以下に、本発明に係る回胴式遊技機の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1、図2A、および図2Bは、本実施の形態に係る回胴式遊技機の外観構成の説明に供する図である。図1は本実施の形態に係る回胴式遊技機の概略的な構成を示す正面図を、図2Aおよび図2Bは図1に示した本実施の形態に係る回胴式遊技機の内部構造を概略的に示す構造図である。なお、以下では、本発明に係る回胴式遊技機として、遊技媒体として、遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例に挙げて説明する。
図1に示すように、遊技機本体10は、遊技に供する各種遊技部品を収納するための筐体11と、筐体11の前面側に開閉自在に取り付けられた前面扉13とを備えている。
前面扉13には、美的なデザインが施された外観を有する上部装飾パネル部110と下部装飾パネル部120とが形成されている。また、上部装飾パネル部110と下部装飾パネル部120との間には遊技操作部130が形成され、この遊技操作部130には遊技者が操作を行うための各種ボタン(スイッチ)類が配置されている。また、上部装飾パネル部110の上方には透明板を介して液晶表示装置(LCD)160が配置され、下部装飾パネル部120の下方には前面扉13と一体的に装着されたメダル受け皿部140が形成されている。なお、前面扉13の外枠には、略長方形状の開口部13a、13b、13cが形成されており、この開口部13a、13b、13cは、上部装飾パネル部110、下部装飾パネル部120、液晶表示装置160が前面扉13の外枠の背面側から装着されることによって塞がれている。そして、前面扉13の外枠の裏面側から装着されるパネルユニット(各種電子部品が装着されたユニット)が前面扉13の外枠と一体的に装着され、前面扉13が形成されている。
上部装飾パネル部110の略中央部には、透明性を有する略長方形状の回胴視認部111が形成されている。遊技者は、この回胴視認部111を介して、3つの回胴210a(左回胴)、210b(中回胴)、210c(右回胴)を視認することができるようになっている。また、回胴視認部111には、回胴視認部111を横断するようにして入賞ラインL1〜L5が施されている。この入賞ラインL1〜L5は、横3本及びこれらと交差する斜め2本の直線からなっている。
上部装飾パネル部110の左側には、遊技の進行状況などの遊技情報を表示するための表示部として、メダル貯留枚数表示部113、メダル投入枚数表示部115a、115b、115c、メダル払出枚数表示部117が形成されている。
メダル貯留枚数表示部113は、遊技機本体10の貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を記憶する機能を備えた装置、図示はしていない)に貯留されている遊技メダル数を表示するものである。
メダル投入枚数表示部115(115a、115b、115c)は、単位遊技(1ゲーム)に対する賭け数に応じて点灯するものである。例えば、遊技者が遊技を開始する際、後述するメダル投入口131から遊技メダルを1枚投入すると(または、後述する前記貯留装置に貯留されている遊技メダルがある場合には貯留メダル投入ボタン133またはMAXBETボタン134を押すと)、メダル投入枚数表示部115aが点灯する。同様に、遊技メダルを2枚投入するとメダル投入枚数表示部115bが、3枚投入するとメダル投入枚数表示部115cが点灯する。本実施の形態では、単位遊技に対して、賭け数として、遊技メダル3枚を設定したときに単位遊技が開始可能とされるようになっている。もちろん、前記賭け数として、1〜3枚の遊技メダルが投入されたときに単位遊技が開始可能とされるように構成しても良い。
そして、前記賭け数に応じて、入賞ラインL1〜L5が有効になり、例えば、1枚の遊技メダルの投入により入賞ラインL1が有効(2枚の遊技メダルの投入により入賞ラインL1〜L3が、3枚の遊技メダルの投入により入賞ラインL1〜L5が有効になる)になり、このライン上で入賞役を構成する図柄が停止表示されると入賞となる。そして、入賞となった場合には、入賞役に応じた利益が遊技者に供与される(遊技メダルが払い出されたり、遊技メダルを投入することなく遊技可能な再遊技(いわゆる、リプレイ)が設定されたりする)。なお、本実施の形態では、入賞ラインL1〜L5の5ラインを入賞ラインとして設定しているが、これに限らず、少なくとも1ラインであれば良い。また、本実施の形態では、入賞ラインが直線状で示されているが、これに限らず、V字型、楔型などの入賞ラインであっても良い。なお、詳細は後述するが、前記単位遊技の一連の工程としては、遊技者が遊技メダルをメダル投入口131に投入するか(または前記貯留装置に貯留されている遊技メダルを貯留メダル投入ボタン133、MAXBETボタン134を押して投入するか)、または遊技メダルを投入することなく遊技可能な再遊技(いわゆる、リプレイ)に基づき設定された遊技が開始可能な状態(以下、「単位遊技開始可能状態」と称する)と、前記単位遊技開始可能状態において回胴回転始動レバー135が遊技者によって操作されたことを契機として左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cが回転して単位遊技が開始された状態から入賞処理が終了するまでの状態と、前記入賞処理が終了した後、次の単位遊技が開始可能なように、遊技メダルの投入が有効な状態(以下、「単位遊技待機状態」と称する)とが含まれる。
メダル払出枚数表示部117は、入賞によって払い出される遊技メダル数を表示するものである。また、メダル払出枚数表示部117は、遊技動作に異常が発生した旨を外部に報知する異常(エラー)報知手段(前面扉13が開放している旨を外部に報知する扉開放報知手段を含む)としても機能する。具体的には、エラー発生時に、所定のエラーコードを表示する。
なお、図示はしていないが、上部装飾パネル部110の回胴視認部111を除く領域の一部には、入賞に係る図柄の組み合わせ(入賞役を構成する図柄の組み合わせ)やゲームの案内などの各種遊技案内情報が表示されている。前記入賞役としては、例えば、所定の枚数の遊技メダルのみが払い出されるような通常の入賞役(いわゆる、小役)、再遊技(リプレイ)、BB(いわゆる、ビックボーナス)、RB(いわゆる、レギュラーボーナス)、RT(いわゆる、リプレイタイム)ゲーム発動(抽選または当選)契機役、AT(いわゆる、アシストタイム)ゲーム発動契機役、CT(いわゆる、チャレンジタイム)ゲーム発動契機役、BBやRBへの当選契機役(いわゆる、BB、RB解除契機役)などの種々の入賞役が挙げられる。なお、遊技者に利益が供与されない役(ハズレ)も入賞役に含めても良い。また、前記入賞役は、遊技態様に応じて種々の入賞役を適宜設定することができる。
液晶表示装置160は、遊技状態に応じた演出(文字、図形、または画像(動画、静止画)を用いた種々の演出態様を含む)や遊技の進行に関する遊技情報(例えば、BBやRBの消化ゲーム数や残余ゲーム数などの遊技情報)を表示するものである。また、液晶表示装置160は、遊技動作に異常が発生した旨を外部に報知するエラー報知手段(前面扉13が開放している旨を外部に報知する扉開放報知手段を含む)としても機能する。なお、本発明に係る回胴式遊技機では、液晶表示装置160を用いていると説明したが、これに限らず、電子ペーパを用いた表示装置、7セグメントやLEDなどの発光素子を用いた表示装置など、種々の表示装置を用いることができる。
液晶表示装置160の周縁部には、光の装飾によって演出効果を発揮させるための演出用ランプ部170a、170b、170cが配置されている。演出用ランプ部170a、170b、170cは、発光素子(例えば、フルカラーLED)を含んで構成されている。また、演出用ランプ部170a、170b、170cは、遊技動作に異常が発生した旨を外部に報知するエラー報知手段(前面扉13が開放している旨を外部に報知する扉開放報知手段を含む)としても機能する。
遊技操作部130の上面右側には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口131が配置されている。また、遊技操作部130上面左側には、貯留メダル精算ボタン132、貯留メダル投入ボタン133、MAXBETボタン134が配置されている。そして、遊技操作部130の前面左側には回胴回転始動レバー135、前面中央には回胴回転停止ボタン136a、136b、136cが配置されている。なお、貯留メダル精算ボタン132、貯留メダル投入ボタン133、MAXBETボタン134、回胴回転始動レバー135、回胴回転停止ボタン136a、136b、136cには、これらが操作された場合、その旨の検出情報を生成するスイッチがそれぞれに形成されている。
貯留メダル精算ボタン132は、前記貯留装置に貯留されている遊技メダルの精算を行う場合に使用するものである。貯留メダル精算ボタン132が遊技者によって押されると、後述する遊技メダル払出口141から貯留されていた遊技メダルが払い出される。
貯留メダル投入ボタン133は、単位遊技を開始する際、前記貯留装置に貯留されている遊技メダルの貯留範囲内で、当該単位遊技に対する賭け数を設定するためのものである。この貯留メダル投入ボタン133が遊技者によって押されると、押された回数に応じて、遊技メダル1〜3枚分の賭け数が設定される。
MAXBETボタン134は、単位遊技を開始する際、前記貯留装置に貯留されている遊技メダルの貯留範囲内で、当該単位遊技に対する最大賭け数(本実施の形態では遊技メダル3枚分)を一度に設定するためのものである。
回胴回転始動レバー135は、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cを回転始動させるためのものである。具体的には、単位遊技開始可能な賭け数が設定されたことに基づく(再遊技を含む)単位遊技開始可能状態において、回胴回転始動レバー135が遊技者によって操作されると、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cを回転が開始されるようになっている。
回胴回転停止ボタン136a、136b、136cは、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cの回転を停止させるためのものである。回胴回転停止ボタン136a、136b、136cは、それぞれ、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cに対応しており、例えば、回胴回転停止ボタン136aが遊技者によって押されると、左回胴210aが停止されるにようになっている。なお、回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの内部には、操作有効であるか否かを示すLED(図示はしていない)が内蔵されており、当該LEDが点灯している場合には回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの操作が有効となり、消灯している場合には回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの操作が無効となる。
下部装飾パネル部120は、遊技者に対して遊技機本体10の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施されているものであり、化粧板としての役割を果たす。
メダル受け皿部140は、前面扉13(外枠)と一体的に装着され、入賞により獲得した遊技メダルを貯留するためのメダル受け皿140aを含んで形成されている。また、メダル受け皿140aの上方には、遊技機本体10内の遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口141と、前面扉13の背面側に配置されるスピーカ270a、270b(図2B参照)から発生した演出効果音を外部に出力するための音波出力部143a、143bとが形成されている。音波出力部143a、143bは、遊技動作に異常が発生した旨を外部に報知するエラー報知手段(前面扉13が開放している旨を外部に報知する扉開放報知手段を含む)としても機能する。
次に、図2Aおよび図2Bを参照して、遊技機本体10の内部構造を説明する。なお、図2Aおよび図2Bは、前面扉13を開いた状態を示したもので、図2Aは筐体11の内部の構成を、図2Bは前面扉13の背面側の構成を概略的に示したものである。
まず、筐体11の内部構成について説明する。図2Aに示すように、筐体11内の上部には、遊技機本体10に係る遊技動作全般の制御を司る主制御基板400が防護用ケース40に収納されて取り付けられている。
主制御基板400の左方には、主として、BBやRBなどの入賞役の当選確率を段階的に変更させるための(いわゆる、「設定」を変更するための)回胴設定基板430が防護用ケース41に収納されて取り付けられている。
回胴設定基板430には、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ230a、前記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出玉率に変化をもたらす「設定」を変更したり、遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ230b、特定の入賞役(例えば、BBやRB)による遊技が終了した後、前記貯留装置に貯留されている遊技メダルを自動的に精算するか否かを設定するための自動精算スイッチ230c、特定の入賞役(例えば、BBやRB)による遊技が終了した後、打ち止め有効にするか無効にするかを設定するための打ち止めスイッチ230dが形成されている。
筐体11内の略中央部には、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cを備えた回胴ユニット部210が配置されている。左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cには、複数種類の図柄が印刷された帯状の回胴シール(図示はしていない)が外周に貼り付けられている。また、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cは、それぞれに対応する回胴駆動モータ(図示はしていない)によって独立して駆動制御されるように構成されている。左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cが回転すると、回胴視認部111(図1参照)には、複数の図柄が変動表示されるようになっている。
また、回胴ユニット部210の右側部の筐体11の内壁には、遊技機本体10からの所定の遊技情報に関する信号(例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、BB当選信号)をホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(HC、図示はしていない)に送信するための外部集中端子基板310が取り付けられている。
外部集中端子基板310の上方には、ドア開放センサ777が形成されている。ドア開放センサ777は、前面扉13が開放されているか否かを検出するものであり、扉開閉状態検出手段として機能する。ドア開放センサ777は、例えば、マイクロスイッチが該当する。なお、ドア開放センサ777は、前面扉13の開閉状態を検出する機能を有するものであれば特に限定されず、電気式、磁気式、または光学式のいずれのセンサであっても良い。ドア開放センサ777の検出情報は、後述する払出中継基板350を介して、主制御基板400に送信されるようになっている。
筐体11内の下部には、電源ユニット240、ホッパーユニット250、および遊技メダル補助収納庫260が配置されている。
電源ユニット240には、遊技機本体10の各制御基板に電源を供給したり、または遮断したりする電源基板440が防護用ケース43に収納されて取り付けられている。電源ユニット240の前面側には、メイン電源をオンまたはオフにするための電源スイッチ240aが形成されている。
ホッパーユニット250は、メダル投入口131(図1参照)から投入された遊技メダルを貯留したり、貯留した遊技メダルを払い出したりする機能を有するものである。ホッパーユニット250には、下部に備えられるホッパーモータ251を駆動制御するための払出制御基板450やホッパーユニット250から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ253が配置されている。ホッパーユニット250は、ホッパーモータ251が駆動されることにより、貯留した遊技メダルを払い出すように構成されている。
ホッパーユニット250の背面側の筐体11の内壁には、主制御基板400からの指示情報を中継するための払出中継基板350が取り付けられている。なお、払出中継基板350には、満杯検出センサ261とドア開放センサ777からの検出情報が入力される入力端子が形成されている。
ホッパーユニット250に隣接して、ホッパーユニット250から溢れた余剰の遊技メダルを貯留するための遊技メダル補助収納庫260が配置されている。遊技メダル補助収納庫260は、満杯状態を検出するための満杯検出センサ261が備えられている。
次に、前面扉13の背面側の構成について説明する。図2Bに示すように、前面扉13の背面側の下部には、スピーカ270a、270bや演出用ランプ部170a、170b、170c(図1参照)などの演出手段を制御する演出制御基板420、液晶表示装置160を駆動制御する液晶制御基板425、演出インターフェース基板340などの基板が防護用ケース45に収納されて取り付けられている。
演出制御基板420の下方には、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210c上方から照らして、それぞれの回胴210a、210b、210cに変動表示、停止表示された図柄を遊技者が認識し易くするための冷陰極蛍光放電管ユニット215が配置されている。
回胴視認部111の左方には、図1に示した、メダル貯留枚数表示部113、メダル投入枚数表示部115a、115b、115c、メダル払出枚数表示部117などの表示部を発光させるための遊技表示基板320が配置され、回胴視認部111の右方には、LEDなどの発光手段を含む発光素子(LED)基板380(図では、一部のLED基板を示している)が配置されている。また、回胴視認部111の下方には、回胴回転停止ボタン136a、136b、136cが操作された旨を検出したり、回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの内部のLED(図示はしていない)を発光させたりする回胴停止スイッチ基板360が配置されている。
回胴停止スイッチ基板360の下方には、貯留メダル精算ボタン132、貯留メダル投入ボタン133、MAXBETボタン134、回胴回転始動レバー135、回胴回転停止ボタン136a、136b、136cなどの各種遊技部品が操作されたときに生成される検出情報を主制御基板400に送信するための遊技中継基板370が配置されている。
遊技中継基板370の左方には、回胴停止スイッチ基板360の一部を覆うように、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ281を含む遊技メダルセレクター280が配置されている。遊技メダルセレクター280は、メダル投入口131の対応する位置に形成されており、投入された遊技メダルが正規の遊技メダルか否かを選別する機能を有している。また、遊技メダルを投入すれば単位遊技が開始可能な単位遊技待機状態のときに正規の遊技メダルが投入された場合、メダル検出センサ281によって当該遊技メダルが投入された旨の検出情報が遊技中継基板370を介して主制御基板400に送信されるようになっている。
なお、遊技メダルセレクター280によって選別された遊技メダルが正規の遊技メダルである場合には遊技メダル誘導路283aを通ってホッパーユニット250に誘導され、それ以外の遊技メダルである場合には遊技メダル払出通路283bを通って遊技メダル払出口141に誘導されるようになっている。また、遊技メダル払出通路283bは、ホッパーユニット250から払い出された遊技メダルをメダル受け皿140aに誘導する機能も有している。
遊技メダルセレクター280の左奥には、ドアセンサ290が形成されている。ドアセンサ290は、リセットスイッチ230bと同一の機能を有するもので、所定のエラーを解除する機能を有するものである。例えば、打ち止め有りに設定されている場合にBBに係る遊技が終了して打ち止め状態となった後、ホールの従業員が所持するドア鍵(前面扉13を開放するための鍵)を挿入して所定の方向に回すと、ドアセンサ290が作動し、打ち止めを解除することができる。
遊技メダル払出口141の左右には、音波出力部143a、143b(図1参照)の位置と対応するように、スピーカ270a、270bが配置されている。スピーカ270a、270bは、遊技動作に異常が発生した旨を外部に報知するエラー報知手段(前面扉13が開放している旨を外部に報知する扉開放報知手段を含む)として機能する。
次に、図3〜図10を参照しつつ、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。図3は図1〜図2Bに示した回胴式遊技機の制御系の概略的な構成を示すブロック図を、図4〜図10は図3に示した回胴式遊技機の遊技動作に係る処理内容の説明に供する図である。なお、図1〜図2Bと同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
図3は、本実施の形態に係る回胴式遊技機の遊技動作を制御するための制御系として、各種基板と遊技部品との接続状況を示すブロック図である。図3に示すように、本実施の形態に係る回胴式遊技機には、各種遊技動作を制御するための主要な制御基板として、主制御基板400、演出制御基板420、液晶制御基板425、回胴設定基板430、電源基板440、および払出制御基板450を中心に構成され、各制御基板からの信号を中継する周辺基板として、外部集中端子基板310、回胴中継基板330、演出インターフェース基板340、払出中継基板350、および遊技中継基板370、そして、LEDなどの発光素子を備える発光素子(LED)基板380を含んで構成されている。なお、発光素子基板380は、説明の便宜上、1つの発光素子基板を示しているが、実際には、各発光手段に対応する複数の発光素子基板群が配置されている。
主制御基板400は、遊技機本体10の遊技動作全般の制御を司るものである。主制御基板400は、図に示すように、各種基板(回胴設定基板430、電源基板440、外部集中端子基板310、回胴中継基板330、演出インターフェース基板(演出I/F基板)340、払出中継基板350、遊技中継基板370)と接続されている。
主制御基板400は、図示はしていないが、各種遊技動作を制御するための制御プログラムを記憶するROM、作業領域として一時的にデータを記憶するRAM、前記制御プログラムにしたがって遊技動作に係る処理を実行するCPU(Z80相当品)を備え、I/Oポートおよびその他の周辺回路を含む基本回路が形成されている。また、主制御基板400における前記基本回路には、図示はしていないが、回胴中継基板330、払出中継基板350、または遊技中継基板370からの各種情報が入力される入力ドライバ回路、各種電気的駆動源(回胴駆動モータ211a、211b、211cなどの電気的駆動源)を制御するための駆動回路、ハードウェア的に乱数値を生成するカウンタ回路、CTC(Counter Timer Circuit。CTCは、外部クロック/タイマトリガ、タイマ出力ZC/TOを備え、周期的な割り込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するものである)、割り込みコントローラなどの回路などの基本回路が形成されている。なお、後述する演出制御基板420、液晶制御基板425、回胴設定基板430、電源基板440、および払出制御基板450についても、各制御基板がそれぞれ有する機能に応じた基本回路が形成されている。
主制御基板400は、各種遊技動作に係る処理を行うための手段として、回胴中継基板330、払出中継基板350、遊技中継基板370から入力される各種スイッチ(貯留メダル精算スイッチ132a、貯留メダル投入スイッチ133a、MAXBETスイッチ134a、回胴回転始動スイッチ135a、回胴回転停止スイッチ136a’、136b’、136c’などの各種スイッチ)や各種センサ(ドア開放センサ777、満杯検出センサ261、各回胴位置検出センサ(各回胴に形成されている突起部によって図柄の位置及び回胴の回転を検出するためのセンサ、回胴位置検出センサは各回胴に形成されている)212a、212b、212cなどの各種センサ)からの入力情報を管理処理する入力管理手段、各回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して各回胴210a、210b、210cの一連の動作を制御するための回胴制御手段、入賞役を抽選する入賞役抽選手段(入賞役を抽選するために用いられる乱数を生成する乱数生成手段、入賞役を決定するための乱数値を抽出する乱数抽出手段や抽出した乱数値に基づき入賞役を判定する入賞役判定手段を含む)、ホッパーユニット250を制御する遊技メダル払出制御手段、遊技動作に必要な時間(タイマ)を管理したり、セキュリティ信号(設定キースイッチ230aが手順通りに操作されていない場合や前面扉13が開放している場合など、不正行為が行われていると想定される場合に生成される信号)を外部集中端子基板310を介してホールコンピュータ(HC)に送信したりする定期更新手段、ドア開放センサ777によって検出された前面扉13の開閉状態を所定時間ごとに監視して、当該監視している前記前面扉の開閉状態に基づき、前面扉13が開放されているか否かを判定する扉開放判定手段(後述するエラーチェック処理(図5および図6)を参照)、遊技動作に異常があったときに所定のエラー処理を行うエラー処理手段(遊技動作停止手段(後述する単位遊技チェック処理(図4Aおよび図7)を参照)を含む)、遊技動作に関する各種の制御信号を出力する出力手段、メダル貯留枚数表示部113、メダル投入枚数表示部115a、115b、115c、メダル払出枚数表示部117などの各種LEDを表示させるための信号を出力する表示出力手段、電源遮断時における遊技状態のバックアップや電源遮断時における遊技状態を復旧させたりする遊技復旧手段など、遊技動作を制御するために必要な各種制御手段を備えている。これらの手段による処理は、上述した主制御基板400が備えるROM、RAM、CPU、基本回路がそれぞれ連携し合って実行される。
なお、主制御基板400において生成された遊技動作に関する各種の制御信号は、制御コマンドとして、前記周辺基板を介して一方向通信により送信される。各制御基板や遊技部品は、前記制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき所定の処理を実行するように構成されている。なお、制御コマンドを送信する場合、ノイズなどの電気的な妨害による送信ミスを防止するため、所定の時間間隔をおいて制御コマンドを複数回送信するようにしている。
演出制御基板420は、主制御基板400から送信される演出制御コマンド(遊技状態に応じた演出に関する制御コマンド)に基づき、各種演出手段を制御するものである。
演出制御基板420は、主制御基板400からのストローブ信号(演出用INT信号)に応じて、演出制御コマンドを演出インターフェース基板340を介して受信する。そして、演出制御基板420は、受信した演出制御コマンドに基づいて発光素子基板380(冷陰極蛍光放電管ユニット215などの発光手段を含む)やスピーカ270a、270bを制御する。演出制御基板420は、図示はしていないが、各種演出手段を制御するための演出用制御プログラムや演出パターン(複数の演出パターンデータや複数の音声データなどの演出用データ)を記憶する演出用ROM、作業領域として一時的にデータを記憶する演出用RAM、前記演出用制御プログラムにしたがって演出に係る処理を実行する演出用CPUを含んで構成されており、前記演出用CPUが主制御基板400から送信された演出制御コマンドに基づき、演出用ROMに記憶された演出パターン用データから制御コマンドに対応する演出パターンを選択して、所定のタイミングで各種演出手段を制御するようになっている。
具体的には、演出制御基板420は、主制御基板400から送信される演出制御コマンドを一時的に記憶する制御コマンド記憶領域(図示はしていない)を前記演出用RAMに備えており、この制御コマンド記憶手段に記憶された演出制御コマンドを読み出して解析し、解析した演出制御コマンドに基づき演出パターンを選択して、所定のタイミングで各種演出手段を制御する。なお、演出パターンは、原則として、規則的に同じ演出が実行されることを防止するため、所定の乱数抽選に基づき決定されている。また、不正行為によるエラーや満杯エラーなどの所定のエラーを報知する場合には、前記乱数抽選によっては決定せず、それぞれのエラー状態に応じた固有の演出パターンが選択されるようにしている。
また、演出制御基板420は、上記受信した演出制御コマンドに基づいて、液晶制御基板425に液晶表示装置160を駆動制御するための制御コマンドも送信している。
液晶制御基板425は、演出インターフェース基板340を介して演出制御基板420からの制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき、液晶表示装置160を駆動制御するものである。液晶制御基板425には、画像を表示するための種々の画像データが記憶され、画像を表示制御するためのVDP(Video Display Processor)が搭載されている。
電源基板440は、遊技機本体10に電源を供給または遮断したり、バックアップ用の電源を保持したりするものである。
払出制御基板450は、主制御基板400から送信された遊技メダルの払い出しに関する払出制御コマンドに基づき、ホッパーモータ251を駆動制御するものである。
次に、本発明の理解を容易なものとするために、以上に説明した本発明に係る回胴式遊技機において実行される基本的な遊技動作を説明しつつ、本発明の特徴的要素である前面扉13が開放された場合のエラー処理について説明しておく。
単位遊技を開始する場合、遊技者が遊技メダルをメダル投入口131に投入すると(または前記貯留装置に貯留されている遊技メダルを貯留メダル投入ボタン133、MAXBETボタン134を押して投入すると)、遊技メダルの投入枚数に応じて賭け数が設定される(なお、賭け数は、最大賭け数の範囲内で設定される)。そして、前記賭け数に応じて、入賞ラインL1〜L5が有効になり、単位遊技開始可能状態に設定される。
前記単位遊技開始可能状態時に、回胴回転始動レバー135を操作すると、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cが回転して単位遊技が開始され、上部装飾パネル部110の回胴視認部111には、各回胴210a、210b、210cに表示された複数の図柄が変動表示される。そして、各回胴210a、210b、210cが始動してから、所定の時間が経過すると回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの操作が有効になり、このとき、遊技者が回胴回転停止ボタン136a、136b、136cを操作すると、各回胴回転停止ボタンに対応した回胴が停止され、回胴視認部111には図柄が停止表示される。なお、各回胴回転停止ボタン136a、136b、136cを操作しない場合には、各回胴210a、210b、210cの回転速度が一定になった後、所定の時間を経過した後に自動的に停止するように構成しても良い。
このとき、各回胴210a、210b、210cの図柄の表示態様が賭け数に応じて有効になった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上で入賞役を構成するように停止した場合、その入賞役に応じた利益が遊技者に供与される。本実施の形態では、入賞役として、BB、RB、再遊技、ハズレ、通常の入賞役(小役)が設定されている。また、上述した入賞役のうち、BBやRBに係る入賞役を構成する図柄が有効入賞ライン上に停止表示した場合、通常遊技とは異なる特別遊技が発生し、遊技者は、大量の遊技メダルを獲得することができるになっている。前記入賞役は、所定の抽選方法によって決定されている(本実施の形態では、乱数抽選に基づいて、各入賞役を抽選している)。
そして、各回胴210a、210b、210cの総てが停止して、入賞処理(ハズレ、再遊技、BB、またはRBに係る入賞処理を含む)が終了したことを条件として、単位遊技が終了し、新たに遊技メダルが投入されるまで、単位遊技待機状態に設定される。この単位遊技待機状態のときに、遊技者が遊技メダルをメダル投入口131に投入すれば、前記単位遊技開始可能状態に設定される。
ここで、本発明では、上記に説明した各単位遊技状態、すなわち、前記単位遊技待機状態から前記単位遊技開始可能状態と前記単位遊技中(単位遊技開始から当該単位遊技が終了するまで)との過程において、前面扉13が開放した場合におけるエラー処理がそれぞれ異なるようにしている。なお、本実施の形態では、前面扉13が開放した場合のエラー処理を例に挙げて説明するが、これに限定されず、発生頻度が低いエラー(例えば、遊技メダル補助収納庫260が満杯になった場合の満杯エラー)に対してならば、いずれのエラーに対しても適用することが可能である。
本実施の形態では、前記単位遊技待機状態から前記単位遊技開始可能状態に設定されるまでの間において前面扉13が開放された場合、主制御基板400は、前面扉13が開放されている旨を外部に報知すると共に、遊技機本体10に係る所定の遊技動作を直ちに停止制御するようにしている。停止制御させる所定の遊技動作としては、例えば、前記単位遊技待機状態の場合には投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ281からの信号(メダル投入信号)を無効にし、前記単位遊技開始可能状態に設定されないようにして、遊技に係る操作を不能動化することが挙げられる。
一方、前記単位遊技中の場合には、前面扉13が開放されている旨を外部に報知するだけに留め、遊技動作の停止制御は実行しないようにし、単位遊技が終了した後で遊技動作を停止制御して遊技に係る操作を不能動化する。このように処理することによって、発生頻度が低いエラーに対して、単位遊技中に当該エラー処理が実行されないようにし、制御負荷を低減させることができるようにしている。
ここで、前面扉13が開放されている旨のエラー報知は、前面扉13を閉鎖することによって解除されるようにしているが、このとき、ホール従業員によって、所定のエラー解除の手順を実行しない限り、遊技動作は停止制御し続けさせることが好ましい。このようにすれば、前記単位遊技中に前面扉13を開いて、不正ハーネスなどのゴト行為に用いられる不正部品を取り付ける作業がゴト師によって実行されてしまったとしても、遊技動作は停止制御し続けているので、それ以降の遊技の進行が中断される。ホール従業員がこの停止制御された遊技機を発見すれば、直ちに不正行為が行われた遊技機であると判断することができる。したがって、前面扉13を閉鎖した場合に直ちにエラーが解除されるよりも、ゴト行為を効果的に防止することができるようになる。
なお、以上では、前記単位遊技待機状態から前記単位遊技開始可能状態に設定されるまでの間に前面扉13が開放された場合、前面扉13が開放されている旨を外部に報知すると共に、遊技機本体10に係る所定の遊技動作を停止制御すると説明したが、前記単位遊技待機状態から回胴回転始動レバー135が操作されて単位遊技が開始されるまで(単位遊技中となる直前まで)の間に前面扉13が開放された場合、前面扉13が開放されている旨を外部に報知すると共に、遊技機本体10に係る所定の遊技動作を直ちに停止制御するように構成しても良い。この場合、前記単位遊技開始可能状態の際に回胴回転始動レバー135が操作されて単位遊技が開始されたときから、当該単位遊技が終了するまでの間に前面扉13が開放された場合、前面扉13が開放されている旨を外部に報知するだけに留め、遊技動作の停止制御は実行しないようにし、当該単位遊技が終了した後で所定の遊技動作を停止制御して遊技に係る操作を不能動化する。停止制御させる所定の遊技動作としては、例えば、前記単位遊技開始可能状態の場合には回胴回転始動レバー135を操作しても回胴回転始動スイッチ135aからの信号(回胴回転開始信号)を無効として、左回胴210a、中回胴210b、右回胴210cが回転することを制止して遊技動作を停止制御し、遊技に係る操作を不能動化することが挙げられる。
なお、前面扉13が開放されている旨の報知は、例えば、演出用ランプ部170a、170b、170cによって通常の遊技とは明らかに異なる態様で点灯や点滅させたり、スピーカ270a、270bによって警告音を発生させたり、液晶表示装置160によって画像等を表示したりして、前面扉13が開放されている旨を外部に報知する。
次に、図4A〜図10を参照しつつ、本発明に係る回胴式遊技機の遊技動作に関する処理内容について説明する。
図4Aおよび図4Bは、本実施の形態の回胴式遊技機における主制御基板400によって実行される主制御側メイン処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、主制御基板400が備えるROM、RAM、CPU、基本回路がそれぞれ連携し合って行っているものであるので、説明の便宜上、主制御基板400が行う処理内容として説明する。
まず、遊技機本体10に対して外部から電源が投入されると、電源基板440によって主制御基板400に電源が投入された旨の電源投入信号が送信され、主制御基板400を介して各基板へと電源投入信号が送信される。そして、主制御基板400は、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS1)。この初期設定処理では、各種基板や遊技部品の接続状態(例えば、設定キースイッチ230aがオンか否か)の確認、CTCを含む内蔵レジスタや入出力ポートの初期化、RAMを書き込み許可にするなど、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(電源遮断前の遊技状態に復帰可能であれば、遊技復旧手段によって遊技復帰処理を実行する)。
まず、主制御基板400は、単位遊技チェック処理(ステップS10)を実行する。この単位遊技チェック処理は、本発明の特徴的な要素の一つである。詳細は後述するが、本処理では、単位遊技が終了した後、前面扉13が開放している旨を示すドア開放エラーフラグがオンである場合に所定の遊技動作を停止制御するようにしている。
次に、主制御基板400は、RAMクリア処理を実行する(ステップS11)。本処理は、今回の単位遊技で用いた内部抽選フラグ等が記憶されている所定のワーク領域をクリアし、次回の単位遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保する処理である。本処理によって、単位遊技ごとに所定のワーク領域がクリアされるようにしている。
次に、主制御基板400は、割り込みを許可状態に設定する(ステップS12)。
次に、主制御基板400は、満杯検出センサ261の検出状態を記憶する(ステップS13)。
次に、主制御基板400は、遊技メダル投入処理を実行する(ステップS14)。本処理は、貯留メダル精算ボタン132が押された場合に前記貯留装置に貯留されている遊技メダルを精算したり、遊技機本体10に遊技メダルが投入(前記貯留装置に遊技メダルが貯留されている場合には貯留メダル投入ボタン133またはMAXBETボタン134が押されたときに投入された遊技メダル、メダル投入口131から投入された遊技メダル、再遊技による遊技メダルの投入を含む)されるまで、単位遊技待機状態である旨を遊技者に知らせるためのLEDを点灯させたりする処理である。
次に、主制御基板400は、ドア開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、ドア開放フラグとは、後述する主制御側タイマ割り込み処理(図5参照)のエラーチェック処理(ステップS45)において、前面扉13が開放されている場合に設定されるエラーフラグである。ドア開放フラグがオンである場合(ステップS15:YES)、前面扉13が開放されているため、ステップS10の単位遊技チェック処理に進む。
一方、ドア開放フラグがオンではない場合(ステップS15:NO)、遊技機本体10に投入された遊技メダルの枚数が回胴始動可能枚数か否かを判定する(ステップS16)。本実施の形態では、遊技メダルを3枚投入した場合に各回胴210a、210b、210cの始動が可能となるようにしている。したがって、投入した遊技メダルの枚数が3枚(回胴始動可能枚数)の場合(ステップS16:YES)、有効入賞ライン(L1〜L5)を設定して単位遊技開始可能状態に設定する(ステップS17)。一方、投入した遊技メダルの枚数が3枚未満の場合(ステップS16:NO)、単位遊技開始可能状態には設定せず、遊技メダル投入処理(ステップS14)に戻る。
ステップS14〜ステップS16の処理では、単位遊技終了から単位遊技開始可能状態に設定されるまでの間において、ドア開放フラグがオンであることが確認された場合、単位遊技チェック処理(ステップS10)を実行し、所定の遊技動作を停止制御するようにしている。
なお、以上では、単位遊技終了から単位遊技開始可能状態に設定されるまでの間において前記ドア開放フラグがオンであることが確認された場合、単位遊技チェック処理(ステップS10)を実行するようにしているが、これに限らず、単位遊技開始可能状態に設定された後であっても、回胴回転始動スイッチ135aがオンされるまでの間に、ドア開放フラグがオンであることが確認された場合、単位遊技チェック処理(ステップS10)を実行するように処理しても良い。この場合、ステップS15の処理は、ステップS17の処理の後、ステップS18の処理の前に実行するようにする。
次に、主制御基板400は、遊技機本体10に回胴始動可能枚数である遊技メダルの枚数のときに回胴回転始動レバー135が操作され、回胴回転始動スイッチ135aがオンになったか否か、すなわち、回胴回転始動スイッチ135aから送信される回胴回転開始信号を受信したか否かを判定する(ステップS18)。回胴回転始動スイッチ135aがオンではない場合(ステップS18:NO)、遊技メダル投入処理(ステップS14)に戻る。
一方、回胴回転始動スイッチ135aがオンである場合(ステップS18:YES)、次に、乱数抽出処理を実行する(ステップS19)。本処理は、入賞役(入賞役を構成する図柄の組み合わせ)を決定するために使用される抽選用乱数値を抽出する処理である。
入賞役の抽選に使用される乱数は、主制御基板400の乱数生成手段によって生成される。本実施の形態では、8ビットのバイナリカウンタを2個用いて16ビットのハードウェア乱数(0000H〜FFFFH(16進数)の繰り返し)を生成している。なお、CPUに所定のプログラムを実行させることによって生成するソフトウェア乱数を用いても良い。乱数の生成は、前回の単位遊技が終了したときから回胴回転始動スイッチ135aがオンになるまでの間、乱数の発生が不規則になるように定期的に更新するようにし、乱数が規則的に生成されることを防止している。この結果、遊技者が意図的にある特定の入賞役を狙い当てることができないようにしている。
前記抽選用乱数値を抽出するタイミングは、回胴回転始動レバー135が操作されたときに回胴回転始動スイッチ135aから送信される回胴回転開始信号が主制御基板400に入力されたタイミングで行われる。そして、抽出した抽選用乱数値は、所定の記憶領域(抽選用乱数記憶領域)に一時的に記憶される。
次に、主制御基板400は、図柄抽選処理を実行する(ステップS20)。本処理は、ステップS19で抽出した抽選用乱数値に基づき、どの入賞役に当選したか、すなわち、どの入賞役を構成する図柄に当選したか否かを判定する処理である。入賞役(BB、RB、再遊技、通常の入賞役を含む)の当否判定は、前記抽選用乱数値と図柄入賞判定テーブルとに基づき行われる。前記図柄入賞判定テーブル(設定別(1〜6段階)ごとの図柄入賞判定テーブルを含む)には、それぞれ入賞役に対応する判定値が記憶されており、前記抽選用乱数値に基づいて、どの入賞役に当選したかが所定の確率で当選するようになっている。前記入賞役のいずれかに当選した場合には、該当する入賞役に対応する内部当選フラグを設定する。
次に、主制御基板400は、回胴開始設定処理を実行する(ステップS21)。本処理は、回胴回転始動時の設定を行うための処理である。具体的には、図柄抽選処理(ステップS20)における入賞役の当否判定結果に基づき、停止図柄データや演出データの作成を行い、各回胴210a、210b、210cの回転を開始させるために必要な処理を実行する。
なお、本実施の形態では、今回の単位遊技の各回胴210a、210b、210cの回転が開始したときから所定の時間(本実施の形態では、4.1秒に設定されている)が経過するまでは、回胴回転始動レバー135が操作されたとしても、次回の単位遊技の各回胴210a、210b、210cの回転を開始させないようにしている。このため、本処理においては、前回の単位遊技の各回胴210a、210b、210cの回転が開始されたときから、4.1秒を経過するまで回胴回転始動レバー135が操作されたとしても、各回胴210a、210b、210cの回転を待機させるようにしている。
次に、主制御基板400は、回胴停止処理を実行する(ステップS22)。本処理は、各回胴210a、210b、210cが回転したときから各回胴が一定の回転速度になったとき(一定の回転速度になったか否かは、後述する主制御側タイマ割り込み処理(図5参照)における回胴回転制御処理(ステップS43)よって確認される)に回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの操作を有効にし、この操作有効中に、遊技者によって回胴回転停止ボタン136a、136b、136cが操作されるか、または各回胴回転停止ボタン136a、136b、136cが操作されないことなく自動的に停止させるための自動停止時間が経過したことによる回胴停止条件を満足した場合、各回胴を停止制御するための回胴停止データを設定して、各回胴回転停止ボタン136a、136b、136cに対応する各回胴210a、210b、210cを停止制御する処理である。
各回胴の停止制御は、図柄抽選処理(ステップS20)において内部当選フラグが設定されている場合、当該内部当選フラグに基づき、入賞役を構成する図柄が有効入賞ライン上で揃うように所定のコマ数を引き込み制御可能な回胴停止制御テーブルを用い、当該回胴停止制御テーブルに基づいて、各回胴210a、210b、210cの停止制御が行われる。一方、内部当選フラグが設定されていない場合、すなわち、ハズレの場合には、ハズレを除く入賞役を構成する図柄が有効入賞ライン上で構成することが不可能とする回胴停止制御テーブルを用い、当該回胴停止制御テーブルに基づき、各回胴210a、210b、210cを停止制御する。
なお、各回胴210a、210b、210cの回転駆動制御は、後述する主制御側タイマ割り込み処理における回胴回転制御処理(ステップS43)によって、回胴開始設定処理(ステップS21)における回転始動に関する指示や回胴停止処理(ステップS22)における回転停止に関する指示情報に基づき、それぞれの回胴に対応する回胴駆動モータ211a、211b、211cがそれぞれ独立して制御されている。
次に、主制御基板400は、入賞判定処理を実行する(ステップS23)。本処理は、入賞有効ライン上に停止した各回胴210a、210b、210cの停止図柄態様と、図柄抽選処理(ステップS20)において設定された内部当選フラグと、入賞払出判定テーブルとに基づき、最終的に停止した図柄が入賞役を構成する図柄であるか否かを判定したり、有効ライン上に停止した図柄が入賞役を構成する図柄態様である場合に、その入賞役に応じた遊技メダルの払い出し枚数を設定したりする処理である。本処理では、各回胴停止時の演出および入賞を確認するため、各回胴210a、210b、210cの総てが停止した旨を示す全回胴停止コマンドを設定し、そして、前記内部当選フラグと前記入賞払出判定テーブルとに基づき入賞を確認する。この入賞払出判定テーブルには、有効入賞ラインL1〜L5上に停止した図柄の態様が入賞役を構成するものであるか否かを判定するための停止図柄用判定データ、入賞役に応じた遊技メダルの払い出し枚数を設定するための払出枚数データなどが記憶されている。
主制御基板400は、前記内部当選フラグと前記入賞払出判定テーブルとに基づき、前記内部当選フラグに対応する入賞役を構成する図柄が有効ライン上に停止したことを確認した場合、当該入賞役に対応する利益を遊技者に供与するための設定、具体的には、当該入賞役に応じた遊技メダルの払い出し枚数の設定を行う。なお、このとき、通常の入賞役とは異なる、再遊技、BB、またはRBに内部当選している場合、有効入賞ライン上に停止した図柄の態様が再遊技、BB、またはRBに入賞役を構成するときには再遊技、BB、またはRBに係る入賞であることを確認するためのフラグをオンに設定する(再遊技に係る入賞の場合には再遊技図柄フラグを、BBに係る入賞の場合にはBB図柄フラグを、RBに係る入賞の場合にはRB図柄フラグをオンに設定する)。なお、BBまたはRBに係る内部当選フラグは、有効入賞ライン上に停止した図柄の態様がBBまたはRBに係る入賞役を構成するまで、次回の単位遊技に持ち越されるようにしている。
次に、主制御基板400は、遊技メダル払出処理を実行する(ステップS24)。本処理は、入賞判定処理(ステップS23)において設定された遊技メダルの払い出しの設定に基づき、前記貯留装置における遊技メダルの貯留数の加算やホッパーモータ251を駆動制御して遊技メダルの払い出しを実行するための処理である。
次に、主制御基板400は、再遊技に当選したか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、入賞判定処理(ステップS23)で設定された再遊技図柄フラグがオンであるか否かを判定する。再遊技図柄フラグがオンに設定されている場合(ステップS25:YES)、再遊技作動開始処理(ステップS32)を実行する。再遊技作動開始処理(ステップS32)は、次の単位遊技の遊技メダル投入枚数をあらかじめ設定して、遊技者が遊技メダルを投入することなく遊技開始可能な遊技状態を設定するための処理である。そして、再遊技作動開始処理(ステップS32)を実行した後、単位遊技チェック処理(ステップS10)に進む。
一方、再遊技に当選していない場合(ステップS25:NO)、次に、主制御基板400は、BBまたはRBに当選したか否かを判定する(ステップS26)。具体的には、BB図柄フラグまたはRB図柄フラグがオンに設定されているか否かを判定する。BB図柄フラグまたはRB図柄フラグがオンに設定されている場合(ステップS26:YES)、BB・RB作動開始処理(ステップS33)を実行する。本処理は、BBまたはRBに係る遊技を実行するための必要な初期設定を行う処理である。具体的には、BBまたはRBに係る遊技を開始するまでの待機時間を設定したり、上部装飾パネル部110に形成されるBB用表示部(図示はしていない)を点灯させるための発光信号を出力したり、BBまたはRBが作動した旨の信号を外部集中端子基板310に出力したりする。
なお、本実施の形態では、BBに係る遊技を実行させる場合、BB・RB作動開始処理(ステップS33)において、役物連続作動装置を作動させてRBが連続して作動させると共に、BB中に払い出された遊技メダルの枚数(獲得枚数)が上限値である最大獲得枚数を超えたことを条件として、BBに係る遊技の終了条件に設定し、当該最大獲得枚数を超えるまでRBに係る遊技を連続して行うことができるように設定している。このため、前回のBBが終了し、次回のBBに当選した場合、これを開始させるために、前回のBBに係る遊技中の獲得枚数カウンタの初期化も行うようにしている。また、本処理においては、BBに係る内部当選フラグ(またはRBに係る内部当選フラグ)およびBB図柄フラグ(またはRB図柄フラグ)をオフに設定すると共に、BBまたはRBに係る作動フラグをオンに設定する処理も行っている。そして、BB・RB作動開始処理(ステップS33)を実行した後、単位遊技チェック処理(ステップS10)に進む。
一方、BBまたはRBに当選していない場合(ステップS26:NO)、BBまたはRBに係る遊技が作動中であるか否かを判定する(ステップS27)。具体的には、BB・RB作動開始処理(ステップS33)で設定されるBBまたはRBに係る作動フラグがオンであるか否かを判定する。BBまたはRBに係る作動フラグがオンではない場合(ステップS27:NO)、単位遊技チェック処理(ステップS10)に進む。
一方、BBまたはRBに係る作動フラグがオンである場合(ステップS27:YES)、BBまたはRBが作動中であるので、BB・RB作動処理(ステップS28)を実行する。BB・RB作動処理(ステップS28)では、BBまたはRBに係る遊技中の獲得枚数が最大獲得枚数を超えたときをBBまたはRBに係る遊技の終了条件として設定したり、BBまたはRBに係る遊技中における獲得枚数が最大獲得枚数を超えたか否かの判定を行ったりする。そして、当該最大獲得枚数を超えている場合にはBBまたはRBに係る遊技を終了させ、超えていない場合にはBBまたはRB遊技を続行させる設定を行う。
次に、主制御基板400は、BBまたはRBに係る遊技が終了したか否かを判定する(ステップS29)。BBまたはRBに係る遊技が終了したと判定された場合(ステップS29:YES)、割り込みを禁止状態に設定して(ステップS30)、BBまたはRBに係る遊技に使用したRAM領域を含めたワーク領域(例えば、BBまたはRBに係る作動フラグなど、BBまたはRBに係る遊技に使用したワーク領域)をクリアして(ステップS31)、ステップS12の処理に進む。一方、BBまたはRBに係る遊技が終了していないと判定された場合(ステップS29:NO)、単位遊技チェック処理(ステップS10)に進む。
以上では、ステップS12の割り込み処理許可状態に設定した後を単位遊技待機状態と、ステップS17の単位遊技開始可能状態において、回胴回転始動スイッチ135aがオンになったときを単位遊技中と、ステップS18〜ステップS27、ステップS18〜ステップS29、ステップS18〜ステップS32、ステップS18〜ステップS33の処理を終了した後を単位遊技終了としている。すなわち、回胴回転始動スイッチ135aがオンになったときから入賞に関する処理が終了するまで(ここでいう入賞に関する処理が終了するまでとは、ステップS18から、ステップS27、ステップS29、ステップS32、またはステップS33の処理が終了するまで)を単位遊技中としている。
ここで、本実施の形態では、単位遊技チェック処理(ステップS10)をRAM初期化処理(ステップS11)の前で実行するようにしているが、変更形態として、単位遊技チェック処理(ステップS10)を遊技メダル払出処理(ステップS24)の後で実行するようにしても良い。この場合、ステップS15の処理において、ドア開放フラグがオンである場合には、単位遊技チェック処理(ステップS10)を実行するようにする。このようにしても、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記各処理状態、例えば、遊技メダルの投入、回胴回転始動レバー135を操作し各回胴210a、210b、210cが回転したとき、各種入賞役を構成する図柄が有効入賞ライン上で停止したとき、BBやRBに係る遊技が開始、実行中、および終了したとき、メダル払い出しのときなど、種々の遊技状態に応じた演出制御コマンドが主制御基板400から演出制御基板420に送信され、演出制御基板420は、当該演出制御コマンドに基づき、演出を実行させるように演出手段を制御するようにしている。
以上、本実施の形態に係る回胴式遊技機の主制御基板400によって実行される主制御側メイン処理について説明した。ここで、主制御側メイン処理における単位遊技チェック処理(ステップS10)を説明する前に、本発明の理解を容易なものとするため、先に、図5を参照しつつ、主制御側メイン処理において、1.49msごとに実行される主制御側タイマ割り込み処理について説明しておく。
主制御基板400が備えるCTCの時間定数レジスタには、本実施の形態では1.49msに相当する値が設定されている。前述した主制御側メイン処理(図4Aおよび図4B参照)において、本実施の形態では1.49msごとにタイマ割り込みが発生する。このとき、主制御基板400は以下に示すようなタイマ割り込み処理を実行する。この主制御側タイマ割り込み処理は、本実施の形態に係る回胴式遊技機の一連の遊技動作に係る処理であって、この主制御側タイマ割り込み処理に基づき、各レジスタの退避処理、各処理内容の読み込みまたは呼び出し、各レジスタの復帰などの処理を実行するようにしている。
まず、主制御基板400は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS40)を実行する。
次に、主制御基板400は、割り込み許可状態に設定し(ステップS41)、ステップS42〜ステップS49の処理を実行する。
主制御基板400は、ポート入力処理(ステップS42)を実行する。本処理は、回胴中継基板330、払出中継基板350、遊技中継基板370から入力される各種スイッチやセンサからの入力情報に基づく入力データの作成を行う処理である。
次に、主制御基板400は、回胴回転制御処理(ステップS43)を実行する。本処理は、主制御側メイン処理における回胴開始設定処理(ステップS21)や回胴停止処理(ステップS22)の回転始動に関する指示情報または回転停止に関する指示情報と、各回胴210a、210b、210cにそれぞれ形成されている回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出情報とに基づき、各回胴の基準となる回転位置を確認し、現在の位置を確認しながら、回胴中継基板330を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cに相励磁方式で出力相パターン信号を出力し、各回胴210a、210b、210cをそれぞれ駆動(回転)制御する処理である。本実施の形態では、上述したように、各回胴210a、210b、210cには、複数種類の図柄が印刷された帯状の回胴シールが外周に貼り付けられており、具体的には、1つの回胴につき、21コマの図柄が形成されている。このため、本実施の形態では、各回胴駆動モータ211a、211b、211cを1回転させるために、1−2相励磁方式で出力相パターンを504回(図柄ステップ数を24カウントとし、一の図柄から他の図柄へと1つの図柄を進める位置が21箇所あるため)出力し、回胴位置検出センサ212a、212b、212cによって、各回胴の基準となる回転位置を確認してこれを基準位置とし、当該基準位置からの図柄ステップ数を記憶することによって、基準位置とステップ数に基づき、それぞれの図柄の位置を認識している。
また、本処理では、各回胴210a、210b、210cがそれぞれ一定の回転速度になったか否かを検出している。各回胴210a、210b、210cがそれぞれ一定の回転速度になった場合、既に述べたように、回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの操作が有効となる。そして、回胴回転停止ボタン136a、136b、136cの操作が有効であるときに回胴回転停止ボタン136a、136b、136cが押されると、主制御側メイン処理の回胴停止処理(ステップS22)において回胴停止命令フラグがオンに設定され、本処理において当該回胴停止命令フラグがオンであることを確認した場合、各回胴210a、210b、210cの図柄ステップ数を判定し、停止位置を確認しつつ、回胴駆動モータ211a、211b、211cへの出力相パターン信号を制御して、目的とする位置に各回胴210a、210b、210cを停止するようにしている。
次に、主制御基板400は、定期更新処理(ステップS44)を実行する。本処理は、各種遊技動作に必要なタイマを割り込みごとに更新する処理である。
次に、主制御基板400は、エラーチェック処理(ステップS45)を実行する。本処理は、ドア開放センサ777からの検出情報を、割り込みごとによって監視し、当該検出情報に基づき前面扉13が開放されているか否かを判定する処理である。
次に、主制御基板400は、コマンド出力処理(ステップS46)を実行する。本処理は、遊技状態に応じた演出制御コマンドを演出制御基板420に送信する処理である。演出制御基板420は、この演出制御コマンドに基づき、演出を実行させるように各種演出手段を制御するようにしている。
次に、主制御基板400は、メダル情報出力処理(ステップS47)を実行する。本処理は、遊技メダルが投入されたことを示すメダル投入信号や遊技メダルが払い出されたことを示すメダル払出信号を出力するための処理である。上記各信号は、外部集中端子基板310を介して、ホールコンピュータ(HC)に送信される。ホールコンピュータ(HC)は、遊技島に設置されている各遊技機に投入された遊技メダルの枚数や払い出された枚数を確認することができる。
次に、主制御基板400は、表示出力処理(ステップS48)を実行する。本処理は、割り込みごとに、メダル貯留枚数表示部113、メダル投入枚数表示部115a、115b、115c、メダル払出枚数表示部117などの表示部や発光素子基板380のLEDを点灯させるために、それぞれのLEDに対応する表示データを遊技状態に応じて出力する処理である。
そして、ステップS42〜ステップS48の処理を実行した後、主制御基板400は、退避したレジスタの内容を復帰させる(ステップS49)。
図6は、図5のエラーチェック処理(ステップS45)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、主制御基板400(扉開放判定手段)は、ドア開放センサ777からの検出情報に基づき、前面扉13が開放されているか否かを判定する(ステップS450)。
前面扉13が開放されていると判定した場合(ステップS450:YES)、主制御基板400(扉開放判定手段)は、ドア開放フラグをオンに設定し(ステップS451)、前面扉13が開放した旨を報知させるためのドア開放エラーコマンドを生成し(ステップS452)、処理を終了する。このドア開放エラーコマンドは、前述した主制御側タイマ割り込み処理(図5参照)のコマンド出力処理(ステップS46)において、演出制御基板420に送信される。一方、前面扉13が開放されていないと判定した場合(ステップS450:NO)、そのまま処理を終了する。
次に、図7を参照して、図4Aに示した主制御側メイン処理の単位遊技チェック処理(ステップS10)について説明する。
まず、主制御基板400(遊技動作停止手段)は、上述した、主制御側タイマ割り込み処理におけるエラーチェック処理(ステップS45)において設定されたドア開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS100)。ドア開放フラグがオンではない場合(ステップS100:NO)、そのまま処理を終了する。一方、ドア開放フラグがオンである場合(ステップS100:YES)、主制御基板400(遊技動作停止手段)は、遊技機本体10に係る所定の遊技動作を停止制御する(ステップS101)。停止制御させる所定の遊技動作としては、前述したように、例えば、前記単位遊技待機状態の場合には投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ281からの信号(メダル投入信号)を無効にし、前記単位遊技開始可能状態に設定されないようにして、遊技に係る操作を不能動化することが挙げられる。
一方、前記単位遊技中の場合には、前面扉13が開放されている旨を外部に報知するだけに留め、遊技動作の停止制御は実行しないようにし、単位遊技が終了した後で遊技動作を停止制御して遊技に係る操作を不能動化する。このように処理することによって、発生頻度が低いエラーに対して、単位遊技中に当該エラー処理が実行されないようにし、制御負荷を低減させることができるようにしている。
次に、主制御基板400は、ドア開放センサ777からの検出情報に基づき、前面扉13が開放されているか否かを判定する(ステップS102)。前面扉13が開放されていると判定した場合(ステップS102:YES)、ステップS101の処理に進み、所定の遊技動作を停止制御して、前面扉13が開放されていないと判定されるまで、ステップS101からステップS102の処理を繰り返す。
一方、前面扉13が開放されていないと判定した場合(ステップS102:NO)、前面扉13が閉鎖され、エラーが解除された旨を示すドア開放エラー解除コマンドを演出制御基板420に送信し(ステップS103)、ドア開放フラグをオフに設定する(ステップS104)。
図8は、本実施の形態の回胴式遊技機における演出制御基板420によって実行される演出制御側メイン処理を示すフローチャートである。なお、図4に示す主制御側メイン処理と実質的に同様の処理内容については、重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
まず、遊技機本体10に対して外部から電源が投入されると、電源基板440によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信される。そして、電源投入信号を受信した演出制御基板420は、図8に示す演出制御側メイン処理を開始する。メイン処理において、演出制御基板420は、遊技動作開始前における必要な初期設定(RAMの初期化、I/Oの初期化、割り込みの設定などの初期設定)をするため処理を実行する(ステップS50)。
次に、演出制御基板420は、演出パターン用乱数更新処理を実行する(ステップS51)。この演出パターン用乱数更新処理では、演出が規則的に発生してしまうことを防止するために、演出パターンを選択するために用いられる乱数(演出パターン用乱数)を定期的に更新する。
次に、演出制御基板420は、後述するタイマ割り込みやコマンド受信割り込みを許可するため、割り込み許可状態に設定し(ステップS52)、次に、タイマ割り込みやコマンド受信割り込みを禁止するため、割り込み禁止状態に設定する(ステップS53)。そして、ステップS51〜ステップS53をループ処理にて実行する。なお、図示はしていないが、メイン電源が遮断された場合、演出用RAMにおける所定のバックアップ領域にデータが保存されるようにしている。
次に、図9を参照して、演出制御基板420が実行する演出制御側メイン処理において、主制御基板400からの演出制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割り込み処理について説明する。以下に説明するコマンド受信割り込み処理は、主制御基板400から演出制御コマンドを受信した場合、最優先に実行される処理である。
まず、演出制御基板420は、主制御基板400からの演出制御コマンド(例えば、ドア開放エラーコマンドやドア開放エラー解除コマンド)を受信した場合、演出制御基板420は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS60)を実行する。
次に、演出制御基板420は、受信したコマンドを所定の演出コマンド格納領域に一時的に格納し(ステップS61)、レジスタの内容を復帰させて(ステップS62)、処理を終了する。
次に、図10を参照して、演出制御基板420が実行する演出制御側メイン処理において、2msごとに実行される演出制御側タイマ割り込み処理について説明する。
演出制御基板420が備えるCTCの時間定数レジスタには、上述した主制御基板400と同様に、本実施の形態では、2msに相当する値が設定されている。本実施の形態では、前述した演出制御側メイン処理において、2msごとにタイマ割り込みが発生する。このとき、演出制御基板420は以下に示すような演出制御側タイマ割り込み処理を実行する。演出制御側タイマ割り込み処理は、遊技状態に応じた演出を実行するための処理であって、このタイマ割り込み処理に基づき、各レジスタの退避処理、各処理内容の読み込みまたは呼び出し、各レジスタの復帰などの処理を実行するようにしている。
まず、演出制御基板420は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS70)を実行する。
次に、演出制御基板420は、コマンド解析処理を実行する(ステップS71)。本処理は、演出コマンド格納領域に記憶されているコマンドの内容を解析して、解析したコマンドに基づき、演出パターンを決定する処理である。具体的には、前記演出コマンド格納領域に記憶されている演出制御コマンドの内容を解析して、そのコマンドに応じた演出パターンを、前記演出パターン用乱数値と演出パターン用テーブルとに基づき決定する処理である。これらの演出は、入賞の有無や遊技状態などに応じて主制御基板400から送信された演出制御コマンドに基づきそれぞれ決定される。なお、所定のエラーを報知する場合には、前記演出パターン用乱数値によっては決定せず、それぞれのエラー状態に応じた固有の演出パターンが選択されるようになっている。
本実施の形態では、ドア開放エラーコマンドを受信した場合、前面扉13が開放している旨が外部に認識できるような演出パターン(ドアが開放している旨を報知する警報音や警告光)が設定されている。なお、エラーが解除された際(ドア開放エラー解除コマンドを受信していた場合)には、遊技中に中断されていた演出が再開されるようにしている。
次に、演出制御基板420は、演出シナリオ更新処理(ステップS72)を実行する。本処理は、コマンド解析処理(ステップS71)において決定された演出パターンに基づき、演出用ランプ部170a、170b、170cなどの各種発光手段やスピーカ270a、270bをそれぞれ制御する処理である。
次に、演出制御基板420は、演出コマンドを作成する(ステップS73)。演出コマンドは、コマンド解析処理(ステップS71)において決定された演出パターンに基づき、液晶表示装置160を駆動制御するための演出コマンドを作成する処理である。
次に、演出制御基板420は、演出コマンドを液晶制御基板425に送信する(ステップS74)。液晶制御基板425は、受信した演出コマンドに基づき、液晶表示装置160を駆動制御して画像を表示する。
本実施の形態では、液晶表示装置160によって、前面扉13が開放している場合には前面扉13が開放している旨が外部に認識できるような演出、例えば、「ドアが開放しています」などの文字表示を行ったり、前面扉13が開放している旨が認識することができるような画像を表示したりするようにしている。
そして、ステップS71〜ステップS74の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させて(ステップS75)、処理を終了する。
以上のように構成される本発明に係る回胴式遊技機によれば、単位遊技中に前面扉13が開放された場合、前面扉13が開放した旨を報知するだけに留め、当該単位遊技が終了した後で、所定の遊技動作を停止制御するようにしている。また、単位遊技待機状態中に前面扉13が開放された場合、前面扉13が開放した旨を報知すると共に、直ちに、所定の遊技動作を停止制御するようにしている。このように、前面扉13が開放したときのエラーのような発生頻度が低いエラーに対して、単位遊技中においてはエラー報知をするだけに留め、当該単位遊技が終了した後で、所定の遊技動作を停止制御するようにしている。この結果、単位遊技中におけるエラー処理を少なくして、制御負荷を低減させることができるようになる。
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい一実施の形態について説明したが、これは、本発明を単に例示したものであって、これに限定されるものではない。また、前記回胴式遊技機を構成する、扉開閉状態検出手段、扉開放判定手段、扉開放報知手段、遊技動作停止手段、所定時間などの具体的構成については前述した本実施の形態の各要素に限定されず、目的に応じて任意に変更可能である。
本発明は、遊技メダルを使用する回胴式遊技機を例に挙げて説明したが、これに限定されず、本発明の逸脱しない範囲において、他の遊技媒体を使用する遊技機にも適用することができることは言うまでもない。例えば、遊技媒体として遊技球を使用する回胴式遊技機(回胴式遊技機と弾球遊技機とを組み合わせた、いわゆる、「パロット(登録商標)」のような機種)や弾球遊技機にも適用することができる。