以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、プラグコネクタ、プラグコネクタユニット、および、コネクタ装置として、種々の用途に広く適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかるコネクタ装置1の斜視図である。図2は、コネクタ装置1の平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図2のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、図2のV−V線に沿う断面図である。
図1を参照して、コネクタ装置1は、たとえば、液晶表示装置の液晶パネルの背面に取り付けられて当該液晶パネルに光を当てるバックライト装置の一部を構成する。なお、コネクタ装置1は、液晶パネルのバックライト装置に限らず、種々の装置に適用することができる。
コネクタ装置1は、ベース側基板2およびベースコネクタ3を含むベースコネクタユニット4と、プラグ側基板5およびプラグコネクタ6を有するプラグコネクタユニット7と、を有している。
ベースコネクタユニット4は、たとえば、電源装置(図示せず)に接続され、プラグコネクタユニット7は、たとえば、負荷としてのLED(Light Emitting Diode、発光素子)8を実装している。そして、ベースコネクタユニット4とプラグコネクタユニット7とが互いに接続されることで、LED8に電力を供給可能となる。
なお、以下では、プラグコネクタ6の幅方向X1を単に「幅方向X1」といい、プラグコネクタ6の幅方向X1と直交する長さ方向Y1を単に「長さ方向Y1」といい、幅方向X1及び長さ方向Y1の双方に直交する厚み方向Z1を単に「厚み方向Z1」という。また、特に説明なき場合、ベースコネクタユニット4とプラグコネクタユニット7とが互いに接続された状態(図1に示す状態)を基準として説明する。
ベースコネクタユニット4のベース側基板2は、プリント基板であり、幅方向X1に細長く延びる矩形状に形成されている。ベース側基板2の表面に、ベースコネクタ3が実装されている。
図6は、ベースコネクタ3を前上から見た斜視図である。図7は、ベースコネクタ3を後上から見た斜視図である。図8は、ベースコネクタ3を後下から見た斜視図である。図9は、ベースコネクタ3の平面図である。図10は、ベースコネクタ3の底面図である。図11は、ベースコネクタ3の正面図である。図12は、ベースコネクタ3の背面図である。
図1〜図12を参照して、ベースコネクタ3は、プラグコネクタ6と電気的且つ機械的に接続されるコネクタとして設けられている。ベースコネクタ3は、プラグコネクタ6とは、長さ方向Y1に向かい合った状態で、当該プラグコネクタ6に接続される。すなわち、長さ方向Y1は、ベースコネクタ3とプラグコネクタ6とが対向する対向方向でもある。ベースコネクタ3は、全体として、扁平な(薄型の)小片状に形成されている。ベースコネクタ3は、幅方向X1に対称な形状に形成されている。
ベースコネクタ3は、ベースハウジング9と、ベースコンタクト10と、を有している。
ベースハウジング9は、合成樹脂を用いて形成された一体成形品であり、絶縁部材である。ベースハウジング9は、ベースコンタクト10を保持している。ベースハウジング9は、正面視において、略U字状に形成されている。
ベースハウジング9は、幅方向X1における一対の端部11A,11Bと、中間部12と、を有している。各端部11A,11Bは、ベースコンタクト10を収容する部分として設けられている。端部11A,11Bは、幅方向X1に対称な形状に形成されている。各端部11A,11Bは、長さ方向Y1に延びる略四角柱状に形成されており、長さ方向Y1に延びる貫通孔が形成されている。また、各端部11A,11Bは、厚み方向Z1の一方側(ベース側基板2側)に開放されている。各端部11A,11Bの厚み(厚み方向Z1の長さ)は、中間部12の厚みよりも大きく設定されている。また、各端部11A,11Bは、中間部12に対して厚み方向Z1の他方側(ベース側基板2から遠ざかる方向)に突出している。一対の端部11A,11Bの間に、中間部12が配置されている。
中間部12は、所定の厚みを有する平板状に形成されている。中間部12は、プラグコネクタユニット7の後述するプラグ側基板5を受ける部分として設けられている。中間部12と、一対の端部11A,11Bとで、U字状部分としての、ベース側挿入案内部13が形成されている。
ベース側挿入案内部13は、プラグコネクタユニット7のプラグ側基板5および後述するプラグハウジング31の少なくとも一方(本実施形態では、双方)を幅方向X1に挟むように配置される部分である。ベース側挿入案内部13は、長さ方向Y1に真っ直ぐに延びており、プラグ側基板5およびプラグコネクタ6のプラグハウジング31の中間部35(後述)が長さ方向Y1に沿って挿入されることで、これらプラグコネクタ6およびプラグ側基板5をスムーズにベースコネクタ3に接続させる。ベース側挿入案内部13は、長さ方向Y1の両側に開放されているとともに、厚み方向Z1の他方に開放されている。
また、長さ方向Y1におけるベースハウジング9の一端部には、傾斜状部14が形成されている。この傾斜状部14は、長さ方向Y1に沿ってプラグコネクタ6から遠ざかるに従い、ベース側基板2からの距離が遠ざかるように傾斜している。この傾斜状部14は、プラグコネクタ6をベースコネクタ3に接続する際にベースコネクタ3に接触することで、各コネクタ3,6の互いの接続動作をスムーズにする。このベースハウジング9においては、幅方向X1の両端部11A,11Bに、ベースコンタクト10が配置されている。
各端部11A,11Bにおけるベースコンタクト10の構成は同一である。ベースコンタクト10は、表面にめっき層が形成された金属材料に打ち抜き加工および曲げ加工などを施すことで形成された導電部材であり、一体成形品である。ベースコンタクト10は、長さ方向Y1に細長い形状に形成されている。
図3、図11および図12によく示されているように、ベースコンタクト10は、底壁部15と、側壁部16と、天壁部17と、弾性片部18と、を有している。
底壁部15は、細長い矩形状の部分であり、対応する端部11A,11Bのうち厚み方向Z1における開口部に配置されている。底壁部15は、ベース側基板2に、はんだ(図示せず)などによって固定されている。幅方向X1における底壁部15の両端部から、側壁部16が延びている。側壁部16は、幅方向X1と直交して延びる部分であり、対応する端部11A,11Bの内側面に固定されている。各側壁部16から、天壁部17が延びている。天壁部17は、底壁部15と平行に延びる部分である。底壁部15は、弾性片部18と協働して、プラグコネクタ6の後述するプラグハウジング31を挟むように構成されている。
弾性片部18は、弾性変形可能な部分として設けられている。弾性片部18は、長さ方向Y1における底壁部15の一端部から延びており、側面視で略J字状に形成されている。弾性片部18のうち、底壁部15との接続部分である基端部は、ベースハウジング9の対応する端部11A,11Bからプラグコネクタ6側に露出している。
また、弾性片部18の中間部は、対応する端部11A,11B内において、長さ方向Y1に延びており、弾性片部18の基端部から遠ざかるにしたがい天壁部17側に近づく形状に形成されている。弾性片部18の先端部は、対応する端部11A,11Bから突出しており、操作部19を有している。操作部19は、作業員またはロボットアームなどによって押される部分として設けられている。操作部19が押し下げられることで、弾性片部18の中間部(接触部23)と天壁部17との距離を拡げ、ベースコンタクト10が弾性片部18の中間部と天壁部17とで加圧された状態を解除できる。なお、弾性片部18の中間部に形成された接触部23は、対応するプラグコンタクト33と接触するように構成されている。
以上が、ベースコネクタユニット4の概略構成である。次に、プラグコネクタユニット7のより具体的な構成を説明する。
図1および図3を参照して、前述したように、プラグコネクタユニット7は、プラグ側基板5と、プラグコネクタ6と、を有している。
プラグ側基板5は、プリント基板であり、長さ方向Y1に細長く延びる矩形状の細長部として形成されている。プラグ側基板5には、たとえば、1または複数の複数のLED8が実装されている。プラグ側基板5のうち、幅方向X1の両端に縁部20A,20Bが形成されている。この、長さ方向Y1に沿って延びる縁部20A,20Bに、切欠部21A,21Bが形成されている。すなわち、幅方向X1におけるプラグ側基板5の両端の縁部20A,20Bに、切欠部21A,21Bが形成されている。切欠部21A,21Bは、長さ方向Y1におけるプラグ側基板5の一部に形成されている。
切欠部21A,21Bは、長さ方向Y1に延びている。プラグ側基板5のうち、切欠部21A,21Bが形成されている部分は、切欠部領域22として規定されている。プラグ側基板5のうち、切欠部領域22の横幅は、切欠部領域22以外の部分の横幅よりも小さく設定されている。各切欠部21A,21Bの幅(幅方向X1の長さ)は、プラグ側基板5の強度を十分に確保できる範囲で、適宜設置される。
本実施形態では、切欠部領域22が、プラグコネクタ6の後述する通過領域43を通過するように配置されている。なお、切欠部21A,21Bは、幅方向X1におけるプラグ側基板5の一端にのみ形成されていてもよい。また、切欠部21A,21Bは、形成されていなくてもよい。上記の構成を有するプラグ側基板5に、プラグコネクタ6が実装されている。
図13は、プラグコネクタ6を前上から見た斜視図である。図14は、プラグコネクタ6を前下から見た斜視図である。図15は、プラグコネクタ3を後下から見た斜視図である。図16は、プラグコネクタ3の平面図である。図17は、プラグコネクタ3の底面図である。図18は、プラグコネクタ3の側面図である。図19は、プラグコネクタ3の正面図である。図20は、プラグコネクタ3の背面図である。
図1〜図5、および、図13〜図20を参照して、プラグコネクタ6は、プラグ側基板5に実装された状態で、ベース側基板2に実装されたベースコネクタ3と電気的且つ機械的に接続されるコネクタとして設けられている。プラグコネクタ6は、全体として、扁平な(薄型の)小片状に形成されている。プラグコネクタ6は、幅方向X1に対称な形状に形成されている。プラグコネクタ6は、プラグ側基板5の切欠部領域22を挟むように配置されており、このプラグ側基板5の表面に実装されている。
プラグコネクタ6は、プラグハウジング31と、固定部材32と、プラグコンタクト33(33A,33B)と、を有している。
プラグハウジング31は、合成樹脂を用いて形成された一体成形品であり、絶縁部材である。プラグハウジング31は、プラグコンタクト33および固定部材32を保持している。プラグハウジング31は、平面視において、幅方向X1に細長い略矩形状の外形を有している。
プラグハウジング31は、幅方向X1における一対の端部34A,34Bと、中間部35と、を有している。各端部34A,34Bは、対応するプラグコンタクト33A,33Bを保持する部分として設けられている。各端部34A,34Bは、幅方向X1に対称な形状に形成されている。各端部34A,34Bは、長さ方向Y1に延びる形状に形成されている。
各端部34A,34Bは、コンタクト保持部36と、コンタクト保護部37と、を有している。
コンタクト保持部36は、プラグコンタクト33を保持するために設けられた、略立方体状の部分である。コンタクト保持部36は、長さ方向Y1におけるプラグハウジング31の一端(ベースコネクタ3から遠ざかる方向の先端)寄りに配置されている。図3によく示されているように、コンタクト保持部36には、長さ方向Y1に延びる保持孔38が形成されている。保持孔38には、対応するプラグコンタクト33A,33Bが圧入固定されている。コンタクト保持部36から長さ方向Y1に沿って、コンタクト保護部37が延びている。
再び図1〜図5および図13〜図20を参照して、コンタクト保護部37は、対応するプラグコンタクト33A,33Bの周囲に配置されて当該対応するプラグコンタクト33A,33Bを保護する部分として設けられている。コンタクト保護部37は、長さ方向Y1に沿って延びる片状に形成されている。
コンタクト保護部37は、コンタクト保持部36から長さ方向Y1の一方側(ベースコネクタ3側)に延びる第1部分41と、コンタクト保持部36から長さ方向Y1の他方側に延びる第2部分42と、を有している。
第1部分41は、プラグコンタクト33A,33Bの後述する接触部53を保護するために設けられている。コンタクト保持部36からの第1部分41の突出量は、コンタクト保持部36からのプラグコンタクト33A,33Bの接触部53の突出量よりも大きく設定されている。また、第1部分41は、正面視においてL字状に形成されており、幅方向X1におけるプラグコンタクト33A,33Bの外側、および、厚み方向Z1におけるプラグコンタクト33A,33Bの一方側に位置している。
上記の構成により、プラグコネクタ6が単品の状態において、異物がプラグコンタクト33A,33Bの接触部53に接触することを、第1部分41によって抑制できる。本実施形態では、平面視において、プラグコンタクト33A,33Bがプラグハウジング31から露呈するように、第1部分41が配置されている。
第2部分42は、プラグコンタクト33A,33Bの後述する固定部55を保護するために設けられている。コンタクト保持部36からの第2部分42の突出量は、コンタクト保持部36からのプラグコンタクト33A,33Bの固定部55の突出量よりも大きく設定されている。
また、第2部分42は、背面視において矩形状に形成されており、幅方向X1におけるプラグコンタクト33A,33Bの外側および、厚み方向Z1におけるプラグコンタクト33A,33Bの一方側に位置している。上記の構成により、プラグコネクタ6が単品の状態において、異物がプラグコンタクト33A,33Bの固定部55に接触することを、第2部分42によって抑制できる。本実施形態では、平面視において、プラグコンタクト33A,33Bがプラグハウジング31から露呈するように、第2部分42が配置されている。
上記の構成を有する一対の端部34A,34Bの間に、中間部35が配置されている。
中間部35は、所定の厚みを有する平板状に形成されている。中間部35は、厚み方向Z1における各端部34A,34Bの一端に接続されている。中間部35は、プラグ側基板5の表面を受ける部分として設けられている。中間部35と、一対の端部34A,34Bのコンタクト保持部36とで、通過領域43が形成されている。
通過領域43は、プラグ側基板5にプラグハウジング31が固定されたときにプラグ側基板5が通過するための領域として設けられた、U字状部分である。通過領域43には、プラグ側基板5の切欠部領域22が嵌め入れられている。通過領域43は、長さ方向Y1に真っ直ぐに延びている。通過領域43は、プラグハウジング31において、長さ方向Y1の両側に開放されているとともに、厚み方向Z1の他方(ベース側基板2側)に開放されている。
この通過領域43は、プラグ側挿入案内部44でもある。プラグ側挿入案内部44は、プラグハウジング31の中間部35および一対の端部34A,34Bによって形成されており、プラグ側基板5の切欠部領域22を挟むように配置されている。プラグ側挿入案内部44は、長さ方向Y1へのプラグ側基板5の挿入を案内する部分として設けられている。
また、中間部35には、固定孔45が形成されている。固定孔45は、固定部材32が固定される孔部であり、長さ方向Y1における中間部35の一端の縁部に形成されている。固定部材32は、プラグコンタクト33A,33Bの材料と同様の金属材料を用いて形成された小片状部材である。
固定部材32は、固定孔45に圧入固定されているとともに、はんだ(図示せず)などを用いてプラグ側基板5の表面に固定されている。これにより、プラグハウジング31は、固定部材32を介してプラグ側基板5に固定されている。中間部35からは、固定部材32のうち中間部35から突出する部分を幅方向X1に挟むようにして、一対の保護部46が突出している。各保護部46は、小片状に形成されている。固定部材32を幅方向X1に挟むようにして、一対のプラグコンタクト33A,33Bが配置されている。
プラグコンタクト33(33A,33B)は、表面にめっき層が形成された金属材料に打ち抜き加工および曲げ加工などを施すことで形成された導電部材であり、一体成形品である。各端部34A,34Bに、対応するプラグコンタクト33A,33Bが配置されている。プラグコンタクト33A,33Bは、幅方向X1に対称な形状を有している。各プラグコンタクト33A,33Bは、長さ方向Y1に細長い形状に形成されており、平面視においてL字状に形成されている。
各プラグコンタクト33A,33Bは、第1部分51と、第2部分52(52A,52B)と、を有している。
第1部分51は、長さ方向Y1に細長く延びる矩形状の部分である。第1部分51の一部は、プラグハウジング31の対応する保持孔38を貫通しており、当該保持孔38に圧入固定されている。第1部分51の別の一部は、対応する保持孔38から長さ方向Y1の一方に突出しており、この突出している部分に、接触部53が形成されている。
接触部53は、対応するベースコンタクト10の弾性片部18に形成された接触部23に接触するために設けられている。接触部53は、長さ方向Y1(ベースコネクタ3とプラグコネクタ6とが向かい合う対向方向)と直交する幅方向X1に関して、通過領域43の外側に配置されている。
より具体的には、通過領域43は、幅方向X1におけるプラグハウジング31の中央側に配置されており、接触部53は、幅方向X1におけるプラグハウジング31の端部寄りに配置されている。本実施形態では、2つの接触部53の間に、通過領域43が形成されている。このため、各接触部53は、通過領域43とは長さ方向Y1に沿って横並びに配置されている。換言すれば、各接触部53と通過領域43とは、厚み方向Z1の位置が揃えられている。上記の構成を有する第1部分51の基端部は、側面視(図3参照)でS字状の連結部54を介して、第2部分52に連続している。
第2部分52は、当該第2部分52の一端から幅方向X1に沿ってプラグハウジング31の中央側に向けて延びる矩形状の部分である。第2部分42の先端側部分は、固定部55を有している。固定部55は、はんだ(図示せず)などを用いてプラグ側基板5の表面の導電部に固定されている。これにより、プラグハウジング31とプラグ側基板5と電気的に接続されている。
この構成により、プラグハウジング31は、プラグコンタクト33A,33Bを介してプラグ側基板5に固定されている。すなわち、プラグコンタクト33A,33Bは、「プラグハウジング31をプラグ側基板5に固定するための固定部材」としても用いられる。そして、固定部55および固定部材32は、長さ方向Y1にけるプラグハウジング31の両端部に配置されている。
また、プラグコンタクト33A,33Bの固定部55は、幅方向X1において、プラグコネクタ6の中央部からずれた位置に設置されている。一方、固定部材32は、幅方向X1において、プラグコネクタ6の中央部に設置されている。
これら固定部55と固定部材32との協働により、プラグハウジング31がプラグ側基板5に3点支持の状態で固定されている。また、第2部分52は、一対のコンタクト保護部37の第2部分42の間に配置されている。また、第2部分42(固定部55)は、幅方向X1に延びており、また、厚み方向Z1に延びるS字状の連結部54を介して第1部分51(接触部53)に連結されている。
この構成により、固定部55は、プラグ側基板5の表面上に配置され、接触部53は、プラグ側基板5と幅方向X1に横並びに配置される。このように、プラグコンタクト33A,33Bを平面視でL字状にするとともに厚み方向Z1の位置が異なる部分を有する形状とすることで、プラグ側基板5上に配置される固定部55と、プラグ側基板5の真横に配置される接触部53と、を有する構成を簡易に実現できる。
以上が、プラグコネクタユニット7の概略構成である。次に、コネクタ装置1の組み立て作業について説明する。
コネクタ装置1の組み立てに際しては、まず、図21に示すように、プラグコネクタ6の通過領域43にプラグ側基板5の切欠部領域22を嵌める。そして、図22に示すように、プラグコネクタ6の固定部材32および固定部55を、はんだなどによってプラグ側基板5の表面に固定する。これにより、プラグコネクタユニット7が完成する。
次に、ベースコネクタ3をベース側基板2に実装する。具体的には、ベースコンタクト10の底壁部15を、はんだなどによってベース側基板2の表面に固定する。これにより、ベースコネクタユニット4が完成する。次に、プラグコネクタ6とベースコネクタ3とを接続する。具体的には、切欠部領域22をベース側挿入案内部13に向かい合わせ、次いで、図23に示すように、プラグ側基板5の切欠部領域22を、ベースコネクタ3のベース側挿入案内部13に嵌め込む。
次に、プラグコネクタユニット7を、長さ方向Y1(プラグ側基板5の長手方向)に沿ってベースコネクタ3側に変位させる。これにより、プラグコネクタユニット7のプラグハウジング31の中間部35およびプラグ側基板5は、ベースコネクタ3のベース側挿入案内部13に案内(挿入)されて長さ方向Y1に真っ直ぐに変位する。
その結果、図1および図3に示すように、各プラグコンタクト33A,33Bの接触部53は、対応するベースコンタクト10の接触部23と天壁部17との間に挿入される。これにより、ベースコンタクト10の弾性片部18は弾性変形し、接触部53側へ向かう弾性反発力を生じる。したがって、各プラグコンタクト33の接触部53は、対応するベースコンタクト10に所定の荷重で挟まれる。これにより、両コンタクト10,33の電気的な接続が達成される。
このとき、ベースハウジング9が、プラグハウジング31のコンタクト保持部36の一側面(ストッパ24)に受けられることで、両コンタクト10,33が位置決めされる。また、プラグハウジング31のコンタクト保護部37は、ベースハウジング9の一対の端部11A,11Bを幅方向X1に挟むように配置される。以上のように、プラグ側基板5は、プラグハウジング31のくぼみ状の通過領域43に嵌められるとともに、ベースハウジング9のベース側挿入案内部13に嵌められる。よって、プラグ側基板5を、ベース側基板2の極めて近くに配置できるので、コネクタ装置1は、厚み方向Z1に極めて薄い形状となる。
なお、ベースコネクタ3をプラグコネクタ6から取り外す際には、ロボットまたは作業員が、各ベースコネクタ3の操作部19を押し下げる。これにより、弾性片部18による、プラグコネクタ6の接触部53への加圧が解除される。この状態で、プラグコネクタ6は、長さ方向Y1に沿ってベースコネクタ3から引き抜かれる。
以上説明したように、本実施形態にかかるコネクタ装置1によると、プラグコンタクト33A,33Bの接触部53は、幅方向X1におけるプラグコネクタ6の通過領域43の外側に配置される。このため、プラグ側基板5の中央部は、プラグコンタクト33A,33Bを避けるように貫通孔を形成される必要がない。このため、プラグ側基板5について、強度を確保しつつ幅を細くできる。また、プラグコンタクト33A,33Bの接触部53は、プラグ側基板5の側方に配置される。このため、当該接触部53を、プラグ側基板5の厚み方向Z1においてプラグ側基板5から突出することを抑制された状態で配置できる。これにより、プラグコネクタ6をより薄型にできる。以上の次第で、薄型で、且つ、プラグ側基板5の幅を細くでき、且つ、プラグ側基板5の強度を十分に確保できるプラグコネクタ6を実現できる。
また、コネクタ装置1によると、プラグコンタクト33A,33Bの接触部53は、プラグハウジング31の通過領域43と幅方向X1に横並びに配置されている。この構成によると、プラグコンタクト33A,33Bの接触部53は、プラグ側基板5に対して、プラグ側基板5の厚み方向Z1に突出しないように配置される。これにより、プラグコネクタ6をより薄型にできる。
また、コネクタ装置1によると、プラグコンタクト33A,33Bの固定部55および固定部材32は、長さ方向Y1におけるプラグハウジング31の両端部に設けられている。この構成によると、通過領域43を通過するように延びるプラグ側基板5とプラグハウジング31との間に作用する外力を、より安定した姿勢で固定部55および固定部材32が受けることができる。その結果、プラグハウジング31とプラグ側基板5との結合強度をより高くできる。
また、プラグコネクタユニット7によると、プラグ側基板5の切欠部領域22が、プラグハウジング31の通過領域43を通過するように配置されている。この構成によると、プラグ側基板5とプラグコネクタ6とを全体として幅方向X1により細くできるので、プラグコネクタユニット7をより小型化できる。
また、コネクタ装置1によると、ベース側挿入案内部13およびプラグ側挿入案内部44が設けられている。この構成によると、ベースコネクタ3とプラグコネクタ6とを接続する際に、両コネクタ3,6の相対移動を、各挿入案内部13,44によって案内することができる。これにより、両コネクタ3,6の接続作業を、よりスムーズにできる。また、両コネクタ3,6の接続作業を自動化し易い。
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の各実施形態に限られず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。たとえば、次のように変更して実施してもよい。
(1)たとえば、上述の実施形態では、プラグ側基板5の縁部20A,20Bは、それぞれ絶縁処理を施されておらず、各縁部20A,20Bの側面において、プラグ側基板5内の導電部がプラグ側基板5の外部に露呈していた。そして、プラグコンタクト33A,33Bのうちプラグハウジング31から突出している部分(接触部53および固定部55)と、プラグ側基板5の対応する縁部20A,20Bとが直接的に向かい合うように配置されていた。しかしながら、この通りでなくてもよい。以下、具体的に説明する。なお、以下では、上述の実施形態と異なる点について主に説明し、同様の構成には図に同様の符号を付して詳細な説明は省略する。
図24は、本発明の一変形例にかかるコネクタ装置1の斜視図であり、ベースコネクタ3およびプラグコネクタ6のうちのベースコネクタ3側から見た状態を示している。図25は、本発明の一変形例にかかるコネクタ装置1の斜視図であり、ベースコネクタ3およびプラグコネクタ6のうちのプラグコネクタ6側から見た状態を示している。図26は、本発明の一変形例にかかるコネクタ装置1の平面図である。図27は、本発明の一変形例にかかるコネクタ装置1の一部断面側面図である。図28は、本発明の一変形例にかかるプラグコネクタユニット7の断面図である。図29は、本発明の一変形例にかかるプラグコネクタ6の斜視図であり、プラグコンタクト33の固定部55a側から見た状態を示している。図30は、本発明の一変形例にかかるプラグコネクタ6の斜視図であり、プラグコンタクト33の接触部53側から見た状態を示している。図31は、本発明の一変形例にかかるプラグコネクタ6の斜視図であり、プラグコンタクト33の固定部55a側から見た状態を示している。図32は、プラグコネクタ6の底面図である。
図24〜図31を参照して、本変形例では、プラグコネクタ3のプラグハウジング31は、介在部80を有している。
介在部80は、プラグ側基板5にプラグハウジング31が固定されたときにプラグ側基板5の縁部20に沿って配置され、且つ、プラグコネクタ6のプラグコンタクト33A,33Bのうちプラグハウジング31から突出している部分(固定部55a,55aおよび接触部53,53)と対応する縁部20A,20Bとの間に配置される。これにより、介在部80は、プラグ側基板5の縁部20A,20Bと対応するプラグコンタクト33A,33Bとの間の沿面距離(物体表面に沿った距離)をより長くするための沿面距離確保部として機能する。介在部80は、プラグハウジング31の一部として設けられている。
介在部80は、第1介在部81(81A,81B)と、第2介在部82(82A,82B)と、を有している。第1介在部81および第2介在部82は、長さ方向Y1における介在部80の全域に亘って形成されている。
第1介在部81A,81Bは、ベース側基板2の各縁部20A,20Bと、対応するプラグコンタクト33A,33Bの固定部55a,55aとの間に配置される部分として設けられている。各固定部55a,55aは、背面視において、クランク形状に形成されている。各固定部55a,55aのうち、プラグコンタクト33の連結部54に連続している基端側部分に対して、先端側部分が、厚み方向Z1に沿ってプラグ側基板5寄りに配置されている。第1介在部81A,81Bは、これら基端側部分と先端側部分との境界部83に配置されている。
第1介在部81A,81Bは、プラグハウジング31の中間部35から、幅方向X1における通過領域43の両端部に沿って、長さ方向Y1の一方に延びている。第1介在部81A,81Bは、対応するプラグコンタクト33A,33Bの固定部55a,55aの境界部83とプラグ側基板5との間に延びている。本実施形態では、各第1介在部81A,81Bは、中間部35に片持ち支持された梁状の小片部である。第1介在部81A,81Bの先端部は、プラグ側基板5の切欠部領域22における縁部20A,20Bのうちの長さ方向Y1の一端部20aに隣接している。なお、第1介在部81A,81Bの先端部は、一端部20aに受けられてもよい。この場合、長さ方向Y1において、プラグ側基板5に対するプラグコネクタ6の位置決めとして第1介在部81A,81Bを用いることができる。
各第1介在部81A,81Bは、長さ方向Y1において、境界部83の全域と厚み方向Z1に対向している。すなわち、各第1介在部81A,81Bは、対応する境界部83と対応する縁部20A,20Bとの間に配置されている。
各第1介在部81A,81Bは、背面視で略T字状に形成されている。第1介在部81は、第1対向部85と、第2対向部86と、を有している。第1対向部85は、プラグ側基板5の縁部20A,20Bと、厚み方向Z1に向かい合うように配置されており、本実施形態では、このプラグ側基板5の一側面に接触している。
各第2対向部86は、プラグ側基板5の対応する縁部20A,20Bと幅方向X1に向かい合うように配置されており、本実施形態では、対応する縁部20A,20Bとは離隔している。なお、各第2対向部86と対応する縁部20A,20Bとは、互いに接触していてもよい。また、厚み方向Z1において、各第2対向部86は、対応する縁部20A,20Bと全域に亘って対向している。上記の構成を有する第1介在部81とは長さ方向Y1に並ぶようにして、第2介在部82が配置されている。
第2介在部82は、プラグ側基板5の縁部20A,20Bと、対応するプラグコンタクト33A,33Bの接触部53との間に配置される部分として設けられている。本実施形態では、各第2介在部82A,82Bは、プラグハウジング31の対応する保護部46A,46Bに設けられている。各第2介在部82A,82Bは、対応する保護部46A,46Bのうち、プラグ側基板5を向く一側面からプラグ側基板5の対応する縁部20A,20B側に向けて突出する小片状に形成されている。各第2介在部82A,82Bは、プラグハウジング31の対応する保護部46A,46Bの先端側部分から、幅方向X1における通過領域43の両端部に沿って長さ方向Y1に沿って延びている。本実施形態では、各第2介在部82A,82Bは、長さ方向Y1における対応する保護部46A,46Bの先端側に配置されている。
各第2介在部82A,82Bは、厚み方向Z1において、対応する縁部20A,20Bの少なくとも一部(本実施形態では、約半分の部分)に亘って、延びており、対応する縁部20A,20Bと幅方向X1に向かい合っている。本実施形態では、各第2介在部82A,82Bは、対応するプラグコンタクト33A,33Bの接触部53の先端側部分と向かい合っている。
コネクタ装置1において、第2介在部82A,82Bは、対応する縁部20A,20Bとベースコネクタ3の対応するベースコンタクト10,10との間に配置されており、当該ベースコンタクト10,10と縁部20A,20Bとの間の沿面距離も確保するように構成されている。
以上の次第で、本変形例によると、介在部80が設けられている。これにより、プラグコンタクト33A,33Bのうちプラグハウジング31から突出している固定部55aおよび接触部53と、プラグ側基板5の対応する縁部20A,20Bとの間の沿面距離(表面に沿った距離)に加えて、各ベースコンタクト10,10と対応する縁部20A,20Bとの間の沿面距離を、より長くできる。これにより、プラグ側基板5の縁部20に露出している導電部(導電層)と、プラグコンタクト33およびベースコンタクト10との間でショートが生じることを、より確実に抑制することができる。
なお、上記の変形例において、第2介在部82は、長さ方向Y1における縁部20A,20Bの他端部20bに受けられるように長さ方向Y1に延びていてもよい。また、各縁部20A,20Bは、プラグコンタクト33A,33Bのうちの固定部55aおよび接触部53と、ベースコンタクト10と、の何れかと向かい合っていなくてもよい。
(2)また、上述の一実施形態および一変形例では、固定部材32が設けられる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、図33に示すように、固定部材32は、設けられていなくてもよい。
(3)また、たとえば、上述の一実施形態および一変形例では、幅方向X1におけるプラグ側基板5の両側方にプラグコンタクト33の接触部53が配置される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、幅方向X1におけるプラグ側基板5の一方の側部にのみ、プラグコンタクト33の接触部53が配置されてもよい。この場合、一対のプラグコンタクト33(33A,33B)のうちの一方が省略される。また、幅方向X1におけるプラグ側基板5の一方の側部にのみプラグコンタクト33(33A,33B)の接触部53が配置される場合、当該一方の側部に複数の接触部53が配置されてもよい。この場合、厚み方向Z1に並ぶように複数のプラグコンタクト33が配置される。
(4)また、上述の一実施形態および一変形例では、プラグコネクタ6が2極のコンタクトである形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、プラグコネクタは、1極のコネクタでもよいし、3極以上のコネクタであってもよい。
(5)また、上述の一実施形態および一変形例では、ベース側挿入案内部13およびプラグ側挿入案内部44の双方が設けられる形態を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。たとえば、ベース側挿入案内部13およびプラグ側挿入案内部44の一方または双方が省略されてもよい。
(6)また、上述の一実施形態および一変形例では、ベース側基板2とプラグ側基板5とがプラグ側基板5の長手方向(長さ方向Y1)に沿って相対変位することで、両コネクタ3,6が接続される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、ベース側基板2とプラグ側基板5とがベース側基板2の長手方向(幅方向X1)に沿って相対変位することで、両コネクタ3,6が接続されてもよい。