以下、本発明による鉄道車両用室内照明システム及び室内灯ユニットについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による鉄道車両用室内照明システムを、鉄道車両に搭載された関連要素と共に示す概略ブロック図である。
本実施の形態による鉄道車両用室内照明システムは、電気鉄道車両に搭載されている。この電気鉄道車両は、鉄道変電所(図示せず)からの所定電圧(例えば1500V)の直流電気(DC)を送電する架線1から集電するパンタグラフ2と、パンタグラフ2により集電された直流電気を所定電圧(例えば100V)の交流電気(AC)に変換するSIV(静止形インバータ)3とを備えている。この電気鉄道車両の主電源は、架線1及びパンタグラフ2による電源である。なお、架線1によって交流電気が送電される場合もあるが、その場合には、図1の示す構成はその交流電気の送電に応じて変更されることは、言うまでもない。
パンタグラフ2は、パンタグラフ2の昇降を指令するパンタグラフ操作スイッチ(図示せず)からの信号に応じて、後述する充放電回路6の出力部6bから出力される蓄電池5からの電力によって作動するパンタグラフ昇降モータ(図示せず)によって駆動されて、昇降する。当該電気鉄道車両の運転開始時に、パンタグラフ2が上昇されてパンタグラフ2が架線2に当接し、正常であれば、前記主電源は給電される。この状態が前記主電源の正常給電時である。当該電気鉄道車両の運転終了時には、パンタグラフ2が下降されてパンタグラフ2が架線2から離れ、前記主電源は正常に遮断される。
また、この電気鉄道車両は、SIV3の出力部から出力される交流電気を所定電圧(例えば100V)の直流電気に整流する整流回路4と、前記主電源の非常遮断時に室内照明関連機器以外の機器を含む所定機器に対して電力を供給する第1の蓄電部としての蓄電池5と、蓄電池5に対して充放電を行う充放電回路6と、室内灯点灯指令状態で閉じる(オンする)一方で室内灯点灯指令状態でない場合に開く(オフする)開閉器7,8と、を備えている。前記所定機器としては、VVVFインバータ制御装置、ブレーキ制御装置、列車情報管理装置、ATSなどの制御装置、尾灯や放送装置、戸閉め装置、連絡・放送装置などを挙げることができる。前記室内灯点灯指令状態は、運転士等が意図的に室内灯の点灯を指令した状態である。例えば、開閉器7,8は、図示しない室内灯操作スイッチ(室内灯の点灯・消灯を指令する操作スイッチ)に連動する。
充放電回路6は、前記主電源の正常給電時に整流回路4から出力され充放電回路6の入力部6aに入力される直流の電力を、蓄電池5に充電させるとともに充放電回路6の出力部6bから出力させる。また、充放電回路6は、前記主電源の非常遮断時に、蓄電池5に充電されている直流の電力を放電させて充放電回路6の出力部6bから出力させる。前記主電源の非常遮断は、例えば、鉄道変電所の停電や架線1の切断やパンタグラフ2の故障等により生ずる。充放電回路6は、ダイオード等を用いることにより、蓄電池5からの放電電流が充放電回路6の入力部6a側へ逆流しないように構成されている。充放電回路6には、必要に応じて、過充電防止回路や過放電防止回路等が組み込まれる。このような充放電回路6としては、具体的には、公知の種々の構成の充放電回路を採用することができる。
充放電回路6の出力部6bは、開閉器7の一方側に接続されている。また、充放電回路6の出力部6bは、前記パンタグラフ昇降モータの駆動回路の他、前記所定機器にも接続されている。SIV3の出力部は、整流回路4の入力部の他、開閉器8の一方側にも接続されている。
なお、公知のように、パンタグラフ2とSIV3との間には、ブススイッチ(BS)やSIV用断路器が介在される場合があるが、図1ではそれらは図示していない。また、前記電気鉄道車両には、パンタグラフ2からの電力を受けて、当該車両の駆動源となるモータ及びその駆動回路等を含む主回路が搭載されているが、図1では、それらは図示していない。
そして、本実施の形態による鉄道車両用室内照明システムは、図1に示すように、第1の室内灯ユニットとしての予備灯ユニット11を複数備えるとともに、第2の室内灯ユニットとしての一般灯ユニット12を複数備えている。図1では、電気鉄道車両が1両編成であり、図1に示す要素が1つの車両に搭載されているものとして示している。図1では、予備灯ユニット11の数を2個としているが、その数は2個に限らず、例えば3、4個でもよい。電気鉄道車両が複数の車両で編成される場合には、各車両毎に、複数の予備灯ユニット11及び複数の一般灯ユニット12が設けられる。この場合、図1中の要素2〜8は、車両毎に設けるのではなく、例えば2つ以上の所定数の車両毎に1組設けてもよい。
各予備灯ユニット11は、前記主電源の正常給電時に室内灯点灯指令状態で前記主電源からの電力を受けるとともに前記主電源の非常遮断時に蓄電池5からの電力を受ける第1の受電部21と、前記主電源の正常給電時及び非常遮断時に第1の受電部21が受ける電力により点灯する第1の室内灯としての予備灯22とを備えている。本実施の形態では、各予備灯ユニット11の第1の受電部21は、開閉器7の他方側に接続されることによって、前記主電源の正常給電時に室内灯点灯指令状態で前記主電源からの電力を受けるとともに前記主電源の非常遮断時に蓄電池5からの電力を受けるようになっている。本実施の形態では、予備灯22としてLED灯が用いられているが、本発明ではこれに限らない。
本実施の形態では、各予備灯ユニット11は、入力部が第1の受電部21に接続された点灯駆動回路23も備えている。点灯駆動回路23は、第1の受電部21が受ける電力により予備灯22を点灯させる。
さらに、本実施の形態では、各予備灯ユニット11は、予備灯22の点灯中を示す信号を送信する送信部としての無線送信機24も備えている。本実施の形態では、無線送信機24は、第1の受電部21が受ける電力により作動して、予備灯22の点灯中を示す信号を無線信号として送信する。本実施の形態では、全ての予備灯ユニット11に無線送信機24が設けられているが、一部の予備灯ユニット11にのみ無線送信機24を設けてもよい。なお、消費電力を低減するため、前記無線信号は断続的な信号とすることが好ましい。
各一般灯ユニット12は、前記主電源の正常給電時に室内灯点灯指令状態で前記主電源からの電力を受けるとともに前記主電源の非常遮断時に蓄電池5からの電力は受けない第2の受電部31と、第2の蓄電部としての蓄電池32と、前記主電源の正常給電時に第2の受電部31が受ける電力により点灯するとともに、前記主電源の非常遮断時に蓄電池32からの電力により点灯する第2の室内灯としての一般灯33とを備えている。本実施の形態では、各一般灯ユニット12の第2の受電部31は、開閉器8の他方側に接続されることによって、前記主電源の正常給電時に室内灯点灯指令状態で前記主電源からの電力を受けるとともに前記主電源の非常遮断時に蓄電池5からの電力は受けないようになっている。本実施の形態では、一般灯33として、予備灯22と同じくLED灯が用いられているが、本発明ではこれに限らない。
本実施の形態では、各一般灯ユニット12は、第2の受電部31が受ける交流電気を直流電気に整流する整流回路34と、蓄電池32に対して充放電を行う充放電回路35と、スイッチ36と、開閉制御回路37と、無線受信機38と、点灯駆動回路39とを更に備えている。
充放電回路35は、前記主電源の正常給電時に第2の受電部31が受けて整流回路34により整流されて充放電回路35の入力部35aに入力される直流の電力を、蓄電池32に充電させるとともに充放電回路35の出力部35bから出力させる。また、充放電回路35は、前記主電源の非常遮断時に、蓄電池32に充電されている直流の電力を放電させて充放電回路35の出力部35bから出力させる。充放電回路35は、ダイオード等を用いることにより、蓄電池32からの放電電流が充放電回路35の入力部35a側へ逆流しないように構成されている。充放電回路35には、必要に応じて、過充電防止回路や過放電防止回路等が組み込まれる。このような充放電回路35としては、具体的には、公知の種々の構成の充放電回路を採用することができる。
スイッチ36は、充放電回路35の出力部35bと点灯駆動回路39の入力部との間に接続されている。無線受信機38及び開閉制御回路37は、充放電回路35の出力部35bから出力される電力により作動する。無線受信機38は、予備灯ユニット11の無線送信機24から送信される信号(予備灯22の点灯中を示す信号)を受信する。開閉制御回路37は、無線受信機38が前記信号を受信している場合にスイッチ36を閉状態(オン状態)に制御し、無線受信機38が前記信号を受信していない場合にスイッチ36を開状態(オフ状態)に制御する。
本実施の形態では、無線受信機38が、送信部としての無線送信機24が送信する前記信号を受信する受信部を構成している。無線送信機24に代えて前記信号として有線信号を送信する送信部を用いる場合には、無線受信機38に代えて前記有線信号を受信する受信部が用いられる。
また、本実施の形態では、スイッチ36及び開閉制御回路37が、無線受信機38が前記信号を受信している場合に蓄電池32と一般灯33との間の経路を接続し、無線受信機38が前記信号を受信していない場合に蓄電池32と一般灯33との間の経路を遮断する接続・遮断手段を構成している。もっとも、前記接続・遮断手段はこのような構成に限らない。
点灯駆動回路39は、スイッチ36がオンしている場合に、充放電回路35の出力部35bから出力される電力により一般灯33を点灯させる。
本実施の形態によれば、室内灯点灯指令状態であれば、開閉器7,8がオン状態となる。この状態で、前記主電源(架線1及びパンタグラフ2による電源)の正常給電時には、整流回路4から出力され充放電回路6の入力部6aに入力される直流の電力(前記主電源からの電力)によって蓄電池5が充電される。また、室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時には、充放電回路6の入力部6aに入力される直流の電力(前記主電源からの電力)は、充放電回路6を介してその出力部6bから出力され、更にオン状態の開閉器7を介して各予備灯ユニット11の第1の受電部21に供給される。その結果、各予備灯ユニット11の予備灯22が点灯する。そして、各予備灯ユニット11の予備灯22の点灯中、無線送信機24から予備灯22の点灯中を示す信号が発信される。
また、室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時には、SIV3から出力される交流の電力が、オン状態の開閉器8を介して各一般灯ユニット12の第2の受電部31に供給され、各一般灯ユニット12の整流回路34により直流に整流される。各一般灯ユニット12において、整流回路34から出力され充放電回路35の入力部35aに入力される直流の電力(前記主電源からの電力)によって蓄電池32が充電される。室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時には、前述したように予備灯ユニット11の無線送信機24は予備灯22の点灯中を示す信号を発信し、この信号を各一般灯ユニット12の無線受信機38が受信するので、各一般灯ユニット12のスイッチ36がオンしている。このため、室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時には、各一般灯ユニット12において、充放電回路35の入力部35aに入力される直流の電力(前記主電源からの電力)は、充放電回路35を介してその出力部35bから出力され、更にオン状態のスイッチ36を介して点灯駆動回路39に供給される。その結果、各一般灯ユニット12の一般灯33が点灯する。
したがって、本実施の形態によれば、室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時には、前記主電源からの電力によって各予備灯22及び各一般灯33が点灯する。
また、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時には、蓄電池5からの電力が、充放電回路6の出力部6bから出力され、更にオン状態の開閉器7を介して各予備灯ユニット11の第1の受電部21に供給される。その結果、各予備灯ユニット11の予備灯22が点灯する。そして、各予備灯ユニット11の予備灯22の点灯中、無線送信機24から予備灯22の点灯中を示す信号が発信される。
さらに、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時には、各一般灯ユニット12において、蓄電池32からの電力が充放電回路35の出力部35bから出力される。室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時には、前述したように予備灯ユニット11の無線送信機24は予備灯22の点灯中を示す信号を発信し、この信号を各一般灯ユニット12の無線受信機38が受信するので、各一般灯ユニット12のスイッチ36がオンしている。このため、各一般灯ユニット12において、充放電回路35の出力部35bから出力された蓄電池32からの電力は、オン状態のスイッチ36を介して点灯駆動回路39に供給される。その結果、各一般灯ユニット12の一般灯33が点灯する。
したがって、本実施の形態によれば、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時には、蓄電池5からの電力によって各予備灯22が点灯するとともに、蓄電池32からの電力によって各予備灯22及び各一般灯33が点灯する。
よって、本実施の形態によれば、室内灯点灯指令状態で前記主電源が正常給電状態から非常遮断状態になってしまっても、各予備灯22のみならず各一般灯33も点灯し続ける。
なお、本実施の形態では、室内灯点灯指令状態でなければ、開閉器7はオフ状態であるので、各予備灯ユニット11の無線送信機24から前記信号が送信されることはなく、各一般灯ユニット12のスイッチ36がオフ状態となり、各一般灯33は消灯する。したがって、室内灯点灯指令状態でない場合において、一般灯33がいたずらに点灯してしまうようなことはない。
図2は、本実施の形態による鉄道車両用室内照明システムと比較される比較例による鉄道車両用室内照明システムを、鉄道車両に搭載された関連要素と共に示す概略ブロック図であり、図1に対応している。この比較例による鉄道車両用室内照明システムは、従来例による鉄道車両用室内照明システムに相当する。図2において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
この比較例が本実施の形態と異なる所は、予備灯ユニット11に代えて予備灯ユニット41が用いられ、一般灯ユニット12に代えて一般灯ユニット42が用いられている点である。
予備灯ユニット41も予備灯ユニット11と同じ前記第1の受電部21を有し、一般灯ユニット42も一般灯ユニット12と同じ前記第2の受電部31を有している。
予備灯ユニット41は、LED灯からなる予備灯22に代わる蛍光灯からなる予備灯51と、第1の受電部21が受ける直流電気を交流電気に変換するインバータ52と、インバータ52からの交流電力により予備灯51を点灯させる点灯駆動回路53とを有している。
一般灯ユニット42は、LED灯からなる一般灯33に代わる蛍光灯からなる一般灯61と、第2の受電部31が受ける交流電力により一般灯61を点灯させる点灯駆動回路62とを有している。
この比較例によれば、本実施の形態と同様に、室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時には、前記主電源からの電力によって各予備灯51及び各一般灯61が点灯する。また、この比較例によれば、本実施の形態と同様に、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時には、蓄電池5からの電力によって各予備灯51が点灯する。
しかし、この比較例によれば、本実施の形態と異なり、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時には、点灯駆動回路62に電力が供給されなくなってしまうので、各一般灯61は消灯してしまう。
したがって、この比較例によれば、前記主電源の非常遮断時には、予備灯51間では十分な明るさが得られず、乗客は不安を感じてしまう。
これに対し、本実施の形態によれば、前述したように、前記主電源が正常給電状態から非常遮断状態になってしまっても、各予備灯22のみならず各一般灯33も点灯し続ける。このため、本実施の形態によれば、主電源の非常遮断時に同時に点灯する室内灯の数を増やすことができ、主電源の非常遮断時の室内の明るさを増すことができ、ひいては、主電源の非常遮断時の乗客の不安感を低減することができる。
そして、本実施の形態によれば、第1の受電部21を備えているので、鉄道車両における前記第1の受電部21までの回路・配線として、図2に示す前記従来の鉄道車両用室内照明システムを搭載した鉄道車両における第1の受電部21までの回路・配線を利用することができる。また、本実施の形態によれば、第2の受電部31を備えているので、鉄道車両における第2の受電部31までの回路・配線として、図2に示す前記従来の鉄道車両用室内照明システムを搭載した鉄道車両における第2の受電部31までの回路・配線を利用することができる。したがって、図2に示すような前記従来の鉄道車両用室内照明システムを搭載した鉄道車両を改造して、当該鉄道車両に本実施の形態による鉄道車両用室内照明システムを搭載する場合、予備灯ユニット41を予備灯ユニット11に置き換え、一般灯ユニット42を一般灯ユニット12で置き換えるだけで済み、その改造が小規模で済む。
また、本実施の形態によれば、蓄電池32は、室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時に、第2の受電部31が受ける前記主電源からの電力によって充電される。したがって、蓄電池32に対する充電経路として、鉄道車両における第2の受電部31までの回路・配線を利用することができる。
さらに、本実施の形態によれば、無線送信機24、無線受信機38、開閉制御回路37及びスイッチ36を備えているので、簡単な構成で、一般灯33の点灯を予備灯22の点灯に連動して行わせることができる。
さらにまた、無線送信機24と無線受信機38との間で無線信号を授受するので、その間の配線が不要となり、鉄道車両に対する設置作業が容易となる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態による鉄道車両用室内照明システムを、鉄道車両に搭載された関連要素と共に示す概略ブロック図であり、図1に対応している。図3において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、予備灯ユニット11に代えて予備灯ユニット71が用いられている点である。
予備灯ユニット71が予備灯ユニット11と異なる所は、予備灯ユニット71では、予備灯ユニット11において、第3の蓄電部としての蓄電池72と、蓄電池72に対して充放電を行う充放電回路73と、開閉器7,8と同じ開閉状態(オンオフ状態)となるように開閉器7,8と連動する開閉器74とが、追加されている点である。
充放電回路73は、第1の受電部21が受けて充放電回路73の入力部73aに入力される直流の電力を、蓄電池72に充電させるとともに充放電回路73の出力部73bから出力させる。また、充放電回路73は、前記主電源の非常遮断時に、蓄電池72に充電されている直流の電力を放電させて充放電回路73の出力部73bから出力させる。充放電回路73は、ダイオード等を用いることにより、蓄電池72からの放電電流が充放電回路73の入力部73a側へ逆流しないように構成されている。充放電回路73には、必要に応じて、過充電防止回路や過放電防止回路等が組み込まれる。
開閉器74は、充放電回路73の出力部73bと点灯駆動回路23の入力部との間に接続されている。開閉器74は、開閉器7,8と同じく、室内灯点灯指令状態で閉じる(オンする)一方で、室内灯点灯指令状態でない場合に開く(オフする)。
本実施の形態によれば、基本的には、前記第1の実施の形態と同様の動作を行い、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
そして、本実施の形態では、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時において、蓄電池5のバッテリ残量がなくなった場合、各予備灯ユニット71において、蓄電池72からの電力が、充放電回路73の出力部73bから出力され、更にオン状態の開閉器74を介して点灯駆動回路23に供給される。その結果、各予備灯ユニット71の予備灯22が点灯し続ける。
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態に比べて、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時において各予備灯22が点灯する時間が長くなり、ひいては、主電源の非常遮断時の乗客の不安感をより低減することができる。
なお、蓄電池72は、室内灯点灯指令状態で前記主電源の正常給電時に、第1の受電部21が受ける前記主電源からの電力によって充電される。したがって、蓄電池72に対する充電経路として、鉄道車両における第1の受電部21までの回路・配線を利用することができる。
また、本実施の形態では、室内灯点灯指令状態でなければ、開閉器74はオフ状態であるので、各予備灯22は消灯する。したがって、室内灯点灯指令状態でない場合において、予備灯22がいたずらに点灯してしまうようなことはない。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明の第3の実施の形態による鉄道車両用室内照明システムを、鉄道車両に搭載された関連要素と共に示す概略ブロック図であり、図1に対応している。図4において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図5は、本実施の形態による鉄道車両用室内照明システムにおける各室内灯ユニット(一般灯ユニット82)のスイッチ36の動作例を示すタイミングチャートである。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、予備灯ユニット11に代えて予備灯ユニット81が用いられている点と、一般灯ユニット12に代えて一般灯ユニット82が用いられている点と、給電状態検知部91、信号生成回路92、無線送信機93、蓄電池94及び充放電回路95が追加されている点である。
予備灯ユニット81が予備灯ユニット11と異なる所は、予備灯ユニット81では、予備灯ユニット11において、無線送信機24が取り除かれている点である。
充放電回路95は、前記主電源の正常給電時に整流回路4から出力され充放電回路95の入力部95aに入力される直流の電力を、蓄電池94に充電させるとともに充放電回路95の出力部95bから出力させる。また、充放電回路95は、前記主電源の非常遮断時に、蓄電池94に充電されている直流の電力を放電させて充放電回路95の出力部95bから出力させる。充放電回路95は、ダイオード等を用いることにより、蓄電池94からの放電電流が充放電回路95の入力部95a側へ逆流しないように構成されている。信号生成回路92及び無線送信機93は、充放電回路95の出力部95bから出力される電力により作動する。蓄電池94の電力は信号生成回路92及び無線送信機93の作動に用いられるのみでありその消費電力は少ないので、蓄電池94の容量は小さくて済む。所定期間で交換することを前提とすれば、信号生成回路92及び無線送信機93の電源として、蓄電池94及び充放電回路95に代えて1次電池を用いてもよい。
給電状態検知部91は、例えば電圧計が用いられ、前記主電源が給電されているか否かを検知する。信号生成回路92は、給電状態検知部91からの給電・非給電検知信号と、図示しない室内灯操作スイッチ(室内灯の点灯・消灯を指令する操作スイッチ)からの信号(室内灯操作スイッチ信号)と、図示しないパンタグラフ操作スイッチ(パンタグラフの上昇・下降を指令する操作スイッチ)からの信号(パンタグラフ操作スイッチ信号)とに基づいて、各一般灯ユニット82へ送信する信号の元となる信号を生成する。本実施の形態では、信号生成回路92は、後述する時間T1,T2を計時する計時機能も有している。無線送信機93は、信号生成回路92により生成された信号を無線信号として各一般灯ユニット82宛てに送信する。なお、消費電力を低減するため、前記無線信号は断続的な信号とすることが好ましい。
本実施の形態では、図5に示すように、各一般灯ユニット82は、予め4つのグループに分けられている。本実施の形態では、前記パンタグラフ操作スイッチ信号が「上昇」を示しかつ前記室内灯操作スイッチ信号が「オン」を示しかつ給電・非給電検知信号が「給電」を示す場合に、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」とする。また、前記パンタグラフ操作スイッチ信号が「上昇」を示しかつ前記室内灯操作スイッチ信号が「オン」を示しかつ給電・非給電検知信号が「非給電」を示す場合に、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」とする。
図5に示す例では、時点t1までの期間が「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間であり、時点t1以降の期間が「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間となっている。無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間では、全ての一般灯ユニット82がオンするような無線信号を、全ての一般灯ユニット82宛てに送信する。
無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、時点t1から時点t2(時点t1から時間T1後の時点)までの期間では、第1グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオフし、時点t2以降の期間では、第1グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオンするような無線信号を、第1グループの一般灯ユニット82宛てに送信する。
無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、時点t1から時点t3(時点t2から時間T2後の時点)までの期間では、第2グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオフし、時点t3以降の期間では、第2グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオンするような無線信号を、第2グループの一般灯ユニット82宛てに送信する。
無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、時点t1から時点t4(時点t3から時間T2後の時点)までの期間では、第3グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオフし、時点t4以降の期間では、第3グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオンするような無線信号を、第3のグループの一般灯ユニット82宛てに送信する。
無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、時点t1から時点t5(時点t4から時間T2後の時点)までの期間では、第4グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオフし、時点t5以降の期間では、第4グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオンするような無線信号を、第4グループの一般灯ユニット82宛てに送信する。
時間T1は、例えば、主電源の非常遮断時に蓄電池5の電力によって予備灯22が点灯し得る時間よりもやや短い程度の時間に設定される。時間T2は、例えば、主電源の非常遮断時に蓄電池32の電力によって一般灯33が点灯し得る時間よりもやや短い程度の時間に設定される。
また、本実施の形態では、無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間において、全ての一般灯ユニット82宛てに当該一般灯ユニット82の点灯駆動回路に100%の点灯レベルで一般灯33を駆動するように指令するような無線信号を送信する。さらに、無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、全ての一般灯ユニット82宛てに当該一般灯ユニット82の点灯駆動回路に100%よりも低い点灯レベル(例えば、70%〜80%)で一般灯33を駆動するように指令するような無線信号を送信する。
さらに、本実施の形態では、無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間でもなく「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間でもない期間において、全ての一般灯ユニット82宛てに当該一般灯ユニット82のスイッチ36がオフするような無線信号を送信する。
本実施の形態では、各一般灯ユニット82の無線受信機38は、無線送信機93から送信された自身の一般灯ユニット82宛ての無線信号を識別して受信し、その信号の前述した内容に応じて当該一般灯ユニット82の開閉制御回路37及び点灯駆動回路39が作動し、当該一般灯ユニット82のスイッチ36のオンオフ及び点灯レベルが決定される。
本実施の形態によれば、例えば図5に示す例では、時点t1までの「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間では、全ての予備灯ユニット81の予備灯22及び全ての一般灯ユニット82の一般灯33が、前記主電源からの電力によって、100%のレベルで点灯する。そして、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間では、各予備灯22は、蓄電池5からの電力によって時点t1から点灯を開始し(したがって、時点t1以降もそのまま点灯を継続し)、第1グループの一般灯ユニット82の一般灯33は、期間t1−t2で一旦消灯した後に、時点t2から当該一般灯ユニット82の蓄電池32からの電力によって点灯を開始し、第2グループの一般灯ユニット82の一般灯33は、期間t1−t3で一旦消灯した後に、時点t3から当該一般灯ユニット82の蓄電池32からの電力によって点灯を開始し、第3グループの一般灯ユニット82の一般灯33は、期間t1−t4で一旦消灯した後に、時点t4から当該一般灯ユニット82の蓄電池32からの電力によって点灯を開始し、第4グループの一般灯ユニット82の一般灯33は、期間t1−t5で一旦消灯した後に、時点t5から当該一般灯ユニット82の蓄電池32からの電力によって点灯を開始する。
本実施の形態では、信号生成回路92、無線送信機93、並びに、各一般灯ユニット82の無線受信機38、開閉制御回路37及びスイッチ36が、前記主電源の非常遮断時における予備灯22及び各グループの一般灯ユニット82の一般灯33の点灯開始タイミングが互いにずれるように制御する制御手段を構成している。
本実施の形態によれば、基本的には、前記第1の実施の形態と同様の動作を行い、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
そして、本実施の形態によれば、前記主電源の非常遮断時における予備灯22及び各グループの一般灯ユニット82の一般灯33の点灯開始タイミングが互いにずれるので、前記主電源の非常遮断時において、予備灯22及び各グループの一般灯ユニット82の一般灯33が同時に時点t1から点灯を開始する場合に比べて、室内灯22,33のいずれかが点灯している期間を延長することができる。したがって、本実施の形態によれば、前記主電源の非常遮断時におけるいずれかの室内灯22,33が点灯している点灯期間を長くすることができ、ひいては、前記主電源の非常遮断時の乗客の不安感を低減することができる。
また、本実施の形態によれば、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、全ての一般灯ユニット82の一般灯33が100%よりも低い点灯レベルで点灯されるので、全ての一般灯ユニット82の一般灯33が100%の点灯レベルで点灯される場合に比べて、蓄電池32の容量を増大させることなく、図5中の時間T2を長くすることができる。したがって、本実施の形態によれば、室内灯22,33のいずれかが点灯している期間を更に延長することができ、ひいては、前記主電源の非常遮断時の乗客の不安感をより低減することができる。もっとも、本発明では、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間においても、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間と同じく、全ての一般灯ユニット82の一般灯33が100%の点灯レベルで点灯されるようにしてもよい。
なお、本発明では、前記グループの数は、前述した数に限らない。また、本発明では、一部の一般灯ユニット82の一般灯33が、予備灯22と同じく、時点t1から点灯を開始する(したがって、時点t1以降もそのまま点灯を継続する)ようにしてもよい。
また、本実施の形態では、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、時間T2を基準にして各グループの一般灯ユニット82の一般灯33の点灯開始タイミングを順次ずらしているが、本発明ではこれに限らない。例えば、蓄電池32のバッテリ残量を基準にして各グループの一般灯ユニット82の一般灯33の点灯開始タイミングを順次ずらしてもよい。この場合、例えば、各グループ毎に、当該グループの1つの蓄電池32にバッテリ残量を検知する残量検知器を設け、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、第1グループの一般灯ユニット82の蓄電池32のバッテリ残量が所定量以下になったときに、第2グループの一般灯ユニット82の一般灯33の点灯を開始させ、第2グループの一般灯ユニット82の蓄電池32のバッテリ残量が所定量以下になったときに、第3グループの一般灯ユニット82の一般灯33の点灯を開始させ、第3グループの一般灯ユニット82の蓄電池32のバッテリ残量が所定量以下になったときに、第4グループの一般灯ユニット82の一般灯33の点灯を開始させていくようにしてもよい。
[第4の実施の形態]
図6は、本発明の第4の実施の形態による鉄道車両用室内照明システムにおける各室内灯ユニット(一般灯ユニット82)のスイッチ36の動作例を示すタイミングチャートであり、図5に対応している。
本実施の形態が前記第3の実施の形態と異なる所は、前記第4の実施の形態では、無線送信機93は、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、図5に示すように各グループの一般灯ユニット82のスイッチ36をオンオフするような無線信号を送信するのに対し、本実施の形態では、無線送信機93は、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、図6に示すように全グループの一般灯ユニット82のスイッチ36がオン状態を維持するような無線信号を送信する点である。
本実施の形態によれば、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、予備灯22のみならず全ての一般灯33も、時点t1から点灯を開始する(したがって、時点t1以降もそのまま点灯を継続する)。したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
また、本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様に、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、全ての一般灯ユニット82の一般灯33が100%よりも低い点灯レベルで点灯されるので、全ての一般灯ユニット82の一般灯33が100%の点灯レベルで点灯される場合に比べて、蓄電池32の容量を増大させることなく、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において一般灯ユニット82が点灯する時間を長くすることができ、ひいては、前記主電源の非常遮断時の乗客の不安感をより低減することができる。もっとも、本発明では、本実施の形態を変形して、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間においても、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間と同じく、全ての一般灯ユニット82の一般灯33が100%の点灯レベルで点灯されるようにしてもよい。
[第5の実施の形態]
図7は、本発明の第5の実施の形態による鉄道車両用室内照明システムを、鉄道車両に搭載された関連要素と共に示す概略ブロック図であり、図4に対応している。図7において、図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図8は、本実施の形態による鉄道車両用室内照明システムにおける各室内灯ユニット(一般灯ユニット82,予備灯ユニット101)のスイッチ36,104の動作例を示すタイミングチャートであり、図5に対応している。
本実施の形態が前記第3の実施の形態と異なる所は、予備灯ユニット81に代えて予備灯ユニット101が用いられている点と、無線送信機93が、信号生成回路92の動作に従って、予備灯ユニット101の無線受信機106が受信する信号も送信する点である。
予備灯ユニット101が予備灯ユニット81と異なる所は、予備灯ユニット101では、予備灯ユニット81において、第3の蓄電部としての蓄電池102と、蓄電池102に対して充放電を行う充放電回路103と、スイッチ104と、開閉制御回路105と、無線受信機106とが、追加されている点である。
充放電回路103は、第1の受電部21が受けて充放電回路103の入力部103aに入力される直流の電力を、蓄電池102に充電させるとともに充放電回路103の出力部103bから出力させる。また、充放電回路103は、前記主電源の非常遮断時に、蓄電池102に充電されている直流の電力を放電させて充放電回路103の出力部73bから出力させる。充放電回路103は、ダイオード等を用いることにより、蓄電池102からの放電電流が充放電回路103の入力部103a側へ逆流しないように構成されている。充放電回路103には、必要に応じて、過充電防止回路や過放電防止回路等が組み込まれる。
スイッチ104は、充放電回路103の出力部103bと点灯駆動回路23の入力部との間に接続されている。無線受信機106及び開閉制御回路105は、充放電回路103の出力部103bから出力される電力により作動する。無線受信機106は、無線送信機93から送信される無線信号を受信する。開閉制御回路105は、無線受信機38が受信する前記信号に応じてスイッチ104を閉状態(オン状態)又は開状態(オフ状態)に制御する。本実施の形態では、点灯駆動回路23は、一般灯ユニット82の点灯駆動回路39と同様に、無線受信機106が受信する信号が示す点灯レベルで予備灯22を点灯させる。
本実施の形態では、図8に示すように、無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間及び「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、全ての予備灯ユニット101宛てに当該予備灯ユニット101のスイッチ104がオン状態を維持するような無線信号も送信する。また、本実施の形態では、無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間でもなく「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間でもない期間において、全ての予備灯ユニット101宛てに当該予備灯ユニット101のスイッチ104がオフするような無線信号を送信する。
また、本実施の形態では、無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間において、全ての予備灯ユニット101宛てに当該予備灯ユニット101の点灯駆動回路に100%の点灯レベルで予備灯22を駆動するように指令するような無線信号を送信する。さらに、無線送信機93は、信号生成回路92の動作に従って、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、全ての予備灯ユニット101宛てに当該予備灯ユニット101の点灯駆動回路に100%よりも低い点灯レベル(例えば、70%〜80%)で予備灯22を駆動するように指令するような無線信号を送信する。
本実施の形態では、各予備灯ユニット101の無線受信機106は、無線送信機93から送信された自身の予備灯ユニット101宛ての無線信号を識別して受信し、その信号の前述した内容に応じて当該予備灯ユニット101の開閉制御回路105及び点灯駆動回路23が作動し、当該予備灯ユニット101のスイッチ104のオンオフ及び点灯レベルが決定される。
本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様の利点が得られる。
また、本実施の形態によれば、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において、全ての予備灯ユニット101の予備灯22が100%よりも低い点灯レベルで点灯されるので、全ての予備灯ユニット101の予備灯22が100%の点灯レベルで点灯される場合に比べて、蓄電池5,102の容量を増大させることなく、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間において予備灯22が点灯する時間(ひいては、時間T1)を延長することができる。したがって、本実施の形態によれば、前記主電源の非常遮断時の乗客の不安感をより低減することができる。もっとも、本発明では、「室内灯点灯指令状態での主電源の非常遮断」の期間においても、「室内灯点灯指令状態での主電源の正常給電」の期間と同じく、全ての予備灯ユニット101の予備灯22が100%の点灯レベルで点灯されるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時において、蓄電池5のバッテリ残量がなくなった場合、各予備灯ユニット101において、蓄電池102からの電力が、充放電回路103の出力部103bから出力され、更にオン状態のスイッチ104を介して点灯駆動回路23に供給される。その結果、各予備灯ユニット101の予備灯22が点灯し続ける。したがって、本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態に比べて、室内灯点灯指令状態で前記主電源の非常遮断時において各予備灯22が点灯する時間(ひいては、時間T1)を長くすることができる。もっとも、本発明では、蓄電池102及び充放電回路103を取り除いて、充放電回路103の出力部103bが接続されていた箇所を第1の受電部21に接続してもよい。
なお、本発明では、前記第3の実施の形態を変形して前記第4の実施の形態を得たのと同様の変形を、本実施の形態に適用してもよい。
[第6の実施の形態]
図9は、本発明の第6の実施の形態による鉄道車両用室内照明システムを、鉄道車両に搭載された関連要素と共に示す概略ブロック図であり、図1に対応している。図9において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、一般灯33及び点灯駆動回路23を1組ずつ有する2つの一般灯ユニット12が、一般灯33及び点灯駆動回路23を2組有する1つの一般灯ユニット112に集約されている点である。各一般灯ユニット112では、1組の要素31,32,34〜38が、2組の一般灯33及び点灯駆動回路23に対して共通化されている。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態に比べて、部品点数を減らすことができる。
なお、本発明では、一般灯33及び点灯駆動回路23を1組ずつ有する3つ以上の一般灯ユニット12を、本実施の形態と同様に、一般灯33及び点灯駆動回路23を2組有する1つの一般灯ユニットに集約してもよい。
また、本発明では、前記第1の実施の形態を変形して本実施の形態を得たのと同様の変形を、前記第2乃至第5の実施の形態に適用してもよい。
以上、本発明の各実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明による鉄道車両用室内照明システムが搭載される鉄道車両は、電気鉄道車両に限らず、ディーゼル鉄道車両等でもよい。