JP6567329B2 - 共振器 - Google Patents

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本発明は、無線給電システムに用いられる共振器に関する。
磁場の共鳴を利用することによって、送電側の共振器から受電側の共振器へと、無線で電力を伝送する磁界共振結合方式の無線給電システムが知られている。例えば、特許文献1には、磁界共振結合方式の無線給電システムに用いられる共振器において、車両側から受け付けた制御信号に基づいて、共振コイルの容量を変更することで、共振器の共振周波数を変更する車両用給電装置が開示されている。
特開2009-106136号公報 特表2009-501510号公報
松木英敏、他、「非接触電力伝送技術の最前線」、シーエムシー出版、p.7(2009年8月) 藤枝智之、鈴木雅美、「磁界共鳴方式電力伝送用低損失アンテナの検討」、PIONEER R&D、Vol.21、No.1/2012、p.11−15
特許文献1に記載された技術によれば、共振器の共振周波数を変更できる。しかしながら、無線給電システムにおいては、共振器の共振周波数を所定の値に設定した上で、さらに、共振コイルをより小型化したいという要望があった。また、共振器のコイルの巻数を増加させると、交流抵抗が上昇して、無線給電システムの電力の伝送効率が低下してしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の第一形態によれば、主に磁場の共鳴を利用して送電側の共振器から受電側の共振器に電力を伝送する無線給電システムに用いられる共振器が提供される。前記共振器は、導体で形成され、離間して配置される複数のコイルを備え、前記複数のコイル全体を等価回路で表したとき、前記等価回路の共振周波数と反共振周波数とに関係する第1の容量成分と、前記反共振周波数に関係する成分である第2の容量成分とが、前記共振周波数におけるQ値が100以上になるような所定の値であってよい。この形態の共振器によれば、共振器を小型化しつつ、無線給電システムにおける電力の伝送効率の低下を抑制できる。
(2)上記形態の共振器において、前記等価回路は、インダクタ成分と抵抗成分と前記第1の容量成分とが直列に接続されている直列回路と、前記直列回路に並列に接続されている前記第2の容量成分と、によって表されてもよい。この形態の共振器によれば、共振器の共振周波数におけるQ値の値をより適切に設定できる。
(3)上記形態の共振器において、前記第1の容量成分に対する前記第2の容量成分の比が、0.8以上になるように、前記複数のコイルが構成されてもよい。この形態の共振器によれば、高いQ値が得られるため、電力の高い伝送効率を実現できる。
(4)上記形態の共振器において、さらに、前記複数のコイルの間に配置される第1の誘電体部を備えてもよい。この形態の共振器によれば、複数のコイルの層間の浮遊容量を大きくしつつ、コイルの巻数を小さくできるため、共振器を小型化できる。また、共振器に発生する電界の外部への漏洩を抑制できる。
(5)上記形態の共振器において、さらに;前記複数のコイルのうちの少なくとも1つは、当該コイルを構成する線材の間に配置される第2の誘電体部を備えてもよい。この形態の共振器によれば、線材間の浮遊容量を大きくしつつ、コイルの巻数を小さくできるため、共振器を小型化できる。また、共振器に発生する電界の外部への漏洩を抑制できる。
(6)上記形態の共振器において、前記複数のコイルのうちの少なくとも1つは、断面が四角状の線材によって形成されてもよい。この形態の共振器によれば、線材の線間または複数のコイルの層間における浮遊容量を大きくでき、コイルの巻数を小さくできるため、共振器を小型化できる。また、共振器に発生する電界の外部への漏洩を抑制できる。
(7)上記形態の共振器において、前記複数のコイルは、少なくとも、互いに隣り合って配置される第1と第2のコイルを含み、前記第1と第2のコイルは、前記第1のコイルを構成する第1の線材の巻き方向と、前記第2のコイルを構成する第2の線材の巻き方向と、が一致するとともに、前記第1と第2の線材同士が近接した状態で並列に延伸する部位を有するように配置されており、前記第1と第2のコイルには、前記第1と第2の線材が並列に延伸している部位において、前記第1と第2の線材に流れる電流の向きが同じになるように電流が流されてよい。この形態の共振器によれば、交流抵抗成分の増大を抑制でき、無線給電システムにおける電力の伝送効率の低下を抑制できる。
(8)上記形態の共振器において、前記第1と第2のコイルは、スパイラルコイルであり、前記第1のコイルは、第2のコイルに積層されており、前記第1と第2のコイルの積層方向に沿って見たときに、前記第1と第2の線材が並列に延伸している部位において、前記第1と第2の線材同士が互いに重なり合ってよい。この形態の共振器によれば、スパイラルコイルによって構成される共振器における交流抵抗成分の増大を抑制できる。
(9)上記形態の共振器において、前記第1と第2のコイルは、ソレノイドコイルであり、前記第2のコイルは、前記第1のコイルの内側に配置されており、前記第1と第2のコイルの径方向に見たときに、前記第1と第2の線材が並列に延伸している部位において、前記第1と第2の線材同士が互いに重なり合ってよい。この形態の共振器によれば、ソレノイドコイルによって構成される共振器における交流抵抗成分の増大を抑制できる。
(10)本発明の第二形態によれば、共振器が提供される。前記共振器は、磁場の共鳴を利用して送電側の共振器から受電側の共振器に電力を伝送する無線給電システムに用いられてよい。前記共振器は、導体で形成され、離間して配置される複数のコイルを備え、前記複数のコイルは、少なくとも、互いに隣り合って配置される第1と第2のコイルを含み、前記第1と第2のコイルは、前記第1のコイルを構成する第1の線材の巻き方向と、前記第2のコイルを構成する第2の線材の巻き方向と、が一致するとともに、前記第1と第2の線材同士が近接した状態で並列に延伸する部位を有するように配置されており、前記第1と第2のコイルには、前記第1と第2の線材が並列に延伸している部位において、前記第1と第2の線材に流れる電流の向きが同じになるように電流が流されてよい。この形態の共振器によれば、第1と第2のコイルの間における交流抵抗成分の増大が抑制され、無線給電システムにおける電力の伝送効率の低下を抑制できる。
(11)本発明の第三形態によれば、主に磁場の共鳴を利用して送電側の共振器から受電側の共振器に電力を伝送する無線給電システムに用いられる共振器が提供される。前記共振器は、導体で形成され、離間して配置される複数のコイルを備え、前記複数のコイル全体を等価回路で表したとき、前記等価回路の共振周波数と反共振周波数とに関係する第1の容量成分に対する前記反共振周波数に関係する成分である第2の容量成分の比の値が、0.8以上になるように、前記複数のコイルが構成されてよい。この形態の共振器によれば、共振器を小型化しつつ、無線給電システムにおける電力の伝送効率の低下を抑制できる。
本発明は、共振器以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、共振器を用いた無線給電システム、共振器の製造方法、無線給電システムの制御方法等の形態で実現できる。
本実施形態における無線給電システムの構成を示す概略ブロック図である。 送電側共振器に用いられる2層コイルの構成を示す説明図である。 送電側共振器に用いられる2層コイルの構成を示す説明図である。 2層コイルのB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。 外側コイルおよび内側コイルの周辺に発生する電気力線を説明するための概略図である。 2層コイルを用いた送電側共振器を含む等価回路の一例を示す説明図である。 単層コイルのインピーダンスの特性を示す説明図である。 単層コイルのインピーダンスの特性を示す説明図である。 単層コイルのインピーダンスの特性を示す説明図である。 単層コイルのインピーダンスの特性を示す説明図である。 比較例としての単層コイルの構成を示す説明図である。 比較例としての単層コイルの構成を示す説明図である。 2層コイルと単層コイルとにおける1つのコイルの巻数に対しての共振器等価回路の各パラメータの変化を示す説明図である。 2層コイルと単層コイルとにおける1つのコイルの巻数に対しての共振器等価回路の各パラメータの変化を示す説明図である。 2層コイルと単層コイルとにおける1つのコイルの巻数に対しての共振器等価回路の各パラメータの変化を示す説明図である。 2層コイルと単層コイルとにおける1つのコイルの巻数に対しての共振器等価回路の各パラメータの変化を示す説明図である。 2層コイルと単層コイルとにおける1つのコイルの巻数に対しての共振器等価回路の各パラメータの変化を示す説明図である。 2層コイルと単層コイルとにおける1つのコイルの巻数に対しての共振器等価回路の各パラメータの変化を示す説明図である。 結合係数とQ値との積に対する最大伝送効率の変化を表すグラフを示す説明図である。 共振器等価回路における各パラメータを調整した実施例1の2層コイルの共振周波数における交流抵抗とQ値との関係を示す説明図である。 第2実施形態における2層コイルのB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。 第3実施形態における2層コイルのB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。 第4実施形態における2層コイルのB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。 第5実施形態における2層コイルのB1−B1断面(図2)の一部を示す説明図である。 第6実施形態における2層コイルの構成を示す概略斜視図。 第6実施形態における2層コイルを分解して示す概略分解斜視図。 第6実施形態における2層コイルを示す概略平面図。 参考例としての2層コイルを示す概略平面図。 第6実施形態の2層コイルと参考例の2層コイルのインピーダンスの特性を示す説明図。 第6実施形態の2層コイルと参考例の2層コイルのインピーダンスの特性を示す説明図。 第7実施形態における2層コイルを示す概略斜視図。 第7実施形態における2層コイルを分解して示す概略分解斜視図。
次に、本発明の実施の形態を実施形態に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A−1.無線給電システムの構成:
A−2.2層コイルの構成:
A−3.2層コイルの等価回路:
A−4.単層コイルにおけるインピーダンス特性:
A−5.2層コイルと単層コイルとの比較:
A−6.電力の伝送効率と第1の容量および第2の容量との関係:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.第5実施形態:
F.第6実施形態:
G.第7実施形態:
H.変形例:
A.第1実施形態:
A−1.無線給電システムの構成:
図1は、本実施形態における無線給電システム100の構成を示す概略ブロック図である。無線給電システム100は、送電装置1と、受電装置2とを備えている。無線給電システム100では、磁界共振結合方式によって、送電装置1から受電装置2へと非接触(無線)で電力が伝送される。
送電装置1は、AC/DCコンバータ10と、高周波電源11と、整合回路12と、送電側共振器13と、無線通信部14と、制御部15とを備えている。AC/DCコンバータ10は、商用電源等から供給される交流電力を直流電力に変換して、高周波電源11へと供給する。高周波電源11は、AC/DCコンバータ10から供給される直流電力を用いて、所定の周波数の高周波電力を発生させ、整合回路12へと供給する。整合回路12は、出力側としての高周波電源11のインピーダンスと、受け側の送電側共振器13のインピーダンスとを合わせるインピーダンス整合を行なう。送電側共振器13は、整合回路12から高周波電力の供給を受け、所定の周波数で共振して電磁界エネルギーを生成する。本実施形態では、送電側共振器13は、2つのソレノイドコイルを外側と内側とに層状に重ね合わせた2層コイルと、2層コイルを支持する樹脂等の支持部材(図示せず)と、を備える。本実施形態における2層コイルは、請求項における複数のコイルに相当する。送電側共振器13の構成および機能の詳細については後述する。
無線通信部14は、送電装置1と受電装置2との間でやり取りされる情報を、無線により伝送する。無線通信部14は、例えば、送受信回路およびアンテナによって構成される。制御部15は、高周波電源11と、整合回路12と、無線通信部14と、を制御する。制御部15は、例えば、無線給電システムにおける所定の処理を実行するプロセッサと、データおよびプログラムを記憶するメモリと、によって構成される。制御部15が行なう制御の詳細については後述する。
受電装置2は、送電装置1の送電側共振器13との磁界共振結合によって高周波電力を発生させる。受電装置2は、受電側共振器20と、整合回路21と、整流器22と、バッテリ23と、負荷回路24と、無線通信部25と、制御部26と、を備えている。受電側共振器20は、送電装置1の送電側共振器13によって生成された電磁界エネルギーの所定の周波数に共振することによって、高周波電力を発生する。
整合回路21は、受電側共振器20のインピーダンスと、受け側の整流器22のインピーダンスと、を合わせるインピーダンス整合を行なう。整流器22は、整合回路21を介して、受電側共振器20において発生した高周波電力の供給を受ける。整流器22は、その高周波電力を整流して直流電力に変換し、バッテリ23へと供給する。バッテリ23は、整流器22から供給された直流電力を蓄える二次電池である。負荷回路24は、バッテリ23から供給された放電電流を動力源として動作する。負荷回路24は、例えば、受電装置2に接続される携帯電話などに搭載されている回路であってもよい。
無線通信部25は、送電装置1の無線通信部14との間で、情報を、無線により相互に伝送する。無線通信部25は、例えば、送受信回路およびアンテナによって構成される。制御部26は、整合回路21と、整流器22と、バッテリ23と、負荷回路24と、無線通信部25とを制御する。制御部26は、例えば、無線給電システムにおける所定の処理を実行するプロセッサと、データおよびプログラムを記憶するメモリと、によって構成される。
次に、無線給電システム100における送電装置1の送電側共振器13と受電装置2の受電側共振器20との構造および動作の詳細について説明する。送電側共振器13および受電側共振器20は、所定の共振周波数の高周波電力と磁界エネルギーとを相互に変換する共振コイルを有する。送電側共振器13の共振コイルと受電側共振器20の共振コイルとは、互いに所定の距離が離れた位置において対向するように配置されると共に磁気的に結合された状態で用いられる。このような状態で、送電側共振器13に高周波電力が加えられると、磁界共振結合によって、送電側共振器13において生成された磁界エネルギーが受電側共振器20に伝送される。受電側共振器20は、伝送された磁界エネルギーによって、高周波電力を発生させる。整流器22は、受電側共振器20によって発生した高周波電力を直流電流に変換し、バッテリ23は、変換された直流電流を蓄える。以上のように、送電装置1から受電装置2への非接触の電力伝送が行なわれる。
本実施形態の無線給電システム100では、送電装置1の制御部15と、受電装置2の制御部26と、が協働することによって、送電装置1から受電装置2への電力の伝送が実行される。制御部15は、無線通信部14を介して、受電装置2の無線通信部25が受信可能な信号を発信する。制御部26は、無線通信部25を介して、無線通信部14によって発信された信号を受信すると、受電装置2が電力を受電可能な状態であることを示す信号を無線通信部14へと送信する。制御部15は、無線通信部14を介して、受電装置2が受電可能な状態であることを受信すると、高周波電源11を用いて所定の高周波電力を発生させる。受電装置2の制御部26は、受電側共振器20に高周波電力が伝送されると、整流器22を用いて、高周波電力を直流電力へと変換する。制御部26は、変換された直流電力を、バッテリ23に蓄えたり、負荷回路24に給電したりする。
A−2.2層コイルの構成:
図2および図3は、送電側共振器13に用いられる2層コイル30の構成を示す説明図である。図2には、2層コイル30の斜視図が示されている。また、図3には、2層コイル30を矢視A1(図2)の方向に視た平面図が示されている。2層コイル30は、外側コイル32と、内側コイル34と、外側コイル32と内側コイル34との層間に配置された誘電体36と、によって構成されている。なお、図2では、外側コイル32と内側コイル34との位置関係を分かりやすくするために、誘電体36の図示が省略されている。
図2および図3に示すように、外側コイル32は、導体である導線(線材)が中心軸OLを中心として、同一の略長方形形状を連続して描くように、らせん状、すなわち、弦巻状に巻かれて形成されたソレノイドコイルである。なお、図2および図3では、矢視A1の方向および外側コイル32の中心軸OLに平行な軸をY軸とし、Y軸に直交して2層コイル30の厚さ方向(短辺に沿った方向)に平行な軸をZ軸とし、Y軸およびZ軸に直交する軸をX軸として図示されている。図2に示すように、外側コイル32では、導線は、Y軸方向に視たときに、中心軸OLを中心に反時計回りに周回しながらY軸方向に延びている。また、外側コイル32を構成する導線の直径はD1である。外側コイル32においてY軸方向に隣接する2つの導線間の距離は、t1である。図3に示すように、外側コイル32のX軸に平行な方向(長辺に沿った方向)における内径は、L1である。また、外側コイル32のZ軸に平行な方向(短辺に沿った方向)における内径は、H1である。
内側コイル34は、外側コイル32の内側において、外側コイル32に対して所定の間隔をあけて、導線がらせん状に巻かれて形成されたソレノイドコイルである。内側コイル34では、導線は、外側コイル32と同様に、中心軸OLを中心として、略長方形形状を連続して描くように、らせん状に巻かれている。内側コイル34では、導線は、Y軸方向に視たときに、外側コイル32とは逆方向の時計回に周回しつつY軸方向に延びている。内側コイル34は、外側コイル32との間の離間距離が全周にわたってt2となるように形成されている。内側コイル34における導線の直径は、外側コイル32と同じく、D1である。内側コイル34においてY軸方向に隣接する2つの導線間の距離は、外側コイル32と同じく、t1である。図3に示すように、内側コイル34のX軸に平行な方向(長辺に沿った方向)における内径は、L2である。また、内側コイル34のZ軸に平行な方向(短辺に沿った方向)における内径は、H2である。外側コイル32および内側コイル34の各種寸法によって設定される送電側共振器13の共振周波数等の詳細については、後述する。
図4は、2層コイル30のB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。図4では、図2では図示が省略されていた誘電体36が図示されている。誘電体36は、中心軸OLを中心とする略長方形形状の開口断面を有する筒状の部材である。誘電体36は、外側コイル32と内側コイル33との間に配置されている。外側コイル32は誘電体32の外周に巻かれており、内側コイル34は誘電体36の内周に巻かれている。本実施形態では、誘電体36は、セラミックス材料によって形成されている。誘電体36の厚さは、外側コイル32と内側コイル34との層間の離間距離と同じt2である。2層コイル30では、外側コイル32と内側コイル34との層間には、誘電体36が配置されていることによって大きな浮遊容量が生じる。
図5は、外側コイル32および内側コイル34の周辺に発生する電気力線を説明するための概略図である。図5には、外側コイル32および内側コイル34に交流電力が加えられたときに、外側コイル32および内側コイル34の周辺に発生する電気力線が複数の矢印CSによって概略的に示されている。なお、図5では、誘電体36の図示が省略されている。外側コイル32の導線と内側コイル34の導線とは、巻いてある方向が逆である。また、外側コイル32と内側コイル34には、同じ側の端部から交流電力が印加される。そのため、外側コイル32によって外側コイル32の内側に発生する磁界の向きと、内側コイル34によって内側コイル34の外側に発生する磁界の向きと、が中心軸OLに沿った方向において同じになる。したがって外側コイル32と内側コイル34との層間の磁界はより強くなる。2層コイル30によって発生する磁界が強くなることで、単層のコイルと比較して大きなインダクタンスを得ることができ、小さな巻数で大きなインダクタンスを得ることが可能となる。
A−3.2層コイルの等価回路:
図6は、2層コイル30を用いた送電側共振器13を含む等価回路の一例を示す説明図である。図6には、送電装置1における送電側共振器13および高周波電源11が示されている。高周波電源11は、発振器11aおよびインピーダンスZoの直列回路に相当し、送電側共振器13は、共振器等価回路13aに相当する。共振器等価回路13aは、インダクタンスLと第1の容量C1と抵抗Rとの直列回路13bと、当該直列回路13bに並列に接続された第2の容量C2とによって構成される。共振器等価回路13aの端子から見たインピーダンスZは、次の式(1)式で表される。
Figure 0006567329
式(1)において、虚部が0である条件を満たす周波数が共振周波数および反共振周波数であるため、式(1)を解くことによって、共振周波数F1および反共振周波数F2が得られる。共振器等価回路13aにおける共振周波数F1が下記(2)式で表され、反共振周波数F2が下記(3)式で表される。
Figure 0006567329
(2)式および(3)式に示すように、共振器等価回路13aの共振周波数F1は、インダクタンスLと第1の容量C1とによって算出され、反共振周波数F2は、インダクタンスLと第1の容量C1と第2の容量C2とによって算出される。すなわち、共振器等価回路13aにおいて、第1の容量C1は、共振周波数F1および反共振周波数F2に影響するパラメータであり、第2の容量C2は、反共振周波数F2に影響し、共振周波数F1には影響しないパラメータである。詳細については後述するが、本実施形態では、第1の容量C1と第2の容量C2とのそれぞれのパラメータを設定することにより、送電側共振器13の共振周波数F1における交流抵抗を制御する。なお、本実施形態における共振器等価回路13aは、本発明における等価回路の下位概念の一例である。本発明における等価回路は、異なる構成の回路として表されてもよい。第1の容量C1は、本発明における第1の容量成分の下位概念に相当し、第2の容量C2は、第2の容量成分の下位概念に相当する。また、インダクタンスLは、インダクタ成分の下位概念に相当し、抵抗Rは、抵抗成分の下位概念に相当する。本実施形態では、送電側共振器13に用いられる2層コイル30と受電側共振器20に用いられる2層コイル30とは同じであるが、他の実施形態では、送電側共振器13と受電側共振器20とに用いられるコイルは、共振周波数F1が同じであれば、異なる構成を有していてもよい。
共振器等価回路13aのインダクタンスLは、2層コイル30のサイズや巻数に応じて決まる。ここで、送電側共振器13から受電側共振器20への伝送効率ηは、次の(4)式のfom(figure of merit)で決まり、fomの値が大きいほど伝送効率ηは高くなる。
Figure 0006567329
(4)式において、結合係数kは、送電側共振器13の2層コイル30と受電側共振器20の2層コイル30との間隔(エアギャップ)に応じて変化し、2つの2層コイル30の間隔が大きくなるほど低下する。すなわち、結合係数kは、各2層コイル30の配置の制約に応じて決まる。これに対し、上述のQ値Q1、Q値Q2は、各2層コイル30の構成によって決まり、それらの値を高く設定すれば、fomが大きくなり、伝送効率ηを向上させることができる。一般に、角周波数ωにおける2層コイル30のQ値は、(5)式により与えられる。
Figure 0006567329
A−4.単層コイルにおけるインピーダンス特性:
図7から図10までの各図は、単層コイルのインピーダンスの特性を示す説明図である。図7には、所定の導線で所定の巻数N1である単層コイルについての周波数にと交流抵抗との関係を表す曲線LN1と、周波数とリアクタンスとの関係を表す曲線LN2とが示されている。曲線LN1は、(1)式における実部のパラメータの変化の軌跡を表し、曲線LN2は、(1)式における虚部のパラメータの変化の軌跡を表す。図8には、図7におけるX1部の拡大図が示されている。上述したように、(1)式における虚部のリアクタンスが0になる周波数が共振周波数F11および反共振周波数F12である。図8に示すように、巻数N1の単層コイルの共振周波数F11における交流抵抗は、交流抵抗Rf1である。
図9には、図7に示した単層コイルに対して、巻数N1よりも増やした巻数N2の単層コイルにおいて、周波数に対する交流抵抗の変化を表す曲線LN3と、周波数に対するリアクタンスの変化を表す曲線LN4とが示されている。図10には、図9におけるX2部の拡大図が示されている。図10に示すように、巻数N2の単層コイルの共振周波数F21における交流抵抗は、交流抵抗Rf2である。図8および図10から理解できるように、巻数N2の交流抵抗Rf2は、巻数N1の交流抵抗Rf1よりも大きい。ここで、(1)式および図8と図10から理解できるように、単層コイルにおいては、巻数が巻数N1から巻数N2へと増えることで、共振周波数の値と反共振周波数の値とが近づく。また、図8および図10の交流抵抗の変化を表す曲線LN1,LN3に示されているように、周波数に対する交流抵抗の値は、反共振周波数の値を最大値として、反共振周波数の値から離れた値の周波数になるほど、0に近づく。言い換えれば、周波数に対する交流抵抗の値は、反共振周波数の値に近づくほど大きくなる。すなわち、単層コイルにおいては、巻数が増加すると、共振周波数F21と反共振周波数F22とが近づき、共振周波数F21における交流抵抗Rf2が増加する。共振周波数F21における交流抵抗Rf2が増加すると、磁界共振結合方式による電力の伝送効率が低下する。
A−5.2層コイルと単層コイルとの比較:
次に、本実施形態の2層コイル30と比較例としての単層コイル40とを比較して、共振周波数F1に関連する各パラメータについて説明する。図11および図12は、比較例としての単層コイル40の構成を示す説明図である。図11には、単層コイル40の斜視図が示されている。また、図12には、単層コイル40を矢視A2(図11)の方向に視た平面図が示されている。単層コイル40の構成は、本実施形態の2層コイル30において、外側コイル32および誘電体36を省略した構成に相当する。すなわち、単層コイル40は、2層コイル30を構成する内側コイル34のみから構成されるソレノイドコイルに相当する。図11に示すように、単層コイル40の導線の直径は、内側コイル34と同じく、D1である。また、単層コイル40においてY軸方向に隣接する2つの導線間の距離は、内側コイル34と同じく、t1である。また、図12に示すように、単層コイル40のX軸に平行な方向(長辺に沿った方向)における内径は、L2である。単層コイル40のZ軸に平行な方向(短辺に沿った方向)における内径は、H2である。
図13から図18までの各図は、2層コイル30aと単層コイルとにおける1つのコイルの巻数に対しての共振器等価回路13aの各パラメータの変化を示す説明図である。なお、以下の説明における2層コイル30aは、比較例の単層コイル40との比較を容易にするために、便宜上、本実施形態の2層コイル30から誘電体36を省略したものである。すなわち、2層コイル30aの構成は、本実施形態の2層コイル30に対して、誘電体36を有さない点のみが異なり、その他の点については本実施形態の2層コイル30と同じである。
図13には、1つのコイルの巻数を変化させた場合における2層コイル30aの第1の容量C1の変化を表す曲線WC1および単層コイル40の第1の容量C1の変化を表すSC1が示されている。また、図14には、1つのコイルの巻数を変化させた場合における2層コイル30aの第2の容量C2の変化を表す曲線WC2および単層コイル40の第2の容量C2の変化を表す曲線SC2が示されている。2層コイル30aでは、外側コイル32と内側コイル34のそれぞれの巻数は同じである。図13および図14では、2層コイル30aにおける外側コイル32および内側コイル34の巻数と、単層コイル40の巻数と、が共通の横軸で示されている。図13に示すように、2層コイル30aでは、外側コイル32および内側コイル34の巻数を増加させると、受電側共振器20の第1の容量C1は、単調に増加する(曲線WC1)。一方、単層コイル40の巻数を増加させると、単層コイル40の第1の容量C1は、徐々に減少する(曲線SC1)。図14に示すように、2層コイル30aでは、コイルの巻数を増加させると、2層コイル30aの第2の容量C2は、単調に増加する(曲線WC2)。一方、単層コイル40の巻数を増加させると、単層コイル40の第2の容量C2はわずかに上に凸の曲線を描くように増加する(曲線SC2)。
図15には、1つのコイルの巻数を変化させた場合において、(2)式を用いて算出した2層コイル30aの共振周波数F1の変化を表す曲線WF1および単層コイル40の共振周波数F1の変化を表す曲線SF1が示されている。図15に示すように、2層コイル30aおよび単層コイル40の共振周波数F1は、コイルの巻数が増加すると、下に凸の曲線を描くように減少する。コイルの巻数が同じ場合には、2層コイル30aの共振周波数F1は、コイルの巻数にかかわらず、常に単層コイル40の共振周波数F1よりも低くなる。
図16には、1つのコイルの巻数を変化させた場合の共振周波数F1における2層コイル30aの交流抵抗Rf1の変化を表す曲線WR1および単層コイル40の交流抵抗Rf1の変化を表す曲線SR1が示されている。図16に示すように、2層コイル30aの曲線WR1および単層コイル40の曲線SR1はいずれも、コイルの巻数が増加すると、交流抵抗Rf1が増加する変化を示している。しかし、2層コイル30aの曲線WR1と単層コイル40の曲線SR1とでは、コイルの巻数に対する交流抵抗Rf1の増加の仕方が異なっている。2層コイル30aの曲線WR1では、交流抵抗Rf1がコイルの巻数に対してほぼ一次関数のように単調、かつ、緩やかに増加するのに対して、単層コイル40の曲線SR1では、コイルの巻数に対して交流抵抗Rf1が急激に増加する。
図17には、1つのコイルの巻数を変化させた場合において、2層コイル30aの周波数比WFRと、単層コイル40の周波数比SFRと、が示されている。ここで、「周波数比」とは、反共振周波数F2から共振周波数F1を引いた値を、共振周波数F1で除した値である((F2−F1)/F1)。図17に示すように、2層コイル30aの周波数比WFRは、コイルの巻数が増加すると、緩やかに増加し、その増加率は次第に小さくなっていく。一方、単層コイル40の周波数比SFRは、コイルの巻数が増加すると、0に向かって急激に減少した後に、0に近づくように緩やかに減少する。このように、2層コイル30aと単層コイル40とでは、コイルの巻数を増加させたときの周波数比の変化方向や変化の仕方が異なっている。また、以下に説明するように、その違いにより、2層コイル30aは、単層コイル40と比較して、共振周波数F1における交流抵抗Rf1が小さくなり、Q値が高くなるため、無線給電システム100において、高い電力の伝送効率を得ることができる。
図18には、1つのコイルの巻数を変化させた場合の共振周波数F1における2層コイル30aのQ値の変化を表す曲線WQおよび単層コイル40のQ値の変化を表す曲線SQが示されている。図18に示されているように、2層コイル30aのQ値および単層コイル40のQ値はそれぞれ、コイルの巻数の増加に対して、下に凸の曲線を描いて減少する。ただし、2層コイル30aの方が、単層コイル40よりも、コイルの巻数に対するQ値の減少が緩やかであり、Q値の変化幅も小さい。また、コイルの巻数がある値より大きくなると、2層コイル30aのQ値の方が単層コイル40のQ値よりも高くなる。上述した(4)式に示されているように、伝送効率ηは、送電側共振器13のQ値Q1と受電側共振器20のQ値Q1との積によって算出される。従って、コイルの巻数を増加させていった場合、2層コイル30aの方が、単層コイル40よりも伝送効率ηの減少幅が小さく、その低下が抑制されることになる。
A−6.電力の伝送効率と第1の容量および第2の容量との関係:
次に、電力の伝送効率ηを向上させるための第1の容量C1および第2の容量C2の設定について説明する。伝送効率ηの最大値である最大伝送効率ηmaxと送電側共振器13のQ値であるQ1および受電側共振器20のQ値であるQ2との関係は、次の(6)、(7)式で表される。
Figure 0006567329
本実施形態では、送電側共振器13のQ値であるQ1と受電側共振器20のQ値であるQ2とを同じになるように設定するため、Q2=Q1として上記の(7)式を解くと、αは、結合係数kとQ1との積の二乗で表される。よって、最大伝送効率ηmaxは、結合係数kとQ1との積(k・Q1)の関数として表すことができる。
図19は、結合係数kとQ1との積k・Q1と最大伝送効率ηmaxとの関係を表す曲線LN5を示す説明図である。図19に示すように、最大伝送効率ηmaxは、積k・Q1が増加するほど、大きくなる。本実施形態では、最大伝送効率ηmaxが90以上になるように積k・Q1を設定する。図19に示すように、最大伝送効率ηmaxが90になるのは、積k・Q1が20のときである。ここで、結合係数kは、コイルの構造や、送電側共振器13と受電側共振器20との距離によって決定される。結合係数kが0.2の場合、最大伝送効率ηmaxを90以上にするためには、Q1が100以上であることが望ましい。
図20は、実施例1の2層コイル30を用いたときの共振周波数F1における交流抵抗Rf1とQ1との関係を示す説明図である。実施例1では、2層コイル30の導線の直径D1や誘電体36の寸法などを変化させることによって、共振器等価回路13aの各パラメータL,C1,R,C2を、L=980(uH)、C1=3920(pF)、R=1.8(Ω)、C2=3700(pF)に設定した。図20には、実施例1の2層コイル30を用いたときの共振周波数F1における交流抵抗Rf1に対するQ値Q1の変化を表す曲線LN6が示されている。
図20に示されているように、Q1は、共振周波数F1における交流抵抗Rf1が大きくなるほど、減少する。また、Q1が100以上になるのは、共振周波数F1における交流抵抗Rf1が5.0オーム(Ω)以下の抵抗値のときである。ここで、上記の(1)式を用いて、虚部が0となるときのインピーダンスZが5.0Ω以下となる第1の容量C1と第2の容量C2との関係を求める。(1)式を解くと共振周波数F11,F12が求まる。また、図8および図10で示されているように、共振周波数F11,F12に対しては、交流抵抗Rf1,Rf2が求まる。実施例1の2層コイル30では、第1の容量C1を第2の容量C2で除した値である容量比Crが0.8以上であれば、共振周波数F11における交流抵抗Rf1が5.0Ω以下になる。
以上説明したように、2層コイル30を共振器等価回路13aとして表したときに、共振周波数F1および反共振周波数F2に影響する第1の容量C1と、反共振周波数F2のみに影響する第2の容量C2とを、Q値が所定の値以上になるように調整することによって、無線給電システム100における電力の伝送効率の低下を抑制することができる。本実施形態では、2層コイル30が、第1の容量C1と第2の容量C2との容量比Crが0.8以上になるように構成されている。つまり、本実施形態では、2層コイル30の第1の容量C1と第2の容量C2とが、共振周波数F11における交流抵抗Rf1が5.0Ω以下となり、Q値が100以上となる値になっている。そのため、本実施形態ので無線給電システム100では、その電力の伝送効率の低下が抑制される。
加えて、本実施形態では、外側コイル32と内側コイル34との層間に誘電体36を配置することで、外側コイル32と内側コイル34との層間の浮遊容量が大きくされているため、2層コイル30の巻数を小さくでき、共振器を小型化できる。また、共振器に発生する電界の外部への漏洩を抑制できる。
B.第2実施形態:
第2実施形態では、第1実施形態で説明した誘電体36とは構成が異なる誘電体38を備える2層コイル30bについて説明する。図21は、第2実施形態における2層コイル30bのB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。図21に示すように、2層コイル30bは、第1実施形態の2層コイル30に含まれる外側コイル32および内側コイル34と、誘電体38と、を有している。第2実施形態の2層コイル30bでは、後述する第7実施形態における2層コイル60と同様に、外側コイル32と内側コイル34とは、導線の巻き方向が互いに反対向きになるように配置されている。そのため、図21に示されているように、外側コイル32を構成する導線と、内側コイル34を構成する導線とは、Z軸方向において位置が揃っている。誘電体38は、外側コイル32の線材の間(以下、線間とも言う)と、内側コイル34の線材の間(以下、線間とも言う)と、に配置される。外側コイル32の線間に配置された誘電体38と、内側コイル34の線間に配置された誘電体38とは一体的に形成されている。誘電体38は、Y軸方向に延びる筒形状を有しており、Y軸に直交するXZ平面における断面が、外側コイル32と内側コイル34と同様に、矩形枠形状である。誘電体38は、Z軸方向における幅が、少なくとも、2・D1+t2であり、Y軸方向における厚さがt1である。誘電体38は、第1実施形態の誘電体36と同じように、セラミックス材料によって形成されている。誘電体38を有することによって、2層コイル30bは、外側コイル32の線間および内側コイル34の線間において、大きな容量成分を有することができる。また、共振器に発生する電界の外部への漏洩を抑制できる。第2実施形態における誘電体38は、本発明における第2の誘電体部の下位概念に相当する。なお、誘電体38は、外側コイル32または内側コイル34の線間に配置されていれば良く、外側コイル32の線間に配置された誘電体38と、内側コイル34の線間に配置された誘電体38とは別体として形成されていても良い。
C.第3実施形態:
第3実施形態の2層コイル30cでは、外側コイル32の線材に対する内側コイル34の線材の相対位置が異なっており、2つの誘電体38a,38bが配置されている。図22は、第3実施形態の2層コイル30cにおけるB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。図22に示すように、2層コイル30cは、第1実施形態の2層コイル30と同様な外側コイル32と、外側コイル32の内側に配置され、第1実施形態の内側コイル34よりも径がわずかに大きい内側コイル34aと、を有している。内側コイル34aの線材は、第2実施形態の内側コイル34と同じ直径D1を有する導線であり、YZ平面において、Z方向に外側コイル32の線材と重複しない位置に配置される。外側コイル32と内側コイル34aとの層間の間隔t3は、第2実施形態におけるt2よりも小さい。外側コイル32の線間には誘電体38aが配置され、内側コイル34aの線間には誘電体38bが配置されている。誘電体38a,38bは、第2実施形態の誘電体38と同じように、セラミックス材料によって形成されている。なお、第3実施形態では、外側コイル32と内側コイル34aとの層間には誘電体は配置されていない。誘電体38a,38bは、略矩形状の断面を有しており、のY軸に沿った長さはt1であり、誘電体38a,38bのZ軸に沿った長さは、外側コイル32および内側コイル34aの導線の直径と同じD1である。誘電体38aは、外側コイル32の線材に平行に配置可能なように、中心軸OLを中心としてらせん状に巻かれた形状を有している。同じように、誘電体38bは、内側コイル34aの線材に平行に配置可能なように、中心軸OLを中心としてらせん状に巻かれた形状を有している。
D.第4実施形態:
第4実施形態の2層コイル30dでは、導線の外側に誘電体層39がコーティングされている。図23は、第4実施形態の2層コイル30dにおけるB1−B1断面(図2)の一部を示す概略断面図である。図23に示すように、2層コイル30dは、外側コイル31と、内側コイル33と、を有している。外側コイル31は、外側が誘電体層39によってコーティングされた線材によって構成されている点以外は、第1実施形態の外側コイル32と同じである。内側コイル33は、外側が誘電体層39によってコーティングされた線材によって構成されている点以外は、第3実施形態の内側コイル34aと同じである。外側コイル31と内側コイル33とは、それぞれの誘電体層39同士が接するように配置されている。図23に示すように、外側コイル31および内側コイル33における誘電体層39の厚さはそれぞれ、t4である。また、外側コイル31と内側コイル33との層間の間隔は、第3実施形態と同じく、t3である。誘電体層39の厚さt4は、外側コイル31と内側コイル33との層間の長さt3の半分である。
E.第5実施形態:
第5実施形態では、2層コイル30eを構成する導線の断面が円形状ではなく、矩形状(略四角形状)に形成されている。図24は、第5実施形態における2層コイル30eのB1−B1断面(図2)の一部を示す説明図である。図24に示すように、2層コイル30eは、外側コイル32aと、内側コイル34bとを有している。外側コイル32aおよび内側コイル34bの導線は、第1実施形態と異なり、矩形状の断面を有している。外側コイル32aおよび内側コイル34bの導線の断面は、一辺の長さがそれぞれD1の略正方形形状を有している。外側コイル32aおよび内側コイル34bの線間の距離は、t3である。また、外側コイル32aと内側コイル34bとの層間の距離も、外側コイル32aおよび内側コイル34bの線間と同様に、t3である。第5実施形態の共振器では、2層コイル30eにおける外側コイル32aおよび内側コイル34bの導線の断面が矩形状であるため、外側コイル32aおよび内側コイル34bのそれぞれの線間における浮遊容量と、外側コイル32aと内側コイル34bとの層間における浮遊容量の両方を大きくできる。これにより、2層コイル30eの巻数を小さくできるため、共振器を小型化できる。また、共振器に発生する電界の外部への漏洩を抑制できる。
F.第6実施形態:
図25〜図27を参照して、本発明における第6実施形態における共振器が有する2層コイル50の構成を説明する。図25は、第6実施形態における2層コイル50の構成を示す概略斜視図である。図26は、第6実施形態における2層コイル50の2つのコイル51,52を分解して示す概略分解斜視図である。図27は、第6実施形態における2層コイル50を、中心軸OLに沿って、第1のコイル51から第2のコイル52に向かう方向に視たときの概略平面図である。図25〜図27には、2層コイル50の中心軸OLが一点鎖線で図示されている。また、図26および図27では、便宜上、接続端子53の図示が省略されている。
第6実施形態の共振器は、第1実施形態で説明した磁界共振結合方式の無線給電システム100において、送電側共振器13および受電側共振器20として用いられる。第6実施形態の共振器は、樹脂製の筐体(図示は省略)内に2層コイル50が収容された構成を有している。2層コイル50は、第1と第2のコイル51,52と、接続端子53と、を備える(図25)。
第1のコイル51は、導線が中心軸OLを中心として、中心軸OLに直交する径方向に、渦巻き状に巻かれたスパイラルコイルによって構成されている(図25,図26)。第1のコイル51を構成する導線の断面は、略四角形状を有している。第1のコイル51の導線は、例えば、第5実施形態で説明した導線のように、一辺の長さがD1の略正方形形状に構成されていてもよい。第1のコイル51では、導線は、径方向に隣り合う導線同士の間の距離t5がほぼ一定に保たれるように巻かれている(図25)。
第2のコイル52は、第1のコイル51とほぼ同じ構成を有している(図26)。第1と第2のコイル51,52は、中心軸OLに沿った方向に、樹脂部材やセラミック部材などの絶縁部材によって支持されることにより、所定の間隔t6を空けて積層される(図25)。2層コイル50では、第1と第2のコイル51,52の導線の巻き方向が一致している。また、第1と第2のコイル51,52を構成する導線は、近接した状態で並列に延伸しており、中心軸OLに沿って見たときに、第1と第2のコイル51,52の導線は互いに重なり合う(図27)。
2層コイル50では、第1と第2のコイル51,52の間に、例えば、厚みt6以下の円板状の誘電体が配置されてもよい。また、第1と第2のコイル51,52のそれぞれにおける導線の間にも誘電体が配置されてもよい。こうした誘電体によって、上記の各実施形態で説明したように、第1と第2のコイル51,52の間に生じる容量成分を増大させることができる。
接続端子53は、整合回路12,21(図1)と、2層コイル50の各コイル51,52と、を電気的に接続する。接続端子53は、第1のコイル51の外周側に位置している導線の端部に接続されているとともに、第2のコイル52の内周側に位置している導線の端部に接続されている。第1のコイル51の内周側に位置している導線および第2のコイル52の外周側に位置している端部はそれぞれ開放されている。
第6実施形態の2層コイル50では、第1と第2のコイル51,52は、互いに電気的に直列に接続されており、並列に延伸している第1と第2のコイル51,52のそれぞれの導線に流れる電流の向きは、互いに同じ向きになる。従って、第1と第2のコイル51,52のそれぞれにおいて発生する磁界の向きは、互いに一致することになる。そのため、第6実施形態の2層コイル50によれば、少ない巻数で大きなインダクタンスを得ることが可能である。
図28は、参考例としての2層コイル50aを、第1のコイル51から第2のコイル52に向かう方向に、中心軸OLに沿って視たときの概略平面図である。図28では、便宜上、第1のコイル51が実線で図示され、第2のコイル52が一点鎖線で図示されている。参考例の2層コイル50aは、第1のコイル51の導線の巻き方向と、第2のコイル52の導線の巻き方向とが反対向きになっている点以外は、第6実施形態の2層コイル50とほぼ同じ構成を有している。
参考例の2層コイル50aでは、第1と第2のコイル51,52における導線の巻き方向が異なっているため、それぞれの導線が並列には延伸していない。参考例の2層コイル50aでは、中心軸OLに沿った方向に視たときに、ほとんどの部位において第1と第2のコイル51,52の導線は互いにずれて配置されている。参考例の2層コイル50aでは、第1と第2のコイル51,52はいずれも、外周側に位置している導線の端部に接続端子部が接続される(図示は省略)。そのため、参考例の2層コイル50aにおいても、第6実施形態の2層コイル50と同様に、第1と第2のコイル51,52のそれぞれにおいて発生する磁界の向きは、互いに一致する。
図29および図30は、第6実施形態の2層コイル50と参考例の2層コイル50aにおけるインピーダンスの特性を示す説明図である。図29には、数値解析結果に基づくグラフが図示されており、図30には、試作した試験体において計測された実測値に基づくグラフが図示されている。具体的には、図29の(a)欄には、第6実施形態の2層コイル50についての周波数に対する交流抵抗の変化を表す曲線Ra1と、周波数に対するリアクタンスの変化を表す曲線Rb1と、が示されている。また、図29の(b)欄には、参考例の2層コイル50aについての周波数に対する交流抵抗の変化を表す曲線Ra2と、周波数に対するリアクタンスの変化を表す曲線Rb2と、が示されている。同様に、図30の(a)欄には、第6実施形態の2層コイル50についての周波数に対する交流抵抗の変化を表す曲線Ra3と、周波数に対するリアクタンスの変化を表す曲線Rb3と、が示されている。また、図30の(b)欄には、参考例の2層コイル50aについての周波数に対する交流抵抗の変化を表す曲線Ra4と、周波数に対するリアクタンスの変化を表す曲線Rb4と、が示されている。
ここで、第1実施形態において、図7〜図10を参照して説明したのと同様に、図29および図30の各グラフにおける各曲線Ra1〜Ra4は、(1)式における実部のパラメータの変化の軌跡を表している。また、曲線Rb1〜Rb4は、(1)式における虚部のパラメータの変化の軌跡を表している。さらに、(1)式における虚部のリアクタンスが0になる周波数が、共振周波数Fおよび反共振周波数Fである。
第6実施形態の2層コイル50における共振周波数Fと、参考例の2層コイル50aにおける共振周波数Fと、比較すると、両者にはほとんど差が生じていない。これに対して、第6実施形態の2層コイル50における反共振周波数Fは、参考例の2層コイル50aにおける反共振周波数Fよりも著しく大きくなっている。これは、図29における数値解析結果に基づくグラフにおいても、図30における実測値に基づくグラフにおいても同様である。このように、2つのコイル50,50aの間において反共振周波数Fに差が生じた理由は、第6実施形態の2層コイル50の方が、参考例の2層コイル50aよりも、各コイル51,52の導線の配置位置が揃っており、導線間に余分な容量が生じてしまうことが抑制されているためであると推察される。
第1実施形態においても説明したように、共振周波数Frと反共振周波数Faとが近づくほど、共振周波数Frにおける交流抵抗は増加してしまう。第6実施形態の2層コイル50であれば、上述したように、参考例の2層コイル50aよりも、共振周波数Fと反共振周波数Fとの差が大きくなっており、共振周波数Frにおける交流抵抗が小さくなる。従って、第6実施形態の2層コイル50を備える共振器であれば、無線給電システム100における電力の伝送効率の低下を、さらに抑制することができる。その他に、第6実施形態の共振器であれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
G.第7実施形態:
図31および図32を参照して、第7実施形態における共振器が有する2層コイル60の構成を説明する。図31は、第7実施形態における2層コイル60を示す概略斜視図である。図32は、第7実施形態における2層コイル60を、2つのコイル61,62に分解して示す概略分解斜視図である。図31および図32には、図2と同様に、X軸、Y軸、Z軸および中心軸OLが図示されている。
第7実施形態の共振器は、第1実施形態で説明した磁界共振結合方式の無線給電システム100において、送電側共振器13および受電側共振器20として用いられる。第7実施形態の共振器は、樹脂製の筐体(図示は省略)内に2層コイル60が収容された構成を有している。第7実施形態における2層コイル60は、外側コイル61と、内側コイル62と、を有している(図25,図26)。
外側コイル61および内側コイル62は、導線が、中心軸OLを中心として、略長方形形状を連続して描くように、らせん状に巻かれて形成されたソレノイドコイルである。内側コイル62は、外側コイル61の内部に所定の間隔を有して収容される。外側コイル61および内側コイル62の間には、第1実施形態の2層コイル30と同様に誘電体36が配置されてもよい。
外側コイル61と内側コイル62とは直径が同じ導線によって構成されている。外側コイル61と内側コイル62とでは、導線が巻かれる方向が同じであり、導線が巻かれるピッチ、すなわち、中心軸OLに沿った方向において隣り合う導線同士の間の距離もほぼ同じである。また、外側コイル61と内側コイル62とでは導線の巻数もほぼ同じである。第7実施形態の2層コイル60では、外側コイル61の導線と内側コイル62の導線とが巻き方向に並列に延伸しており、中心軸OLに直交する方向に視たときに、外側コイル61の導線と内側コイル62の導線とが重なり合う。
第7実施形態の2層コイル60では、外側コイル61と内側コイル62とはそれぞれ、接続端子に接続される導線の端部が、中心軸OLに沿った方向において互いに反対の側に位置している。そのため、互いに並列に延伸している外側コイル61の導線と内側コイルの導線とには、それぞれ同じ向きの電流が流れる。これによって、各コイル61,62によって、各コイル61,62において発生する磁界の向きは互いに一致することになる。
第7実施形態の2層コイル60であっても、第6実施形態の2層コイル50と同様に、各コイル61,62の導線の巻き方向が一致していることによって、各コイル61,62の導線の配置位置が揃っている。従って、第6実施形態の2層コイル50と同様に、共振周波数Fにおける交流抵抗の増加が抑制される。よって、2層コイル60を備える第7実施形態の共振器によれば、無線給電システム100における電力の伝送効率の低下を抑制できる。その他に、第7実施形態の共振器であれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
H.変形例:
H1.変形例1
上記実施形態では、複数のコイルとして、2層コイルを例に挙げて説明したが、他の実施形態では、3層以上のコイルであってもよい。例えば、第1実施形態の2層コイル30の内側コイル34の内側に、さらに、中心軸OLを中心として外側コイル32と同じ方向に巻かれたコイルを用いた3層コイルであってもよい。第5実施形態における2層コイル50のように、第1と第2のコイル51,52がスパイラルコイルによって構成されている場合には、第1のコイル51または第2のコイル52に第3のスパイラルコイルが積層されてもよい。
H2.変形例2:
上記実施形態では、2層コイルを構成する各コイルにおける導線の材料や断面形状、巻数が同じであったが、各コイルの構成は、互いに異なっていてもよく、それぞれに種々の変形が可能である。例えば、2層コイルを構成する2つのコイル同士で導線の巻数が異なっていてもよいし、導線の太さや断面形状が異なっていてもよい。また、コイルが巻かれる中心軸が同じ中心軸OLでなくてもよい。また、各コイルにおいて、導線は矩形形状や円形形状以外の形状を描くように巻かれていてもよい。コイルの導線の断面形状についても、円状や矩形状に限られず、略三角形状などの他の形状であってもよい。第5実施形態のように、複数のコイルとして、スパイラルコイルが用いられてもよい。形状が互いに異なる複数のコイルが組み合わされて用いられてもよい。
H3.変形例3:
上記実施形態では、誘電体の配置について一例を挙げて説明したが、誘電体の配置構成については、種々の変形が可能である。例えば、複数のコイルのそれぞれの線間および層間に誘電体が配置されてもよいし、一部に配置されてもよい。また、外側コイルのさらに外側や、内側コイルのさらに内側に誘電体が配置されてもよい。第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態において説明した誘電体の構成は、それぞれ第5実施形態や第6実施形態に適用されてもよい。
H4.変形例4:
上記の第1実施形態では、第1の容量C1と第2の容量C2の容量比Crが0.8以上になるように2層コイル30を構成することによって、Q値を100以上にしている。これに対して、2層コイル30は、第1の容量C1と第2の容量C2の容量比Crが0.8以上になるように構成されていればよく、それによって、Q値が100以上になっていなくてもよい。
H5.変形例5:
上記の第1実施形態では、2層コイル30は、第1の容量C1と第2の容量C2の容量比Crが0.8以上になるように構成されている。これに対して、2層コイル30は、容量比Crが0.8以上になっていなくてもよく、Q値が100以上になるような第1の容量C1と第2の容量C2とを有していれば良い。
H6.変形例6:
上記第5実施形態および第6実施形態の構成において、第1実施形態で説明したように、2層コイル50,60は、Q値が100以上になるような第1の容量C1と第2の容量C2を有するように構成されていてもよい。あるいは、2層コイル50,60は、第1の容量C1と第2の容量C2の容量比Crが0.8以上になるように構成されていてもよい。
H7.変形例7:
上記第5実施形態においては、中心軸OLに沿って見たときに、2つのコイル51,52の導線が互いに重なりあっている。これに対して、中心軸OLに沿って見たときに、2つのコイル51,52の導線は完全に重なり合っていなくてもよく、わずかにずれていてもよい。2つのコイル51,52の導線は近接した状態で並列に延伸している部位を有していればよい。第6実施形態の2層コイル60においても同様である。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…送電装置
2…受電装置
11…高周波電源
11a…発振器
12…整合回路
13…送電側共振器
13a…共振器等価回路
13b…直列回路
14…無線通信部
15…制御部
20…受電側共振器
21…整合回路
22…整流器
23…バッテリ
24…負荷回路
25…無線通信部
26…制御部
31,32,32a…外側コイル
33,34,34a,34b…内側コイル
36,38,38a,38b,39…誘電体
40…単層コイル
50,50a,60…2層コイル
51,52,61,62…コイル
53…接続端子
100…無線給電システム
L…インダクタンス
R…抵抗
Z,Zo…インピーダンス
k…結合係数
kQ1…積
η…伝送効率
ηmax…最大伝送効率
C1…第1の容量
C2…第2の容量
Cr…容量比
F1,F11,F21…共振周波数
F2,F12…反共振周波数
Rf1,Rf2…交流抵抗
N1,N2…巻数
OL…中心軸

Claims (10)

  1. 主に磁場の共鳴を利用して送電側の共振器から受電側の共振器に電力を伝送する無線給電システムに用いられる共振器において、
    導体で形成され、離間して配置される複数のコイルを備え、
    前記複数のコイル全体を等価回路で表したとき、前記等価回路の共振周波数と反共振周波数とに関係する第1の容量成分と、前記反共振周波数に関係する成分である第2の容量成分とが、前記共振周波数におけるQ値が100以上になるような所定の値である、共振器。
  2. 請求項1に記載の共振器において、
    前記等価回路は、インダクタ成分と抵抗成分と前記第1の容量成分とが直列に接続されている直列回路と、前記直列回路に並列に接続されている前記第2の容量成分と、によって表される、共振器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の共振器において、
    前記第1の容量成分に対する前記第2の容量成分の比が、0.8以上になるように、前記複数のコイルが構成されている、共振器。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の共振器において、さらに、
    前記複数のコイルの間に配置される第1の誘電体部を備える、共振器。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の共振器において、さらに、
    前記複数のコイルのうちの少なくとも1つは、当該コイルを構成する線材の間に配置される第2の誘電体部を備える、共振器。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の共振器において、
    前記複数のコイルのうちの少なくとも1つは、断面が四角状の線材によって形成される、共振器。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の共振器において、
    前記複数のコイルは、少なくとも、互いに隣り合って配置される第1と第2のコイルを含み、
    前記第1と第2のコイルは、前記第1のコイルを構成する第1の線材の巻き方向と、前記第2のコイルを構成する第2の線材の巻き方向と、が一致するとともに、前記第1と第2の線材同士が近接した状態で並列に延伸する部位を有するように配置されており、
    前記第1と第2のコイルには、前記第1と第2の線材が並列に延伸している部位において、前記第1と第2の線材に流れる電流の向きが同じになるように電流が流される、共振器。
  8. 請求項7に記載の共振器において、
    前記第1と第2のコイルは、スパイラルコイルであり、
    前記第1のコイルは、第2のコイルに積層されており、
    前記第1と第2のコイルの積層方向に沿って見たときに、前記第1と第2の線材が並列に延伸している部位において、前記第1と第2の線材同士が互いに重なり合う、共振器。
  9. 請求項7に記載の共振器において、
    前記第1と第2のコイルは、ソレノイドコイルであり、
    前記第2のコイルは、前記第1のコイルの内側に配置されており、
    前記第1と第2のコイルの径方向に見たときに、前記第1と第2の線材が並列に延伸している部位において、前記第1と第2の線材同士が互いに重なり合う、共振器。
  10. 主に磁場の共鳴を利用して送電側の共振器から受電側の共振器に電力を伝送する無線給電システムに用いられる共振器において、
    導体で形成され、離間して配置される複数のコイルを備え、
    前記複数のコイル全体を等価回路で表したとき、前記等価回路の共振周波数と反共振周波数とに関係する第1の容量成分に対する前記反共振周波数に関係する成分である第2の容量成分の比の値が、0.8以上になるように、前記複数のコイルが構成されている、共振器。
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