JP6569358B2 - 電子デバイス、液体噴射ヘッド、および、電子デバイスの製造方法 - Google Patents

電子デバイス、液体噴射ヘッド、および、電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、第1の基板と第2の基板とが感光性樹からなる接合樹脂により接合された電子デバイス、液体噴射ヘッド、および、電子デバイスの製造方法に関するものである。
電子デバイスは、電圧の印加により変形する圧電素子等の駆動素子を備えたデバイスであり、各種の液体吐出装置や振動・圧力センサー等に応用されている。例えば、液体噴射装置では、電子デバイスを搭載した液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
上記の液体噴射ヘッドは、ノズルに連通する圧力室が形成された圧力室形成基板、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧電素子(駆動素子の一種)、及び、当該圧電素子に対して間隔を開けて配置された封止板(あるいは保護基板とも呼ばれる)等が積層された電子デバイスを備えている。このような基板同士が、間に空間を空けた状態で感光性樹脂からなる接合樹脂(接着剤)により接合されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このほか、各種センサー等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)における半導体パッケージでは、配線の高密度化や小型化に対応するべく基板同士を、接合樹脂により積層した構造が採用される。上記接合樹脂は、フォトリソグラフィー工程、すなわち、基板への塗布、プリベーク(仮硬化)、露光、現像、およびポストベーク(本硬化)等の工程を経て基板上に所定の形状にパターニングされる。
特開2000−289197号公報
上記の現像の際に接合樹脂が柔らかいと、接合樹脂が基板から剥がれたり接合樹脂の形状が崩れたりする虞があり、パターニングの精度が低下するという問題があることから、プリベーク工程では、加熱により接合樹脂の硬化がある程度進められる。ところが、このプリベーク工程を経て接合樹脂の硬化が進むと、接着力の低下や、基板における凹凸に対する追従性の低下を招き、その結果、基板同士の接合強度が低下するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板同士を接合する接合樹脂のパターニング精度および接着信頼性を両立することが可能な電子デバイス、液体噴射ヘッド、および、電子デバイスの製造方法を提供することにある。
〔手段1〕
本発明の電子デバイスは、上記目的を達成するために提案されたものであり、駆動素子を第1の面に有する第1の基板と、
感光性樹脂からなる接合樹脂により前記第1の面に接合された第2の基板と、
を備え、前記接合樹脂により、前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記駆動素子が収容される空間が形成された電子デバイスであって、
前記接合樹脂は、前記第1の基板における前記第1の面に形成された第1の樹脂と、前記第2の基板の前記第1の樹脂に対向する位置に形成された第2の樹脂とが接合されてなることを特徴とする。
手段1の構成によれば、感光性樹脂のパターニング精度および接着信頼性を両立することが可能となる。すなわち、接合樹脂は、基板への形成、プリベーク(仮硬化)、露光、現像、およびポストベーク(本硬化)等の工程を経て形成されるが、各基板への第1の樹脂および第2の樹脂となる感光性樹脂材料の形成段階では、樹脂の粘度が比較的低い状態であるため、各基板表面に凹凸があったとしてもこの凹凸に倣って定着する。また、第1の樹脂および第2の樹脂は、同じ感光性樹脂からなるので、現像の前段階で露光や加熱により硬化がある程度進められたとしても、両者は互いに相性が良く接合される。これにより、第1の基板と第2の基板とをより確実に接合することができ、接着信頼性が向上する。そして、現像の前段階で硬化をある程度進めることができるので、パターニングの精度を向上させることができる。
〔手段2〕
また、手段1の構成において、前記第1の基板における前記第1の樹脂が形成される領域、または、前記第2の基板における前記第2の樹脂が形成される領域のうちの少なくとも一方の領域は、凹凸を有する構成を採用することが望ましい。
手段2の構成によれば、基板表面に凹凸があることにより、樹脂の塗布時には凹凸に倣って基板表面に樹脂が定着するので、基板と樹脂との接合面積が増加し、加えて凹部に樹脂が入りこむことによるアンカー効果も奏することにより、接合強度をより向上させることができる。
〔手段3〕
また、上記手段1または手段2の構成に関し、前記第1の樹脂の前記第1の基板との接面が、前記第2の樹脂の前記第2の基板との接面よりも小さい構成を採用することもできる。
手段3の構成によれば、駆動素子等の構造体を有する第1の基板と第1の樹脂との接面が小さくなることにより、第1の基板上の限られたスペースであっても駆動素子等の構造体に干渉することなく接合樹脂を配置することができる。これにより、基板における構造体および接合樹脂の高密度化が可能となり、電子デバイスの小型化に寄与することができる。
〔手段4〕
また、本発明の液体噴射ヘッドは、手段1乃至手段3の何れか一の電子デバイスを備え、
前記駆動素子を駆動することにより、前記第1の基板に形成された圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動により前記圧力室に通じるノズルから液体を噴射させることを特徴とする。
この構成によれば、感光性樹脂のパターニング精度および接着信頼性を両立することが可能な電子デバイスを備えるので、より小型で信頼性の高い液体噴射ヘッドを提供することができる。
そして、本発明の電子デバイスの製造方法は、駆動素子を第1の面に有する第1の基板と、前記第1の面に接合樹脂により接合された第2の基板と、を備え、前記接合樹脂により前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記駆動素子が収容される空間が形成された電子デバイスの製造方法であって、
前記第1の基板の前記第1の面に、感光性樹脂からなる第1の樹脂を形成する工程と、
前記第2の基板の前記第1の樹脂に対向する位置に、感光性樹脂からなる第2の樹脂を形成する工程と、
前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を、露光、加熱による仮硬化、および現像を経てパターニングする工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とが位置決めされた状態で前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を接合して前記接合樹脂とする工程と、
を含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために提案される本発明の電子デバイスは、以下の構成を備えたものであってもよい。
すなわち、駆動素子を第1の面に有する第1の基板と、
感光性樹脂からなる接合樹脂により前記第1の面に接合された第2の基板と、
を備え、前記接合樹脂により、前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記駆動素子が収容される空間が形成された電子デバイスであって、
前記第1の基板又は前記第2の基板の一方にバンプ電極が形成され、他方の基板に前記バンプ電極と電気的に接続される電極が形成され、
前記接合樹脂は、前記第1の基板における前記第1の面に形成された第1の樹脂と、前記第2の基板の前記第1の樹脂に対向する位置に形成された第2の樹脂とが接合されてなり、前記バンプ電極の両側にそれぞれ配置されたことを特徴とする(手段1)。
手段1の構成によれば、感光性樹脂のパターニング精度および接着信頼性を両立することが可能となる。すなわち、接合樹脂は、基板への形成、プリベーク(仮硬化)、露光、現像、およびポストベーク(本硬化)等の工程を経て形成されるが、各基板への第1の樹脂および第2の樹脂となる感光性樹脂材料の形成段階では、樹脂の粘度が比較的低い状態であるため、各基板表面に凹凸があったとしてもこの凹凸に倣って定着する。また、第1の樹脂および第2の樹脂は、同じ感光性樹脂からなるので、現像の前段階で露光や加熱により硬化がある程度進められたとしても、両者は互いに相性が良く接合される。これにより、第1の基板と第2の基板とをより確実に接合することができ、接着信頼性が向上する。そして、現像の前段階で硬化をある程度進めることができるので、パターニングの精度を向上させることができる。
また、手段1の構成において、前記第1の基板における前記第1の樹脂が形成される領域、または、前記第2の基板における前記第2の樹脂が形成される領域のうちの少なくとも一方の領域は、凹凸を有する構成を採用することが望ましい(手段2)。
手段2の構成によれば、基板表面に凹凸があることにより、樹脂の塗布時には凹凸に倣って基板表面に樹脂が定着するので、基板と樹脂との接合面積が増加し、加えて凹部に樹脂が入りこむことによるアンカー効果も奏することにより、接合強度をより向上させることができる。
また、上記手段1または手段2の構成に関し、前記第1の樹脂の前記第1の基板との接面が、前記第2の樹脂の前記第2の基板との接面よりも小さい構成を採用することもできる(手段3)。
手段3の構成によれば、駆動素子等の構造体を有する第1の基板と第1の樹脂との接面が小さくなることにより、第1の基板上の限られたスペースであっても駆動素子等の構造体に干渉することなく接合樹脂を配置することができる。これにより、基板における構造体および接合樹脂の高密度化が可能となり、電子デバイスの小型化に寄与することができる。
さらに、上記手段1乃至手段3の何れか一の構成において、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが同じ感光性樹脂材料で構成された構成を採用することが望ましい(手段4)。
手段4の構成によれば、第1の樹脂と第2の樹脂とが同じ感光性樹脂材料から作製されているため、両者が相性良くより強固に接合される。
また、本発明の液体噴射ヘッドは、手段1乃至手段4の何れか一の電子デバイスを備え、
前記駆動素子を駆動することにより、前記第1の基板に形成された圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動により前記圧力室に通じるノズルから液体を噴射させることを特徴とする(手段5)。
この構成によれば、感光性樹脂のパターニング精度および接着信頼性を両立することが可能な電子デバイスを備えるので、より小型で信頼性の高い液体噴射ヘッドを提供することができる。
そして、本発明の電子デバイスの製造方法は、駆動素子を第1の面に有する第1の基板と、前記第1の面に接合樹脂により接合された第2の基板と、を備え、前記第1の基板又は前記第2の基板の一方にバンプ電極が形成され、他方の基板に前記バンプ電極と電気的に接続される電極が形成され、前記接合樹脂により前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記駆動素子が収容される空間が形成された電子デバイスの製造方法であって、
前記他方の基板に前記電極を形成する工程と、
前記一方に前記バンプ電極を形成する工程と、
前記第1の基板の前記第1の面に、感光性樹脂からなる第1の樹脂を形成する工程と、
前記第2の基板の前記第1の樹脂に対向する位置に、感光性樹脂からなる第2の樹脂を形成する工程と、
前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を、露光、加熱による仮硬化、および現像を経て、前記バンプ電極の両側に前記接合樹脂をそれぞれパターニングする工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とが位置決めされた状態で前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を接合して前記接合樹脂とする工程と、
を含むことを特徴とする。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 電子デバイスの要部を拡大した断面図である。 圧力室形成基板の要部平面図である。 電子デバイスの製造工程を説明する模式図である。 電子デバイスの製造工程を説明する模式図である。 第2の実施形態における電子デバイスの要部断面図である。 接合樹脂の変形例について説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明に係る電子デバイスを備えた液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を搭載した液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
プリンター1の構成について、図1を参照して説明する。プリンター1は、記録紙等の記録媒体2の表面に対してインク(液体の一種)を噴射(吐出)して画像等の記録を行う装置である。このプリンター1は、記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送する搬送機構6等を備えている。ここで、上記のインクは、液体供給源としてのインクカートリッジ7に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。なお、インクカートリッジがプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジからインク供給チューブを通じて記録ヘッドに供給される構成を採用することもできる。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモーター等のパルスモーター9により駆動される。したがってパルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、図示しないリニアエンコーダーによって検出される。リニアエンコーダーは、その検出信号、即ち、エンコーダーパルスをプリンター1の制御部に送信する。
次に記録ヘッド3について説明する。図2は、記録ヘッド3の構成を説明する断面図である。図3は、図2における領域Aの拡大図であり、記録ヘッド3に組み込まれた電子デバイス14の要部を拡大した断面図である。また、図4は、領域Aにおける圧力室形成基板29上面図である。本実施形態における記録ヘッド3は、図2に示すように、電子デバイス14および流路ユニット15が積層された状態でヘッドケース16に取り付けられている。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。
ヘッドケース16は、合成樹脂製の箱体状部材であり、その内部には各圧力室30にインクを供給するインク導入路18がケースの高さ方向を貫通して形成されている。このインク導入路18は、流路ユニット15の共通液室25と連通し、インクカートリッジ7側からのインクを共通液室25に供給する流路である。また、ヘッドケース16の下面側には、当該下面からヘッドケース16の高さ方向の途中まで直方体状に窪んだ収容空間17が形成されている。後述する流路ユニット15がヘッドケース16の下面に位置決めされた状態で接合されると、連通基板24上に積層された電子デバイス14(圧力室形成基板29、封止板33等)が収容空間17内に収容されるように構成されている。
ヘッドケース16の下面に接合される流路ユニット15は、連通基板24およびノズルプレート21を有している。本実施形態における連通基板24は、シリコン単結晶基板から作製されている。この連通基板24には、図2に示すように、インク導入路18と連通し、各圧力室30に共通なインクが貯留されるリザーバー(共通液室)25と、このリザーバー25を介してインク導入路18からのインクを各圧力室30に個別に供給する個別連通路26とが、エッチングにより形成されている。リザーバー25は、ノズル列方向(圧力室30の並設方向)に沿った長尺な空部である。個別連通路26は、各圧力室30に対応して当該圧力室30の並設方向に沿って複数形成されている。この個別連通路26は、連通基板24と圧力室形成基板29とが接合された状態で、対応する圧力室30の長手方向における一側の端部と連通する。
また、連通基板24の各ノズル22に対応する位置には、連通基板24の板厚方向を貫通したノズル連通路27が形成されている。すなわち、ノズル連通路27は、ノズル列に対応して当該ノズル列方向に沿って複数形成されている。このノズル連通路27を介して圧力室30とノズル22とが連通する。本実施形態におけるノズル連通路27は、連通基板24と圧力室形成基板29とが接合された状態で、対応する圧力室30の長手方向における他側(個別連通路26とは反対側)の端部と連通する。
ノズルプレート21は、連通基板24の下面(圧力室形成基板29とは反対側の面)に接合されたシリコン製あるいはステンレス鋼等の金属製の基板である。本実施形態におけるノズルプレート21には、複数のノズル22が列状に開設されている。この列設された複数のノズル22は、ドット形成密度に対応したピッチで、主走査方向に直交する副走査方向に沿って設けられてノズル列を構成している。
本実施形態における電子デバイス14は、各圧力室30内のインクに圧力変動を生じさせるアクチュエーターとして機能する薄板状の構成部材が積層されてなる積層構造体を有する。より具体的には、図2に示すように、圧力室形成基板29、振動板31、圧電素子32(本発明における駆動素子に相当)および封止板33が積層されてユニット化されて、電子デバイス14が構成されている。
本実施形態における圧力室形成基板29は、シリコン単結晶基板から作製されている。この圧力室形成基板29には、エッチングにより圧力室30となるべき空間が形成されている。この空間は、振動板31および連通基板24によって上下面が塞がれることで圧力室30を区画する。以下、この空間も含めて圧力室30と称する。圧力室30は、各ノズル22に対応して圧力室形成基板29に複数並設されている。各圧力室30は、ノズル列方向に直交する方向に長尺な空部であり、長手方向の一側の端部に連通基板24の個別連通路26が連通し、他側の端部に同じく連通基板24のノズル連通路27が連通している。連通基板24のリザーバー25に導入されたインクは、それぞれ個別連通路26を通じて圧力室30に供給される。
振動板31(弾性膜)は、弾性を有する薄膜状の部材であり、圧力室形成基板29の上面(連通基板24側とは反対側の面)に形成されている。この振動板31によって、圧力室30の上部開口が封止されている。この振動板31における圧力室30の上部開口に対応する部分は、圧電素子32の撓み変形に伴ってノズル22から遠ざかる方向あるいは近接する方向に変位する変位部(或は可撓面)として機能する。すなわち、振動板31における圧力室30の上部開口に対応する領域が、撓み変形が許容される駆動領域となる。一方、振動板31において、圧力室30の上部開口から外れた領域が、撓み変形が規制される非駆動領域となる。
上記振動板31は、例えば、圧力室形成基板29の上面に形成された二酸化シリコン(SiO)からなる弾性膜と、この弾性膜上に形成された酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜と、から成る。そして、この絶縁膜上における各圧力室30の上部開口に対応する駆動領域に、圧電素子32の能動部がそれぞれ積層されている。以下においては、適宜、振動板31を含めて圧力室形成基板29と言う。また、圧力室形成基板29(振動板31を含む)が、本発明における第1の基板に相当する。また、振動板31において圧電素子32が形成された面が、本発明における第1の面に相当する。なお、圧力室形成基板と駆動領域(可撓面)が一体である構成を採用することもできる。すなわち、圧力室形成基板の下面側からエッチング処理が施されて、上面側に板厚の薄い薄肉部分を残して圧力室空部が形成され、この薄肉部分が駆動領域として機能する構成を採用することもできる。この構成の場合、圧力室形成基板の上面が第1の面に相当する。
本実施形態の圧電素子32は、所謂撓み振動モードの圧電素子である。この圧電素子32は、例えば、振動板31上に、図示しない下電極層、圧電体層および上電極層が順次積層されてなる。上下の電極のうちの一方の極層が、圧電素子32毎に個別の電極として機能し、他方の電極が、各圧電素子32に共通な電極として機能する。このように構成された圧電素子32は、下電極層と上電極層との間に両電極の電位差に応じた電界が付与されると、ノズル22から遠ざかる方向あるいは近接する方向に撓み変形する。この撓み変形する部分が実質的に能動部として機能する。図3に示すように、圧電素子32の個別電極と導通するリード電極35および共通電極と導通するリード電極35が、圧力室30の上部開口縁を超えて非駆動領域に対応する振動板31上までそれぞれ延設されている。そして、この非駆動領域におけるリード電極35(本発明における電極に相当)に、それぞれ対応するバンプ電極40が電気的に接合されている。なお、リード電極は、圧電素子32の個別電極および共通電極(下電極層および上電極層)を非駆動領域上にそのまま延長したものであっても良いし、個別電極用および共通電極用とは異なる金属層から構成されたものであっても良い。本実施形態におけるリード電極35は、例えば金(Au)若しくはAuの合金等から構成される。
封止板33(本発明における第2の基板に相当)は、圧力室形成基板29と同程度の大きさのシリコン製の板材である。図3に示すように、本実施形態における封止板33の圧電素子32と対向する領域には、各圧電素子32の駆動に係る駆動回路46が形成されている。駆動回路46は、封止板33となるシリコン単結晶基板の表面に、半導体プロセスを用いて形成されている。また、封止板33の下面、すなわち、圧力室形成基板29との接合時における圧電素子32側の面の駆動回路46上には、当該駆動回路46に接続される配線層47が、封止板33における振動板31側の表面、すなわち、振動板31との接合面に露出した状態で形成されている。配線層47は、駆動回路46よりも外側であって、非駆動領域に延設されたリード電極35に対応する位置まで引き回されている。なお、配線層47は、図3において便宜上一体的に表されているが、複数の配線を含んでいる。具体的には、圧電素子32の個別電極用の配線層47と、各圧電素子32の共通電極用の配線層47が封止板33の表面にパターニングされている。各配線層47は、駆動回路46内の対応する配線端子と電気的に接続されている。
振動板31及び圧電素子32が積層された圧力室形成基板29と封止板33とは、バンプ電極40を介在させた状態で接合樹脂43により接合されている。この接合樹脂43は、基板同士の間隔を確保するスペーサーとしての機能、基板同士の間における圧電素子32等を収容する空間を区画して当該空間を封止する封止材としての機能、および、基板同士を接合する接着剤としての機能を兼ね備えている。本実施形態における接合樹脂43は、光の照射により硬化する感光性樹脂であり、圧力室形成基板29側に形成された第1の樹脂44と、封止板33側において第1の樹脂44と対向する位置に形成された第2の樹脂45とが接合された積層構造となっている。そして、この接合樹脂43は、振動板31と封止板33との間隙において圧電素子32の駆動領域が収容される空間と外部空間との間を隔てている。第1の樹脂44と第2の樹脂45は、同じ材料から形成されており、当該材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂等を主成分として光重合開始剤等を含む熱硬化性樹脂が好適に用いられる。
バンプ電極40は、駆動回路46と各圧電素子32のリード電極35とを接続するための電極であり、非駆動領域まで延在された下電極層及び上電極層のリード電極35と電気的に接続し得るように配置されている。このバンプ電極40と、このバンプ電極40の両側に配置される接合樹脂43(感光性樹脂)により振動板31と封止板33との間に間隙が形成されている。この間隙は、圧電素子32の歪み変形を阻害しない程度の高さ(深さ)に設定されている。
バンプ電極40は、圧力室の並設方向(ノズル列方向)に沿って延びる突条としての内部樹脂(樹脂コア)41と、この内部樹脂41の表面に部分的に形成された導電膜42とから構成されている。内部樹脂41は、例えば、ポリイミド樹脂等の弾性を有する樹脂からなり、封止板33の接合面において、振動板31上の非駆動領域に対向する領域に形成されている。また、導電膜42は、配線層47の一部分であり、個別電極のリード電極35に対向する位置と、共通電極のリード電極35に対向する位置にそれぞれ形成されている。このため、導電膜42は、ノズル列方向に沿って複数形成されている。
また、図3および図4に示すように、接合樹脂43は、ノズル列方向(あるいは圧力室並設方向)に対して直交する方向におけるバンプ電極40の両側に、ノズル列方向に沿って堤状にそれぞれ形成されている。ここで、図4において、ハッチングで示される部分が、接合樹脂43である。本実施形態においては、第1の樹脂44の幅(接合樹脂43の延在方向に直交する方向の寸法)と、第2の樹脂45の幅とは、ほぼ同じ寸法に設定されている。これにより、第1の樹脂44の圧力室形成基板29との接面の面積と、第2の樹脂45の封止板33との接面の面積とは、ほぼ同一となっている。
上記接合樹脂43は、フォトリソグラフィー工程、すなわち、基板への塗布、プリベーク(仮硬化)、露光、現像、およびポストベーク(本硬化)等の工程を経て基板上にパターニングされる。本発明に係る電子デバイス14では、上記のように接合樹脂43を第1の樹脂44と第2の樹脂45の積層構造とすることで、接合時の凹凸追従性および接着信頼性の向上が図られている。以下、電子デバイス14の製造工程、特に、圧電素子32および振動板31が積層された第1の基板としての圧力室形成基板29と、第2の基板としての封止板33との接合工程について説明する。なお、本実施形態における電子デバイス14は、封止板33となる領域が複数形成されたシリコン単結晶基板と、振動板31及び圧電素子32が積層されて圧力室形成基板29となる領域が複数形成されたシリコン単結晶基板とを接合した後で、切断して個片化することで得られる。
図5および図6は、電子デバイス14の製造工程を説明する模式図であり、バンプ電極40および接合樹脂43の近傍の構成を示している。まず、圧力室形成基板29の表面に振動板31が形成され、その上に下電極層、圧電体層、上電極層、およびリード電極35等が順次積層およびパターニングされて、圧電素子32が形成される。本実施形態におけるバンプ電極40および接合樹脂43が形成される部分には、図5(a)に示すように、振動板31上にリード電極35がパターニングされる。なお、図4に示すように、パターニング後のリード電極35は、ノズル22若しくは圧力室30の形成ピッチと同ピッチでノズル列方向に互いに間隔を空けて櫛歯状に複数形成される。このため、振動板31上には、このリード電極35が形成された部分と、リード電極35が形成されていない部分とによって凹凸が生じる。
一方、封止板33側では、まず、半導体プロセスにより圧力室形成基板29(振動板31)との接合面に上記の駆動回路46が形成される。駆動回路46が形成されたならば、封止板33の接合面上にバンプ電極40の内部樹脂41が形成される。具体的には、材料である樹脂が所定の厚さで形成された後、プリベーク処理、フォトリソグラフィー処理、エッチング処理、ポストベーク処理等を経て所定の位置に突条を呈する内部樹脂41がパターニングされる。内部樹脂41が形成されたならば、図5(b)に示すように、配線層47およびバンプ電極40の導電膜42となる金属を製膜した後で、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、配線層47および導電膜42が形成される。この配線層47も、圧力室形成基板29側のリード電極35と同様に、ノズル列方向に互いに間隔を空けて複数形成されるため、封止板33には、この配線層47が形成された部分と、配線層47が形成されていない部分とによって凹凸が生じる。なお、本実施形態においては、封止板33において配線層47が形成されていない部分は、シリコン基板の素材が露出している。このシリコン基板と接合樹脂43となる第2の樹脂45との密着性を高めるため、封止板33の圧力室形成基板29との接合面にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理が施される。
次に、圧力室形成基板29に積層された振動板31の表面(封止板33側の接合面)に、第1の樹脂44となる感光性樹脂材料49が形成される(感光性樹脂形成工程)。本実施形態においては、図5(c)に示すように、圧力室形成基板29および振動板31上に、圧電素子32やリード電極35等の構造体を覆う状態で感光性樹脂材料49が、スピンコートにより塗布される。同様にして、図5(d)に示すように、封止板33のバンプ電極40が形成されている側の面に第2の樹脂45となる感光性樹脂材料49が塗布される。この感光性樹脂形成工程の時点では、感光性樹脂材料49は、比較的柔らかい状態であるため、上記のように基板の表面に凹凸が生じていたとしても、この凹凸に追従して基板表面に定着(密着)し、感光性樹脂材料49の表面も概ね平坦となる。また、シリコン単結晶基板の表面は親水性を呈することから感光性樹脂材料49との密着性に劣るところ、本実施形態において封止板33となるシリコン単結晶基板の表面に対してHMDS処理が施されているため、当該表面が疎水性となり、感光性樹脂材料49との密着性の向上が図られている。
両基板に感光性樹脂材料49が形成されたならば、続いて、所定のパターンのマスクを介して露光された後、加熱処理により感光性樹脂材料49が仮硬化させられる(仮硬化工程)。あるいは、感光性樹脂材料49が形成された後、加熱処理を経てから露光が行われるようにしてもよい。仮硬化工程において、感光性樹脂材料49の硬化度は、露光時における露光量あるいは加熱時の加熱量により調整され、本硬化時の50%乃至70%程度の硬化度に調整される。この仮硬化工程により感光性樹脂材料49が仮硬化した状態で、現像が行われて所定の位置に感光性樹脂材料49が所定の形状にパターニングされる(パターニング工程)。本実施形態においては、図6(a)に示すように、振動板31上においてバンプ電極40が配置される領域を挟んで、当該領域の両側に、それぞれノズル列方向に沿った堤状(バンク状)の第1の樹脂44がパターニングされる。同様に、図6(b)に示すように、封止板33においてバンプ電極40の両側に、それぞれノズル列方向に沿った第2の樹脂45がパターニングされる。
圧力室形成基板29に第1の樹脂44が形成され、封止板33に第2の樹脂45が形成されたならば、両基板が接合される(接合工程)。具体的には、図6(c)に示すように、両シリコン単結晶基板の相対位置がアライメントされた状態で、両基板が互いに近接する方向に相対的に移動され、バンプ電極40や圧電素子32等の構造体を両基板の間に挟んだ状態で張り合わされる。この際、第1の樹脂44と第2の樹脂45とが互いに接合される。これにより、図3に示すように、基板同士の間隔を確保するスペーサー、基板同士の間における圧電素子32等を収容する空間を封止する封止材、および、基板同士を接合する接着剤として機能する接合樹脂43が形成される。ここで、接合樹脂43を構成する第1の樹脂44および第2の樹脂45は、仮硬化工程において硬化が進んでいるが、同じ感光性樹脂材料49から作製されているため、相性良く接合される。このため、一方の基板に感光性樹脂を形成して仮硬化を経て当該感光性樹脂を他方の基板に接着する構成と比較して、接着力の低下を抑制することが可能となる。しかも樹脂44,45同士の接合であるため、基板の表面の凹凸の有無に関係なく強固に基板同士を接合することが可能となる。そして、基板同士の加圧が維持された状態で加熱処理(ポストベーク)が行われる。その結果、第1の樹脂44および第2の樹脂45が一体化され、リード電極35に対しバンプ電極40が電気的に接続された状態で、両基板が接合樹脂43により接合される。
両シリコン単結晶基板が接合されたならば、圧力室形成基板29側のシリコン単結晶基板に対し、ラッピング工程、フォトリソグラフィー工程、及びエッチング工程を経て圧力室30が形成される。最後に、シリコン単結晶基板における所定のスクライブラインに沿ってスクライブされて、個々の電子デバイス14に切断されて分割される。なお、本実施形態では、2枚のシリコン単結晶基板の接合後に個片化される構成を例示したが、これには限られない。例えば、先に封止板及び圧力室形成基板をそれぞれ個片化してから、これらを接合するようにしてもよい。
そして、上記の過程により製造された電子デバイス14は、接着剤等を用いて流路ユニット15(連通基板24)に位置決めされて固定される。そして、電子デバイス14をヘッドケース16の収容空間17に収容した状態で、ヘッドケース16と流路ユニット15とを接合することで記録ヘッド3となる。
このように、接合樹脂43が第1の樹脂44と第2の樹脂45とが接合された積層構造であるため、接合樹脂43のパターニング精度および接着信頼性を両立することが可能となる。すなわち、各基板への第1の樹脂44および第2の樹脂45となる感光性樹脂材料49の形成段階では、各樹脂44,45の粘度が比較的低い状態であるため、各基板表面に凹凸があったとしてもこの凹凸に追従して定着する。また、第1の樹脂44および第2の樹脂45は、同じ感光性樹脂からなるので、現像の前段階で露光や加熱により硬化がある程度進められたとしても、両者は互いに相性が良く接合される。これにより、圧力室形成基板29と封止板33とをより確実に接合することができ、接着信頼性が向上する。そして、現像の前段階で硬化をある程度進めることができるので、パターニングの精度を向上させることができる。また、接合樹脂43のパターニング精度および接着信頼性を両立することができるので、電子デバイス14をより安定して製造することができ、歩留まりの向上が期待できる。さらに、圧電素子32のように駆動により振動する素子を採用する構成では、この振動による接合部分のダメージを低減することができ、接合部分の剥離を抑制することができる。これにより、電子デバイス14の信頼性の向上が期待できる。そして、この電子デバイス14を備えることにより、より小型で信頼性の高い記録ヘッド3およびプリンター1を提供することができる。
さらに、本実施形態においては、圧力室形成基板29の振動板31上における第1の樹脂44が形成される領域、および、封止板33における第2の樹脂45が形成される領域には、凹凸が形成されているが、樹脂の塗布時には凹凸に倣って(追従して)基板表面に樹脂が定着するので、基板と樹脂との接合面積が増加し、加えて凹部に樹脂が入りこむことによるアンカー効果も奏することにより、接合強度をより向上させることができる。
図7は、第2の実施形態における圧電デバイス14の要部断面図である。上記第1の実施形態においては、バンプ電極40′が、圧力室形成基板29側の振動板31上であって圧力室30の上部開口から外れた非駆動領域に設けられている点が、上記第1の実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態におけるバンプ電極40′は、振動板31の非駆動領域上にノズル列方向に沿って延びる内部樹脂41′と、この内部樹脂41′の表面に部分的に形成された導電膜42′とから構成され、この導電膜42′は、リード電極35の一部分となっている。また、本実施形態における第1の樹脂44′の幅(接合樹脂43′の延在方向に直交する方向の寸法)は、第2の樹脂45′の幅よりも狭く設定されている。これにより、第1の樹脂44′の圧力室形成基板29との接面は、第2の樹脂45′の封止板33との接面よりも小さくなっている。すなわち、圧力室形成基板29上には、圧電素子32やバンプ電極40′等の構造体が形成されているため、接合樹脂43′を設けるスペースが限られているところ、第1の樹脂44′の圧力室形成基板29との接面をより小さくすることにより、圧力室形成基板29上の限られたスペースにも圧電素子32やバンプ電極40′等の構造体と干渉することなく接合樹脂43を配置することができ、電子デバイス14の小型化に寄与することができる。勿論、封止板33側において、接合樹脂43′を設けるスペースが限られている構成では、第2の樹脂45′の封止板33との接面が、第1の樹脂44′の圧力室形成基板29との接面よりも小さい構成を採用することも可能である。なお、他の構成については、第1の実施形態と同様である。
ここで、第2の実施形態における接合樹脂43′に関し、第1の樹脂44′と第2の樹脂45′とにより断面視で2段の凸状を呈する構成を例示したが、これには限られない。例えば、図8に示す変形例の接合樹脂43″は、断面視で逆台形状を呈している。すなわち、第1の樹脂44″の断面形状は、振動板31側が狭く、封止板33側が広い逆台形状を呈している。同様に、第2の樹脂45″の断面形状は、振動板31側が狭く、封止板33側が広い逆台形状を呈しており、振動板31側の辺(下辺)の幅は、第1の樹脂44″の封止板33側の辺(上辺)の幅とほぼ等しくなっている。これにより、第1の樹脂44″と第2の樹脂45″が接合された状態で、接合樹脂43″全体として1つの台形形状を呈している。この構成においても第2の実施形態と同様に、第1の樹脂44″の圧力室形成基板29との接面がより小さくなり、圧力室形成基板29上の限られたスペースにも圧電素子32やバンプ電極40′等の構造体と干渉することなく接合樹脂43″を配置することができ、電子デバイス14の小型化に寄与することができる。
なお、上記各実施形態においては、本発明に係る電子デバイス14として、駆動素子としての圧電素子32の駆動によりノズルから液体の一種であるインクを噴射させる構成を例示したが、これには限られず、第1の基板と第2の基板が感光性樹脂により接合された電子デバイスであれば、本発明を適用することが可能である。例えば、駆動素子により振動、あるいは変位等を検出するセンサーに用いられる電子デバイス等にも本発明を適用することができる。
また、以上では、液体噴射ヘッドとして、インクジェットプリンターに搭載されるインクジェット式記録ヘッドを例示したが、インク以外の液体を噴射するものにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。
1…プリンター,3…記録ヘッド,14…電子デバイス,15…流路ユニット,29…圧力室形成基板,30…圧力室,31…振動板,32…圧電素子,33…封止板,35…リード電極,40…バンプ電極,41…内部樹脂,42…導電膜,43…接合樹脂,44…第1の樹脂,45…第2の樹脂,46…駆動回路,47…配線層,49…感光性樹脂材料

Claims (6)

  1. 駆動素子を第1の面に有する第1の基板と、
    感光性樹脂からなる接合樹脂により前記第1の面に接合された第2の基板と、
    を備え、前記接合樹脂により、前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記駆動素子が収容される空間が形成された電子デバイスであって、
    前記第1の基板又は前記第2の基板の一方にバンプ電極が形成され、他方の基板に前記バンプ電極と電気的に接続される電極が形成され、
    前記接合樹脂は、前記第1の基板における前記第1の面に形成された第1の樹脂と、前記第2の基板の前記第1の樹脂に対向する位置に形成された第2の樹脂とが接合されてなり、前記バンプ電極の両側にそれぞれ配置されたことを特徴とする電子デバイス。
  2. 前記第1の基板における前記第1の樹脂が形成される領域、または、前記第2の基板における前記第2の樹脂が形成される領域のうちの少なくとも一方の領域は、凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記第1の樹脂の前記第1の基板との接面が、前記第2の樹脂の前記第2の基板との接面よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子デバイス。
  4. 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが同じ感光性樹脂材料で構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電子デバイス。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の電子デバイスを備え、
    前記駆動素子を駆動することにより、前記第1の基板に形成された圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動により前記圧力室に通じるノズルから液体を噴射させることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 駆動素子を第1の面に有する第1の基板と、前記第1の面に接合樹脂により接合された第2の基板と、を備え、前記第1の基板又は前記第2の基板の一方にバンプ電極が形成され、他方の基板に前記バンプ電極と電気的に接続される電極が形成され、前記接合樹脂により前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記駆動素子が収容される空間が形成された電子デバイスの製造方法であって、
    前記他方の基板に前記電極を形成する工程と、
    前記一方に前記バンプ電極を形成する工程と、
    前記第1の基板の前記第1の面に、感光性樹脂からなる第1の樹脂を形成する工程と、
    前記第2の基板の前記第1の樹脂に対向する位置に、感光性樹脂からなる第2の樹脂を形成する工程と、
    前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を、露光、加熱による仮硬化、および現像を経て、前記バンプ電極の両側に前記接合樹脂をそれぞれパターニングする工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とが位置決めされた状態で前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を接合して前記接合樹脂とする工程と、
    を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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