81は、上下方向に回動可能であり、回転管80がケース体31(中ケース37)に対して例えば90°、軸心回り(軸心Cの周囲)に回動した位置では、接続部81は、左右方向に回動可能となる。また、この接続部81の内部には、リード線が挿通されており、このリード線には、接続部81の下流端側に突出する接続ピン88,88と電気的に接続されている。これら接続ピン88,88は、接続管32を延長管22の先端側(上流端側)に接続する際に延長管22側に挿入されて、接続管32を位置決めするとともに、リード線を、延長管22内に配線され手元操作部27の設定ボタン29などと電気的に接続される図示しない配線に対して電気的に接続するようになっている。
一方、規制部82は、筐体90と、この筐体90に収容された規制部本体91および付勢手段としてのコイルばね92とを備えている。そして、この規制部82は、駆動室42内に凹設された受け凹部93に対して着脱可能となっており、駆動室42(ケース体31)内に収容されている。
筐体90は、規制部本体91を軸支する筐体本体部95と、この筐体本体部95に対して着脱可能なカバー部96とを有している。
筐体本体部95は、規制部本体91を収容する四角形箱状に形成されており、規制部本体91が挿入されカバー部96によって閉塞される挿入開口98が電動機71に対向する一側に開口され、規制部本体91の一部が突出する露出開口99が接続管32(回転管80)および中ケース37に対向する他側に開口され、規制部本体91との干渉を避けるための開口100,100が上下にそれぞれ開口され、かつ、規制部本体91を回動可能に軸支するための軸支開口101,101が挿入開口98と連通して前後に切り欠き形成されている。さらに、この筐体本体部95には、挿入開口98から突出しカバー部96を受けるカバー部受け部102が上下にそれぞれ形成されているとともに、これらカバー部受け部102を含む内部の上下に、コイルばね92の両端を受ける座部103,103が軸支開口101,101を挟んで形成されている。なお、この筐体本体部95は、例えばケース体31(下ケース34)の受け凹部93に一体に形成されていてもよい。
各座部103は、水平方向に沿って前後方向に延びる平面状となっており、筐体本体部95内部の前部から後方へと突出する一方の座面としての前側座面103aと、筐体本体部95内部の後部から前方へと突出する他方の座面としての後側座面103bとを備えている。そして、これら前側座面103aと後側座面103bとが前後に離間されていることにより、これら前側座面103aと後側座面103bとの間に、コイルばね92の両端が露出する露出開口部103cが形成されている。
カバー部96は、例えば合成樹脂などの部材により一体成形され、挿入開口98を閉塞するカバー部本体105と、このカバー部本体105から突出して各軸支開口101に挿入開口98側である一側から嵌合し、これら軸支開口101との間で規制部本体91を回動可能に軸支する突出部106とを備えている。
規制部本体91は、例えばナイロン系などの硬質の合成樹脂などの部材により一体成形され、筐体本体部95の軸支開口101とカバー部96の突出部106との間に回動可能に軸支される回動軸部107を備えた本体部108と、この本体部108から接続管32(回転管80)に向けて突出する凸部109と、この本体部108から凸部109と反対側である電動機71側、すなわち接続管32(回転管80)に対して離反する方向へと突設された受け座部110,110とを備えている。したがって、回動軸部107は、接続管32の軸心Cと略平行な方向である前後方向に沿っており、規制部本体91が左右方向に回動可能となっている。また、回動軸部107の中心軸は、接続管32(回転管80)の軸心Cと水平方向に略等しい位置、すなわち略等しい高さ位置に配置されている(軸心Cを通る仮想的な水平状の直線L(図1)上に位置している)。
本体部108は、外縁部108aが回動軸部107と同心状の円弧状に形成されており、筐体90(筐体本体部95)の内部に収容されている。
凸部109は、筐体90の筐体本体部95の露出開口99から接続管32(回転管80)および中ケース37に向けて突出してシャフト86と当接可能なものであり、このシャフト86と対向する側に位置する係止面109aと、この係止面109aのシャフト86に対して背後、すなわち係止面109aに対してシャフト86と反対側に位置する当接面109bとを有し、これら係止面109aと当接面109bとが、円弧状の先端面109cを介して互いに連続している。
係止面109aは、ケース体31に対する接続管32の相対的な回動に伴うシャフト86の回動方向に対して交差(略直交)する方向に沿って延びており、外縁部108aと滑らかに連続している。すなわち、この係止面109aは、接続管32(回転管80)とともにケース体31に対して他側方(図1などの反時計回り方向)へと回動するシャフト86を受け止めて係止可能となっている。また、この係止面109aは、接続管32(回転管80)をケース体31に対して相対的に回動させない位置(接続管32(回転管80)の中立位置)では、規制部本体91の凸部109(係止面109a)とシャフト86とは互いに離間されており、接続管32(回転管80)の軸心回り方向への回動角度が5〜45°、より好ましくは5〜15°の所定の回動角度αにおいてシャフト86と当接するようになっている。なお、この回動角度αの上限は、例えば、ケース体31が他側方へと傾斜した状態でケース体31の下ケース34の下部の角部近傍に配置された図示しない不織布(フェルト)などの軟質の拭き部材よりも先にケース体31(下ケース34)が床面に当たってしまわない角度とする。
当接面109bは、シャフト86の回動方向に対してこのシャフト86から離反する方向(外方)へと傾斜する方向に沿って延び、外縁部108aと連続している。すなわち、この当接面109bは、係止面109aに対して鋭角をなす方向に沿って傾斜しており、接続管32(回転管80)とともにケース体31に対して一側方(図1などの時計回り方向)へと回動するシャフト86を係止しないようになっている。したがって、凸部109は、先端面109c側から基端側へと徐々に上下寸法が大きくなる略三角形状となっている。
ここで、この規制部82の凸部109のシャフト86との当接位置Pの回動軌跡T1(回動軸部107の中心軸を中心とし当接位置Pを通る円弧)は、接続管32(回転管80)の軸方向から見て、この接続管32(回転管80)の径方向に対してシャフト86の外端86aの回動軌跡T2(軸心Cを中心としシャフト86の外端86aと接する円弧)と1以上の交点を有し、シャフト86の内端86bの回動軌跡T3(軸心Cを中心としシャフト86の内端86bと接する円弧)と2以上の交点を有しない。換言すれば、規制部82の凸部109のシャフト86との当接位置Pは、回動軌跡T2と回動軌跡T3との間に位置している。本実施形態では、回動軌跡T1は、回動軌跡T2に対して上下2つの交点で交差し、回動軌跡T3に対して交差していない(図1)。
また、先端面109cは、中ケース37の中ケース本体65の外周面に対して離間され、規制部本体91の回動によりこの外周面と接触しない位置となっている。
受け座部110,110は、回動軸部107に対して上下に離間されて配置されており、無負荷状態でそれぞれ露出開口部103c,103cに位置する座面部110a,110aと、これら座面部110a,110aから半球状に突出する突出受け部110b,110bとを備えている。そして、座面部110a,110aおよび突出受け部110b,110bが、座部103により保持されているコイルばね92の両端に対向している。そして、これら受け座部110,110は、規制部本体91の回動により、座部103の露出開口部103c,103cから突出してコイルばね92の端部に接触するようになっている。
また、コイルばね92は、本実施形態では例えば圧縮ばねであり、規制部本体91の回動によりいずれか一方の座部103の露出開口部103cから突出した受け座部110,110のいずれか一方とこの受け座部110に対向する他方の座部103との間で圧縮されることで、規制部本体91を反回動方向へと付勢するようになっている。したがって、このコイルばね92は、規制部本体91が回動軸部107の周囲にいずれにも偏って回動していない、中立位置を維持するように構成されている。
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
規制部82を組み立てる際には、予め形成した筐体本体部95に対して、予め形成した規制部本体91を、回動軸部107,107を軸支開口101,101に挿入しながら挿入開口98から挿入して凸部109を露出開口99から露出させ、座部103,103間にコイルばね92を挿入してこのコイルばね92の両端を座部103,103により支持するとともに、予め形成したカバー部96を、突出部106,106を軸支開口101,101に挿入しながらカバー部受け部102にカバー部本体105を嵌合させて挿入開口98を閉塞する。
次いで、床ブラシ23を組み立てる際には、まず、回転管80の回転管ケース部により接続部81および中ケース37を上下から挟み込む。このとき、回転管80の前端(上流端)から軸方向に突出するシャフト86と接続部81および回転管80内に挿通されたリード線とを、中ケース37のフランジ部66の開口部68,69にそれぞれ挿通する。さらに、下ケース34に対して、この回転管80、接続部81および中ケース37を組み付けるとともに、電動機71、制御部73、回転ブラシ51、走行輪59、バンパ36を組み付け、かつ、規制部82を受け凹部93に組み付ける。このとき、規制部82の凸部109の係止面109aが、開口部68から露出するシャフト86の上方に離間された位置に対向するようにしておく。そして、回転ブラシ51の軸受体56,56を伝達室44および軸支室45の軸受部に軸支し、電動機71の回転軸71aに取り付けたプーリ76と一方の軸受体56との間にタイミングベルト77を巻き掛けるとともに、リード線を制御部73と電気的に接続し、中ケース37およびバンパ36を、前蓋部62を取り付けた上ケース35を下ケース34に被せてこの下ケース34に対してねじなどによって固定することで上下から挟み込んで、床ブラシ23が完成する。
そして、掃除の際には、まず、使用者は、掃除機本体12の本体吸込口19に、接続管部26を介してホース体21を連通接続し、このホース体21の先端側の手元操作部27に、延長管22および床ブラシ23を順次連通接続する。
次いで、床ブラシ23を床面上に載置し、電源部から本体制御部および電動送風機18へと給電可能な状態として、把持部28を把持した使用者が所定の設定ボタン29を操作すると、この設定ボタン29により設定された動作モードに応じて本体制御部が電動送風機18の入力を制御して、電動送風機18が駆動される。
さらに、使用者は、床ブラシ23を床面上で前後に走行させることで、電動送風機18の駆動による負圧によって、床ブラシ23の先端側の吸込口50から塵埃を空気とともに吸い込む。このとき、床ブラシ23は、使用者が手元操作部27をひねったり、ケース体31に対して左右に操作したりすることにより、接続管32(回転管80)が中ケース37(ケース体31)に対して、軸心回り(軸心Cの周囲)、あるいは軸心Cに対して交差する方向に回動する。
例えば、接続管32(回転管80)を中ケース37(ケース体31)に対して、軸心回りに一側方へと回動させる際には、回転管80から突出するシャフト86が開口部68に沿って一体的に回動して相対的に下方へと移動し、規制部82の規制部本体91の凸部109から離間され、コイルばね92による付勢が接続管32(回転管80)に対して作用しない(図5)。
また、接続管32(回転管80)を中ケース37(ケース体31)に対して、軸心回りに他側方(図2に示す反時計回り方向)へと回動させる際には、回転管80から突出するシャフト86が開口部68に沿って一体的に回動して相対的に上方へと移動し、まず規制部82の規制部本体91の凸部109の係止面109aと当接する(図2)。さらに、この接続管32(回転管80)を一側方へと回動させると、凸部109がシャフト86によって押し上げられて規制部本体91が回動軸部107を中心として一側方へと回動し、上側に位置する受け座部110が上側に位置する座部103の露出開口部103cから下方へと突出し、コイルばね92を上側から下方へと押圧して下側の座部103との間で圧縮する(図3)。このとき、凸部109の係止面109aがシャフト86の回動方向と交差する方向に沿って延びているため、コイルばね92による付勢が係止面109aを介して接続管32(回転管80)に対して反回動方向へと作用することとなり、電動機71の重量(電動機71と制御部73との重量差)による接続管32(回転管80)の他側方への回動を相殺する。そして、この接続管32(回転管80)をさらに一側方へと回動させるように、電動機71の重量(電動機71と制御部73との重量差)による荷重よりも大きい荷重を加えると、シャフト86が凸部109を乗り越えて先端面109cに沿って滑り、接続管32の回動の規制を解除するとともに、コイルばね92による付勢によって規制部本体91が中立位置に復帰する(図4)。したがって、この状態では、コイルばね92による付勢が接続管32(回転管80)に対して作用しない。
さらに、この状態から、接続管32(回転管80)を中ケース37(ケース体31)に対して、軸心回りに一側方へと回動させる際には、回転管80から突出するシャフト86が開口部68に沿って一体的に回動して相対的に下方へと移動し、規制部82の規制部本体91の凸部109の当接面109bと当接する(図6)。さらに、この接続管32(回転管80)を他側方へと回動させると、シャフト86が当接面109bに沿って滑りながら凸部109がシャフト86によってシャフト86から逃げるように押し下げられて規制部本体91が回動軸部107を中心として他側方へと回動し、下側に位置する受け座部110が下側に位置する座部103の露出開口部103cから上方へと突出し、コイルばね92を下側から上方へと押圧して上側の座部103との間で圧縮する(図7)。このとき、凸部109の当接面109bがシャフト86の回動方向に対して離反する方向へと傾斜しているため、コイルばね92による付勢が当接面109bを介してシャフト86に対して回動方向と交差する方向(軸心C方向)へと作用することとなり、接続管32(回転管80)の回動を殆ど妨げることがない。そして、シャフト86が凸部109を下方へと通過すると、コイルばね92による付勢によって規制部本体91が中立位置に復帰する(図8)。
また、使用者は、床面の種類に応じて、回転ブラシ51を適宜回転させる。このとき、使用者が所定の設定ボタン29を操作すると、この設定ボタン29の操作に応じて制御部73が電動機71の入力を制御して、電動機71が駆動され、この電動機71の駆動が回転軸71aに取り付けられたプーリ76およびタイミングベルト77を介して軸受体56に伝達されることで、回転ブラシ51が回転し、清掃部材54により床面の塵埃を除去する。
そして、床ブラシ23から塵埃とともに吸い込まれた空気は吸込風となり、延長管22およびホース体21を介して、塵埃を本体吸込口19から集塵部へと運び、この集塵部にて塵埃を捕集する。
この後、塵埃が除去された吸込風は電動送風機18へと吸い込まれ、この電動送風機18を通過して排気風となり、掃除機本体12の後部などに設けられた図示しない排気口から掃除機本体12の外部へと排気される。
掃除が終了し、電気掃除機11を収納する際には、設定ボタン29を操作することで、本体制御部が電動送風機18を停止させる。
そして、例えば電気掃除機11を運搬する際などに床ブラシ23を床面から持ち上げると、電動機71の重量(電動機71と制御部73との重量差)によってケース体31の重量バランスが一側に偏り、床ブラシ23を床面から持ち上げたときに接続管32(接続管32の回転管80)に対してケース体31が一側方に回動しようとする。このとき、以上説明した一実施形態では、接続管32と一体的に回動するシャフト86との当接により接続管32を付勢してこの接続管32の他側方への回動を規制する規制部82を備えることで、電動機71の重量に起因する接続管32に対するケース体31の相対的な傾きを抑制できる。
具体的に、規制部82は、シャフト86と接触可能な凸部109および回動軸部107を備えた規制部本体91を回動の中立位置にコイルばね92によって付勢していることで、シャフト86が規制部82の規制部本体91の凸部109(係止面109a)と当接し、電動機71の重量(電動機71と制御部73との重量差)によって凸部109がシャフト86によって押し上げられる力と、規制部本体91が回動軸部107を中心として一側方へと回動することで圧縮されたコイルばね92の付勢力とが吊り合って、接続管32に対するケース体31の相対的な傾きを抑制できる(図9)。
さらに、規制部82は、シャフト86と当接した状態で電動機71の重量による荷重よりも大きい所定以上の荷重が加わった際には規制部本体91が回動して逃げてシャフト86との当接が解除される(図2ないし図4)ことでケース体31に対する接続管32の他側方への相対的な回動を許容することにより、規制部82が接続管32の回動操作を妨げることがなく、回動の操作性が良好である。
すなわち、規制部82は、接続管32を略中立位置とした状態での電動機71の重量による接続管32に対するケース体31の相対的な傾きを規制しつつ、接続管32をケース体31に対して積極的に回動操作する際には、良好な回動操作を許容できる。
また、本実施形態では、凸部109のシャフト86と対向する側に、ケース体31に対する接続管32の相対的な回動に伴うシャフト86の回動方向に対して交差する方向に沿って延びてシャフト86を係止可能な係止面109aを設けるとともに、凸部109の係止面109aのシャフト86に対して背後に、シャフト86の回動方向に対してこのシャフト86から離反する方向へと傾斜する方向に沿って延びてシャフト86を係止しない当接面109bを設ける。このため、係止面109aによりシャフト86を係止することで電動機71の重量によってケース体31が接続管32に対して相対的に傾斜することを確実に抑制しつつ、シャフト86が凸部109を乗り越えた後に接続管32をケース体31に対して復帰回動させる際には、当接面109bがシャフト86と当接することによって規制部本体91が逃げるように回動してシャフト86を係止しない(図6ないし図8)ので、規制部82が接続管32の回動をより確実に妨げることがなく、接続管32をケース体31に対して相対的に回動させる際に、この回動の操作性がより良好になる。
さらに、電動機71をケース体31の中央部に配置しなくてよいため、ケース体31の中央部に接続される接続管32のスペースを電動機71によって取ることがなく、床ブラシ23の大型化を抑制しつつ接続管32内の風路を確保できる。
しかも、規制部82(凸部109)のシャフト86との当接位置Pの回動軌跡T1が、接続管32(回転管80)の軸方向から見て、この接続管32の径方向に対してシャフト86の外端86aの回動軌跡T2と1以上の交点を有し、内端86bの回動軌跡T3と2以上の交点を有しないため、ケース体31に対する接続管32の他側方への回動によりシャフト86が規制部82(凸部109)を乗り越える際の当接位置Pでの回動軌跡T1の接線と回動軌跡T2の接線とが互いに鋭角状に(直角以下の角度で)交差する、換言すればシャフト86が規制部82(凸部109)を乗り越える際にシャフト86の回動方向に略沿いながら(大きな角度で交差することなく)規制部82の凸部109が回動するので、シャフト86が凸部109を乗り越える際の抵抗(引っ掛かり感)が抑制され、接続管32をケース体31に対して相対的に回動させる際に、この回動の操作性が良好になる。すなわち、規制部82による回動の規制とこの規制の解除の切り替わりの際の違和感が少なく、良好な操作性を得ることができる。
また、コイルばね92は、回転管80が中ケース37に対して回動する際の摺動抵抗とならないので、接続管32の軸心回り(軸心Cの周囲)への回動が重くなることもなく、また、経時的に摩耗することもないので、操作性を長期に亘って維持できる。
さらに、規制部本体91の凸部109の両側にてこの凸部109と反対方向へとそれぞれ突設された受け座部110,110がこの規制部本体91の回動によって突出可能でコイルばね92の両端を支持する座部103,103を筐体90に設け、コイルばね92が座部103,103から規制部本体91の回動により突出する受け座部110,110との当接によりこの受け座部110,110を付勢することで、コイルばね92によって規制部本体91を回動の中立位置に付勢する規制部82を容易に構成できる。
また、凸部109とシャフト86とが、接続管32の軸心回り方向への回動角度αが5〜45°のときに互いに当接することで、接続管32をケース体31に対して僅かに回動させた位置(5°未満の位置)などで凸部109によるシャフト86の係止が解除されることがないとともに、電動機71の重量によってケース体31が接続管32に対して45°以上に傾きにくい。したがって、接続管32をケース体31に対してわずかに回動させた位置で床ブラシ23を床面などから持ち上げた際に、電動機71の重量によってケース体31が接続管32に対して相対的に傾くことがないとともに、ケース体31を床面に接地する際にケース体31(下ケース34)の角部などが床面に当たって床面を傷つけてしまうこともない。
さらに、回動軌跡T1と回動軌跡T2,T3との交差関係を上記のように保つ場合、接続管32の軸心Cと規制部本体91の回動軸部107とは、同心円上に位置することとなる。したがって、規制部本体91を接続管32の軸心Cと略水平な位置に軸支することで、筐体90を左右方向に傾斜させることなく上下方向に沿わせた状態とすることができる。このため、規制部82(筐体90の筐体本体部95)をケース体31の下ケース34に一体に成形する場合などに、下ケース34の成形型の型開き方向である上下方向に沿うように形成できるので、スライドコアなどの可動駒を成形型に設定する必要がなく、容易に成形できるとともに成形型のコストも抑制できる。
また、規制部本体91(凸部109)を相対的に硬質の部材(合成樹脂)により形成するとともに、シャフト86を相対的に軟質の部材(合成樹脂)により形成することで、これら規制部本体91(凸部109)とシャフト86との当接による規制部本体91(凸部109)の経時的な摩耗を防止できる。この場合、シャフト86は経時的に摩耗するものの、必要以上に摩耗した場合には、回転管80のみを交換することで容易に対応できる。
さらに、規制部82をケース体31の一側方に区画された駆動室42に設けることで、接続管32(回転管80)側からケース体31の他側方に区画された制御室43へと導出されるリード線の配置などを考慮する必要がなく、レイアウトが容易になる。
そして、このような床ブラシ23を備えることにより、掃除の際の床ブラシ23の取り回しが良好で、かつ、床ブラシ23を持ち上げたときにもケース体31が接続管32に対して傾きにくく、床面を傷付けることなく床ブラシ23を容易に再載置可能な電気掃除機11を提供できる。
なお、上記一実施形態において、規制部82のシャフト86との当接位置Pの回動軌跡T1は、接続管32の軸方向から見て、シャフト86の外端86aの回動軌跡T2に対しては、1つの交点で交差、すなわち接していてもよく、内端86bの回動軌跡T3に対しては、交差しなくてもよいし、実質的に1点で接する状態であれば、僅かに離間された2点で交差していてもよい。
また、規制部本体91は、例えばコイルばね92に代えて、付勢手段としてのトーションばねによって中立位置へと付勢してもよい。
さらに、回転体としては、回転ブラシ51に限らず、例えば床ブラシ23を床面上で走行させる走行輪(駆動輪)などでもよい。
そして、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、例えば上下方向に長手状の掃除機本体12の下部に床ブラシ23の接続管32が接続された、いわゆるアップライト型などでも対応して用いることができる。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。