JP6563058B1 - 燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程の増加を伴わずに、燃料漏れの抑制と安定した吐出性能を両立させる燃料供給装置を得ることを目的とする。【解決手段】金属ハウジング7と、金属ハウジング7の一端側の内周面7siに対し、全周にわたって隙間をあけて配置されたステータ部4との一体成型品であり、金属ハウジング7の一端側の開放端を覆う端面部61と、ステータコア43と金属ハウジング7との隙間を充填する充填部62とが連続する樹脂製のエンドカバー部6と、ブラシレスモータ(モータ部5)内を通り、ポンプ部2と端面部61に設けられた燃料吐出口1pxとを連通するように形成された燃料流路と、を備え、エンドカバー部6と金属ハウジング7の間には、軸方向で噛み合う噛み合い構造が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を吸い上げて加圧し、エンジン等の機器に供給する燃料供給装置に関するものである。
インペラ等の回転体を有するポンプと駆動源であるモータを一つの軸で直列接続してケース内に収納し、燃料タンクから燃料を吸上げる燃料供給装置において、近年、駆動源として、小型化が期待されるブラシレスモータを適用する動きがある。このような燃料供給装置では、軸方向に沿って燃料がモータ部分を通り抜けるための流路を形成するとともに、外部に燃料が漏れないようにする必要がある。
そこで、ステータコア外周を金属ハウジングの内周面に密着させて、エンドカバーを圧入し、金属ハウジングの端部を曲げ加工して抜け止めと密封を行っている燃料供給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ステータコアの外周を覆うように、樹脂モールドによりエンドカバーとステータの一体成形体を作成し、一体成形体を金属ハウジングに圧入する燃料供給装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。あるいは、ブラシレスモータにおいては、ヨークとしてのハウジングが不要であることから、ハウジングをエンドカバーと一体化した樹脂で形成する燃料供給装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2005−110478号公報(段落0013〜0016、図1、段落0027〜0028、図3) 特開2013−70577号公報(段落0021〜0024、図1) 特開2007−104871号公報(段落0011〜0018、図1、図2)
しかしながら、金属ハウジングの端部を曲げ加工して密封しても、経時的に隙間が生じ、そこから燃料が漏れだしてしまうことが考えられる。また、ステータコアとエンドカバーを一体化させた場合でも、金属ハウジングへの圧入前に、径を合わせるための切削加工等を必要とするため、工程が複雑化する。一方、金属に代わり樹脂のみでハウジングを形成する場合、工程の増大は防げるが、金属と比べて剛性が低いため、ステータコアとポンプとの軸方向における位置関係を強固に固定することが困難であり、安定した吐出性能を得ることが困難になる。つまり、工程の増加を伴わずに、燃料漏れの抑制と安定した吐出性能を両立させることができなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、工程の増加を伴わずに、燃料漏れの抑制と安定した吐出性能を両立させる燃料供給装置を得ることを目的とする。
本発明の燃料供給装置は、円筒状の金属ハウジングと、電磁鋼板を前記金属ハウジングの軸方向に積層したステータコアにコイルを巻回して形成され、前記金属ハウジングの一端側の内周面に対し、全周にわたって隙間をあけて配置されたステータ部と、前記ステータ部の内周面に対向配置されたロータ部と、を有するブラシレスモータと、前記ロータ部のシャフトに連結されたインペラと、前記インペラを前記軸方向の両側から挟み込んで収納するケース部材とを有し、前記金属ハウジングの他端側に配置されたポンプ部と、前記金属ハウジングと前記ステータコアとの一体成型品であり、前記金属ハウジングの前記一端側の開放端を覆う端面部と、前記ステータコアと前記金属ハウジングとの隙間を充填する充填部とが連続する樹脂製のエンドカバー部と、前記ブラシレスモータ内を通り、前記ポンプ部と前記端面部に設けられた吐出口とを連通するように形成された燃料流路と、を備え、前記エンドカバー部と前記金属ハウジングの間には、軸方向で噛み合う噛み合い構造が形成されていると共に、前記噛み合い構造は、前記金属ハウジングの軸方向の中間部分における内周面に設けられた周方向に延びるらせん状の溝によって形成されていることを特徴とする。
本発明の燃料供給装置によれば、一体成型されたエンドカバー部と金属ハウジングとの間に軸方向での噛み合い構造が形成されているので、工程の増加を伴わずに、燃料漏れの抑制と安定した吐出性能を両立させる燃料供給装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置のステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置のステータコア中間部分の回転軸に垂直な断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面のステータコア左上側部分の部分拡大図である。 本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の製造方法で用いる成形用の金型の構成を示す切断部端面図である。 本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の製造方法において、樹脂と一体化させるポンプ部材と固定型との関係を示す切断部端面図である。 本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の製造方法において、下金型に樹脂と一体化させるポンプ部材を設置した状態を示す切断部端面図である。 本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の製造方法において、金型内に樹脂を注入した状態を示す切断部端面図である。 本発明の実施の形態1の変形例にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面のステータ左上側部分の部分拡大図である。 本発明の実施の形態1の他の変形例にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面図である。 本発明の実施の形態1の他の変形例にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面のステータコア左上側部分の部分拡大図である。 本発明の実施の形態2にかかる燃料供給装置のステータコア左上側部分の回転軸を含む拡大断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面のステータコア左上側部分および左下方部分、それぞれの部分拡大図である。 本発明の実施の形態3にかかる燃料供給装置のステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる燃料供給装置に用いる金属ハウジングの回転軸を含む断面図である。 本発明の実施の形態5にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面図である。 本発明の実施の形態5にかかる燃料供給装置のステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図である。 本発明の実施の形態6にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面図である。 本発明の実施の形態6にかかる燃料供給装置の回転軸を含む断面のステータコア左上側部分の部分拡大図である。 本発明の実施の形態6にかかる燃料供給装置のステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図である。
実施の形態1.
図1〜図4は、本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の構成について説明するためのもので、図1は燃料供給装置をモータの回転軸に沿って切断した断面図、図2は図1のA−A線による切断面に対応するステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図、図3は図1のB−B線による切断面に対応するステータコア中間部分での回転軸に垂直な断面図、図4は図1の領域R1に対応するステータコア左上側部分の部分拡大図である。なお、本実施の形態の図1を含め、他の実施の形態で用いる回転軸を含む断面図の切断箇所は、図2のV−V線に対応する。
図5〜図8は、本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置の製造方法について説明するためのもので、図5は燃料供給装置の製造方法で、ステータ部と金属ハウジングをエンドカバーを構成する樹脂と一体化する際に用いる金型を示すもので、軸を含む切断面による端面図、図6は樹脂と一体化するポンプ部材と固定型との位置決めの関係を示す端面図、図7は成形工程において、固体型に一体成型させる部材を位置決めして設置した状態を示す端面図、図8は型締め後に樹脂を注入した状態を示す端面図である。
また、図9は実施の形態1の変形例にかかる燃料供給装置の構成について説明するためのもので、ステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図であり、図4に対応する。図10と図11は、実施の形態1の他の変形例にかかる燃料供給装置の構成について説明するためのもので、図10は燃料供給装置の回転軸を含む断面図、図11は図10の領域R3に対応するステータコア左上側部分の部分拡大図である。
本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置1は、図1に示すように、ポンプ部2と、ポンプ部2を駆動するモータ部5とが軸方向の下方から順に並ぶように構成したものである。シャフト32で直結され、直線状に並ぶポンプ部2とモータ部5は、円筒状の金属ハウジング7によって径方向の外側が囲まれ、ポンプカバー23と、樹脂製のエンドカバー部6によって軸方向の両端を挟まれた構造となっている。
本発明の実施の形態1にかかる燃料供給装置1、および製造方法では、ステータ部4が金属ハウジング7に対して径方向で離間し、その隙間に、エンドカバー部6の一体成型により形成された充填部62が充填されている。そして、充填部62には、金属ハウジング7の内周面7siへの食込み部62pが形成され、金属ハウジング7と充填部62との間に軸方向で噛み合う噛み合い構造が形成されていることを特徴とする。しかし、食込み部62pおよびそれを形成するための製造方法については、後述することにし、以降の実施の形態も含め、この発明の前提となる燃料供給装置1の構成について説明する。
<ポンプ部>
ポンプ部2は、インペラ22と、それぞれ対向面に円盤状の空間を有し、インペラ22を軸方向の両側から挟みこむように収納するポンプケーシング21とポンプカバー23とで構成している。インペラ22は、周方向に沿って図示しない複数の羽根が形成され、ポンプケーシング21とポンプカバー23間の空間内で回転自在に保持されている。そして、中心部に形成された断面がD字状の穴が、シャフト32に形成された切欠き部と係合することで、ロータ部3の駆動に合わせて回転できるように構成している。
そして、ポンプケーシング21とポンプカバー23それぞれの対向面には、インペラ22の羽根の配列に沿い、軸方向から見てC字状になる溝2c1、2c3が形成されている。ポンプケーシング21には、C字状の溝2c1の回転方向の終端部分と連通し、モータ部5側で開口する燃料の吐出口2pxが形成されている。また、ポンプカバー23には、C字状の溝2c3の回転方向の始点部分と連通し、下端側で開口する燃料吸入口1piが形成されている。
<モータ部>
モータ部5は、ステータ部4とロータ部3とに大別される。ステータ部4は、ボビン41とコイル42、ステータコア43で構成される。ステータコア43は、電磁鋼板をモータ軸方向に加締めながら積層されて形成されており、図2、図3に示すように、内周方向に6個のティースが円周方向に等間隔に形成されている。各ティースには、軸方向の両端側に対となるボビン41が装着され、対となるボビン41をまたぐようにコイル42が巻回されている。
ロータ部3は、永久磁石31とシャフト32とが樹脂部材33で固定されたものである。シャフト32の図1における上端側は、後述するエンドカバー部6に埋め込まれた軸受81に支持され、下端側は、ポンプカバー23に圧入されたスラスト軸受82と、ポンプケーシング21に圧入された軸受83により支持される。これにより、ロータ部3は、ステータ部4(厳密にはステータコア43)の内周面4siに対して間隔をあけて回転自在に設置されている。この、ステータ部4の内周面4siとロータ部3の外周面3soとの隙間は、例えば、ポンプ部2の吐出口2pxと、後述するエンドカバー部6の燃料吐出口1pxとを連通させる燃料流路として使用することができる。
ステータ部4のティース毎に巻回されたコイル42は、図示しない制御基板と電気接続するための電源供給ターミナルと、中性点ターミナルに電気的に接続される。上記制御基板に形成されたブラシレスモータとしての駆動回路は、ロータ部3の回転位置に応じて通電を逆転させる転流制御を行うことによって、ロータ部3を回転駆動している。
<エンドカバー部>
エンドカバー部6は、例えば、ポリアセタール(POM:Poly Oxy Methylene)等の絶縁樹脂を必要な部材とともにモールド成形した、いわゆる樹脂の一体成型品である。基本的には、燃料供給装置1の軸方向の一端(図では上端)を覆う端面部61は、外部機器への燃料吐出口1pxを有するとともに、ステータ部4の上端部の外周と密着するように、ステータ部4とともに一体成型される。本実施の形態では、後述するように、金属ハウジング7とも一体成型され、金属ハウジング7とステータ部4との隙間を充填する充填部62も形成している。その際、外部コネクタと組付き給電の窓口となる入力端子45と、シャフト32を支持する前述の軸受81等も同時に埋め込まれる。
<金属ハウジング>
金属ハウジング7は、ステータコア43の上端近傍部分から、ポンプ部2の下端近傍部分までを覆うように金属の筒状をなす。ブラシレスモータの場合、原理上ヨークとして機能させる必要が無いため、磁性体である必要はないが、機械的な性質やコスト上の観点から、鉄で構成されることが多い。
軸方向における下端側の内周面7siには、ポンプケーシング21のモータ部5側の外周面に嵌め合せるための段差が形成されている。また、段差部分より端部側(図中下方)の内周面は、ポンプケーシング21とポンプカバー23の外周と密着するように、例えば、切削加工等により寸法を調整している。組立の際は、後述する一体成型の後、ポンプケーシング21を段差に嵌め合わせるようにポンプ部2を端部側から挿入し、ポンプカバー23をモータ部5に向かって押さえつけるように、金属ハウジング7の一端(図中下端)を加締める。これにより、ポンプケーシング21とポンプカバー23が同軸性を保って密着した状態で、軸方向での位置関係が固定されるとともに、金属ハウジング7を含めた円筒状の筐体が完成する。
以上が、シャフト32で直結されたポンプ部2とモータ部5が、金属ハウジング7を含む円筒状の筐体内に収容された燃料供給装置1の基本構成である。このような構成に加え、金属ハウジング7とステータ部4との隙間に、それらと一体成型されたエンドカバー部6の一部である充填部62が充填されている。さらに、金属ハウジング7とエンドカバー部6との間に軸方向での噛み合い構造が形成されていることが、各実施の形態に係る燃料供給装置1の特徴である。以下、本実施の形態1にかかる燃料供給装置1からはじめ、順に各実施の形態ごとの詳細を説明する。
実施の形態1にかかる燃料供給装置1では、金属ハウジング7の上端に近い部分の内周面7siに、全周に亘って周方向に延びる環状溝7dが設けられている。そして、充填部62の外周側には、図2、図3に示すように、内周面7siに対して径方向に食い込む食込み部62pが、やはり環状に形成されている。食込み部62pは、図4に示すように、軸方向において、環状溝7dの側壁7dsuと側壁7dsdに当たっており、軸方向の両側で当たり合う、つまり軸方向で凹凸がピタリとはまる噛み合い構造が形成されていることになる。その結果、金属ハウジング7に対する充填部62、つまりエンドカバー部6の軸方向での変位を規制する。
また、充填部62の内周面が密着しているステータ部4の外周面4soは、軸方向に複数の電磁鋼板を積層したステータコア43の積層面であり、軸方向に沿って径方向の位置が変位している。そのため、軸方向での細かな噛み合い構造が形成され、ステータ部4に対するエンドカバー部6の軸方向での変位を規制し、金属ハウジング7とエンドカバー部6の軸方向での変位も規制することになる。
<製造方法>
つぎに、上述した構成の燃料供給装置1の製造方法について説明する。
上述の構造は、図5に示すような、上下に開閉可能な可動型92と固定型91とで構成している一般的な金型を用い、金属ハウジング7とステータ部4とを径方向で離間させた状態で一体成形することで実現できる。具体的には、図6に示すように、固定型91に対し、金属ハウジング7、ステータ部4、軸受81を設置していく。なお、それぞれの部材は径方向で重なる部分が無いため、設置する順序については問わないが、以下に示すように、それぞれを固定型91に対して位置決めを行う。
軸受81については、内周面81siを固定型91の軸受用外周面91raに合わせ、軸方向の下端面81sxを固定型91の軸受用端面91xaに合わせる。ステータ部4については、内周面4siを固定型91のステータ用外周面91rbに合わせ、ステータコア43の内周側の下端面4sxを固定型91のステータ用端面91xbに合わせる。金属ハウジング7については、内周面7siを固定型91のハウジング用外周面91rcに合わせ、モータ部5側の外周面に嵌め合せるための段差部分の下端面7sxを固定型91のハウジング用端面91xcに合わせる。
このようにして、固定型91に金属ハウジング7とステータ部4と軸受81が設置されると、金属ハウジング7の内周面7siとステータ部4の外周面4soとの間には、図7に示すように、ほぼ一定の厚みを有する環状の隙間Sp47が形成される。隙間Sp47は、固定型91のステータ部4と金属ハウジング7を挿入する空間のうち、内周面7siとハウジング用外周面91rcとの接触面、あるいは下端面7sxとハウジング用端面91xcとの接触面により、金属ハウジング7の内周面7si側での範囲が限られる。さらに、ステータコア43の下端面4sxとステータ用端面91xbとの接触面、あるいは内周面4siとステータ用外周面91rbとの接触面により、ステータ部4の内周面4si側へは通じないようになっている。また、金属ハウジング7は、段差部分を形成する際、下端面7sxと上端面7seの寸法が所定値になるようにしているので、上端面7seと固定型91の端面91sbが面一になる。
つぎに、可動型92を下げて、型締めをすると、可動型92の端面92sbは固定型91の端面91sbに密着する。また、可動型92の内周面92sr(図5参照)の径は、金属ハウジング7の肉厚の中間部分の径となるように調整しているので、金属ハウジング7の上端面7seのうち、外周側の部分が、可動型92の端面92sbと密着する。この状態で、図8に示すように、ゲート92gからポリアセタール等の絶縁樹脂(図中黒塗り)を流し込むことで、軸受81とステータ部4と金属ハウジング7とをインサートしたエンドカバー部6を成形することができる。また、可動型92の円筒状突起92pにより、燃料吐出口1pxが形成される。また、環状の隙間Sp47に充填された所定の厚みを有して環状に形成された充填部62には、金属ハウジング7の環状溝7dに食い込んだ食込み部62pが形成される。つまり、金属ハウジング7と充填部62との間に、軸方向で噛み合う噛み合い構造が形成される
このようにエンドカバー部6と一体となった軸受81にロータ部3を挿入し、同じく一体化された金属ハウジング7に対して、上述したように、スラスト軸受82が圧入されたポンプ部2を加締めによって組み込む。これにより、ロータ部3のシャフト32は、金型9を用いた一体成型により、軸方向および径方向の位置が規定された軸受81と、スラスト軸受82とによって支持される。スラスト軸受82が圧入されたポンプ部2は、金属ハウジング7の少なくとも段差部分に対して、同軸性が保たれ、段差部分近傍の内周面7siは固定型91による成形により、軸受81との同軸性が保たれている。
つまり、同軸性を保たれたスラスト軸受82と軸受81によって、シャフト32が支持されることになる。その結果、従来のように、金属ハウジングにエンドカバー部を圧入する場合と比べ、ステータ部4に対するロータ部3の同軸性(特に内周面4siと外周面3soとの間隔)、ポンプ部2とモータ部5との同軸性の精度を向上させることができる。
また、本実施の形態にかかる一体成形方式による製造方法では、エンドカバーを金属ハウジングに圧入固定する方式に対し、燃料供給装置組付け時の工数削減が行える。圧入固定方式で発生していた、エンドカバー圧入部外周の切削、金属ハウジングへのエンドカバーの圧入と金属ハウジングの(エンドカバー側の)加締めを削減できる。さらには、成形時点で芯出しができているので、圧入後の芯出し調整等の固定を省くこともでき、コスト低減にも繋がることとなる。
つぎに、動作について説明する。この燃料供給装置1では、電源供給ターミナルに、上述した転流制御された電流を通電することにより、ロータ部3を回転させる。すると、シャフト32に連結されたインペラ22が追従して回転し、複数の羽根の間にある気体または液体等の流体も、同じく高速でポンプの流路内を流動することとなる。
これにより、インペラ22の羽根と羽根との空間2c2、および溝2c1と溝2c3とで構成されるポンプ部2内の燃料流路2c内に存在する流体に回転運動による運動量が付与される。その結果、C字状の溝の始点側では負圧が発生し、燃料吸入口1piから燃料流路2c内に燃料を吸い込むことが可能になる。吸い込まれた燃料は、回転運動により、C字状の溝2c1の回転方向の始点から終点に向かうにつれ昇圧され、吐出口2pxから加圧した状態で吐き出すことができる。
吐出口2pxから加圧した状態で吐き出された燃料は、金属ハウジング7の内周面側に位置するモータ部5に向かって送り出される。モータ部5に送り出された燃料は、ステータコア43の内周面4siとロータ部3の外周面3soとの隙間を通過した後、エンドカバー部6の燃料吐出口1pxから吐出される。
ポンプの昇圧は用途によっても異なるが、車両用では、数百kPaのレベルの圧力が想定される。つまり、ポンプ部2内の燃料流路2c内には数百kPaの内圧が発生し、ポンプカバー23とポンプケーシング21とが離れあう方向に作用する。また、モータ部5についても、ポンプ部2から離れる方向に作用する。
しかし、本実施の形態にかかる燃料供給装置1では、ステータ部4と金属ハウジング7とは、充填部62によって一体化されている。そして、充填部62とステータ部4との界面となるステータ部4の外周面4soは、ステータコア43を構成する電磁鋼板の積層により、軸方向に沿って径方向の位置が変化し、充填部62とステータ部4との軸方向のずれが防止されている。
また、充填部62と金属ハウジング7との界面となる金属ハウジング7の内周面7siでは、環状溝7dに、充填部62の食込み部62pが食い込んでいる。食込み部62pは、環状溝7dの側壁7dsuと側壁7dsdの両方に当たっており、軸方向におけるいずれの変位方向に対しても対向している。つまり軸方向での噛み合い構造が形成されているので、金属ハウジング7に対する充填部62、つまりエンドカバー部6の軸方向でのずれを防止できる。このような軸方向での噛み合い構造は、溶融または軟化状態の樹脂を軸方向から見て影の部分となる環状溝7d内に入り込ませる金属ハウジング7との一体成型でこそ実現できるものである。従来の成形済みのエンドカバーを金属ハウジングに圧入する方法では実現することはできない。
これにより、例えば、直噴型のエンジンで使用されるような500kPa台の高圧状況下においても、充填部62による強固な位置ずれ防止作用により、ステータ部4とエンドカバー部6が金属ハウジング7から抜けるようなことが無い。また、ポンプ部2は金属ハウジング7によって、強固に固定されているので、ポンプカバー23とポンプケーシング21とが離れあうことなく、位置関係を保持できる。
一方、ステータコア43は金属板を加締めて隙間なく積層しているが、内周面4siから外周面4soにかけて、電磁鋼板どうしの合わせ面が連続することになる。そのため、ステータコア43の内周面4siとロータ部3の外周面3soとの隙間を通過する燃料の一部は、毛管力等によって、ステータコアの内周面4siからステータコア43の内部に浸透し、外周面4soに滲出する。
しかし、充填部62は、ステータ部4と金属ハウジングを離間して形成した隙間に充填したものであり、ステータコアの外周面4soは、軸方向の両端部を含め、全周にわたって充填部62によりフルカバーされている。そのため、外周面4soに燃料が滲出したとしても、燃料供給装置1の外部に漏れだすことはない。この状態は、ステータコア43の外周面4soと充填部62との間、あるいは金属ハウジング7の内周面7siと充填部62との間の密着性が低下した場合でも維持されるため、樹脂自身に亀裂等が生じることが無い限り、燃料の外部への漏出を抑制するシール性を維持することができる。
一方、本実施の形態に示すように、充填部62は、熱応力等を考慮して、強度を保つため最適な厚みを有するように、金属ハウジング7とステータ部4の寸法を設計によって調整できるので、亀裂等が生じる可能性も低い。さらに、上述した強度のある充填部62と端面部61とが剛性を維持して連続するようにエンドカバー部6が形成されているので、
エンドカバー部6と金属ハウジング7およびエンドカバー部6とステータコア43とは機械的に強固に固定されている。そのため、スラスト軸受82と軸受81の同心性を保つことができ、ロータ部3、そしてインペラ22の回転安定性を維持することができる。
なお、エンドカバー部6を形成するモールド材としてPOMを用いた例を示したが、これに限ることはなく、例えば、PPSやその他、耐油(燃料)性および機械的安定性を有する樹脂であれば、適用可能である。また、環状溝7dの深さと幅(≒食込み部62pの高さと厚み)については、例えば、金属ハウジング7の肉厚の1/4〜3/4の範囲にすれば、金属ハウジング7としての強度と、食込み部62pによる軸方向変位の防止力の双方を満足することが可能である。なお、金属ハウジング7の肉厚の1/4〜3/4の範囲に深さが設定された環状溝7dに対し、凹凸がピタリとはまる噛み合い構造が形成されるのは、一体成型であるからこそ実現できるのであり、圧入で実現することはできない。
変形例.
上記実施の形態1においては、環状溝7dを1条設け、金属ハウジング7の環状溝7dと充填部62の食込み部62pとが、軸方向において1か所形成されている例を示したが、これに限ることはない。例えば、図9に示す本変形例のように、環状溝7dを2条設けるようにしてもよい。環状溝7dを1条だけ設けた場合に比べ、軸方向への変位防止をより強固に実現できる。
なお、本変形例では環状溝7dを2条設けた例を示したが、さらに増加させてもよい。また、条数を増加させた場合は、各環状溝7dの深さ(食込み部62pの高さ)を増加させる前より浅くしてもよく、金属ハウジング7としての剛性を保ちながら、変位防止効果を高めることができる。
他の変形例.
上記実施の形態1とその変形例では、環状溝7dの切り込み形状(断面形状)を矩形に形成した例を示したがこれに限ることはない。例えば、図10、図11に示すように、切込み形状を上端側が平坦なノコギリ状(三角形)にしてもよい。この場合、側壁7dstは、軸方向に対して傾斜しているが、側壁7dsuは、軸方向に対して直交しているため、エンドカバー部6が抜ける向きへの防止効果は、矩形にしたときと比べて遜色がない。そのため、矩形にした場合と比べて切削量(∝作業量)を低減でき、金属ハウジング7に対して、エンドカバー部6が、軸方向上向きに抜けないようにする効果を維持することができる。
以上のように、本発明の実施の形態1および後述する各実施の形態にかかる燃料供給装置1によれば、円筒状の金属ハウジング7と、電磁鋼板を金属ハウジング7の軸方向に積層したステータコア43にコイル42を巻回して形成され、金属ハウジング7の一端(上端面7se)側の内周面7siに対し、全周にわたって隙間をあけて配置されたステータ部4と、ステータ部4の内周面4siに対向配置されたロータ部3と、を有するブラシレスモータ(モータ部5)と、ロータ部3のシャフト32に連結されたインペラ22と、インペラ22を軸方向の両側から挟み込んで収納するケース部材(ポンプケーシング21、ポンプカバー23)とを有し、金属ハウジング7の他端側に配置されたポンプ部2と、金属ハウジング7とステータコア43との一体成型品であり、金属ハウジング7の一端(上端面7se)側の開放端を覆う端面部61と、ステータコア43と金属ハウジング7との隙間を充填する充填部62とが連続する樹脂製のエンドカバー部6と、ブラシレスモータ(モータ部5)の領域を通り、ポンプ部2と端面部61に設けられた燃料吐出口1pxとを連通するように形成された燃料流路と、を備え、エンドカバー部6と金属ハウジング7の間には、軸方向で噛み合う噛み合い構造が形成されているように構成したので、エンドカバー部6を介して金属ハウジング7とステータ部4との軸方向の変位が規制される。一方、ポンプ部2は金属ハウジング7によって軸方向の変位が規制されている。さらに、インペラ22に連結されるシャフト32の一端側はエンドカバー部6と一体化された軸受81により、同軸性が保たれている。そのため、ポンプ部2内のインペラ22の回転および燃料流路2cの状態が安定し、吐出性能が安定する。さらに、端面部61と充填部62が連続しているので、ステータコア43の積層面を通して燃料が滲出しても、外部への燃料漏れを防止することができる。つまり、工程の増加を伴わずに、燃料漏れの抑制と安定した吐出性能を両立させる燃料供給装置1を得ることができる。
その際、金属ハウジング7とステータコア43との隙間を、例えば、金属ハウジング7の肉厚以上に設定すれば、端面部61と充填部62との連続部分での剛性を効果的に保つことができる。それにより、シール性も向上する。
本実施の形態1にかかる特徴として、噛み合い構造は、金属ハウジング7の軸方向の中間部分における内周面7siに設けられた周方向に延びる環状の溝(環状溝7d)によって形成されているようにすれば、全周にわたっての噛み合い構造を容易に形成することができる。
また、本発明の実施の形態1および後述する各実施の形態にかかる燃料供給装置1の製造方法によれば、ステータコア43にコイル42を巻回して形成されたステータ部4と円筒状の金属ハウジング7とを、全周にわたって隙間をあけた状態で金型9に位置決め設置する工程と、ステータ部4と金属ハウジング7が位置決めされた状態で金型9を締め、樹脂を注入して、金属ハウジング7の一端側の開放端を覆う端面部61と、端面部61と連続してステータ部4と金属ハウジング7との隙間を充填する充填部62とを有するエンドカバー部6を、金属ハウジング7とステータ部4との一体成型体として形成する工程と、エンドカバー部6と一体化された金属ハウジング7の他端側に、インペラ22を有するポンプ部材(ポンプケーシング21、ポンプカバー23等)を設置し、加締めによって固定する工程と、を有し、金属ハウジング7の内周面7siおよび外周面7soのいずれかには、軸方向の中間部分に凹凸が形成されており、一体成型体を形成する工程で、エンドカバー部6と金属ハウジング7の間に、軸方向で噛み合う噛み合い構造が形成されるように構成したので、エンドカバー部6を介して金属ハウジング7とステータ部4との軸方向の変位が規制され、ポンプ部2は金属ハウジング7によって軸方向の変位が規制される。さらに、インペラ22に連結されるシャフト32の一端側はエンドカバー部6と一体化された軸受81により、同軸性が保たれる。そのため、ポンプ部2内のインペラ22の回転および燃料流路2cの状態が安定し、吐出性能が安定する。さらに、端面部61と充填部62が連続しているので、ステータコア43の積層面を通して燃料が滲出しても、外部への燃料漏れを防止することができる。つまり、工程の増加を伴わずに、燃料漏れの抑制と安定した吐出性能を両立させる燃料供給装置1を製造することができる。
とくに、位置決め設置する工程では、ステータ部4と金属ハウジング7とを、全周にわたって径方向に完全に離間させ、それぞれを金型9内で位置決めするようにした。これにより、ステータ部4と金属ハウジング7それぞれの寸法精度が出ていなくても、軸方向および同軸性の精度の高い燃料供給装置1を製造することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2にかかる燃料供給装置は、実施の形態1で説明した燃料供給装置に対し、エンドカバー部と金属ハウジングとの噛み合い構造を金属ハウジングの外周面側に形成するようにしたものである。外周面側に噛み合い構造を形成することに関係する部分以外の構成については、実施の形態1で説明したものと同様である。図12は本実施の形態2にかかる燃料供給装置のステータコア左上側部分の回転軸を含む部分拡大断面図であり、実施の形態1の説明に用いた図4に対応するものである。
本実施の形態2にかかる燃料供給装置1は、図12に示すように、金属ハウジング7の上端部近傍の外周面7soに周方向に延びる環状溝7doを形成している。そして、エンドカバー部6は、充填部62部分と連続し、上述した環状溝7do部分を含む金属ハウジング7の外周面7so上端部分を覆うとともに、環状溝7doに食い込む食込み部63pを有する外包部63を備えるようにした。
この場合、実施の形態1で説明した金型9を用いた製造方法において、可動型92の内周面92srの径は、金属ハウジング7の外周面7soよりも大きく形成されることになる。そして、固定型91の内周面91rdのうち、端面91su近傍部分は、金属ハウジング7の外周面7soよりも大きく形成されることになる。その際、金属ハウジング7の上端面7seは、可動型92の端面92sbとは接触せず、外周面7soが内周面91rdのうち、外周面7soよりも径が大きくなる直前部分の領域と密着することになる。
実施の形態1においては、金属ハウジング7の上端面7seと可動型92の端面92sbが密着することで、樹脂の流動範囲を規定していたが、内周面7siのうち、上端面7se側はフリーとなっていたため、基本的には外周面7soを型に合わせていた。そのため、金属ハウジング7の上端面7se側においては、下端側と異なり、外周面7so側の精度が重要であり、環状溝を形成するための切削を外周面7so側に施す方が精度よく加工ができる。したがって、外包部63に設けた環状溝7doにより噛み合い構造を形成することで、軸方向への変位防止効果のばらつきを抑制できる。
また、基本的には所定厚みでステータ部4の全周を全軸方向で覆っている充填部62によるシール性は強固であり、端面部61とも剛性を保って連続しているが、端面部61との境界部分は応力が集中しやすい部分である。そのため、境界部やその近傍部分は、他の部分よりも亀裂等の発生の可能性が高い部分となり、仮に亀裂が発生すると、外部との距離が短く、燃料が漏れないように保つシール面の余裕が少なくなる。
これに対して、本実施のように、充填部62部分と連続し、上端面7seと外周面7soの上端部分を連続して覆うように、外包部63を備えることで、仮に上述した亀裂が発生しても、燃料が外部へ漏れる際の経路長が長くなり、シール性を確保することが可能である。しかも、環状溝7doとは別に、外包部63を設けることで、端面部61と充填部62との境界部分への応力緩和効果が期待でき、同軸性を確実にするとともに、シールの信頼性を一層高めることもできる。
なお、本実施の形態2においては、環状溝7doを1条設ける例を示したがこれに限ることはなく、実施の形態1の変形例のように、複数設けてもよい。また、実施の形態1の他の変形例のように、ノコギリ状にしてもよい。また、実施の形態1で示した内周面7si状の環状溝7dと組み合わせるようにしてもよい。さらには、外包部63を設けるが、実施の形態1のように内周面7si側にのみ環状溝7dを設けるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態2にかかる燃料供給装置1によれば、エンドカバー部6は、金属ハウジング7の一端(上端面7se)側の外周面7soを覆うとともに充填部62と連続する外包部63を有しているようにした。これにより、端面部61と充填部62との境界部分に応力が集中することを抑制し、さらに、シール性や信頼性が向上する。
また、噛み込み構造を外包部63と金属ハウジング7の外周面7soとの間に形成するようにすれば、噛み合い構造を精度よく形成できる。あるいは、充填部62に対向する金属ハウジング7の内周面7siに凹凸を設ける必要がなく、樹脂の流れがよくなって、容易に成形できる。
実施の形態3.
本実施の形態3にかかる燃料供給装置は、上記実施の形態1あるいは2で説明した燃料供給装置に対し、金属ハウジングの周方向の移動を規制するため、周方向での噛み合い構造を追加するようにした。周方向での噛み合い構造を形成するための金属ハウジングの内周面の形状と、それに伴う充填部の形状以外の構成については、実施の形態1で説明したものと同様である。図13〜図15は、本実施の形態3にかかる燃料供給装置の構成を説明するもので、図13は燃料供給装置の回転軸を含む断面図、図14はステータコア左上側部分の拡大図(図13の領域R4u)と左下方部分の拡大図(同領域R4m)を軸からの位置を揃えて並べた模式図、図15は図13のC−C線による切断面に対応する、ステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図である。
本実施の形態3にかかる燃料供給装置1は、図13〜図15に示すように、周方向(あるいは回転方向)での変位を規制するため、金属ハウジング7の内周面7siの上端部近傍に、上端面7seから軸方向に沿って延びる縦溝7cを2か所設けるようにした。一方、軸方向の変位を規制するための構成としては、実施の形態1で説明した環状溝7dを内周面7siの下端近傍部分に設けるようにした。また、実施の形態1と同様にエンドカバー部6を金属ハウジング7とステータ部4と一体成型することにより、充填部62には、縦溝7cに食い込む畝状の食込み部62bが形成される。
上述した実施の形態1〜2においては、軸方向の位置固定については、効果的であったが、回転方向への固定に対しては不充分であった。しかしながら、本実施の形態3に示すような縦溝7c、およびそれに食い込む畝状の食込み部62bを形成することで、金属ハウジング7と充填部62との界面に、回転方向(周方向)での噛み合い構造が形成される。そのため、金属ハウジング7の縦溝7c内に食い込んだ畝状の食込み部62bが引っかかり、金属ハウジング7と充填部62との回転方向での変位を効果的に抑制することが可能となる。
縦溝7cは、図15に示すように、3時の位置と9時の位置に配置し、周方向で分散するように設けた。周方向の設置位置については、必ずしも分散させる必要はないが、設ける数に応じて適宜周方向に分散させることが望ましい。寸法については、環状溝と同様に、所定以上の深さや幅を有することが望ましく、軸方向長さについてもとくに制約はないが、回転力に対抗できるだけの接触面積を稼ぐための長さが望ましい。軸方向の位置としては、中間部分に形成してもよいが、例えば、上端面7se側で開口するように設定することで、例えば、横フライスのような切削装置で簡単に形成することができる。一方、切削に手間はかかるが、軸方向の中間部分に形成した場合は、縦溝7cのみでも、軸方向の変位を規制することができる。なお、図13、図14では、縦溝7cの終端部分(下端面)を矩形に描写しているが、上述した横フライスを使用した場合は円弧状になる。
以上のように、本実施の形態3にかかる燃料供給装置1によれば、金属ハウジング7の上端面7seから軸方向に延びる縦溝7cを設けることで、金属ハウジング7とエンドカバー部6との間に、回転方向での噛み合い構造を設けた。これにより、回転方向の変位を抑制することができる。
実施の形態4.
本実施の形態4にかかる燃料供給装置は、上記各実施の形態で説明した燃料供給装置に対し、金属ハウジングの内周面に形成する溝をらせん状にしたものである。内周面に形成する溝の形状とそれに食い込む充填部の形状に関係する部分以外の構成については、実施の形態1で説明したものと同様である。図16は本実施の形態4にかかる燃料供給装置の構成を説明するためのもので、金属ハウジングの回転軸を含む断面図である。
本実施の形態4では、図16に示すように金属ハウジング7の内周面7siに螺旋状に切った螺旋溝7dhを有している。この金属ハウジング7を用いて、実施の形態1で説明した金型9でエンドカバー部6と一体成型することにより、螺旋溝7dhに充填部62の符号を付さない食込み部が食込む構造が形成される。螺旋溝7dhの終端は、上下、いずれの端面にも達しておらず、開放されていないため、軸方向の変位と回転方向の変位の双方を抑制することができる。なお、本実施の形態4においても、上述した各実施の形態と組み合わせることが可能である。
以上のように、本実施の形態4にかかる燃料供給装置1によれば、金属ハウジング7の内周面7siの中間部分に螺旋溝7dhを設けた。これにより、金属ハウジング7とエンドカバー部6との間に、軸方向での噛み合い構造を形成すると同時に、回転方向での噛み合い構造も形成した。つまり、軸方向での変位も、回転方向での変位も抑制することができる。
実施の形態5.
本実施の形態5にかかる燃料供給装置は、上記各実施の形態で説明した燃料供給装置に対し、金属ハウジングの内周面または外周面に対し、切削加工ではなく、プレス加工によって噛み合い構造のための凹凸形状を形成するようにした。金属ハウジングと充填部の形状に関係する部分以外の構成については、上記各実施の形態で説明したものと同様である。図17と図18は本発明の実施の形態5にかかる燃料供給装置の構成を説明するためのもので、図17は燃料供給装置の回転軸を含む断面図、図18は図17のD−D切断面に対応する燃料供給装置のステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図である。
本実施の形態5にかかる燃料供給装置1は、図17と図18に示すように、金属ハウジング7の上端部近傍の数か所に、外周面7so側から内周面7si側に向かって突出するように変形するプレス痕7pを設けるようにした。このような金属ハウジング7を用い、実施の形態1で説明したように金型9を用いてエンドカバー部6と一体成型すると、充填部62のうち、プレス痕7pに対応する部分には凹部62cが形成される。
プレス痕7pは、内周面7siで充填部62に食い込む突起として機能し、この突起は、軸方向、回転方向いずれに対しても充填部62に対して対向する面が形成されている。つまり、軸方向と回転方向のいずれにおいても噛み合い構造が形成され、充填部62に食い込む金属ハウジング7のプレス痕7pが引っかかり、金属ハウジング7と充填部62との軸方向での変位および回転方向での変位の双方を抑制することが可能となる。なお、切削加工とは異なり、プレス加工であるからこそ、金属ハウジング7の内周面7si側に容易に突起を形成することができた。また、プレス加工にすることで、切削加工よりも安価となるメリットもある。なお、本実施の形態5では、金属ハウジング7側からエンドカバー部6に向かって突出する形状で噛み合い構造を形成している。しかし、上記各実施の形態と同様に、充填部62あるいは外包部63側、つまりエンドカバー部6側から金属ハウジング7に向かって突出する形状で噛み合い構造を形成するようにしてもよい。
プレス痕7pは、図18に示すように、3時の位置と9時の位置に配置し、周方向で分散するように設けた。周方向の設置位置については、必ずしも分散させる必要はないが、設ける数に応じて適宜周方向に分散させることが望ましい。変形量については、金属ハウジング7の肉厚以上に設けることも可能であるが、シール性の観点から、充填部62の厚みが極端に薄くなることのないよう、離間が保てる程度の変形量にとどめることが望ましい。なお、外形が大きくなる(外周面7soから突出する部分がある)ことをいとわなければ、内周面7siから外周面7soに向けて突出するようにプレス痕を設けてもよい。なお、本実施の形態5においても、上述した各実施の形態と組み合わせることが可能である。
以上のように、本実施の形態5にかかる燃料供給装置1によれば、金属ハウジング7にプレス成型による凹凸形状(プレス痕7p)を設けることで、噛み合い構造を形成した。これにより、容易に噛み合い構造を形成することができる。さらに、プレスによる凹凸の場合、軸方向と回転方向それぞれで噛み合い構造を形成できるので、軸方向での変位も、回転方向での変位も抑制することができる。
実施の形態6.
本実施の形態6にかかる燃料供給装置は、上記各実施の形態で説明した燃料供給装置に対し、金属ハウジングの内周面から外周面に抜ける貫通孔によって噛み合い構造を形成するようにした。金属ハウジングと充填部の形状に関係する部分以外の構成については、上記各実施の形態で説明したものと同様である。図19〜図21は本発明の実施の形態6にかかる燃料供給装置の構成を説明するためのもので、図19は燃料供給装置の回転軸を含む断面図、図20は図19の領域R7に対応するステータコア左上側部分の部分拡大図、図21は図19のE−E切断面に対応する燃料供給装置のステータコア上端部近傍での回転軸に垂直な断面図である。
本実施の形態6にかかる燃料供給装置1は、図19〜図21に示すように、金属ハウジング7の上端部近傍の数か所に、内周面7siから外周面7soに抜ける貫通孔7hを設けるようにした。このような金属ハウジング7を用い、実施の形態1で説明したように金型9を用いてエンドカバー部6と一体成型すると、貫通孔7hには、充填部62から突出して食い込む食込み部62pが形成される。
食込み部62pは金属ハウジング7の肉厚の全厚み分が食込んだ噛み合い構造が形成できるので、軸方向の変位と回転方向の変位を確実に阻止することができる。4つの貫通孔7hは、図21に示すように、3時と6時と9時と12時の位置に配置し、周方向で分散するように設けた。周方向の設置位置については、必ずしも分散させる必要はないが、設ける数に応じて適宜周方向に分散させることが望ましい。なお、本実施の形態6においても、上述した各実施の形態と組み合わせることが可能である。
以上のように、本実施の形態6にかかる燃料供給装置1によれば、金属ハウジング7に肉厚を貫通する貫通孔7hを設けることで、噛み合い構造を形成した。これにより、容易に噛み合い構造を形成することができる。さらに、貫通孔7hの場合、軸方向と回転方向それぞれで噛み合い構造を形成できるので、軸方向での変位も、回転方向での変位も抑制することができる。
1:燃料供給装置、
2:ポンプ部、 21:ポンプケーシング、 22:インペラ、 23:ポンプカバー、 2c:燃料流路、
3:ロータ部、 32:シャフト、 4:ステータ部、 42:コイル、 43:ステータコア、 4si:内周面、 4so:外周面、 5:モータ部、
6:エンドカバー部、 61:端面部、 62:充填部、 62c:凹部、 62p:食込み部、 63:外包部、 63p:食込み部、
7:金属ハウジング、 7c:縦溝、 7d、7do:環状溝、 7dh:螺旋溝、 7h:貫通孔、 7p:プレス痕、 7se:上端面、 7si:内周面、 7so:外周面、
9:金型、 91:固定型、 92:可動型。

Claims (4)

  1. 円筒状の金属ハウジングと、
    電磁鋼板を前記金属ハウジングの軸方向に積層したステータコアにコイルを巻回して形成され、前記金属ハウジングの一端側の内周面に対し、全周にわたって隙間をあけて配置されたステータ部と、前記ステータ部の内周面に対向配置されたロータ部と、を有するブラシレスモータと、
    前記ロータ部のシャフトに連結されたインペラと、前記インペラを前記軸方向の両側から挟み込んで収納するケース部材とを有し、前記金属ハウジングの他端側に配置されたポンプ部と、
    前記金属ハウジングと前記ステータコアとの一体成型品であり、前記金属ハウジングの前記一端側の開放端を覆う端面部と、前記ステータコアと前記金属ハウジングとの隙間を充填する充填部とが連続する樹脂製のエンドカバー部と、
    前記ブラシレスモータの領域を通り、前記ポンプ部と前記端面部に設けられた吐出口とを連通するように形成された燃料流路と、を備え、
    前記エンドカバー部と前記金属ハウジングの間には、軸方向で噛み合う噛み合い構造が形成されていると共に、
    前記噛み合い構造は、前記金属ハウジングの軸方向の中間部分における内周面に設けられた周方向に延びるらせん状の溝によって形成されている
    ことを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記噛み合い構造は、前記金属ハウジングの肉厚を貫通する貫通孔によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記噛み合い構造は、プレス成型によって前記金属ハウジングに形成された凹凸によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記エンドカバー部は、前記金属ハウジングの前記一端側の外周面を覆うとともに前記充填部と連続する外包部を有していることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の燃料供給装置。
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