以下、図面を用いて、本実施の形態に係るオットマン装置20が適用された車両用シート10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRは、車両用シート10のシート前側を示し、矢印UPはシート上側を示し、矢印LHはシート左側(シート幅方向一方側)を示す。
図8に示されるように、車両用シート10は、シート本体12と、オットマン装置20と、を含んで構成されている。シート本体12は、シートクッションSCと、シートバックSBと、を有している。そして、オットマン装置20が、シートクッションSCの前端部にスライド機構80(図1参照)を介して連結されている。
また、オットマン装置20は、着座乗員の脚部(脹脛部)を支えるためのオットマン本体70を有している。そして、オットマン本体70は、図2に示される格納位置(図2において2点鎖線で示されるオットマン本体70を参照)に格納されており、スライド機構80が作動することで、オットマン装置20の全体がシート前側(図2の矢印A方向側)へスライドして、オットマン本体70の格納位置がシート前側に変更される構成になっている(図2において1点鎖線で示されるオットマン本体70を参照)。さらに、スライド機構80の作動後に、オットマン装置20が作動することで、オットマン本体70が、図2の矢印B方向へ回動されて、図3に示される脚載せ位置に配置される構成になっている。以下、上記各構成について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、図2において2点鎖線で示されるオットマン本体70の格納位置を第1格納位置と称し、図2において1点鎖線で示されるオットマン本体70の格納位置を第2格納位置と称する。
(シート本体12について)
図1に示されるように、シート本体12は、シートクッションSCの骨格を構成するシートクッションフレーム14及びシートバックSBの骨格を構成するシートバックフレーム18を含んで構成されている。シートクッションフレーム14は、シートクッションフレーム14のシート幅方向両側部分を構成する左右一対のサイドフレーム16を有している。サイドフレーム16は、シート前後方向に延在された略長尺板状に形成され、シート幅方向を板厚方向として配置されている。また、サイドフレーム16の外周部には、シート幅方向内側へ折り曲げられたフランジ部16Aが形成されている。そして、サイドフレーム16は、従来周知のシートスライド機構(図示省略)によって車両の床部に連結されている。これにより、シート本体12が車両の床部に対してシート前後方向にスライド可能に構成されている。
シートバックフレーム18は、サイドフレーム16の後端部のシート上側に設けられており、シートバックフレーム18の下端部が、サイドフレーム16の後端部にリクライニング機構RSを介して連結されている。このリクライニング機構RSは従来周知のものであり、リクライニング機構RSによって、シートクッションフレーム14に対するシートバックフレーム18の相対角度(リクライニング角度)が調整可能になっている。なお、図8に示されるように、シートクッションフレーム14及びシートバックフレーム18には、それぞれシートパッドが取り付けられると共に、各シートパッドの表面が図示しないシート表皮によって覆われている。
(オットマン装置20について)
図3に示されるように、オットマン装置20は、着座乗員の脚部を支えるためのオットマン本体70と、作動することでオットマン本体70を脚載せ位置に配置させるリンク機構22と、を含んで構成されている。また、図8及び図9に示されるように、オットマン装置20は、リンク機構22(図8及び図9では、不図示)をシート幅方向外側から覆う左右一対のカバー機構130を備えている。以下、リンク機構22及びオットマン本体70について説明し、カバー機構130の構成ついては、後述する。
(リンク機構22について)
図1、図3〜図6に示されるように、リンク機構22は、リンク機構22のシート幅方向両側部分を構成する左右一対のリンク機構部24と、リンク機構部24を作動させるためのリンク駆動部50と、を含んで構成されている。また、左右一対のリンク機構部24は、ベースブラケット26と、駆動リンク28と、可動リンク32と、第1中間リンク34と、第2中間リンク36と、従動リンク38と、をそれぞれ有すると共に、シート幅方向に並んで配置されている。
ベースブラケット26は、金属の板材等によって製作されて、シート幅方向を板厚方向とした略T字形板状に形成されている。左右一対のベースブラケット26の間には、後述するスライド機構80を構成する第1ブラケット82が架け渡されており、左右一対のベースブラケット26が第1ブラケット82によって連結されている。また、左右一対のベースブラケット26の間には、第1ブラケット82のシート下側の位置において、後述するスライド機構80におけるスライド駆動部110を構成する丸棒状の「ロッド」としての第1ロッド52(図4〜図6参照)が設けられている。この第1ロッド52は、シート幅方向を軸方向として配置されており、第1ロッド52の長手方向両端部が、左右一対のベースブラケット26に接合されている。そして、ベースブラケット26が、後述するスライド機構80によって、シートクッションフレーム14に連結されている。
図1に示されるように、ベースブラケット26のシート幅方向外側には、後述するカバー機構130の固定カバー132を固定するためのワイヤ44が溶接等によって固定されている。このワイヤ44は、側面視で、シート上側へ一部開放された略矩形枠状に形成されている。そして、ワイヤ44の前端部を構成する部分が前側ワイヤ部44Fとされており、前側ワイヤ部44Fはシート上下方向に延在されている。また、前側ワイヤ部44Fの上端からシート後側へ延出された部分が上側ワイヤ部44Uとされており、前側ワイヤ部44Fの下端からシート後側へ延出された部分が下側ワイヤ部44Lとされている。さらに、下側ワイヤ部44Lの後端からシート上側へ延出された部分が後側ワイヤ部44Rとされている。
また、図1及び図3に示されるように、ベースブラケット26とワイヤ44との間には、後述するカバー機構130の固定カバー132を固定するための第1固定ブラケット46が設けられている。第1固定ブラケット46は、シート幅方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されており、第1固定ブラケット46の外周部が、下側ワイヤ部44Lと後側ワイヤ部44Rに溶接等によって固定されている。また、第1固定ブラケット46の略中央部には、シート幅方向に貫通された固定ネジ部46Aが形成されており、固定ネジ部46Aの内周面に雌ネジが形成されている。
図1、図3〜図6に示されるように、駆動リンク28は、略長尺板状に形成されて、シート幅方向を板厚方向にしてベースブラケット26のシート幅方向内側に配置されている。そして、駆動リンク28の長手方向一端部が、シート幅方向を軸方向としたリンクピンLPによって、ベースブラケット26の前端部に回転可能に連結されている。また、左右一対の駆動リンク28の間には、中空丸棒状の連結ロッド30が設けられている。連結ロッド30は、シート幅方向を軸方向として配置されており、連結ロッド30の長手方向両端部が、左右一対の駆動リンク28の長手方向他端部に接合されている。
駆動リンク28の長手方向他端部には、後述するカバー機構130の可動カバー180を固定するための略長尺板状の第2固定ブラケット48が設けられている。この第2固定ブラケット48は、その長手方向両端部が互いに反対側へ屈曲された略クランク状に形成されている。そして、第2固定ブラケット48の基端部が、駆動リンク28のシート幅方向内側面に接合されており、第2固定ブラケット48が駆動リンク28からシート幅方向外側へ延出されている。また、第2固定ブラケット48の先端部における略中央部には、シート幅方向に貫通された固定ネジ部48Aが形成されており、固定ネジ部48Aの内周面に雌ネジが形成されている。
可動リンク32は、略長尺板状に形成されて、シート幅方向を板厚方向としてベースブラケット26のシート幅方向外側に配置されている。そして、可動リンク32の長手方向一端部が、リンクピンLPのシート下側の位置において、ベースブラケット26にシート幅方向を軸方向として回転可能に連結されている。
第1中間リンク34は、略長尺板状に形成されて、シート幅方向を板厚方向にして駆動リンク28のシート幅方向外側に配置されている。また、第1中間リンク34の長手方向一端部が、駆動リンク28の長手方向他端部にシート幅方向を軸方向として回転可能に連結されている。そして、第1中間リンク34の長手方向一端部における回転軸線が、連結ロッド30の軸線と同軸上に配置されている(図5参照)。
第2中間リンク36は、略長尺板状に形成されて、シート幅方向を板厚方向にして駆動リンク28のシート幅方向外側に配置されている。そして、第2中間リンク36の長手方向中間部が、駆動リンク28の長手方向中間部にシート幅方向を軸方向として回転可能に連結されている。また、第2中間リンク36の長手方向一端部は、前述した可動リンク32の長手方向他端部にシート幅方向を軸方向として回転可能に支持されている。
従動リンク38は、略長尺板状に形成されて、シート幅方向を板厚方向にして第1中間リンク34及び第2中間リンク36のシート幅方向外側に配置されている。そして、従動リンク38の長手方向中間部に、第1中間リンク34の長手方向他端部がシート幅方向を軸方向として回転可能に支持されている。また、従動リンク38の長手方向一端部に、第2中間リンク36の長手方向他端部がシート幅方向を軸方向として回転可能に支持されている。
そして、図2に示される第1格納位置では、リンク機構部24が、折畳まれた状態で、シートクッションフレーム14のシート前側に配置されている。また、駆動リンク28がリンクピンLPの軸回り一方側(図2の矢印C方向側)へ回転されると、リンク機構部24が、シート前側に展開されるようになっている(図3参照)。なお、図3では、オットマン装置20が、後述するスライド機構80によってシート前側へスライドされた状態として図示されている。
図1に示されるように、左右一対の従動リンク38の間には、後述するオットマン本体70を支持するための第1支持プレート40及び第2支持プレート42が架け渡されている。具体的には、第1支持プレート40は、左右一対の従動リンク38の長手方向一端部の間に架け渡されており、第2支持プレート42が、左右一対の従動リンク38の長手方向他端部の間に架け渡されている。
(リンク駆動部50について)
図4及び図6に示されるように、リンク駆動部50は、前述した第1ロッド52と、リンクモータユニット60と、リンクモータユニット60を駆動リンク28に連結させるための第2ロッド58と、を含んで構成されている。また、リンク駆動部50は、駆動リンク28をベースブラケット26に対して相対回転させるためのリンク用送りねじ64を有している。すなわち、リンク駆動部50は、所謂送りねじ機構として構成されている。
第1ロッド52は、前述のように、左右一対のベースブラケット26に架け渡されている。この第1ロッド52の長手方向中央部には、後述するリンク用送りねじ64を第1ロッド52に連結させるための第1連結ブラケット54が設けられている。第1連結ブラケット54は、シート上側へ開放された略U字形状に形成されており、第1連結ブラケット54の先端部が、シート前側へ突出されて、第1ロッド52に固定されている。また、第1連結ブラケット54内には、「リンク用支持部材」としてのリンク用ナット56が設けられており、リンク用ナット56は第1連結ブラケット54にシート幅方向を軸方向として軸支されている。また、リンク用ナット56の中央部には、貫通孔が形成されており、貫通孔はシート幅方向に対して直交する方向に貫通されている。そして、貫通孔の内周部に雌ネジが形成されている。
第2ロッド58は、中空丸棒状とされて、シート幅方向を軸方向として、左右一対の駆動リンク28の間に配置されている。そして、第2ロッド58の長手方向両端部が、左右一対の駆動リンク28の長手方向中間部に固定されている。また、第2ロッド58には、リンクモータユニット60を軸支するためのリンク用モータブラケット59が固定されている。
リンクモータユニット60は、リンク用モータブラケット59にシート幅方向を軸方向として回転可能に支持されている。また、リンクモータユニット60は、リンク用モータ62を有しており、リンク用モータ62は、後述するリンク用送りねじ64に連結されている。また、リンク用モータ62には、制御部66(図3参照)が電気的に接続されており、制御部66の制御によってリンク用モータ62が作動する構成になっている。
リンク用送りねじ64は、略丸棒状に形成されて、シート幅方向に対して直交する方向を軸方向として、リンク用ナット56とリンクモータユニット60との間に配設されている。このリンク用送りねじ64の長手方向一端部は、リンクモータユニット60内に配置されて、リンクモータユニット60に回転可能に支持されると共に、リンク用モータ62に連結されている。これにより、リンク用モータ62が作動することで、リンク用送りねじ64が自身の軸回りに正回転又は逆回転するように構成されている。また、リンク用送りねじ64の外周部には、雄ネジが形成されている。そして、リンク用送りねじ64の長手方向他端側において、リンク用送りねじ64がリンク用ナット56に螺合されている。
これにより、リンク用モータ62の作動によってリンク用送りねじ64が正回転又は逆回転すると、リンク用送りねじ64が自身の軸方向においてリンク用ナット56に対して相対移動するようになっている。ここで、リンク用ナット56は、第1ロッド52に相対移動不能に連結されている。このため、リンク用送りねじ64がリンク用ナット56に対して軸方向に相対移動すると、第2ロッド58が第1ロッド52に対して相対移動するようになっている。具体的には、リンク用送りねじ64が正回転すると、リンク用送りねじ64がリンク用ナット56から伸長されるようにリンク用ナット56に対して相対移動する。これにより、リンクモータユニット60及び第2ロッド58が第1ロッド52に対してシート前側へ変位すると共に、駆動リンク28がリンクピンLPの軸回り(図2の矢印C方向側)に回動されて、リンク機構部24が展開するようになっている。一方、リンク用送りねじ64が逆回転すると、リンク用送りねじ64がリンク用ナット56側へ後退するようにリンク用ナット56に対して相対移動する。これにより、リンクモータユニット60及び第2ロッド58が第1ロッド52に対してシート後側へ変位すると共に、駆動リンク28がリンクピンLPの軸回り(図2の矢印D方向側)に回動されて、リンク機構部24が折畳まれるようになっている。
(オットマン本体70について)
図2及び図3に示されるように、オットマン本体70は、第1支持プレート40及び第2支持プレート42の表面側に配置されている。このオットマン本体70は、ウレタン等の発泡材によって製作された脚載せパッド72を有しており、脚載せパッド72が、図示しないフィニッシャを介して第1支持プレート40及び第2支持プレート42に支持されている。さらに、脚載せパッド72の表面側には、トリムが設けられており、トリムによって脚載せパッド72が覆われている。また、図9に示されるように、オットマン本体70は、左右一対のオットマンカバー部74を有している。このオットマンカバー部74は、シート幅方向を板厚方向とした略扇形板状に形成されており、後述するカバー機構130の可動カバー180の一部をシート幅方向外側から覆うようになっている。
そして、図2に示されるように、オットマン本体70が第1格納位置に配置されたときには、オットマン本体70は、シートクッションフレーム14のシート前側の位置において、側面視でシート下側へ向かうに従いシート後側へ若干傾斜して配置されるように設定されている。
一方、図3に示されるように、オットマン本体70が、後述するスライド機構80によって第1格納位置から第2格納位置へスライドして、第2格納位置から脚載せ位置に回動されるときには、リンク機構22によって、オットマン本体70が、シート前側へ移動しつつ、シート上側に跳ね上げられるように回動するように構成されている。
(スライド機構80について)
図1、図4、及び図6に示されるように、スライド機構80は、オットマン装置20に設けられた第1ブラケット82と、シートクッションフレーム14に設けられた第2ブラケット90と、「スライダ」としてのスライドボルト98と、を含んで構成されている。また、スライド機構80は、スライド機構80を作動させるためのスライド駆動部110(図4及び図6参照)を有している。そして、オットマン装置20が、スライド機構80によってシートクッションフレーム14にスライド可能に連結されている。以下、スライド機構80の各構成について説明する。
(第1ブラケット82について)
図1及び図5に示されるように、第1ブラケット82は、金属の板材等によって構成されている。この第1ブラケット82は、シート幅方向に延在されると共に、シート左側から見た側面視で略L字形に形成されている。具体的には、第1ブラケット82は、シート上下方向を板厚方向として配置された略矩形板状のスライドプレート84と、スライドプレート84の前端部からシート上側へ延出されたフロントプレート86と、を含んで構成されている。そして、スライドプレート84の前端部とフロントプレート86の下端部とが溶接等によって接合されている。また、第1ブラケット82は、左右一対のベースブラケット26の間で且つ第1ロッド52(図5参照)のシート上側に配置されており、第1ブラケット82の長手方向両端部が、左右一対のベースブラケット26に溶接等によって接合されている。これにより、ベースブラケット26が第1ブラケット82によっても連結される構成になっており、第1ブラケット82がオットマン装置20と相対移動不能に構成されている。なお、本実施の形態では、第1ブラケット82が、別体のスライドプレート84とフロントプレート86とによって構成されているが、第1ブラケット82を一体部品として構成してもよい。
スライドプレート84の上面には、対を成すウェルドナット88F、88Rが、シート上下方向を軸方向として固定されている。このウェルドナット88F、88Rは、スライドプレート84のシート幅方向両端側の部分に、それぞれ配置されている。そして、対を成すウェルドナット88F、88Rが、シート前後方向に離間して配置されている。換言すると、前後一対のウェルドナット88F、88Rが、シート幅方向に並んで配置されている。また、スライドプレート84のシート左側部に配置された前後一対のウェルドナット88F、88Rと、スライドプレート84のシート右側部に配置された前後一対のウェルドナット88F、88Rとは、スライドプレート84のシート幅方向中心線に対して左右対称の位置に配置されている。そして、スライドプレート84には、ウェルドナット88F、88Rに対応する位置において、貫通孔が形成されている。
また、図5に示されるように、シート上下方向から見て、シート前側に配置されたウェルドナット88Fと、シート後側に配置されたウェルドナット88Rと、の間に、第1ロッド52が配置されるように、シート前後方向におけるウェルドナット88F、88Rの位置が設定されている。
(第2ブラケット90について)
図7(A)に示されるように、第2ブラケット90は、金属の板材等によって構成されている。また、第2ブラケット90は、ベースプレート92と、支持プレート94と、ベースプレート92及び支持プレート94を連結する複数(本実施の形態では4箇所)の連結プレート100と、を含んで構成されている。
ベースプレート92は、シート幅方向を長手方向とする略矩形板状に形成されて、シート上下方向を板厚方向として配置されている。ベースプレート92のシート幅方向両端側の部分には、シート下側且つシート幅方向外側へ略クランク状に屈曲されたクランク部92Aが形成されている。また、ベースプレート92のシート幅方向両端部には、それぞれ前後一対の溶接用溝部92Bが貫通形成されている。この前後一対の溶接用溝部92Bは、シート前後方向に延在されると共に、シート前後方向に並んで配置されている。そして、図6に示されるように、ベースプレート92のシート幅方向両端部が、シートクッションフレーム14におけるサイドフレーム16のシート下側に配置されて、溶接用溝部92Bの位置において、サイドフレーム16のフランジ部16Aに溶接等によって接合されている。これにより、第2ブラケット90が、左右一対のサイドフレーム16に架け渡されている。
図6及び図7(B)に示されるように、ベースプレート92の前端部には、シート下側へ折り曲げられた左右一対の「折曲部」としてのベースフランジ92Cが形成されている。このベースフランジ92Cは、左右一対のクランク部92Aの間に位置において、シート幅方向に並んで配置されている。
図7(A)に示されるように、支持プレート94は、略矩形板状に形成されると共に、シート上下方向を板厚方向として、ベースプレート92のシート前側で且つシート上側に配置されている。そして、支持プレート94が、後述する連結プレート100によってベースプレート92に連結されている。また、支持プレート94は、シートクッションフレーム14のおけるサイドフレーム16の前端部の間において、スライドプレート84のシート下側に配置されている(図1参照)。さらに、支持プレート94のシート幅方向中心線と、ベースプレート92のシート中心線と、が一致するように、シート幅方向における支持プレート94の位置が設定されている。
図1及び図5に示されるように、支持プレート94の前端部には、支持フロントプレート96が設けられている。支持フロントプレート96は、シート幅方向を長手方向とした略長尺板状に形成されると共に、シート前後方向を板厚方向として配置されており、支持フロントプレート96の上端部が、支持プレート94の前端部に溶接等によって接合されている。なお、本実施の形態では、支持プレート94と支持フロントプレート96とが別体の部材で構成されているが、支持プレート94と支持フロントプレート96を単一の部材で構成してもよい。すなわち、支持プレート94の前端部をシート下側へ折り曲げて、支持フロントプレート96としてもよい。
また、図7(A)に示されるように、支持プレート94には、シート幅方向両端側の部分において、シート前後方向に延在された左右一対の長孔94Aが形成されている。長孔94Aは、前述した前後方向に対を成すウェルドナット88F、88R(図1参照)に対応する位置に配置されている。また、長孔94Aの延在長さは、前後一対のウェルドナット88F、88Rの離間距離よりも長く設定されている。さらに、図1及び図5に示されるように、長孔94Aの内周部には、樹脂製のカラー95が一体に設けられている。このカラー95は、当該長孔の形状に対応した枠状に形成されて、長孔94Aの内周面を被覆すると共に、支持プレート94の上面よりもシート上側へ若干突出されている。これにより、支持プレート94には、カラー95の内側部分において、シート前後方向に延在された左右一対のスライド溝95Aが貫通形成されている。
左右一対のスライド溝95A内には、それぞれシート前後方向に対を成すスライドボルト98が、シート下側から挿入されている。このスライドボルト98は、段付ボルトとして構成されている。すなわち、スライドボルト98は、頭部98Aと、頭部98Aからシート上側へ延出された円柱状のボルト本体98Bと、ボルト本体98Bの上端からシート上側へ延出されたネジ部98Cと、を含んで構成されている。そして、スライドボルト98が、ワッシャWを介してシート下側からスライド溝95A内に挿入されて、スライドボルト98のネジ部98Cが、前述したウェルドナット88F、88Rにそれぞれ螺合されている。また、スライドボルト98がウェルドナット88F、88Rに螺合された状態では、ボルト本体98Bの上端が、カラー95よりもシート上側へ若干突出されるように設定されている。これにより、ボルト本体98Bがスライド溝95Aの内部をシート前後方向にスライドするように構成されている。換言すると、オットマン装置20(のベースブラケット26)に連結された第1ブラケット82が、支持プレート94にスライドボルト98によってシート前後方向にスライド可能に連結されると共に、支持プレート94によってシート下側から支持されている。
そして、以下の説明では、スライド機構80において、シート後側のスライドボルト98がスライド溝95Aの後端部に配置された位置を初期位置と称し、シート前側のスライドボルト98がスライド溝95Aの前端部に配置された位置をスライド位置(図5に示される位置)と称する。また、オットマン装置20の格納状態では、スライド機構80の初期位置においてオットマン本体70が第1格納位置に配置され、スライド機構80のスライド位置においてオットマン本体70が第2格納位置に配置されるようになっている。さらに、スライド機構80では、第1ブラケット82のスライド量(初期位置からスライド位置まで距離)が、一例として70mmに設定されている。
図5及び図7(A)に示されるように、連結プレート100は、略長尺板状に形成されて、支持プレート94のシート下側において、支持プレート94の前端から後端に亘ってシート前後方向に延在されている。具体的には、連結プレート100は、シート幅方向を板厚方向として、支持プレート94のスライド溝95Aに対してシート幅方向両側に配置されている。また、スライド溝95Aに対してシート幅方向外側に配置された連結プレート100は、支持プレート94のシート幅方向両端部のシート下側に配置されている。そして、連結プレート100の前端が支持フロントプレート96の後面に溶接等によって接合されると共に、連結プレート100の上端が支持プレート94の下面に溶接等によって接合されている。
連結プレート100の後端部は連結部100Aとされており、連結部100Aは、支持プレート94からシート後側へ突出されると共に、側面視でシート後側へ向かうに従いシート下側へ傾斜されている。図7(B)に示されるように、連結部100Aにおける下端部には、シート下側且つシート後側へ開放された切欠き部100Bが形成されている。そして、切欠き部100Bがベースプレート92の上面及びベースフランジ92Cの前面に溶接等によって結合されている。これにより、連結プレート100の後端部(連結部100A)がベースプレート92によってシート下側且つシート後側から支持される構成になっている。
(スライド駆動部110について)
図4及び図6に示されるように、スライド駆動部110は、前述した第1ロッド52と、スライドモータユニット116と、第1ロッド52をシートクッションフレーム14に対してシート前後方向にスライドさせるためのスライド用送りねじ122と、を含んで構成されている。すなわち、スライド駆動部110が、所謂送りねじ機構として構成されている。さらに、前述した第1ロッド52が、スライド駆動部110及びリンク駆動部50において、共通に用いられる共用部品として構成されている。
第1ロッド52は、前述したように、リンク機構部24における左右一対のベースブラケット26に架け渡されている。この第1ロッド52には、後述するスライド用送りねじ122を第1ロッド52に連結させるための第2連結ブラケット112が設けられており、第2連結ブラケット112は、前述した第1連結ブラケット54に対してシート左側に配置されている。第2連結ブラケット112は、シート上側へ開放された略U字形状に形成されており、第2連結ブラケット112の先端部が、第1ロッド52に固定されている。また、第2連結ブラケット112内には、「スライド用支持部材」としてのスライド用ナット114が設けられている。スライド用ナット114は、第2連結ブラケット112にシート幅方向を軸方向として軸支されている。また、スライド用ナット114の内側には、シート前後方向に貫通された貫通孔が形成されており、貫通孔の内周部には、雌ネジが形成されている。
スライドモータユニット116は、スライド用ナット114のシート後側に配置されると共に、スライド用モータブラケット120を介してベースプレート92の下面に固定されている。このスライドモータユニット116は、スライド用モータ118を有しており、スライド用モータ118は、後述するスライド用送りねじ122に連結されている。また、スライド用モータ118には、前述した制御部66(図3参照)が電気的に接続されており、制御部66の制御によってスライド用モータ118が作動する構成になっている。
スライド用送りねじ122は、略丸棒状に形成されて、シート前後方向に延在されている。スライド用送りねじ122の後端部(一端部)は、スライドモータユニット116内に配置されて、スライドモータユニット116に回転可能に支持されると共に、スライド用モータ118に連結されている。これにより、スライド用モータ118が作動することで、スライド用送りねじ122が自身の軸回りに正回転又は逆回転するように構成されている。また、スライド用送りねじ122の外周部には、雄ネジが形成されている。そして、スライド用送りねじ122の前端側(他端側)の部分が、スライド用ナット114に螺合されている。
これにより、スライド用モータ118の作動によってスライド用送りねじ122が正回転又は逆回転することで、スライド用ナット114(第1ロッド52)がスライド用送りねじ122に対してシート前後方向に相対移動するようになっている。具体的には、スライド用送りねじ122が正回転すると、スライド用ナット114(第1ロッド52)がスライド用送りねじ122に対してシート前側へ相対移動するように構成されている。一方、スライド用送りねじ122が逆回転すると、スライド用ナット114(第1ロッド52)がスライド用送りねじ122に対してシート後側へ相対移動するように構成されている。これにより、スライド機構80の作動によって、第1ブラケット82(すなわち、オットマン装置20)が、第2ブラケット90(すなわち、シートクッションフレーム14)に対してシート前後方向にスライドするように構成されている。
また、図3に示されるように、車両用シート10には、オットマン装置20及びスライド機構80を作動させるための操作部68が設けられており、操作部68は、制御部66に電気的に接続されている。この操作部68は、例えば、オットマン装置20を使用するときに操作される使用ボタンと、オットマン装置20を格納させるときに操作される格納ボタンと、を有している。そして、着座乗員が使用ボタンを操作すると、スライド機構80が作動して、スライド機構80の作動後にオットマン装置20のリンク機構22が作動するようになっている。これにより、オットマン本体70が、第1格納位置から第2格納位置に配置され、第2格納位置から脚載せ位置に配置されるようになっている。一方、着座乗員が格納ボタンを操作すると、オットマン装置20のリンク機構22が作動して、リンク機構22の作動後にスライド機構80が作動するようになっている。これにより、オットマン本体70が脚載せ位置から第2格納位置に配置され、第2格納位置から第1格納位置に配置されるようになっている。
次に、本発明の要部であるカバー機構130について説明する。カバー機構130は、オットマン装置20のシート幅方向両側部分を構成している。そして、カバー機構130によって、オットマン装置20のリンク機構部24をシート幅方向外側から覆うように構成されている。また、シート左側に配置されたカバー機構130と、シート右側に配置されたカバー機構130と、では、左右対称に構成されている。このため、以下の説明では、シート左側に配置されたカバー機構130について説明して、シート右側に配置されたカバー機構130の説明は省略する。
図9に示されるように、カバー機構130は、固定カバー132と、中間カバー160と、可動カバー180と、の3枚にカバーを含んで構成されている。これらカバーは、本実施の形態では、樹脂材によって構成されている。なお、これらカバーの樹脂材は、特に規定していないが、例えば、ナイロンや繊維強化樹脂等としてもよい。なお、これらカバーをアルミニウム合金等で構成してもよい。
また、図8に示されるオットマン装置20の非作動状態(図8では、第1格納位置)では、固定カバー132、中間カバー160、及び可動カバー180が、側面視で重なるように配置されている。そして、以下、カバー機構130のこの状態を非展開状態と称し、非展開状態におけるカバー機構130の位置が、本発明の格納位置に対応している。一方、図9に示されるオットマン装置20の作動状態(脚載せ位置)では、固定カバー132及び中間カバー160が、固定カバー132に対してシート前側へ展開されるようになっている。そして、以下、カバー機構130のこの状態を展開状態と称し、展開状態におけるカバー機構130の位置が、本発明の脚載せ位置に対応している。また、以下の説明では、図13に示される、カバー機構130における可動カバー180の位置(換言すると、オットマン装置20(リンク機構22)の作動途中の位置)を中間位置と称する。以下、カバー機構130の各構成について説明する。
(固定カバー132について)
図10及び図11に示されるように、固定カバー132は、シート幅方向を板厚方向とした略扇形板状に形成されて、リンク機構部24におけるベースブラケット26(図15参照)のシート幅方向外側に配置されている。固定カバー132は、リンク機構部24におけるリンクピンLP(図10及び図11では不図示)の軸線ALを中心とする略円形状に形成された基端部132Aと、基端部132Aからシート下側斜め後方に略扇形状に延出されたカバー部132Bと、を含んで構成されており、基端部132Aの前半分が、カバー部132Bに対してシート前側へ突出されている。また、カバー部132Bの前面は、基端部132Aの外周面からシート下側へ延出されており、カバー部132Bの後面は、基端部132Aの外周面に接し且つ当該外周面からシート下側斜め後方へ延出されている。さらに、カバー部132Bの先端は、側面視で基端部132Aの中心線(前述したリンクピンLPの軸線AL)を中心とした円弧状に形成されている。
図11に示されるように、カバー部132Bの基端側の部分には、シート幅方向内側面において、第1係止爪134が一体に形成されている。この第1係止爪134は、側面視で、略逆L字形状に形成されている。具体的には、第1係止爪134は、シート上下方向を板厚方向として固定カバー132からシート幅方向内側へ突出された第1側壁134Aと、第1側壁134Aの前端部においてシート下側へ屈曲された第2側壁134Bと、を有している。また、第1係止爪134は、第1側壁134Aの先端部からシート下側へ延出された第1頂壁134Cと、第2側壁134Bの先端部からシート後側へ延出された第2頂壁134Dと、を有している。そして、リンク機構部24におけるワイヤ44(図1参照)の前側ワイヤ部44Fと上側ワイヤ部44Uとの間の屈曲部分が、第1係止爪134の内部に配置されて、第1係止爪134がワイヤ44に係止されている。
また、カバー部132Bの先端側(下端側)の部分には、シート幅方向内側面において、第2係止爪136が一体に形成されている。この第2係止爪136は、シート上下方向を板厚方向として固定カバー132からシート幅方向内側へ突出された側壁136Aと、側壁136Aの先端部からシート下側へ延出された頂壁136B、を含んで構成されている。そして、リンク機構22におけるワイヤ44(図1参照)の下側ワイヤ部44Lが、第2係止爪136の内部に配置されて、第2係止爪136がワイヤ44に係止されている。
さらに、カバー部132Bには、第2係止爪136のシート後側の位置において、固定カバー132をベースブラケット26に固定するためのカバー固定部138が一体に形成されている。このカバー固定部138は、固定カバー132からシート幅方向内側へ突出された、底の浅い略有底円筒状に形成されると共に、ベースブラケット26の第1固定ブラケット46(図1参照)に対応する位置に配置されている。カバー固定部138の底壁の中央部には、貫通孔138Aが形成されており、貫通孔138A内に、図示しないネジが、シート幅方向外側から挿入されて、固定ネジ部46Aに螺合されている。これにより、固定カバー132が、ワイヤ44及び第1固定ブラケット46を介してベースブラケット26に固定されている。
図10に示されるように、固定カバー132の基端部132Aには、後述するトーションバネ200を収容するための第1収容部140が形成されている。この第1収容部140は、シート幅方向内側へ突出された、底の浅い略有底円筒状に形成されている。また、基端部132Aには、第1収容部140の径方向外側において、後述する中間カバー160のバネ係止部168を収容するための第2収容部142が形成されている。この第2収容部142は、側面視で、第1収容部140の周方向に沿って延在され、固定カバー132からシート幅方向内側へ突出されると共に、シート幅方向外側へ開放された凹状に形成されている。そして、第2収容部142の内部と第1収容部140の内部とが連通されている。
また、第1収容部140の底壁における中央部には、略円筒状の支持軸144が一体に形成されている。図15にも示されるように、支持軸144は、第1収容部140の底壁からシート幅方向外側へ突出されると共に、前述したリンク機構部24のリンクピンLPと同軸上に配置されている。そして、支持軸144の内部には、六角ナット146(図15参照)が、インサート成形等によって一体に設けれており、六角ナット146は、リンクピンLPと同軸上に配置されている。
図11に示されるように、固定カバー132の基端部132Aには、シート幅方向内側面において、後述するトーションバネ200の一端部を係止するための係止溝148が形成されている。この係止溝148は、第1収容部140の径方向に沿って延在されており、係止溝148の基端部が、第1収容部140の内部と連通されている。換言すると、第1収容部140には、第1収容部140の内部と係止溝148の内部とを連通する連通孔150が形成されている。そして、第1収容部140内に、「付勢部材」としてのトーションバネ200が収容されており、トーションバネ200が支持軸144に軸支されている。また、トーションバネ200の一端部は、連通孔150を介して係止溝148内に収容されて、係止溝148に係止されている(図15参照)。
図10に示されるように、固定カバー132には、第1収容部140の径方向外側の位置において、シート幅方向外側へ突出された環状リブ152が一体に形成されており、環状リブ152は、一部開放された(詳しくは、第2収容部142の部分において開放された)略円環状に形成されている。また、固定カバー132には、第1収容部140の径方向外側の位置において、「第2突起」としての固定側ボス154が一体に形成されており、固定側ボス154は、シート幅方向外側へ突出された円柱状に形成されている。
さらに、カバー部132Bのシート幅方向外側面には、先端側の位置において、一対の突出部156が一体に形成されている。突出部156は、カバー部132Bの前面側の縁部に配置されると共に、シート上下方向に離間して配置されている。また、突出部156は、略半球状に形成されており、突出部156の突出高さが、環状リブ152の突出高さと同一に設定されている。
(中間カバー160について)
図10及び図11に示されるように、中間カバー160は、シート幅方向を板厚方向とした略扇形板状に形成されて、固定カバー132のシート幅方向外側に配置されている。中間カバー160の外形は、固定カバー132の外形と同一形状に設定されている。すなわち、中間カバー160は、基端部160Aと、基端部160Aからシート下側斜め後方に略扇形状に延出されたカバー部160Bと、を含んで構成されている。そして、カバー機構130の非展開状態では、側面視で中間カバー160の全体と固定カバー132の全体とが重なるように配置されている(図12参照)。
中間カバー160の基端部160Aにおける中央部には、円形状の支持孔162が貫通形成されている。そして、固定カバー132の支持軸144が支持孔162内に挿入されて、中間カバー160が支持軸144に回動可能に軸支されている(図15参照)。これにより、中間カバー160が、リンクピンLPの軸線ALを回動中心として、回動方向一方側(図10及び図11の矢印C方向側)及び回動方向他方側(図10及び図11の矢印D方向側)に回動可能に固定カバー132に連結されている。また、図10及び図15に示されるように、基端部160Aのシート幅方向外側面には、支持孔162の周囲において、シート幅方向外側へ開放された収容凹部164が形成されており、収容凹部164は、支持孔162の周方向に沿った円環状に形成されている。
図10及び図11に示されるように、基端部160Aには、支持孔162の径方向外側において、対を成す第1溝166A及び第2溝166Bが貫通形成されている。この第1溝166Aは支持孔162のシート前側に配置されており、第2溝166Bは支持孔162のシート後側に配置されている。また、第1溝166A及び第2溝166Bは、支持孔162を中心とする略円弧状に湾曲されて、支持孔162の周方向に沿って延在されている。さらに、第1溝166Aの下端部が、第1溝166Aの一端部166A1とされており、第1溝166Aは、一端部166A1から回動方向一方側へ延出されている。一方、第2溝166Bの下端部は、第2溝166Bの一端部166B1とされており、第2溝166Bは、一端部166B1から回動方向他方側へ延出されている。
そして、第2溝166Bの内部には、前述した固定カバー132の固定側ボス154が挿入されており、カバー機構130の非展開状態では、第2溝166Bの一端部166B1に、固定側ボス154が配置されている(図12参照)。
図11に示されるように、基端部160Aにおけるシート幅方向内側面には、支持孔162のシート下側の位置において、バネ係止部168が一体成形されており、バネ係止部168は、側面視でシート前側斜め下方に沿って延在されている。また、バネ係止部168の長手方向から見て、バネ係止部168の先端部がシート上側へ屈曲されている。さらに、バネ係止部16は、固定カバー132の第2収容部142内に収容されている。そして、トーションバネ200の他端部が、バネ係止部168に係止されており、中間カバー160がトーションバネ200によって回動方向他方側へ付勢されている。これにより、カバー機構130の非展開状態では、第2溝166Bの一端部166B1が、固定側ボス154に係合されて、中間カバー160の回動方向他方側への回動が制限されている。すなわち、中間カバー160が非展開状態に保持されるようになっている。
図10及び図11に示されるように、カバー部160Bの先端部には、シート幅方向外側面において、「被係合部」としてのポケット部170が一体に形成されている。このポケット部170は、側面視で略矩形状を成すと共に、シート後側へ開放されたポケット状に形成されて、カバー部160Bの前面に近接して配置されている。また、ポケット部170の頂壁170Aには、シート後側へ開放された略U字形状の係合溝170Bが貫通形成されている。
そして、中間カバー160が固定カバー132に組み付けられた状態では、固定カバー132における環状リブ152及び突出部156が、中間カバー160のシート幅方向内側面に当接されるようになっている。
(可動カバー180)
図10及び図11に示されるように、可動カバー180は、リンクピンLPの軸線ALを中心とする略扇形板状に形成されて、シート幅方向を板厚方向として、中間カバー160のシート幅方向外側に配置されている。そして、可動カバー180は、リンクピンLPの軸線ALの周囲に配置された基端部180Aと、基端部180Aからシート下側斜め後方に略扇形状に延出されたカバー部180Bと、を含んで構成されている。また、図12に示されるように、側面視で、カバー部180Bの前面は、シート上下方向に延在されており、カバー部180Bの後面は、シート下側斜め後方に沿って延在されている。そして、基端部180Aの上側の外周面は、側面視でリンクピンLPの軸線ALを中心とする円弧状に形成されると共に、カバー部180Bの前面及び後面に接している。より具体的には、基端部180Aにおける上側外周面の半径が、固定カバー132の基端部132A及び中間カバー160の基端部160Aの半径と同一寸法に設定されている。そして、カバー機構130の非展開状態では、中間カバー160及び固定カバー132の後端側の部分を除いて、可動カバー180と、中間カバー160及び固定カバー132と、がシート幅方向に重なるように設定されている。
また、カバー部180Bの先端部には、前面側の部分において、シート下側へ張出された張出部180Cが形成されている。この張出部180Cは、側面視で略台形状に形成されて、張出部180Cの外周部が可動カバー180の先端部に滑らかに接続されている。
図11に示されるように、可動カバー180の基端部180Aには、シート幅方向内側へ突出された、底の浅い略有底円筒状を成す取付部182が一体に形成されている。この取付部182は、固定カバー132の支持軸144と同軸上に配置されており、取付部182のシート幅方向内側部分が、中間カバー160の収容凹部164内に回動可能に収容されている(図15参照)。また、取付部182の底壁には、取付孔182Aが貫通形成されており、取付孔182Aは、固定カバー132の支持軸144と同軸上に配置されている。そして、図15に示されるように、取付孔182A内に、「連結軸」としての連結ボルト202が挿入されて、当該連結ボルト202が六角ナット146に螺合されることで、可動カバー180が、固定カバー132に回動可能に連結されている。すなわち、連結ボルト202の軸線がリンクピンLPの軸線ALと一致しており、可動カバー180が、リンクピンLPの軸線ALを回動中心として、固定カバー132に回動可能に連結されている。
なお、連結ボルト202は、所謂段付ボルトとして構成されている。すなわち、連結ボルト202は、頭部202Aと、頭部202Aからシート幅方向内側へ突出された円柱状のボルト本体202Bと、ボルト本体202Bからシート幅方向内側へ突出されたネジ部202Cと、を含んで構成されている。また、ボルト本体202Bの軸長さが、取付部182の底壁の厚みよりも長く設定されている。そして、ネジ部202Cが六角ナット146に螺合されて、ボルト本体202Bの先端面が支持軸144の先端面に当接されるようになっている。
図10及び図11に示されるように、カバー部180Bの張出部180Cには、前述した駆動リンク28(図1参照)に可動カバー180を固定するためのカバー固定部184が一体に形成されている。このカバー固定部184は、可動カバー180からシート幅方向内側へ突出された、底の浅い略有底円筒状に形成されると共に、駆動リンク28の第2固定ブラケット48(図1参照)に対応する位置に配置されている。カバー固定部184の底壁の中央部には、貫通孔184Aが形成されており、貫通孔184A内に、図示しないネジが、シート幅方向外側から挿入されて、固定ネジ部48Aに螺合されている。このため、可動カバー180が、第2固定ブラケット48を介して駆動リンク28に固定されている。これにより、可動カバー180が、リンクピンLP(連結ボルト202)の軸回りに、駆動リンク28と一体回動可能に構成されている。
図11に示されるように、可動カバー180の基端部180Aには、取付部182の径方向外側の位置において、シート幅方向内側へ突出された環状リブ186が一体に形成されており、環状リブ186は略円環状に形成されている。そして、環状リブ186の先端面が、中間カバー160のシート幅方向外側面に当接されるようになっている。また、基端部180Aには、取付部182の径方向外側の位置において、「第1突起」としての可動側ボス188が一体に形成されており、可動側ボス188は、略円柱状に形成されて、シート幅方向内側へ突出されている。
可動側ボス188は、前述した中間カバー160の第1溝166A内に挿入されている。そして、カバー機構130の非展開状態では、第1溝166Aの一端部166A1に、可動側ボス188が配置されている(図12参照)。これにより、カバー機構130の非展開状態から、可動カバー180が回動方向一方側(図12の矢印C方向側)へ回動するときには、可動側ボス188が第1溝166A内を他端部166A2側へ移動して、可動カバー180が中間カバー160に対して相対回動するように構成されている。
また、図13に示される可動カバー180の中間位置では、第1溝166Aの他端部166A2に可動側ボス188が配置されて、可動側ボス188が他端部166A2に係合するように構成されている。これにより、可動カバー180が中間位置から回動方向一方側へ回動されるときには、可動カバー180と共に中間カバー160が固定カバー132に対して相対回動するように構成されている。また、このときには、中間カバー160の第2溝166Bが固定カバー132の固定側ボス154に対して相対回動して、固定カバー132に対する中間カバー160の相対回動が許容される構成になっている。
また、カバー部180Bの先端部には、シート幅方向内側面において、「係合部」としての係合爪部190が一体に形成されている。係合爪部190は、カバー部180Bの後面に近接して配置されると共に、シート下側から見て、シート前側へ略逆L字形状に屈曲されている。具体的には、係合爪部190は、カバー部180Bの後面縁部からシート幅方向内側へ突出された基部190Aと、基部190Aの先端部からシート前側へ延出された係合片190Bと、を含んで構成されている。さらに、係合片190Bと可動カバー180との間には、シート前後方向に延在された係合リブ190Cが架け渡されている。
そして、図13に示されように、可動カバー180が中間位置に配置されたときには、ポケット部170の内部に、係合片190Bが収納されると共に、係合片190Bとポケット部170とがシート幅方向に係合する構成になっている。これにより、カバー機構130の展開状態では、可動カバー180と中間カバー160とがシート幅方向に係合されて、シート幅方向における可動カバー180と中間カバー160との相対移動が制限されるようになっている(図16)。また、このときには、係合リブ190Cがポケット部170の係合溝170B内に挿入される構成になっている。
また、カバー部180Bの先端部には、シート幅方向内側面において、中間カバー160におけるポケット部170を収容するための収容凹部192が形成されている。この収容凹部192は、シート幅方向内側へ開放された凹状に形成されてると共に、係合爪部190の基部190Aからカバー部180Bの後面側へ延出されている。これにより、可動カバー180が中間カバー160に対して相対回動するときには、係合爪部190が収容凹部192内を移動するように構成されている。
そして、図14に示されるカバー機構130の展開状態では、シート幅方向において、可動カバー180の後側部分が中間カバー160の前側部分に重なり、中間カバー160の後側部分が固定カバー132の前側部分に重なるように設定されている。すなわち、固定カバー132、中間カバー160、及び可動カバー180が、連結ボルト202の周方向に連続的に且つ扇形状に配置(展開)されるように構成されている。したがって、本発明における「脚載せ位置において、固定カバー、中間カバー、及び可動カバーが連結軸の周方向に連続的に配置される」とは、シート幅方向から見て、連結ボルト202の周方向において、固定カバー132と中間カバー160との間、及び可動カバー180と中間カバー160との間に、隙間がないことをいう。また、図9に示されるように、カバー機構130の展開状態では、可動カバー180の前側部分が、オットマン本体70のオットマンカバー部74のシート幅方向内側に配置されるようになっている。
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成された車両用シート10では、リンク機構22及びスライド機構80の作動前において、オットマン本体70が第1格納位置に配置されている(図2参照)。すなわち、リンク機構22のリンク機構部24が折畳まれた状態にされて、カバー機構130が非展開状態にされており、スライド機構80のスライドプレート84が初期位置に配置されている。そして、オットマン装置20を使用するときには、着座乗員が使用ボタンを操作する。これにより、制御部66の制御によって、スライド機構80が作動し、スライド機構80の作動後にリンク機構22を作動して、オットマン本体70が第1格納位置から脚載せ位置に配置される。
具体的には、制御部66の制御によってスライド機構80のスライド用モータ118が作動して、スライド用送りねじ122が正回転する。このとき、スライド用送りねじ122がスライド用ナット114に対して相対回転して、スライド用ナット114がスライド用送りねじ122に対してシート前側へ相対移動する。そして、スライド用ナット114は、第1ロッド52を介してリンク機構部24のベースブラケット26に連結されているため、スライド用ナット114がスライド用送りねじ122に対してシート前側へ相対移動すると、ベースブラケット26が、スライド機構80の第1ブラケット82(スライドプレート84)と共に、シート前側へスライドする。これにより、第1ブラケット82(スライドプレート84)が初期位置からスライド位置にスライドすると共に、オットマン装置20(オットマン本体70)が、図2の矢印A方向側へスライドして、第1格納位置から第2格納位置に配置される。
また、スライド機構80の作動後には、制御部66の制御によってリンク機構22のリンク用モータ62が作動して、リンク用送りねじ64が正回転する。このとき、リンク用送りねじ64は、リンク用ナット56から伸長するように、リンク用ナット56に対して相対移動する。そして、リンク用送りねじ64の一端部は、リンクモータユニット60及び第2ロッド58を介して駆動リンク28に連結されている。このため、リンク用送りねじ64がリンク用ナット56に対して相対移動すると、リンクモータユニット60及び第2ロッド58が第1ロッド52に対してシート前側へ変位すると共に、駆動リンク28がリンクピンLPの軸回り(図2の矢印C方向側)に回動して、リンク機構部24が格納状態から展開される。これにより、リンク機構22が作動して、オットマン本体70が、図2の矢印B方向側へ回動して、第2格納位置から脚載せ位置に配置される(図3参照)。したがって、仮に、車両用シート10において、スライド機構80を省略した場合と比べて、脚載せ位置をシート前側の位置に設定することができる。
また、リンク機構22が作動して、オットマン本体70が、第2格納位置から脚載せ位置に配置されるときには、リンク機構22の作動に伴って、カバー機構130が非展開状態から展開状態に変更される。具体的には、駆動リンク28がリンクピンLPの軸回りに回動方向一方側へ回動すると、駆動リンク28と一体回動可能に構成されたカバー機構130の可動カバー180が、連結ボルト202(リンクピンLP)の軸回りに回動方向一方側(図12の矢印C方向側)へ回動される。すなわち、可動カバー180の可動側ボス188が、第1溝166Aの一端部166A1から他端部166A2側へ移動して、可動カバー180が中間カバー160に対して回動方向一方側へ相対回動される。一方、中間カバー160は、トーションバネ200によって回動方向他方側へ付勢されているため、中間カバー160は非展開状態に保持される。これにより、可動カバー180のみが非展開状態から回動方向一方側へ回動される。
図13に示されるように、可動カバー180が中間位置に到達すると、可動カバー180の可動側ボス188が、中間カバー160の第1溝166Aの他端部166A2に到達して、当該他端部166A2に係合する。これにより、可動カバー180が中間位置から回動方向一方側(図13の矢印C方向側)へ回動すると、トーションバネ200の付勢力に抗して、中間カバー160が可動カバー180と共に回動方向一方側へ回動される。また、固定カバー132の固定側ボス154は、中間カバー160の第2溝166Bの一端部166B1に配置されており、第2溝166Bは一端部166B1から回動方向他方側へ延びている。このため、中間カバー160の回動方向一方側への回動時には、第2溝166Bが固定側ボス154に対して相対回動するため、中間カバー160の固定カバー132に対する相対回動が許容される。
そして、駆動リンク28が脚載せ位置に到達すると、図14に示されるように、カバー機構130が展開状態とされる。すなわち、可動カバー180及び中間カバー160が、固定カバー132のシート前側へ展開されて、カバー機構130がリンク機構部24をシート幅方向外側から覆う。また、このときには、シート幅方向において、可動カバー180の後側部分が中間カバー160の前側部分に重なり、中間カバー160の後側部分が固定カバー132の前側部分に重なっている。また、固定カバー132の固定側ボス154が、中間カバー160の第2溝166Bの他端部166B2に配置される。
一方、オットマン本体70が脚載せ位置に配置された状態で、オットマン装置20を格納するときには、着座乗員が格納ボタンを操作する。これにより、制御部66の制御によって、リンク機構22が作動し、リンク機構22の作動後にスライド機構80が作動して、オットマン本体70が脚載せ位置から第1格納位置に配置される。
具体的には、制御部66の制御によってリンク機構22のリンク用モータ62が作動して、リンク用送りねじ64が逆回転する。このとき、リンク用送りねじ64は、リンク用ナット56側へ後退するように、リンク用ナット56に対して相対移動する。このため、駆動リンク28がリンクピンLPの軸回り(図3の矢印D方向側)に回動して、リンク機構部24が折畳まれる。これにより、リンク機構22が作動して、オットマン本体70が、図3の矢印E方向側へ回動して、脚載せ位置から第2格納位置に配置される(図3参照)。
また、リンク機構22の作動によって、オットマン本体70が、脚載せ位置から第2格納位置に配置されるときには、リンク機構22の作動に伴って、カバー機構130が展開状態から非展開状態へ変更される。具体的には、駆動リンク28がリンクピンLPの軸回りに回動方向他方側へ回動すると、可動カバー180が、連結ボルト202の軸回りに回動方向他方側(図14の矢印D方向側)へ回動される。このとき、中間カバー160は、トーションバネ200によって回動方向他方側へ付勢されているため、可動カバー180と共に中間カバー160が固定カバー132に対して回動方向他方側へ相対回動される。すなわち、可動カバー180の可動側ボス188が、中間カバー160の第1溝166Aの他端部166A2に配置された状態を維持しつつ、中間カバー160の第2溝166Bが固定カバー132の固定側ボス154に対して回動方向他方側へ相対回動する。
図13に示されるように、可動カバー180が中間位置に到達すると、中間カバー160の第2溝166Bの一端部166B1に、固定カバー132の固定側ボス154が配置されて、当該一端部166B1が固定側ボス154に係合する。これにより、中間カバー160の回動方向他方側への回動が制限されて、中間カバー160が、非展開状態の位置に保持される。
そして、可動カバー180が中間位置から回動方向他方側(図13の矢印D方向側)へ回動すると、可動カバー180の可動側ボス188が中間カバー160の第1溝166Aの他端部166A2から一端部166A1側へ移動する。これにより、可動カバー180が中間カバー160に対して回動方向他方側へ相対回動される。そして、駆動リンク28が格納位置に到達すると、図12に示されるように、可動側ボス188が中間カバー160の第1溝166Aの一端部166A1に配置されて、可動カバー180が非展開状態の位置に配置される。これにより、オットマン本体70の第2格納位置において、カバー機構130の状態が非展開状態に変更される。
また、リンク機構22の作動後には、制御部66の制御によってスライド機構80のスライド用モータ118が作動して、スライド用送りねじ122が逆回転する。このとき、スライド用送りねじ122がスライド用ナット114に対して相対回転して、スライド用ナット114がスライド用送りねじ122に対してシート後側へ相対移動する。そして、上述のように、スライド用ナット114は、第1ロッド52を介してリンク機構22のベースブラケット26に連結されているため、スライド用ナット114がスライド用送りねじ122に対してシート後側へ相対移動すると、ベースブラケット26が、スライド機構80の第1ブラケット82(スライドプレート84)と共に、シート後側へスライドする。これにより、第1ブラケット82(スライドプレート84)がスライド位置から初期位置にスライドされると共に、オットマン本体70が、図2の矢印F方向側へスライドして、第2格納位置から第1格納位置に配置される。
ここで、本実施の形態のオットマン装置20のカバー機構130では、可動カバー180の基端部180A及び中間カバー160の基端部160Aが、リンクピンLPと同軸上に配置された連結ボルト202の軸線ALを回動中心として、固定カバー132に回動可能に連結されている。また、上述のように、中間位置おいて、中間カバー160が可動カバー180に係合されて、可動カバー180と共に中間カバー160が脚載せ位置側へ回動される。これにより、リンク機構部24の作動に伴って、中間カバー160及び可動カバー180を、連結ボルト202を中心として、扇形状に展開させることができる。しかも、カバー機構130の展開状態では、固定カバー132、中間カバー160、及び可動カバー180が、連結ボルト202の周方向に連続的に且つ扇形状に配置(展開)される。このため、固定カバー132と中間カバー160との間、及び中間カバー160と可動カバー180との間に、乗員の指などが挟み込まれることを防止することができる。したがって、乗員に対する危害性を低減することができる。
また、カバー機構130では、中間カバー160が単一のカバーとして構成されている。このため、カバー機構130が、固定カバー132、中間カバー160、及び可動カバー180の3枚のカバーによって構成される。これにより、部品点数の増加を抑制しつつリンク機構部24を固定カバー132、中間カバー160、及び可動カバー180の3枚のカバーによって覆うことができる。
さらに、上述のように、カバー機構130が3枚のカバーによって構成されている。このため、仮に、カバー機構130において、中間カバー160を省略した場合と比べて、固定カバー132、中間カバー160、及び可動カバー180のそれぞれの体格を小さく設定することができる。しかも、カバー機構130では、中間カバー160及び可動カバー180が、連結ボルト202の軸線を回動中心として、固定カバー132に回動可能に連結されている。すなわち、中間カバー160及び可動カバー180の回動軸線が一致している。このため、カバー機構130の非展開状態において、中間カバー160及び可動カバー180の略全体を、固定カバー132に対してシート幅方向に重ねて配置させることができる(本実施の形態では、中間カバー160の全体が、固定カバー132に重なって配置されており、可動カバー180が、その前部側を除いて固定カバー132に重なって配置されている)。したがって、カバー機構130の非展開状態における、カバー機構130の省スペース化を実現することができる。
また、オットマン装置20では、上述のように、リンク機構部24の回動中心となるリンクピンLPと、カバー機構130の中間カバー160及び可動カバー180の回動中心となる連結ボルト202が同軸上に設定されている。このため、カバー機構130をオットマン装置130に搭載したときの、オットマン装置20の格納位置における、オットマン装置130全体の省スペース化を図ることができる。
さらに、非展開状態において、中間カバー160の第1溝166Aの一端部166A1に、可動カバー180の可動側ボス188が配置されている。そして、可動カバー180が中間位置へ回動すると、可動側ボス188が第1溝166Aの一端部166A1から他端部166A2へ移動される。このため、可動カバー180が非展開状態から中間位置側へ回動するときに、可動カバー180の中間カバー160及び固定カバー132に対する相対回動を許容することができる。また、中間位置では、可動側ボス188が第1溝166Aの他端部166A2に係合するため、可動カバー180が中間位置から回動方向一方側へ回動するときには、中間カバー160が可動カバー180と共に脚載せ位置側へ回動される。したがって、可動カバー180及び中間カバー160を、この順番で展開させることができる。
また、中間カバー160は、トーションバネ200によって回動方向他方側へ付勢されている。さらに、非展開状態において、中間カバー160の第2溝166Bの一端部166B1に、固定カバー132の固定側ボス154が配置され、第2溝166Bが、当該一端部166B1から回動方向他方側へ延びている。このため、第2溝166Bの一端部166B1を固定側ボス154に係合させて、中間カバー160の回動方向他方側への回動を制限させることができる。これにより、可動カバー180が非展開状態から回動方向一方側へ回動するときには、トーションバネ200の付勢力によって中間カバー160を非展開状態に良好に保持することができる。
また、可動カバー180が中間位置から回動方向一方側へ回動するときには、上述のように、中間カバー160が初期状態から回動方向一方側へ回動される。このとき、中間カバー160の第2溝166Bが固定側ボス154に対して相対回動されて、カバー機構130の展開状態において、固定側ボス154が第2溝166Bの他端部166B2に配置される。すなわち、固定カバー132に対する中間カバー160の相対回動が許容される。したがって、可動カバー180の中間位置から回動方向一方側への回動時に、固定カバー132に対する中間カバー160の相対回動を許容することができる。
また、カバー機構130では、中間位置において、中間カバー160のポケット部170の内部に、可動カバー180の係合片190Bが収納されると共に、係合片190Bとポケット部170とがシート幅方向に係合する。これにより、可動カバー180の先端部分と中間カバー160の先端部分とがシート幅方向に係合される。このため、図16に示されるように、可動カバー180及び中間カバー160の展開状態において、シート幅方向における可動カバー180と中間カバー160との相対移動を抑制して、可動カバー180と中間カバー160を一体化することができる。これにより、展開状態における可動カバー180及び中間カバー160のシート幅方向の剛性を高くすることができる。
また、固定カバー132には、中間カバー160側へ突出された、半球状の突出部が形成されている。このため、中間カバー160が固定カバー132に対して相対回転するときに、突出部156が中間カバー160に点接触される。これにより、中間カバー160が、固定カバー132に対して相対回動するときの摺動ロスを低減することができる。
さらに、カバー機構130では、中間カバー160の収容凹部164内に、可動カバー180の取付部182におけるシート幅方向内側部分が収容されている。このため、仮に中間カバー160において収容凹部164を省略した場合と比べて、シート幅方向におけるカバー機構130の厚みを薄くすることができる。したがって、カバー機構130の小型化に寄与することができる。
なお、本実施の形態では、カバー機構130における中間カバー160が単一のカバーとして構成されているが、中間カバー160を複数のカバーによって構成してもよい。例えば、中間カバー160を2枚のカバーで構成するときには、当該カバーの一方に第1溝166Aと同様の溝を形成し、当該カバーの他方に可動側ボス188と同様のボスを形成してもよい。
また、本実施の形態では、オットマン装置20がスライド機構80を介してシートクッションフレーム14に連結されているが、車両用シート10において、スライド機構80を省略してもよい。この場合には、リンク機構部24のベースブラケット26をシートクッションフレーム14に直接連結させてもよい。
また、本実施の形態では、制御部66の制御によって、リンク機構22及びスライド機構80が作動して、オットマン本体70が、第1格納位置から第2格納位置に配置され、第2格納位置から脚載せ位置に配置されるようになっている。これに代えて、オットマン本体70を、第1格納位置と第2格納位置との間の任意の位置に配置させるように、スライド機構80の作動を制御部66によって制御してもよい。この場合には、例えば、操作部68における使用ボタンを、スライド機構80の作動用の使用ボタンと、リンク機構22の作動用の使用ボタンとの2つのボタンで構成してもよい。そして、スライド機構80の作動用の使用ボタンを操作することで、オットマン本体70を、第1格納位置と第2格納位置との間の任意の位置に配置させるように構成してもよい。