JP6565906B2 - 針状体の製造方法、及び針状体 - Google Patents
針状体の製造方法、及び針状体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6565906B2 JP6565906B2 JP2016520917A JP2016520917A JP6565906B2 JP 6565906 B2 JP6565906 B2 JP 6565906B2 JP 2016520917 A JP2016520917 A JP 2016520917A JP 2016520917 A JP2016520917 A JP 2016520917A JP 6565906 B2 JP6565906 B2 JP 6565906B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- needle
- curved surface
- surface portion
- substrate
- resin plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M37/00—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M37/00—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
- A61M37/0015—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C37/00—Component parts, details, accessories or auxiliary operations, not covered by group B29C33/00 or B29C35/00
- B29C37/0053—Moulding articles characterised by the shape of the surface, e.g. ribs, high polish
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C59/00—Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
- B29C59/02—Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing
- B29C59/022—Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing characterised by the disposition or the configuration, e.g. dimensions, of the embossments or the shaping tools therefor
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M37/00—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
- A61M37/0015—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles
- A61M2037/0023—Drug applicators using microneedles
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M37/00—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
- A61M37/0015—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles
- A61M2037/0053—Methods for producing microneedles
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2067/00—Use of polyesters or derivatives thereof, as moulding material
- B29K2067/04—Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids
- B29K2067/043—PGA, i.e. polyglycolic acid or polyglycolide
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29L—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
- B29L2031/00—Other particular articles
- B29L2031/753—Medical equipment; Accessories therefor
- B29L2031/7544—Injection needles, syringes
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29L—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
- B29L2031/00—Other particular articles
- B29L2031/756—Microarticles, nanoarticles
Description
しかしながら、従来技術に係る上記製造方法には、樹脂版から針状体を離型する際の版耐久性が低く、針状体の生産性が低いといった課題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、樹脂版を用いた針状体の成形工程において、樹脂版から針状体を離型する際の版耐久性を改善し、針状体の生産性を向上させることができる針状体の製造方法及び針状体を提供することを目的とする。
本実施形態に係る針状体製造方法は、基板部と、前記基板部と接する部位が多角体である針状部と、を備えた針状体前駆体を形成する工程と、前記針状体前駆体の前記基板部と前記針状部とが接合する接合部の周囲の少なくとも一部に、凸形状をした曲面を有する曲面部を形成して針状体原版を作製する工程と、前記針状体原版を転写して、前記針状体原版に対応した形状の凹部を有する樹脂版を作製する工程と、前記樹脂版を転写して針状体を作製する工程と、によって構成される。
図1−1、図1−2は、本実施形態に係る針状体の製造方法を説明するための製造工程図である。以下、図1−1、図1−2に示した各工程を順に説明する。
図1−1(a)から図1−1(c)は、針状体前駆体106を作製する工程を示した断面図である。針状体前駆体106は、適宜公知の微細加工技術を用いた公知の方法によって作製される。公知の微細加工技術としては、例えば、(1)基板に対し、研削加工や切削加工等微細機械加工を用いた製造方法、(2)リソグラフィ法やエッチング法等微細加工技術を用いた製造方法、(3)上記公知の方法で作製された針状体原版を転写成形する方法等がある。
針状体前駆体106を作製するための基板は、加工方法に応じて適宜選択される。基板は、シリコン基板101に限定されるものでなく、例えば、カーボン、セラミックス、石英、金属、樹脂等の基板を用いてもよい。特に、シリコン又は石英は、自然酸化膜への処理方法によって親水性にも疎水性にもなり得るため、表面エネルギーの制御を好適に行うことができる。このような特質は、本実施形態の後述する曲面部を形成するため、曲面部材質を滴下することによって塗布する基板材料として望ましい。
各針状部105の長さが異なる場合、例えば、(1)アレイ状の外周のみ長い単位針状体とすることで、曲面に対し、好適に接触することができる、(2)アレイ状の外周のみ短い単位針状体とすることで、破損しやすい外周部の針状部105の機械的強度を補強することができる、等の効果を得る。また、各針状部105間の距離であるピッチ寸法は、仕様に応じて適宜設計及び決定される。
また、特に、「穿孔について、角質層を貫通しかつ神経層へ到達しない長さ」に留める場合、針状部105の長さは、具体的には、200μm以上700μm以下、より好適には200μm以上500μm以下、更には、200μm以上300μm以下、程度の範囲内にあることが好ましい。
また、特に、穿孔を角質層内に留める場合、針状部105の長さは、具体的には、30μm以上300μm以下、より好適には30μm以上250μm以下、更には、30μm以上40μm以下、程度の範囲内にあることが好ましい。
針状部105による穿孔の深さを「角質層内」に留める場合、送達物を、角質層内に滞留させることができる。角質層は絶えず新陳代謝により新規に生成されるため、角質層内の送達物は時間と共に体外へ排出される。このため、本実施形態は、短期間の薬物除放や、短期間の化粧の状態を維持すること等に好適に用いることができる。
次に、本実施形態は、針状体前駆体106の基板部104と針状部105との接合部107の少なくとも一部に凸形状の曲面部110を形成し、針状体原版111を作製する。より詳しくは、針状体前駆体106の基板部104と針状部105との境界部分である接合部107に位置する針状部105に備わる上記多角体の頂部の少なくとも一部に凸形状の曲面部110を形成し、針状体原版111を作製する。
針状体前駆体106に曲面部110を形成する方法としては、主にディスペンサー法によって、微量の曲面部形成材料を、針状体前駆体106の基板部104と針状部105との接合部107の少なくとも一部に滴下するものがある。
なお、曲面部形成材料109は、基板部104と針状部105との接合部107の周囲の一部に滴下されるものであってもよいし、全部に滴下されるものであってもよい。
曲面部形成材料109は、ディスペンサー108によって滴下可能なものであれば、その種別は特に限定されない。曲面部形成材料109は、例えば、多糖類、たんぱく質、核酸といった天然高分子材料や、ポリオレフィンやビニル系ポリマーといった合成高分子材料でもよい。
極性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル等のエステル類の他、純水等がある。
非極性溶媒としては、例えば、イソオクタン、シクロヘキサン、イソホロン等の芳香族炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、n−ヘキサン、n−デカン、の脂肪族炭化水素類がある。
曲面部形成材料109をゲル状とするためのゲル化剤は、特に限定されないが、例えば、ゼラチン、ペクチン寒天、カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、グァーガム等を用いることができる。
曲面部形成材料109の濡れ性を向上させる場合、所望する表面特性に応じて、適宜親水処理を行ってもよい。親水処理の方法として、例えば、オゾン照射、紫外線やX線等の電磁波照射、電子線照射、プラズマ照射、表面への特性改質物質の付加、光触媒の付加等を用いることができる。
なお、曲面部110の形状である上記「凸形状」とは、基板部104の厚み方向に沿った曲面部110の断面形状が凸形状であることを意味する。
図1−2(h)から図1−2(i)は、樹脂版113を作製する工程を示した断面図である。先ず、本実施形態では、図1−2(h)に示したように、針状体原版111に樹脂版材料112を充填する。次に、針状体原版111の針状部105及び曲面部110の形状に対応した凹部パターン113aを備えた樹脂版113を、針状体原版111を用いた転写成形によって作製する。図1−2(i)は、作製された樹脂版113を示す。本実施形態では、樹脂版材料112の種類は特に限定されないが、樹脂版113として機能するだけの形状追従性、転写成形性、版耐久性及び剥離性を考慮した材料を選択する。具体的には、樹脂版113は、柔軟性の高いシリコン樹脂や、エポキシ樹脂といった、熱硬化性樹脂を材料にして作製される。ただし、樹脂版113の材料は熱硬化性樹脂に限定されるものではない。例えば、樹脂版113は、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂を用いることが可能である。
また、樹脂版材料112は、生体適合性材料であることが好ましい。生体適合性材料を用いて作製することにより、その一部が付着した針状部105が穿刺時に破損、例えば、折れや欠け等が生じたとしても、人体に悪影響を与え難くなる。特に、本実施形態に係る針状体115は、針状部105の微小突起部が皮膚に係留することから、体内に残留しやすい。このため、本実施形態に生体適合性材料を用いることは、高い効果を得ることができる。
樹脂版113の材料を針状体原版111に充填する方法としては、例えば、インプリント法、ホットエンボス法、射出成形法、押し出し成形法、キャスティング法等がある。本実施形態は、充填される樹脂版材料112の厚みについては特に限定されないが、針状体115を成形する上で好ましい厚みを選択することができる。
また、針状体原版111から樹脂版113を剥離する方法としては、例えば、(1)物理的な剥離力による剥離、(2)選択的エッチング法等を用いることができる。
次に、樹脂版113を用いた転写成形によって、針状部(転写針状部)及び曲面部(転写曲面部)を備えた針状体115を作製する方法を説明する。
図1−2(j)から図1−2(l)は、本実施形態に係る針状体115を作製する方法を説明するための工程図である。本実施形態では、図1−2(j)に示したように、樹脂版113に針状体材料114を充填する。そして、図1−2(k)に示したように、充填された針状体材料114が固化した後、固化した針状体材料114(針状体115)を樹脂版113から剥離する。図1−2(l)は、針状体115を示している。
また、針状体115に生体適合性材料を用いることは、針状体115に備わる針状部が折れて体内に取り残された場合にも無害であるという効果を奏する。また、針状体材料114としては、生体適合性材料ばかりでなく、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等を用いることもできる。
なお、針状体材料114の充填方法は、特に限定されないが、例えば、熱プレス法、ホットエンボス法、射出成形法、押し出し成形法及びキャスティング法が好適である。
剥離方法は、特に限定されないが、物理的な剥離方法が考えられる。具体的には、SUS304、SUS440Cといった金属製の剥離爪を、樹脂版113と針状体115の間に挿入する、あるいは針状体115の基板部104の端部に接触させたりすることによって針状体115を保持し、樹脂版113と針状体115とを剥離する方法がある。
以上が、本実施形態に係る針状体115の製造方法の概略である。ただし、本実施形態は、以上説明した例に限定されるものではなく、各工程において適用可能な他の方法を用いるものでもよい。
図2は、以上説明した方法によって製造された針状体115の一部(一つの針状部205)を拡大して示した斜視図である。図2に示したように、本実施形態に係る製造方法により作製された針状体115は、基板部204と針状部(転写針状部)205とを備え、基板部204と針状部205との接合部207の少なくとも一部に凸形状の曲面部(転写曲面部)210を備える。さらに、本実施形態は、針状部205における基板部204との接合部位が多角体(例えば、多角錐体)であり、基板部204と針状部205との接合部207における上記多角体の頂部に選択的に凸状の曲面部210が形成される。
なお、図3に本実施形態に係る針状体115の模式断面図を示した。より詳しくは、図3は、図2(a)に示した針状部205及び曲面部210の図面左右方向における模式断面図である。基板部204の表面から針状部205の頂部までの高さL1は、50μm以上2000μm以下の範囲内であることが好ましい。また、基板部204の表面から曲面部210の頂部(最も高い部分)までの高さL2は、針状部205の高さL1を基準として、L1×0.05以上でありL1×0.5以下の範囲内であることが好ましい。
図4に本実施形態に係る針状体115の斜視図(第1変形例)を示した。図4の針状体115にあっては、針状部205が基板部204側から順に四角柱と四角錐が接続された形状を備える。なお、針状体115の形状にあっては、例えば、三角錐形状、四角錐形状、五角錐形状、六角錐形状、といった多角錐形状をとりうる。また、針状体115の形状にあっては、例えば、三角柱形状、四角柱形状、五角柱形状、六角柱形状、といった多角柱形状をとりうる。また、図4に示すように、多角錐形状と多角柱形状を組み合わせた形状でもよい。本実施形態では、多角錐形状と多角柱形状をあわせ各形状としている。
なお、その他の部分は、上述した実施形態と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
なお、その他の部分は、上述した実施形態と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
図6に本実施形態に係る針状体115の斜視図(第3変形例)を示した。図6の針状体115にあっては、四角錐形状の針状部205と基板部204の接合部207において、多角錐の外周の全域にわたって曲面部210が形成されている。
なお、その他の部分は、上述した実施形態と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
なお、上記「凹形状」とは、基板部204の厚み方向に沿った曲面部210の断面形状が凹形状であることを意味する。また、その他の部分は、上述した実施形態と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
なお、本実施形態に係る針状体115は、例えば、液状の薬剤を皮内に放出するために用いられる貫通孔(図示せず)を備えていてもよい。より詳しくは、本実施形態に係る針状体115は、基板部204と針状部205とを共に貫通する貫通孔を備えていてもよい。また、この貫通孔は、針状部205の側面部を貫通する孔であってもよいし、針状部205の側面部を貫通する孔であってもよい。
以下、本実施形態の一実施例について、先に示した図1−1、図1−2を使って説明する。
先ず、本発明の発明者は、図1−1(a)に示す通り、一辺が50mmの正方形で、厚さ2mmのシリコン基板101を準備し、研削刃を回転させながら、シリコン基板101の表面に対し、深さ300μm分の研削加工を実施し、長さ50mmの研削溝102を形成した。研削溝102の開口上部の幅は約418μm、深さは300μmとなった。
研削溝102の側壁面の傾きは、研削刃の先端に形成された傾斜面の傾きに対応し、本実施例ではシリコン基板101の平行面と研削溝102の側壁面との成す角度は110°となった。また、研削溝102は6本形成され、図1−1(b)に示す通り、概ね三角形の断面形状を有する研削加工中のシリコン基板103が得られた。
また、シリコン基板103の表面にはヘキサメチルジシラザンによる撥水処理を行った。撥水処理を行った後、水への接触角が120°となり、撥水性であることを確認した。
この結果、図1−1(c)に示す通り、針状体前駆体106が得られた。
曲面部形成材料109は、関東化学社製のポリエチレングリコール(重量平均分子量1000)と、純水を重量比1対1で混合した溶液を用いた。また、ディスペンサー108のノズル温度設定を40℃として、曲面部形成材料109を加熱した。その結果、直径約50μmの曲面部形成材料109が吐出された。
さらに、曲面部形成材料109が吐出、乾燥・固化された結果、図1−1(f)に示す通り、全ての接合部107に曲面部110が形成され、図1−2(g)に示す通り、針状体原版111が作製された。
次に、図1−2(j)に示す通り、樹脂版113に対し、熱プレス法を用いて針状体材料114を充填した。針状体材料114としては、クレハ社製のポリグリコール酸Kuredux100E35(商品名)を用いた。
最後に、図1(k)に示す通り、針状体材料114は、樹脂版113内で十分に冷却された後に離型された。この結果、図1−2(l)に示す通り、本実施例に係る針状体115が得られた。
比較例として、上記実施例において曲面部110を設けない針状体を作製した。
つまり、上記実施例の場合と同様にして、一辺が50mmの正方形で、厚さ2mmのシリコン基板を準備し、研削刃を回転させながら、シリコン基板の表面に対し、深さ300μm分の研削加工を実施し、長さ50mmの研削溝を形成した。研削溝の開口上部の幅は約418μm、深さは300μmとなった。
研削溝の側壁面の傾きは、研削刃の先端に形成された傾斜面の傾きに対応し、本比較例ではシリコン基板の平行面と研削溝の側壁面との成す角度は110°となった。また、研削溝は6本形成され、概ね三角形の断面形状を有する研削加工中のシリコン基板が得られた。
次に、上記実施例の場合と同様にして、針状体原版に対し、樹脂版材料を充填した。樹脂版材料は、信越シリコン社製の熱硬化型シリコーン樹脂(KE−1417(商品名))を用いた。樹脂版材料を常温で硬化させ離型した結果、一辺が50mmの正方形で、厚さ10mmの樹脂版が得られた。
次に、得られた樹脂版に対し、熱プレス法を用いて針状体材料を充填した。針状体材料としては、クレハ社製のポリグリコール酸Kuredux100E35(商品名)を用いた。
最後に、針状体材料は、樹脂版内で十分に冷却された後に離型された。以上により、比較例に係る針状体、即ち曲面部110を設けない針状体が得られた。
実施例で得られたポリグリコール酸製の針状体115を、同一の樹脂版113を用いたまま、100個繰り返し作製した。針状体115を100個繰り返し作製後、作製に用いた樹脂版113の表面を実体顕微鏡で観察した。
一方、比較例で得られたポリグリコール酸製の針状体を、実施例の場合と同様にして、同一の樹脂版を用いたまま、100個繰り返し作製した。針状体を100個繰り返し作製後、実施例の場合と同様にして、作製に用いた樹脂版の表面を実体顕微鏡で観察した。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである。
現在、皮膚上から薬剤を浸透させ体内に薬剤を投与する方法として、経皮吸収法がある。経皮吸収法は、被投与者に痛みを与えることなく簡便に薬剤を投与することができる。
ただし、経皮吸収法においては、経皮吸収法で投与が困難な薬剤が存在する。投与が困難な薬剤を効率よく体内に吸収させる方法としては、ミクロンオーダーの微細な針状体(マイクロニードル)によって皮膚を穿孔し、皮膚内に直接薬剤を投与する方法がある。針状体を使って皮膚内に薬剤を投与する方法によれば、従来の注射機器を用いることなく、簡便に薬剤を皮下投薬することが可能となる)。なお、このような針状体の公知技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
より具体的には、針状部には、最外皮層である角質層を貫通することが求められる。角質層の厚さは、人体の部位によっても若干異なるが、平均して20μm程度である。また、角質層の下にはおよそ200μmから350μm程度の厚さの表皮が存在し、表皮の下層には毛細血管が張りめぐらされる真皮層が存在する。このため、角質層を貫通させて薬液を浸透させるためには、少なくとも20μm以上の長さの針状部が必要となる。また、採血を目的とする針状体を製造する場合には、上記の皮膚の構成から少なくとも350μm以上の長さの針状部を有した針状体が必要となる。
また、針状体が体内に薬剤を投与する機構としては、薬剤を針の表面に塗り、これを穿刺することで薬剤が投与される機構や、中空針や薬液通過用の細孔を有した形状の針状体を用いて基板面から薬剤を投与する機構が提案されている。なお、このような針状体の公知の機構は、例えば、特許文献3に記載されている。
しかしながら、金属版を用いた針状体の成形は、樹脂版を用いた成形工程に比べて、針状体に適用される材料によっては、針状部の成形性や、針状体の離型性が良好では無い場合がある。このため、針状体の成形に樹脂版が選択される場合があるが、樹脂版は金属版に比べて耐久性が低く、針状体を離型する際に壊れることがあるという課題がある。
(1)上述の課題を有する従来技術に係る針状体の製造方法に対し、本実施形態に係る針状体115の製造方法は、基板部104に針状部105を備え、針状部105の基板部104と接する部位が多角体である針状体前駆体106を形成する工程と、針状体前駆体106の基板部104と針状部105との境界部分である接合部107における上記多角体の頂部の少なくとも一部に曲面部110を形成して針状体原版111を作製する工程と、針状体原版111を用いた転写成形によって、針状体原版111の針状部105及び曲面部110に対応した凹部パターン113aを備えた樹脂版113を作製する工程と、樹脂版113を用いた転写成形によって、針状部105及び曲面部110の各形状が転写された針状部205及び曲面部210を備えた針状体115を作製する工程と、を含む。
このような構成であれば、凹部パターン113aに曲面部110に対応した凹部を備えているので、転写成形した針状体115の離型時に、針状体115に含まれる多角体の頂部近傍に発生する樹脂版113の歪みを低減することができる。このため、本実施形態に係る針状体115の製造方法であれば、従来技術に係る針状体の製造方法と比較して、樹脂版113の耐久性を高めることができ、樹脂版113の交換頻度を低減することができる。よって、針状体115の生産性を向上させることができる。
このような構成であれば、曲面部形成材料109を滴下して曲面部110を形成するので、曲面部110を、容易且つ確実に、予定した位置に形成することができる。
(3)また、基板部104の厚み方向に沿った曲面部110の断面形状を凸形状としてもよい。
このような構成であれば、曲面部110の断面形状が凸形状をしているので、転写成形した針状体115の離型時に、針状体115に含まれる多角体の頂部近傍に発生する樹脂版113の歪みをより低減することができる。
このような構成であれば、仮に、穿刺時に針状体115に含まれる針状部205が折れて体内に取り残された場合であっても無害である。
(5)また、本実施形態に係る針状体115は、基板部204と、基板部204に形成された針状部205と、基板部204と針状部205との境界部分である接合部207の少なくとも一部に形成された曲面部210とを備え、針状部205の基板部204と接する部位が多角体であり、曲面部210が接合部207の上記多角体の頂部に形成されている。
このような構成であれば、針状体115は、曲面部210を備えているので、針状体115を皮膚に穿刺した際に、針状部205と基板部204とを補強することから針状部205を折れ難くすることができる。
このような構成であれば、針状体115を皮膚に穿刺した際に、針状部205をさらに折れ難くすることができる。
(7)また、凸形状の曲面部210を、接合部207の上記多角体の頂部に選択的に形成してもよい。
このような構成であれば、曲面部210の大きさを制御することが可能となるので、皮膚への穿刺深さを制御することができる。
102 研削溝
104、204 基板部
104a 上面
105、205 針状部
106 針状体前駆体
107、207 接合部
108 ディスペンサー
109 曲面部形成材料
110、210 曲面部
111 針状体原版
112 樹脂版材料
113 樹脂版
113a 凹部パターン
115 針状体
Claims (5)
- 基板部に針状部を備え、前記針状部の前記基板部と接する部位が多角体である針状体前駆体を形成する工程と、
前記針状体前駆体の前記基板部と前記針状部との境界部分である接合部における前記多角体の頂部の少なくとも一部に曲面部を形成して針状体原版を作製する工程と、
前記針状体原版を用いた転写成形によって、前記針状体原版の前記針状部及び前記曲面部に対応した凹部パターンを備えた樹脂版を作製する工程と、
前記樹脂版を用いた転写成形によって、前記針状部及び前記曲面部の各形状が転写された転写針状部及び転写曲面部を備えた針状体を作製する工程と、
を含み、
前記基板部の厚み方向に沿った前記曲面部の断面形状が凸形状であることを特徴とする針状体の製造方法。 - 前記曲面部を、曲面部形成材料を滴下して形成することを特徴とする請求項1に記載の針状体の製造方法。
- 前記針状体を、生体適合性材料を用いて形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の針状体の製造方法。
- 基板部と、前記基板部に形成された針状部と、前記基板部と前記針状部との境界部分である接合部の少なくとも一部に形成された曲面部とを備え、
前記針状部の前記基板部と接する部位が多角体であり、
前記曲面部が前記接合部の前記多角体の頂部に形成されており、
前記接合部の前記多角体の頂部に、選択的に凸形状の前記曲面部が形成されていることを特徴とする針状体。 - 前記基板部の厚み方向に沿った前記曲面部の断面形状が凸形状であることを特徴とする請求項4に記載の針状体。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014104429 | 2014-05-20 | ||
JP2014104429 | 2014-05-20 | ||
PCT/JP2015/002324 WO2015177976A1 (ja) | 2014-05-20 | 2015-05-07 | 針状体の製造方法、及び針状体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2015177976A1 JPWO2015177976A1 (ja) | 2017-04-20 |
JP6565906B2 true JP6565906B2 (ja) | 2019-08-28 |
Family
ID=54553662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016520917A Active JP6565906B2 (ja) | 2014-05-20 | 2015-05-07 | 針状体の製造方法、及び針状体 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10471245B2 (ja) |
JP (1) | JP6565906B2 (ja) |
WO (1) | WO2015177976A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0402131D0 (en) | 2004-01-30 | 2004-03-03 | Isis Innovation | Delivery method |
CA3204959A1 (en) | 2015-02-02 | 2016-08-11 | Vaxxas Pty Limited | Microprojection array applicator and method |
US11103259B2 (en) * | 2015-09-18 | 2021-08-31 | Vaxxas Pty Limited | Microprojection arrays with microprojections having large surface area profiles |
AU2018285954A1 (en) | 2017-06-13 | 2019-12-19 | Vaxxas Pty Limited | Quality control of substrate coatings |
US11464957B2 (en) | 2017-08-04 | 2022-10-11 | Vaxxas Pty Limited | Compact high mechanical energy storage and low trigger force actuator for the delivery of microprojection array patches (MAP) |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU3880697A (en) | 1996-07-03 | 1998-01-21 | Altea Technologies, Inc. | Multiple mechanical microporation of skin or mucosa |
US6835184B1 (en) | 1999-09-24 | 2004-12-28 | Becton, Dickinson And Company | Method and device for abrading skin |
JP2001309977A (ja) | 2000-04-28 | 2001-11-06 | Terumo Corp | 液体注入針および液体注入器具 |
US20060127465A1 (en) | 2003-06-10 | 2006-06-15 | Shinya Maenosono | Pad base for transdermal administration and needle |
JP2005021677A (ja) | 2003-06-10 | 2005-01-27 | Medorekkusu:Kk | 経皮投薬用パッドベース、及び注射針 |
WO2006077742A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-27 | Nabtesco Corporation | 皮膚用針製造装置および皮膚用針製造方法 |
JP5338021B2 (ja) * | 2006-07-04 | 2013-11-13 | 凸版印刷株式会社 | 針状体の製造方法 |
JP5770055B2 (ja) * | 2010-09-29 | 2015-08-26 | 富士フイルム株式会社 | 針状アレイ経皮吸収シートの製造方法 |
JP2012143978A (ja) | 2011-01-13 | 2012-08-02 | Neat:Kk | 射出成形法によるマイクロニードル製造用の金型 |
WO2013171907A1 (ja) * | 2012-05-18 | 2013-11-21 | 大勝 明 | 注射針、および、キット製剤 |
-
2015
- 2015-05-07 JP JP2016520917A patent/JP6565906B2/ja active Active
- 2015-05-07 WO PCT/JP2015/002324 patent/WO2015177976A1/ja active Application Filing
-
2016
- 2016-11-18 US US15/355,264 patent/US10471245B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US10471245B2 (en) | 2019-11-12 |
JPWO2015177976A1 (ja) | 2017-04-20 |
US20170065804A1 (en) | 2017-03-09 |
WO2015177976A1 (ja) | 2015-11-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6565906B2 (ja) | 針状体の製造方法、及び針状体 | |
ES2463818T3 (es) | Dispositivo que se aplicará a una barrera biológica | |
WO2014077244A1 (ja) | 経皮吸収シート及びその製造方法 | |
JP5717322B2 (ja) | 針状体アレイ原版の製造方法 | |
WO2011043086A1 (ja) | マイクロニードルスタンパーの製造方法 | |
JP2009082206A (ja) | 機能性膜の製造方法 | |
JP6662296B2 (ja) | 経皮投薬用針集成体及びその製造方法 | |
JP4888011B2 (ja) | 針状体およびその製造方法 | |
JP2009072271A (ja) | 針状体および針状体の製造方法 | |
JP5338021B2 (ja) | 針状体の製造方法 | |
US20230080643A1 (en) | Microneedle patch, micro needle system and method of fabricating the same | |
JP5173331B2 (ja) | 針状体チップおよびその製造方法 | |
JP6003339B2 (ja) | 針状体の製造装置および針状体の製造方法 | |
JP6098059B2 (ja) | 針状体の製造方法および針状体 | |
JP6525017B2 (ja) | マイクロニードルデバイス | |
JP6060547B2 (ja) | 針状体の製造方法 | |
JP6476799B2 (ja) | 針状体の製造方法 | |
JP5173332B2 (ja) | マイクロニードルおよびマイクロニードル製造方法 | |
JP2009083125A (ja) | 機能性膜の製造方法および製造装置 | |
JP6519632B2 (ja) | マイクロニードルデバイス | |
KR20210029576A (ko) | 마이크로 니들 패치 및 이의 제조 방법 | |
BAO et al. | Fabrication of Dissolvable Microneedles by utilizing 3D-printed PMMA Microstamp for Transdermal Drug Delivery | |
JP6268733B2 (ja) | 針状体の製造方法 | |
JP2016209389A (ja) | 針状体原版の製造方法および針状体の製造方法 | |
ES2357079T3 (es) | Procedimiento de producción de un microaguja o un microimplante. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180419 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190423 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190612 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190702 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190715 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6565906 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |