JP6565100B2 - 光断層計測装置および光断層計測方法 - Google Patents

光断層計測装置および光断層計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、物体の断層を計測する光断層計測装置および光断層計測方法に関する。
共焦点レーザ走査型顕微鏡(CLSM: Confocal Laser Scanning Microscope)〔非特許文献1〕は、対物レンズの焦点と共役な位置にピンホールを配置し、焦点外から発生するノイズ光(散乱光)を除去する。このような共焦点光学系では、焦点から反射した所望の信号光のコントラストが増し、通常の光学顕微鏡より空間解像度が向上する。また、それに伴い、従来の光学顕微鏡には存在しない光軸(z軸)方向の空間分解能が発生するため、光学的な断層撮影または3次元計測が可能となる。
これらの特長によりCLSMは、工業分野ではMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などの微細製品の検品、医学・ライフサイエンス分野では、タンパク質等の生体高分子の観察など幅広い分野で用いられている。加えて、CLSMによって生体そのものを生きたままの状態で観察しようとする研究〔非特許文献2〕も行われている。以上からCLSMは非常に重要かつ注目度の高い技術であると言える。
しかしながら、従来のCLSMでは、以下に示す幾つかの問題点がある。まず、CLSMで3次元像を得る場合、ガルバノミラーや自動ステージ等を用いることによって、照射光学系または試料を機械的にx方向、y方向およびz方向の全ての方向について走査をしなければならない点である。
xy方向において、この問題を解決しうるものとして、ピンホール部分にスピンディスク(ニポウディスク)を用いる方法〔非特許文献3〕や、マイクロレンズアレイとピンホールアレイとを組み合わせて用いる方法〔非特許文献4〕等が提案されている。
z軸方向においては、平行平板ガラスによって高速に走査を行う方法〔非特許文献5〕があるが、z軸方向の走査を完全に排除しうる方法は現段階では存在しない。また、得られる信号光強度とz軸方向の空間分解能とがトレードオフの関係にある点も問題点として挙げられる。通常のCLSMでは、z軸方向の分解能は対物レンズの開口数(NA)とピンホール径とによって決定される。つまり、より開口数NAが高い対物レンズとより小さい径のピンホールとを用いることによってz軸分解能が向上する。
しかしながら、ピンホール径を非常に小さくした場合、得られる光強度が著しく低下し、検出が不可能となるため、ある程度のピンホール径を確保する必要がある。よって、実際には、高NA対物レンズを用いたとしてもz軸方向の分解能は制限される。以下では、CLSMにおけるz軸方向の走査を行うための代表的な従来手法を二つ述べる。
(照射光学系および試料を機械的走査する方式)
図14に照射光学系および試料を機械的走査する方式の概念図を示す。本方式は最も基本的なものであり、図14に示す概念図は、CLSMの一般的な基本構成であると言える。この方式では、対物レンズ等で構成される照射光学系または計測試料そのものを自動ステージ等によって機械的に走査し、計測試料上の集光位置をz軸沿ってステップ移動させるものである。上述した通り、本方式は、最も基本的な方式であり、付加的な光学素子が不要であるという利点がある。しかし、機械的な走査であるため走査速度が制限されるという問題点がある。
(平行平板ガラスを用いる方式)
図15に平行平板ガラスを用いる方式の概念図を示す。この方式は、直接、計測試料の機械的走査をすることなくz軸上における焦点位置をステップ移動させることができる。原理としては、対物レンズと計測試料の間に厚さd、屈折率nである平行平板ガラスを挿入した際に、屈折の効果によって焦点位置がz=d×(1−1/n)だけ変位することを利用している。実際には、複数の異なる厚さの平行平板ガラスを円盤の円周上に並べて配置し、それを高速に回転することで高速な焦点のステップ移動を実現する。計測試料を自動ステージ等によって機械的に走査するのに対し、この方式はより高速にz軸上の走査が可能となる点が特長である。しかし、複数の平行平板を配置する円盤による系の大型化や円盤を高速回転させることで発生する振動によって計測精度が低下するなどの問題点がある。
S. W. Paddock, "Confocal Laser Scanning Microscopy" BioTechniques. 27, 992 (1999). Y. Hwang et al., "In vivo analysis of THz wave irradiation induced acute inflammatory response in skin by lasers-canning confocal microscopy" Opt. Express 22, 11465 (2014). G. Q. Xiao et al., "A Real-Time Confocal Scanning Optical Microscope" Proc. SPIE 0809, 107 (1987). H. J. Tiziani et al., "Three-dimensional analysis by a microlens-array confocal arrangement" Appl. Opt. 33, 567 (1994). 石原満宏, 佐々木博美, "非走査マルチビーム共焦点撮像系による高速三次元計測," 精密光学会誌 64, 1022 (1998). I. Yamaguchi et al., "Phase-shifting digital holography" Opt. Lett., 22, 1268 (1997). K. Matsushima et al., "Band-Limited Angular Spectrum Method for Numerical Simulation of Free-Space Propagation in Far and Near Fields" Opt. Express 17, 19662 (2009). A.Okamoto, K.Kunori, M.Takabayashi, A.Tomita, and K.Sato, "Holographic diversity interferometry for optical storage," Opt. Express, Vol.19, 13436(2011).
先で述べたいずれの従来方式もz軸上の複数の位置を計測する場合(複数の断層像を得る場合)には、何らかの走査が必要であり複数回の計測を必要とする。つまり、走査機構における技術の向上によって走査時間を高速化することができたとしても完全に排除することは不可能であるという根本的な問題がある。これによって、生きたままの生体等の動きのある計測試料のリアルタイム計測は非常に困難である。もし、上記リアルタイム計測が可能になったとしても、非常に高速な機械動作部または計算処理部が必須であるため、実用を考えた場合は現実的とは言えない。
また、z軸方向の走査のために付加的な部品が必要となるため、光学系の大型化を招いてしまう。加えて、これらすべての従来方式ではピンホール径を小さくすることでz軸上の空間分解能の向上が可能であるが、実際にはそれによって不要なノイズ光(非計測面からの反射光)と同時に信号光も失われてしまう。これは、光検出器におけるノイズ(ショットノイズや暗電流等のノイズ)が支配的となり信号対雑音比(SNR: Signal-to-Noise Ratio)が著しく低下する原因となる。したがって、ある程度のピンホール径の大きさを確保する必要がありz軸方向の空間分解能が犠牲となる問題点もある。
以上をまとめると従来のCLSMの主たる問題点は以下の3点である。
(1)z軸上で機械的な走査が必須であり計測時間が増大する。
(2)z軸の走査のために付加的な部品が必要なため系が大型化する。
(3)光検出器のSNRとの兼ね合いによってz軸方向の空間分解能が犠牲となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、計測時間を低減し、装置を小型化し、z軸方向(光軸方向)の空間分解能を向上させることが可能な光断層計測装置を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る光断層計測装置は、物体の断層を計測する光断層計測装置であって、上記物体に対するレーザ光の照射により生じた多重散乱光からなる反射信号光の光複素振幅を計測した結果である光複素振幅情報を取得する光複素振幅情報取得部と、取得した光複素振幅情報に4f結像光学系の伝達関数を乗算し、その乗算結果にフーリエ変換を施すことによって形成される仮想4f光学系の出力結果を演算する演算処理部と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、仮想4f光学系のデフォーカス位置を変位させることで、反射信号光の内、任意のz軸(光軸)上の位置からの反射成分のみを選択的に抽出することができる。この仮想4f光学系によって、光軸方向における走査の排除または低減を実現し、機械的なz軸の走査を排除することが可能となる。このため、計測時間を低減し、装置を小型化し、z軸方向(光軸方向)の空間分解能を向上させることができる。
本発明の態様2に係る光断層計測装置は、上記態様1において、上記仮想4f光学系は、上記乗算結果に上記フーリエ変換を施した結果に、さらに仮想ピンホールの伝達関数を乗算することで形成されても良い。上記構成によれば、ピンホールによるノイズの除去を仮想光学系上で行うためピンホール径をより小さくすることが可能となる。
本発明の態様3に係る光断層計測装置は、上記態様1または2において、上記物体および上記光複素振幅情報取得部の間における上記レーザ光の経路上にガルバノミラーが配置されていても良い。上記構成によれば、ガルバノミラーの角度を変化させることで、物体の計測面上の集光位置を変位させることができる。また、これに合わせ仮想光学系におけるピンホールのxy面上の位置を移動することよってxy面上における走査を行うことが可能となる。
本発明の態様4に係る光断層計測装置は、上記態様1または2において、上記物体および上記光複素振幅情報取得部の間における上記レーザ光の経路上に位相型空間光変調器が配置されていても良い。上記構成によれば、位相型空間光変調器に光軸を所定の角度だけ変位させる定常的な位相分布を与えることにより、ガルバノミラーの角度を変化させた場合と同様の効果を得ることができる。
本発明の態様5に係る光断層計測装置は、上記態様1または2において、上記物体および上記光複素振幅情報取得部の間における上記レーザ光の経路上に、複数の微小なレンズで構成されるマイクロレンズアレイが配置されていても良い。上記構成によれば、物体の計測面上で複数の位置で光波が集光する。そして、例えば、仮想光学系におけるピンホールを各集光位置に一致させるように複数配置することでxy面の一括計測が可能となる。
上記の課題を解決するために、本発明の態様6に係る光断層計測方法は、物体の断層を計測する光断層計測方法であって、上記物体に対するレーザ光の照射により生じた多重散乱光からなる反射信号光の光複素振幅を計測した結果である光複素振幅情報を取得する光複素振幅情報取得ステップと、取得した光複素振幅情報に4f結像光学系の伝達関数を乗算し、その乗算結果にフーリエ変換を施すことによって形成される仮想4f光学系の出力結果を演算する演算処理ステップと、を含むことを特徴としている。上記方法によれば、上記態様1と同様の効果を得ることができる。
本発明の一態様によれば、計測時間を低減し、装置を小型化し、z軸方向(光軸方向)の空間分解能を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る光断層計測装置の構成を示す図であり、(a)は、測定過程における光断層計測装置の構成を示し、(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。 本発明の実施形態2に係る光断層計測装置の構成を示す図であり、(a)は、測定過程における光断層計測装置の構成を示し、(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。 本発明の実施形態3に係る光断層計測装置の構成を示す図であり、(a)は、測定過程における光断層計測装置の構成を示し、(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。 本発明の実施形態4に係る光断層計測装置の構成を示す図であり、(a)は、測定過程における光断層計測装置の構成を示し、(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。 (a)は、測定過程における光学モデルを示す図であり、(b)は、計測位置制御および再生過程における光学モデルを示す図である。 図5に示す光学モデルに係るパラメータを示す図である。 規格化再生強度を示すグラフ(I−zカーブ)である。 複数のカバーガラスで構成された計測物体の概形図である。 (a)は、yz面における再生強度画像を示す図であり、(b)は、z軸上の再生強度プロファイルを示す図である。 実験で用いた実験光学系の構成を示す図である。 規格化再生強度を示すグラフ(I−zカーブ)である。 (a)は、物体をz軸に沿って走査した場合の再生強度プロファイルを示す図であり、(b)は、仮想4f結像光学系によってz軸上の情報を一括計測した場合の再生強度画像を示す図であり、(c)は、そのときの再生強度プロファイルを示す図である。 (a)は、2枚のカバーガラスを重ねたものを計測物体とし、本発明の実施形態1〜4によってz軸上の情報を一括計測した場合のyz面における再生強度画像を示す図であり、(b)は、そのときの再生強度プロファイルを示す図である。 従来のCLSMの一般的な基本構成(照射光学系および試料を機械的走査する方式)を示す図である。 従来のCLSMの別の構成(平行平板ガラスを用いる方式)を示す図である。
本発明の実施の形態について図1〜図13に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の項目にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
〔本発明の実施の形態の概要〕
後述するように、本発明の実施の形態に係る光断層計測装置では、共焦点レーザ走査型顕微鏡(CLSM)の計測時間およびz軸方向の空間分解能を向上させることを目的とする。
本発明の実施の形態に係る光断層計測装置では、通常の共焦点レーザ走査型顕微鏡(CLSM)と同様に対物レンズ等によって構成される照射光学系を介して計測試料(光軸方向に沿って複数の反射面を有する物体を想定)にレーザ光を照射する。このとき、レーザ光は複数の反射面によって多重散乱される。通常のCLSMでは、この多重散乱光の内、計測面(対物レンズ集光面)からの反射成分のみを信号とするが、本発明の実施の形態に係る光断層計測装置では、多重散乱光全体を反射信号光として光複素振幅検出する。
その後、検出された反射信号光の複素振幅に対し、計算機上で4f結像光学系の伝達関数を乗算し、フーリエ変換を行った後、仮想ピンホールの伝達関数(ピンホール関数)を乗算する。この際、仮想的な4f結像光学系(仮想4f光学系)のデフォーカス位置を変位させることで、反射信号光の内、任意のz軸上の位置からの反射成分のみを選択的に抽出することができる。この仮想4f光学系によって、光軸方向における走査の排除または低減を実現し、機械的なz軸の走査を排除することが可能となる。また、それと同時に、ピンホールによるノイズの除去を仮想4f光学系上で行うためピンホール径をより小さくすることが可能となる。
結果として、本発明の実施の形態に係る光断層計測装置では、従来のCLSMと比べて計測速度を10〜1000倍程度向上し、空間分解能を1.5〜5倍程度向上する。また、本発明の実施の形態に係る光断層計測装置と、マイクロレンズアレイおよびマイクロピンホールアレイとを組み合わせて用いる方法を組み合わせることによって2次元走査を排除し、3次元計測を完全に一括化させることも可能である。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係る光学系1a(光断層計測装置)の構成を示す図である。図1の(a)は、測定過程における光学系1aの構成を示し、図1の(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。
図1の(a)に示すように、光学系1aは、レーザ11、対物レンズ12、ピンホール13、結像レンズ14、BS(ビームスプリッタ)15、対物レンズ16、光複素振幅計測器(光複素振幅情報取得部)17、およびコンピュータ(演算処理部)21を備える。
レーザ11は、レーザ光(光波)を出射するものである。対物レンズ12は、レーザ11から出射されたレーザ光を集光する機能を有する。ピンホール13は、焦点外から発生するノイズ光(散乱光)を除去する機能を有する。結像レンズ14は、ピンホール13を通過した光波を平行光に変換する機能を有する。BS15は、結像レンズ14から出射される平行光を透過し、後述する反射信号光の光波の光路を光複素振幅計測器17に向けて変更する機能を有する。
対物レンズ16は、BS15を通過した平行光を集光して計測試料(物体)OBに照射する機能を有する。光複素振幅計測器17は、物体に対するレーザ光の照射により生じた多重散乱光からなる反射信号光の光複素振幅を計測した結果である光複素振幅情報を取得する機能を有する。
コンピュータ21は、取得した光複素振幅情報に対して、4f結像光学系の伝達関数を乗算し、フーリエ変換を施し、さらに仮想ピンホールの伝達関数(ピンホール関数)を乗算することで、計算機上で仮想4f光学系を形成し、上記仮想4f光学系の出力結果を演算する処理を実行する機能を有する。
計測試料OBは、本実施形態では、照射されるレーザ光の光軸方向(z軸方向)に沿って複数の反射面を有する物体を想定しているが、必ずしもそのような試料に限定されない。計測面SUF1は、元の計測面(対物レンズ16の焦点面)を示し、計測面SUF2は、移動後の計測面(非焦点面)を示す。
本実施形態の光学系1aと、図14および15に示した光学系とを比較すると、光学系1aでは、光検出器(光複素振幅計測器17)の直前のピンホール(図14および15に示すピンホールb)とその前にあるレンズ(図14および15に示すLb)が無く、コンピュータ21上の仮想光学系で処理されている点で異なっている。また、光学系1aでは自動ステージ等のz軸方向の走査を行うための機構が無い点で異なっている。
以下では、図1に基づき、光学系1aの具体的な動作原理について説明する。光学系1aは、実光学系によって計測試料OBから反射される反射信号光の計測を行う過程(計測過程)と、仮想光学系によってz軸上の計測位置の制御および非計測面からの反射光を除去する過程(計測位置制御および再生過程)の二つに分けることができる。
ここで、仮想光学系とは、「デジタルデータとして読み込まれた元の光複素振幅情報に対し、光学的伝達関数を掛け合わせることによってコンピュータ上で実光学系と同等の処理を行うもの」とする。
(測定過程)
レーザ11から出射された光波は対物レンズ12によって集光され、ピンホール13を通過する。その後、ピンホール13を通過した光波は結像レンズ14によって平行光となる。そして、その平行光は計測試料OB側に配置された対物レンズ16によって再度集光され、計測試料OBに入射する。ここで、計測試料OBは説明の簡単のため、光軸方向に沿って複数の反射面を有する物体を想定しているが、必ずしもそのような試料に限定されない。このとき、計測試料OBからの反射光は、試料内の対物レンズ焦点位置から反射される光波とそれ以外の位置(非焦点位置)から反射される複数の光波に分かれる。これらの光波をまとめて反射信号光とし、光複素振幅計測器17によってデジタルデータ(光複素振幅情報)として計測する〔従来のCLSMでは、対物レンズ焦点位置から反射される光波のみを信号光としている〕。
光複素振幅計測器17には、一般的な位相シフトデジタルホログラフィ〔非特許文献6〕などを用いることができるが、光波の空間的な複素振幅分布が計測できるものであれば特に制限はない。
(計測位置制御および再生過程)
光学的測定過程において計測された反射信号光の複素振幅のデジタルデータに対し、コンピュータ上で、二枚のレンズから構成される4f結像光学系(仮想4f光学系)の伝達関数を乗算する。その後、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)を実行し、集光面(フーリエ領域)の複素振幅分布を得る。そして、その複素振幅分布に対して仮想ピンホールの伝達関数を乗算する(図14および15にあるピンホールbを透過したのと同様の効果がある)。このとき、仮想4f光学系の片方のFTレンズのシフト(デフォーカス)を行うことによって所望のz軸上の位置のみの強度情報を得ることができる。デフォーカスを全く行わない場合は、通常のCLSMと同様に対物レンズ16の焦点位置から反射した成分のみの強度情報が得られる。
以下に仮想4f光学系を含む仮想光学系の具体的な計算過程を示す。
(1)元の複素振幅(測定過程において計測された複素振幅)に対し入力面からレンズ面までの自由空間伝搬の伝達関数を乗算する。
(2)自由空間伝搬後の複素振幅の位相項に対しレンズの位相因子exp[ik(dx+dy)/f]を付加する(iは虚数単位、kは波数、dx、dyはxy面上の座標位置、fはレンズの焦点距離である)。
(3)レンズ面から集光面までの自由空間伝搬の伝達関数を乗算する。
(4)集光面から二つ目のレンズ面までの自由空間伝搬の伝達関数を乗算する。
(5)自由空間伝搬後の複素振幅の位相項に対しレンズの位相因子exp[ik(dx+dy)/f]を付加する。
(6)レンズ面から結像面までの自由空間伝搬の伝達関数を乗算する。
(7)高速フーリエ変換(FFT)を実行し、集光面の複素振幅分布を求める。
(8)集光面の複素振幅分布に対し、仮想ピンホールの伝達関数(ピンホール関数)を乗算する。
なお、自由空間伝搬計算の手法は特に限定されず、一般的なフレネル回折積分などあらゆる手法を用いることができる。
計測位置をΔz移動したい場合(つまり、仮想4f光学系をデフォーカスする場合)、(3)または(4)における伝搬距離を元の距離から2Δzだけ差し引いた距離とすれはよい。これにより、任意のz軸上の位置のみの強度情報を選択的に得ることができる。また、(3)または(4)における伝搬距離を微小に変位させながら複数回上記過程を繰り返し計算することで、z軸上のすべての位置における情報を取得することが可能である〔非特許文献6〕。
実施形態1で述べた基本原理は、z軸上のみの一次元情報を得るためのものである。以下に説明する実施形態2〜4では、光軸に対し鉛直面の二次元像または三次元像の取得を実現するための様態について述べる。
〔実施形態2;xy方向の走査をガルバノミラーで実現する様態〕
図2は、本発明の実施形態2に係る光学系1b(光断層計測装置)の構成を示す図である。図2の(a)は、測定過程における光学系1bの構成を示し、図1の(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。
本実施形態の光学系1bは、計測試料OBに対するxy方向(光軸に対して垂直な方向)の走査をガルバノミラー18で実現する点で、実施形態1と異なる。
すなわち、図2の(a)に示すように、本実施形態の光学系1bは、実施形態1と異なり、計測試料OBおよび光複素振幅計測器17の間におけるレーザ光の経路上にガルバノミラー18が配置されている。
ここでは、説明の簡単のためにx軸方向の走査について述べるが、y軸方向も同様である。まず、ガルバノミラー18を角度θ=tan−1(Δx/f)だけ変位させ、その後に対物レンズ16で集光した際、計測面上の集光位置がΔxだけ変位する。ここで、fは対物レンズ16の焦点距離である。これに合わせ仮想光学系における仮想ピンホールのxy面上の位置を移動することよってxy面上における走査を行うことが可能となる〔図2の(b)参照〕。本様態では、比較的簡単にxy面の走査を行うことが可能である。
〔実施形態3;xy方向の走査を位相変調型空間光変調器で実現する様態〕
図3は、本発明の実施形態3に係る光学系1c(光断層計測装置)の構成を示す図である。図3の(a)は、測定過程における光学系1cの構成を示し、図3の(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。
本実施形態の光学系1cは、計測試料OBに対するxy方向(光軸に対して垂直な方向)の走査をPSLM(Phase-type Spatial Light Modulator;位相変調型空間光変調器)19で実現する点で、実施形態1および実施形態2と異なる。
すなわち、図3の(a)に示すように、本実施形態の光学系1cは、実施形態1および2と異なり、計測試料OBおよび光複素振幅計測器17の間におけるレーザ光の経路上にPSLM19が配置されている。
この様態においても、説明の簡単のためにx軸方向の走査について述べるが、y軸方向も同様である。まず、PSLM19に光軸を角度θ=tan−1(Δx/f)だけ変位させる定常的な位相分布φ=−iksinθdxを与える〔ガルバノミラー18を角度θ=tan−1(Δx/f)だけ変位させた場合と同様の効果が得られる〕。その後、対物レンズ16で集光した際、計測面上の集光位置がΔxだけ変位する。ここで、fは対物レンズの焦点距離、iは虚数単位、kは波数、dxはSLM面における座標位置である。実施形態2と同様に、仮想光学系における仮想ピンホールのxy面上の位置をΔxだけ移動することよってxy面上における走査を行うことが可能となる〔図3の(b)参照〕。本様態では、完全に機械的な走査なしにxy面の走査を行うことが可能である。
〔実施形態4;マイクロレンズアレイを用いてxy面の一括計測を実現する様態〕
図4は、本発明の実施形態4に係る光学系1d(光断層計測装置)の構成を示す図である。図4の(a)は、測定過程における光学系1dの構成を示し、図4の(b)は、仮想4f光学系による計測位置制御および再生過程を示す。
本実施形態の光学系1cは、複数の微小なレンズで構成されるマイクロレンズアレイ20を用いてxy面の一括計測を実現する点で、実施形態1〜3と異なる。
すなわち、図4の(a)に示すように、本実施形態の光学系1dは、実施形態1〜3と異なり、計測試料OBおよび光複素振幅計測器17の間におけるレーザ光の経路上にマイクロレンズアレイ20が配置されている。本様態では、実施形態1の計測試料OB直前に配置されていた対物レンズ16の代わりにマイクロレンズアレイ20を用いる。それによって、図4に示した通り、計測面上で複数の位置で光波が集光する。そして、仮想光学系における仮想ピンホールを各集光位置に一致させるように複数配置する(仮想ピンホールアレイ)ことでxy面の一括計測が可能となる。以上によって、共焦点効果を維持したまま、計測面の広範囲において露光させることが可能となる。このとき、マイクロレンズアレイ20のレンズ数が再生像のxy面の解像度となり、マイクロレンズアレイ20の各レンズの間隔が再生像のxy面の分解能となる。本様態では走査が不要なため、実施形態2または3と比較して、計測速度を高速化することが可能である。また、〔本発明の実施の形態の概要〕で述べたとおり、この様態では原理的に一括の三次元計測が可能となる。
〔上記実施形態1〜4の光学系の作用〕
上記実施形態1〜4の光学系では、計測試料OB内の対物レンズ焦点位置から反射される光波とそれ以外の位置(非焦点位置)から反射される複数の光波をまとめて反射信号光とし複素振幅計測する。そして、コンピュータ21上の仮想光学系における仮想4f結像光学系をデフォーカスさせる。従って、上記実施形態1〜4の光学系では、実際の光学系上での複素振幅計測を1回だけ行えば、その情報を元にコンピュータ21上の繰り返し計算のみによって全ての深さ方向情報の取得が可能となり、実光学系上での機械的走査を排除、または大幅に減らすことが可能となる〔従来のCLSMと比べて計測速度を10〜1000倍程度向上〕。
また、従来のCLSMではz軸における空間分解能を向上させるためにピンホール径を小さくすることで信号光強度が非常に弱くなり、光検出器のSNR(S/N比)が低下するという問題点があるが、上記実施形態1〜4の光学系では、ピンホールによる非計測面からの反射光の除去を仮想光学系上で行うためピンホール通過後に実際の光検出器が存在する訳ではないのでSNRの低下を考慮しなくてよい。また、信号光強度が非常に弱くなった場合でも、コンピュータ21上で規格化処理等を行うことによってコントラストが低下することを避けることができる。よって、ピンホール径をより小さくすることが可能となりz軸における空間分解能を向上することができる〔従来のCLSMと比べて1.5〜5倍程度向上する〕。
加えて、上記したようにz軸の走査とピンホールによる非計測面からの反射光の除去を同時に仮想光学系内で行うため、走査のための付加的な素子が不要であるだけでなく、ノイズ光除去を行うピンホールとそれに伴う集光レンズが不要になるため、従来のCLSMと比べ実際の光学系が小型化される点も上記実施形態1〜4の光学系の利点である。
上記実施形態2または3では、計測位置から極端に離れた場合、xy方向の空間分解能が低下する恐れがある。これは、対物レンズ16のz軸上における焦点位置を実際には変位させていないことに起因する。従って、z軸方向の計測領域を広く確保することができない問題点がある。これは、〔背景技術〕で述べた方式を組み合わせることで解決できる。例えば、z軸方向に対し500μmの範囲に1μmの間隔で500枚の二次元断層像を得たい場合、まず、25μmごとに〔背景技術〕で述べた方式で走査し、20枚の断層画像を取得する。そして、1枚の断層画像ごと上記実施形態1〜4の光学系によって1μmの間隔で仮想的な走査を行う。以上によって20回の機械的走査および計測だけで最終的に、500枚の断層像を得ることができる。この場合であっても25倍程度の計測時間の向上が可能である。上記実施形態4においては前述したようにxy方向の空間分解能はマイクロレンズアレイ20の各レンズの間隔によって決定されるためこのような問題は生じない。
以上をまとめると上記実施形態1〜4の光学系の作用は以下の3点である。
(1)仮想4f光学系によってz軸上の走査を完全に排除または大幅に削減し、計測時間を10〜1000倍程度向上する。
(2)仮想ピンホールによって光検出器(光複素振幅計測器17)のSNRの低下を招くことなくz軸方向の空間分解能を1.5〜5倍程度向上する。
(3)一部の実光学処理を仮想光学系処理に置き換えることで実際の光学系の小型化が可能となる。
〔上記実施形態1〜4の光学系の効果〕
以下では、数値解析と実験の両方で上記実施形態1〜4の光学系の効果を示す。
(数値解析による動作確認)
図5では、本解析の光学モデル、図6では、同光学モデルに係るパラメータを示す。本解析では、本発明を適用したCLSM(光断層計測装置)のz軸方向の空間分解能を評価した。さらに、以下では、上記本発明を適用したCLSMの効果によってz軸上の情報の一括計測が可能となることを示す。具体的には、ミラー(単一の反射面を想定)とプレパラート試料に用いるカバーガラスを複数枚配置したもの(理想的に厚さを0として、複数の反射面を想定)を計測試料とした計測シミュレーションを行った。仮想4f光学系における自由空間伝搬には、角スペクトル法(ASM: Angular Spectrum Method)〔非特許文献7〕を用いているが、上述したようにこの手法に限定されない。また、本解析ではPSLMによって定常的な位相変調を与えることでy方向の走査を行っており、解析を簡単にするため、x方向の走査は行っていない。
まず、本発明を適用したCLSMがz軸方向の空間分解能が従来のCLSMのそれと比べ、向上すること示すため、ミラーの計測シミュレーションを行った。ミラーはz=0μmの位置に配置した。図7のグラフは規格化再生強度(I−zカーブ)を示す。縦軸が規格化再生強度、横軸がz軸上の位置である。図7から分かるようにz=0μmをピークとして仮想4f光学系をデフォーカスさせるに従って規格化再生強度が低下している。
これは、仮想4f光学系と仮想ピンホールを用いた、本発明を適用したCLSMの場合でも、従来のCLSMと同様に共焦点効果によるオプティカルセクショニング特性を得られることを示している。ここで、オプティカルセクショニング特性とは、ピンホールが焦点面以外からのノイズとなる光をカットすることによって得られる特性のことを指す。よって、I−zカーブの半値全幅(FWHM)がz軸方向の空間分解能となる。また前述したように、ピンホール径を小さくすることによって得られる信号強度が著しく低下するため、従来のCLSMでは1〜0.7AU程度のピンホール径を確保するのが一般的である。本発明を適用したCLSMでは、集光前に光波を光複素振幅検出し、コンピュータ上で仮想ピンホール処理を行うため、ピンホール径を小さくすることができる。本解析の場合では、ピンホール径を0.016AUと設定した。その結果、ピンホール径が1AU時(従来のCLSMの場合を想定)のI−zカーブのFWHMは1.20μmであるのに対し、0.016AU時のFWHMは0.74μmであった。つまり、本発明を適用したCLSMによって、1.6倍の軸方向の空間分解能向上が達成できることを示している(仮想ピンホール前の集光レンズ等の仮想光学系におけるパラメータを最適化することで5倍程度まで向上すること可能であると考えられる)。
次にカバーガラスを複数枚重ねた物体を想定した計測シミュレーションについて述べる。図8に示す通り、4枚のガラスを150μmの間隔で配置している。また、1枚目をz=0.0μmとしている。そして、物体のz軸上における走査は行わず、仮想4f光学系のデフォーカス量を変位させながら繰り返し計算を行った。図9の(a)にyz面における再生強度画像を、図9の(b)にz軸上の再生強度プロファイルを示す。図9の(a)および(b)を見ると、強度ピークの位置がガラス反射面と一致していることがわかる。この結果は、本発明を適用したCLSMがz軸方向の一括計測が可能であることを示している。
(実験による動作確認)
本実験では、上記した数値解析と同様にz軸方向の空間分解能を評価し、z軸上の情報の一括計測が可能となることを示す。図10に本実験で用いた実験光学系を示す。用いた光源の波長は532nm、対物レンズ(OL2)のNAは0.4、焦点深度は4.45μmのものを用いた。また、数値解析と同様にy軸方向の操作はPSLMを用いて行った。また、光複素振幅計測器には高精度な複素振幅計測が可能なホログラフィックダイバーシティ干渉法(HDI: Holographic Diversity Interferometry)〔非特許文献8〕を用いた(必ずしもこの方法に限定されるわけではない)。
そして、計測物体としてミラーと複数のカバーガラスを用いた。以下に実験の手順を示す。まず、光源から出射された光波を対物レンズ(OL1)で集光し、ピンホールに透過させる。この時点での光波を理想的な点光源と見なしている。そして、結像レンズL1によってコリメートした後、y軸の走査のためにPSLMによって定常的な位相分布が与えられ結像レンズを通過し対物レンズOL2によって集光される。集光された光波は計測試料によって反射され反射信号光となる。その後、BS2で反射され結像レンズを通過し、HDIによって複素振幅計測される。計測された複素振幅のデータは、上述した通りに計算・処理される。
図11に規格化再生強度(I−zカーブ)を示す。数値解析と同様にオプティカルセクショニング特性が得られていることが分かる。また、ピンホール径を1AU(従来のCLSMの場合を想定)より小さくした場合、数値解析と同様にz軸方向の空間分解能が向上した。本実験では、ピンホール径を0.4AUと設定した。その結果、ピンホール径が1AU時(従来のCLSMの場合を想定)のI−zカーブのFWHMは7.20μmであるのに対し、0.4AU時のFWHMは5.74μmであった(この結果も数値解析と同様に仮想光学系のパラメータを最適化することによって改善することが可能である)。よって本発明を適用したCLSMがz軸方向の空間分解能の向上の効果があることが実証された。
次に、カバーガラスを計測物体とした際のyz面における再生強度画像を示す。カバーガラスの厚さは150μmである(屈折率が1.5程度なので見かけ上の厚さは100μm程度となる)。
図12の(a)は従来のCLSMと同様に物体をz軸に沿って走査した場合の再生強度プロファイルを示す。図12の(b)は仮想4f結像光学系によってz軸上の情報を一括計測した場合の再生強度画像を示す。図12の(c)はその時の再生強度プロファイルを示す。(どちらも4μm間隔で走査を行った)これらの結果を比較すると、どちらも同様に強度ピークがカバーガラスの反射面(前面と後面)と一致していることが分かる。
さらに、図13には2枚のカバーガラスを重ねたものを計測物体とし、本発明を適用したCLSMによってz軸上の情報を一括計測した場合のyz面における再生強度画像を示す。こちらの結果も強度ピークがカバーガラスの反射面と一致している。これらの結果により、本発明を適用したCLSMによってz軸方向の一括計測が可能となる効果を実証した〔非特許文献7〕。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1a〜1d 光学系(光断層計測装置)
17 光複素振幅計測器(光複素振幅情報取得部)
18 ガルバノミラー
19 PSLM(位相型空間光変調器)
20 マイクロレンズアレイ
21 コンピュータ(演算処理部)
OB 計測試料(物体)

Claims (6)

  1. 物体の断層を計測する光断層計測装置であって、
    上記物体に対するレーザ光の照射により生じた多重散乱光からなる反射信号光の光複素振幅を計測した結果である光複素振幅情報を取得する光複素振幅情報取得部と、
    取得した光複素振幅情報に4f結像光学系の伝達関数を乗算し、その乗算結果にフーリエ変換を施すことによって形成される仮想4f光学系の出力結果を演算する演算処理部と、を備えることを特徴とする光断層計測装置。
  2. 上記仮想4f光学系は、上記乗算結果に上記フーリエ変換を施した結果に、さらに仮想ピンホールの伝達関数を乗算することで形成されることを特徴とする請求項1に記載の光断層計測装置。
  3. 上記物体および上記光複素振幅情報取得部の間における上記レーザ光の経路上にガルバノミラーが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光断層計測装置。
  4. 上記物体および上記光複素振幅情報取得部の間における上記レーザ光の経路上に位相型空間光変調器が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光断層計測装置。
  5. 上記物体および上記光複素振幅情報取得部の間における上記レーザ光の経路上に、複数の微小なレンズで構成されるマイクロレンズアレイが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光断層計測装置。
  6. 物体の断層を計測する光断層計測方法であって、
    上記物体に対するレーザ光の照射により生じた多重散乱光からなる反射信号光の光複素振幅を計測した結果である光複素振幅情報を取得する光複素振幅情報取得ステップと、
    取得した光複素振幅情報に4f結像光学系の伝達関数を乗算し、その乗算結果にフーリエ変換を施すことによって形成される仮想4f光学系の出力結果を演算する演算処理ステップと、を含むことを特徴とする光断層計測方法。
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