JP6569571B2 - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置及び信号処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6569571B2
JP6569571B2 JP2016051220A JP2016051220A JP6569571B2 JP 6569571 B2 JP6569571 B2 JP 6569571B2 JP 2016051220 A JP2016051220 A JP 2016051220A JP 2016051220 A JP2016051220 A JP 2016051220A JP 6569571 B2 JP6569571 B2 JP 6569571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
acoustic signal
acoustic
channel
surround
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016051220A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017168983A (ja
Inventor
良太郎 青木
良太郎 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2016051220A priority Critical patent/JP6569571B2/ja
Priority to US15/458,377 priority patent/US9998844B2/en
Priority to EP17161060.3A priority patent/EP3220666B1/en
Publication of JP2017168983A publication Critical patent/JP2017168983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6569571B2 publication Critical patent/JP6569571B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S5/00Pseudo-stereo systems, e.g. in which additional channel signals are derived from monophonic signals by means of phase shifting, time delay or reverberation 
    • H04S5/005Pseudo-stereo systems, e.g. in which additional channel signals are derived from monophonic signals by means of phase shifting, time delay or reverberation  of the pseudo five- or more-channel type, e.g. virtual surround
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S2400/00Details of stereophonic systems covered by H04S but not provided for in its groups
    • H04S2400/01Multi-channel, i.e. more than two input channels, sound reproduction with two speakers wherein the multi-channel information is substantially preserved
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S2400/00Details of stereophonic systems covered by H04S but not provided for in its groups
    • H04S2400/05Generation or adaptation of centre channel in multi-channel audio systems
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S2420/00Techniques used stereophonic systems covered by H04S but not provided for in its groups
    • H04S2420/07Synergistic effects of band splitting and sub-band processing

Description

本発明は、2チャンネルの音楽信号からマルチチャンネルの音楽信号を生成する技術に関する。
従来、聴者を取り囲むように複数のスピーカを配置し、各スピーカから聴者を包み込むように音を出力することで臨場感を高めるマルチチャンネルサラウンド技術がある。マルチチャンネルサラウンド技術における各スピーカの配置位置としては、例えば、センタチャンネルスピーカC、左フロントスピーカL、右フロントスピーカR、左サラウンドスピーカSL及び右サラウンドスピーカSRの5台を配置するものがある。左フロントスピーカL及び右フロントスピーカRは、聴者から見て正面の左側及び右側の各々に配置され、聴者の正面左側、真正面あるいは正面右側の音像の定位に用いられる。左サラウンドスピーカSL及び右サラウンドスピーカSRの各々は、聴者の左側方(又は左後方)及び右側方(又は右後方)に配置され、聴者の側方や後方の音像の定位や無定位の音の再生に用いられる。センタチャンネルスピーカCは、聴者の真正面に配置され、例えば映画の台詞のように聴者の正面に定位する音の再生に用いられる。この種のマルチチャンネルサラウンド技術は、例えば、映画館などにおける音響再生に利用されることが多かったが、近年では、所謂ホームシアターやテレビゲームなどにおける再生にも利用されている。
ホームシアターやテレビゲームにおいて臨場感に富んだ音響再生を行うには、再生対象の音響信号がマルチチャンネルサラウンドに対応したものであることが必要となる。このため、従来のステレオ方式で録音が行われた映画DVD(Digital Versatile Disk)等を、マルチチャンネルサラウンドに対応した機器で再生したとしても、臨場感のある音を楽しむことができない。そこで、このような問題を解決するために左右の2チャンネルのステレオオーディオ信号に個別のチャンネルを抜き出せるように予め信号処理を施しておき、マルチチャンネルサラウンドシステムの各スピーカに与えるオーディオ信号を生成する技術(以下、アップミキシング技術)が種々提案されている。アップミキシング技術としては、例えば、Dolby Pro Logic(登録商標)や特許文献1に開示された技術がある。
Dolby Pro Logic(登録商標)のマトリックス信号処理では、例えば、左右の2チャンネルのオーディオ信号(左チャンネルオーディオ信号及び右チャンネルオーディオ信号)の各々を、ゲイン調整しつつ加算(あるいは減算)してマルチチャンネルサラウンドシステムの各スピーカに与えるオーディオ信号を生成する。例えば、サラウンドスピーカに与えるオーディオ信号は、左チャンネルオーディオ信号から右チャンネルオーディ信号を減算した信号(L−R)として生成される。この場合、サラウンドスピーカに与えるオーディオ信号は、左右のチャンネルのオーディオ信号における逆相成分として抜き出される。
米国特許第7003467号公報
上記したDolby Pro Logic(登録商標)等のアップミキシング技術は、映画コンテンツのように台詞やBGMなどが明確に分離している複数の信号を、左右の2ch信号にダウンミックスする処理には適している。一方で、通常の音楽信号等のダウンミックスされていない音響信号に対して、上記したマトリックス信号処理を行ってチャンネルを拡張すると、例えば、出音タイミングを意図的にずらすための遅延(エフェクト)などが逆相成分(サラウンドチャンネル)の信号であると誤って判断され、意図しない再生処理がなされる虞がある。このため、上記した映画等を対象としたアップミキシング技術とは異なる2チャンネルの音響信号からマルチチャンネルオーディオ信号を生成する技術が求められている。
本願は、上記の課題に鑑み提案されたものであって、2チャンネルの音響信号からマルチチャンネル音響信号を生成することができる信号処理装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
本願に係る信号処理装置は、第1音響信号の信号レベルと、第1音響信号と異なるチャンネルの音響信号である第2音響信号の信号レベルとを用いて演算を実施する演算手段と、演算前の第1音響信号及び第2音響信号のうち、少なくとも一方の信号の信号レベルと、演算手段の演算結果とを比較した結果に基づいて、第1音響信号を出音する位置と、第2音響信号を出音する位置との間の位置から出音するための第3音響信号の成分が、第1音響信号及び第2音響信号に含まれているか否かを判定する判定手段と、第3音響信号の成分が含まれていると判定手段が判定した場合に、第1音響信号及び第2音響信号から第3音響信号を生成する信号生成手段と、を備えることを特徴とする。
当該信号処理装置の判定手段は、2チャンネルの第1音響信号及び第2音響信号の各々の信号レベルと、この2つの信号を演算した値とを比較することで、第3音響信号の成分が含まれているか否かを判定する。第3音響信号の成分が含まれていると判定手段が判定した場合に、信号生成手段は、第1音響信号及び第2音響信号から第3音響信号を生成する。これにより、当該信号処理装置では、演算前の信号と、2つの信号の演算結果とを比較することで第3音響信号の成分の有無を判定しながら、必要に応じて第3音響信号を生成しチャンネル数を拡張することができる。このため、一般的な音楽信号等のマトリックス信号処理等を前提としない音響信号において、2チャンネルの第1音響信号及び第2音響信号から第3音響信号の成分の有無を判定してチャンネル拡張を実施することができる。なお、本願における音響信号としては、音楽信号に限らず、例えば、動画とともに使用される映画用の音響信号を含む。
また、本願に係る信号処理装置において、第1音響信号及び第2音響信号は、フロント側のチャンネルの音響信号であり、演算手段は、第1音響信号及び第2音響信号のどちらか一方の信号レベルから、どちらか他方の信号レベルを減算し、判定手段は、演算手段の演算結果に基づいて、第1音響信号及び第2音響信号に逆相成分が含まれているか否かを判定する逆相判定手段を有し、逆相成分が含まれていると判定した場合に、第1音響信号から第2音響信号を減算した信号を、サラウンドチャンネル信号として出力するサラウンド生成手段を、さらに備える構成でもよい。
当該信号処理装置では、判定手段の逆相判定手段は、演算手段による信号レベルの減算結果を用いた判定で、従来の映画コンテンツ等で使用されているマトリックス信号処理を前提する逆相成分(サラウンド成分など)が第1音響信号及び第2音響信号に含まれているか否かを判定することが可能となる。また、サラウンド生成手段は、逆相判定手段の判定結果に応じて、サラウンドチャンネル信号を生成する。これにより、従来のマトリックス信号処理を前提とした逆相成分を含む音響信号に対しても、チャンネルの拡張処理を実行することが可能となる。
また、本願に係る信号処理装置において、判定手段は、第1音響信号の信号レベルをA1、第2音響信号の信号レベルをA2とした場合に、(A1+A2)>A1、(A1+A2)>A2、(A1−A2)<A1、(A1−A2)<A2、の4つの条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合に、第1音響信号及び第2音響信号に第3音響信号の成分が含まれていると判定する構成でもよい。
判定手段は、4つの条件式のうち少なくとも1つを満たすと、第1音響信号及び第2音響信号に第3音響信号の成分が同相成分として含まれていると判定する。これにより、同相成分である第3音響信号の成分の有無に応じて、チャンネル拡張を実施できる。
また、逆相判定手段は、第1音響信号の信号レベルをA1、第2音響信号の信号レベルをA2とした場合に、(A1−A2)>A1、(A1−A2)>A2、(A1−A2)>(A1+A2)、の3つの条件のうち、少なくとも1つの条件を満たす場合に、第1音響信号及び第2音響信号に逆相成分が含まれていると判定する構成でもよい。
逆相判定手段は、3つの条件式のうち少なくとも1つを満たすと、マトリックス信号処理を前提する逆相成分(サラウンド成分など)が、第1音響信号及び第2音響信号に含まれていると判定する。これにより、逆相成分の有無に応じて、サラウンドチャンネル信号を生成し、チャンネル拡張を実施できる。
また、本願に係る信号処理装置において、逆相判定手段は、第1音響信号の信号レベルと、第2音響信号の信号レベルとを比較し、サラウンドチャンネル信号がステレオ信号かモノラル信号かを判定し、判定結果に応じて複数のサラウンドチャンネルのうち、いずれのチャンネルからサラウンドチャンネル信号を出力するのかを選択する構成でもよい。
逆相判定手段は、第1音響信号と第2音響信号の信号レベルを比較することで、サラウンドチャンネル信号がステレオ信号かモノラル信号かを判定する。そして、判定結果に応じて、生成したサラウンドチャンネル信号を、サラウンドレフト、サラウンドライト、サラウンドバックなどに適切に分配することが可能となる。
また、本願に係る信号処理装置において、判定手段は、第1音響信号及び第2音響信号の信号レベルが基準値以下の場合に、第1音響信号及び第2音響信号に第3音響信号の成分が含まれていると判定する構成でもよい。
例えば、L,Rの2chの音響信号では、ボーカル曲においては、前奏や間奏においてボーカルの歌声が含まれず信号レベルが小さくなり、センターチャンネルの音響信号成分がL,Rチャンネルの音響信号に含まれているのか否かを精度よく判定できない虞がある。ここでいう、L,Rチャンネルの音響信号は、第1音響信号及び第2音響信号の一例である。また、センターチャンネルの音響信号成分は、第3音響信号の成分の一例である。判定手段は、第1音響信号及び第2音響信号の信号レベルが規定値以下の場合に、第3音響信号の成分が含まれているものとして処理を実行することで、上記した前奏等においても第3音響信号を抽出することができる。
また、本願に係る信号処理装置において、信号生成手段が抽出した第3音響信号を帯域ごとに分割する帯域分割手段と、帯域分割手段によって分割した各帯域のうち、信号レベルが最も大きくなる帯域を検出する最大レベル検出手段と、最大レベル検出手段によって検出した帯域に対応する信号を、第3音響信号として出力する抽出手段と、をさらに備える構成でもよい。
帯域分割手段は、信号生成手段が抽出した第3音響信号を、複数の帯域に分割する。最大レベル検出手段は、複数の帯域のうち、最も信号レベルが大きい帯域を検出する。抽出手段は、最も信号レベルが大きい帯域の信号を第3音響信号として抽出する。これにより、再生時間毎に変化する最大信号レベルの帯域を検出し、その帯域の音を第3音響信号として出力し適切な帯域の音を強調することができる。
また、本願に係る信号処理装置において、判定手段は、第1音響信号及び第2音響信号がモノラル信号であるか否かを判定するモノラル信号判定手段を有し、モノラル信号判定手段は、第1音響信号及び第2音響信号がモノラル信号である場合に、抽出手段に対して第3音響信号の全帯域を出力するように制御する構成でもよい。
モノラル信号判定手段は、第1音響信号及び第2音響信号がモノラル信号である場合に、第3音響信号として全ての帯域の信号を出力させる。これにより、モノラル信号であるにも係わらず、特定の帯域の音が強調されることを防止することが可能となる。
また、本願に係る発明は、信号処理装置に限らず、2つの音響信号をマルチチャンネルに拡張する信号処理方法としても実施しうるものである。
本願に係る信号処理装置等によれば、2チャンネルの音響信号からマルチチャンネル音響信号を生成することができる。
第1実施形態に係る信号処理装置の接続及びスピーカの配置を示す概略図である。 第1実施形態に係る信号処理装置のブロック図である。 第1実施形態に係る信号処理装置のブロック図である。 センター成分抽出部によるセンター成分の抽出条件を示す図である。 センター成分の最大音量の帯域が変化した場合に、最大レベル検出部が調整するゲイン値の一例を示す図である。 入力信号のチャンネル数及び出力信号のチャンネル数の組み合わせと、チャンネル数の変更に必要な処理内容を示す図である。 第2実施形態に係る信号処理装置のブロック図である。 第2実施形態に係る信号処理装置のブロック図である。 第3実施形態に係る信号処理装置のブロック図である。 別例における信号処理装置に追加で接続して音響効果を付与する回路のブロック図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の信号処理装置を具体化した一実施形態について説明する。図1は、信号処理装置の接続及びスピーカの配置の概略を示す図である。図1に示すように、信号処理装置10には、コンテンツ再生装置11と、5つのスピーカ13〜スピーカ17とが接続されている。コンテンツ再生装置11は、例えば、CD・DVD等の光ディスク再生装置や、テレビチューナ等のような様々な音響信号を出力する装置である。
聴取者Uは、例えば、リスニングルーム19の中央でコンテンツ再生装置11によって出力され、信号処理装置10によって信号処理された音楽等を聴取する。第1実施形態の信号処理装置10は、例えば、ステレオの2チャンネルの音楽信号(入力信号Lin,Rin)をコンテンツ再生装置11から入力して、マルチチャンネルの5チャンネルの音楽信号(出力信号Lout,Rout,Cout,SLout,SRout)を生成する。ここでいうL,C,R,SL,SRの各々は、それぞれレフト(左)、センター、ライト(右)、サラウンドレフト、サラウンドライトのチャンネルを示している。例えば、「Lin」は、左チャンネルの入力信号を示している。
信号処理装置10は、センター用の出力信号Coutをスピーカ14から出力する。また、信号処理装置10は、フロント側の出力信号Lout,Routのうち、レフト用の出力信号Loutをスピーカ13から、ライト用の出力信号Routをスピーカ15からそれぞれ出力する。また、信号処理装置10は、サラウンドチャンネルの出力信号SLout,SRoutのうち、サラウンドレフト用の出力信号SLoutをスピーカ16から、サラウンドライト用の出力信号SRoutをスピーカ17からそれぞれ出力する。
スピーカ13〜スピーカ17は、例えば、「ITU−R BS・775勧告」に基づくスピーカ配置で聴取者Uの周囲に配置されている。例えば、センター用のスピーカ14は、レフト用のスピーカ13と、ライト用のスピーカ15との間の中央に配置されている。レフト用のスピーカ13の放音方向は、聴取者Uの聴取位置を中心にセンター用のスピーカ14の放音方向から左回りに30度となるように設定されている。同様に、ライト用のスピーカ15の放音方向は、聴取者Uの聴取位置を中心にセンター用のスピーカ14の放音方向から右回りに30度となるように設定されている。
<センターチャンネルの出力信号Coutの生成について>
図2及び図3は、第1実施形態の信号処理装置10のブロック図を示している。図2に示すように、信号処理装置10は、センター成分抽出部21と、特定帯域強調部31とを有する。センター成分抽出部21、特定帯域強調部31及び後述するサラウンド生成部61,71(図3参照)等は、例えば、音響処理用のDSP(Digital Signal Processor)が所定のプログラムを実行することで実現できる。センター成分抽出部21は、センターチャンネル(Cch)の出力信号Coutを生成するための元となる信号S1を抽出する。センター成分抽出部21は、入力信号Lin,Rinの同相成分を、センターチャンネルの元信号(信号S1)として生成する。
ここで、入力信号Lin,Rinに同相成分として含まれているセンターチャンネル成分を「C」、サラウンドチャンネル成分を「S」、生成後のL,Rチャンネルの信号を出力信号Lout,Routとした場合、入力信号Lin,Rinは、次式(1),(2)で表すことができる。
Lin=Lout+C+S・・・・(1)
Rin=Rout+C+S・・・・(2)
なお、音楽信号の場合、リバーブ(残響)などのサラウンドチャンネル成分を同相信号と考えることができるため、上記した式においてサラウンドチャンネル成分(S)は、同相成分としてプラスで示している。
センター成分抽出部21には、入力信号Lin,Rinの他に、加算器23及び減算器24の出力信号が入力される。加算器23及び減算器24の各々には、入力信号Lin,Rinが入力される。加算器23は、入力信号Lin,Rinを加算した信号(Lin+Rin)をセンター成分抽出部21に出力する。減算器24は、入力信号Linから入力信号Rinを減算した信号(Lin−Rin)をセンター成分抽出部21に出力する。
センター成分抽出部21は、例えば、センターチャンネルの信号(出力信号Cout)を生成する元信号として、同相成分の信号S1を後段の特定帯域強調部31に出力する。信号S1としては、例えば信号(Lin+Rin)を用いることができる。信号(Lin+Rin)は、上記式(1),(2)を用いて次式で表される。
S1=Lin+Rin=(Lout+Rout+2S)+2C
センターチャンネルの信号(成分C)は、2倍(+6dB)に振幅が増幅された信号S1となる。
また、通常、センターに定位する信号をL,Rチャンネルのそれぞれに振り分ける場合、例えば、左右のスピーカの音によって左右のスピーカ間にファントム音源を形成するためにセンターチャンネルの信号を−3dB(0.707倍)する。このため、信号S1は、次式(3)で表される。なお、ファントム音源とは、同じチャンネルの音を聴者の左右の異なる方向から到達させた場合に、当該異なる方向の中間の方向に定位される仮想的な音源である。
S1=(Lin+Rin)*0.707・・・・(3)
センター成分抽出部21は、上記式(3)に示す信号S1を、特定帯域強調部31に出力する。例えば、入力信号Linに0.707Cのセンターチャンネルの成分が含まれ、入力信号Rinに0.707Cのセンターチャンネルの成分が含まれている場合、Lin+Rin=(0.707+0.707)C=1.41Cとなる。
また、センター成分抽出部21は、信号S1を抽出するのに先立ち、入力信号Lin,Rinにセンター成分が含まれているか否かを判定する。第1実施形態のセンター成分抽出部21は、図4の表に示す4つの条件(第1条件〜第4条件)に基づいてセンター成分が含まれているか否かを判定する。
図4は、入力信号Lin,Rinの振幅値の4つの例(NO1〜NO4)と、各例において振幅値が4つの条件(第1条件〜第4条件)を満たしているか否かの判定結果(「○」or「×」)を示している。センター成分抽出部21は、図4に示す振幅値の算出を、例えば、入力信号Lin,Rinのサンプルごとに算出する。あるいは、処理負荷を軽減するために、所定時間(サンプル数)だけバッファに蓄積した後で振幅値を算出してもよい。この場合、所定時間内における入力信号Lin,Rinの最大値や実効値を、振幅値として算出してもよい。また、図4中における「○」は、各条件を満たしていることを示している。また、「×」は、条件を満たしていないことを示している。また、図中のLin,Rin,(Lin+Rin),(Lin−Rin)の値は、絶対値を示している。
第1条件「(Lin+Rin)>Lin」は、センター成分が2倍(+6dB)となる信号の振幅値が入力信号Linに比べて大きいことを示している。また、第2条件「(Lin+Rin)>Rin」は、センター成分が2倍となる信号の振幅値が入力信号Rinに比べて大きいことを示している。また、第3条件「(Lin−Rin)<Lin」は、センター成分を除去した信号の振幅値が入力信号Linに比べて小さいことを示している。また、第4条件「(Lin−Rin)<Rin」は、センター成分を除去した信号の振幅値が入力信号Rinに比べて小さいことを示している。本実施形態のセンター成分抽出部21は、この4つの条件(第1条件〜第4条件)を全て満している場合に、入力信号Lin,Rinの各々にセンターチャンネルの成分が含まれていると判定し、上記した信号S1を後段の特定帯域強調部31に出力する。
なお、図4に示す条件は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、図4に示す例では、4つの条件を満たしているNO1,NO2の場合、センター成分抽出部21は、信号S1を出力することとなる。センターチャンネルとして取り出したい信号S1は、同一又はほぼ同一の入力信号Lin,Rinの同相成分であることが好ましい。このため、図4のNO1(Lin,Rinの振幅値がともに「0.5」)となる場合のみ信号S1を出力することが好ましい。そこで、例えば、第1条件及び第2条件の(Lin+Rin)を、(Lin+Rin)*0.6にするなど、係数を付加等することで条件を変更してもよい。逆に、例えば、NO1,NO2に加えNO3の場合にも信号S1を出力させたい場合には、第3条件及び第4条件の(Lin−Rin)を、(Lin−Rin)*0.25に変更することで対応できる。また、センター成分抽出部21は、4つの条件(第1条件〜第4条件)のうち、少なくとも1つを満たす場合に、センター成分があると判定してもよい。
<他の条件について>
また、センター成分抽出部21は、上記した加減算の第1条件〜第4条件に加え、あるいは替えて他の条件を用いることができる。例えば、センター成分抽出部21は、入力信号Lin,Rinの音量が小さい場合に、入力信号Lin,Rinにセンターチャンネルの成分が含まれていると判定してもよい。例えば、ボーカル曲は、前奏や間奏においてボーカルの歌声が含まれず音量が小さくなる傾向がある。この場合、上記第1条件〜第4条件では、入力信号Lin,Rinの音量(振幅値)が小さすぎてセンター成分が無いと判定される虞がある。そこで、入力信号Lin,Rinの音量が基準値(例えば、−20dBなど)以下の場合に、センター成分抽出部21は、センター成分が含まれているとして信号S1を出力してもよい。
次に、特定帯域強調部31について説明する。図2に示すように、特定帯域強調部31は、3つのフィルタ33,34,35と、各フィルタ33〜35に対応するアンプ37,38,39と、加算器40と、最大レベル検出部41と、ローパスフィルタ43とを有している。特定帯域強調部31は、センター成分抽出部21から入力した信号S1を、例えば、高域、中域、低域の3つの周波数帯域に分割し、3つの帯域のうち、最も音量の大きい帯域の信号のみをセンター信号として取り出す。例えば、音楽信号では、主にボーカルが歌っている場合には中域の音量が上がり、ベースのソロパートなでは低域の音量が上がる。そこで、特定帯域強調部31は、再生時間毎に変化する最大音量の帯域を検出し、その帯域の音をセンターチャンネルの出力信号Coutとして出力し、適切な帯域の音を強調する。
詳述すると、特定帯域強調部31のフィルタ33,34,35には、センター成分抽出部21から信号S1(=(Lin+Rin)*0.707)が入力される。フィルタ33は、この信号S1の高域を抽出するハイパスフィルタであり、抽出した信号をアンプ37に出力する。フィルタ34は、信号S1の中域を抽出するバンドパスフィルタであり、抽出した信号をアンプ38に出力する。フィルタ35は、信号S1の低域を抽出するローパスフィルタであり、抽出した信号をアンプ39に出力する。加算器40は、アンプ37〜39から入力される信号を加算して、センターチャンネルの出力信号Coutとして出力する(図2及び図3における出力信号S2参照)。
また、フィルタ33等は、信号S1から抽出した信号を最大レベル検出部41にも出力する。最大レベル検出部41は、フィルタ33〜35から入力された信号のうち、最も音量が大きい帯域を検出する。最大レベル検出部41は、音量が最大となる帯域の信号を、選択的に出力するようにアンプ37〜39のゲイン値を調整する。
図5は、信号S1の最大音量の帯域が変化した場合のゲイン値の一例を示している。一例として、左側の2列には、5msごとの経過時間と、各時間の信号S1の最大音量の帯域が示されている。なお、図5におけるゲイン値(HI)、ゲイン値(MDI)、ゲイン値(LO)は、この順に図2のアンプ37,38,39のゲイン値を表している。
図5に示すように、経過時間が0msの時には、中域(MID)の音量が最大となる。この場合、最大レベル検出部41は、最大音量の帯域(MID)のゲイン値を1.0(減衰量0dB)とし、それ以外の帯域(低域(LO)及び高域(HI))のゲイン値を0.0(減衰量−∞dB)とする。これにより、センターチャンネルの音は、低域及び高域が消音(ミュート)され、中域の音が強調される。同様に、経過時間が10msの時には、高域(HI)の音量が最大となり、最大レベル検出部41は、高域のゲイン値を1.0とし、それ以外の(低域(LO)及び中域(HI))のゲイン値を0.0とする。最大レベル検出部41は、低域(LO)の音量が最大の場合にも同様の処理を行う(図5の経過時間15ms参照)。
ローパスフィルタ43は、最大レベル検出部41から出力されるゲイン値の急峻な変化を滑らかにする。例えば、図5において、経過時間が「5ms」から「10ms」に変化する際には、高域に対応するアンプ37のゲイン値は、「0.0」から「1.0」に変化する。この場合、最大レベル検出部41は、ローパスフィルタ43を介してアンプ37へゲイン値を出力することで、ゲイン値を「0.0→0.1→0.2・・・→1.0」のように滑らかに変化させ、アンプ37の出力(センターの高域信号の音量)が急激に上がる事態を抑制する。これにより、センターチャンネルの音が急激に変化して聴者に違和感を与えるのを防止することが可能となる。
なお、最大レベル検出部41は、センター成分(信号S1)を検出した時と、消失した時とで、ローパスフィルタ43の時定数を変更してもよい。最大レベル検出部41は、センター成分抽出部21がセンター成分を検出した場合、ローパスフィルタ43の時定数を変更し(例えば、100ms/6dBなど)応答を早くして、比較的急峻にゲイン値を変化させる。これにより、最大帯域が短い時間に繰り返し変更されるような場合でも、反応速度を上げることでセンターチャンネルの検出精度を上げることができる。一方で、最大レベル検出部41は、センター成分抽出部21がセンター成分を検出しなくなった場合には、ローパスフィルタ43の時定数を変更し(例えば、500ms/6dB)応答を遅くして、比較的緩やかにゲイン値を変化させる。これにより、センターチャンネルの音を徐々に小さく(フェードアウト)させることができる。
また、センター成分抽出部21は、入力信号Lin,Rinがモノラル信号である場合、最大レベル検出部41に対して全帯域の信号を出力信号S2(出力信号Cout)として出力するように制御してもよい。入力信号Lin,Rinがモノラル信号である場合、入力信号Lin,Rinは、同一又はほぼ同一の信号となる。この場合、入力信号Lin,Rinの特定帯域を強調せず、全ての帯域の音をセンターチャンネルの音として出力することが好ましい。
図2に示すように、センター成分抽出部21は、入力信号Lin,Rinがモノラル信号であるか否かを判定するモノラル信号判定部21Aを有する。モノラル信号判定部21Aは、例えば、上記した条件に従ってセンター成分抽出部21がセンター成分を検出し、且つ振幅値の減算(Lin−Rin)の結果がゼロ又はほぼゼロである場合に、制御信号C1を最大レベル検出部41に出力する。最大レベル検出部41は、例えば、制御信号C1を入力することに応じて全ての帯域(アンプ37〜39)のゲイン値を「1.0」にする。これにより、特定帯域強調部31は、入力信号Lin,Rinがモノラル信号である場合に、センターチャンネルから全ての帯域の信号を出力することとなる。なお、モノラル信号判定部21Aは、アンプ37〜39のゲイン値を直接制御してもよい。
<フロントチャンネルの出力信号Lout,Routの生成について>
図3に示すように、信号処理装置10は、出力信号Loutに対応する減算器51と、出力信号Routに対応する減算器52と、アンプ54,55,56,57等を有している。アンプ54は、図2に示す加算器40の出力信号S2、即ち、センターチャンネルの出力信号Coutの信号レベルを調整して減算器51に出力する。減算器51は、元の入力信号Linからセンター成分抽出部21及び特定帯域強調部31で生成した出力信号S2(出力信号Cout)を減算した信号を、Lチャンネルの出力信号Loutとして出力する。
同様に、アンプ55は、加算器40の出力信号S2の信号レベルを調整して減算器52に出力する。減算器52は、元の入力信号Rinから出力信号S2(出力信号Cout)を減算した信号を、Rチャンネルの出力信号Routとして出力する。これにより、信号処理装置10は、入力信号Lin,Rinからセンター成分を取り除いた信号をフロントのL,Rチャンネルの信号として生成し、チャンネル数を拡張することができる。
<サラウンドチャンネルの出力信号SLout,SRoutの生成について>
図3に示すように、信号処理装置10は、出力信号SLoutを生成するためのサラウンド生成部61と、出力信号SRoutを生成するためのサラウンド生成部71とを有している。ここで、逆相成分が多くない信号の場合、即ち、マトリックス信号処理をしてサラウンド成分を抜き出すことを前提とした信号とは異なる通常の音楽信号の場合、サラウンドチャンネルの出力信号SLout,SRoutは、上記した処理により生成した後の出力信号Lout,Routを元に生成することができる。本実施形態のサラウンド生成部61,71は、フロント側の出力信号Lout,Routに比べて間接音を強調して広がり効果を付与した信号を、サラウンドチャンネルの出力信号SLout,SRoutとして生成する。
サラウンド生成部61は、減算器63と、バンドパスフィルタ65と、高周波発生部66と、遅延部67と、リバーブ部68と、アンプ69とを有している。SLチャンネルに対応するアンプ56は、加算器40(図2参照)の出力信号S2の信号レベルを調整して減算器63に出力する。減算器63は、入力信号Linから出力信号S2を減算した信号を、バンドパスフィルタ65に出力する。
バンドパスフィルタ65は、ボーカルの歌声など人の耳に知覚し易い帯域の音声を取り除き、遠くで鳴っているような間接音的な効果を入力信号に付与する。また、高周波発生部66は、入力信号に高調波を加えて、フロント側の出力信号Loutと似通った音を生成する。これにより、例えば、低域の出ないスピーカであっても聴者に低域が聞こえるかのような知覚を付与することができる。なお、高周波発生部66は、例えば、入力信号Linから高調波を生成してもよい。
遅延部67は、例えば、入力信号に対して逆相となるように遅延を付与し、フロント側との相関性を下げ、聴者にどこで鳴っているのか分からなくするような効果を付与する。あるいは、遅延部67は、入力信号に遅延を加えることによって、フロント側の音がより強調して聴者に聞こえるようにハース効果を発生させることもできる。
リバーブ部68は、入力信号に対してリバーブ効果を付与するものであり、フロント側の出力信号Loutの音に比べてサラウンドチャンネルの出力信号SLoutの音に奥行き感を付与する。そして、サラウンド生成部61は、バンドパスフィルタ65等によって処理した信号を、アンプ69によって信号レベルを調整してレフト側のサラウンドチャンネルの出力信号SLoutとして出力する。
なお、サラウンド生成部71は、サラウンド生成部61と同様の構成となっており、減算器73と、バンドパスフィルタ75と、高周波発生部76と、遅延部77と、リバーブ部78と、アンプ79とを有している。サラウンド生成部71は、サラウンド生成部61と同様に、出力信号SRoutに様々な効果を付与する。
<その他のチャンネルについて>
上記した信号処理装置10では、L,Rチャンネルの入力信号Lin,Rinから5chの信号を生成したが、これに限らず、他のチャンネルの信号を生成してもよい。例えば、信号処理装置10は、入力信号Lin,Rinからサラウンドバックチャンネルの信号を生成してもよい。サラウンドバックチャンネルの信号としては、サラウンドチャンネルの信号(出力信号SLout,SRout)と同一信号、又はサラウンドチャンネルの信号に遅延を付加して相関性を下げた信号を用いることができる。
信号処理装置10は、入力信号Lin,Rinからセンターチャンネルの出力信号Coutを生成する方法と同様のアルゴリズムを用いて、サラウンドチャンネルの出力信号SLout,SRout(第1音楽信号及び第2音楽信号の一例)の同相成分を取り出してサラウンドバックチャンネルの信号(第3音楽信号の一例)を生成してもよい。この生成方法によれば、例えば、5.1chの音楽信号のサラウンドチャンネルからサラウンドバックチャンネルの信号を生成することで、7.1chの音楽信号を生成することが可能となる。
図6は、入力信号のチャンネル数及び出力信号のチャンネル数の組み合わせと、チャンネル数の変更に必要な処理内容を示している。図6の横の列は、入力信号のチャンネル数を示している。縦の列は、出力信号のチャンネル数を示している。チャンネル数の下に示された数字(2/0など)は、(フロント側のチャンネル数/リア側のチャンネル数)を示している。また、図中の「フロント拡張処理」は、フロント側のチャンネル数を拡張する必要があることを示している。また、「リア拡張処理」は、リア側のチャンネル数を拡張する必要があることを示している。また、「全拡張処理」は、フロント側及びリア側の両方を拡張する必要があることを示している。また、処理不要は、拡張処理をする必要がないことを示している。また、「downmix」は、ダウンミックス処理が必要であることを示している。
例えば、2chの入力信号から3chの出力信号を生成する場合、L,Rch信号からCch信号を生成することで実現できる(フロント拡張処理)。また、3chの入力信号から5chの出力信号を生成する場合、L,Rch信号からSL,SRch信号を生成することで実現できる(フロント拡張処理)。この場合、3chの入力信号を一端2chにダウンミックスしてから5chに拡張してもよい。
また、上記したように5chの入力信号から7chの出力信号を生成する場合、サラウンドチャンネル(SL,SR)信号からサラウンドバックチャンネル(SB)信号を生成することで実現できる(リア拡張処理)。また、入力チャンネル数が6ch信号のようなサラウンドバック(SB)のチャンネルが1個だけ存在する場合、SBch信号をサラウンドバックレフト,ライト(SBL,SBR)に振り分けることで7chに拡張することができる(リア拡張処理)。なお、リア拡張処理については、処理量負荷が重い場合、SL,SRch信号をSBL,SBRch信号にそのまま振り分けてもよい。
また、4ch信号のようにセンター及びサラウンドバックのどちらの成分も含まない信号の場合、L,RchからCchを、SL,SRchからSBchを生成することで6chに拡張できる(全拡張処理)。
また、信号処理装置10は、入力信号Lin,Rinからハイトスピーカやワイドスピーカから出力する信号を生成してもよい。例えば、高域を強調することで音像を上位に定位させるようなバーチャル技術を応用して、サラウンドチャンネルの信号から低域信号を削除した信号を、リアハイトスピーカから出力する信号として生成してもよい。また、逆相処理をせずに抽出したサラウンドチャンネルの信号を、フロントハイトスピーカの信号として生成してもよい。これにより、フロント側のスピーカから出力される音の一体感を高めることが考えられる。また、センター信号の音が一般的に前方上方に向かって音像が定位する特徴を応用し、任意の信号にセンター信号を混ぜてハイトスピーカ用の信号を生成してもよい。また、サラウンドチャンネルの信号をそのままワイドスピーカの信号として用いてもよい。
以上、上記した第1実施形態の信号処理装置10によれば、マトリックス信号処理を前提としていない通常の音楽信号(入力信号Lin,Rin)から各成分に応じた信号を生成してチャンネルを拡張することができ、違和感のない音声を生成することができる。また、この拡張処理では、複雑なデコード処理等を必要としないため、チャンネル拡張処理の簡易化や処理に必要な時間の短縮を図ることができる。
なお、上記第1実施形態では、本願の音響信号として、マトリックス信号処理を前提としていない音楽信号を例に説明したが、これに限らない。本願における音響信号としては、音楽信号に限らず、マトリックス信号処理を前提としていない信号であれば、TV放送の音響信号など様々な音響信号を採用することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の信号処理装置10Aについて図7及び図8を参照して説明する。第1実施形態では、L,Rチャンネルの入力信号Lin,Rinを加算して一旦モノラル化した後で帯域分割していた。これに対し、第2実施形態では、L,Rチャンネルの入力信号Lin,Rinを個別に帯域分割してセンターチャンネルの出力信号Coutを生成する点が第1実施形態と異なる。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
図7に示すように、信号処理装置10Aの特定帯域強調部31Aには、センター成分抽出部21から信号S1が入力され、フィルタ33〜35によって帯域分割し、最大レベル検出部41によって最大音量の帯域を検出する。
また、Lチャンネルに対応するフィルタ81,82,83は、フィルタ33〜35と同様に、入力信号Linを高域、中域、低域に分割する。フィルタ81〜83は、入力信号Linを帯域分割して、各帯域の信号をアンプ85,86,87に出力する。加算器89は、アンプ85〜87の出力信号を加算する。
同様に、Rチャンネルに対応するフィルタ91,92,93は、入力信号Rinを帯域分割して、各帯域の信号をアンプ95,96,97に出力する。加算器99は、アンプ95〜97の出力信号を加算する。そして、最大レベル検出部41は、最大音量の帯域を強調するゲイン値を、ローパスフィルタ43を介してL側のアンプ85〜87及びR側のアンプ95〜97のそれぞれに出力する。これにより、L,Rチャンネルのそれぞれを個別に処理してセンター成分を抽出することができる。
L側の加算器89の出力信号は、アンプ84によって信号レベルを調整され、信号S3として出力される。また、R側の加算器99の出力信号は、アンプ94によって信号レベルを調整され、信号S4として出力される。また、加算器101は、加算器89,99の出力信号を加算する。加算器101の出力信号は、−3dBされ、センターチャンネルの出力信号Coutとして出力される。
図8に示すように、L側の減算器51は、アンプ103によって信号レベルを調整された入力信号LinからLチャンネルに対応するセンター成分(信号S3)を減算して、出力信号Loutを生成する。従って、第2実施形態の信号処理装置10Aでは、L,Rチャンネルの入力信号Lin,Rinを加算してモノラル化した後で帯域分割せずに、チャンネルごとに別々にセンター成分の抽出処理を実行している。これにより、Lチャンネルの出力信号Loutは、Rチャンネルの信号とは別に生成されることで、Rチャンネルの出力信号Routとの分離性が高まり、Rチャンネルの影響が低減される。
同様に、R側の減算器52は、アンプ105によって信号レベルを調整された入力信号RinからRチャンネルに対応するセンター成分(信号S4)を減算して、出力信号Routを生成する。これにより、出力信号Routは、Lチャンネルの出力信号Loutの影響が低減される。なお、第1実施形態の信号処理装置10の処理回路と、第2実施形態の信号処理装置10Aの処理回路との両方を備える信号処理装置を構成してもよい。この場合、例えば、処理負荷に応じて、L,Rチャンネルを個別に周波数帯域分割するか、モノラル化して処理するかを切り替える構成でもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の信号処理装置10Cについて図9を参照して説明する。第3実施形態の信号処理装置10Cは、マトリックス信号処理を前提とする信号の拡張処理を実行する。ここで、一般的に、Lチャンネル信号の逆相信号をRチャンネルから出力すると無定位になることを利用し、映画用のマトリックスデコーダーでは、このような信号をサラウンド成分(S)とみなして使用している。一方で、上記した第1実施形態の処理対象である通常の音楽信号では、Rチャンネルの信号にLチャンネルの逆相成分を含んでいることが少ないため、L,Rチャンネルの信号からサラウンド信号を生成することが可能となる。
このため、映画信号のようにマトリックス信号処理を行って逆相成分を取り出すことを前提としている信号を拡張する場合、逆相信号をメインとなるフロント側のL,Rチャンネルから出力してしまうと、不自然な音になってしまう。そこで、第3実施形態の信号処理装置10Cは、入力信号Lin,Rinに逆相成分が含まれている場合、その逆相成分をL,Rチャンネルではなく、サラウンドチャンネルから出力する。
図9は、図2に対応しており、サラウンドチャンネルの生成に必要な部分のみを示している。また、信号処理装置10Cは、サラウンドチャンネルの信号として、サラウンドレフト,サラウンドライトチャンネルの出力信号SLout,SRoutに加え、サラウンドバックレフト,サラウンドバックライトチャンネルの出力信号SBLout,SBRoutを生成する。なお、第1実施形態の信号処理装置10と同様の構成についての図示及び説明を適宜省略する。
図9に示すように、信号処理装置10Cのセンター成分抽出部21は、入力信号Lin,Rinに逆相成分が含まれているか否かを判定する逆相判定部21Bを有する。逆相判定部21Bは、第1実施形態におけるセンターチャンネルの信号処理と同様に、下記の3つ条件(第1条件〜第3条件)を全て満たす場合に、無定位成分であるサラウンド成分が入力信号Lin,Rinに含まれていると判定する。
第1条件:(Lin−Rin)>Lin
第2条件:(Lin−Rin)>Rin
第3条件:(Lin−Rin)>(Lin+Rin)
なお、上記判定条件のLin、Rin、Lin+Rin、Lin−Rinは、いずれも絶対値を示している。
信号処理装置10Cは、サラウンド成分が多く含まれている場合に、入力信号Lin,Rinの差分(Lin−Rin)を、そのままサラウンドチャンネルの出力信号SLout,SRout,SBLout,SBRoutとして出力する。
例えば、入力信号Lin,Rinに同相のセンターチャンネル成分「C」と、逆相のサラウンド成分「S」とが含まれている場合、入力信号Lin,Rinは、次式で表すことができる。
Lin=Lout+C+S
Rin=Rout+C−S
この場合、入力信号Lin,Rinの差分(Lin−Rin)を演算した結果は、サラウンドチャンネルの成分が「2S」となり、振幅が2倍になり強調される。
従って、上記した第1条件は、サラウンド成分(逆相成分)を強調した信号(Lin−Rin)が、Lchの入力信号Linに比べて大きいことを示している。また、第2条件は、サラウンド成分(逆相成分)を強調した信号(Lin−Rin)が、Rchの入力信号Rinに比べて大きいことを示している。また、第3条件は、サラウンド成分(逆相成分)を強調した信号(Lin−Rin)が、センター成分(同相成分)を強調した信号に比べて大きいことを示している。逆相判定部21Bは、例えば、この3つの条件(第1条件〜第3条件)を全て満たす場合に、制御信号C2によって、サラウンド生成部111にサラウンドチャンネルの信号を生成させる。
サラウンド生成部111には、減算器24からサラウンド成分の信号(Lin−Rin)が入力される。サラウンド生成部111は、例えば、図3に示すサラウンド生成部61と同様の構成であり、リバーブ等のエフェクト効果を入力信号に対して付与する。サラウンド生成部111によって処理された信号は、レベル調整のために各チャンネルに対応して設けられたアンプ113を介して出力信号SLout,SRout,SBLout,SBRoutとして出力される。
また、信号処理装置10Cは、上記した第1実施形態の信号処理装置10と同様に、センター成分を生成するための特定帯域強調部31を有する。特定帯域強調部31には、減算器24の出力信号(Lin+Rin)を−3dB(0.707倍)した信号((Lin+Rin)*0.707)、即ち、信号S1が入力される。特定帯域強調部31は、第1実施形態と同様に、信号S1からセンターチャンネルの出力信号Cout(出力信号S2)を生成する。センター成分抽出部21は、入力信号Lin,Rinにセンター成分を検出した場合に、制御信号C3によって、特定帯域強調部31に対して出力信号Coutの生成を指示する。また、センター成分抽出部21は、センター成分が検出できない場合には、特定帯域強調部31に対して出力信号Coutの生成を停止させる。
また、第3実施形態の信号処理装置10Cの図示しない後段には、図3に示す構成と同様の回路を備えており、出力信号S2から5chのマルチチャンネル信号を生成可能となっている。また、センター成分抽出部21の逆相判定部21Bは、例えば、図示しない制御信号を図3に示すアンプ69,79に出力して、ゲイン値を調整可能に構成されている。逆相判定部21Bは、逆相を検出してサラウンド生成部111によってサラウンドチャンネル信号を生成する場合、アンプ69,79のゲイン値を0.0(減衰量−∞dB)にすることによって、サラウンド生成部61,71で生成したサラウンド信号の出力を停止する。これにより、信号処理装置10Cは、逆相の検出の有無に応じてサラウンドチャンネルの信号の生成回路を適切に切り替えることができ、従来のマトリックス信号処理を前提とした逆相成分を含む音楽信号に対しても、処理回路を切り替えることで対応可能となる。
なお、上記した逆相成分を検出する3つの条件は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、逆相判定部21Bは、上記3つの条件のうち、少なくとも1つを満たす場合に、逆相成分があると判定してもよい。また、センター成分抽出部21のセンター成分の抽出処理と同様に、例えば、第1条件及び第2条件の(Lin−Rin)を、(Lin−Rin)*0.5にするなど係数を変更することで逆相成分の検出精度を調整してもよい。また、信号処理装置10Cは、図2に示す信号処理装置10のローパスフィルタ43と同様に、逆相成分の検出時や被検出時にサラウンド信号の信号レベルが急峻に変化するのを防止するためのフィルタ回路を備えてもよい。例えば、逆相成分を使用したサラウンド信号は、効果音として使用されることが多い。このため、逆相成分を検出した場合、フィルタの時定数を変更し(例えば、50ms/6dB)応答を早くして、比較的急峻にゲイン値を変化させることが考えられる。
また、サラウンド信号がステレオ信号又はモノラル信号であるかによって、出力信号SLout,SRout,SBLout,SBRoutの出力を切り替えてもよい。例えば、逆相判定部21Bは、以下の3つの追加条件(第4条件〜第6条件)を更に追加して判定し、出力信号SLout等の出力を切り替えてもよい。
第4条件:Lin>Rin
第5条件:Lin<Rin
第6条件:Lin=Rin
なお、上記判定条件のLin、Rinは、いずれも絶対値を示している。
第4条件は、サラウンド成分を検出し、且つLチャンネルの入力信号Linの音量がRチャンネルの入力信号Rinに比べて大きい、即ち、サラウンド信号がステレオ信号の場合である。この場合は、サラウンド信号を、サラウンドレフトチャンネルの出力信号SLoutとして出力することが好ましい。逆相判定部21Bは、制御信号C5によってアンプ113のゲイン値を調整し、アンプ113から出力信号SLoutのみを出力するように制御する。また、第5条件は、サラウンド成分を検出し、且つ入力信号Rinの音量が入力信号Linに比べて大きい場合(サラウンド信号がステレオ信号の場合)である。この場合は、サラウンド信号を、サラウンドライトチャンネルの出力信号SRoutとして出力することが好ましい。また、第6条件は、サラウンド成分を検出し、且つ入力信号Lin,Rinの音量が同一又はほぼ同一、即ち、サラウンド信号がモノラル信号の場合である。この場合は、サラウンド信号を、L,R両方のサラウンドチャンネルに均等に分配し出力信号SLout,SRoutとして出力する、あるいはサラウンド信号をサラウンドバックの出力信号SBLout,SBRoutとして出力することが好ましい。なお、逆相判定部21Bは、第6条件(Lin=Rin)の判定において、振幅値が完全に一致する場合に限らず、所定の範囲内(例えば、入力信号Lin,Rinの信号レベルの差が3dB以下)の場合も、第6条件を満たしていると判定してもよい。また、第2実施形態の信号処理装置10Aの処理回路と、第3実施形態の信号処理装置10Cの処理回路とを組み合わせた信号処理装置を構成してもよい。
尚、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記第1実施形態において、信号処理装置10は、生成した出力信号Lout,Routに追加的な音響処理を実行してもよい。図10に示す回路は、第1実施形態の信号処理装置10に追加して接続する回路ブロックであり、例えば、図3に示す回路ブロックの後段に接続される。例えば、入力信号Lin,Rinに同相成分が多く含まれ、ほぼセンタースピーカのみが出音している場合、再生音は、ステレオ感が損なわれてしまう。そこで、図10に示す第1追加回路121は、特定帯域強調部31(図2参照)において生成したセンターチャンネルの出力信号Coutを、レベル調整した後にL,Rチャンネルの出力信号Lout,Routの各々に加算する。これにより、新たに生成された第2出力信号Lout2,Rout2に抽出したセンター信号が戻される(加算される)ことで、センターチャンネルの音が過剰に強調されるのを緩和することができる。
また、例えば、マルチチャンネルスピーカシステムの場合、センタースピーカとメインスピーカとでは性能が異なり、メインスピーカは、センタースピーカに比べて再生能力が高く再生できる周波数帯域が広い場合がある。そこで、第2追加回路123は、センターチャンネルの出力信号Coutに含まれる低域成分をローパスフィルタで抽出し、L,Rチャンネルの出力信号Lout,Routの各々に加算する。これにより、新たに生成される第2出力信号Lout2,Rout2は、センターチャンネルの低域成分を含むことなる。そして、再生能力の高いメインスピーカによって第2出力信号Lout2,Rout2が再生されることで、より豊かな低域再生が可能となる。
また、例えば、方向を知覚し易い高域周波数成分が同相成分として入力信号Lin,Rinに含まれている場合、センターチャンネルの出力信号Coutとして多く抽出され、再生音の広がり感が損なわれてしまう虞がある。そこで、第3追加回路125は、元の入力信号Lin,Rinの高域成分をハイパスフィルタで抽出し、L,Rチャンネルの出力信号Lout,Routの各々に加算する。これにより、新たに生成された第2出力信号Lout2,Rout2は、再生音のひろがり感を維持することが可能となる。
なお、上記したセンターチャンネルの出力信号Coutを用いた第1〜第3追加回路121,123,125と同様に、サラウンドバック用に生成した信号を処理する回路を構成してもよい。例えば、第1追加回路121と同様に、第3実施形態において、サラウンドレフトの出力信号SLoutを出力信号Loutに、サラウンドライトチャンネルの出力信号SRoutを出力信号Routの各々に加算する回路を後段に接続してもよい。これにより、センターチャンネルの出力信号Coutと同様に、サラウンドバックの信号が過剰に強調されるのを緩和することができる。
また、上記各実施形態では、フロント側のL,Rチャンネルの信号から、センターチャンネルの信号、あるいは、サラウンド側のサラウンドライト,サラウンドレフトの信号から、サラウンドバックの信号を生成したがこれに限らない。例えば、フロント側のLチャンネルの信号と、サラウンドレフトチャンネルの信号とから、2つの信号を出音するスピーカの間の位置となるワイドチャンネルの信号を生成してもよい。
10,10A,10B,10C 信号処理装置、21 センター成分抽出部(判定手段,信号生成手段)、21A モノラル信号判定部(モノラル信号判定手段)、21B 逆相判定部(逆相判定手段)、23 加算器(演算手段)、24 減算器(演算手段)、33 フィルタ(帯域分割手段)、37,38,39 アンプ(抽出手段)、41 最大レベル検出部(最大レベル検出手段)、111 サラウンド生成部(サラウンド生成手段)、Lin,Rin 入力信号(第1音楽信号及び第2音楽信号)、Cout 出力信号(第3音楽信号)、SLout,SRout,SBLout,SBRout 出力信号(サラウンドチャンネル信号)。

Claims (9)

  1. 第1音響信号の信号レベルと、前記第1音響信号と異なるチャンネルの音響信号である第2音響信号の信号レベルとを用いて演算を実施する演算手段と、
    演算前の前記第1音響信号及び前記第2音響信号のうち、少なくとも一方の信号の信号レベルと、前記演算手段の演算結果とを比較した結果に基づいて、前記第1音響信号を出音する位置と、前記第2音響信号を出音する位置との間の位置から出音するための第3音響信号の成分が、前記第1音響信号及び前記第2音響信号に含まれているか否かを判定する判定手段と、
    前記第3音響信号の成分が含まれていると前記判定手段が判定した場合に、前記第1音響信号及び前記第2音響信号から前記第3音響信号を生成する信号生成手段と、を備えることを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記第1音響信号及び前記第2音響信号は、フロント側のチャンネルの音響信号であり、
    前記演算手段は、前記第1音響信号及び前記第2音響信号のどちらか一方の信号レベルから、どちらか他方の信号レベルを減算し、
    前記判定手段は、前記演算手段の演算結果に基づいて、前記第1音響信号及び前記第2音響信号に逆相成分が含まれているか否かを判定する逆相判定手段を有し、
    前記逆相成分が含まれていると判定した場合に、前記第1音響信号から前記第2音響信号を減算した信号を、サラウンドチャンネル信号として出力するサラウンド生成手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記判定手段は、前記第1音響信号の信号レベルをA1、前記第2音響信号の信号レベルをA2とした場合に、
    (A1+A2)>A1
    (A1+A2)>A2
    (A1−A2)<A1
    (A1−A2)<A2
    の4つの条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合に、前記第1音響信号及び前記第2音響信号に前記第3音響信号の成分が含まれていると判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記逆相判定手段は、前記第1音響信号の信号レベルをA1、前記第2音響信号の信号レベルをA2とした場合に、
    (A1−A2)>A1
    (A1−A2)>A2
    (A1−A2)>(A1+A2)
    の3つの条件のうち、少なくとも1つの条件を満たす場合に、前記第1音響信号及び前記第2音響信号に逆相成分が含まれていると判定することを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  5. 前記逆相判定手段は、前記第1音響信号の信号レベルと、前記第2音響信号の信号レベルとを比較し、前記サラウンドチャンネル信号がステレオ信号かモノラル信号かを判定し、判定結果に応じて複数のサラウンドチャンネルのうち、いずれのチャンネルから前記サラウンドチャンネル信号を出力するのかを選択することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 前記判定手段は、前記第1音響信号及び前記第2音響信号の信号レベルが基準値以下の場合に、前記第1音響信号及び前記第2音響信号に前記第3音響信号の成分が含まれてい
    ると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の信号処理装置。
  7. 前記信号生成手段が抽出した前記第3音響信号を帯域ごとに分割する帯域分割手段と、
    前記帯域分割手段によって分割した各帯域のうち、信号レベルが最も大きくなる帯域を検出する最大レベル検出手段と、
    前記最大レベル検出手段によって検出した帯域に対応する信号を、前記第3音響信号として出力する抽出手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の信号処理装置。
  8. 前記判定手段は、前記第1音響信号及び前記第2音響信号がモノラル信号であるか否かを判定するモノラル信号判定手段を有し、
    前記モノラル信号判定手段は、前記第1音響信号及び前記第2音響信号がモノラル信号である場合に、前記抽出手段に対して前記第3音響信号の全帯域を出力するように制御することを特徴とする請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 第1音響信号の信号レベルと、前記第1音響信号と異なるチャンネルの音響信号である第2音響信号の信号レベルとを用いて演算を実施する演算ステップと、
    演算前の前記第1音響信号及び前記第2音響信号のうち、少なくとも一方の信号の信号レベルと、前記演算ステップの演算結果とを比較した結果に基づいて、前記第1音響信号を出音する位置と、前記第2音響信号を出音する位置との間の位置から出音するための第3音響信号の成分が、前記第1音響信号及び前記第2音響信号に含まれているか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて前記第3音響信号の成分が含まれていると判定した場合に、前記第1音響信号及び前記第2音響信号から前記第3音響信号を生成する信号生成ステップと、を有することを特徴とする信号処理方法。
JP2016051220A 2016-03-15 2016-03-15 信号処理装置及び信号処理方法 Active JP6569571B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051220A JP6569571B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 信号処理装置及び信号処理方法
US15/458,377 US9998844B2 (en) 2016-03-15 2017-03-14 Signal processing device and signal processing method
EP17161060.3A EP3220666B1 (en) 2016-03-15 2017-03-15 Signal processing device and signal processing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051220A JP6569571B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 信号処理装置及び信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017168983A JP2017168983A (ja) 2017-09-21
JP6569571B2 true JP6569571B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=58347199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016051220A Active JP6569571B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 信号処理装置及び信号処理方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9998844B2 (ja)
EP (1) EP3220666B1 (ja)
JP (1) JP6569571B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108513212B (zh) * 2018-02-12 2020-12-04 深圳易科声光科技股份有限公司 一种运行过程中切换音频通道的方法及装置
JP2022091248A (ja) * 2020-12-09 2022-06-21 フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社 音響装置
US11445320B1 (en) * 2021-06-28 2022-09-13 Sennheiser Electronic Gmbh & Co. Kg Device for processing multi-channel audio signals, method for processing multi-channel audio signals, and computer-readable storage medium

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4293821A (en) * 1979-06-15 1981-10-06 Eprad Incorporated Audio channel separating apparatus
JPH05191900A (ja) * 1992-01-13 1993-07-30 Clarion Co Ltd 3スピーカの音響再生装置
US5426702A (en) * 1992-10-15 1995-06-20 U.S. Philips Corporation System for deriving a center channel signal from an adapted weighted combination of the left and right channels in a stereophonic audio signal
JP3284747B2 (ja) * 1994-05-12 2002-05-20 松下電器産業株式会社 音場制御装置
JP2002095095A (ja) * 2000-09-13 2002-03-29 Toshiba Corp 音量制御装置
US7003467B1 (en) 2000-10-06 2006-02-21 Digital Theater Systems, Inc. Method of decoding two-channel matrix encoded audio to reconstruct multichannel audio
KR20040068194A (ko) 2001-12-05 2004-07-30 코닌클리케 필립스 일렉트로닉스 엔.브이. 스테레오 신호를 강화하기 위한 회로 및 방법
JP4896029B2 (ja) * 2005-09-22 2012-03-14 パイオニア株式会社 信号処理装置、信号処理方法、信号処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体
JP2008092411A (ja) * 2006-10-04 2008-04-17 Victor Co Of Japan Ltd 音響信号生成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017168983A (ja) 2017-09-21
EP3220666B1 (en) 2021-03-03
US9998844B2 (en) 2018-06-12
US20170272884A1 (en) 2017-09-21
EP3220666A1 (en) 2017-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7978860B2 (en) Playback apparatus and playback method
US20060009986A1 (en) Signal processing apparatus
JPH08275300A (ja) 音場制御装置
US8750529B2 (en) Signal processing apparatus
JP6569571B2 (ja) 信号処理装置及び信号処理方法
EP0881857A2 (en) Sound field correction circuit
JP2008301427A (ja) マルチチャンネル音声再生装置
US20090122994A1 (en) Localization control device, localization control method, localization control program, and computer-readable recording medium
JP2003333700A (ja) サラウンドヘッドホン出力信号生成装置
JP4797065B2 (ja) オーディオ信号処理装置及びサラウンド信号生成方法等
JP3740780B2 (ja) マルチチャンネル再生装置
JPWO2008111143A1 (ja) 音場再生装置及び音場再生方法
JP6124143B2 (ja) サラウンド成分生成装置
JP2011160179A (ja) 音声処理装置
JP3572165B2 (ja) 映像音響信号再生装置及び映像音響信号再生方法
JP7451896B2 (ja) 音響処理装置および音響処理方法
JP4415775B2 (ja) 音声信号処理装置およびその方法、音声信号記録再生装置ならびにプログラム
JP5194614B2 (ja) 音場形成装置
JP2010118977A (ja) 音像定位制御装置および音像定位制御方法
WO2013145156A1 (ja) 音声信号処理装置及び音声信号処理プログラム
KR101745019B1 (ko) 오디오 시스템 및 그 제어방법
JP4804597B1 (ja) 音声信号処理装置及び音声信号処理プログラム
JP5296165B2 (ja) 信号再生装置及び信号再生プログラム
JP2010004430A (ja) 音響信号再生装置及び方法
JP2010157954A (ja) オーディオ再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190722

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6569571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151