JP6562489B2 - 高周波プローブ位置補正技術 - Google Patents
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Description
高周波インピーダンス測定等の高周波検査において使用される高周波特性検査装置には、測定部材として、その先端に測定信号をDUT(被試験装置、被測定回路網)に入力、或いはDUTから出力するシグナル端子(S)および接地されたグランド端子(G)が離間し並行して配設された高周波プローブ(S−Gタイプ、またはG−Sタイプ)や、その先端にシグナル端子(S)を挟むように2本のグランド端子(G,G)が各離間し並行して配設された高周波プローブ(G−S−Gタイプ)などが使用されている(特許文献3)。
校正は検査用の所定の基準パターンを用意し、たとえば、図14に示す基準器を用いてZ軸方向の調整(プローブ押付け量)を行なった後、所定の基準器(例えば、THRU,SHORT,LOAD基準器)に移動して、目視(図12、比較例1)、或いは、PC制御等により予め決められた量プローブを平行移動させる(図12、比較例2)事によって高周波プローブのXY位置を決めてから行うのが一般的である。
次に対向する他方のプローブ先端についても同様にZ軸の位置を調整して一対の対向する高周波プローブを用意して基準パターンによる校正を行う。
この表1の環境条件による不安定性項目を見ると平面回路の顕微鏡手法によるプローブ位置の制御精度は、せいぜい10μm程度であり、実体顕微鏡を利用する場合の顕微鏡解像度の限界に近い。
そのため、この限界を超えるプローブ位置の制御手法が望まれていた。
一般的に、実体顕微鏡を用いた時の解像度(せいぜい10μm程度)よりもプローブの微動精度(0.1〜1μm程度)の方が高いことが知られている。
また、上記測定値を所定の手法で得る反射特性値(反射・透過係数および位相特性)を解析してみると、電気的中心位置にて、極値となることがわかった。
また、本発明では測定に際してS端子(ポート)間の電気的な中立点を得るため、より校正理論と合致した校正を実現できる。
図2に本実施例で使用するTHRU基準器の形状例を示す。
THRU基準器とは、THRU試験測定用に用いられ平面回路等の被試験装置を測定する際の位置決めに予め使用する被試験装置の一部と同一の大きさと形状を有した試験片であり、一般的には図3に示したSHORT基準器や図4に示したLOAD基準器など他のパターンが合わせて配置された試料(サンプル)の一部である。
SHORT基準器とは、各プローブのシグナルとグランド端子間を短絡させたほぼ全反射である基準器である。
以下、簡略化した図10の構成のシステムによって、図2に示すTHRU基準器を用いて、可動ステージに載置されたサンプル上のプローブ位置を決定する手法を説明する。
この目的のために、高周波特性検査装置はサンプルを載置した可動ステージを回転させるステージ回転機構を備えてもよい。
この時、直上に配する位置はおおまかな位置でかまわないが、一対の対向する高周波プローブの先端が可動ステージ上のTHRU基準器の信号領域に接触してX,Y方向に移動し得る始点となるように仮決めの位置を決めるのが望ましい。
本実施例では、図10における制御装置としてパーソナルコンピュータを用いてZ軸移動量を計算してステージコントローラに入力した。
サンプルがプローブ片方にコンタクトすると、反射係数(S11、S22)が大きく減少する。
例えば、反射係数が0.7以下、或いは位相が90〜180℃となるように設定すれば、一対のプローブのコンタクト有無の判定が可能である。
移動量は、例えば±10μmの範囲で1μmずつ移動しながら各位置における両プローブの反射係数を測定する。
好適には、その差がゼロの同一位相、すなわち、θ11=θ22、となる位置である。
移動量は、例えば±10μmの範囲で2μmずつ移動しながら各位置における両プローブの透過係数S12、S21を測定する。
そして、両プローブ間の透過係数S12、S21の位相成分θ12、θ21の積θ12×θ21が極値となるプローブ位置をY位置として決定する。
そうして決定されたX,Y,Z位置が当該サンプルにおけるプローブの基準位置となり、この位置でのSパラメータの解析値を校正値とすることができる。
このようにして、XYZ三軸方向のプローブ位置を高い再現性で精密に決めることができる。
また、各図の符号「通常」は、従来の手動により行う校正後の評価の比較例1を表し、また、各図の符号「WincalXE」は手動の基準位置合わせに基づいて校正をしてからPCで作動する校正用ソフトウェアでプローブ位置を制御して行う評価の比較例2をあらわしている。
このように、本技術を活かすことでより高い精度での校正が実現できる。
その後、実施例1の手法でY方向の中心位置を決定する。
基準器の端部に達すると、プローブ直下に電極がないため、反射係数の急峻な変化は認められなくなる。例えば、反射係数S11やS22の絶対値はほぼ1のまま不変となる。
そのため、基準器の端部をもってX方向の基準位置を決定する事ができる。
このように、実施例1を応用することでプローブ基準位置を再現性高く決定する事ができるため、校正再現性を高めることが可能である。
位置決め用パターンは図16に示したような櫛型形状であり、凸部を利用してX、Y及びZ位置を高精度に決定する事ができる。
本実施例では、単一のプローブのみを用いて位置決めが可能である。
まず、プローブを位置決め用パターンの凸部のおおよそ直上に配し、実施例1の手法によってコンタクト位置を検出する。
パターンの端部に達すると、プローブ直下に電極がないため、反射係数の急峻な変化は認められなくなる。例えば、反射係数S11(またはS22)の絶対値はほぼ1のまま不変となる。
そのため、パターンの端部のY座標を決定する事ができる。
その端部をもってX方向の基準座標を定義する事ができる。
このように、実施例1を応用することでプローブ基準位置を再現性高く決定する事ができるため、校正再現性を高めることが可能である。
そのため、プローブとのコンタクトを避けるため、パターンのY方向の中心位置には凸部が存在していない。
また、凸部はGSGプローブの先端がすべてコンタクトできるようにY方向中心軸にたいして線対称な構造であり、プローブのグランド(G)端子と接する位置にも凸部を有している。
凸部は全て短絡した構造になっている。
顕微鏡からの目視でプローブをおおまかに凸部の直上に配する必要があるため、プローブの凸部の各辺の大きさは5μm以上である必要があり、更には10μm以上であることが望ましい。
さらに基準器と位置決め用パターン距離が1500μm程度離れている事が望ましい。
2 可動ステージ(サンプルステージ、ステージ)
3 VNA(計測装置)
4 周波数拡張ユニット
5 抵抗体
6 ステージコントローラ
7 制御装置
8 高周波特性検査装置
9 THRU基準器
10 LOAD基準器
11 SHORT基準器
12 シグナル領域(信号領域)
13 グランド領域
14a、14b シグナル端子(S)
15a、15b、15c、15d グランド端子(G)
Claims (14)
- 離間して形成されたシグナル領域およびグランド領域を有する平面回路の電気的特性をその先端を前記平面回路の表面に押し当てて高周波を放出して得たSパラメータにより検査する一対の高周波プローブと計測装置を備えた高周波特性検査装置であって、
前記高周波プローブはその先端に前記グランド領域に接触するグランド端子と前記シグナル領域に前記グランド端子と同時に接触するシグナル端子とを備え、
前記一対の高周波プローブは所定の間隔で対向して前記平面回路の表面に同時に接触するように構成されており、
前記平面回路の前記シグナル領域における前記一対の高周波プローブの基準位置の校正を、前記対向する一対の前記高周波プローブの各シグナル端子が前記シグナル領域において前記接触して前記高周波を放出して前記計測装置で測定した各Sパラメータの反射・透過特性と位相特性に基づいて決定する電気的中点において行うことを特徴とする高周波特性検査装置。 - さらに、前記平面回路を載置する可動ステージ、その可動ステージのX、Y、Z軸の稼動を制御するステージコントローラを備え、
前記平面回路の前記シグナル領域において長手方向をX軸方向、短手方向をY軸方向、垂直方向をZ軸方向とした場合、
前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージをZ軸方向に稼動して前記対向する一対の前記高周波プローブの各先端と前記シグナル領域とを接触させ、
コンタクト位置(Z軸方向の深さ)を前記接触して前記高周波を放出して測定したS11,S22パラメータの反射特性に基づいて決定する事を特徴とする請求項1に記載の高周波特性検査装置。 - 前記決定されたコンタクト位置のZ軸方向の深さにおいて、前記対向する一対の前記高周波プローブの各シグナル端子が前記シグナル領域において前記高周波を放出して計測するS11,S22パラメータの位相特性をθ11、θ22した場合、
前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージを稼動して前記対向する一対の前記高周波プローブをX軸方向に稼動して、
前記高周波を放出して測定した、|θ11−θ22|が極値となるように前記一対の前記高周波プローブのX軸の基準位置を決定することを特徴とする請求項2に記載の高周波特性検査装置。 - 前記決定されたコンタクト位置(Z軸方向の深さ)と前記X軸の位置において、前記対向する一対の前記高周波プローブの各シグナル端子が前記シグナル領域において前記高周波を放出して計測するS12,S21パラメータの位相特性をθ12、θ21とした場合に、
前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージを稼動して前記対向する一対の前記高周波プローブをY軸方向に移動して、
前記高周波を放出して測定した、θ12xθ21が極値となるようにY軸の位置を決定し、
前記決定されたY軸の位置における前記対向する一対の前記高周波プローブの中点を前記平面回路のシグナル領域の電気的中点の基準位置として校正することを特徴とする請求項3に記載の高周波特性検査装置。 - 前記平面回路はTHRU基準器であることを特徴とする請求項4に記載の高周波特性検査装置。
- さらに前記ステージコントローラと前記計測装置を制御する制御装置を備えた請求項5に記載の高周波特性検査装置において、前記平面回路のシグナル領域の電気的中点の基準位置を前記校正することを特徴とする高周波特性検査装置の校正方法。
- 請求項6に記載の校正方法を実行する事を特徴とするプログラムおよびプログラムを記録した記憶媒体。
- 離間して形成されたシグナル領域およびグランド領域を有する平面回路の電気的特性をその先端を前記平面回路の表面に押し当てて高周波を放出して得たSパラメータにより検査する一対の高周波プローブと計測装置を備えた高周波特性検査装置であって、
前記高周波プローブはその先端に前記グランド領域に接触するグランド端子と前記シグナル領域に前記グランド端子と同時に接触するシグナル端子とを備え、
前記一対の高周波プローブは所定の間隔で対向して前記平面回路の表面に同時に接触するように構成されており、
前記平面回路の前記シグナル領域における前記一対の高周波プローブの基準位置の校正を、前記対向する一対の前記高周波プローブの各シグナル端子が前記シグナル領域において前記接触して前記高周波を放出して前記計測装置で測定した各Sパラメータの反射・透過特性と位相特性に基づいて行うことを特徴とする高周波特性検査装置であって、
前記平面回路を載置する可動ステージ、その可動ステージのX、Y、Z軸の稼動を制御するステージコントローラを備え、
前記平面回路の前記シグナル領域において長手方向をX軸方向、短手方向をY軸方向、垂直方向をZ軸方向とした場合、
前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージをZ軸方向に稼動して前記対向する一対の前記高周波プローブの各先端と前記シグナル領域とを接触させ、
コンタクト位置(Z軸方向の深さ)を前記接触して前記高周波を放出して測定したS11,S22パラメータの反射特性に基づいて決定し、
前記決定されたコンタクト位置(Z軸方向の深さ)において、前記対向する一対の前記高周波プローブの各シグナル端子が前記シグナル領域において前記高周波を放出して計測するS11,S22パラメータの位相特性をθ12、θ21とした場合に、
前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージを稼動して前記対向する一対の前記高周波プローブをY軸方向に移動して、
前記高周波を放出して測定した、θ12×θ21が極値となるようにY軸の位置を決定し、
前記決定されたY軸の位置における前記対向する一対の前記高周波プローブの中点を前記平面回路のシグナル領域の電気的中点の基準位置として決定することを特徴とする高周波特性検査装置。 - さらに、前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージを稼動して前記対向する一対の前記高周波プローブをX軸方向に稼動して、
前記高周波を放出して測定したS11,S22パラメータの反射特性に基づいて決定した前記平面回路のX軸方向の両端部において前記一対の前記高周波プローブのX軸の基準位置を決定することを特徴とする請求項8に記載の高周波特性検査装置。 - 離間して形成されたシグナル領域およびグランド領域を有する平面回路の電気的特性をその先端を前記平面回路の表面に押し当てて高周波を放出して得たSパラメータにより検査する一の高周波プローブと計測装置を備えた高周波特性検査装置であって、
前記高周波プローブはその先端に前記グランド領域に接触するグランド端子と前記シグナル領域に前記グランド端子と同時に接触するシグナル端子とを備え、
前記一の高周波プローブは前記平面回路の表面に同時に接触するように構成されており、
前記平面回路の前記シグナル領域における前記一の高周波プローブの基準位置の校正を、前記一の前記高周波プローブの各シグナル端子が前記シグナル領域において前記接触して前記高周波を放出して計測装置で測定した各Sパラメータの反射・透過特性と位相特性に基づいて行うことを特徴とする高周波特性検査装置であって、
前記平面回路を載置する可動ステージ、その可動ステージのX、Y、Z軸の稼動を制御するステージコントローラを備え、
前記平面回路の前記シグナル領域において長手方向をX軸方向、短手方向をY軸方向、垂直方向をZ軸方向とした場合、
さらに前記平面回路と前記Z軸方向に同一の高さを有しその長手方向と所定の間隔で平行に対峙する櫛形形状の位置決め用パターンを前記可動ステージに載置し、
前記櫛形形状の位置決め用パターンはY方向(当該位置決め用パターンの長手方向)の中心位置に前記Y方向に垂直なX方向に突出する凸部(櫛の歯)を有し、前記Y方向の中心軸にたいして線対称な構造であって、前記高周波プローブのグランド(G)端子と対応する位置に凸部を有して、前記凸部は全て短絡しており、
前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージをZ軸方向に稼動して前記一の前記高周波プローブの各先端と前記位置決め用パターンとを接触させ、
前記接触して前記高周波を放出して測定したS11パラメータの反射特性に基づいてコンタクト位置(Z軸方向の深さ)を決定し、
前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージを稼動して前記一の前記高周波プローブをY軸方向に稼動して、前記高周波を放出して推定した前記位置決め用パターンのY軸方向の両端部の中点において前記一の前記高周波プローブのY軸の基準位置を決定し、
次に前記ステージコントローラを制御し前記平面回路を載置する可動ステージを稼動して前記一の前記高周波プローブをX軸方向に稼動して、前記高周波を放出して測定したS11パラメータの反射特性に基づいて決定した前記位置決め用パターンのX軸方向の一端部において前記一の前記高周波プローブのX軸の基準位置を決定し、
前記決定された前記コンタクト位置、前記X軸および前記Y軸の基準位置から前記所定の間隔を平行移動した前記平面回路の基準位置において校正をすることを特徴とする高周波特性検査装置。 - 前記平面回路はTHRU基準器であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の高周波特性検査装置。
- さらに前記ステージコントローラと前記計測装置を制御する制御装置を備えた請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の高周波特性検査装置において、前記平面回路のシグナル領域の基準位置を前記校正することを特徴とする高周波特性検査装置の校正方法。
- 前記高周波特性検査装置において請求項12に記載の校正方法を実行する事を特徴とするプログラムおよびプログラムを記録した記憶媒体。
- 請求項10に記載の高周波特性検査装置において前記櫛形形状の位置決め用パターンを備えたことを特徴とするTHRU基準器、またはLOAD基準器、またはSHORT基準器、またはOPEN基準器。
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