JP6569100B1 - 開脚補助器具 - Google Patents

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【課題】 介助者なしで股関節の柔軟性を高めることのできる開脚補助器具を提供すること。【解決手段】 硬質発泡樹脂体からなる器具本体部が、上平面に座面を備えた基部と、該基部の前方中央から上方に突出する前方中央突出部と、該基部の後方から上方に延びた背面立壁部からなり、該器具本体部の内部に前方中央突出部から背面立壁部まで金属製あるいは硬質プラスチック樹脂製の芯材が一体に配されており、前方中央突出部を跨ぐように座面に着座して前傾運動をするための開脚補助器具である。【選択図】 図1

Description

本発明は、身体の股関節の柔軟性を促進するための開脚運動を補助する開脚補助器具に関するものである。
人の股関節は脚全体の動きに関わることから、運動時のパフォーマンスに非常に大きな影響を及ぼす。股関節が硬くその可動範囲が狭ければ、単に身体の動きが制約されるのみならず、代わりに他の関節にも負担がかかるなどして、全体的なパフォーマンスまで低下させてしまう。こうした股関節の硬さには、股関節の周囲の筋肉、たとえば、股関節後外側面の大殿筋、中殿筋、小殿筋等の多数の筋肉や、股関節や下半身の各靱帯の伸びなどが関わっている。生活や仕事等のなかで同じ姿勢を保持しつづけることで筋肉が筋緊張を起こすと、結果として柔軟性が損なわれて固まってしまうので、緊張を緩和させることが重要である。
そこで、股関節の柔軟性を高める運動は、股関節そのものの可動域の改善のみならず、全身の運動パフォーマンスの向上にもつながる。また、股関節周囲の運動によって股関節周囲の血行やリンパの流れが促されることで、身体の代謝が高まることも期待されている。それゆえに、身体能力の向上に加えて、健康促進の観点からも、股関節の柔軟性を高める運動のひとつとして開脚運動が実施されている。
開脚運動としては、器具を用いずに、両足を開いた状態で着座し、上半身を前傾させることで股関節の可動域を拡げようとする運動が知られている(たとえば特許文献1参照。)。こうした開脚運動は、独りで実施することもできるが、より効果的な運動とするために、介助者に背中を押してもらい付勢した状態で深く前傾するなどすることもある。しかしながら、誰かに押してもらうにもその加減自体が難しく、また介助者とペアでやる必要があるとなれば気楽にいつでも運動することができない。そこで、単独で効果的に開脚運動を実施しうる器具が求められている。
たとえば、特許文献2には、座板に腰掛けた姿勢で左右両脚の大腿部内側に当接されると共に、該大腿部を強制的に押し広げることのできない力で開脚方向に付勢する一対の開脚レバーが、前記座板の下面側に設けられていることを特徴とする股関節ストレッチ用具が開示されている。特許文献2の図3にあるように、腰掛けた姿勢で前傾することなしに、股の付け根にセットして内腿側から機械的に押し広げる器具である。
もっとも、機械的に押し拡げるような感がある器具であり、従前の開脚運動の延長線にはないので、自然な身体の運動とは異なる、付勢された器具によって開脚が実現されていくことを企図した器具である。
次に、特許文献3には、座板上に脚を折り曲げて左右に拡げて足裏を股の前で向かいあわせるようにした状態で、材板の左右に設けられたベルトリング内に膝を挿し入れ、ベルトを縮めていき、徐々に曲げた脚が座板から浮かないように押さえていくことで両股関節を開脚するようにストレッチする器具が開示されている。背中を押すのではなく、足を屈曲した状態で両足を膝が離れるように横に倒すようにして、股間を拡げる動きである。脚を伸ばして開き、背中を押すといった開脚運動とは伸ばされる部位が異なっており、異なる方向性の器具である。
また、特許文献4には、円環状帯からなる環状帯ゴムの中央両側に対向する位置を接続部とし、半円形状の可動帯ゴムを連接したものであって、環状帯ゴムの開口部の直径は人体の胴よりも大きいものとし、開口部の内側より両脚で環状帯ゴムを押し伸ばすことにより可動帯ゴムは身体の背面部を前方に押圧して、開脚と上体を前に倒すストレッチを補助することを特徴とするストレッチ体操用ゴム帯が開示されている。
これは、背中側に半円の可動ゴムを回すようにして背中を押す動きをするもののようであるが、円環状のゴムを両足の先をつっぱって伸ばすことが求められており、背中を押す力は脚の突っ張りが必要となることから、脚に相応の負荷がかかるので、適用できる人が限られやすく、自然な状態で開脚する運動とは異なり、それなりの筋力を必要としている。
以上のとおり、従前も、独りで運動するための種々の補助器具が開発されているが、脚を伸ばして前屈することで開脚していく運動そのものを介助者が背中を押すように補完するものではなく、あるいは、背中を押すには余計な筋力を消費するなど、リラックスして運動するには十分ではないものであった。
特開平2−1299号公報 特開2005−211327号公報 特開2007−283018号公報 特開2009−153955号公報
本発明が解決しようとする課題は、安楽なリラックスした状態で脚を伸ばして上半身を傾倒させることで開脚が自然と促され、介助者なしで独りで運動しつつも、余計な力を使わずに股関節の柔軟性を高めることのできる開脚補助器具を提供することである。
本発明の課題を解決するための第1の手段は、
硬質発泡樹脂体からなる器具本体部が、上平面に座面を備えた基部と、該基部の前方中央から上方に突出する前方中央突出部と、該基部の後方から上方に延びた背面立壁部からなり、該器具本体部の内部に前方中央突出部から背面立壁部まで金属製あるいは硬質プラスチック樹脂製の芯材が一体に配されており、前方中央突出部を跨ぐように座面に着座して前傾運動をするための開脚補助器具である。
その第2の手段は、前方中央突出部の突出高さが背面立壁部の高さより高いこと、を特徴とする第1の手段に記載の開脚補助器具である。
その第3の手段は、芯材の屈曲部に補強用リブが備わっていること、を特徴とする第1または第2の手段に記載の開脚補助器具である。
その第4の手段は、芯材は底面にドーム状の下方突出部を備えていること、を特徴とする第1から第3のいずれか1の手段に記載の開脚補助器具である。
その第5の手段は、硬質発泡樹脂体からなる器具本体部が、上平面に座面を備えた基部と、該基部の前方中央から上方に突出する前方中央突出部と、該基部の後方から上方に延びた背面立壁部からなり、さらに、該前方中央突出部の突出高さが該背面立壁部の高さより高いことを特徴とする、該前方中央突出部を跨ぐように座面に着座して前傾運動をするための開脚補助器具である。
その第6の手段は、器具本体部の基台底面中央が下方に膨らんでいること、を特徴とする第1から第5のいずれか1の手段に記載の開脚補助器具である。
本発明の手段によると、開脚補助器具の座面に開脚した状態で着座した利用者は、前方中央の突出部に前方に押すように手を添えて上半身を倒し込むと、自身の加重によって安楽に前傾することができ、前方中央突出部から座面下を経て背面部まで一体に配された硬質の芯材によって背面立壁部も追従するので、背面側から利用者の腰が背面から押されることとなり、付勢され、よりスムーズに前傾動作が促されることとなる。
前方中央突出部の頂部の高さが背面立壁部の頂部の高さに比して高いと、前方中央突出部の手を添える位置を高くすることができるので、梃子の原理によって前方中央突出部に加わる荷重よりも背面立壁部側から押す力を増強させることができる。
前方中央突出部の上方に手を添えた場合、前方に上半身の体重をかけるだけで背面から腰を押す力を十分に得られるので、力を入れて手で押さずとも軽く手を添えて前傾するだけで自然と十分な腰を押す力を得ることができる。
すると、従来必要だった介助者を用いずに、余計な力をかけることなく、自然とした前傾による開脚運動をする無理のない動きのなかで、開脚運動を促進することができ、股関節の柔軟性を向上させる運動を効率よく実施できる。
また器具本体部の基台の底面中央が下方に膨らんでいるので、底が不安定な姿勢となるので、着座者は器具を軽く揺らすだけで前傾等の傾動動作にスムーズに移行することができ、芯材の底面下方の下方突出部が基台の底面中央の膨らみを内部から支えているので着座者の荷重で潰れてしまうことなく、膨らみが維持できる。
図1は本発明の実施例1の態様の器具本体部の斜視図である。 図2は実施例1の態様の鋼板製芯材を用いた器具本体部の断面図である。 図3は本発明の開脚補助具の前傾する様子を示した図である。実線で示す(a)が静置時であり、破線で示す(b)が前傾時である。 図4は、前方中央突出部の手受け部に加えた力を横軸に、背面立壁部の腰部当接部にかかった力を縦軸にプロットしたグラフである。 図5は本発明の他の実施の態様の器具本体部の斜視図である。 図6は、他の実施の態様として、硬質プラスチック樹脂製の芯材にリブと下方突出部とを備えた様子を示す器具本体部の一部を切断して示した斜視説明図である。
以下、本発明の開脚補助器具の実施の形態を適宜図面を用いつつ説明する。図1〜3に、本発明の開脚補助器具(1)の代表的な実施形態の1つを示す。この実施例の開脚補助器具(1)は、硬質発泡樹脂体で形成された器具本体部(2)の内部に、硬い芯材(8)を備えており、器具本体部の外表面は、伸縮性のカバーである外装体(図示しない。)の生地に被覆されている。なお、この図面の実施例1における芯材(8)は、図2に示すような鋼板製である。開脚補助器具(1)の基本的な構成は芯材が硬質プラスチック樹脂製(図6参照)でも共通するので、以下に鋼板製の芯材を例に実施例1として説明する。
なお、あくまで図1に図示された器具本体部の外観デザインは、本発明の構成を実現するデザインの一例であって、図示された形状のみに限定されるものでない。たとえば、前方中央突出部(4)や背面立壁部(6)の上方のデザインは機能面を備える限り、図5に示すようにハートなどの幾何学図形や生物などをモチーフとしたデザインを取り入れることもできる。
開脚補助器具(1)の器具本体部(2)は、図1〜3に示すように、全幅約330mm、全長約490mm、静置時全高が約435mmであって、図2の向かって左が前側、右を背中側としたとき、中央の基部(3)の上平面には座面(15)があり、基部(3)の前端中央に上方へ突出する前方中央突出部(4)と、基部(3)の後端には背面立壁部(6)が上方に向かって伸びている。基部(3)の底部中央が膨らんでいるので、静置時にも底部膨らみ(11)の影響で座面(15)が水平よりも前方をやや高い位置となっている。
前方中央突出部(4)の基部(3)から前方中央突出部頂部(12)までの長さは、背面立壁部(6)の基部(3)から背面立壁部頂部(13)までの長さに比して、長い。そこで、座面(15)が水平状態のとき、前方中央突出部頂部(12)の高さは、背面立壁部頂部(13)よりも高くなっている。前方中央突出部頂部(12)のすぐ下のあたりの着座者と対向する上方は、手を添えるための手受け部(5)として、やや大きい面となっている。また、前方中央突出部(4)は、着座者がこれを跨ぐように両足の間に挟まれるので、基部(3)との付け根付近は手受け部(5)に比して細幅となっている。
背面立壁部(6)は、着座者の背中の腰あたりまでの高さであって、前傾する際に腰部当接部(7)が着座者の腰部に当接して背面から前方に押す役割を果たすものである。そこで、背中が痛くならないように、腰部当接部(7)のあたりの硬質発泡樹脂体は、やや厚みをもたせてクッション性を高めておくとよい。
本発明の器具本体部を構成する硬質発泡樹脂体とは、たとえば、硬質ウレタンフォームや硬質ポリスチレンフォームなどの独立気泡の発泡樹脂体である。硬質ウレタンフォームとは、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートとヒドロキシル基を2個以上有するポリオールを、触媒(アミン化合物等)、発泡剤(水、フルオロカーボン等)、整泡剤(シリコーンオイル)などと一緒に混合して、泡化反応と樹脂化反応を同時に行わせて得ることができるプラスチック発泡体として知られており、独立気泡である。
実施例1の開脚補助器具(1)は、さらに硬質発泡樹脂体からなる器具本体部(2)を外装体(14)(特段図示しない。)となる伸縮性の布製カバーで被覆している。こうした外装体は、器具本体部(2)の耐久性と使用時の快適性をもたらす。また、座面(15)には臀部にあわせて左右に二つ窪み(16)を設けて適切な着座位置が直感的にわかるように誘導するものとしておくとよい。たとえば、臀部のための座面(15)の窪み(16)は、それぞれ、前後が130mmの幅110mmで、15mmほどの深さとしておくなどする。この窪み(16)自体は、外装体(14)の伸縮生地によって被覆されているので目立ちにくいので好適である。すなわち、外装体(14)は本体の窪み(16)よりも少し張られた状態で覆っておき、着座時には臀部に従って布地が伸びて窪みにフィットするようにしておくと、すっきりしたデザインでありながら、自然と着座位置に誘導されることとなる。すると、背面立壁部から座面にかけてのカーブに沿って骨盤を立たせるように座ることとなり、背筋をの伸ばした着座姿勢が正しくとりやすいものとなるので、強く意識せずとも自然と背面立壁部(6)の腰部当接部(7)と着座者の背中が適切に接する状態に誘導され、運動効果が適切に得やすいものとなる。
(芯材について)
実施例1では、図2に示す芯材(8)は鋼板製である。芯材は、鋼板やアルミ板などの金属製以外にも、硬質プラスチック樹脂も好適に適用しうる。芯材は、器具本体部の内部に前方突出部から基部を経て背面立壁部に至るまで一体的に配されているので、器具本体部全体が前後に一体的に揺動する。前方に一体的に傾動するので、背面立壁部が後方から着座者の背面を押すこととなる。芯材があるので、硬質発泡樹脂体は、クッションとしての適度な軟らかさが保持されていてもよく、硬質発泡樹脂体のみで背中を押すわけではないので、カチコチに硬くする必要はなく、よりフィット感のよい適度な座り心地のよいものとすることができる。
芯材が入っていない場合、通常の軟らかいクッションであると、前方中央突出部を手で前方に押し倒すと、座面や基部は静置時の位置のまま、前方中央突出部だけが前倒して折れ曲がるように座屈することとなってしまうので、上半身を倒し込むことが十分にできない。仮に基部を前傾させようとした場合でも、着座者は上半身を前傾させようとしなけえば、背面立壁部が腰にあたって折れ曲がり、直立する背中に負けて倒れてしまうので、十分な押圧力を付与することができない。
また、一般的な鞍のような姿勢の座具では、クッションの前方中央突出部の背が低く小さい形状であるから、これを両太股で挟み込むように脚を閉じてクッションを潰すようにして座るようになっている。他方、本発明では芯材(8)があるので、仮に太股で挟んでも潰れてしまうことがなく、潰すのではなく、脚を閉じた状態で用いる場合も前方中央突出部をホールドした状態で使用することとなる。
他方、本発明では、前方中央突出部(4)は、内部に芯材(8)が配されているので、これを前方に押せば梃子の原理で、一体的に基部(3)や背面立壁部(6)も前傾する。そして、前方中央突出部(4)の上部高さが背面立壁部(6)の上部高さよりも高ければ(長さが長ければ)、より軽い負荷で前傾しだすことが可能となる。
芯材は、鋼製あるいはアルミ製などの金属製の場合は、鋼板またはアルミ板を曲げ加工したり、鋼製またはアルミ製の鋳造で形成して、所望の芯材形状を得ることができる。また、ABSあるいはポリプロピレンなどの硬質のエンジニアプラスチック樹脂を予め所望の形状に向けて作製した金型を用いて射出成形することで得ることができる。
さらに図6の例のように、前後方向にわたるフィン状の補強用リブ(10)を複数条設けてもよい。芯材の折曲部となる座面下から前方中央突出部内にかけての強度や、座面下から背面立壁部内にかけての芯材の強度を補強しておくと、前方中央突出部を前方に押し倒したときに撓みすぎず、一体的に芯材が傾動しようとする剛性が得られる。とりわけ、硬質プラスチック樹脂製の芯材にリブを設けることは、板厚が薄く軽い板材としても、リブの補強によって十分な剛性が得られることから、重量が軽くできる点でより好ましいものとなる。
さらに、器具本体部(2)の底面中央が下方に膨らんでいると、基部底面が平坦である場合に比べてスムーズに傾動しうる。そして、芯材の底面にドーム状の突出部があると、硬質発泡樹脂体の底面中央がつぶれにくく、下方の膨らみが着座者の加重でつぶれることもないので、傾動動作がスムーズに保てる。
(芯材を用いない場合について)
本発明において、他の実施の形態として、芯材なしの硬質発泡樹脂材を用いる開脚補助器具とすることもできる。芯材を用いない場合には、簡単に折れ曲がらないよう、より密度の高い硬めの発泡樹脂材を選択することが望ましい。もちろん強度を優先して硬くすることとなるので、使用時の着座感が硬めとなるが、長時間腰掛けるクッションとは用途が異なることから、10分程度の短時間の日々の運動に供するためであれば使用に供しうる。
鋼材製の芯材を用いる場合に比して、芯材を用いない開脚補助器具は十分に軽いものとすることができる。また内部に芯材を配したうえで射出成形するといった必要がないので、成形等の製造も容易であることから、製造コストを下げることができる。
もっとも、現実的な強度が十分なものとならず折損しやすいものとなりやすいので、芯材を用いない場合には、まず、特に前方中央突出部(4)の高さを十分高くして、背面立壁部(6)の高さより高くして、梃子の原理により前方中央突出部(4)を強く押さずとも押圧効果が得られるようにすることで、前方中央突出部(4)に荷重をかけすぎないようにすることが望ましい。また、自然と基部(3)が前傾しやすいように、基部(3)の底面中央を下方に膨らませて、傾けやすいものとしておくとよい。さらに、前方中央突出部(4)の下方を太めにして基部(3)の付け根で座屈しにくくしたり、背面立壁部(6)の前後の厚みをより肉厚なものとすることで分厚く折れ曲がりにくいものとすると、背中を押す力が逃げて座屈することが避けられる。
(開脚運動の場合の前傾動作)
本発明の開脚補助器具を持った運動について、以下に説明する。使用者は、開脚補助器具(1)の前方中央突出部(4)を跨ぎ、基部(3)の上平面の座面(15)に臀部を載せ、後方の背面立壁部(6)の手前に腰部が位置するように着座する。その後、前方中央突出部(3)の上部の手受け部(5)に掌を添えて上半身を前方に倒すと、上半身の荷重が前方中央突出部(3)の上方に伝わり、芯材が背面立壁部内まで一体であることから、器具本体部も一体的に前方に傾くこととなるので、両脚を開脚しながら前方に傾動する身体の背面から、背面立壁部(6)の腰部当接部(7)が着座者の腰部を押すこととなる。
すなわち、図2に示すように、前方から背面まで一体の芯材を備えていることから、図3の(b)に示すように前傾するとき、前方中央突出部(4)の上方を前方に押し出す力が梃子のようにして背面立壁部(6)に伝わり、腰部当接部(7)が着座者の腰部を後方から押すように十分に付勢することができる。そこで、両脚をVの字に開いて中央に上半身を前傾する開脚運動をするとき、介助者が背中から押さずとも、使用者単独でも安楽に前傾姿勢を深くとることができる。そこで、股関節の可動域を拡げる開脚運動及び前屈運動をすることのできる柔軟性を向上させる開脚補助器具となっている。
(開脚補助器具の前方中央突出部によるレバレッジ効果について)
本発明の開脚補助器具(鋼板製の芯材)を用いて、前方中央突出部の上方を前方に押した負荷(2〜10kgf)に対して、追従して前傾する背面立壁部の上部正面(手受け部)が前方に加える力(x)を測定し、横軸に前方中央突出部にかけた力(y)を、縦軸に背面立壁部の上部正面(腰部当接部)にかかった力をプロットした。図4にグラフに示す。y=1.35xとなり、前方に荷重を加えると、背中側から押す力がおよそ35%増強されて加わることが確認された。
たとえば実施例1では、前傾させる前の静置時(図3(a))において、前方中央突出部の上端の高さは、図2に示すように床から435mmであり、背面立壁部の上端の高さは265mmである。背面立壁部の高さよりも前方中央突出部の高さが高く(長さが長く。)、手を添える前方中央突出部の上方は、背面立壁部よりも前傾する際の支点からの距離が遠いものとなっている。そこで、梃子の原理により、前傾する際に手をそえて上半身の荷重をのせていくだけで、背面からの十分な押圧が得られることとなるのである。
前傾する際に、前方に加える力と同じ力で後方から押そうとしても、背中を押されたという感じは体感しづらいところがある。他方、3割増し程度の力が背後から加われば、背中を押されている感覚が明確に得られるので、開脚した前傾姿勢を深くとることが促進される。
もちろん、硬質な芯材のみで構成されているわけではなく、芯材の周囲に硬質発泡樹脂があることから、立体的な背中の形状に適度にフィットすることができる。そこで全体的な面で背中を押すこととなるので、一部に力が集中することにならず、痛みを感ずることなく自然な運動をすることができる。また、3割増し程度の力で押すだけであるから、過度に強い荷重がかかるわけではなく、背後から介助者が自身の荷重をかけすぎる場合のようなやりすぎとなりにくい。
なお、本発明の開脚補助器具(1)は、基部(3)の底面が下方が膨らんでいるので(底部膨らみ(11))、前後の傾動に限らず、前後左右への移動や揺動が容易にできる。そこで、(i)両脚をVの字に開いて中央に上半身を前傾する開脚ストレッチ運動に加えて、(ii)Vの字に開いた両脚の片方に上半身を倒すように斜め横に傾斜したストレッチをする運動や、(iii)合掌座りをして前屈するストレッチ運動、(iv)両足を前に伸ばした状態で前屈するストレッチ運動などにも適用できる。さらに回旋運動やゆらゆらさせる揺動運動にも応用しうる。
(運動による効果試験)
(ア)本発明の実施例1に記載の開脚補助器具に着座しての開脚運動の実施と、(イ)器具を使用せずに同様の運動を実施した場合、とで、運動の前後での実施者の柔軟性の向上度合いの違いを比較した。また、さらなる対比として、(ウ)芯材の入っていない硬質発泡樹脂体のクッション(他社製)を使用して同様の運動を実施した場合についても実施した。このクッションは前方中央突出部が低くかつ軟らかいので前に押すと押し潰れる。そのため、前傾しても背面側から押されることのないクッションである。
実験は、複数の被験者に対して、[1]第1週の月曜から金曜まで午前中に器具を使用せずに開脚等の柔軟運動(イ)を実施し、[2]第2週はインターバルとして運動を実施せず、[3]第3週に芯材の入っていないクッションを使用した運動(ウ)を実施し、[4]第4週はインターバル、[5]第5週に本発明の器具を用いて月曜から金曜まで同様の柔軟運動(ア)を実施した。
各日とも運動開始前と運動実施後に、それぞれ(A)体前屈した値と、(B)上半身を起こして座って脚をVの字に開いたときの開脚角度を記録した。
結果、各人の結果をまとめると、以下のような値が得られた。
(ア)本発明の器具を使用した場合、5日の運動で、
(A)の前屈が平均4.3cm、(B)の開脚角度が6.4度向上した。
(イ)器具を用いずに運動した場合、5日の運動で、
(A)の前屈が平均1.7cm、(B)の開脚角度が4.3度向上した。
(ウ)芯のないクッションの場合は、5日の運動で、
(A)の前屈が平均1.0cm、(B)の開脚角度が0.7度向上するに留まった。
上記の結果から、器具を使用せず脚をV字に開く開脚運動等をする(イ)の場合に比べて、本発明の開脚補助器具を用いた(ア)の場合には、体前屈の値がより大きく向上し平均値で2.6cm上回った。開脚角度も2.1度上回り、本発明の開脚補助器具を用いることで、効率よく柔軟性が向上していくことが確認できた。
他方、芯のないクッションを用いた場合には、5日間の運動の後でも、あまり大きな改善が認められず、通常の器具を使用しない場合に比して体前屈で−0.7cm,開脚角度で−3.6度低い平均値しか向上せず、むしろクッションを用いたほうが結果が劣るものとなった。
5日間での変化量は値としては小さいが、柔軟性は毎日繰り返しながら徐々に向上させていくものであることから、本発明の開脚補助器具を用いると、高い向上効率で改善していくこととなるので、長期的には、より早く柔軟性の改善効果が得られることとなる。
1 開脚補助器具
2 器具本体部
3 基部
4 前方中央突出部
5 手受け部
6 背面立壁部
7 腰部当接部
8 芯材
9 下方突出部
10 補強用リブ
11 底部膨らみ
12 前方中央突出部頂部
13 背面立壁部頂部
14 外装体
15 座面
16 窪み

Claims (6)

  1. 硬質発泡樹脂体からなる器具本体部が、
    上平面に座面を備えた基部と、
    該基部の前方中央から上方に突出する前方中央突出部と、
    該基部の後方から上方に延びた背面立壁部からなり、
    該器具本体部の内部に該前方中央突出部から該背面立壁部まで金属製あるいは硬質プラスチック樹脂製の芯材が一体に配されており、
    該前方中央突出部を跨ぐように座面に着座して前傾運動をするための開脚補助器具。
  2. 前方中央突出部の突出高さが背面立壁部の高さより高いこと、を特徴とする請求項1に記載の開脚補助器具。
  3. 芯材の屈曲部に補強用リブが備わっていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の開脚補助器具。
  4. 芯材は底面にドーム状の下方突出部を備えていること、を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の開脚補助器具。
  5. 硬質発泡樹脂体からなる器具本体部が、
    上平面に座面を備えた基部と、
    該基部の前方中央から上方に突出する前方中央突出部と、
    該基部の後方から上方に延びた背面立壁部からなり、
    さらに、該前方中央突出部の突出高さが該背面立壁部の高さより高いことを特徴とする、
    該前方中央突出部を跨ぐように座面に着座して前傾運動をするための開脚補助器具。
  6. 器具本体部の基台底面中央が下方に膨らんでいること、を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の開脚補助器具。
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