JP6561908B2 - 鋼板監視方法および鋼板監視装置、ならびにトリム設備 - Google Patents

鋼板監視方法および鋼板監視装置、ならびにトリム設備 Download PDF

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Description

本発明は、薄板製造ラインにおいて、鋼板の蛇行等による板破断やそれにともなう設備破壊を防止するための鋼板監視方法および鋼板監視装置、ならびにそのような鋼板監視装置を備えたトリム設備に関する。
薄板製造ラインにおいては、熱延コイルから連続的に繰り出された鋼板を酸洗した後、サイドトリマーと呼ばれる切断設備で鋼板の両側余幅部分を切り落とした後、冷間圧延設備に送られる。
このとき、搬送ロールの上を搬送される鋼板は、幅方向の中心がラインセンター(搬送ロールの幅方向中心)を通過するのが理想的である。しかしながら、実際の操業では、搬送ロールの状態や鋼板の形状の変化により、鋼板が蛇行して鋼板の幅方向中心位置がロールセンターからずれてしまう。また、鋼板の曲りが存在していることもある。
鋼板の蛇行や曲りが生じると、鋼板の破断やそれにともなう設備破壊につながるおそれがある。このような鋼板の蛇行や曲りによる設備破壊や破断リスクは、サイドトリマーにおいて最も大きくなる。すなわち、サイドトリマーにおいては、鋼板の蛇行や曲りが生じている状態では、最悪の場合、鋼板の片側の余幅部分がなくなるため、余幅切断ができなくなる。さらに、サイドトリマー自体には鋼板の蛇行修正能力が無いので、余幅切断工程までに鋼板の蛇行が修正されない場合は、鋼板の破断やそれにともなう設備破壊に至る可能性がある。また、鋼板が再び蛇行や曲りがない状態に戻った時に、サイドトリマーの切断刃が鋼板に噛み込まなくなり、このことも設備破壊の原因となる可能性がある。
このため、従来は、鋼板のラインセンターからのずれをカメラ等のエッジ位置検出手段で鋼板のエッジ位置を検出することで監視し、下流のステアリングロールにて走路に対する鋼板の位置修正を行っている(例えば特許文献1、2)。
特開2012−240067号公報 特開2013−111591号公報
しかしながら、上記のようなカメラ等のエッジ位置検出手段で鋼板のエッジ位置を監視してステアリングロールにより鋼板の蛇行を矯正する方法のみでは、局所的かつ瞬間的に鋼板が蛇行することにより鋼板がラインセンターから大きく外れた場合や鋼板自体に局所的な曲がりがあった場合には、これらを検知できないか、または検知してもステアリングロールによる修正が間に合わないことがあり、このような異常の把握が遅れて鋼板の破断やそれにともなう設備破壊を招くことがあった。
したがって、本発明は、局所的かつ瞬間的な鋼板の蛇行や曲りによる異常を精度よくかつ速やかに検知して鋼板の破断や設備破壊をより確実に防止することができる鋼板監視方法および鋼板監視装置、ならびにそのような鋼板監視装置を備えたトリム設備を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、鋼板の両側余幅をサイドトリマーで切断して得られた端板をさらに細かく切断するチョッパーに注目した。そして、チョッパーに設けられた切断刃を有する切断ロールのモータの負荷電流を監視すれば、所定以上の鋼板の蛇行や曲りを精度よくかつ速やかに検出することができ、それによって鋼板の破断やそれに伴う設備破壊を未然に防止できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づくものであり、以下の(1)〜(12)を提供する。
(1)搬送されている鋼板の両側余幅部分が連続的に切断されて生じた端板を、複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備えたチョッパーにより切断する際に、鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視方法であって、
前記モータの負荷電流をモニターし、
モニターされた前記負荷電流値の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じた場合に異常信号を発することを特徴とする鋼板監視方法。
(2)前記モニターされている負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断することを特徴とする(1)に記載の鋼板監視方法。
(3)負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする(2)に記載の鋼板監視方法。
(4)前記異常信号が発せられた際に、その異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の鋼板監視方法。
(5)搬送されている鋼板の両側余幅部分が連続的に切断されて生じた端板を、複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備えたチョッパーにより切断する際に、鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視装置であって、
前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
モニターされた前記負荷電流値の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
を具備することを特徴とする鋼板監視装置。
(6)前記演算部は、前記モニターされている負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断することを特徴とする(5)に記載の鋼板監視装置。
(7)前記演算部は、負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする(6)に記載の鋼板監視装置。
(8)前記演算部から発せられる異常信号を受け取り、前記異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止する制御装置をさらに具備することを特徴とする(5)から(7)のいずれかに記載の鋼板監視装置。
(9)搬送されている鋼板の両側余幅部分を連続的に切断するサイドトリマーと、
複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備え、前記サイドトリマーの切断により得られた端板を切断するチョッパーと、
鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視装置と
を具備し、
前記鋼板監視装置は、
前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
モニターされた前記負荷電流値の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
を有することを特徴とするトリム設備。
(10)前記演算部は、前記モニターされている負荷電流の波形に、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断することを特徴とする(9)に記載のトリム設備。
(11)前記演算部は、負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする(10)に記載のトリム設備。
(12)前記演算部から発せられる異常信号を受け取り、前記異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止する制御装置をさらに具備することを特徴とする(9)から(11)のいずれかに記載のトリム設備。
本発明によれば、搬送されている鋼板の両側余幅部分が連続的に切断されて生じた端板を、複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備えたチョッパーにより切断する際に、前記モータの負荷電流をモニターし、モニターされた前記負荷電流値の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じた場合に異常信号を発するので、所定値以上の鋼板の蛇行や曲りが局所的かつ瞬間的に生じた場合であっても、これを精度よくかつ速やかに検出することができ、鋼板の破断やそれにともなう設備の破損を有効に防止することができる。
本発明が適用される薄板製造ラインの一例を示す概略図である。 図1の薄板プロセスラインに用いられるトリム設備を示す概略構成図である。 図2のトリム設備により鋼板の両側余幅を切り落とした状態を示す斜視図である。 図2のトリム設備が有するチョッパーの構成を示す側面図である。 図4のチョッパーにおける複数の切断刃を有する切断ロールを示す概略図である。 トリム設備に用いられる本発明の一実施形態に係る鋼板監視装置を示すブロック図である。 鋼板両側に配置されたチョッパーの端板切断時における実際の負荷電流波形を示すチャートである。 本発明に基づいて鋼板の蛇行を検出する方法の具体例を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<薄板製造ライン>
最初に、本発明が適用される薄板製造ラインについて説明する。
図1は、本発明が適用される薄板プロセスラインを示す概略図である。薄板プロセスラインは、熱延コイル101が装着され、熱延コイル101から鋼板1を繰り出すためのペイオフリール100と、鋼板1表面のスケールを除去するための酸洗設備200と、酸洗後の鋼板の両側余幅を切断するためのトリム設備300とを有している。トリム設備300で両側余幅が切断された鋼板は、冷間圧延設備により冷間圧延される。また、図示はしないが、前後の鋼板1を溶接するウエルダー、鋼板の切り替え時などに使用されるルーパー設備、鋼板1のレベリングを行うレベラーなども設置される。
<トリム設備>
次に、上記トリム設備300について説明する。
図2はトリム設備を示す概略構成図、図3は図2のトリム設備により鋼板の両側余幅を切り落とした状態を示す斜視図である。
図2、図3に示すように、トリム設備300は、鋼板1の端部を上下から挟むと同時に、両側余幅部分を切断する上下一対のトリマー刃3を鋼板の両側に有するサイドトリマー2と、サイドトリマー2で切断された端板7をさらに細かく切断するチョッパー4と、チョッパー4が端板7を切断する際に得られるモータの負荷信号に基づいて鋼板1に生じる大きな蛇行や曲り等の異常の有無を監視する鋼板監視装置5とを有する。サイドトリマー2で鋼板1の余幅部分を切断することにより得られた端板7はトリマーシュート6によってチョッパー4に導かれる。
また、薄板プロセスラインにおいては、図1に示すようなトリム設備300の上流側等、各所に鋼板1の蛇行を矯正して鋼板幅方向の中心をラインセンターに揃えるためのステアリングロール11が設けられており、ステアリングロール11の上流側には、鋼板のエッジ位置を検出するエッジ位置検出手段としてカメラ12が設けられている。カメラ12の検出信号は鋼板走行制御装置20に送られ、制御部20は、カメラ12の検出信号に基づいてステアリングロール11にて鋼板の位置修正を行う。
鋼板走行制御装置20は、鋼板監視装置5からの異常信号を受け取ったときに、警報を出すかまたはラインを停止させる。
チョッパー4は、サイドトリマー2のトリマー刃3に対応して鋼板1の両側に設けられている。一方側のチョッパー4は、図4に示すように、鋼板1の幅に応じて位置調整可能なベース31と、ベース31上に設けられたハウジング32と、ハウジング32の上下に回転可能に設けられた切断ロール33および34と、下部の切断ロール34の軸35に減速機36を介して設けられたモータ37とを有している。また、図示していないが、切断ロール33および34の間隔を調整する機構も有している。図5に示すように、切断ロール33および34には外周に複数の切断刃38が設けられており、切断ロール33および34の間に端板7が挟まれた状態で端板の供給速度に同期して回転する。これにより、切断刃38により端板7が切断される。モータ37の負荷電流は鋼板監視装置5に送られる。なお、鋼板1の反対側のチョッパー4は、上記一方側のチョッパー4と対称の構造を有している。なお、モータ37は、切断ロール33に接続するようにしてもよい。
<鋼板監視装置>
次に、鋼板監視装置5について説明する。
鋼板監視装置5は、チョッパー4のモータ37の負荷電流を常時測定し、それに基づいて鋼板1に蛇行または曲りといった異常を検出するものであり、図6に示すように、モータ37の負荷電流をモニターする電流計41と、電流計41により検出された負荷電流値に基づいて鋼板1に蛇行または曲りといった異常が生じているか否かを判定する演算部42とを有している。
すなわち、チョッパー4により端板7の切断が行われているときにはモータ37に所定の負荷がかかるため、電流計41で検出されるモータ37の負荷電流は切断時に増加する。しかし、鋼板1に蛇行や曲りが生じている状態では、鋼板1の片側の余幅が徐々に少なくなり、最終的に鋼板1が片方のサイドトリマー2から外れると、チョッパー4に端板7が供給されなくなる。そのため、モータ37の負荷電流は、端板7の供給が止まれば、変動することなくほとんど一定値になってしまう。
鋼板監視装置5は、電流計41でモータ37の負荷電流を常時測定し、演算部42において、得られた負荷電流波形が切断時の際の負荷電流波形と異なると判断したときに異常と判定し、異常信号を鋼板走行制御装置20に送る。
以下、具体的に説明する。
図7は、鋼板両側に配置されたチョッパー4(モータ37)の端板切断時における実際の負荷電流波形を示すチャートの一例である。チョッパー4においては、切断ロール33および34が連続的に流れてくる端板7の速度と同期して回転し、これらの外周に設けられた多数の切断刃38により一定間隔で間欠的に端板7を切断する。このとき、切断刃38が端板7に当たると、切断時の負荷によりモータ37の負荷電流が上昇する。つまり、切断刃38が端板7に接触するときを起点として負荷電流が上昇し、切断による負荷の増加に伴って負荷電流値も増加し、ある時点で電流値が最大になった後に減少に転じ、切断が終わるにつれて、負荷電流が減少する。こうして、モータ37の負荷電流は、切断刃38が端板7を切断するタイミングに同期して、一定の間隔(周期)で上下動を繰り返すため、正常に切断が行われているときは、図7に示すような所定周期でピークが現れる波形となる。ここで、鋼板1の搬送速度に対応する端板7の供給速度や切断刃38の数に応じて負荷電流の変動周期が変わる。また、切断刃38の大きさに応じて負荷電流のピーク高さが変わる。
したがって、モータ37の負荷電流に基づく電流の変化量の大きさに所定の閾値を設け、この電流の変化量の値が閾値以上となったとき、チョッパー4が端板を切断していると判断し、さらにこのような閾値よりも高いピークが所定の間隔で検出されれば、サイドトリマー2により鋼板1の両側余幅部分が正常に切断されていると判断する。
一方、鋼板1に、幅方向片側がサイドトリマー2から外れてしまうような大幅な蛇行や曲がりが生じた場合、その幅方向片側のサイドトリマー2では余幅部分が切断されないから、チョッパー4に端板7が導入されず、モータ37の負荷電流には端板切断時のような間欠的なピークは現れない。これに対し、他方側のサイドトリマー2では余幅部分が正常に切断されチョッパー4で端板7が正常に切断される。したがって、片側のチョッパー4で正常に切断され、他方側のチョッパー4のモータ37の負荷電流に基づく電流の変化量が閾値以上とならない期間が所定時間以上継続した場合、または所定期間内に現れる閾値以上のピークの数が所定値以下の場合、鋼板1に所定値以上の蛇行や曲りが発生している可能性が高い。
ここで、鋼板1の所定値以上の蛇行や曲りとは、上記余幅部分相当以上の板幅方向の変化があった場合を言う。上記余幅部分は、トリム後の板幅やトリム前の鋼板の両端部の状況(いわゆる、耳割れや耳荒れ)によって、適宜設定される。
ただし、蛇行や曲りが大きすぎる場合、鋼板の一方の側の余幅が大きくなりすぎて、サイドトリマー2やチョッパー4に収まりきらずに設備破壊に至ることもあるので、蛇行や曲りの検出は速やかに行われる必要がある。
このため、鋼板監視装置5では、鋼板1の両側のチョッパー4のモータ37の負荷電流を常時監視し、片側のチョッパー4で正常に切断されており、他方側のチョッパー4のモータ37の負荷電流に基づく電流の変化量が閾値以上にならない期間が所定時間以上継続した場合、または所定期間内に現れる閾値以上のピークの数が所定値以下の場合に、鋼板1に所定値以上の蛇行や曲りが発生していると判断して、鋼板走行制御装置20に異常信号を送る。そして、上述したように、鋼板走行制御装置20は鋼板監視装置5からの異常信号を受け取ったときに、警報を発するかまたはラインを強制的に停止させる。
従来は、例えば、カメラ12により鋼板1のエッジ位置を検出し、それに基づいてステアリングロール11により鋼板1の蛇行を矯正するのみであったが、このような手法のみでは、局所的かつ瞬間的に鋼板1が蛇行することにより鋼板1がラインセンターから大きく外れた場合や鋼板1自体に局所的な曲がりがあった場合には、これらを検知できないか、または検知してもステアリングロール11による修正が間に合わないことがあり、このような異常の把握が遅れて鋼板の破断やそれにともなう設備破壊を招くことがあった。これに対して、本実施形態では、従来のカメラ12とステアリングロール11を用いた鋼板1の蛇行矯正に加えて、鋼板1の両側のチョッパー4のモータ37の負荷電流を常時監視するので、所定以上の鋼板1の蛇行や曲りが局所的かつ瞬間的に生じた場合であっても、これを精度よくかつ速やかに検出することができる。このため、このような鋼板1の蛇行や曲りを検出した時点で、ただちに警報を発するかまたはラインを停止する等の措置をとることにより、鋼板の破断やそれにともなう設備の破損を有効に防止することができる。
次に、チョッパー4(モータ37)の負荷電流の変動によって鋼板の蛇行等を検出する手法について説明する。
図8は、本発明に基づいて鋼板の蛇行や曲りなどの異常を検出する方法の具体例を示す図である。まず、モータ37の負荷電流を所定間隔で、所定時間測定する。このとき、切断刃が確実に端板を切断していることを検知するために、閾値を設定する。閾値は、鋼種やライン速度にあわせて、あらかじめ設定しておく。
電流が閾値を超えたか否かの判断は、以下の手順で行う。
[1]測定された負荷電流をi1、i1の直前に測定された電流をi0とする。
チョッパーが稼動すると同時に負荷電流の測定を開始する。負荷電流は所定の時間ごとに測定される。チョッパーが稼動する前の負荷電流値(トルク電流値)はゼロである。チョッパーが稼動した直後は、端板がチョッパーに導入されていないので、モータが回転するものの、その回転数に応じた一定の電流が流れるのみである。(i0=i1=C(例えば120A)、図8のNo.0)。端板がチョッパーに導入され、切断ロールの切断刃が端板の切断を始めると、モータの負荷電流が上昇する。
また、閾値を、ここでは15Aに設定する。
[2]負荷電流i1を測定する。
[3]i0とi1とを比較し、差分を求め(Δi=i1−i0)、Δiの正負を判断する。(本例では、i1=130A)、図8のNo.1)、差分Δi=+10A)
[4]Δiが正ならば、Δiの値を上昇値として保存する。同時に、i0の値をi1に置き換えて、次のi1を測定する。
[5]上記[3]、[4]を繰り返す。Δiが正である間は、Δiの値を都度上昇値に加算して、累積上昇値として保存する(図8のNo.2、本例では、電流値i1=170A、Δi=40A、累積上昇値=+50A)
[6]Δiが負の場合、その直前の累積上昇値を最大上昇値として保存し、減少した差分Δiを新たに保存する。(図8のNo.3、本例では、i1=145A、最大上昇値=+50A、Δi=−25A)
[7]最大上昇値から、Δiの絶対値(下降値)を差し引き、差し引いた値(上最大加算値−下降値)と閾値とを比較する。(本例では、差し引いた値=25A、閾値=15A)。(最大上昇値−下降値)が閾値以上であれば、切断が継続していると判断する。
[8]i0の値をi1に置き換えて次のi1を測定し、Δiを求める。
[9]Δiが負であれば、Δiの絶対値を下降値に加算して、累積下降値として保存し、[7]、[8]を繰り返す。(図8のNo.4、本例では、Δi=−5A、累積下降値=30A、(最大加算値−累積下降値)=20A)。
[10]累積下降値を最大上昇値から差し引いた値が閾値以下になった時に、一つの切断刃による切断が終了したと判断する。(図8のNo.5)。そして、累積上昇値が閾値以上となってから、累積下降値を最大上昇値から差し引いた値が閾値以下になるまでを、切断時ピークとする。
[11]上記[2]にもどり、同様の手順で電流値を計測する。
[12]切断時ピークが所定時間以上現れない場合、または所定時間内に現れる切断時ピークの数が所定値以下の場合は、異常発生と判断する。
ひとつの切断刃による切断の終了後、次の切断刃が端板に接触するまでは、大きな電流は流れない。したがって、最大上昇値が閾値未満である場合は、切断時ピークとしてカウントしない。すなわち、上記[5]、[6]において、累積上昇値が閾値以上になる前にΔiが負になった場合は、切断時ピークとせずに新たに[2]以降を繰り返す。
閾値は、鋼種やライン速度にあわせて、または実績を考慮してあらかじめ設定することとしたが、切断のたびにトルク電流が変わり、また最大加算値の値も変化することから、最大加算値を基準に切断の都度設定するようにしてもよい。例えば、最大加算値の30%を閾値として、(最大加算値−累積下降値)の値がそれよりも小さくなるまで電流測定を繰り返すようにしてもよい。この場合、1つの切断刃による切断で求められた閾値は、次の切断刃による切断で閾値が決まるまで維持される。それによって、切断時ピークが発生しなかった場合に、閾値が無いことによって切断時ピークが決定できない事態を回避することができる。
図8の例で示したように、切断時ピークを検出することができれば、切断が正常に行われていると判断できる。一方で、切断時ピークが所定時間検出されなければ、異常発生と判断することが可能である。異常発生と判断した場合は、上述のように鋼板走行制御装置20に異常信号を送る。鋼板走行制御装置20は、鋼板監視装置5からの異常信号を受け取ったときに、警報を出すかまたはラインを停止させる。
負荷電流i1の測定時間t1は、1つの切断刃が端板に接触してから切断が終了する時間よりも短いことが必要である。t1は適宜設定できるが、異常発生を的確に検知するためには、t1は1つの切断刃が端板に接触してから切断が終了するまでの時間の1/3以下とすることが好ましい。t1の下限には特に制限が無いが、1つの切断刃が端板に接触してから切断が終了するまでの時間の1/10程度で十分である。これ以上短くしても検出効率に差が出ないことに加え、データの量が多くなるので、操業記録としてデータを保管するときに不利になる。
また、切断時ピークが現れる頻度を調べるために、測定時間t0を設定する。t0を、1つの切断刃が端板に接触してから切断が終了する時間よりも長く設定する。t0の長さは適宜設定してよい。
切断時ピークが所定時間以上現れない場合を鋼板の蛇行または曲がりが発生したと判断するが、この所定時間の長さは、重大なトラブルを未然に防止する上で重要である。所定時間の長さは、例えば1つの切断刃が端板に接触してから切断が終了するまでの時間に所定の係数を乗じた時間とすることが可能である。所定の定数は、最大では切断刃の数と同じ、最小では切断刃の数の1/3程度が適当である。所定時間が長すぎると、切断時ピークが現れなかった時の対応が遅れて重大なトラブルの原因に成り得る。所定時間が短くても良いが、切断時ピークが現れなかった時の処理が難しくなり、また頻繁にライン停止を発生させて生産効率を悪くする。
所定時間内に現れる切断時ピークの数が所定値以下である場合も、鋼板の蛇行または曲がりが発生したと判断する。切断時ピークの数は、切断刃の数に依存する。鋼板の蛇行または曲がり発生の判断に切断時ピークの数を用いる場合、適当な所定値を設定する必要がある。鋼板の蛇行または曲がりが発生し、これを検知してからラインが停止するまでの時間も考慮して、最大では切断刃の数と同じ、最小では切断刃の数の1/2程度とすることが好適である。所定値が大きすぎると、切断時ピークが現れなかった時の対応が遅れて重大なトラブルの原因に成り得る。所定値が小さすぎると、切断時ピークが現れなかった時の処理が難しくなり、また頻繁にライン停止を発生させて生産効率を落とすことになる。
<他の適用>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々変形することが可能である。例えば、上記実施形態では、本発明の鋼板監視装置を、鋼板エッジ手段であるカメラと、その検出結果に基づいて鋼板の位置修正を行うステアリングロールとを用いた蛇行修正機構とを併用した場合について示したが、本発明の鋼板監視装置を単独で使用してもよい。また、切断刃が確実に端板を切断していることを判断する手法は、上記図8に基づいて説明したものに限らず、モータの負荷電流のピークが所定の閾値を超えたか否かを判定するものでもよい。
1 鋼板
2 サイドトリマー
3 切断刃
4 チョッパー
5 鋼板監視装置
6 トリマーシュート
7 端板
11 ステアリングロール
12 カメラ
20 鋼板走行制御装置
33,34 切断ロール
37 モータ
38 切断刃
100 ペイオフリール
101 熱延コイル
200 酸洗設備
300 トリム設備

Claims (9)

  1. 搬送されている鋼板の両側余幅部分が連続的に切断されて生じた端板を、複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備えたチョッパーにより切断する際に、鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視方法であって、
    前記モータの負荷電流をモニターし、
    モニターされた前記負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断し、異常信号を発することを特徴とする鋼板監視方法。
  2. 負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする請求項に記載の鋼板監視方法。
  3. 前記異常信号が発せられた際に、その異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼板監視方法。
  4. 搬送されている鋼板の両側余幅部分が連続的に切断されて生じた端板を、複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備えたチョッパーにより切断する際に、鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視装置であって、
    前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
    モニターされた前記負荷電流の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
    を具備し、
    前記演算部は、前記モニターされている負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断することを特徴とする鋼板監視装置。
  5. 前記演算部は、負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする請求項に記載の鋼板監視装置。
  6. 前記演算部から発せられる異常信号を受け取り、前記異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止する制御装置をさらに具備することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の鋼板監視装置。
  7. 搬送されている鋼板の両側余幅部分を連続的に切断するサイドトリマーと、
    複数の切断刃を有する切断ロールおよび前記切断ロールに接続されたモータを備え、前記サイドトリマーの切断により得られた端板を切断するチョッパーと、
    鋼板の蛇行または曲りを監視する鋼板監視装置と
    を具備し、
    前記鋼板監視装置は、
    前記モータの負荷電流をモニターする電流計と、
    モニターされた前記負荷電流の波形から所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたか否かを判断し、所定値以上の鋼板の蛇行または曲りが生じたと判断した場合に異常信号を発する機能を有する演算部と
    を有し、
    前記演算部は、前記モニターされている負荷電流の波形から切断時ピークを検出し、前記切断時ピークが所定時間現れないとき、または所定時間内に現れる前記切断時ピークの数が所定値以下の場合に、鋼板に所定値以上の蛇行または曲りが生じたと判断することを特徴とするトリム設備。
  8. 前記演算部は、負荷電流を所定の時間ごとに順次測定していき、現れたピーク高さが所定の閾値以上のときに前記切断時ピークとして判断し、前記閾値未満のときは前記切断時ピークと判断しないことを特徴とする請求項に記載のトリム設備。
  9. 前記演算部から発せられる異常信号を受け取り、前記異常信号に基づいて警報を発するか、または鋼板の搬送を停止する制御装置をさらに具備することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のトリム設備。
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