以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張したりすることがある。
1.採光シート
図1に一例を示すように、本形態の採光シート100は、光が入射する第1面100aと、前記第1面100aに対向し光が出射する第2面100bと、を有し、前記第1面100aと前記第2面100bとの間に存在し、反射面100cを備えた光反射部材20と、前記第1面100aと前記第2面100bとの間に存在し、前記光反射部材20の前記第1面100a側に配置され、無機粒子または無機膜を含み、前記第1面100aから入射した光の赤外線を遮蔽しかつ可視光線を透過する、赤外線遮蔽部材10と、を備える。
さらに採光シート100は、必要に応じて他の層を第1面100a側及び/又は第2面100b側に備えていてもよい。例えば、第1面100a側及び/又は第2面100b側に、採光シート100を窓などに貼り付ける際に用いる接合層(図示せず)を有していてもよい。
図1に示すように、外部から本形態の採光シート100へ入射する光Liは、第1面100aから採光シート100へ入射し、赤外線遮蔽部材10により赤外線成分が遮蔽され、他の成分が光反射部材20に入射する。光反射部材20に入射した光は、光反射部材20の反射面100cで第2面100bに向かって反射により方向を変え、第2面100bから出射する。室内を明るくするために使用する採光シートは、一般に、太陽光を天井へ向けて反射するので、前記反射面100cは、第1面100aから上から下へ向かって入射する光を、下から上へ向かう方向に反射して第2面100bから出射する。
1−1.赤外線遮蔽部材
図1に示すように、本形態の赤外線遮蔽部材10は、第1面100aから入射した光の赤外線成分を反射または吸収して遮蔽し、第2面100bから出射される光の赤外線成分を減少させる。
本形態の採光シート100は、第2面100bから出射される光の色分解を低減するため、屈折率の異なる複数の金属層や複数のポリマー層を有し、層間干渉現象により赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽部材ではなく、無機粒子または無機膜を含む赤外線遮蔽部材を備える。
前記無機粒子または無機膜を含む赤外線遮蔽部材として、金属微粒子を樹脂中に分散させて局在プラズモン共鳴により赤外線を反射する赤外線遮蔽部材、金属薄膜を形成して赤外線を反射する赤外線遮蔽部材、および無機微粒子を樹脂中に分散させて赤外線を吸収する赤外線遮蔽部材などを用いることができる。これらの赤外線遮蔽部材は、屈折率の異なる複数の金属層や複数のポリマー層を有する、層間干渉現象により赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽部材と比較して、第1面100aから入射した光が屈折率差のある界面を通過する回数が少ないため、第2面100bから出射される光の色分解を低減することができる。
また、赤外線遮蔽部材10は、赤外線を出来るだけ室内に取り込まないようにするために光反射部材20の第1面100a側に配置される。前記光反射部材の第2面100b側に配置された場合、赤外線は、光反射部材を、入射時と反射時の2回通過することとなり、光反射部材が加熱され、本形態の採光シートの遮熱効果を十分に発揮することができない。
前記赤外線遮蔽部材10は、無機粒子が含まれる部位、または無機膜で形成されていてもよく、これを支持する基材等の他の層を備えていてもよい。前記赤外線遮蔽部材10が、無機粒子が含まれる部位、または無機膜で形成されている場合、単独で取り回しが可能であればそのまま使用できるが、単独で取り回しが不可能であれば、光反射部材20の光が入射する第1面側に、塗布法、蒸着法等により形成されていてもよい。支持する基材等の他の層を備えている場合、赤外線が透過する層を少しでも減らすために、光が入射する第1面側に無機粒子が含まれる部位または無機膜が形成され、第1面側に基材等の他の層を備えていることが好ましい。
空気界面での屈折率変化は避けようがないので、時刻毎の太陽高度変化に伴う入射角度変化による色変化を防止するために、前記赤外線遮蔽部材の前記無機粒子が含まれる部位の厚み、または前記赤外線遮蔽部材の前記無機膜の厚みは、50nm〜380nmの範囲内であることが好ましい。前記赤外線遮蔽部材の前記無機粒子が含まれる部位の厚み、または前記赤外線遮蔽部材の前記無機膜の厚みが可視光の波長380nmより薄いと、入射角度変化に伴い見かけ上の層厚みが変化した場合でも、入射光の波長変化が、不可視領域での変化になり、色変化を認知しにくくすることができる。また、前記赤外線遮蔽部材の前記無機粒子が含まれる部位の厚み、または前記赤外線遮蔽部材の前記無機膜の厚みが50nmより薄いと、赤外線遮蔽層機能が低下する。
1−1−1.金属微粒子を樹脂中に分散させて局在プラズモン共鳴により赤外線を反射する赤外線遮蔽部材
本形態の赤外線遮蔽部材は、金属微粒子を樹脂中に分散させた無機粒子が含まれる部位が、局在プラズモン共鳴により赤外線を反射して、赤外線を遮蔽する。
ここで、局在プラズモン共鳴とは、金属中の自由電子が光の電場の振動に共鳴して集団運動する現象である。共鳴周波数の付近では、光が強く吸収、散乱される。局在プラズモン共鳴の周波数や散乱光の特性は、金属の種類、微細構造のサイズや形状、配列状態によって制御することが可能であり、赤外領域に共鳴を持たせることで赤外線反射機能を発現することができる。金属微粒子を樹脂に分散して層状に加工することにより、赤外線遮蔽部材10を形成することができる。
局在プラズモン共鳴により赤外線を反射するためには、金属微粒子を樹脂中に分散させた層を形成する。用いられる金属微粒子としては、導電性の高いものが好ましく、例えば、金、銀、銅、アルミ、白金、チタン、クロム等が挙げられる。中でも銀は、導電性が高いため、特に好ましい。
金属微粒子の形状は、共鳴波長を制御するうえで、重要なパラメータである。例えば、球形の銀の微粒子が可視域に共鳴を持つのに対し、平板状の銀の微粒子は、アスペクト比を変えることで可視から赤外まで共鳴波長を比較的大きく変化させることができる。このように、共鳴波長を容易に制御するために、図2に示すように、金属微粒子の形状は多角形や円形の平板であることが好ましい。平板状の銀の微粒子を用いる場合は、アスペクト比(直径/ 厚み)は5〜20の範囲が好ましく、直径は50nm〜380nmが好ましい。このサイズの銀微粒子を用いることで、赤外線を反射する特性を発現することができる。
層中の単位面積あたりの金属割合は25〜75%が好ましい。これより少ないとプラズモン共鳴が弱いために赤外線反射機能が発現せず、反対に多いと金属同士の凝集現象が起きて透明性が低下する。
金属微粒子を分散する樹脂には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。たとえば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子などが挙げられる。中でも、主成分がポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、特にポリエステル樹脂、およびポリウレタン樹脂であることが、赤外線遮蔽層の密着性および金属微粒子の分散性の観点で好ましい。ここで主成分とは、赤外線遮蔽層に含まれる樹脂の50質量%以上を占める樹脂成分のことを言う。
また、前記樹脂中に、近赤外線吸収剤を添加してもよい。近赤外線吸収剤として、ジイモニウム系化合物、アルミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物等が挙げられる。
1−1−2. 金属薄膜を形成して赤外線を反射する赤外線遮蔽部材
本形態の赤外線遮蔽部材は、金属薄膜が赤外線を反射して赤外線を遮蔽する。前記金属薄膜に用いる材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、またはこれらの合金等を用いることができる。中でも、可視光透過率も高く、耐酸化性も有している金属薄膜を得られる金を用いることが好ましい。膜厚は、5nm〜1,000nmであることが好ましい。5nmより薄いと赤外線を反射する機能が低下し、1,000nmを超えると可視光透過率が低下し、コストも高くなる。
このような金属薄膜は、光反射部材の第1面側にスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(Chemical Vaper Deposition)法等の真空製膜法により直接形成してもよく、図3(a)に示すような金属薄膜を前記真空製膜法により形成したフィルム基材を、光反射部材の第1面側に接着剤を用いて貼り付けてもよい。
1−1−3.無機微粒子を樹脂中に分散させて赤外線を吸収する赤外線遮蔽部材
本形態の赤外線遮蔽部材は、無機微粒子を樹脂中に分散させた無機粒子が含まれる部位が赤外線を吸収して、赤外線を遮蔽する。図3(b)に示すように、無機微粒子を分散させて赤外線を吸収する赤外線遮蔽部材を形成することができる。前記無機微粒子は、可視光透過性、近赤外線吸収性、および樹脂中への分散適性等の点から、その平均粒子径が40〜200nmであることが好ましい。平均粒子径が40nm未満であると赤外線吸収能が不十分となり、平均粒子径が200nmを超えると可視光透過率が低下する。平均粒子径が40〜80nmであることがより好ましく、40〜60nmであることがさらに好ましい。なお、前記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡の観察画像から測定した。
前記無機微粒子の材料としては、金属酸化物、金属ホウ化物、金属窒化物などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化セシウムなどが挙げられる。金属ホウ(硼)化物としては、ホウ化ランタン(LaB6)、ホウ化プラセオジウム(PrB6)、ホウ化ネオジウム(NdB6)、ホウ化セリウム(CeB6)、ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化チタン(TiB6)、ホウ化ジルコニウム(ZrB6)、ホウ化ハフニウム(HfB6)、ホウ化バナジウム(VB6)、ホウ化タンタル(TaB6)、ホウ化クロム(CrB、CrB6)、ホウ化モリブデン(MoB6、Mo2B5、MoB)、ホウ化タングステン(W2B5)などが挙げられる。また金属窒化物としては、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウムなどが挙げられる。
前記無機微粒子の材料の無機粒子が含まれる部位における含有量は、単位面積あたりの含有量で表した場合、0.01g/m2〜10g/m2の範囲であることが好ましい。含有量が0.01g/m2以上であれば、十分な赤外線吸収効果が現れ、10g/m2以下であれば、十分な量の可視光線を透過できる。
無機微粒子を分散する樹脂には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。たとえば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子などが挙げられる。中でも、主成分がポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、特にポリエステル樹脂、およびポリウレタン樹脂であることが、赤外線遮蔽層の密着性および無機微粒子の分散性の観点で好ましい。ここで主成分とは、赤外線遮蔽層に含まれる樹脂の50質量%以上を占める樹脂成分のことを言う。
また、前記樹脂中に、近赤外線吸収剤を添加してもよい。近赤外線吸収剤として、ジイモニウム系化合物、アルミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物等が挙げられる。
1−2.光反射部材
図1は、本発明の採光シート100の一例を説明する断面図である。光反射部材20は、採光シート100の第1面100aと第2面100bとの間に存在し、前記第1面100aから入射した光を前記第2面100bに向けて反射により光の進行方向を変える反射面100cを備える。
光反射部材20は、典型的には、第1面100aに平行な第1方向に沿って延在し、かつ第1方向に交わる第2方向に沿って並列した複数の低屈折率媒質部21と、隣接する低屈折率媒質部21を離隔する高屈折率媒質部22と、を備え、低屈折率媒質部21と高屈折率媒質部22との界面が反射面100cとして構成されている。低屈折率媒質部21は、高屈折率媒質部22の屈折率に比べて低い屈折率を有する媒質により構成される。例えば、高屈折率媒質部22が、樹脂である場合、低屈折率媒質部21は空気あるいは高屈折率媒質部22を構成する樹脂よりも低い屈折率を有する樹脂を用いることができる。なお、この態様において、第1方向は図示のX方向(つまり紙面に垂直な方向)、第2方向は図示のY方向(つまり、第1面100aと第2面100bとを結ぶ方向)である。
第1面100aに入射した光Liは、赤外線遮蔽部材10を通過し、光反射部材20内に進み、反射面100cで反射により進行方向が変わる。その後、進行方向が変わった光Loは、第1面100aに対向する第2面100bから出射し、採光シート100外に進む。なお、反射面100cは前記に限らず、例えば金属などの反射率の高い材料を光反射部材20内に配置して形成してもよい。反射面100cに金属材料を用いると、金属反射によって光の進行方向が変わるので、光の色分解による色づきをさらに抑制することが可能となる。
さらに光反射部材20は、必要に応じて他の層を第1面100a側及び/又は第2面100b側に備えていてもよい(図2)。例えば、光反射部材20を光硬化により形成する場合に、賦型前の樹脂を支持するための支持層23を有していてもよい。
図4は、光反射部材の他の一例を説明する断面図である。図4(a)及び図4(b)に示すように、図1に示す光反射部材と異なるのは、光反射部材20の断面視において、低屈折率媒質部21の幅が、第1面100aから第2面100b側に向かうにしたがって漸次小さくなっている部位を含む点である。図2(a)に示すように反射面100c全域にわたり、第1面100aと第2面100bとを含む光反射部材20の断面視において、低屈折率媒質部21の幅が、第1面100aから第2面100b側に向かうにしたがって漸次小さくなっていてもよい。また、図2(b)に示すように、反射面100cの一部領域(図示では第1面100a側のみ)にわたり、第1面100aと第2面100bとを含む光反射部材20の断面視において、低屈折率媒質部21の幅が、第1面100aから第2面100b側に向かうにしたがって漸次小さくなっていてもよい。このような構成とすることで、採光性を向上させることができるという効果が得られる。高屈折率媒質部22の屈折率を、低屈折率媒質部21の屈折率よりも0.05以上大きくすることで、入射する光の方向を変えて反射する性能を向上させることができる。低屈折率媒質部21、高屈折率媒質部22の屈折率は、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製 DR−M2)を用い、波長589nmの光における値とする。
前記高屈折率媒質部22を構成する材料は、高い光透過性を有し、前記低屈折率媒質部21よりも屈折率が高い材料であれば特に限定されない。例えば熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂等を用いることができる。中でも硬化性の点から電離放射線硬化型樹脂が好適である。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂の架橋硬化態様は特に限定されず、一般に使用される架橋剤、硬化剤を用いて架橋硬化されるものである。
また、前記電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられるが、中でも汎用性、硬化性、光透過性の観点から紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂が好ましい。
前記紫外線硬化性樹脂および前記電子線硬化性樹脂としては、従来から慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。例えば、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、特には、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。
前記重合性オリゴマーないしプレポリマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。
また、前記重合性オリゴマーないしプレポリマーに加え、ポリチオール系等の反応性オリゴマー、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等の反応性のモノマー等を用いてもよい。
また前記高屈折率媒質部22の材料として電離放射線硬化型樹脂を用いる場合、光重合開始剤が含まれていることが好ましい。前記電離放射線硬化型樹脂を用いた作製工程で、光重合開始剤が含まれていないと、不活性ガス雰囲気下で電子線照射法を用いて前記高屈折率媒質部を硬化する必要があるが、光重合開始剤が含まれていると、空気雰囲気下で紫外線照射法を用いて前記高屈折率媒質部を硬化することが可能となるので、光重合開始剤が含まれていることにより、より容易に高屈折率媒質部を形成することができる。
前記光重合開始剤としては、前記電離放射線の種類に応じて適宜選択することができ、例えばケトン系、アセトフェノン系等の光重合開始剤を用いることができる。なお、前記光重合開始剤の含有量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.1質量部〜5質量部程度が好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量部より少ないと十分に樹脂の硬化が進まず、5重量部を超えると未反応の光重合開始剤が残存してしまう。
高屈折率媒質部22は前記樹脂の他に、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候性改善剤、酸化防止剤、架橋剤、ハードコート剤、耐傷フィラー、重合禁止剤、帯電防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等の添加剤を含有しても良い。
高屈折率媒質部22の屈折率としては、低屈折率媒質部21よりも屈折率が高く、所望の採光機能が発揮できれば特に限定されないが、例えば1.40〜1.80の範囲内、中でも1.45〜1.65の範囲内、特に1.55〜1.60の範囲内であることが好ましい。高屈折率媒質部22の屈折率が、1.40よりも小さいと、低屈折率媒質部21との屈折率差が小さくなり採光性能が低減してしまい、1.80よりも大きいと、特殊な樹脂材料を用いねばならずコスト高となる。前記高屈折率媒質部22の屈折率は、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定した値である。
高屈折率媒質部22は、高い光透過性を有することが好ましく、例えば可視光透過率が70%以上であることが好ましく、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。高屈折率媒質部22が上述した所定の光透過性を有することにより、より多くの光を透過させることができ、採光機能の高い光反射部材20とすることができるからである。なお、前記可視光線透過率は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100PC)を用いて、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定された値である。
高屈折率媒質部22の厚さとしては、所望の採光機能が発揮される厚さであれば特に限定されず、例えば300μm以下であることが好ましく、中でも250μm以下、特に200μm以下であることが好ましい。また、高屈折率媒質部22の厚さの下限値としては、10μm以上であることが好ましい。前記高屈折率媒質部の厚さが300μmよりも大きいと、高屈折率媒質部の硬化時に、電離放射線が十分に浸透できずに未硬化成分が残ってしまい、10μmよりも小さいと反射面100cの面積も同様に小さくなるため採光性能が十分に発揮できないからである。高屈折率媒質部22の厚さとは、図1のY方向の厚さ、つまり赤外線遮蔽部材10との界面からから第2面100bまでの長さをいう。
前記低屈折率媒質部21を構成する材料としては、高い光透過性を有し、高屈折率媒質部22よりも屈折率が低い材料であれば特に限定されず、例えば熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂等が挙げられる。また、前記低屈折率媒質部21は空気質であってもよい。空気質は樹脂等の他の材料と比較して屈折率が低いからである。
前記低屈折率媒質部21に用いられる熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂については、前記高屈折率媒質部22と同様の熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
また前記低屈折率媒質部21の材料として電離放射線硬化型樹脂を用いる場合、光重合開始剤が含まれていることが好ましい。前記電離放射線硬化型樹脂を用いた作製工程で、光重合開始剤が含まれていないと、不活性ガス雰囲気下で電子線照射法を用いて前記高屈折率媒質部を硬化する必要があるが、光重合開始剤が含まれていると、空気雰囲気下で紫外線照射法を用いて前記高屈折率媒質部を硬化することが可能となるので、光重合開始剤が含まれていることにより、より容易に高屈折率媒質部を形成することができる。前記光重合開始剤の種類および含有量については、前記高屈折率媒質部22と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
前記低屈折率媒質部21は、例えば光安定剤等の耐候性改善剤、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等を含んでいても良い。
前記低屈折率媒質部21の厚さについては、高屈折率媒質部22の厚さの範囲内で、低屈折率媒質部21の配置態様に応じて適宜設定することができる。
低屈折率媒質部21の屈折率としては、高屈折率媒質部22よりも屈折率が低く、所望の採光機能および上述の各種添加剤による機能が発揮できるものであれば特に限定されないが、例えば1.40〜1.80の範囲内、中でも1.45〜1.65の範囲内、特に1.45〜1.50の範囲内であることが好ましい。低屈折率媒質部21の屈折率が1.40よりも小さくなると特殊な樹脂材料を用いねばならずコスト高となり、1.80よりも大きくなると高屈折率媒質部との屈折率差が小さくなり採光性能が低減してしまう。なお、前記低屈折率媒質部の屈折率は、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定した値である。
前記低屈折率媒質部21の可視光透過率としては、含有される材料にもよるが、高いこと好ましく、例えば70%以上、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。なお、前記可視光透過率は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100PC)を用いて、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定された値である。
2.実施の形態
2−1.第1実施形態
本形態の採光シートを使用した一実施形態に係る採光具の態様について説明をする。図5は、本発明の一実施形態に係る採光シートを説明する断面図である。第1ガラス基材31と第2ガラス基材32とで、本形態の採光シート100を挟むように構成されている。
採光具300は、採光シート100と、前記採光シート100の第1面100a側に配置された第1ガラス基材31と、前記採光シート100の第2面100b側に配置された第2ガラス基材32と、を有し、いわゆる、合わせガラス構造を採っている。
第1ガラス基材31は、典型的にはガラスであるが、ガラスのみならずアクリル樹脂などの強化プラスチックといった一般的にガラスの如く用いられるものをも包含し、さらにこれらの単層、あるいはこれらが積層されたものを用いることができる。第1ガラス基材31は、一般的な窓材として用いられる程度の透過性を有していればよく、例えば、ヘーズメーター(スガ試験機(株)社製 蛍光分光光度計 F−4500)で測定した全光線透過率が80%以上であるとよい。また、第1ガラス基材31の厚みは、特に制限はないが、採光具300全体として窓材としての強度や取り扱い性を確保できる厚みであること
が好ましく、例えば、1mm〜10mmであることが好ましい。
第2ガラス基材32は、第1ガラス基材31と略同様の構成を採用することができるため、説明は省略する。
必要に応じて、第1ガラス基材31と採光シート100とを接合する第1接合層33が配置される。第1接合層33は、例えば、公知の接着剤を用いて形成することができる。
必要に応じて、第2ガラス基材32と採光シート100とを接合する第2接合層34が配置される。第2接合層34は、例えば、公知の接着剤を用いて形成することができる。
以上のように、採光具300は、第1ガラス基材31と可視光透過率とで挟持された構造をとるため強度や耐候性を向上させることができる。
2−2.第2実施形態
さらに本発明の一実施形態に係る採光窓付きパネルについて説明をする。図6は、本発明の一実施形態に係る建築用窓ガラスを説明する模式図である。図6(a)は、本発明の一実施形態に係る採光窓付きパネルを説明する平面図であり、図6(b)は、図6(a)のX−X線における断面図である。採光窓付きパネル1000は、開口部を有する枠部1010と、前記枠部1010の開口部に固定され、室外と室内を隔てる窓ガラス1020と、前記窓ガラスの室内側に配置された採光シートと、を備える。採光シートとして、本形態の採光シート100を用いることができる。
枠部1010は、採光に適した大きさに設定された開口を有する。この開口内に公知の方法によって窓ガラス1020が取り付けられている。窓ガラス1020によって、室外と室内とが隔てられる。そして、窓ガラス1020の室内側に採光シート100が配置されることにより、採光窓付きパネルが構成される。本発明の一実施形態に係る採光窓付きパネルは、前記採光シートを有することから、赤外線が遮蔽されることによる断熱効果、入射光が方向転換させることによる室内照明効果を有し、色分解の小さい光を室内に導入することができる。
2−3.第3実施形態
上述の採光シートは、以下のようにして設置することができる。すなわち、本発明の一実施形態に係る採光シートの設置方法は、前記採光シートを準備する工程と、前記採光シートを窓ガラスに貼り合わせる工程と、を含む。
建物の窓枠に嵌められる窓ガラスに、例えば、接着剤を利用して採光シートを貼り合せる。このとき、採光シートの貼合を、窓ガラスを窓枠に嵌める前、あるいは嵌めた後の何れの段階で行ってもよいが、作業性を考慮すると窓枠に嵌める前に貼合作業を行うことが好ましい。
採光シートの貼合は、窓ガラスと採光シートとの間に気泡が生じないように、窓ガラスの一端側から他端側に向けて気泡を押し出すように貼合していくことが好ましい。以上のようにして、採光シートを建物に設置することができる。
2−4.第4実施形態
上述の採光窓付パネルは、以下のようにして設置することができる。すなわち、本発明の一実施形態に係る採光窓付パネルの設置方法は、前記採光窓付パネルを準備する工程と、前記採光窓付きパネルを窓枠に取付ける工程と、を含むことを特徴とする。
建物の窓枠に採光窓付パネルを嵌めて取付ける。採光窓付パネルは、例えば、窓枠のガイド溝に嵌める等の公知の方法により取付けることができる。以上のようにして、採光窓付パネルを建物に設置することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら
限定されるものではない。
<採光シートの作製>
以下の通り、採光シートを作製した。
<<光反射部材の準備>>
高屈折率媒質部形成用組成物を以下のように作成した。ビスフェノールAエチレンオキシド:キシリレンジイソシアネート:フェノキシエチルアクリレート:2−ヒドロキシエチルアクリレート:ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:15:50:5:0.02(以上、重量比)で混合し、80℃で10時間反応させて光硬化性プレポリマーP1を作製した。
ビスフェノールAエチレンオキシド:イソホロンジイソシアネート:フェノキシエチルアクリレート:ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:20:50:0.02(以上、重量比)で混合し、80℃で10時間反応させて光硬化性プレポリマーP2を得た。
次に、光硬化性プレポリマーP1を30質量部、光硬化性プレポリマーP2を30質量部、反応性希釈モノマーM1としてのフェノキシエチルアクリレートを10質量部、反応性希釈モノマーM2としてのビスフェノールAエチレンオキシドを30質量部、離型剤S1としてのテトラデカノールエチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステルを0.03質量部、離型剤S2としてのステアリルアミンエチレンオキシド15モル付加物0.03質量部、光重合開始剤I1としての1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン(BASF社製 イルガキュア184)を3質量部混合し、均一化して高屈折率媒質部形成用組成物を得た。なお、この高屈折率媒質部形成用組成物を厚さ100μmとなるように塗工し、高圧水銀ランプで800mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製 DR−M2)を用いて波長589nmにおける屈折率を測定したところ、1.55であった。
支持層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製 A4300 厚さ100μm)を用意し、支持層上に調整した高屈折率媒質形成用組成物を塗布し、金型を用いて成形し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して高屈折率媒質形成用組成物を硬化させ、第1面側に開口を有する高屈折率媒質部を形成した。
次に低屈折率媒質部形成用組成物を以下のように作成した。光硬化性プレポリマー(P3)としてウレタンアクリレートを42質量部、光硬化性プレポリマー(P4)としてエポキシアクリレートを18質量部、反応性希釈モノマー(M3)としてのトリプロピレングリコールジアクリレートを35質量部、反応性希釈モノマー(M4)としてのメトキシトリエチレングリコールアクリレートを5質量部、光重合開始剤(I1)としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、メーカー名:BASF)を7質量部混合し、均一化して、低屈折率媒質部形成用組成物を得た。なお、この低屈折率媒質部形成用組成物を厚さ100μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製)を用いて、589nmの屈折率を測定したところ、1.490であった。
前記低屈折率媒質部形成用組成物を、ドクターブレードを用いて高屈折率媒質部の表面上に形成された溝部内に充填するとともに、余剰分の低屈折率媒質部形成用組成物を掻き落とした。その後、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して低屈折率媒質部形成用組成物を硬化させ、低屈折率媒質部を形成し、光反射部材を作製した。
<<赤外線遮蔽部材の準備>>
以下の通り赤外線遮蔽部材を作製した。
<<<六角形状の平板状の銀平板粒子の合成>>>
(種晶溶液の作製) 2.5mMのクエン酸ナトリウム水溶液50mLに、0.5g/lのポリ スチレンスルホン酸水溶液を2.5ml添加し、35℃まで加熱した。この溶液に10mMの水素化ほう素ナトリウム水溶液を3ml添加し、0.5m Mの硝酸銀水溶液50mlを20ml/minで攪拌しながら添加した。この溶液を30分間攪拌し、種晶溶液を作製した。
(銀ナノ粒子分散液の調製) 反応釜に、2.5mMのクエン酸ナトリウム水溶液132.7mlを入れ 、イオン交換水87.1mlを添加し、35℃まで加熱した。反応釜中の前記溶液に、10mMのアスコルビン酸水溶液を2ml添加し、前記種晶溶液を42.4ml添加し、0.5mMの硝酸銀水溶液79.6mlを2ml/min(添加時間39.8分)で攪拌しながら添加した。30分間攪拌した後、0.35Mのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液71.1mlを反応釜に添加し、7質量%ゼラチン水溶液200gを反応釜に添加した。反応釜中の前記溶液に亜硫酸銀沈殿物混合液〔0.25Mの亜硫酸ナトリウム水溶液107mlと、0.47Mの硝酸銀水溶液107mlを混合してできた、白色の亜硫酸銀沈殿物混合液〕を添加した。亜硫酸銀沈殿物混合液を添加した直後の液pHは5.6であった。これを、300分攪拌し、銀ナノ粒子 分散液A1を得た。銀ナノ粒子分散液A1を200mL抽出し、遠心分離機(コクサン社製H200−N)で7000rpm、60分遠心分離を行い、銀ナノ粒子を沈殿させた。遠心分離後の上澄み液を190mL捨て、0.2mMのNaOH水溶液を90mL添加し、卓上型ホモジナイザー(三井電気精機社製、SpinMix08)にて15000rpmで20分間分散させることで、銀ナノ粒子分散液B1を調液した。
(六角平板状の銀平板粒子の評価) この銀ナノ粒子分散液A1中には、平均円相当径230nm、平均粒子厚み16nmの銀の六角平板粒子(以下、六角平板状の銀平板粒子と称する) が主として生成していることを以下の評価方法にしたがって確認した。銀ナ ノ粒子分散液B1に関しても、銀ナノ分散液A1と同様とほぼ同じ結果であった。 以下に、銀ナノ粒子分散液中の得られた銀ナノ平板粒子について、諸特性を評価した方法を示す。
−銀ナノ粒子の形状− 銀ナノ粒子の形状均一性は、観察したSEM画像から任意に抽出した200個の粒子の形状を、六角形状の銀平板粒子、円形状の銀平板粒子、涙型な どの不定形形状の粒子を互いに区別して画像解析を行い、60個数%以上含まれる形状を求めた。
−六角形状の銀平板粒子の平均円相当径− 銀ナノ粒子分散液A1、B1それぞれの分散液に関してTEM観察により 得られた像を、画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施した 。数視野のTEM像から任意に抽出した500個の粒子に関して画像解析を行い、同面積円相当直径を算出した。これらの母集団に基づき統計処理した結果、A1、B1共に平均直径は230nmであった。
−平均粒子厚み− 銀平板粒子分散液B1をシリコン基板上に滴下して乾燥し、銀平板粒子の 個々の厚みをFIB−TEM法により測定した。銀平板粒子分散液B中の銀平板粒子5個を測定して平均厚みは16nmであった。その他の実施例、比較例に関して同様の手法で平均厚みを算出した結果、平均厚みが8nm〜16nmであることを確認した。
−アスペクト比− 得られた六角形状の銀平板粒子の平均円相当径及び平均粒子厚みから、平均円相当径を平均粒子厚みで除算して、六角形状の銀平板粒子のアスペクト比を算出した。
(赤外線遮蔽部材の作製) 銀平板粒子分散液16mlに1NのNaOHを0.75ml添加し、イオ ン交換水24ml添加し、遠心分離器(コクサン社製H−200N、アンブ ルローターBN)で5,000rpm、5分間、遠心分離を行い、六角形状の平板状の銀平板粒子を沈殿させた。遠心分離後の上澄み液を捨て、水を5ml添加し、沈殿した六角形状の平板状の銀平板粒子を再分散させた。この分散液に2質量%の下記W−1の水メタノール溶液(水:メタノール=1: 1(質量比))を1.6ml添加し、塗布液を作製した。
(実施例1)
前記塗布液をワイヤー塗布バーNo.8(R.D.S Webster N.Y.社製)を用いて50μm厚のPETフィルム(A4300、東洋紡績(株)製)上に塗布し、乾燥させて、表面に六角形状の平板状の銀平板粒子が固定された乾燥厚み50nmの無機粒子が含まれる部位を形成し、赤外線遮蔽部材を作製した。
(実施例2)
前記塗布液をワイヤー塗布バーNo.56(R.D.S Webster N.Y.社製)を用いて50μm厚のPETフィルム(A4300、東洋紡績(株)製)上に塗布し、乾燥させて、表面に六角形状の平板状の銀平板粒子が固定された乾燥厚み380nmの無機粒子が含まれる部位を形成し、赤外線遮蔽部材を作製した。
(実施例3)
前記塗布液をワイヤー塗布バーNo.4(R.D.S Webster N.Y.社製)を用いて50μm厚のPETフィルム(A4300、東洋紡績(株)製)上に塗布し、乾燥させて、表面に六角形状の平板状の銀平板粒子が固定された乾燥厚み25nmの無機粒子が含まれる部位を形成し、赤外線遮蔽部材を作製した。
(実施例4)
前記塗布液をクリアランス8milに設定したベーカー式アプリケーター(テスター産業社製)を用いて50μm厚のPETフィルム(A4300、東洋紡績(株)製)上に塗布し、乾燥させて、表面に六角形状の平板状の銀平板粒子が固定された乾燥厚み600nmの無機粒子が含まれる部位を形成し、赤外線遮蔽部材を作製した。
(比較例1)
赤外線遮蔽部材として、屈折率の異なる複層金属蒸着膜からなる赤外線遮蔽層を有する東洋包材株式会社製の遮熱フィルム(品名:CR-80)を用いた。
<<採光シートの作製>>
実施例1から4、比較例3の赤外線遮蔽部材を、前記光反射部材の光が入射する第1面側に接着剤を用いて貼り合せることにより、採光シートを作製した。
<評価>
前記光反射部材と、実施例1から4、および比較例3の赤外線遮蔽部材とを用いて作製した採光シートに関し、以下の評価を行なった。
<<赤外線反射機能の評価>>
分光光度計(島津UV3100PC)で波長400nmから2500nmの範囲における日射反射率を測定し、反射率50%以上を「極めて良好」、30%以上50%未満を「良好」、30%未満を「悪い」とした。
<<色分解の評価>>
採光シートを窓面に貼付し、天井に取り込まれた光の色味を目視観察した。色分解が視認できないものを「極めて良好」、視認できるものを「悪い」とした。
<<日中通しての色変化の評価>>
午前9時、正午、午後16時における室内へ取り込まれる光の色味変化を、目視観察した。取り込み光の色味変化が分からないレベルを「極めて良好」、よく見ると分かるレベルを「良好」、明確に分かるレベルを「悪い」と評価した。
表1に示すように、赤外線反射機能の評価結果は、赤外線遮蔽部材の無機粒子が含まれる部位の厚みが50nm以上の、実施例1、2、4、比較例1において「極めて良好」であった。赤外線遮蔽部材の無機粒子が含まれる部位の厚みが25nmの実施例3は、「良好」であった。
色分解の評価結果は、金属微粒子を用いた実施例1から4において「極めて良好」であった。多層蒸着膜を用いた比較例1においては、色分解が発生し、「悪い」という結果を得た。
日中通しての色変化の評価結果は、赤外線遮蔽部材の無機粒子が含まれる部位の厚みが可視光の波長以下である実施例1から3、比較例4において、「極めて良好」であった。赤外線遮蔽部材の無機粒子が含まれる部位の厚みが可視光の波長以上である実施例4において、「良好」の結果を得た。