JP6561976B2 - チオガレート系蛍光体の製造方法、発光装置の製造方法、チオガレート系蛍光体及び発光装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、例えば、特許文献1に開示された亜硫酸塩を含有する溶液を、ストロンチウムを含有する溶液に加える方法で形成されたストロンチウム含有亜硫酸塩や、特許文献2に開示されたストロンチウムを含有する溶液を、亜硫酸塩を含有する溶液に加える方法で形成されたストロンチウム含有亜硫酸塩を用いた場合、また、特許文献3に開示されたフラックスを用いた場合、粒径が小さく、発光強度が低いチオガレート系蛍光体が得られる傾向がある。
本発明の第一の態様は、ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種のM1イオンとユウロピウム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも一種のM2イオンとを含む溶液(a1)と、亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを準備することと、溶液(a1)と溶液(b1)とを同時に反応容器に供給して、M1イオンとM2イオンと亜硫酸イオンとを含む反応系において、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得ることと、前記元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体とガリウム化合物の粉体を含む原料と、塩化リチウムとを混合して混合物を得ることと、前記混合物を熱処理してチオガレート系蛍光体を得ることとを含み、前記塩化リチウムの量が、前記ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部を超えて10.2質量部未満である、チオガレート系蛍光体の製造方法である。
なお、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
(A1)ストロンチウム(Sr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)及び亜鉛(Zn)からなる群より選択される少なくとも一種のM1イオンと、ユウロピウム(Eu)及びセリウム(Ce)からなる群より選択される少なくとも一種のM2イオンとを含む溶液(a1)と、亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを準備する工程。
(B1)M1イオンとM2イオンと亜硫酸イオンとを含む反応系において、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得るために、溶液(a1)と溶液(b1)とを同時に反応容器に供給する工程。
(C)混合物を得るために、前記元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体とガリウム化合物の粉体を含む原料と、塩化リチウムとを混合する工程。
ここで、前記塩化リチウムの量が、前記ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部を超えて10.2質量部未満である。
(D)チオガレート系蛍光体を得るために、前記混合物を熱処理する工程。
フラックスとして、アルカリ土類金属のハロゲン化物、例えば、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)、塩化バリウム(BaCl2)等のアルカリ土類金属の塩化物を用いた場合は、チオガレート系蛍光体中に固溶するため、結晶が成長せず、一次粒子の成長が促進され難い。
フラックスとして、塩化リチウム以外のリチウムハロゲン化物、例えば、フッ化リチウム(LiF)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)を用いた場合には、熱処理工程において結晶の成長が促進されて粒径は大きくなるが、塩化リチウムと比べて発光強度が低下するか、粒径もそれほど大きくならず、発光強度も低下する傾向がある。
溶液(a1)と溶液(b1)とを準備する。
溶液(a1)は、ストロンチウム(Sr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)及び亜鉛(Zn)からなる群より選択される少なくとも一種の元素M1を含む化合物と、ユウロピウム(Eu)及びセリウム(Ce)からなる群より選択される少なくとも一種の元素M2を含む化合物と、これらの化合物を溶解する溶媒から調整される。溶媒は、元素M1を含む化合物及び元素M2を含む化合物を溶解するものであって反応しないものであればよく、中でも不純物の含有量が少ない点で純水が好ましい。
元素M2を含む化合物としては、前記溶媒に溶解するものであればよく、入手しやすい点で、Eu及びCeからなる群より選択される少なくとも一種の元素M2を含む塩化物が挙げられる。塩化物は水和物であってもよい。
溶液(b1)は、亜硫酸イオンを含む溶液である。亜硫酸イオンを含む化合物として、亜硫酸塩が挙げられる。亜硫酸塩の中でも金属元素を含まない点で亜硫酸アンモニウムが好ましい。溶媒は、亜硫酸イオンを含む化合物を溶解するものであって反応しないものであればよく、中でも不純物の含有量が少ない点で純水が好ましい。溶液(b1)の含有量は、溶媒に実質的に溶解する範囲で適宜調整する。例えば、亜硫酸イオンを含む化合物として亜硫酸アンモニウムを用い、溶媒として純水を用いた場合、溶液(b1)の全体量中に亜硫酸イオンの含有量が、10.0質量%以上30.0質量%以下になるように調整する。
溶液(b1)に含まれる亜硫酸イオンの当量比が、M1イオン及びM2イオンの合計1に対して、1.01以上1.30以下の範囲であると、溶液(a1)と溶液(b1)とを、別々に、かつ同時に反応容器に供給した際に、M1イオン及びM2イオンの合計に対して亜硫酸イオンが大過剰になることがなく、M1イオン、M2イオン、及び亜硫酸イオンが緩やかに反応するため、粒径の大きい元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得ることができる。
本明細書において、M1イオン及びM2イオンの合計に対する亜硫酸イオンの当量比は、M1イオン及びM2イオンの合計のモル数を1モルとした場合に、亜硫酸イオンのモル数の比を意味する。
本発明の好ましい態様によれば、チオガレート系蛍光体の製造方法は、溶液(b1)を反応容器に供給する前に、溶液(b1)とは別に、M1イオン及びM2イオンの合計1に対する亜硫酸イオンの当量比が0.2以下である、亜硫酸イオンを含む溶液(b2)を反応容器に予め供給することをさらに含むことが好ましい。M1イオン及びM2イオンの合計1に対する溶液(b2)の亜硫酸イオンの当量比は、溶液(b1)を反応容器に供給する前に、反応容器に亜硫酸塩を含む溶液(b2)を存在させておくこと(工程(pB))によって、溶液(a1)と溶液(b1)とを同時に反応容器に供給する際に、反応系のpHが大きく変動することがないため、M1イオン、M2イオン、及び亜硫酸イオンとを緩やかに反応させることができる。
溶液(b2)は、M1イオン及びM2イオンの合計1に対する亜硫酸イオンの当量比が0.2以下となるように、溶液(b1)の一部を溶液(b2)として用いてもよい。溶液(b1)の一部を亜硫酸イオンが所定の当量比となるように用いた場合であっても、溶液(b1)とは別に、溶液(b1)を反応容器に供給する前に、溶液(b2)を反応容器に供給することが好ましい。
溶液(b2)の亜硫酸イオンの当量比は、M1イオン及びM2イオンの合計1に対して、より好ましくは0.18以下であり、さらに好ましくは0.15以下であり、よりさらに好ましくは0.12以下である。溶液(b2)中の亜硫酸イオンの当量比は、反応系のpHが大きく変動することがない範囲であることが好ましい。溶液(b2)において、M1イオン及びM2イオンの合計1に対する亜硫酸イオンの当量比が0.05以上であることが好ましい。
M1イオン及びM2イオンを含む溶液(a1)と、亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを同時に反応容器に供給する。溶液(a1)と、溶液(b1)とは、別々に、かつ同時に反応容器に供給する。
本明細書において、「同時」とは、M1イオン及びM2イオンを含む溶液(a1)と亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを共に反応容器に供給している時間が存在すること、又は、M1イオン及びM2イオンを含む溶液(a1)と亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを反応容器に供給を開始する時間が一致していることをいう。溶液(a1)と、溶液(b1)とは、反応容器に供給を終了する時間が一致していることが望ましいが、供給を終了する時間が多少ずれていてもよい。
反応系のpHが5.0以上であると、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体の沈殿効率が減少せず、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得ることができる。反応系のpHが8.5以下であると、M1イオン、M2イオン、及び亜硫酸イオンが緩やかに反応し、粒径の大きい元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得ることができる。
反応系の温度が15℃以上であると、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体が沈殿しやすくなる。反応系の温度が30℃以下であると、M1イオン、M2イオン、及び亜硫酸イオンが緩やかに反応するため、粒径の大きい元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得ることができる。
元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体とガリウム化合物の粉体を含む原料と、塩化リチウムとを混合して混合物を得る。
塩化リチウムの量は、ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部を超えて10.2質量部未満である。塩化リチウムの量は、ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、好ましくは2質量部以上9.5質量部以下、より好ましくは2.5質量部以上8.5質量部以下、さらに好ましくは3.0質量部以上7.0質量部以下である。
塩化リチウムの量が、ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部以下であると、得られるチオガレート系蛍光体の発光強度の低下を抑制することが困難となる。塩化リチウムの量が、ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、10.2質量部以上であると、得られるチオガレート系蛍光体の粒径は大きくなるものの、発光強度が著しく低下する。
得られた混合物を熱処理し、チオガレート系蛍光体を得る。
熱処理温度は、所定の組成を有する混合物を、硫化水素雰囲気下、好ましくは850℃以上の温度で熱処理することにより、所望の組成を有し、粒径の大きい蛍光体粒子を効率的に製造することができる。熱処理温度は、900℃以上がより好ましい。熱処理温度の上限は、例えば、蛍光体粒子の組成に応じて変化し得る蛍光体粒子の融点未満であり、1200℃以下が好ましく、1100℃以下がより好ましい。
(A2)ストロンチウム(Sr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)及び亜鉛(Zn)からなる群より選択される少なくとも一種のM1イオンを含む溶液(a2)と、ユウロピウム(Eu)及びセリウム(Ce)からなる群より選択される少なくとも一種のM2イオンを含む溶液(a3)と、亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを準備する工程。
(B2)M1イオンとM2イオンと亜硫酸イオンとを含む反応系において、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得るために、溶液(a2)と溶液(a3)と溶液(b1)とを同時に反応容器に供給する工程。
(C)混合物を得るために、得られた元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体とガリウム化合物を含有する原料と、塩化リチウムとを混合する工程。
ここで、前記塩化リチウムの量は、前記ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部を超えて10.2質量部未満である。
(D)チオガレート系蛍光体を得るために、前記混合物を熱処理する工程。
ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種のM1イオンを含む溶液(a2)と、ユウロピウム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも一種のM2イオンを含む溶液(a3)を準備する以外は、本発明の第一の態様による、工程(A1)と同じである。
溶液(a2)は、ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種のM1イオンを含む溶液であり、本発明の第一の態様における溶液(a1)に用いた元素M1を含む化合物と同じ化合物と、同じ溶媒とを用いることができる。
溶液(a2)中のM1イオンの含有量は、元素M1を含む化合物が溶媒に実質的に溶解する範囲で適宜調整することが好ましい。例えば、元素M1を含む化合物としてSrCl2を用い、溶媒として純水を用いた場合、溶液(a2)及び溶液(a3)の全体量中、元素M1が、固形分量で10.0質量%以上20.0質量%以下の範囲で含有されるように調整することが好ましい。
溶液(a3)は、ユウロピウム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも一種のM2イオンを含む溶液であり、溶液(a1)に用いた元素M2を含む化合物と同じ化合物と、同じ溶媒を用いることができる。
溶液(a3)中のM2イオンの含有量は、元素M2を含む化合物が溶媒に実質的に溶解する範囲で適宜調整することが好ましい。例えば、元素M2を含む化合物としてEuCl3を用い、溶媒を純水として用いた場合、溶液(a3)及び溶液(a2)の全体量中、元素M2が、固形分量で0.5質量%以上8.0質量%以下の範囲で含有されるように調整することが好ましい。
溶液(a2)と、溶液(a3)と、溶液(b1)とは、別々に、かつ同時に反応容器に供給する。工程(B2)は、溶液(a1)に代えて、溶液(a2)と溶液(a3)を用いること以外は、本発明の第一の態様による工程(B1)と同じである。
本明細書において、「同時」とは、溶液(a2)と、溶液(a3)と、溶液(b1)とを共に反応容器に供給している時間が存在すること、又は、溶液(a2)と溶液(a3)と溶液(b1)とを反応溶液に供給を開始する時間が一致していることをいう。溶液(a2)と、溶液(a3)と、溶液(b1)とは、反応容器に供給を終了する時間が一致していることが望ましいが、供給を終了する時間が多少ずれていてもよい。
(M11−xM2x)Ga2−yS4−z (I)
式(I)中、M1は、ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の元素であり、M2は、ユウロピウム及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、x、y、zは、それぞれ0.03≦x≦0.25、−0.2≦y≦0.2、−0.2≦z≦0.2を満たす数である。
式(I)におけるxが0.03≦x≦0.25、yが−0.2≦y≦0.2、zが−0.2≦z≦0.2の各範囲を満たす数であると、420nm以上480nm以下に発光ピーク波長を有する青色光を発する発光素子を光源として用いた場合に、発光素子からの光によって励起され十分な発光強度を有するチオガレート系蛍光体が得られる。
本発明の好ましい態様よれば、チオガレート系蛍光体は、F.S.S.S(フィッシャーサブシーブサイザー)法で測定した平均粒径Dm1が10.1μm以上25.0μm以下であり、F.S.S.S法で測定した平均粒径Dm1に対するコールターカウンター法で測定したメディアン粒径Dm2の比(Dm2/Dm1)が1.0以上2.5以下であり、ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の元素M1と、ユウロピウム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素M2と、ガリウムと、硫黄とを含有し、リチウム元素を750ppm以上4000ppm以下含有する。
コールターカウンター法は、コールター原理に基づいて、電解質水溶液中に分散した粒子が細孔(アパチャー)を通過する際の電気抵抗を利用して一次粒子及び二次粒子を区別することなく、粒径を測定する方法である。
Dm2/Dm1比が1.0以上2.5以下であれば、粉体中に二次粒子も混在するが、粉体中に凝集していない一次粒子が多く含まれることを表す。
Dm2/Dm1比が2.5を超えると一次粒子が凝集した二次粒子が含まれる量が多くなり、高い発光強度を維持できない場合がある。通常、粉体中のほぼ全ての粒子が一次粒子であることは少なく、粉体中に二次粒子も含まれるため、Dm2/Dm1比は1.0以上である。
Dm2/Dm1比は、好ましくは1.0以上2.0以下であり、より好ましくは1.0以上1.8以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.5以下である。
チオガレート系蛍光体のリチウム元素の含有量が750ppm未満では、フラックスとして作用する塩化リチウムが少なすぎて、チオガレート系蛍光体の粒径が小さくなる。チオガレート系蛍光体のリチウム元素の含有量が4000ppmを超えると、得られるチオガレート系蛍光体の発光強度が低下する場合がある。
チオガレート系蛍光体は、コールターカウンター法で測定した体積基準の粒度分布の標準偏差が0.5以下であることによって、粒径のばらつきが少なく、粒径が揃っており、発光装置に用いた場合に色ムラの少ない蛍光を発することができる。
チオガレート系蛍光体は、前記式(I)中、M1がストロンチウム、カルシウム、及びバリウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素であり、M2がユウロピウムである組成を有することが好ましい。チオガレート系蛍光体が、前記式(I)中のM1がストロンチウム、カルシウム、及びバリウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素であり、M2がユウロピウムである組成を有することによって、粒径が大きく、発光強度の高い蛍光体を得ることができる。また前記式(I)で表される組成を有するチオガレート系蛍光体は、緑色から黄緑色の範囲の蛍光を発するものであれば、Gaの一部がAl及びInからなる群より選択される少なくとも一種の元素で置換されていてもよく、Sの一部がSe及びTeからなる群より選択される少なくとも一種の元素で置換されていてもよい。
発光装置の製造方法
本発明の好ましい態様によれば、発光装置の製造方法は、本発明の好ましい態様によって得られたチオガレート系蛍光体と、420nm以上480nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光源と、黄赤色から赤色の範囲の蛍光を発する蛍光体とを用いて、発光装置を製造する方法である。
得られる発光装置は、以下の構成を有することが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、発光装置は、本発明の好ましい態様によるチオガレート系蛍光体と、420nm以上480nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光源と、黄赤色から赤色の範囲の蛍光を発する蛍光体を含む。
チオガレート系蛍光体を用いた発光装置の一例を図面に基づいて説明する。図1は、発光装置100の一例を示す概略断面図である。
発光素子10は、光源として用いられており、420nm以上480nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する。本実施形態のチオガレート系蛍光体は、420nm以上480nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光源からの光により効率よく励起され、高い光束を有する発光装置100を構成することが可能となる。
発光装置100は、第一の蛍光体71として、本発明の好ましい態様によるチオガレート系蛍光体を含む。チオガレート系蛍光体は、前記式(I)で表される組成を有するものであることが好ましい。第一の蛍光体71は、前記光源からの光によって励起され、緑色から黄緑色の範囲の蛍光体を発する。
蛍光部材50は第一の蛍光体71とは発光ピーク波長が異なる第二の蛍光体72を含むことが好ましい。第二の蛍光体72は、黄赤色から赤色の範囲の蛍光を発する蛍光体を含むことが好ましい。第二の蛍光体は、一種の蛍光体を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
マンガンで賦活されたフッ化物蛍光体は、下記式(II)で表される組成を有するフッ化物蛍光体であることが好ましい。
A2[M31−uMn4+ uF6] (II)
式(II)中、Aは、K+、Li+、Na+、Rb+、Cs+及びNH4 +からなる群から選択される少なくとも一種のカチオンであり、M3は第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素であり、uは、0<u<0.2を満たす数である。
第一の蛍光71体及び第二の蛍光体72(以下、併せて単に「蛍光体70」ともいう)は、封止材料とともに発光素子を被覆する蛍光部材50を構成する。蛍光部材50を構成する封止材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
図1に示すように、発光装置100は、第一の蛍光体71及び第二の蛍光体72は、発光素子10の近傍に、第一の蛍光体71及び第二の蛍光体72を混合された状態で配置してもよい。
実施例1
工程(A1)
ストロンチウム(Sr)元素を16質量%含む塩化ストロンチウム(SrCl2)溶液2475gと、ユウロピウム(Eu)元素を10質量%含む塩化ユウロピウム(EuCl3)溶液927gを純水に混合し、全量が3Lである溶液(a1)を準備した。溶液(a1)は、pHが0.8であり、温度が25℃であった。
溶液(a1)中のストロンチウムイオンとユウロピウムイオンの合計量1.00モル(Srイオン(mol)+Euイオン(mol))に対する、溶液(b1)中の亜硫酸イオン(mol)の当量比が1.15となるように亜硫酸アンモニウム(NH4)2SO3(和光純薬工業株式会社製)1000gを純水に溶解し、全量が3.36Lである溶液(b1)を準備した。更に塩酸(HCl)を用いて溶液(b1)のpHを7.5に調整し、温度が20℃であった。
純水4Lと、溶液(b1)のうち0.36Lを溶液(b2)として、純水4Lと溶液(b2)0.36Lの混合溶液の温度を、純水を用いて製造した氷を用いて18℃に調節し、容量50Lの反応容器に投入した。ストロンチウムイオンとユウロピウムイオンの合計量1.00(mol)に対する、溶液(b2)中の亜硫酸イオン(mol)の当量比は0.12であった。純水と溶液(b2)の混合溶液のpHは8であった。
反応容器中の純水及び溶液(b2)の混合溶液を撹拌機(撹拌羽根形状 ピッチドパドル、回転数150rpm)にて撹拌した。
反応容器中の混合溶液を撹拌しつつ、溶液(a1)と、溶液(b1)のそれぞれをチューブ式の定量ポンプ(ヤマト科学株式会社製、マスターフレックス)を用いて、100mL/分の速度で、別々に、かつ同時に反応容器に滴下した。
溶液(a1)及び溶液(b1)のそれぞれを30分かけて、別々に、かつ同時に反応容器に滴下し、滴下中の反応系の温度が、20±5℃であって、pHが5.5±0.5となるように調節した。反応溶液への供給終了と同時に、ストロンチウムイオンとユウロピウムイオンと亜硫酸イオンとの反応を終了させた。
塩酸(HCl)を用いて、反応容器中の反応系のpHを5.5に調整した。
反応系の温度(液温)は、18℃であった。
反応系中で沈降したチオガレート系蛍光体用の亜硫酸塩(Sr,Eu)SO3を濾別により分離し、乾燥後、乾式ふるいを通過させて分級し、亜硫酸塩(Sr,Eu)SO3の粉体を得た。得られた亜硫酸塩(Sr,Eu)SO3の粉体のF.S.S.S法で測定した平均粒径は、3.5μmであり、コールターカウンター法で測定したメディアン粒径は6.9μmであった。亜硫酸塩粉体のF.S.S.S法で測定した平均粒径、及び、亜硫酸塩粉体のコールターカウンター法で測定したメディアン粒径は、後述するチオガレート系蛍光体の平均粒径Dm1及びメディアン粒径Dm2を測定した方法と同様にして行った。
得られた亜硫酸塩(Sr,Eu)SO3の粉体と、酸化ガリウム(Ga2O3)の粉体を、ガリウム元素(モル)に対するストロンチウム元素及びユウロピウム元素の合計モル量の2倍が0.95(2×(Sr(mol)+Eu(mol))/Ga(mol)=0.95)となるように混合し、SrとEuを含有する亜硫酸塩の粉体と酸化ガリウムの粉体を含む原料を得た。酸化ガリウム(Ga2O3)の粉体に含まれるガリウム元素100質量部に対して、塩化リチウムを3.4質量部添加し、混合して混合物を得た。
得られた混合物を石英ルツボに入れ、硫化水素(H2S)濃度が95体積%以上の硫化水素雰囲気下、0.1MPa(常圧)の管状炉において900℃で2時間、熱処理して、チオガレート系蛍光体を得た。
得られたチオガレート系蛍光体を、純水に湿式分散させ、目開き10μmのナイロンメッシュの湿式ふるいにて分級した。その後、固液分離させ、脱水させ、乾燥させ、目開き75μmのナイロンメッシュの乾式ふるいを通過させて分級した。分級後、F.S.S.S(フィッシャーサブシーブサイザーズ)法で測定した平均粒径が14.2μmであって、組成が(Sr0.88Eu0.12)Ga2S4で表されるチオガレート系蛍光体を得た。
実施例1の工程(A1)と同様にして、溶液(a1)及び溶液(b1)を準備した。
工程(B1)において、純水4L及び溶液(b1)3.36Lを、先に容量50Lの反応容器に投入し、反応容器中の純水及び溶液(b1)を含む混合溶液を撹拌機(撹拌羽根形状、ピッチパドル、回転数150rpm)にて撹拌しながら、次に溶液(a1)をチューブ式の定量ポンプ(ヤマト化学株式会社製、マスターフレックス)を用いて100mL/分の速度で30分かけて、反応容器の混合溶液中に滴下したこと以外は、実施例1の工程(B1)と同様にして、亜硫酸塩(Sr,Eu)SO3の粉体を得た。得られた亜硫酸塩(Sr,Eu)SO3の粉体のF.S.S.S法で測定した平均粒径は、1.7μmであり、体積基準の50%平均粒径は、4.0μmであった。
塩化リチウムを用いないこと以外は、実施例1の工程(C)と同様に混合して、混合物を得た。
得られた混合物を実施例1の工程(D)と同様に熱処理してチオガレート系蛍光体を得た。このチオガレート系蛍光体を分級することなく、(Sr0.88Eu0.12)Ga2S4で表される組成を有するチオガレート系蛍光体とした。
工程(C)において、塩化リチウムを用いていないことと、工程(D)後に分級していないこと以外は、実施例1と同様にして、(Sr0.88Eu0.12)Ga2S4で表される組成を有するチオガレート系蛍光体を得た。
工程(D)後に分級をしていないことを以外は、実施例1と同様にして、(Sr0.88Eu0.12)Ga2S4で表される組成を有するチオガレート系蛍光体を得た。
工程(C)において、塩化リチウムの代わりに、それぞれ塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化ルビジウム(RbCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)、塩化バリウム(BaCl2)、フッ化リチウム(LiF)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)を用いたことと、工程(D)後に分級をしていないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3から12の(Sr0.88Eu0.12)Ga2S4で表される組成を有するチオガレート系蛍光体を得た。
工程(C)において、塩化リチウムを、酸化ガリウム(Ga2O3)の粉体に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部添加したことと、工程(D)後に分級をしていないこと以外は、実施例1と同様にして、(Sr0.88Eu0.12)Ga2S4で表される組成を有するチオガレート系蛍光体を得た。
工程(C)において、塩化リチウムを、酸化ガリウム(Ga2O3)の粉体に含まれるガリウム100元素質量部に対して、10.2質量部添加したことと、工程(D)後に分級をしていないこと以外は、実施例1と同様にして、(Sr0.88Eu0.12)Ga2S4で表される組成を有するチオガレート系蛍光体を得た。
実施例1、比較例1及び2の発光装置
実施例1、比較例1、比較例2の各チオガレート系蛍光体を第一の蛍光体71とし、K2SiF6:Mnで表される組成を有するマンガンで賦活されたフッ化物蛍光体含む赤色蛍光体を第二の蛍光体72として、シリコーン樹脂を混合分散し、脱泡して蛍光部材50用の組成物を得た。組成物中、樹脂100質量部に対して蛍光体70を55質量部含有させた。また、第一の蛍光体71及び第二の蛍光体72の合計量100質量%に対して、第一の蛍光体71を5質量%、第二の蛍光体72を95質量%含有させた。蛍光部材用の組成物は、製造する発光装置が発する混色光がCIE1931に規定されるxy色度座標において、xが0.28付近、yが0.27付近(x=0.28、y=0.27)付近となるように第一の蛍光体71及び第二の蛍光体72の配合比を調整した。発光ピーク波長が455nmである青色発光LED(発光素子)を第1のリード20上に実装した後、青色発光LED10上に、蛍光部材50用の組成物を充填し、硬化させて、蛍光部材50を形成し、実施例1、比較例1及び比較例2の各チオガレート系蛍光体を含む、図1に示されるような発光装置100を製造した。
以下の方法にて、実施例1から2及び比較例1から14に係るチオガレート系蛍光体の評価を行った。
実施例1から2及び比較例1から14のチオガレート系蛍光体の粉体について、FisherSub-Sieve Sizer Model95(Fisher Scientific社製)を用いて、F.S.S.S法により平均粒径Dm1(μm)を測定した。結果を表1及び表2に示す。
実施例1、比較例1、及び比較例2のチオガレート系蛍光体の粉体について、粒度分布測定装置(コールターカウンター社製、製品名:CMS)を用いて、コールターカウンター法によりメディアン粒径Dm2(μm)、体積基準の粒度分布の標準偏差(σlog)を測定した。結果を表1に示す。メディアン粒径Dm2は、コールターカウンター法で測定した体積基準累積粒度分布における50%に対応する平均粒径を意味する。
実施例1から2及び比較例1から14のチオガレート系蛍光体について、相対発光強度を測定した。発光強度は、励起波長460nmである光源からの光を反射させて、分光蛍光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製、製品名:F−4500)を用いて、室温(25℃±5℃)における各蛍光体の発光強度を測定した。比較例1のチオガレート系蛍光体の発光強度を100%として、各蛍光体の発光強度を相対発光強度(%)として表した。結果を表1及び表2に示す。
実施例1、比較例1及び比較例2のチオガレート系蛍光体について、誘導結合プラズマ発光分析装置(Perkin Elmer(パーキンエルマー)社製)を用いて、ICP発光分析法により、チオガレート系蛍光体中のリチウム元素(Li)元素及び塩素元素(Cl)元素の含有量を求めた。結果を表1に示す。
相対光束
実施例1、比較例1及び比較例2のチオガレート系蛍光体を用いた、実施例1、比較例1及び比較例2の発光装置について、積分球を使用した全光束測定装置を用いて、光束を測定した。比較例1の発光装置の光束を100%として、実施例1及び比較例2の発光装置の相対光束を算出した。結果を表1に示す。
実施例1のチオガレート系蛍光体は、F.S.S.S法で測定した平均粒径Dm1に対するコールターカウンター法で測定したメディアン粒径Dm2の比(Dm2/Dm1)が1.3と、比較例1のチオガレート系蛍光体よりも1に近い値であり、一次粒子が凝集していない二次粒子が多く含まれていることが確認できた。
比較例6から9のチオガレート系蛍光体は、塩化リチウム以外のアルカリ土類金属のハロゲン化物である塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)、塩化バリウム(BaCl2)を用いて得られたものであり、相対発光強度が高くなるものの、平均粒径が小さくなった。
比較例10のチオガレート系蛍光体は、混合工程において、塩化リチウム以外のリチウムハロゲン化物であるフッ化リチウム(LiF)を用いて得られたものである。比較例10のチオガレート系蛍光体は、平均粒径は大きくなるものの、相対発光強度が低下した。
比較例11のチオガレート系蛍光体は、臭化リチウム(LiBr)を用いて得られたものである。比較例11のチオガレート系蛍光体は、相対発光強度は維持されているものの、平均粒径が小さくなった。
比較例12のチオガレート系蛍光体は、ヨウ化リチウム(LiI)を用いて得られたものである。比較例12のチオガレート系蛍光体は、相対発光強度も低下し、平均粒径も小さくなった。
比較例13のチオガレート系蛍光体は、1.7質量部の塩化リチウムを用いて得られたものである。比較例13のチオガレート系蛍光体は、相対発光強度が低下した。
比較例14のチオガレート系蛍光体は、10.2質量部の塩化リチウムを用いて得られたものである。比較例14のチオガレート系蛍光体は、平均粒径は大きくなるものの、相対発光強度が著しく低下した。
Claims (15)
- ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種のM1イオンとユウロピウム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも一種のM2イオンとを含む溶液(a1)と、亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを準備することと、
溶液(a1)と溶液(b1)とを同時に反応容器に供給して、M1イオンとM2イオンと亜硫酸イオンとを含む反応系において、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得ることと、
前記元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体とガリウム化合物の粉体を含む原料と、塩化リチウムとを混合して混合物を得ることと、
前記混合物を熱処理してチオガレート系蛍光体を得ることを含み、
前記塩化リチウムの量が、前記ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部を超えて10.2質量部未満である、チオガレート系蛍光体の製造方法。 - ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種のM1イオンを含む溶液(a2)と、ユウロピウム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも一種のM2イオンを含む溶液(a3)と、亜硫酸イオンを含む溶液(b1)とを準備することと、
溶液(a2)と溶液(a3)と溶液(b1)とを同時に反応容器に供給して、M1イオンとM2イオンと亜硫酸イオンとを含む反応系において、元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体を得ることと、
前記元素M1及び元素M2を含有する亜硫酸塩の粉体とガリウム化合物の粉体とを含む原料と、塩化リチウムとを混合して混合物を得ることと、
前記混合物を熱処理してチオガレート系蛍光体を得ることを含み、
前記塩化リチウムの量が、前記ガリウム化合物の粉体中に含まれるガリウム元素100質量部に対して、1.7質量部を超えて10.2質量部未満である、チオガレート系蛍光体の製造方法。 - 前記熱処理後、F.S.S.S(フィッシャーサブシーブサイザーズ)法で測定した平均粒径が10μm以上のチオガレート系蛍光体を得るために、さらに分級することを含む、請求項1又は2に記載にチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記チオガレート系蛍光体が下記式(I)で表される組成を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
(M11−xM2x)Ga2−yS4−z (I)
(式(I)中、M1は、ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の元素であり、M2は、ユウロピウム及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、x、y、zは、それぞれ0.03≦x≦0.25、−0.2≦y≦0.2、−0.2≦z≦0.2を満たす数である。) - 前記式(I)中、M1がストロンチウム、カルシウム、及びバリウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素であり、M2がユウロピウムである、請求項4に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記M1イオン及びM2イオンの合計に対する前記溶液(b1)に含まれる亜硫酸イオンの当量比が1.01以上1.30以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記溶液(b1)のpHを7.0以上8.5以下の範囲に調整する、請求項1から6のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記溶液(b1)を反応容器に供給する前に、前記溶液(b1)とは別に、M1イオン及びM2イオンの合計に対する亜硫酸イオンの当量比が0.2以下である亜硫酸イオンを含む溶液(b2)を前記反応容器に供給することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記溶液(b2)のpHを7.0以上8.5以下の範囲に調整する、請求項8に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記反応系のpHを5.0以上8.5以下の範囲に調整する、請求項1から9のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記反応系のpHを5.0以上6.0以下の範囲に調整する、請求項10に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 前記反応系の温度が15℃以上30℃以下である、請求項1から11のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- F.S.S.S(フィッシャーサブシーブサイザーズ)法で測定した平均粒径が10.1μm以上25.0μm以下であり、F.S.S.S法で測定した平均粒径Dm1に対するコールターカウンター法で測定したメディアン粒径Dm2の比(Dm2/Dm1)が1.0以上2.5以下であり、ストロンチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の元素M1と、ユウロピウム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素M2と、ガリウムと、硫黄とを含有し、リチウム元素を750ppm以上4000ppm以下含有する、チオガレート系蛍光体を得る、請求項1から12のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- コールターカウンター法で測定した体積基準の粒度分布の標準偏差が0.5以下である、チオガレート系蛍光体を得る、請求項1から13のいずれか一項に記載のチオガレート系蛍光体の製造方法。
- 請求項1から14のいずれか一項に記載の製造方法によってチオガレート系蛍光体を製造する工程と、得られたチオガレート系蛍光体と、420nm以上480nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光を発する光源と、黄赤色から赤色の範囲の蛍光を発する蛍光体とを用いて発光装置を得る工程を含む、発光装置の製造方法。
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