JP6561908B2 - 鋼板監視方法および鋼板監視装置、ならびにトリム設備 - Google Patents
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Description
本発明は、このような知見に基づくものであり、以下の(1)〜(12)を提供する。
前記モータの負荷電流をモニターし、
モニターされた前記負荷電流値の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じた場合に異常信号を発することを特徴とする鋼板監視方法。
前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
モニターされた前記負荷電流値の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
を具備することを特徴とする鋼板監視装置。
複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備え、前記サイドトリマーの切断により得られた端板を切断するチョッパーと、
鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視装置と
を具備し、
前記鋼板監視装置は、
前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
モニターされた前記負荷電流値の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
を有することを特徴とするトリム設備。
最初に、本発明が適用される薄板製造ラインについて説明する。
図1は、本発明が適用される薄板プロセスラインを示す概略図である。薄板プロセスラインは、熱延コイル101が装着され、熱延コイル101から鋼板1を繰り出すためのペイオフリール100と、鋼板1表面のスケールを除去するための酸洗設備200と、酸洗後の鋼板の両側余幅を切断するためのトリム設備300とを有している。トリム設備300で両側余幅が切断された鋼板は、冷間圧延設備により冷間圧延される。また、図示はしないが、前後の鋼板1を溶接するウエルダー、鋼板の切り替え時などに使用されるルーパー設備、鋼板1のレベリングを行うレベラーなども設置される。
次に、上記トリム設備300について説明する。
図2はトリム設備を示す概略構成図、図3は図2のトリム設備により鋼板の両側余幅を切り落とした状態を示す斜視図である。
次に、鋼板監視装置5について説明する。
鋼板監視装置5は、チョッパー4のモータ37の負荷電流を常時測定し、それに基づいて鋼板1に蛇行または曲りといった異常を検出するものであり、図6に示すように、モータ37の負荷電流をモニターする電流計41と、電流計41により検出された負荷電流値に基づいて鋼板1に蛇行または曲りといった異常が生じているか否かを判定する演算部42とを有している。
図7は、鋼板両側に配置されたチョッパー4(モータ37)の端板切断時における実際の負荷電流波形を示すチャートの一例である。チョッパー4においては、切断ロール33および34が連続的に流れてくる端板7の速度と同期して回転し、これらの外周に設けられた多数の切断刃38により一定間隔で間欠的に端板7を切断する。このとき、切断刃38が端板7に当たると、切断時の負荷によりモータ37の負荷電流が上昇する。つまり、切断刃38が端板7に接触するときを起点として負荷電流が上昇し、切断による負荷の増加に伴って負荷電流値も増加し、ある時点で電流値が最大になった後に減少に転じ、切断が終わるにつれて、負荷電流が減少する。こうして、モータ37の負荷電流は、切断刃38が端板7を切断するタイミングに同期して、一定の間隔(周期)で上下動を繰り返すため、正常に切断が行われているときは、図7に示すような所定周期でピークが現れる波形となる。ここで、鋼板1の搬送速度に対応する端板7の供給速度や切断刃38の数に応じて負荷電流の変動周期が変わる。また、切断刃38の大きさに応じて負荷電流のピーク高さが変わる。
ただし、蛇行や曲りが大きすぎる場合、鋼板の一方の側の余幅が大きくなりすぎて、サイドトリマー2やチョッパー4に収まりきらずに設備破壊に至ることもあるので、蛇行や曲りの検出は速やかに行われる必要がある。
図8は、本発明に基づいて鋼板の蛇行や曲りなどの異常を検出する方法の具体例を示す図である。まず、モータ37の負荷電流を所定間隔で、所定時間測定する。このとき、切断刃が確実に端板を切断していることを検知するために、閾値を設定する。閾値は、鋼種やライン速度にあわせて、あらかじめ設定しておく。
[1]測定された負荷電流をi1、i1の直前に測定された電流をi0とする。
チョッパーが稼動すると同時に負荷電流の測定を開始する。負荷電流は所定の時間ごとに測定される。チョッパーが稼動する前の負荷電流値(トルク電流値)はゼロである。チョッパーが稼動した直後は、端板がチョッパーに導入されていないので、モータが回転するものの、その回転数に応じた一定の電流が流れるのみである。(i0=i1=C(例えば120A)、図8のNo.0)。端板がチョッパーに導入され、切断ロールの切断刃が端板の切断を始めると、モータの負荷電流が上昇する。
また、閾値を、ここでは15Aに設定する。
[2]負荷電流i1を測定する。
[3]i0とi1とを比較し、差分を求め(Δi=i1−i0)、Δiの正負を判断する。(本例では、i1=130A)、図8のNo.1)、差分Δi=+10A)
[4]Δiが正ならば、Δiの値を上昇値として保存する。同時に、i0の値をi1に置き換えて、次のi1を測定する。
[5]上記[3]、[4]を繰り返す。Δiが正である間は、Δiの値を都度上昇値に加算して、累積上昇値として保存する(図8のNo.2、本例では、電流値i1=170A、Δi=40A、累積上昇値=+50A)
[6]Δiが負の場合、その直前の累積上昇値を最大上昇値として保存し、減少した差分Δiを新たに保存する。(図8のNo.3、本例では、i1=145A、最大上昇値=+50A、Δi=−25A)
[7]最大上昇値から、Δiの絶対値(下降値)を差し引き、差し引いた値(上最大加算値−下降値)と閾値とを比較する。(本例では、差し引いた値=25A、閾値=15A)。(最大上昇値−下降値)が閾値以上であれば、切断が継続していると判断する。
[8]i0の値をi1に置き換えて次のi1を測定し、Δiを求める。
[9]Δiが負であれば、Δiの絶対値を下降値に加算して、累積下降値として保存し、[7]、[8]を繰り返す。(図8のNo.4、本例では、Δi=−5A、累積下降値=30A、(最大加算値−累積下降値)=20A)。
[10]累積下降値を最大上昇値から差し引いた値が閾値以下になった時に、一つの切断刃による切断が終了したと判断する。(図8のNo.5)。そして、累積上昇値が閾値以上となってから、累積下降値を最大上昇値から差し引いた値が閾値以下になるまでを、切断時ピークとする。
[11]上記[2]にもどり、同様の手順で電流値を計測する。
[12]切断時ピークが所定時間以上現れない場合、または所定時間内に現れる切断時ピークの数が所定値以下の場合は、異常発生と判断する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々変形することが可能である。例えば、上記実施形態では、本発明の鋼板監視装置を、鋼板エッジ手段であるカメラと、その検出結果に基づいて鋼板の位置修正を行うステアリングロールとを用いた蛇行修正機構とを併用した場合について示したが、本発明の鋼板監視装置を単独で使用してもよい。また、切断刃が確実に端板を切断していることを判断する手法は、上記図8に基づいて説明したものに限らず、モータの負荷電流のピークが所定の閾値を超えたか否かを判定するものでもよい。
2 サイドトリマー
3 切断刃
4 チョッパー
5 鋼板監視装置
6 トリマーシュート
7 端板
11 ステアリングロール
12 カメラ
20 鋼板走行制御装置
33,34 切断ロール
37 モータ
38 切断刃
100 ペイオフリール
101 熱延コイル
200 酸洗設備
300 トリム設備
Claims (9)
- 搬送されている鋼板の両側余幅部分が連続的に切断されて生じた端板を、複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備えたチョッパーにより切断する際に、鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視方法であって、
前記モータの負荷電流をモニターし、
モニターされた前記負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断し、異常信号を発することを特徴とする鋼板監視方法。 - 負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする請求項1に記載の鋼板監視方法。
- 前記異常信号が発せられた際に、その異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼板監視方法。
- 搬送されている鋼板の両側余幅部分が連続的に切断されて生じた端板を、複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備えたチョッパーにより切断する際に、鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視装置であって、
前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
モニターされた前記負荷電流の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
を具備し、
前記演算部は、前記モニターされている負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断することを特徴とする鋼板監視装置。 - 前記演算部は、負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする請求項4に記載の鋼板監視装置。
- 前記演算部から発せられる異常信号を受け取り、前記異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止する制御装置をさらに具備することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の鋼板監視装置。
- 搬送されている鋼板の両側余幅部分を連続的に切断するサイドトリマーと、
複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備え、前記サイドトリマーの切断により得られた端板を切断するチョッパーと、
鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視装置と
を具備し、
前記鋼板監視装置は、
前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
モニターされた前記負荷電流の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
を有し、
前記演算部は、前記モニターされている負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断することを特徴とするトリム設備。 - 前記演算部は、負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする請求項7に記載のトリム設備。
- 前記演算部から発せられる異常信号を受け取り、前記異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止する制御装置をさらに具備することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のトリム設備。
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