JP6566192B2 - 防振装置、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

防振装置、露光装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、構造物を支持する際に振動を抑制するための防振装置及びその制御方法、その防振装置を使用する露光技術、並びにその露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体デバイス又は液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)の製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、レチクル(マスク)に形成されているパターンをフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート)に転写露光するために、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の露光装置又はスキャニングステッパー等の走査露光型の露光装置などが使用されている。
露光装置においては、従来より、振動の影響を排除して、レチクルステージ及びウエハステージの位置決め精度及び重ね合わせ精度等の露光精度を向上するために、露光装置のベース部材(定盤)と床(設置面)との間には防振台が配置されている。従来の防振台として、開ループ方式で内部の圧力がほぼ一定になるように制御されるエアダンパ等を用いて防振対象物を支持する受動型の防振台が知られている。最近では、防振対象物の設置面に対する相対位置を計測するセンサ、及び防振対象物の加速度を計測するセンサの検出信号を用いて、閉ループ方式で駆動機構を駆動して防振対象物の振動を抑制するようにした能動型の防振台も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−2509号公報
従来の能動型の防振台においては、相対位置及び加速度を計測する複数のセンサを設けているため、機構が複雑化するとともに、駆動機構用の制御回路も複雑になり、製造コストが高くなっていた。
本発明の第1の態様によれば、設置面上に構造物を支持する防振装置において、その設置面に対してその構造物を支持する弾性機構と、その設置面に対するその構造物の振動を抑制するダンパ機構と、その設置面に対するその構造物の相対位置に対応する位置信号を検出する検出部と、その設置面に対するその構造物の相対位置を調整する調整部と、その検出部で検出される位置信号に応じてその調整部を駆動するための駆動信号を生成する制御部と、を備え、その制御部は、その構造物の質量、その弾性機構の剛性、及びそのダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数の少なくとも1つを含む第1の伝達関数とその位置信号とを用いて生成される第1信号と、その構造物の質量、その弾性機構の剛性、及びそのダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数の少なくとも1つを含み、かつその第1の伝達関数とは異なる第2の伝達関数とその位置信号とを用いて生成される第2信号と、を用いてその駆動信号を生成する防振装置が提供される。
その防振装置において、その制御部は、その構造物の目標位置に対応する目標位置信号と、その位置信号との差分に比例した比例信号、及びその差分を積分した積分信号の少なくとも一方を用いてその第1信号を生成してもよい。
第2の態様によれば、パターンを被露光体に露光する露光装置であって、フレームと、その被露光体を支持するとともにそのフレームに対して相対移動可能なステージと、第1の態様の防振装置と、を備え、その防振装置によって、設置面に対するそのフレームの相対位置を制御する露光装置が提供される。
第3の態様によれば、設置面上に構造物を支持する防振装置も制御方法であって、その防振装置は、その設置面に対してその構造物を支持する弾性機構と、その設置面に対するその構造物の振動を抑制するダンパ機構と、その設置面に対するその構造物の相対位置に対応する位置信号を検出する検出部と、その設置面に対するその構造物の相対位置を調整する調整駆動部と、その検出部で検出される位置信号に応じてその調整駆動部を駆動するための駆動信号を生成する制御部と、を備え、その制御部は、その構造物の質量、その弾性機構の剛性、及びそのダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数の少なくとも1つを含む第1の伝達関数を用いて、その位置信号から生成された第1信号と、その構造物の質量、その弾性機構の剛性、及びそのダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数の少なくとも1つを含み、かつその第1の伝達関数とは異なる第2の伝達関数を用いて、その位置信号から生成された第2信号と、を用いてその駆動信号を生成する制御方法が提供される。
第4の態様によれば、パターンを被露光体に露光する露光方法であって、その被露光体を支持して移動可能なステージを支持するフレームの設置面に対する相対位置を防振装置で制御することと、その防振装置を第3の態様の制御方法で制御することと、を含む露光方法が提供される。
第5の態様によれば、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、そのリソグラフィ工程で、本発明の態様の露光装置又は露光方法を用いて物体を露光するデバイス製造方法が提供される。
実施形態の一例に係る露光装置の概略構成を示す、一部を断面で表した図である。 図1中の一つの防振台及びその制御系を示す図である。 図2の防振台の力学モデルを示す図である。 (A)は図3の防振台を示すブロック図、(B)はその防振台及び制御系の一例を示すブロック図である。 (A)は防振台及び制御系の一部を示すブロック図、(B)は所定の近似を行った場合に図5(A)と等価なブロック図である。 防振台及び制御系の一部を示すブロック図である。 (A)は除振特性を示す図、(B)は防振台及び制御系の一部を示すブロック図である。 (A)は防振台及び剛性を制御するための制御系の一部を示すブロック図、(B)は図8(A)と等価なブロック図である。 (A)はPI制御も行う制御系を示すブロック図、(B)は図9(A)と等価なブロック図である。 (A)は防振台の伝達特性の振幅を示す図、(B)はその伝達特性の位相を示す図である。 (A)は設置面に与えた振動を示す図、(B)は受動的な制御を行った場合の構造物の振動の時間応答特性を示す図、(C)は実施形態の制御系を用いた場合の構造物の振動の時間応答特性を示す図、(D)は調整部で発生させる推力の時間応答特性を示す図である。 (A)は実施形態の制御系を用いた場合の振幅の応答特性の一例を示す図、(B)はその場合のステップ時間応答特性の一例を示す図である。 防振装置の使用方法の一例を示すフローチャートである。 電子デバイスの製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態の一例につき図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXを示す。一例として、露光装置EXは、液晶表示素子を製造するために使用される走査露光型の投影露光装置である。図1において、露光用の光源としての例えば水銀ランプ(不図示)から射出された露光用の照明光IL(露光光)は、照明光学系10に入射する。照明光学系10は、フライアイレンズ等のオプティカルインテグレータ、開口絞り、集光レンズ、可変ブラインド機構(マスクブラインド)、及びコンデンサレンズ系等を有する。照明光学系10から射出される照明光ILは、マスクMのパターン面(下面)の照明領域を均一な照度分布で照射する。
マスクMのパターン面の照明領域内のパターンの投影光学系PLによる像が、フォトレジスト(感光材料)が塗布されたガラスプレートよりなるプレートP(感光性の基板)上に投影される。一例として、投影光学系PLは等倍である。なお、投影光学系PLの倍率は拡大又は縮小でもよい。また、投影光学系PLとして、複数の部分投影光学系を所定の配列で並べたいわゆるマルチレンズ方式の投影光学系を使用してもよい。この場合には、照明光学系10から射出される照明光ILは、複数の部分投影光学系に対応する複数の照明領域を照明する。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行な方向にX軸を、図1の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。本実施形態では、X軸に沿った方向(X方向)が、走査露光時のマスクM及びプレートPの走査方向であり、マスクM上の照明領域は、非走査方向であるY軸に沿った方向(Y方向)に細長い形状である。
また、投影光学系PLの物体面側に配置されるマスクMは、走査露光時にマスクベース35B上を、エアベアリングを介して少なくともX方向に定速移動するマスクステージMSTに保持されている。マスクステージMSTの移動座標位置(X方向、Y方向の位置、及びZ軸の回りの回転角)は、マスクステージMSTに固定された移動鏡Mrと、これに対向して配置されたレーザ干渉計(不図示)とで逐次計測され、この計測結果及び装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置(不図示)からの制御情報に基づいて、リニアモータ及び微動アクチュエータ等で構成される駆動系(不図示)によってマスクステージMSTが駆動される。
一方、投影光学系PLの像面側に配置されるプレートPは、基板ステージPST上に保持され、基板ステージPSTは、走査露光時に少なくともX方向に定速移動できるとともに、X方向及びY方向にステップ移動できるように、エアベアリングを介して基板ベースPB上に載置されている。また、基板ステージPSTの移動座標位置(X方向、Y方向の位置、及びZ軸の回りの回転角)は、基板ステージPSTに固定された移動鏡Prと、これに対向して配置されたレーザ干渉計(不図示)とで逐次計測され、この計測結果及び主制御装置(不図示)からの制御情報に基づいて、リニアモータ及びボイスコイルモータ(VCM)等のアクチュエータで構成される駆動系(不図示)によって基板ステージPSTが駆動される。
また、基板ステージPSTには、プレートPのZ方向の位置(フォーカス位置)と、X軸及びY軸の回りの傾斜角を制御するZレベリング機構(不図示)も備えられている。そして、投影光学系PLの下部側面に、プレートPの表面の複数の位置でフォーカス位置(Z方向の位置)を計測する斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(不図示)が配置されている。このオートフォーカスセンサの計測結果に基づいてそのZレベリング機構を駆動することで、走査露光時にプレートPの表面が投影光学系PLの像面に合焦される。
次に、露光装置EXが備える防振機構の一例につき説明する。図1において、例えば液晶ディスプレイの製造工場の床FL上に例えば4箇所に配置された防振台22を介して、露光装置を設置する際の基礎部材としての厚い平板状のベース部材24(定盤又はペデスタル)が設置されている。防振台22(防振装置の機構部)及び制御系36から能動型の防振装置20(図2参照)が構成されている(詳細後述)。防振台22及び制御系36を含むシステムは、能動型振動分離システムであるAVIS(Active Vibration Isolation System) とも呼ぶことができる。また、ベース部材24上に露光装置EXの本体部(光源を除く照明光学系10、マスクステージMST、投影光学系PL、及び基板ステージPSTを含む部分)を設置するための長方形の薄い平板状のベースプレート26が固定されている。
ベースプレート26上に3箇所又は4箇所の支持部材28及び防振台30を介して第1フレーム35Aが載置され、第1フレーム35Aの中央の開口部に投影光学系PLが保持されている。防振台30としては、防振台22を小型化した防振台を使用できる。
また、第1フレーム35Aの両端部に設けられた門型のフレームを介して平板状のマスクベース35Bが固定され、マスクベース35Bを覆うように第2フレーム35Cが固定され、第2フレーム35Cの中央部に照明光学系10が支持されている。そして、マスクベース35B上にマスクMを保持するマスクステージMSTが載置されている。第1フレーム35A、マスクベース35B、及び第2フレーム35Cよりフレーム機構34が構成されている。フレーム機構34は、ベースプレート26の上面に複数の防振台30を介して支持された状態で、投影光学系PL、マスクステージMST(第1ステージ)、及び照明光学系10を保持している。
また、ベース部材24上のベースプレート26上の複数の支持部材28で囲まれた領域上に、3個又は4個の防振台32を介して基板ベースPBが支持されている。基板ベースPB上にはプレートPを保持する基板ステージPST(第2ステージ)が載置されている。防振台32としても、防振台22を小型化した防振台を使用できる。
複数のそれぞれ防振台22を含む防振装置20によって、床FLに対して、ベース部材24を含む露光装置EXのほぼ全体の部分の振動が抑制されている。このため、他の製造装置等(不図示)による振動が床FLに伝えられた場合でも、露光装置EXの振動が抑制され、露光装置EXで高精度に露光を行うことができる。さらに、複数の防振台30を含む防振装置によって、投影光学系PL及びマスクステージMST等の振動が抑制され、複数の防振台32を含む防振装置によって、基板ステージPSTの振動が抑制される。なお、防振台30及び32の少なくとも一方の構成は防振台22と異なっていてもよい。例えば防振台30及び32の少なくとも一方は受動型の防振台でもよい。
露光装置EXを用いてプレートPを露光する際には、マスクMへの照明光ILの照射を開始して、マスクMのパターンの一部の投影光学系PLを介した像でプレートP上の一つのショット領域を露光しつつ、マスクステージMSTと基板ステージPSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてX方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にマスクMのパターン像が転写される。その後、照明光ILの照射を停止して、基板ステージPSTを介してプレートPをX方向、Y方向にステップ移動する動作と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でプレートPの全部のショット領域にマスクMのパターン像が転写される。
次に、本実施形態の防振台22を含む防振装置20につき詳細に説明する。また、以下では、ベース部材24を含む部分の投影光学系PLの光軸AXに平行な方向であるZ方向の振動を抑制する防振装置について説明するが、これはX方向及びY方向の振動を抑制する機構、さらにはX軸、Y軸、Z軸の回りの回転方向の振動を抑制する防振装置にも同様に適用できる。
図2は、図1中の一つの防振台22及び制御系36を含む防振装置20を示す。図2において、床FL上に設置された剛性の高い支持台38上に、エアダンパ40及び比較的剛性の高い圧縮コイルばねを有する弾性部材48を介してベース部材24が支持されている。エアダンパ40は、支持台38上の保持部材41A及びベース部材24の底面の保持部材41Bによって安定に保持されている。なお、弾性部材48としては、圧縮コイルばねの代わりに板ばね等を使用することもできる。
流体式ダンパとしてのエアダンパ40は、可撓性を有する中空の袋内に気体としての空気を圧力が制御できる状態で封入したものである。即ち、例えば工場の共通の圧縮空気源としてのコンプレッサ(不図示)に連結された用力配管(不図示)の端部である空気取り入れ部42とエアダンパ40とが、例えば可撓性を有する配管43で接続されている。配管43の途中には、レギュレータ44及び空気の流量を制御できるサーボバルブ45が装着されている。また、エアダンパ40内の気体の圧力を計測する圧力センサ46が設けられ、圧力センサ46の検出信号が制御系36に供給されている。一例として、制御系36は、圧力センサ46で検出される圧力が目標値に対して許容範囲になるように、サーボバルブ45の流量を制御する。なお、エアダンパ40の代わりに油圧式のダンパを使用してもよい。
また、支持台38とベース部材24との間に、支持台38に固定されたスケール部52aとベース部材24に固定された検出部52bとを有し、支持台38(床FL)に対するベース部材24のZ方向の相対位置(これをxsns(t)とする)を求める位置センサ52が設けられている。位置センサ52は、相対位置xsns(t)に対応する信号を検出する非接触式で光学式のセンサであるが、それに限定されるものではない。位置センサ52の検出信号は制御系36に供給され、その検出信号等の情報を用いて制御系36は、床FLに対するベース部材24(露光装置EX)の相対位置が予め設定されている目標位置になるように、モータ部50の推力を制御する。位置センサ52としては、光学式のリニアエンコーダの他に、静電容量式、又は磁気式等のリニアエンコーダを使用できる。また、位置センサ52の代わりに、渦電流式の変位センサ、又は非接触式のギャップセンサ等を使用することも可能である。
また、支持台38とベース部材24との間に、支持台38に固定されたスケール部52aとベース部材24に固定された検出部52bとを有し、支持台38(床FL)に対するベース部材24のZ方向の相対位置(これをxsns(t)とする)に対応する信号を検出する非接触式で光学式の位置センサ52が設けられている。位置センサ52の検出信号は制御系36に供給され、その検出信号等の情報を用いて制御系36は、床FLに対するベース部材24(露光装置EX)の相対位置が予め設定されている目標位置になるように、モータ部50の推力を制御する。位置センサ52としては、光学式のリニアエンコーダの他に、静電容量式、又は磁気式等のリニアエンコーダを使用できる。また、位置センサ52の代わりに、渦電流式の変位センサ、又は非接触式のギャップセンサ等を使用することも可能である。
次に、図2の防振台の制御系36内でモータ部50の動作を制御する部分ににつき説明する。図3は、図2の防振台22の力学モデルである。図3において、設置面16は図2の床FLの表面に対応しており、構造物18は図1のベース部材24及びベース部材24で支持されている露光装置EXの構成要素の質量(これをMとする)と同じ質量を持つ平板状の部材である。図1において、ベース部材24の底面に例えば4個の防振台22がある場合、その質量Mは、ベース部材24及びベース部材24で支持されている露光装置EXの構成要素の全体の質量のほぼ1/4である。
また、図3において、図2のエアダンパ40の粘性比例係数をC、弾性部材48の剛性をKとする。このとき、質量Mは構造物18の加速度に応じた抵抗力(慣性)の係数であり、粘性比例係数Cは構造物18の速度に応じた抵抗力の係数であり、剛性(ばね定数)Kは構造物18の位置に応じた抵抗力の係数であるとみなすことができる。
そして、例えば所定の基準面に対する設置面16のZ方向の位置をx0(t)、その基準面に対する構造物18のZ方向の位置をxv(t)(tは時間)、設置面16に対する構造物18のZ方向の相対位置をxsns(t)として、モータ部50による設置面16から構造物18に対するZ方向の推力をf(t)とする。位置x0(t)及びxv(t)は、相対位置に対して絶対位置ということもできる。
図4(A)は、図3の力学モデルに対応する防振台22を表すブロック図である。図4(A)のブロック部22Bが、図3の力学モデルに対応している。なお、変数sはラプラス変換の変数であり、周波数をf(Hz)、角周波数をωとすると、定常状態ではs=i2πf=iω(iは虚数単位)である。ブロック部22Bにおいて、推力f(t)が減算部(加え合わせ点)54Aの加算側に入力され、減算部54Aの出力が、質量Mによる変位部54B及び積分部54Cを介して積分部54D及び減算部54Eの加算側に供給され、積分部54Dの出力(位置xv(t))が減算部54Fの加算側に供給されている。
また、図3の設置面16の加速度(位置x0(t)の時間tによる2階微分)が積分部54Gを介して減算部54Eの減算側及び積分部54Hに供給され、積分部54Hの出力(位置x0(t))が減算部54Fの減算側に供給され、減算部54Fの出力(相対位置xsns(t))が剛性Kを持つ弾性部54Jに供給され、減算部54Eの出力が粘性比例係数Cを持つダンパ部54Iに供給されている。そして、弾性部54J及びダンパ部54Iの出力が加算部(加え合わせ点)54Kで加算され、加算部54Kの出力が減算部54Aの減算側に供給されている。
また、次の式(11)は、図4(A)のブロック部22Bを、2入力(推力f(t)及び位置x0(t))で2出力(位置xv(t)及びxsns(t))のシステムとして伝達関数を用いて表したものである。
Figure 0006566192

式(11)において、第2式の2行×2列の行列(以下、行列P(s)ともいう)中の要素P2(s)が防振装置20の除振特性(後述)を表している。
次に、図4(B)は、本実施形態の制御系36を含む能動型の防振装置の一例を示すブロック図である。図4(B)において、ブロック部22Bは、図4(A)の防振台22のブロック図を式(11)の行列P(s)を用いて表したものである。
図4(B)において、減算部56の加算側に、構造物18の設置面16に対するZ方向の相対位置の目標値rに対応する信号が供給され、ブロック図22Bから出力される構造物18の位置センサ52によって計測される相対位置xsns(t)に対応する信号が、減算部56の減算側及びフィードバック制御部(以下、FB制御部という)58に供給されている。また、減算部56の出力eが、比例制御及び積分制御を行うための制御部(以下、PI制御部という)60に供給され、PI制御部60の出力uが減算部62の加算側に供給され、FB制御部58の出力が減算部62の減算側に供給され、減算部62の出力(推力f(t)を生成するための信号fref)がモータ部50の駆動回路部50D(このモータドライバ特性の伝達関数をQMD(s)とする)に供給され、モータ部50から推力f(t)が発生している。なお、PI制御部60は、FB制御部58とは別個に設けられた第2のフィードバック制御部とみなすことができる。
駆動回路部50Dのモータドライバ特性の伝達関数QMD(s)は、ローパスフィルタ(LPF)特性となり、その帯域はモータによって異なる。比較的小型の構造物の場合に好適なボイスコイルモータの場合、その帯域は数kHz程度であり、大型構造物に好適な空圧アクチュエータ(エアシリンダ等)の場合、その帯域は20Hz程度までである。
また、図4(B)のPI制御部60は、主に構造物18を安定に支持するために設けられ、FB制御部58は、主に防振装置20の除振率を改善するために設けられている。一例として、除振率は、次のように設置面16の位置x0(t)の変動量に対する構造物18の位置xv(t)の変動量の比率である。
除振率=xv(t)/x0(t)
除振率が小さいほど、設置面16の振動による構造物18の振動が少なくなり、除振性能(除振特性)が優れていることになる。以下では、一例として、除振率によって防振装置20の除振特性又は防振特性を表すこととする。
次に、図5(A)は、図4(B)中のブロック部22B、駆動回路部50D、減算部62、及びFB制御部58を示す。また、図5(A)において、駆動回路部50Dの伝達関数QMD(s)をほぼ1とみなした場合のブロック図は図5(B)となる。この図5(B)におけるFB制御部58の伝達関数CIPFB(s)は次の式(12)で表される。
なお、式(12)中の関数P1(s)(防振台22の実際の機械特性を表す関数)は式(13)で表され、関数Pn1(s)は理想的な機械特性(目標とする機械特性)を表す関数であり、関数Q(s)は、伝達関数の分子及び分母の次数を等しくするためのローパスフィルタ特性を持つ関数である。
Figure 0006566192
ここで、理想的な機械特性を表す関数Pn1(s)として次の3つの場合(以下、ケース1、ケース2、ケース3とする)を想定する。ケース1の場合、関数Pn1(s)は以下の式(14A)で示すように、質量M、粘性比例係数C、及び剛性Kがそれぞれ理想的な値Mn,Cn,Knに設定されている関数である。このとき、FB制御部58の伝達関数CIPFB(s)は式(14B)で表され、式(14B)中の関数Q(s)はカットオフ角周波数ωLPF及び減衰率ζを用いて式(14C)で表される。
Figure 0006566192
また、ケース2の場合、関数Pn1(s)は以下の式(15A)で示すように、粘性比例係数C及び剛性Kがそれぞれ理想的な値Cn,Knに設定されている関数である。このとき、FB制御部58の伝達関数CIPFB(s)は式(15B)で表され、式(15B)中の関数Q(s)はカットオフ角周波数ωLPFを用いて式(15C)で表される。
Figure 0006566192
また、ケース3の場合、関数Pn1(s)は以下の式(16A)で示すように、剛性Kだけが理想的な値Knに設定されている関数である。このとき、FB制御部58の伝達関数CIPFB(s)は式(16B)で示すように、単に定数Knと定数Kとの差分という簡単な形になる。
Figure 0006566192
図6は、図5(B)と同様の防振装置20のブロック図である。ただし、行列P(s)は上述の式(11)で表される。図6(A)において、減算部62に対する目標とする入力uの変化に対する相対位置xsns(t)の変化がPn1(s)であり、除振特性(除振率=xv(t)/x0(t))は関数Pn2(s)である。この関数Pn2(s)を用いると、上述のケース1、ケース2、及びケース3の場合の除振特性(除振率)は次の式(17A)、(17B)、及び(17C)で表される。
Figure 0006566192
次に、図7(A)は図7(B)のブロック図(図5(B)のブロック図と同じ)に対応する除振特性を示し、図7(A)の横軸は周波数(Hz)、縦軸は除振率(dB)である。また、図7(A)の直線A1は、粘性比例係数C及び質量Mで定められる除振特性の限界(=C/(Ms))を表し、曲線A2は、防振台22そのものが持つ除振特性(=(Cs+K)/(Ms2+Cs+K))を表し、曲線A3は、図7(B)のブロック図において、FB制御部58の伝達関数CIPFB(s)を式(16B)(ケース3)と同様に、次のように単に定数Knと定数Kとの差分で表した場合の除振特性を示す。
IPFB(s)=Kn−K<0 …(17D)
この場合、目標とする剛性Knを実際の剛性Kよりも小さい値に設定しているため、伝達関数CIPFB(s)は負の定数となり、FB制御部58を用いる制御はポジティブ比例制御となる。なお、図7(A)において、曲線A3の高周波数の領域A4の特性をモータ部50の推力で変えるためには、モータ部50のパワーを大きくするとともに、駆動回路部50Dの応答特性を高くすればよい。また、直線A1は変更しない方が良いため、除振特性の共振周波数を下げるように、上述のケース3のように剛性Kを小さい方向に変更している。
FB制御部58の伝達関数CIPFB(s)を式(17D)のように設定すると、図4(A)を用いて図5(B)(図7(B))のブロック図は図8(A)のようになる。図8(A)において、図4(A)のブロック部22B中の弾性部54J以外の部分を、伝達関数(1/(Ms2+Cs))を持つブロック部22B1及び減算部54Aで表している。弾性部54Jとブロック部22B1とは並列である。
図8(A)において、FB制御部58は減算部62を介して弾性部54Jと並列に接続されているため、図8(A)は図8(B)の等価回路64と等価になる。図8(B)は、防振台22を表す実際のブロック部22B1において、剛性Kを持つ弾性部54Jが、より小さい剛性Knを持つ弾性部54J1で置き換えられたことを意味する。このように、防振台22を示すブロック部22B(又は22B1)及びFB制御部58を含む部分の伝達関数を、剛性Kが別の値に変えられた防振台22の伝達関数と実質的に同じにすることを、防振台22の剛性Kを目標とする値に電気的に変換するという。これによって、防振特性が、図7の曲線A2(機械的な特性)から曲線A3(理想的な特性)に改善される。
同様に、防振台22を示すブロック部22B(又は22B1)及びFB制御部58を含む部分の伝達関数を、質量K、粘性比例係数C、及び剛性Kの少なくとも一つが別の値に変えられた防振台22の伝達関数と実質的に同じ(等価)にすることを、防振台22の質量K、粘性比例係数C、及び剛性Kで表される防振装置20の機械的な特性を目標とする特性に電気的に変換するという。
次に、図4(B)中のPI制御部60につき説明する。
図9(A)は図4(B)と同じブロック図であり、図9(A)において、PI制御部60の伝達関数CPI(s)をKp+Ki/sに設定する(Kp及びKiは比例制御及び積分制御のゲイン)。このとき、図9(A)は図9(B)と等価になる。図9(B)中のブロック部22B2が図9(A)のブロック部22B、減算部62、及びFB制御部58に対応している。この場合、PI制御部60は、設置面16に対する構造物18の相対位置xsns(t)を目標値rに保つようにモータ部50の推力f(t)を制御する。また、所望の(例えば1Hz以下)の目標値応答特性が得られるように、PI制御部60のゲイン(Kp及びKi)が調整される。
図10(A)(振幅)及び(B)(位相)は本実施形態の制御系36を用いた場合のシミュレーションにおける図9(B)の伝達関数P1(s)QMD(s)の伝達特性を示す。図10(A)及び(B)の横軸は周波数(Hz)である。この場合、防振台22の質量Mは500kg、粘性比例係数Cは2ζωM(N/(m/s))、剛性Kはω2M(N/m)、減衰率ζは0.2、角周波数ωは2π5(rad/s)とした。また、駆動回路部50Dの伝達特性の減衰率ζMDは0.7、角周波数ωMDは2π2000(rad/s)、FB制御部58のケース3の場合の剛性Knはωn 2M(N/m)、ωnは2π1とした。
このとき、除振特性は、図7(A)の曲線A3のようになった。また、設置面16の位置x0の振動を図11(A)とした。このとき、FB制御部58を設けない場合の構造物18の位置xv(t)は図11(B)となり、FB制御部58を設けた場合の構造物18の位置xv(t)は図11(C)となり、除振率が大幅に改善されていることが分かる。また、駆動回路部50Dに供給される推力の設定値frefは図11(D)のようになり、モータ部50から正確に推力fが構造物18に付与されることが分かる。
また、図12(A)は、PI制御部60を設けた場合の目標値応答特性のシミュレーション結果の一例を示す。図12(A)の横軸は周波数(Hz)、縦軸は振幅である。図12(B)は、PI制御部60を設けた場合の目標値1mmのステップ応答時間のシミュレーション結果の一例を示す。図12(B)の横軸は時間(s)、縦軸は位置(mm)であり、点線は目標位置r、実線は実際の相対位置xsnsである。図12(A)及び(B)より、所望(1Hz程度)の目標値応答特性が得られることが分かる。
次に、本実施形態の防振装置20の制御方法(使用方法)の一例につき図13のフローチャートを参照して説明する。まず、図13のステップ102において、図4(B)のFB制御部58の伝達特性を、防振台22に対応するブロック部22Bの剛性Kを実質的に小さい値Knに変換するように設定する。そして、位置センサ52で設置面16に対する構造物18の相対位置xsnsを計測し(ステップ104)、この計測値と目標値との差分が小さくなるように、モータ部50で設置面16に対して構造物18を駆動する(ステップ106)。このステップ104及び106の動作を、防振を停止するまで繰り返すことで(ステップ108)、設置面16が振動しても、その振動で構造物18が振動することが抑制される。
この制御方法によれば、構造物18(防振対象物)の相対位置等を計測するための計測装置の数を多くすることなく、防振性能(除振率等)を向上できるとともに、構造物18の目標値応答特性を向上できる。
上述のように本実施形態の露光装置EXは、防振装置20を備えている。そして、防振装置20は、設置面16(床FL)上に構造物18(ベース部材24)を支持する防振装置において、設置面16に対して構造物18を支持する弾性部材48(弾性機構)と、設置面14に対する構造物18の振動を抑制するエアダンパ40(ダンパ機構)と、設置面14に対する構造物18の相対位置xsnsに対応する位置信号を検出する位置センサ52(検出部)と、設置面14に対する構造物18の相対位置を調整するモータ部50(調整部)と、位置センサ52で検出される位置信号に応じてモータ部50を駆動する制御系36と、を備え、制御系36は、構造物18を支持する弾性部材48の剛性Kをより小さい(目標とする特性)電気的な値に(伝達関数として)変えるFB制御部58(図8(A)参照)(特性変更部)を有する。
本実施形態によれば、構造物18(防振対象物)の絶対位置等を計測するための計測装置(例えばジャイロセンサや加速度センサ等)の数を多くすることなく、防振性能としての例えば除振率(構造物18の位置xv/設置面16の位置x0)を向上できる。また、防振装置20の製造コストを抑制できる。
また、制御系36は、構造物18の目標位置rに対応する目標位置信号と、その位置信号との差分に応じてモータ部50を駆動する減算部56を有し、FB制御部58はその位置信号をその目標とする特性に応じて変換した信号を制御系36の出力部とモータ部50の入力部との間に帰還する負帰還部である。この場合、第1の帰還部を含んで構成される第1のフィードバック系によって、構造物18の目標値応答特性(構造物18の設置面16に対する相対位置を目標値に対して許容範囲内に保つ際の応答特性)を向上させることができる。また、FB制御部を含んで構成される第2のフィードバック系によって、防振性能(除振率)を向上させることができる。
また、FB制御部58の伝達関数が、目標とする剛性Knと元の剛性Kとの差分である場合には、簡単な構成で、防振台22を、剛性Kが目標とする値に変数された防振台に電気的に変換でき、防振性能を向上できる。
また、制御系36が、構造物18の目標位置に対応する目標位置信号と、その位置信号との差分に比例した比例信号、及びその差分を積分した積分信号に応じてモータ部50を駆動するPI制御部60(演算部)を有する場合には、構造物18の目標値応答特性をさらに向上できる。
また、露光装置EXは、マスクMのパターンをプレートP(被露光体)に露光する露光装置であって、フレーム機構34(フレーム)と、プレートPを支持するとともにフレーム機構34に対して相対移動可能な基板ステージPSTと、防振装置20とを備え、防振装置20によって床FL(設置面)に対するフレーム機構34(ベース部材24)の相対位置を目標位置に対して許容範囲内に制御している。
また、露光装置EXを用いてプレートPを露光する露光方法において、露光中に上述の防振装置20の制御方法が使用されている。この露光装置EX又は露光方法によれば、防振装置20の除振性能が向上しているため、プレートPに対して高精度に露光を行うことができる。
(変形例)
なお、上述の実施形態では、以下のような変形が可能である。
上述の実施形態では、制御系36にPI制御部60が設けられているが、PI制御部60では、比例制御及び積分制御の少なくとも一方を行うのみでもよい。また、PI制御部60では、比例制御及び積分制御とともに、又は比例制御及び積分制御の代わりに、微分制御(入力信号の微分信号を減算部62に出力すること)を行ってもよい。
ただし、制御系36において、PI制御部60を省略することも可能である。
また、FB制御部58の伝達関数は、分母及び分子がそれぞれ周波数に関して1次の関数(式(15))であってもよい。この場合には、防振台22を、粘性比例係数C及び剛性Kがそれぞれ目標とする値に変数された防振台に電気的に変換でき、防振性能を向上できる。
さらに、FB制御部58の伝達関数は、目標とする特性に対応する伝達関数Pn1(s)の分母と分子とを入れ替えた第1の関数(Pn1 -1(s))と、防振装置の機械的な特性に対応する伝達関数P1(s)の分母と分子とを入れ替えた第2の関数(P1 -1(s))との差分よりなる第1の伝達関数と、所定のローパスフィルタに対応する第2の伝達関数Q(s)との積で表される伝達関数(式(14B)の関数CIPFB(s))であってもよい。この伝達関数を有する場合には、防振台22を、質量M、粘性比例係数C、及び剛性Kの少なくとも一つがそれぞれ目標とする値に変数された防振台に電気的に変換でき、防振性能を向上できる。
なお、本実施形態では調整部が図2に示すモータ部(VCM)50である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、VCMを用いずにダンパ機構40を調整部として用いてもよい。その場合、ダンパ機構のレギュレータ及び空気の流量を制御できるサーボバルブに調整用の何らかのアクチュエータを設け、そのアクチュエータを調整部として防振装置を構成すればよい。
(デバイス製造方法)
上述の各実施形態の露光装置又はこれらの露光装置を用いる露光方法を使用して、基板(プレートP)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、液晶表示素子等の液晶デバイスを製造することができる。以下、図14のステップS401〜S404を参照して、この製造方法の一例につき説明する。
図14のステップS401(パターン形成工程)では、先ず、露光対象の基板上にフォトレジストを塗布して感光基板(プレートP)を準備する塗布工程、上記の露光装置又は露光方法を用いて液晶表示素子用のマスクのパターンをその感光基板上に転写露光する露光工程、及びその感光基板を現像する現像工程が実行される。この塗布工程、露光工程、及び現像工程を含むリソグラフィ工程によって、その基板上に所定のレジストパターンが形成される。このリソグラフィ工程に続いて、そのレジストパターンを加工用のマスクとしたエッチング工程、及びレジスト剥離工程等を経て、その基板上に多数の電極等を含む所定パターンが形成される。そのリソグラフィ工程等は、プレートP上のレイヤ数に応じて複数回実行される。
その次のステップS402(カラーフィルタ形成工程)では、赤R、緑G、青Bに対応した3つの微細なフィルタの組をマトリックス状に多数配列するか、又は赤R、緑G、青Bの3本のストライプ状の複数のフィルタの組を水平走査線方向に配列することによってカラーフィルタを形成する。その次のステップS403(セル組立工程)では、例えばステップS401にて得られた所定パターンを有する基板とステップS402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後のステップS404(モジュール組立工程)では、そのようにして組み立てられた液晶パネル(液晶セル)に表示動作を行わせるための電気回路、及びバックライト等の部品を取り付けて、液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、簡単な構成で防振装置20の防振性能が向上しており、露光装置又は露光方法における露光精度を高めることができるため、デバイスを高精度にかつ安価に製造できる。
なお、本発明は、液晶表示素子の製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、プラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、セラミックスウエハ等を基板として用いる薄膜磁気ヘッド、及び半導体素子等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。
なお、本発明は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書等に開示される液浸型露光装置で防振を行う場合にも適用することができる。また、本発明は、波長数nm〜100nm程度の極端紫外光(EUV光)を露光ビームとして用いる投影露光装置、及び投影光学系を使用しないプロキシミティ方式やコンタクト方式の露光装置等で防振を行う際にも適用できる。
さらに本発明は、露光装置以外の機器、例えば欠陥検査装置、感光材料のコータ・デベロッパ等の防振を行う場合にも適用することができる。
このように本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、FL…床、20…防振装置、16…設置面、18…構造物、22…防振台、24…ベース部材、36…制御系、40…エアダンパ、48…弾性部材、50…モータ部、52…位置センサ、58…FB制御部(フィードバック制御部)、60…PI制御部

Claims (10)

  1. 設置面上に構造物を支持する防振装置において、
    前記設置面に対して前記構造物を支持する弾性機構と、
    前記設置面に対する前記構造物の振動を抑制するダンパ機構と、
    前記設置面に対する前記構造物の相対位置に対応する位置信号を検出する検出部と、
    前記設置面に対する前記構造物の相対位置を調整する調整部と、
    前記検出部で検出される位置信号に応じて前記調整部を駆動するための駆動信号を生成する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記構造物の質量、前記弾性機構の剛性、及び前記ダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数の少なくとも1つを含む第1の伝達関数と前記位置信号とを用いて生成される第1信号と、前記構造物の質量、前記弾性機構の剛性、及び前記ダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数の少なくとも1つを含み、かつ前記第1の伝達関数とは異なる第2の伝達関数と前記位置信号とを用いて生成される第2信号と、を用いて前記駆動信号を生成し、
    前記構造物の目標位置に対応する目標位置信号と、前記位置信号との差分に比例した比例信号、及び前記差分を積分した積分信号の少なくとも一方を用いて前記第1信号を生成する防振装置。
  2. 前記制御部は、前記構造物の目標位置に対応する目標位置信号と前記位置信号との差分から、前記第1の伝達関数を用いて前記第1信号を生成する請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記第2の伝達関数は、当該防振装置の目標とする特性に対応する伝達関数の分母と分子とを入れ替えた第1の関数と、前記防振装置を表す伝達関数の分母と分子とを入れ替えた第2の関数との差分よりなる第3の伝達関数と、所定のローパスフィルタに対応する第4の伝達関数との積で表される請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記目標とする特性は、前記弾性機構の剛性よりも小さい剛性を持つ特性であり、
    前記第2の伝達関数を用いて、前記位置信号に、前記弾性機構の剛性と目標とする剛性との差分を乗算して得られる信号から前記第2信号を生成する請求項3に記載の防振装置。
  5. 前記目標とする特性は、前記弾性機構の剛性と異なる剛性、及び前記ダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数と異なる粘性比例係数を持つ特性であり、
    前記第2の伝達関数は、分母及び分子がそれぞれ時間に関して1次の関数である請求項3に記載の防振装置。
  6. 前記目標とする特性は、前記構造物の質量と異なる質量、前記弾性機構の剛性と異なる剛性、及び前記ダンパ機構が有するダンパの粘性比例係数と異なる粘性比例係数を持つ特性であり、
    前記第2の伝達関数は、分母及び分子がそれぞれ時間に関して2次の関数である請求項3に記載の防振装置。
  7. 前記ダンパ機構は、流体を用いるダンパである請求項1からのいずれか一項に記載の防振装置。
  8. 前記調整部は、電磁式又は流体式のアクチュエータである請求項1からのいずれか一項に記載の防振装置。
  9. パターンを被露光体に露光する露光装置であって、
    フレームと、
    前記被露光体を支持するとともに前記フレームに対して相対移動可能なステージと、
    請求項1からのいずれか一項に記載の防振装置と、を備え、
    前記防振装置によって、設置面に対する前記フレームの相対位置を制御する露光装置。
  10. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程で、請求項に記載の露光装置を用いて物体を露光するデバイス製造方法。
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