JP6561015B2 - 通行可能経路判別装置、方法、及びプログラム - Google Patents

通行可能経路判別装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、通行可能経路判別装置、方法、及びプログラムに関する。
通行可能な経路を記録するために、車いすに設置した測位端末および移動記録装置により、車いすが通過した経路を道路ネットワークデータから予測する方法がある(例えば、非特許文献1)。これにより、実走破に基づいた移動経路の推定が可能となる。
Ren, M., Karimi, H. A. "A Chain-code-based map matching algorithm for wheelchair navigation.", Transactions in GIS, 13(2) 197-214 (2009).
上記非特許文献1に示すように車いすの実走破により、車いすが実際に通行可能な経路は分かるが、通行されていない経路が、通行不能であるのか、通行可能だが誰も通っていないのかは判別できない。
そこでセンシングによる地物の分析を組み合わせることで、車いすが通っていない経路上のバリアを発見し、通行可能でない経路を推定し、車いすの実走破との組み合わせで通行可能経路を発見することを考える。
しかし、以下の問題があり、簡単には統合できない。
(共通の問題)
センサデータと実走破とで共通する問題としては、測位精度が不足している点である。GPSの精度は数メートルあり、また、地理条件によっては更に悪化する。また、時間経過に従って環境自体が変化する。
(センサデータによる問題)
センサデータによる問題としては、予測精度が不足している点である。また、センシングにより検出できない地物がある。例えば加速度センサや気圧センサにより、道路幅は検出することができない。
(実走破の問題)
実走破における問題としては、マップマッチングの精度が不足している点である。また、実走破のデータ量はセンサデータよりも更に少ない。また、走破性に個人差があり、ある個人が通行できた経路を他の個人が必ずしも通過できるとは限らない。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、移動手段によるリンクの通行可能性を精度よく判別することができる通行可能経路判別装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために第1の発明の通行可能経路判別装置は、各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出する通行可能路分析部を含み、前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与し、前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択する。
また、第2の発明の通行可能経路判別装置は、各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報を記憶する地物データベースと、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び前記地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出する通行可能路分析部と、前記リンクの通行可能性及び地物を調査した調査結果の入力を受け付け、前記ネットワークデータ及び前記地物情報を更新する調査結果入力部と、を含み、前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与し、前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択する。
第3の発明の通行可能経路判別装置は、各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与する通行可能路分析部を含み、前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与する。
本発明において、前記リンクに、調査の優先度を示す値、前記リンクに対応する地物の数を示す値、前記リンクの距離を示す値の少なくとも一つが付与され、抽出された複数のリンク群から、前記リンクに付与された、前記調査の優先度を示す値、前記地物の数を示す値、前記距離を示す値の少なくとも一つに基づいて、前記調査対象のリンク群を選択するようにすることができる。
第4の発明の通行可能経路判別方法は、各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、通行可能路分析部とを含む通行可能経路判別装置における通行可能経路判別方法であって、前記通行可能路分析部が、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出するステップと、前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与するステップと、前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択するステップと、を含む。
また、第5の発明の通行可能経路判別方法は、各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報を記憶する地物データベースと、通行可能路分析部と、調査結果入力部とを含む通行可能経路判別装置における通行可能経路判別方法であって、前記通行可能路分析部が、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び前記地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出するステップと、調査結果入力部が、前記リンクの通行可能性及び地物を調査した調査結果の入力を受け付け、前記ネットワークデータ及び前記地物情報を更新するステップと、前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与するステップと、前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択するステップと、を含む。
また、第6の発明の通行可能経路判別方法は、各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、通行可能路分析部とを含む通行可能経路判別装置における通行可能経路判別方法であって、前記通行可能路分析部が、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与するステップと、前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与するステップと、を含む。
本発明のプログラムは、上記の通行可能経路判別装置の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明の通行可能経路判別装置、方法、及びプログラムによれば、ネットワークデータの各リンクについて、リンクに対応する実走破記録及び地物情報に応じて、移動手段によるリンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与する際に、通行を阻害する地物がなく、かつ、実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、通行を阻害する地物があり、かつ、実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、それ以外の場合には、要調査であることを付与することにより、移動手段によるリンクの通行可能性を精度よく判別することができる、という効果が得られる。
本発明の実施の形態における判別のルールの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の通行可能経路判別装置の一構成例を示すブロック図である。 (A)ネットワークデータと(B)ノードを表すデータと(C)リンクを表すデータの一例を示す図である。 (A)地物データと(B)地物種別データの一例を示す図である。 (A)ネットワークデータの重みと(B)重み行列Wと(C)距離行列Dの一例を示す図である。 調査リストを生成するための疑似チャートの例を示す図である。 本発明の実施の形態の通行可能経路判別装置における調査対象抽出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の実施は、センシングと実走破に基づいて、移動手段に応じて通行可能な経路を記録するものである。
<概要>
従来では、地図上の経路の状態を推定する場合、例えば車椅子が実走破した経路を推定するだけであり、車椅子によって実走破されていない部分が、通行できないから通られていないのか、通行可能だが通行する車椅子がなかったのかの区別ができず、実走破されていない部分のうち、通行に支障をもつ人々(車椅子、杖等利用者)が通行可能な経路を、サービスにおいて利用することができなかった。
本発明の実施の形態では、センシングによる地物の分析により推定した経路上のバリアを用い、バリアが原因で通行できない経路を推定することと、移動手段による実走破のデータを用いることで、通行可能だが通行する人々がいなかった経路を推定することで、実走破されていない部分にある通行可能な経路を、サービスにおいて利用することができるようにする。
本実施の形態では、歩行者が通行可能な経路は、ノードとリンクとによるネットワークデータによって表現される。ネットワークデータ上のリンクには、通行可能であるかどうかを、移動手段の種類(例えば、歩行、杖、手動車いす、電動車いす、ベビーカーなど)に応じて記録できる。このとき、経路は1本以上のノードの順序つきリストとして表現される。
また、地物(例えば、路面の段差、急な勾配、階段などのバリア、移動を助けるための補助設備を含む)は、ネットワークデータ上のリンクに対応して記録される。通行可否が確実でないリンクや、存在が明らかでない地物について、人間が調査によって確認し、結果を入力することで、リンクの通行可否や地物の存在を確定できる。
また、本実施の形態では、実走破結果とセンシング結果の組み合わせにより、通行可能性を判定するためにルールを使用する。
実走破は、あるリンクを通過していれば「OK」とし、リンクを通過していなければ「データなし」とする。実走破は、移動手段の種類に応じて個別に記録される。
また、センシングは、あるリンク上に致命的なバリアが存在しなければ「OK」、存在すれば「致命的なバリアあり」とし、推定するのに十分なデータが得られていなければ「データなし」とする。致命的なバリアが存在しても、それを回避するための補助設備があれば、そのバリアをもって「致命的なバリアあり」とはしない。
図1に、本実施の形態で用いる判別ルールを説明するための図を示す。図1に示すルールに従って、通行可能、通行不可能、及び要調査を分類する(優先度はAが高、Dが低)。本実施の形態では、図1に示すように、実走破が「OK」であって、かつセンシングにより「致命的なバリアあり」と判定された場合には、調査の優先度Aとする。また、実走破が「OK」であって、かつセンシングによる「データなし」と判定された場合には、調査の優先度Bとする。また、実走破が「データなし」であって、かつセンシングによって「OK」と判定された場合には、調査の優先度Cとする。また、実走破が「データなし」であって、かつセンシングによって「データなし」と判定された場合には、調査の優先度Dとする。ただし、分類は図1のルールには限らず、他の条件もあり得る。また、通行可能性の判定は、移動手段の種類に応じて個別に実施される。
また、移動手段の種類によって、含意関係を定義できる。例えば、電動車いすで実走破がOKであっても、補助なしの手動車いすでは通行可能とは限らない。補助なし手動車いすで通行可能であれば、電動車いすでも通行可能と判定する。
本実施の形態では、調査対象の候補となるリンク群を判別する通行可能経路判別装置に本発明を適用した場合を例に説明する。また、本実施の形態では、センシングによって得られるデータとして加速度データを用いる場合の例を説明する。
<通行可能経路判別装置のシステム構成>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態の通行可能経路判別装置100を示すブロック図である。通行可能経路判別装置100は、CPUと、RAMと、調査対象抽出処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備えたコンピュータで構成され、機能的には次に示すように構成されている。
本実施の形態の通行可能経路判別装置100は、図2に示すように、入力部10と、演算部20と、出力部40とを備えている。
入力部10は、移動手段により通行した経路を表す実走破記録を受け付ける。実走破記録は、例えばバリアを体験できる人(例えば車椅子や杖利用者など)が移動した位置シーケンス情報を表す。実走破記録は自動的に記録される。
実走破記録は、例えば、移動手段に備えられたGPSによって取得することができる。地点をノードとし地点間を結ぶ経路をリンクとした場合、リンクの始点に対応するノードとリンクの終点に対応するノードとの間において、上記図1に示すように、GPSによって取得された緯度経度情報が当該リンク上に存在し、移動手段が当該リンクを通過していれば「OK」とし、リンクを通過していなければ「データなし」とする。
また、入力部10は、通行を阻害又は補助する地物の各々についての地物の種別及び位置を表す地物情報を受け付ける。地物情報は、センシングによって得られる。
地物情報は、例えば、加速度センサをつけた健常歩行者が歩いたときの加速度データのパタンから、バリア(例えば、段差、階段等)やバリアを回避する物(例えば、スロープやエレベータ等)を自動的に検出し、位置情報ともに記録されたものでる。
加速度データのパタンから、例えば、「段差」、「スロープ」、及び「段差のある歩道縁」等の何れであるのかを判定することができる。また、地物情報は移動手段に搭載した加速度センサにより得られる加速度データに応じて取得される。例えば、移動手段が「車いす」であり、地物が5cm以上の「段差」である場合、車いすでは段差を乗り越えることができないため、加速度データは「0」となる。また、例えば、移動手段が「車いす」であり、地物が5%以上の「スロープ」である場合、スロープを下る場合には、加速度データは通常よりも大きくなる。
このように、移動手段に搭載した加速度センサにより取得された加速度データに応じて地物情報が取得される。なお、地物情報を取得する方法としては、例えば、「段差」、「スロープ」、及び「段差のある歩道縁」等の存在確率を予め定められたモデルによって推定する。そして、得られた存在確率を、後述する、地物情報のうちの「確度」とする。このように、センシングによって得られた加速度データから、「段差」、「スロープ」、及び「段差のある歩道縁」等の存在を推定することができる。また、地物情報のうち地物のレベルに対応する「段差の高さ」「スロープの勾配」等については、複数の加速度データ毎に得られた地物のレベルの各々に基づいて、地物のレベルが加速度データ毎に矛盾するか否かを判定し、適切な地物のレベルを推定することができる。
また、入力部10は、地点間のノードを結ぶリンクの通行可能性及び地物を調査した調査結果の入力を受け付ける。調査結果は、人がバリアを確認し、手動によって値が入力されたものである。
演算部20は、走破記録入力部22と、ネットワークデータベース24と、地物入力部26と、地物データベース28と、通行可能路分析部30と、調査対象データベース32と、調査結果入力部34とを備えている。
走破記録入力部22は、入力部10において受け付けた実走破記録を取得し、取得した実走破記録をネットワークデータベース24に格納する。例えば、車いすに搭載されたGPS及び走行記録端末の記録の入力を読み出し、実走破記録としてネットワークデータベース24に反映する。
ネットワークデータベース24には、各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータが記憶される。ネットワークデータは、道路網を表現するノードとリンクとの集合として格納される。ノードには、位置を表す座標と階層とが保持され、リンクには、両端のノードの組と通行可否の情報が保持される。
図3に、ネットワークデータベース24に格納されるデータの一例を示す。図3(A)に示すように、ネットワークデータはノードとリンクとを含んで構成される。また、図3(B)に示すように、ノード情報は、位置(例えば、座標と地上からの階層)によって表現される。また、図3(C)に示すように、リンク情報は、始点のノード、終点のノード、通行可否情報、及び確認日の組み合わせで表現される。また、各リンクはノードの順序付き2つ組で表現され、通行可否の方向が表される。そのため、図3(C)に示すように、各リンクの方向は「通行可否情報」の列の、右列(終点→始点)と左列(始点→終点)とのように表現される。
なお、ネットワークデータベース24のリンク情報における通行可否情報は、後述する通行可能路分析部30及び調査結果入力部34によって付与される。
地物入力部26は、入力部10において受け付けた地物情報を取得し、取得した地物情報を地物データベース28に格納する。
地物データベース28には、通行を阻害又は補助する地物の各々についての当該地物の種別及び位置を表す地物情報が記憶される。地物データベース28には、地物の存在確率及びその位置が、影響を及ぼすリンクと関連付けて記録される。
図4に、地物データベース28に格納される情報の一例を示す。図4(A)及び(B)に示すように、地物データベース28には、地物情報である地物の種別及び位置が、地物ID、レベル、リンク、確度、及び最終確認日時と対応付けられて地物データとして格納される。また、地物情報のうちの地物の種別は、「バリア/設備」、「対象バリア」、及び「バリアとなるレベル」と対応付けられて、地物種別データとして格納される。
また、地物データベース28の地物データには、センシングの結果推定される地物データと、調査の結果得られる地物データとがある。
推定された地物データには、地物の存在の確度∈[0,1]が格納される。また、推定された地物データについて、調査の結果、地物の存在が確実となったものについては確度が1.0とされる。また、閾値を指定し、閾値より確度が低い地物データについては「データなし」として扱う。
また、地物データにおいて、地物に付与された種別が地物種別データにおいて「設備」として登録されている場合は、その対象となるバリアが閾値によって定めたより近くに存在する場合、そのバリアの確度を0.0とする。また、地物は、影響を及ぼすリンクのデータを含む。リンクには方向を含む。下表では、始点から終点方向に向かう場合は 正記号を、終点方向から始点方向に向かう場合に影響を及ぼす場合は負記号を付し、双方向に影響を及ぼす場合は正負記号なしとしている。
通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24に格納された実走破記録及び地物データベース28に格納された地物情報に基づいて、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて、リンクに対応する実走破記録及び地物情報に応じて、移動手段によるリンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与する。具体的には、実走破記録と地物情報のセンサデータ分析結果とから、確実に通行可能と判定できるリンクは「通行可能」と記録し、確実に通行不可能と判定できるリンクは「通行不可能」と記録する。また、確実に通行可能と判定できないリンクは、「要調査」として、優先度つきで記録する。
次に、通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて付与された通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出する。そして、通行可能路分析部30は、抽出したリンク群を調査対象データベース32に格納し、調査対象データベース32から、1つのリンク群を選択する。
通行可能路分析部30の具体的な処理について以下説明する。
本実施の形態では、要調査となっている全てのリンクを調査する代わりに、要調査となっているリンクが集中している地域を優先的に調査することで調査効率を高める。
具体的には、まず通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて通行可否情報を付与する際に、当該リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、移動手段により当該リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与する。
また、通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて通行可否情報を付与する際に、当該リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、移動手段により当該リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与する。
また、通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて通行可否情報を付与する際に、当該リンクに通行可能及び通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与する。
次に、通行可能路分析部30は、以下に説明するように、ネットワークデータベース24の通行可否情報が付与されたネットワークデータから調査対象となるリンク群を抽出し、リンク群を表すリストを調査対象データベース32に格納する。
まず、通行可能路分析部30は、調査対象データベース32から、通行可否情報が要調査となっている各リンクを重み付きで抽出して、ネットワークデータを生成する。また、通行可能路分析部30は、通行可能及び通行不可能と判別されたリンクについては、重み最低で抽出する。例えば、通行可能路分析部30は、要調査(優先度A)を重み10とし、通行可能及び通行不可能を重み0とする。
図5に重みが付与されたネットワークデータを説明するための図を示す。図5(A)には、重みが付与されたネットワークデータの例を示す。図5(A)に示す重みが付与されたネットワークデータは有向グラフであり、斜線で区切られた数字は、右が矢印に対して順方向、左が矢印に対して逆方向の重みを示す。
図5(B)に示すように、重みが付与されたネットワークデータの一部を行列で表現したものを重み行列Wとする。ただし、自分自身へのリンクとリンクが存在しない部分は負値としている。
また、図5(C)に示すように、リンクの距離を、距離行列Dで表現する。ノードの数の次元の行列となる。単純には対称行列となるが、坂道など、方向によって移動コストが異なる場合を考慮すれば非対称行列としてよい。ただし、リンクが存在しない部分は負値としている。
なお、本実施の形態では説明を簡単にするため、単純グラフ(同じノードの組に接続されるリンクは高々1つ)を扱っているが、同じノードの組に複数のリンクがある場合は、ノード対ノードの行列ではなく、ノード対リンクの行列として表現すればよい。
そして、通行可能路分析部30は、調査対象データベース32から調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、ネットワークデータのリンクに付与された調査の優先度としての重みに応じて選択されたリンクと、当該リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとを含んで構成されるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出する。本実施の形態では、通行可能路分析部30は、双方向の重みの和が最大のリンクを選択する。
本実施の形態では、要調査の全てのリンクを調査する代わりに、要調査のリンクが集中している地域を重点的に調査し、調査効率を高める。これにより、調査の必要度が高いところを多く含み、数多くのバリアを調査できるリンクが集中(調査距離が小さい部分を取得するために利用)している地域の経路を1つの調査対象の経路とすることで、調査距離が少ない効率がよい調査経路案を生成する。
また、実走破記録、センシング分析による地物情報、調査による地物情報・移動可能情報は、地物が動的であるため、時間経過に従って変化しうる。そのため、本実施の形態では、一定以上古い情報を持つリンクについては記録を破棄し、通行可能・通行不可能を再判定して調査候補を更新する。
具体的には、通行可能路分析部30は、あるリンクが選択され、基準として与えられた場合、当該リンクと直接又は間接に接続されたリンク群を、調査対象リストとして得るアルゴリズムを用いて、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出する。
図6に、本実施の形態で用いる、調査対象リストのアルゴリズムの疑似チャートを示す。
上記図6では、ノードx,y∈Vを直接接続するリンクを
Figure 0006561015
と表記する。ただし、本実施の形態では、同じノードの組を接続するリンクは1本とは限らないので、リンクaが与えられるとノードの組は同定されるが、ノードの組が与えられてもリンクは同定されない。
また、上記図6におけるAは調査対象リンクの集合だが、重み0のリンクも含む。
また、append(p,x)は、リストpの末尾に要素xを追加する関数である。
通行可能路分析部30は、関数selectにより、抽出された調査対象の候補となる複数のリンク群から、各リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象のリンク群を選択する。
具体的には、通行可能路分析部30は、抽出された複数のリンク群を表すリストの集合を作成し、関数selectにより、その中から1つのリストを選択する。
なお、リストの集合から1つを選ぶ関数selectは、その目的に応じて定義することができる。例えば、リンクに付与された、調査の優先度を示す値、地物の数を示す値、リンクの距離を示す値の少なくとも一つに基づいて、リストの集合から1つのリストを選択してもよい。リストの選択としては、例えば以下の(1)〜(3)に示す方法がある。
(1)リストに含まれるリンクの距離の総和が短いリストを優先的に選択する。
(2)重みが10(要調査)であるリンクを多く含むリストを優先的に選択する。
(3)リストに含まれるリンクに対応付けられた地物の数が多いリストを優先的に選択する。
また、関数selectは、以下の条件1〜7の少なくとも1つの条件に応じて、リストの集合から1つのリストを選択するようにしてもよい。
条件1:確度が高い地物を多く含んだリストを優先的に選択する。
条件2:確度が低い地物を多く含んだリストを優先的に選択する。
条件3:ある調査員に着目し、その調査員の居住地、勤務地、あるいは現在地から経路の終端が近いリストを優先的に選択する。
条件4:ある調査員に着目し、その調査員の居住地の近くに経路の一方の終端があり、勤務地の近くにもう一方の終端があるリストを優先的に選択する。
条件5:経路の双方の終端の近くにそれぞれ鉄道の駅があるリストを優先的に選択する。
条件6:歩行に支障を持つ人が近隣のリンクは通過しているにも関わらず通過したことのないリンクであり、センシングによって予測された地物数も足りないリンクを含むリストを優先的に選択する。(通れるのに通っていないのか、本当に通れないのかを確定する)。
条件7:歩行に支障を持つ人が、以前は通過しているにも関わらず通過したことのないリンクであり、センシングによって予測された地物数も足りないリンクを含むリストを優先的に選択する。
調査対象データベース32には、通行可否情報が要調査となっているリンクの集合が格納される。
調査結果入力部34は、リンクの通行可能性及び地物を調査した調査結果の入力を受け付け、ネットワークデータベース24のネットワークデータの通行可否情報及び地物データベース28の地物情報を更新する。例えば、調査結果入力部34は、調査結果に基づき、ネットワークデータベース24のネットワークデータについて要調査であったリンクを「通行可能」あるいは「通行不可能」と記録する。また、調査結果入力部34は、調査対象データベース32から、調査が行われた対象経路に対応するリンクを削除する。
出力部40は、調査対象のリンク群を表すリストと、ネットワークデータベース24に格納された、通行可否情報が付与されたネットワークデータと、地物データベース28に格納された、ネットワークデータのどこにバリアとバリア回避物があるかが記録されている地物情報とを結果として出力する。
<通行可能経路判別装置100の作用>
次に、本実施の形態の通行可能経路判別装置100の作用について説明する。
まず、入力部10が実走破記録及び地物情報を受け付ける。そして、走破記録入力部22は、入力部10において受け付けた実走破記録を取得し、取得した実走破記録に基づいてネットワークデータベース24のネットワークデータを更新する。地物入力部26は、入力部10において受け付けた地物情報を取得し、取得した地物情報を地物データベース28に格納する。ネットワークデータベース24及び地物データベース28の更新は、実走破記録及び地物情報を受け付ける毎に行われる。
そして、通行可能経路判別装置100は、定期的に、ネットワークデータベース24及び地物データベース28に基づいて、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクの通行可否情報を更新する。通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて通行可否情報を付与する際に、当該リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、移動手段により当該リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与する。
また、通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて通行可否情報を付与する際に、当該リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、移動手段により当該リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与する。
また、通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24のネットワークデータの各リンクについて通行可否情報を付与する際に、当該リンクに通行可能及び通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与する。そして、通行可能路分析部30は、ネットワークデータベース24の通行可否情報が付与されたネットワークデータから、要調査であるリンク集合を抽出し、調査対象データベース32に格納する。
そして、定期実行又はオペレータによる開始命令の入力によって、通行可能経路判別装置100は、図7に示す調査対象抽出処理ルーチンを実行する。
ステップS100において、通行可能路分析部30は、調査対象リストLを初期化する。
ステップS102において、通行可能路分析部30は、調査対象データベース32から、通行可否情報が要調査となっているリンク集合を抽出し、リンク集合Aに格納して初期化する。
ステップS104において、通行可能路分析部30は、上記ステップS102で初期化されたリンク集合A又は前回のステップS110で更新されたリンク集合Aが、空集合であるか否かを判定する。リンク集合Aが、空集合である場合は、ステップS112へ進む。一方、Aが空集合でない場合には、ステップS106へ進む。
ステップS106において、通行可能路分析部30は、上記ステップS102で初期化されたリンク集合A又は前回のステップS110で更新されたリンク集合Aに対し、リンクの双方向の重みの和の順にリンクをソートする。そして、通行可能路分析部30は、リンクの双方向の重みの和が最大のリンクを選択しaとする。
ステップS108において、通行可能路分析部30は、上記ステップS106で設定されたリンクaの近隣のリンク群の候補を、リンクのリストlとして抽出する。そして、リストlを調査対象リストLの末尾に追加する。ステップS108は、上記図6に示す疑似チャートによって実現される。
ステップS110において、通行可能路分析部30は、上記ステップS108で得られたリンクのリストlに含まれる全てのリンクを、上記ステップS102で初期化されたリンク集合A又は前回のステップS110で更新されたリンク集合Aから削除して、リンク集合Aを更新する。
ステップS112において、通行可能路分析部30は、上記ステップS108で得られた調査対象リストLを結果として出力して、調査対象抽出処理ルーチンを終了する。
出力部40は、通行可能路分析部30から出力された調査対象リストLと、ネットワークデータベース24に格納された、通行可否情報が付与されたネットワークデータと、地物データベース28に格納された、ネットワークデータのどこにバリアとバリア回避物があるかが記録されている地物情報とを結果として出力する。
また、通行可能経路判別装置100の通行可能路分析部30は、調査対象リストLから1つのリストを選択し、出力部40から出力する。
出力部40から出力されたリストに基づき、人手によってリストに含まれる各リンクのバリアが調査される。そして、人手によって得られた、リストの調査結果が入力部10により入力さる。そして、調査結果入力部34は調査結果の入力を受け付け、ネットワークデータベース24のネットワークデータ及び地物データベース28の地物情報を更新する。また、調査結果入力部34は、調査対象データベース32から、調査が行われた対象経路に対応するリンクを削除する。
以上説明したように、本実施の形態の通行可能経路判別装置によれば、ネットワークデータの各リンクについて、リンクに対応する実走破記録及び地物情報に応じて、移動手段によるリンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与する際に、通行を阻害する地物がなく、かつ、実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、通行を阻害する地物があり、かつ、実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、それ以外の場合には、要調査であることを付与することにより、移動手段によるリンクの通行可能性を精度よく判別することができる。
また、実走破とセンシングを組み合わせて経路の通行可能性をより高い精度で判別可能になる。また、通行可能性を判別できない経路について、調査による判別のための候補として抽出することができる。また、リンクの通行可否を調査するために、調査するために調査員が通行する経路を調査候補群として提示することができる。また、目的に応じて経路を調査候補群から選択することにより、調査が効率化される。
また、本実施の形態は、歩行に支障を持つ人による実走破記録及びセンサデータ分析によるバリア検出を組み合わせた上で、情報が不足した部分について人手による調査対象を検出し、また調査結果を反映することをポイントとすることで、更にシステム運用面等で以下の効果をもつ。
(1)詳細な場所が確定できない地物については人力での計測の対象とするので、GPSの測位精度が低くてもよい。
(2)一定以上古い情報を持つリンクについては記録を破棄し、通行可能・通行不可能を再判定して調査候補を更新することにより、環境の変化に対し追従することができる。
(3)確実性の低い地物については人力での計測の対象とするので、センサの予測精度が低くてもよい。
(4)地物の有無によらず「走破可能」であることが分かればよく、人力での計測によっても把握ができるので、センシングで検出できない地物があっても問題ない。
(5)精度の確度が分かれば、人力計測の対象とする(確度が分からない場合も人力計測で後から判明する)ので、走破した場所とネットワークデータ上のリンクの対応づけの精度が悪くてもよい。
(6)実走破を行う支障を持った方が少なくても、大量の健常者によるセンシングおよび人力計測によってデータを収集できるので、走破されている経路が少なくてもよい。
(7)走破した人の移動方法を走破データと同時に保存すること、および移動方法に応じてバリアとなるレベルが記述されたデータから推論するので、走破の能力に応じた通行可否の区別ができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
また、ネットワークデータベース24、地物入力部26、地物データベース28、及び調査対象データベース32の少なくとも1つは、通行可能経路判別装置の外部に設けられ、通行可能経路判別装置とネットワークで接続されていてもよい。
上述の通行可能経路判別装置は、内部にコンピュータシステムを有しているが、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
10 入力部
20 演算部
22 走破記録入力部
24 ネットワークデータベース
26 地物入力部
28 地物データベース
30 通行可能路分析部
32 調査対象データベース
34 調査結果入力部
40 出力部
100 通行可能経路判別装置

Claims (8)

  1. 各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、
    移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出する通行可能路分析部を含み、
    前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、
    前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、
    前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与し、
    前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択する
    通行可能経路判別装置。
  2. 各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、
    通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報を記憶する地物データベースと、
    移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び前記地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出する通行可能路分析部と、
    前記リンクの通行可能性及び地物を調査した調査結果の入力を受け付け、前記ネットワークデータ及び前記地物情報を更新する調査結果入力部と、を含み、
    前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、
    前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、
    前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与し、
    前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択する
    通行可能経路判別装置。
  3. 各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、
    移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与する通行可能路分析部を含み、
    前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、
    前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、
    前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与する
    通行可能経路判別装置。
  4. 前記リンクに、調査の優先度を示す値、前記リンクに対応する地物の数を示す値、前記リンクの距離を示す値の少なくとも一つが付与され、
    抽出された複数のリンク群から、前記リンクに付与された、前記調査の優先度を示す値、前記地物の数を示す値、前記距離を示す値の少なくとも一つに基づいて、前記調査対象のリンク群を選択する請求項1又は2記載の通行可能経路判別装置。
  5. 各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、通行可能路分析部とを含む通行可能経路判別装置における通行可能経路判別方法であって、
    前記通行可能路分析部が、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出するステップと、
    前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、
    前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、
    前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与するステップと、
    前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択するステップと、
    を含む通行可能経路判別方法。
  6. 各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、
    通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報を記憶する地物データベースと、通行可能路分析部と、調査結果入力部とを含む通行可能経路判別装置における通行可能経路判別方法であって、
    前記通行可能路分析部が、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び前記地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与し、前記ネットワークデータの各リンクについて付与された前記通行可否情報に基づいて、調査対象の候補となるリンク群を抽出するステップと、
    調査結果入力部が、前記リンクの通行可能性及び地物を調査した調査結果の入力を受け付け、前記ネットワークデータ及び前記地物情報を更新するステップと、
    前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、
    前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、
    前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与するステップと、
    前記通行可能路分析部が、前記調査対象の候補となるリンク群を抽出する際に、前記リンクに付与された調査の優先度に応じて選択されたリンクと、前記リンクと直接又は間接に接続された近隣のリンクとからなるリンク群を、調査対象の候補となるリンク群として複数抽出し、前記リンクに付与された値に関する予め定められた条件に応じて、調査対象の候補の複数の前記リンク群から、調査対象のリンク群を選択するステップと、
    を含む通行可能経路判別方法。
  7. 各地点を表す各ノードと、通行可能な地点間のノードを結ぶ各リンクとを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータベースと、通行可能路分析部とを含む通行可能経路判別装置における通行可能経路判別方法であって、
    前記通行可能路分析部が、移動手段により通行した経路を表す実走破記録、及び通行を阻害又は補助する地物の各々についての前記地物の種別及び位置を表す地物情報に基づいて、前記ネットワークデータの各リンクについて、前記リンクに対応する前記実走破記録及び前記地物情報に応じて、前記移動手段による前記リンクの通行可能性を示す通行可否情報を付与するステップと、
    前記通行可能路分析部が、前記リンクについて前記通行可否情報を付与する際に、前記リンクに通行を阻害する地物がなく、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がある場合、通行可能であることを付与し、
    前記リンクに通行を阻害する地物があり、かつ、前記移動手段により前記リンクを通行した実走破記録がない場合、通行不可能であることを付与し、
    前記リンクに前記通行可能及び前記通行不可能の何れも付与しない場合には、要調査であることを付与するステップと、
    を含む通行可能経路判別方法。
  8. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の通行可能経路判別装置の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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