JP6560520B2 - 回胴式遊技機 - Google Patents
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Description
この一連の動作を1ゲームとした場合に、通常遊技における特別遊技抽選に外れ続けてしまうことで通常遊技ばかりが続かないように、即ち特別遊技を遊技者に適度に体験させるために、特定ゲーム数を天井ゲーム数として設定することがある(例えば文献1参照)。天井ゲーム数に達すると、特定遊技が実行される。
そこで、本発明では天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することを目的とする。
これにより、例えば、カウント数が所定値に達する直前、即ち天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、カウント数が所定値に達した天井においてカウント数がリセットされるまでに第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも第1通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多い。
<1.回胴遊技機の機構構成>
<2.回胴遊技機の制御構成>
<3.回転リール及び回胴モータ>
<4.メイン処理>
<5.タイマ割込み処理>
<6.回胴の回転及び停止に係る処理>
[6−1.回胴制御フラグ]
[6−2.回胴の回転開始〜定常回転中に係る処理]
[6−3.回胴の停止に係る処理]
<7.変動に係る状態遷移について>
<8.第1の実施の形態>
[8−1.遊技状態と天井について]
[8−2.特別遊技状態と遊技価値について]
[8−3.天井の設定例1]
[8−4.天井の設定例2]
[8−5.天井の設定例3]
[8−6.天井の設定例4]
[8−7.天井の設定例5]
[8−8.天井の設定例6]
[8−9.天井の設定例7]
[8−10.天井の設定例8]
[8−11.天井の設定例9]
[8−12.天井の設定例10]
<9.第2の実施の形態>
[9−1.遊技の種類と天井について]
[9−2.高期待特別遊技及び低期待特別遊技の遊技価値について]
[9−3.天井の設定例11]
[9−4.天井の設定例12]
[9−5.天井の設定例13]
[9−6.天井の設定例14]
[9−7.天井の設定例15]
[9−8.天井の設定例16]
[9−9.天井の設定例17]
[9−10.天井の設定例18]
[9−11.天井の設定例19]
<10.変形例>
<11.まとめ>
先ず、図1〜図4により実施の形態のスロットマシンの外観構成を説明する。
図1はスロットマシンの正面図、図2Aは平面図、図2Bは右側面図、図3は前面パネル2の背面図、図4は本体ケース1の正面図である。
各回転リール4a、4b、4cには、後述する各種図柄、例えばBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)用の図柄や、各種のフルーツ図柄、リプレイ図柄などが描かれている。
メダル払出装置5は、メダルを貯留するメダルタンク5aを有する。また払出ケース5b内に、図5で後述する払出モータ75、払出接続基板73、ホッパー基板74、メダル払出センサ76等が収納されている。
メダルタンク5aに貯留されたメダルは、払出モータ75の回転に基づいて、払出口5cから図面手前方向に向けて導出される。尚、限界量を越えて貯留されたメダルは、超過メダル導出部5dを通して、補助タンク6に落下するよう構成されている。
また図柄回転ユニット3の内部には、図5に示す回胴用LED(Light Emitting Diode)中継基板56と回胴中継基板53とが設けられ、図柄回転ユニット3に隣接して外部集中端子板70が配置されている。
またLCDユニット7の下部には、回転リール4a、4b、4cを表出させる表示窓8が形成されている。この表示窓8を通しては、各回転リール4a、4b、4cの回転方向に、各々3個程度の図柄が見えるようにされている。この場合、各回転リール4a、4b、4cが停止した際に図柄が停止する位置としての図柄停止位置は表示窓8内に9箇所となる。そして、合計9個の図柄停止位置のうち水平方向に並ぶ三つの図柄停止位置を結ぶラインが三本と、対角線方向に並ぶ三つの図柄停止位置を結ぶラインの二本の合計五本が仮想的な図柄停止ラインとなる。
また、図柄停止ラインのうちで、当選図柄(当選役)が揃ったか否かの判定に用いられる図柄停止ラインは有効ラインとされ、それ以外の図柄停止ラインは無効ラインとされる。有効ラインと無効ラインは、BBやRB、または、AT(アシストタイム)やRT(リプレイタイム)やART(アシストリプレイタイム)などの各種遊技の状態に応じて、適宜変更される。即ち、例えば、通常ゲーム中は中段の1ラインが有効ラインとされるが、ボーナスゲーム中は上段と中段の2ラインが有効ラインに変更される場合などである。
LED群9は、例えば、当ゲームに投入されたメダルの枚数を示すLEDやリプレイゲーム中であることを示すLED、回胴を回転させる準備が整ったことを示すLED(当ゲームの遊技に要する所定枚数のメダルの投入が完了したことを示すLED)、メダルの投入の受付状態を示すLEDなどで構成されている。また、変動中であるか否かを表すために設けられる専用のLEDが含まれていてもよい。
払出表示部10は、7セグメントLEDを2個連設して構成されており、払出メダル数を特定すると共に、何らかの異常事態の発生時には、異常内容を表示するエラー表示器としても機能する。
貯留数表示部11は、クレジット状態で貯留されているメダル数が表示されている。
尚、個々の説明は省略するが、前面パネル2には、演出や動作状態を提示するためのLEDとして他のLEDが各種配置されている。
また、前面パネル2の中央左側には、クレジット状態のメダルを払出すクレジット精算ボタン14と、クレジット状態のメダルを擬似的に三枚投入するマックス投入ボタン16とが設けられている。
遊技者がスタートレバー17を操作すると、通常は、3つの回転リール4a、4b、4cが正方向に回転を開始する。但し、内部当選状態を予告するリール演出のために、回転リール4a、4b、4cの全部または一部が、変則的に回転(いわゆる「演出回転」)した上で正方向の回転を開始する場合もある。
リール演出としては具体的内容が各種考えられ、例えば、
・極めてゆっくり正方向に回転(正回転)して静止するスロー演出
・正回転と逆回転を繰り返した後に、所定時間だけ逆回転して静止する逆回転演出
・第1の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第1の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第2の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、極めてゆっくり正回転した後に静止するスロー揺動演出
・第2の時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、所定時間だけ逆回転した後に静止する揺動逆回転演出
・所定速度で正回転または逆回転した後に所定の図柄に揃えて静止する演出
・現状の回転状態(或いは停止状態)を維持する演出
などが用意されている。そして、このようなリール演出時には、LCDユニット7におけるキャラクタ演出や、LEDランプを点滅させるランプ演出や、スピーカを駆動する音声演出の全部または一部が適宜に選択されて実行される。
また前面パネル2の上方左右、及び下方左右にはスピーカ30a、30b、30c、30dが配置されている。
また、前面パネル2の裏側上部には、基板ケース23が配置されている。この基板ケース23には、図5で述べる演出制御基板42、演出インターフェース基板43、液晶制御基板44、液晶インターフェース基板45などが収容されている。
またメダル選別装置21の側方には、図1に示す各種の遊技部材と主制御基板40との間の信号を中継する遊技中継基板60(図5で後述する)が設けられている。
次に本実施の形態のスロットマシンの制御系の構成について説明する。
図5は、スロットマシンの内部の制御構成の概略的なブロック図である。本実施の形態のスロットマシンは、その制御構成が主制御基板40を中心に構成されている。
主制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、スロットマシンの遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。例えば主制御基板40が回転リール4a、4b、4cを含む各種の遊技部材の動作を制御するとともに、動作状況を把握する。また遊技動作に応じて演出を実行させる。
主制御基板40は、電源基板41、演出インターフェース基板43、回胴中継基板53、遊技中継基板60、外部集中端子板70、回胴設定基板71、払出接続基板73との間で各種信号(コマンドや検出信号等)のやりとりを行う。
また電源基板41には電源遮断状態を検出する電源監視回路や、主制御基板40にバックアップ電源電圧を供給するバックアップ電源回路なども設けられている。
演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して主制御基板40からのコマンドを受け取る。例えば主制御基板40は、演出制御基板42に対して、スピーカ30(30a〜30d)による音演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、LCDユニット7による図柄演出、役物による役物演出を実現するための制御コマンドを出力し、演出制御基板42はその制御コマンドに応じた演出制御処理を行う。
また演出制御基板42では、主制御基板40から内部抽選結果を特定する制御コマンド(遊技開始コマンド)受けると、内部抽選結果に対応してアシストタイム当選状態とするか否かのAT抽選を実行する。
尚、演出制御基板42においてAT抽選に当選した後の所定回数のゲーム(AT中)では、小役当選状態において、その図柄を所定の図柄停止ラインに整列できるよう、3つの回転リール4a、4b、4cの停止順序を遊技者に報知している。
また演出制御基板42は、主制御基板40からのリール演出実行を示す制御コマンドを受けると、主制御基板40で実行するリール演出に対応する演出動作を開始する。
これらのような演出制御動作のため、演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を通して各部と必要な通信を行う。
液晶制御基板44は、LCDユニット7における画像表示による演出の制御を行う。この液晶制御基板44には、VDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)、液晶制御CPU、液晶制御ROM、液晶制御RAM等が搭載される。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う。
画像ROMには、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)が格納されている。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域とされる。
液晶制御CPUは、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する。
液晶制御ROMには、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータが格納される。
液晶制御RAMは、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
このような液晶制御基板44は、演出制御基板42からの表示演出に関するコマンドを受け付け、それに応じて表示駆動信号を生成する。そして液晶インターフェース基板45を介してLCDユニット7に表示駆動信号を供給し、画像表示を実行させる。
また演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して、LED基板48や回胴LED中継基板56を経由して各種のLEDによるランプ演出を実現している。
LED基板48には、例えば図1に示したLED演出部15a、15b、15cとしてのLEDが配置されている。
回胴LED中継基板56は、第1回胴LED基板50a、第2回胴LED基板50b、第3回胴LED基板50cについて演出制御基板42からのLED駆動信号を中継する。
第1回胴LED基板50aには、回転リール4aの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。第2回胴LED基板50bには、回転リール4bの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。また、第3回胴LED基板50cには、回転リール4cの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。
遊技表示基板61は、遊技の進行状態などを示すLED群9や、7セグメントLEDを有した払出表示部10や、同じく7セグメントLEDを有した貯留数表示部11を搭載している。また、遊技表示基板61は、メダル投入口12の近傍に設けられメダルの投入を促すためのLED(メダル投入口LED)と、マックス投入ボタン16の近傍に設けられマックス投入ボタン16の操作を促すためのLED(マックス投入ボタンLED)と、スタートレバー17の近傍に設けられスタートレバー17の操作を促すためのLED(スタートレバーLED)と、停止ボタン18ごとに設けられたLED(停止ボタンLED)とを搭載している。主制御基板40は、遊技表示基板61に対して、遊技中継基板60を介して制御コマンドを送信し、遊技の進行状態などの状況に応じた表示を実行させるように制御している。
停止スイッチ基板63には停止ボタン18a、18b、18cによる停止スイッチが搭載されている。
貯留メダル投入スイッチ基板64には、マックス投入ボタン16の投入スイッチが搭載されている。
精算スイッチ基板65には清算ボタン14の清算スイッチが搭載されている。
主制御基板40は、これらの基板(62、63、64、65)のスイッチによる遊技者操作の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。
メダル通過センサ67及びレバー検出センサ68は、メダル選別装置21に設けられている。メダル通過センサ67は、例えばフォトインタラプタで構成され、選別された正規のメダルの通過を検出するセンサである。レバー検知センサ68は、例えばフォトマイクロセンサで構成され、メダル投入口12から投入されたメダルの通過を検出するセンサである。つまり、メダル投入口12から投入されたメダルは、レバー検知センサ68を通過した後に正規のメダルだけが選別された後、メダル通過センサ67によりその通過が検出される。
主制御基板40は、これらのセンサ(66、67、68)の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。さらに、主制御基板40は、受信したセンサの検出信号により投入されたメダルの投入時間や通過方向を検出し、所定の規定に合致した場合にのみ投入メダルとして受け付け、それ以外の場合には投入メダルエラーとして処理する。
ブロッカーソレノイド69は、不正メダルの通過を阻止するブロッカーをON/OFFに駆動する。主制御基板40は、遊技中継基板60を介してブロッカーソレノイドを制御する。
さらに主制御基板40は、回胴中継基板53を経由して、回転リール4a、4b、4cの原点位置(後述する原点位置101)を検出するための3つのインデックスセンサ55(第1回胴インデックスセンサ55a、第2回胴インデックスセンサ55b、第3回胴インデックスセンサ55c)に接続されている。
主制御基板40は、ステッピングモータ54a、54b、54cを駆動または停止させることによって、回転リール4a、4b、4cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。また主制御基板40は、インデックスセンサ55a、55b、55cの検出信号に基づき、回転リール4a、4b、4cの原点位置を検知できる。
ホッパー基板74は、主制御基板40からの制御コマンドに基づいて払出モータ75を回転させて、所定量のメダルを払出しする。
メダル払出センサ76は、払出メダルの通過を検出する。メダル払出センサ76による検出信号は、払出メダル枚数が不足したり払出動作が行われないなどの払出異常状態の検出に用いられる。
図示の通り、主制御基板40は、ワンチップマイコンによるコントローラ80と、8ビットパラレルデータを入出力するI/Oポート回路83と、カウンタ回路81と、各部とのインターフェース部を有して構成されている。
CTC80eは、8ビットのカウンタやタイマを集積した回路であり、CPU80aの処理における周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)、時間計測の機能を付与するものである。本例では、CTC80eを利用して、CPU80aに1.49msの時間間隔でタイマ割込み(後述の図10)をかけている。
電源インターフェース82は電源基板41の電源回路との間のインターフェースである。
遊技インターフェース84は遊技中継基板60との間のインターフェースである。コントローラ80は、遊技インターフェース84を介して各種スイッチ、センサの検出信号の入力や、LED制御、ブロッカーソレノイド制御のためのコマンド送信を行う。
回胴モータ駆動部85は回胴中継基板53との間のインターフェースである。コントローラ80は、回胴モータ駆動部85によりステッピングモータ54a、54b、54cに対するモータ駆動信号の出力を行うと共に、回胴モータ駆動部85を経由して入力されるインデックスセンサ55a、55b、55cからの検出信号を取得する。
演出制御インターフェース86は、コントローラ80が演出インターフェース基板43を介して演出制御基板42へのコマンド送信を行うためのインターフェースである。具体的には例えば8ビットパラレルポートである。
払出接続インターフェース87は払出接続基板73とのインターフェースである。
回胴設定インターフェース89は、回胴設定基板71との間のインターフェースである。
続いて、回転リール4a、4b、4cについて説明する。
図7は、回転リール4a、4b、4cに対する原点検出に係る構成についての説明図である。原点検出とは、各回転リール4a、4b、4cに設けられた特定の位置、即ち、原点の検出である。
尚、原点検出に係る構成は、回転リール4a〜4cのそれぞれについて同様であるため、ここでは代表して一つの回転リールを回転リール4として図示している。図7Aは原点検出に係る構成を斜視図により示し、図7Bは回転リール4に形成された被検出部93dと原点位置101との関係を概略断面図により示している。
この場合、突出部92tは、ベース板92bから左側方向に突出している。
リールフレーム93は、ステッピングモータ54のロータ54rに着脱自在に固定されたハブ部93hと、リム部93rとハブ部93hとの間を半径方向に連結する複数のスポーク部93sとを有している。
リールシート95における図柄形成領域は光透過率が比較的高くされており、バックライト部91におけるLEDが点灯したとき、その発光領域が明るく発光するようになっている。
インデックスセンサ55としては、透過型のフォトセンサに限らず、反射型のフォトセンサを用いることもできる。
本実施の形態において、ステッピングモータ54a、54b、54cはユニポーラ駆動のステッピングモータとされ、それぞれセンタータップされた2つの駆動巻線を有している。本実施の形態の場合、ステッピングモータ54a、54b、54cの駆動は、例えば、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返す1−2相励磁によって行われる。1−2相励磁による駆動方法は、1相励磁や2相励磁の駆動方法と比較して、ステップ角を半分にしたなめらかな駆動を実現できる。1−2相励磁の励磁パターン(励磁データ)の更新周期はタイマ割込み処理の周期である1.49msとされる。
本例において、回転リール4a、4b、4cの表面には、回転方向に沿って21コマ分の図柄が配置されている。回転リール4a、4b、4cのそれぞれにおいて、図柄の種類は10種類(赤7、白7、バー、キャラ、チェリー、すいか、ベル、リプレイ、はずれ1、はずれ2)とされ、それらが所定の順序で配列されている。図中では、回転リール4aに形成された21コマの図柄をそれぞれ図柄4a1、4a2、・・・、4a21と表している。同様に、回転リール4bに形成された21コマの図柄を図柄4b1、4b2、・・・、4b21、回転リール4cに形成された21コマの図柄を図柄4c1、4c2、・・・、4c21と表している。各図柄の符号の末尾に付した番号は、その図柄の番号を表している。
本例においては、ステッピングモータ54a、54b、54cを1回転させるために必要な駆動ステップ数は8ステップとなるため、回転リール4a、4b、4cを1回転させるために必要なステッピングモータ54a、54b、54cの駆動ステップ数は8×63=504とされている。
これに応じ、各図柄については、ステップ位置として計24の位置を検出可能とされている。ここで、図柄中のステップ位置は、後の図11で説明するタイマ割込み処理ごとに図柄ステップ数がデクリメント(−1)されていくことで検出可能とされる。すなわち、各図柄中で検出可能なステップ位置は、24番(先頭ステップ位置)〜1番(最終ステップ位置)の24個である。その図柄の最終ステップ位置(1番)に到達した状態から図柄ステップ数が更にデクリメントされると、図柄ステップ数は24番(=0番)へと戻る。
続いて、主制御基板40のCPU80aが実行する各種の処理について説明する。CPU80aは、主として電源投入時に開始される無限ループ状のメイン処理と、CTC80eからの定期割込みで一定時間毎に起動されるマスク可能な(Maskable Interrupt)タイマ割込み処理とを実行する。
CPU80aは、スロットマシンの電源が投入されるとステップS101の初期設定処理を実行する。ここで、電源投入後の状態としては、電断前に実行されていた処理を再開してホットスタートするか、或いは、ステップS102の処理に移行してコールドスタートするかの何れかとなる。
例えば、営業開始前に係員が前述した設定キースイッチ72を操作して抽選処理の当選確率などを設定した場合には、コールドスタート処理となるが、そのような係員の操作が無く、且つ異常が検出されない場合には、遊技動作をホットスタートする。
a)リール演出中であった場合
b)起動中であった場合
c)起動が終了し定常回転中であった場合
d)停止ボタン18a、18b、18cが操作された後であった場合
のそれぞれに対応した処理を実行する。具体的に、a)のケースでは、リール演出を最初からやり直すための各種設定処理、b)またはc)のケースでは回転リール4a、4b、4cの起動をやり直すための各種設定処理、d)のケースでは電断前の停止操作に応じて実行されていた停止制御を再開させるための各種設定処理をそれぞれ実行する。尚、このようなホットスタート時に対応して実行される電断復帰処理の具体的な内容については、例えば特開2013−212264号などにも記載されているため、詳しくはそちらを参照されたい。
尚、以下の説明においては、通常ゲーム中とボーナス内部当選中を合わせて通常遊技状態と記載し、ボーナスゲーム中などの有利な遊技状態を特別遊技状態と記載する。
なおこの際、メダルの投入に応じて、その旨を表す制御コマンド(投入コマンド)が演出制御インターフェース86における送信バッファにセットされ、後述するタイマ割込み処理(図10)のコマンド出力処理(S205)において、演出制御基板42に送信される。尚、このタイミングでは、遊技者による清算動作を示す清算コマンドなどが送信されることもある。
ステップS109の回胴回転開始設定処理は、リール演出抽選に当選しているか否かによって処理内容が異なっている。
ここで、リール演出は様々なタイミングで実行され、例えば、スタートレバー17の操作に応じて実行される。スタートレバー17の操作のタイミングで実行されるリール演出に当選している場合には、スタートレバー17の操作に応じてリール演出が実行された上で回転リール4a、4b、4cが一旦停止し、その後に改めて回転リール4a、4b、4cが起動(加速回転)されて一定速度による定常回転状態に遷移する。
リール演出抽選に当選している場合、ステップS109の回胴回転開始設定処理においては、回転リール4a、4b、4cを演出回転させた後に改めて定常回転状態に向けて起動させるための各種の設定処理が実行される。
一方、リール演出抽選に当選していない場合、ステップS109の回胴回転開始設定処理では回転リール4a、4b、4cを定常回転状態に向けて起動させるための各種の設定処理が実行される。
尚、当該ステップS109で実行される具体的な処理の内容については後の図12で改めて説明する。
回胴停止処理では、停止ボタン18a、18b、18cの操作に応じて、回転リール4a、4b、4cの停止図柄を決定するための処理や、回転リール4a、4b、4cを停止図柄で停止させるための各種データの設定処理が行われる。また、回胴停止処理では、図柄停止ライン上に停止された図柄の照合処理も行われる。
尚、ステップS110の回胴停止処理として実行される具体的な処理の内容については後の図13により改めて説明する。
尚、入賞判定処理では、図柄停止ライン上に当選図柄が揃ったか否かの判定結果を示す制御コマンド(入賞情報コマンド)を演出制御基板42に送信するべく、入賞情報コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする処理も行われる。
また、入賞判定処理では、算出した払出枚数分のメダル払出をメダル払出装置5に実行させるべく、当該払出枚数によるメダル払出を指示する制御コマンドを払出接続インターフェース87における送信バッファにセットする処理も行われる。
尚、メダル払出枚数監視処理では、メダル払出を示す制御コマンド(払出コマンド)を演出制御基板42に送信するべく、払出コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする処理も行われる。
ボーナス図柄が揃っていなかった場合、CPU80aはステップS117のボーナス作動開始処理をパスしてステップS102に戻る。
続いて、図10を参照して1.49msごとに起動されるタイマ割込み処理について説明する。
先ず、CPU80aはステップS201でレジスタの値を退避させた上で(レジスタ退避処理)、ステップS202で各種スイッチ信号やセンサ信号を受ける入力ポートのデータを取得し、例えばRAM80cの所定領域に記憶させる(ポート入力処理)。尚、センサ信号には、メダル通過センサ67やメダル払出センサ76、第1回胴インデックスセンサ55a、第2回胴インデックスセンサ55b及び第3回胴インデックスセンサ55cの各インデックスセンサ55、及びドアセンサ66等からの検出信号が含まれる。また、ポート入力処理では、カウンタ回路81からの乱数値の取り込みも行われる。
尚、このステップS206で表示更新されるランプには、LED群9として設けられたランプ(例えば回胴を回転させる準備が整ったことを示すLEDやメダルの投入受付状態を示すLED、投入されたメダルの枚数を示すLED等)が含まれている。
ステップS210において、マックス投入ボタン16が操作されていた場合、CPU80aはステップS211でマックス投入操作コマンドをセットし、ステップS212に進む。
[6−1.回胴制御フラグ]
続いて、回転リール4a〜4cの回転と停止に係る処理について説明する。
先ずは、回転リール4a〜4cの回転と停止に係る処理で用いられる回胴制御フラグFGa〜FGcについて説明しておく。
本実施の形態においては、3つの回転リール4a〜4cに対応してそれぞれ各1バイト長(8ビット長)の回胴制御フラグFGa〜FGcが用意され、該回胴制御フラグFGa〜FGcの各バイトの値に基づいて演出回転、及び起動回転(加速回転)から完全停止までの回転動作の制御が行われる。
回胴制御フラグFGa〜FGcの各々は、それぞれ1ビットで成る制御中フラグF0、リール演出中フラグF1、回胴センサONフラグF2、停止命令フラグF3、停止信号検出フラグF4、回胴起動済みフラグF5、回胴起動フラグF6、回胴停止中フラグF7の8ビットで構成されている。各フラグFのビット位置は、そのフラグFに付した番号が表すビット位置と一致している。
制御中フラグF0は、回転リール4が回転制御中であるか否かを表し、スタートレバー17のON操作による回転開始から、停止ボタン18のON操作に応じた完全停止状態までの間はF0=1となる。リール演出中フラグF1は、回転リール4を変則回転させるリール演出中であることをF1=1により表す。回胴起動中フラグF6は、回転リール4を定常回転としての一定速度による回転状態まで加速させる起動動作中であることをF6=1で表す。回胴起動済みフラグF5は、起動を終えた回転リール4が定常回転していることをF5=1で表す。
回胴停止中フラグF7は、停止図柄における所定の停止実行ステップ位置(回転リール4を停止させるためにブレーキ制御(全相励磁)を開始するステップ位置)への到達に応じてF7=1となる。尚、回胴停止中フラグF7は、後の図12により説明するステップS307で回転リール4の起動前に回胴制御フラグFG=01hにセットされることでF7=0となる。
回転リール4a〜4cの回転動作や停止動作は、図9に示したメイン処理における回胴回転開始設定処理(S109)及び回胴停止処理(S110)と、図10に示したタイマ割込み処理における回胴回転制御処理(S203)とが協働(cooperation) することで実現される。
以下、これら回胴回転開始設定処理、回胴停止処理、及び回胴回転制御処理について、回胴の回転開始〜定常回転中と、回転停止との観点で分けて説明する。
図12において、CPU80aは、ステップS301でリール演出フラグを取得し、ステップS302でリール演出抽選に当選しているか否かを判別する。リール演出フラグは、図9のメイン処理におけるリール演出抽選処理(S107)の抽選結果を表すフラグであり、リール演出抽選の当否及び当選したリール演出の種類を表す。
ここで、4.1sは、ゲーム間の時間間隔として最低限空けるべき時間長である。このようにゲーム間の時間間隔として最低限の間隔が定められていることで、遊技者がメダルを過大消費してしまうことの防止が図られている。
ステップS304のウェイトタイマ取得処理では、1ゲーム前に実行されたステップS306のタイマセット処理によりカウントスタートされたウェイトタイマの値が取得される。ステップS305の待ち処理では、このように取得したウェイトタイマの値に応じたタイマ割込回数(取得ウェイトタイマ値÷1.49ms)分の待機を行う。
これにより、ゲーム間の間隔が最低でも4.1s以上空けられる。
尚、4.1sは一例であって、適宜変更が可能である。
続いて、回転リール4の停止に係る処理について説明する。
回転リール4の停止操作の受け付けは図9に示したメイン処理における回胴停止処理(S110)により行われるため、以下では先ずステップS110の回胴停止処理について説明する。
図13において、CPU80aは、先ずステップS401で1回の割込み処理が完了するまで待機する。
ここで、ステップS110の回胴停止処理の直前のステップS109では回胴回転開始設定処理が実行されている。先の説明から理解されるように、回転リール4a〜4cの回転は、当該ステップS109の回胴回転開始設定処理で必要な設定が為された後の初回のタイマ割込み処理において回胴回転制御処理(S203)が実行されることで開始される。従って、ステップS401の待機処理は、回転リール4a〜4cが回転を開始するまで待機する処理として機能する。
尚、ステップS401の待機処理は、この図に示す処理が進行する過程で複数回実行される。2回目以降に実行されるステップS401の待機処理は、回胴回転制御処理(S203)が1回分行われる、すなわち回転制御が1タイマ割込み分進行するのを待機する処理として機能する。
無効な操作が行われている場合、CPU80aはステップS417で停止ボタン18a〜18cの各停止ボタンLEDを赤点灯させ、ステップS401に戻る。
一方、有効な停止操作が行われている場合、CPU80aはステップS406で停止ボタン18a〜18cに係る停止ボタンLEDの全てを赤点灯させる。
このような処理の流れにより、回転リール4a〜4cの回転開始後には、停止ボタンLEDの点灯制御が以下のように行われる。
・回転開始(リール演出開始または起動開始)から停止操作が受け付け可能となるまでは、停止ボタンLEDの全てを赤点灯で維持させる。
・停止操作が受け付け可能となったとき、停止ボタンLEDの全てを青点灯させる。但し、無効な操作が行われたときは、停止ボタンLEDの全てを赤点灯させる。
・回転リール4の停止操作が行われたときは、一旦停止ボタンLEDの全てを赤点灯させた後、停止操作が行われた回転リール4の停止ボタン18の停止ボタンLEDのみを赤点灯で維持させ、他の回転中の回転リール4に対応する停止ボタンの停止ボタンLEDを青点灯に戻す。この際、回転中の回転リール4がなければ、停止ボタンLEDの全てが赤点灯状態のままとなる。
上記のようにステップS405で有効な停止操作が行われていると判別され、ステップS406で停止ボタン18a〜18cの停止ボタンLEDを赤点灯させたことに応じ、CPU80aはステップS407で停止信号検出フラグF4=1にセットする。
何れかの操作が行われている場合、CPU80aはステップS413の情報取得処理とステップS414の判別処理を再度実行する。つまり、何れかの操作が行われている限り処理がステップS413→S414→S413とループする。
尚、実際の回転リール4の停止は、メイン処理の図柄停止制御処理(S409)において停止命令フラグF3に1をセットしたことに応じて、タイマ割込み処理の回胴回転制御処理(S203)において停止のための励磁パターンが当該回転リール4に対応するステッピングモータ54に出力されることによって行われる。この停止のための励磁パターンの出力は、停止図柄に到達したこと(=停止命令フラグF3に1がセットされたこと)に加え、所定の図柄ステップ数に到達したこと(ステップS203において監視している)に応じてなされる。
変動に係る状態遷移について図14を用いて定義する。
先ず、図14A及び図14Bに示すように、遊技者がスロットマシンを遊技している際のスロットマシンの状態には、変動中であるか否かの観点から、「変動待機中」と「変動中」と「変動停止中」と「中断演出中」とに分けられる。
変動待機中とは、遊技者がメダルをメダル投入口12に投入(リプレイ当選後のメダルの擬似投入も含む)してから三つの回転リール4a、4b、4cが回転し出すまで(即ちスタートレバー17が操作されるまで)の状態を指す。
変動中とは、遊技者が三つの回転リール4a、4b、4cが回転が開始されてから三つの回転リール4a、4b、4cが停止するまでの状態を指す。
変動停止中とは、三つの回転リール4a、4b、4cが停止してから(即ち、変動中の状態が終わった時点から)次のゲームを開始するためにメダルをメダル投入口12に投入するまでの状態(即ち、遊技者のスタートレバー17の操作に応じた各回転リール4の停止態様が遊技者に対して提示されている状態)を指す。
中断演出中を除けば、変動待機中と変動中と変動停止中のそれぞれの状態が繰り返されることで、遊技が進行していく。
中断演出中とは、フリーズ演出中のことであり、変動中や変動停止中、或いは、各状態の切り替えのタイミングで遷移する状態である。即ち、変動中の所定のタイミングで中断演出中の状態へ遷移し、中断演出中の状態が終わると変動中の状態へ戻るケースや、変動中から変動停止中へ切り替わるタイミングで中断演出中の状態へ遷移するケースなどがある。
尚、フリーズ演出は、中断演出中に実行される。
図14は、フリーズ演出を実行する場合の状態遷移について示したものである。
また、変動中の状態が開始されてから変動中の状態が終了するまで(中断演出中の状態を挟んでもよい)を1ゲーム(1変動)と定義する。
尚、変動中において、特に、停止ボタン18の押下が有効となってから回転リール4が停止するまでの状態を「停止制御対応中」と定義する。
[8−1.遊技状態と天井について]
スロットマシンの遊技状態と天井について、図15を参照して説明する。
スロットマシンの遊技状態には、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも有利な特別遊技状態がある。
特別遊技状態の例としては、ボーナスゲームやAT、RT、ARTなどを実行している状態が挙げられる。
具体的には、カウント対象をカウントしていき、該カウントが所定値(天井値)に達したときに特別遊技を発動するものである。
カウントが所定値に達したときにカウントを0にリセットする場合、天井値が一つ固定値として設けられる。即ち、0からカウントしていき、天井値に達して特別遊技が発動した場合、該特別遊技が終了すると共に再度0からカウントし直す。
尚、天井値は、変動する値として設けられてもよい。即ち、カウントが0にリセットされた場合には天井値が1000として設定されるが、遊技を進めていく間に所定の条件の成立に伴って999,998,・・・と減少したり1001,1002,・・・と増加したりしてもよい。具体的には、特定の小役の成立に応じて天井値を減少させる例や、停止ボタン18の停止順などの指定した遊技手順を踏まなかった場合に天井値を増加させる例などが挙げられる。
カウント対象のカウントは、主制御基板40のCPU80aが実行し、カウント数は例えばRAM80cに記憶される。また、天井値はROM80b或いはRAM80cに記憶される。
尚、カウント対象のカウントを演出制御基板42が実行し、カウント数を演出制御基板42のRAMに記憶し、天井値を演出制御基板42のROM或いはRAMに記憶してもよい。
通常遊技を開始してから142ゲーム目に特別遊技抽選に当選し、特別遊技としてのBBが開始される。特別遊技(BB)が終了すると、ゲーム数のカウントがリセットされて0となり、再び通常遊技状態へ遷移する。その後、特別遊技抽選に当選しないままゲーム数のカウント値が1000となり天井ゲーム数(天井値)に到達すると、特別遊技としてのARTが開始される。ARTは、例えば10ゲームを1セットとして、1または複数セットが連続して実行される。図15に示した例では、7ゲームの通常遊技状態を挟んで2セットが実行される。
また、第1の特別遊技抽選において抽選対象となる特別遊技は、BB、RB、RT、AT、ARTなどである。もちろんこの中の何れかだけを抽選対象としてもよいし、いくつかを抽選対象としてもよいし、全てを抽選対象としてもよい。
更に、第2の特別遊技抽選において抽選対象となる特別遊技は、RT、AT、ARTなどである。
第1特別遊技は、毎回同じ種類の特別遊技である必要はない。例えば、第1の特別遊技抽選によってBBに当選し、第1特別遊技としてBBが実行された後、次の第1の特別遊技抽選によってARTに当選した場合、第1特別遊技としてARTが実行される。即ち、通常遊技状態において当選した特別遊技を総じて第1特別遊技とし、天井に到達したことを契機として実行される特別遊技を総じて第2特別遊技とする。
ここでは、特別遊技状態と遊技価値の関係について説明する。
尚、遊技価値とは、遊技の結果遊技者に付与される価値であり、払い出されるメダルや次のゲームをメダルを使用せずに遊技することができるリプレイゲームなどを指す。
まず、遊技の態様として通常遊技、特別遊技が設けられ、特別遊技としては、BB(第1種特別遊技),RB,ART(第2種特別遊技)が設けられたスロットマシンを例に挙げて説明する。このとき、第1特別遊技としてBB,RB,ARTの何れかが実行され、第2特別遊技としてARTが実行される。
図16の表は、BB,RB,ARTの基本的な遊技価値情報として、それぞれの平均獲得枚数及び平均純増枚数を示している。換言すれば、それぞれの遊技状態において獲得が期待される遊技価値の関係を表している。尚、ARTは1セット(=10ゲーム)分を遊技したときの数値を記載している。
図16によれば、BBは平均獲得枚数が315枚、平均純増枚数が294枚とされる。
ここで、獲得枚数とは、BB中に払い出されるメダルの総数であり、獲得枚数が315枚となるのは、例えば、払出枚数が15枚とされた小役を21回揃えたときなどである。また、純増枚数とは払出枚数から投入枚数を差し引いた数値であり、純増枚数が294枚となるのは、例えば、1枚のメダルを投入して払出枚数が15枚とされた小役を揃える一連の行為を21回行ったときなどである。
また、RBは平均獲得枚数が98枚、平均純増枚数が84枚とされる。更に、ART(1セット)は平均獲得枚数が44枚、平均純増枚数が20枚とされる。
以降の説明では、これらの数値に基づいた例を説明する。
設定例1では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目し、VA1よりも平均獲得枚数が少なくなるように天井における振り分け抽選を行う。
図17Aは、第1の特別遊技抽選において(即ち通常遊技状態において)ARTに当選した場合のセット数の振り分けを規定した振り分けテーブルである。尚、振り分けテーブルとしては、平均獲得枚数と平均純増枚数の情報はなくてもよい。他の振り分けテーブルに関しても同様である。
図17Aの表に基づいてARTのセット数の振り分け抽選を行った場合、平均3.35セットとなり、平均獲得枚数の期待値(ARTによって獲得が期待されるメダル数)が147.4枚、平均純増枚数が67枚となる。
これを踏まえて、BB,RB,ARTの遊技価値情報として、それぞれの遊技状態に当選したときに期待される獲得枚数と純増枚数を図17Bに示す。ARTが当選したときに期待される平均獲得枚数や平均純増枚数は、3.35セット分を遊技したときに得られる平均獲得枚数や平均純増枚数と同じとなる。
まとめると、ARTに当選したときに図17Aの表に基づいて振り分け抽選をしてもよいし、ARTに当選するか否かも含めて図17Cの表に基づいて抽選してもよい。
尚、これは、以降の他の例においても同様である。以降の他の例においては、図17Cに相当する表と説明は省略し、図17Aに相当する表を示して説明を行う。
具体的には、図18Aに示すように、平均セット数が4.0となる振り分け抽選を行えばよい。天井に到達した際に図18Aの表に基づいたARTの振り分け抽選を実行することにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値が176枚(<186.8枚)とされる(図18B参照)。
設定例2では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目する。
図19Aは、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTの当選確率を示している。この当選確率によれば、スタートレバー17を操作したときに各特別遊技の抽選が行われ、BBの当選確率は1/400、RBの当選確率は1/300、ARTの当選確率は1/250となる。ARTは、当選すると平均3.35セット(平均33.5ゲーム)のARTが開始される。
当選確率も加味した平均獲得枚数VA2は、BB,RB,ARTの出現確率に基づいて計算される。即ち、BB,RB,ARTの何れかの特別遊技に当選した場合におけるBBの割合は約25.4%、RBの割合は約33.9%、ARTの割合は約40.7%であり、これに基づいて、VA2=315×0.254+98×0.339+147.4×0.407≒173.3枚と算出される。
具体的には、天井に到達した際に図19Bの表に基づいたARTの振り分け抽選(即ち平均セット数が3.0とされたARTの振り分け抽選)を実行する。これにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値は約132枚(<173.3枚)とされる(図19C参照)。
設定例3では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数のうち、最小となる平均獲得枚数VA3に着目する。
尚、設定例3における第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選では、設定例1と同様に図17Aの振り分けテーブルを参照する。従って、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数は、図17Bに示す通りとなる。
ここで、最小となる平均獲得枚数VA3は、315、98、147.4のうちの最小値である98となる。
具体的には、天井に到達した際に図20Aの表に基づいたARTの振り分け抽選(即ち平均セット数が2.0とされたARTの振り分け抽選)を実行する。これにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値が88枚(<98枚)とされる(図20B参照)。
具体的に、第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選において、図21Aに示す振り分けテーブルを用いる例を示す。
図21Aの振り分けテーブルでは、最小のセット数が2とされている。即ち、最小となる平均獲得枚数VA3’は、315,98,88のうちの最小値である88となる。
具体的には、天井に到達した際に図21Bの表に基づいたARTの振り分け抽選(即ち平均セット数が1.95とされたARTの振り分け抽選)を行う。これにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値が85.8枚(<88枚)とされる(図21C参照)。
設定例4では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも少なくなるように天井のART振り分け抽選を実行するが、振り分けられる最大のセット数は、天井のART振り分け抽選の方が第1の特別遊技抽選よりも多い例を説明する。
また、第2の特別遊技抽選においては、図22Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を実行する。
これにより、振り分けられる最大のセット数は、第1の特別遊技抽選においては10となるのに対し、第2の特別遊技抽選においては20となる。即ち、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの最大の平均獲得枚数は、44×20=880枚となり、BB(315枚)やRB(98枚)やART(10セットで440枚)よりも多くなる。
しかし、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値(143枚)は、出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2(173.3枚)よりも少なくなる(図22B参照)。
設定例5では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも多くなるが、振り分けられる最大のセット数は少なくなる例を説明する。
一方、第2の特別遊技抽選においては、図23Bの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を実行する。この場合、図23Cに示すように、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの最大の平均獲得枚数は、20セットに当選した場合の880枚(<1320枚)となる。また、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は5セットとなり、平均獲得枚数は、220枚(>175.9枚)となる。
従って、天井を契機とした特別遊技は、通常遊技において当選した特別遊技よりも平均的に多い獲得枚数が期待されるが、最大の平均獲得枚数は少なくされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機(設定例5では30セットのART)となってしまうことを防止可能とされる。
設定例6では、ARTのボリュームゾーン(振り分け確率が最大とされたセット数)をARTの代表的な性能として着目する。
先ず、第1の特別遊技抽選において図24Aの振り分けテーブルを用いた場合、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、約192.1枚となる。更に、最大の平均獲得枚数は20セットに当選した場合の880枚となる。
一方、第2の特別遊技抽選において図24Bの振り分けテーブルを用いた場合、これによって実行されるARTの平均セット数は5.4セットとなり、平均獲得枚数は237.6枚となる。更に、最大の平均獲得枚数は30セットに当選した場合の1320枚となる。
即ち、平均獲得枚数の期待値、及び、最大の平均獲得枚数は、共に第2の特別遊技抽選によって実行される特別遊技の方が多くなる。
従って、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数と出現率の割合は、315枚(約25.4%)、98枚(約33.9%)、132枚(約40.7%)となり、出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、167枚となる。更に第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値は、図24Cに示すように、88枚(2セット)となる。
これにより、天井を契機とした特別遊技は通常遊技において当選した特別遊技と比較して、ボリュームゾーンに着目したときの平均獲得枚数の期待値が少なくされる。
設定例7では、第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選と、第2の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選において、同じ振り分けテーブルを用いる場合を説明する。
具体的には、図17Aに示す振り分けテーブルを用いる。
このとき、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数は、BB(315枚)、RB(98枚)、ART(147.4枚)となる。そして、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、約173.3枚とされる。
一方、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値は、147.4枚となる。
即ち、同一の振り分けテーブルを用いたとしても、天井を契機とした特別遊技は、通常遊技において当選した特別遊技よりも平均獲得枚数の期待値が少なくされる
設定例8では、第1の特別遊技抽選としての特別遊技BB,RB,ARTのうち、最大となる平均獲得枚数VA4に着目する。
具体的には、第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選で図17Aに示した振り分けテーブルを用いる場合、BB,RB,ARTのそれぞれの平均獲得枚数の期待値は、315枚、98枚、147.4枚となるため、VA4はBBの平均獲得枚数である315枚となる。
例えば、第2の特別遊技抽選において、図25Aに示すARTの振り分けテーブルを用いる。この場合、図25Bに示すように、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は7.0セットとなり、平均獲得枚数は308枚(<315枚)となる。
続いて、ARTの振り分け抽選における別の例を用いた設定例9を説明する。
上記の設定例1乃至設定例8においては、ARTのセット数と振り分け確率が記憶されたARTの振り分けテーブルを用いた。
設定例9では、ARTの継続率と抽選確率が記憶された振り分けテーブルを用いて、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目する。
ここで、ARTの継続率とは、ART1セット分の特別遊技を消化したときに、次の1セット分の特別遊技が実行される確率を示したものである。即ち、継続率が90%であれば、90%の確率で次の1セットのARTが実行される。
ARTを継続するか否かの抽選(継続抽選)は、ARTを実行する際の所定のタイミング(例えば、ARTのセット毎の終了タイミングや開始タイミング、或いは、ART遊技中のタイミングなど)で実行される。
尚、継続率の振り分け抽選をこれまでのセット数の振り分け抽選と区別するために、継続率振り分け抽選とし、抽選に用いるテーブルを継続率振り分けテーブルとする。
一方、第2の特別遊技抽選において、図26Bに示すARTの継続率振り分け抽選を実行する場合、図26Cに示すように、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は約4.04セットとなり、平均獲得枚数は約177.8枚(<181.0枚)となる。
これにより、過剰なメダルを獲得する契機となることをとなることを防止することができる。更に、第2の特別遊技抽選におけるARTの最大継続数は第1の特別遊技抽選におけるARTの最大継続数よりも少ない数値とされてもよい。これにより、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機とならない遊技機を提供することができる。
上記の設定例1乃至設定例9においては、獲得枚数(平均獲得枚数や最大/最小の平均獲得枚数など)に着目した例を示したが、設定例10においては、純増枚数に着目する例を説明する。
設定例10は設定例1に対応する例として、BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数を単純に平均した値VA10に着目する。このとき、第1の特別遊技抽選においては図17Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行い、第2の特別遊技抽選においては図27Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行う。
第1の特別遊技抽選によって実行される特別遊技BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数は、図17Bに示すように、294枚、84枚、67枚となる。これらを更に平均した値VA10は、(294+84+67)/3=148.3枚となる。
これにより、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機とならない遊技機を提供することができる。
[9−1.遊技の種類と天井について]
ここでは、第1の実施の形態と異なる点を主に説明し、言及していない部分に関しては、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略した部分である。
第2の実施の形態においては、通常遊技状態において、BB,RB,ARTの抽選が所定のタイミングでなされる。また、通常遊技状態には、特別遊技状態へ遷移するための抽選(以降、特別遊技抽選と記載)の態様が異なる2種類の状態(以降では、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態と記載)が設けられている。BB及びRBに関しては、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態における抽選確率は一定とされる。また、ARTに関しては、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態とでARTに係る抽選(以降、特別遊技状態抽選と記載)の態様が異なる。
以降では、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態とでARTの抽選に用いる抽選テーブルが異なる例を説明する。
また、高期待特別遊技抽選に当選した場合に実行される特別遊技(BB,RB,ART)を高期待特別遊技(第1特別遊技)、低期待特別遊技抽選に当選した場合に実行される特別遊技(BB,RB,ART)を低期待特別遊技、天井到達時特別遊技抽選によって実行される特別遊技(ART)を天井特別遊技(第2特別遊技)とする。
第1の実施の形態と同様に、天井ゲーム数(天井値)が1000とされており、加えて、別のカウント数として、700が設定されている。
カウント数が0から700までは、第2通常遊技状態とされ、700から1000までは第1通常遊技状態とされる。カウント数が1000に達すると、天井到達時特別遊技抽選が実行される。天井における特別遊技抽選では、特筆しない限り、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブル(若しくは継続率振り分けテーブル)が使用される例を用いる。
その後、第1の特別遊技抽選に当選しないままゲーム数のカウント値が1000となり天井ゲーム数(天井値)に到達すると、低期待特別遊技抽選によって実行されるARTの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選が実行され、抽選に応じて特別遊技としてのARTが開始される。ARTは、例えば10ゲームを1セットとして、1または複数セットが連続して実行される。図28に示した例では、7ゲームの通常遊技状態を挟んで2セットが実行される。
高期待特別遊技と低期待特別遊技の遊技価値の関係について説明する。
第1通常遊技状態において実行される高期待特別遊技抽選では、高期待特別遊技としてのBB(第1種特別遊技),RB,ART(第2種特別遊技)の抽選が行われる。
一方、第2通常遊技状態において実行される低期待特別遊技抽選では、低期待特別遊技としてのBB,RB,ARTの抽選が行われる。
BB,RB,ARTの基本的な遊技価値は、ARTを1セット分として捉えた場合、図16に示すものとなり、高期待特別遊技及び低期待特別遊技の間に差分はない。
高期待特別遊技及び低期待特別遊技において実行される振り分け抽選(または継続率振り分け抽選)の結果も加味した遊技価値が異なる。また、高期待特別遊技抽選によって実行されるARTは、低期待特別遊技抽選によって実行されるARTよりも、遊技価値の期待値が高い。
具体的な振り分けテーブルの例は、以下に示す各天井の設定例で示す。
設定例11では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目する。
高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図17Aに示すものであり、これによって実行されるARTの平均セット数、平均獲得枚数及び平均純増枚数は、図17Bに示すようにそれぞれ、3.35セット、147.4枚、67枚となる。
一方、低期待特別遊技におけるARTの振り分けテーブルを、図29Aに示す。この振り分けテーブルに基づくARTの平均セット数、平均獲得枚数及び平均純増枚数は、図29Bに示すようにそれぞれ、2.75、121枚、55枚となる。
尚、先に述べたように、天井到達時特別遊技抽選では定期対特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルが使用される。即ち、図29Aの振り分けテーブルが使用される。
これにより、天井を契機とした特別遊技(第2特別遊技としてのART)によって平均的に獲得できる遊技価値は、第1通常遊技状態において当選した第1特別遊技としてのBB,RB,ARTによって獲得できる遊技価値を単純に平均した値(VA1)よりも押さえられ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能とされる。
具体的には、VA2が約173.3枚(設定例2と同一式で算出)とされ、天井到達時特別遊技によって獲得できる平均的な遊技価値(121枚)よりも多くされる。
これによっても、天井を契機とした特別遊技(第2特別遊技としてのART)によって平均的に獲得できる遊技価値は、第1通常遊技状態において当選した第1特別遊技としてのBB,RB,ARTの平均獲得枚数と出現率から算出される平均獲得枚数(VA2)よりも押さえられ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能とされる。
設定例12では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数のうち、最小となる平均獲得枚数VA3に着目する。
設定例12における高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図17Aに示した振り分けテーブルを用いる。従って、最小となる平均獲得枚数VA3は、図17Bに示すように、RBの平均獲得枚数である98枚となる。
また、低期待特別遊技抽選及び天井到達時特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図20Aに示す振り分けテーブルを用いる。
この場合、天井到達時特別遊技の平均獲得枚数の期待値は88枚とされ、VA3(=98枚)よりも少なくされる(図20B参照)。
尚、設定例3と同様に、最小となる平均獲得枚数VA3’に着目して、天井到達時特別遊技抽選の振り分けテーブルを設定してもよい。
設定例13では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも少なくなるように天井のART振り分け抽選を実行するが、振り分けられる最大のセット数は、天井のART振り分け抽選の方が高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選よりも多い例を説明する。
具体的には、高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図17Aに示した振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選及び天井到達時特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図22Aに示す振り分けテーブルを用いる。
しかし、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値(143枚)は、出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2(173.3枚)よりも少なくなる(図22B参照)。
尚、設定例4と同様に、VA2に着目する代わりにVA1やVA3、VA3’に着目してもよい。
設定例14では、高期待特別遊技におけるBB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも多くなるが、振り分けられる最大のセット数は少なくなる例を説明する。
尚、設定例14では、天井を契機としたARTの振り分け抽選において、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルとは異なる振り分けテーブルを用いる。
具体的には、高期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図23Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図29Aの振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選では、図23Bの振り分けテーブルを用いる。
従って、天井を契機としたARTは、高期待特別遊技抽選において当選した高期待特別遊技よりも平均的に多い獲得枚数が期待されるが、最大の平均獲得枚数は少なくされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機(設定例14では30セットのART)となってしまうことを防止可能とされる。
尚、設定例5と同様に、VA2に着目する代わりにVA1やVA3、VA3’に着目してもよい。
設定例15では、ARTのボリュームゾーンをARTの代表的な性能として着目する。
尚、設定例15では、天井を契機としたARTの振り分け抽選において、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルとは異なる振り分けテーブルを用いる。
具体的には、高期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図24Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図29Aの振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選では、図24Bの振り分けテーブルを用いる。
従って、高期待特別遊技のVA2は167枚とされ、天井到達時特別遊技の平均獲得枚数は、88枚(<167枚)とされる。
尚、設定例6と同様に、VA2に着目する代わりにVA1やVA3、VA3’に着目してもよい。
設定例16では、天井到達時特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選において、高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分テーブル(図17A)を用いる例を説明する。
このとき、高期待特別遊技におけるBB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、約173.3枚とされる。また、天井到達時特別遊技の平均獲得枚数の期待値は、147.4枚となる。
即ち、同一の振り分けテーブルを用いたとしても、天井を契機とした特別遊技は、通常遊技において当選した特別遊技よりも平均獲得枚数の期待値が少なくされる。
設定例17では、高期待特別遊技抽選としての特別遊技BB,RB,ARTのうち、最大となる平均獲得枚数VA4に着目する。
尚、設定例17では、天井を契機としたARTの振り分け抽選において、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルとは異なる振り分けテーブルを用いる。
具体的には、高期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図17Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図29Aの振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選では、図25Aの振り分けテーブルを用いる。
この場合、高期待特別遊技におけるVA4はBBの平均獲得枚数である315枚となる。また、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は7.0セットとなり、平均獲得枚数は308枚(<315枚)となる。
設定例11乃至設定例17においては、ARTのセット数と振り分け確率が記憶されたARTの振り分けテーブルを用いたが、設定例18では、ARTの継続率と抽選確率が記憶された継続率振り分けテーブルを用いる。尚、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目する。
設定例18では、高期待特別遊技抽選のARTの継続率振り分け抽選では、図26Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの継続率振り分け抽選では、図30の振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選におけるARTの継続率振り分け抽選では、図26Bの振り分けテーブルを用いる。
この場合、高期待特別遊技におけるVA1は約181.0枚となる。また、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は約4.04セットとなり、平均獲得枚数は約177.8枚(<181.0枚)となる。
設定例11乃至設定例18においては、獲得枚数(平均獲得枚数や最大/最小の平均獲得枚数など)に着目した例を示したが、設定例19においては、純増枚数に着目する例を説明する。
設定例19は設定例11に対応する例として、BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数を単純に平均した値VA10に着目する。このとき、高期待特別遊技抽選においては図17Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行い、天井到達時特別遊技抽選においては図29Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行う。
高期待特別遊技抽選において実行される第1特別遊技BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数は、図17Bに示すように、294枚、84枚、67枚となる。これらを更に平均した値VA10は、(294+84+67)/3=148.3枚となる。
これにより、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機とならない遊技機を提供することができる。
第2の実施の形態では、通常遊技状態として第1通常遊技状態と第2通常遊技状態の二つが設けられた例を説明したが、三つ以上の通常遊技状態が設けられていてもよい。
また、第2の実施の形態では、特定のゲーム数で第1通常遊技状態から第2通常遊技状態に遷移する例を説明したが、加えて、特定の小役などによっても遷移するようにしてもよい。具体的には、天井値が1000、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態への遷移するカウント数が900に設定されると共に、特定の小役が所定回数成立した場合、900よりも前のゲーム数であっても第2通常遊技状態へ遷移するようにしてもよい。
具体的には、第1通常遊技状態においてのみ実行される演出を設けることや、特定の演出の出現確率を第1通常遊技状態及び第2通常遊技状態で変えることなどを行う。
第1の実施の形態で説明した回胴式遊技機にあっては、複数の図柄が表示された複数の回胴としての回転リール4a、4b、4cと、回胴の回転を始動させる始動制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、回胴の回転を停止させる停止制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段(主制御基板40のCPU80a)と、カウント対象(ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数など)をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値に達するまでは第1特別遊技の抽選を実行し、カウント数が所定値に達した場合に第2特別遊技を実行する特別遊技制御手段(主制御基板40のCPU80a、若しくは、演出制御基板42のCPU)と、を備え、第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
また、第1の実施の形態で説明した回胴式遊技機にあっては、複数の図柄が表示された複数の回胴としての回転リール4a、4b、4cと、回胴の回転の始動契機となる始動手段(スタートレバー17)と、回胴の回転の停止契機となる停止手段(停止ボタン18a、18b、18c)と、回胴の始動/停止の制御を行う回胴制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段(主制御基板40のCPU80a)と、カウント対象(ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数など)をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値に達するまでは第1特別遊技の抽選を実行し、カウント数が所定値に達した場合に第2特別遊技を実行する特別遊技制御手段(主制御基板40のCPU80a、若しくは、演出制御基板42のCPU)と、を備え、第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、特別遊技の複数の種類が設けられた回胴式遊技機においても、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井が通常遊技状態における何れの特別遊技よりも獲得遊技価値が少ないため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井における特別遊技の獲得遊技価値をある程度確保しつつ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、平均獲得遊技価値が最大となる特別遊技は第1特別遊技のうちの一つとされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
また、第2の実施の形態で説明した回胴式遊技機にあっては、複数の図柄が表示された複数の回胴としての回転リール4a、4b、4cと、回胴の回転の始動契機となる始動手段(スタートレバー17)と、回胴の回転の停止契機となる停止手段(停止ボタン18a、18b、18c)と、回胴の始動/停止の制御を行う回胴制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段(主制御基板40のCPU80a)と、カウント対象(ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数などであり、各実施の形態においてはゲーム数)をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値(1000ゲーム)に達した場合に第2特別遊技を実行し、所定値に達する直前の所定期間(300ゲーム)において第1特別遊技の抽選を実行する特別遊技制御手段(主制御基板40のCPU80a、若しくは、演出制御基板42のCPU)と、を備え、第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも第1通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、特別遊技の複数の種類が設けられた回胴式遊技機においても、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも第1通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井が第1通常遊技状態における何れの特別遊技よりも獲得遊技価値が少ないため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井における特別遊技の獲得遊技価値をある程度確保しつつ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、平均獲得遊技価値が最大となる特別遊技は第1特別遊技のうちの一つとされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
2…前面パネル
3…図柄回転ユニット
4a〜4c…回転リール(回胴)
16…マックス投入ボタン
17…スタートレバー
18a〜18c…停止ボタン
24A、24B…7セグメントLED
24a…第1LED
24b…第2LED
40…主制御基板
54a…第1回胴ステッピングモータ
54b…第2回胴ステッピングモータ
54c…第3回胴ステッピングモータ
54r…ロータ
55a…第1回胴インデックスセンサ
55b…第2回胴インデックスセンサ
55c…第3回胴インデックスセンサ
80…コントローラ
80a…CPU
80b…ROM
80c…RAM
Claims (2)
- 複数の図柄が表示された複数の回胴と、
前記回胴の回転の始動契機となる始動手段と、
前記回胴の回転の停止契機となる停止手段と、
前記回胴の始動/停止の制御を行う回胴制御手段と、
所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段と、
カウント対象をカウントするカウント手段と、
遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を備え、
前記特典遊技付与手段は、
カウント数が第1の所定値に達するまでに特典遊技を付与可能な第1特典遊技付与手段と、
前記カウント数が前記第1の所定値に達してから第2の所定値に達するまでに特典遊技を付与可能な第2特典遊技付与手段と、
前記カウント数が前記第2の所定値に到達した後に特典遊技を付与可能な天井特典遊技付与手段と、を有し、
前記第2特典遊技付与手段が付与可能な最大遊技回数は、前記第1特典遊技付与手段が付与可能な最大遊技回数よりも少なくされた
ことを特徴とする回胴式遊技機。 - 複数の図柄が表示された複数の回胴と、
前記回胴の回転の始動契機となる始動手段と、
前記回胴の回転の停止契機となる停止手段と、
前記回胴の始動/停止の制御を行う回胴制御手段と、
所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段と、
カウント対象をカウントするカウント手段と、
遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を備え、
前記特典遊技付与手段は、
カウント数が第1の所定値に達するまでに特典遊技を付与可能な第1特典遊技付与手段と、
前記カウント数が前記第1の所定値に達してから第2の所定値に達するまでに特典遊技を付与可能な第2特典遊技付与手段と、
前記カウント数が前記第2の所定値に到達した後に特典遊技を付与可能な天井特典遊技付与手段と、を有し、
前記第2特典遊技付与手段が付与する平均遊技回数は、前記第1特典遊技付与手段が付与する平均遊技回数よりも少なくされた
ことを特徴とする回胴式遊技機。
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