JP2016187476A - 回胴式遊技機 - Google Patents

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泰平 町田
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Abstract

【課題】天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供する【解決手段】複数の図柄が表示された複数の回胴と、前記回胴の回転を始動させる始動制御手段と、前記回胴の回転を停止させる停止制御手段と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段と、カウント対象をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値に達するまでは第1特別遊技の抽選を実行し、前記カウント数が所定値に達した場合に第2特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備え、前記第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多くされる。【選択図】図15

Description

本発明は、例えば、複数の図柄が表示された複数の回胴を備えた回胴式遊技機などの遊技機に係る。詳しくは、天井として特定の遊技回数を設定し、当該遊技回数に達したときの抽選に関する。
特開2013−81842号公報
スロットマシンなどの回胴遊技機では、遊技者がメダル投入口にメダルを投入してスタートレバーを操作すると、抽選対象役の抽選や遊技者に有利な特別遊技の抽選が行われる。遊技者が停止ボタンを操作すると、対応した回胴が抽選結果に基づいて停止し、停止態様に応じてメダルが払い出される。
この一連の動作を1ゲームとした場合に、通常遊技における特別遊技抽選に外れ続けてしまうことで通常遊技ばかりが続かないように、即ち特別遊技を遊技者に適度に体験させるために、特定ゲーム数を天井ゲーム数として設定することがある(例えば文献1参照)。天井ゲーム数に達すると、特定遊技が実行される。
ところが、このような天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となってしまう場合、過度に射幸心を煽ってしまう可能性がある。
そこで、本発明では天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る回胴式遊技機は、複数の図柄が表示された複数の回胴と、前記回胴の回転を始動させる始動制御手段と、前記回胴の回転を停止させる停止制御手段と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段と、カウント対象をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値に達するまでは第1特別遊技の抽選を実行し、前記カウント数が所定値に達した場合に第2特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備え、前記第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多い。
また、前記第1特別遊技として第1種特別遊技と第2種特別遊技の少なくとも2種類が設けられる。
これにより、特別遊技の複数の種類が設けられた回胴式遊技機においても、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多い。
更に、前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第1種特別遊技の平均的な獲得遊技価値及び前記第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の何れよりも少ない。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井が通常遊技状態における何れの特別遊技よりも獲得遊技価値が少ない。
更にまた、前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第1種特別遊技及び前記第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の平均値よりも少ない。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井における特別遊技の獲得遊技価値をある程度確保される。
加えて、前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第1種特別遊技及び前記第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値のうちの最大値よりも少ない。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、平均獲得遊技価値が最大となる特別遊技は第1特別遊技のうちの一つとされる。
本発明によれば、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
回胴式遊技機の正面図である。 回胴式遊技機の平面図(図2A)及び右側面図(図2B)である。 回胴式遊技機が備える前面パネルの背面図である。 回胴式遊技機が備える本体ケースの正面図である。 回胴式遊技機の内部の制御構成の概略的なブロック図である。 回胴式遊技機が備える主制御基板の回路構成を示した図である。 原点検出に係る構成についての説明図である。 回転リール(回胴)に形成された図柄についての説明図である。 メイン処理のフローチャートである。 タイマ割込み処理のフローチャートである。 回胴制御フラグについての説明図である。 回胴回転開始設定処理のフローチャートである。 回胴停止処理のフローチャートである。 変動に係る状態遷移の例を示した説明図である。 第1の実施の形態における遊技状態と天井についての説明図である。 特別遊技状態の遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと第1の特別遊技における遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 継続率振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 第2の実施の形態における遊技状態と天井についての説明図である。 振り分けテーブルと遊技価値の説明図である。 継続率振り分けテーブルの説明図である。
以下、本発明に係る回胴式遊技機の実施の形態について、次の順序で説明する。尚、実施の形態ではスロットマシンを例に挙げる。
<1.回胴遊技機の機構構成>
<2.回胴遊技機の制御構成>
<3.回転リール及び回胴モータ>
<4.メイン処理>
<5.タイマ割込み処理>
<6.回胴の回転及び停止に係る処理>
[6−1.回胴制御フラグ]
[6−2.回胴の回転開始〜定常回転中に係る処理]
[6−3.回胴の停止に係る処理]
<7.変動に係る状態遷移について>
<8.第1の実施の形態>
[8−1.遊技状態と天井について]
[8−2.特別遊技状態と遊技価値について]
[8−3.天井の設定例1]
[8−4.天井の設定例2]
[8−5.天井の設定例3]
[8−6.天井の設定例4]
[8−7.天井の設定例5]
[8−8.天井の設定例6]
[8−9.天井の設定例7]
[8−10.天井の設定例8]
[8−11.天井の設定例9]
[8−12.天井の設定例10]
<9.第2の実施の形態>
[9−1.遊技の種類と天井について]
[9−2.高期待特別遊技及び低期待特別遊技の遊技価値について]
[9−3.天井の設定例11]
[9−4.天井の設定例12]
[9−5.天井の設定例13]
[9−6.天井の設定例14]
[9−7.天井の設定例15]
[9−8.天井の設定例16]
[9−9.天井の設定例17]
[9−10.天井の設定例18]
[9−11.天井の設定例19]
<10.変形例>
<11.まとめ>
<1.回胴遊技機の機構構成>

先ず、図1〜図4により実施の形態のスロットマシンの外観構成を説明する。
図1はスロットマシンの正面図、図2Aは平面図、図2Bは右側面図、図3は前面パネル2の背面図、図4は本体ケース1の正面図である。
本実施の形態のスロットマシンは、図2からわかるように、矩形箱状の本体ケース1と、各種の遊技部材を装着した前面パネル2とが、図示しないヒンジ機構を介して連結され、前面パネル2が本体ケース1に対して開閉可能に構成されている。
図4に示すように、本体ケース1の略中央には、3つの回転リール(回胴)4a、4b、4cを備える図柄回転ユニット3が配置されている。また、その下側に、メダル払出装置5が配置されている。
各回転リール4a、4b、4cには、後述する各種図柄、例えばBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)用の図柄や、各種のフルーツ図柄、リプレイ図柄などが描かれている。
メダル払出装置5は、メダルを貯留するメダルタンク5aを有する。また払出ケース5b内に、図5で後述する払出モータ75、払出接続基板73、ホッパー基板74、メダル払出センサ76等が収納されている。
メダルタンク5aに貯留されたメダルは、払出モータ75の回転に基づいて、払出口5cから図面手前方向に向けて導出される。尚、限界量を越えて貯留されたメダルは、超過メダル導出部5dを通して、補助タンク6に落下するよう構成されている。
メダル払出装置5に隣接して電源基板41が配置される。また、図柄回転ユニット3の上方に主制御基板40が配置され、主制御基板40に隣接して回胴設定基板71が配置されている。
また図柄回転ユニット3の内部には、図5に示す回胴用LED(Light Emitting Diode)中継基板56と回胴中継基板53とが設けられ、図柄回転ユニット3に隣接して外部集中端子板70が配置されている。
さらに、本体ケース1においては、図柄回転ユニット3の側方に前面パネル2の開放(ドアの開放)を検知するためのドア開放センサ35が設けられている。
図1に示すように、前面パネル2の上部にはLCD(Liquid Crystal Display)ユニット7が配置されている。このLCDユニット7には、遊技動作を盛り上げるためなどに各種のキャラクタが表示される。
またLCDユニット7の下部には、回転リール4a、4b、4cを表出させる表示窓8が形成されている。この表示窓8を通しては、各回転リール4a、4b、4cの回転方向に、各々3個程度の図柄が見えるようにされている。この場合、各回転リール4a、4b、4cが停止した際に図柄が停止する位置としての図柄停止位置は表示窓8内に9箇所となる。そして、合計9個の図柄停止位置のうち水平方向に並ぶ三つの図柄停止位置を結ぶラインが三本と、対角線方向に並ぶ三つの図柄停止位置を結ぶラインの二本の合計五本が仮想的な図柄停止ラインとなる。
また、図柄停止ラインのうちで、当選図柄(当選役)が揃ったか否かの判定に用いられる図柄停止ラインは有効ラインとされ、それ以外の図柄停止ラインは無効ラインとされる。有効ラインと無効ラインは、BBやRB、または、AT(アシストタイム)やRT(リプレイタイム)やART(アシストリプレイタイム)などの各種遊技の状態に応じて、適宜変更される。即ち、例えば、通常ゲーム中は中段の1ラインが有効ラインとされるが、ボーナスゲーム中は上段と中段の2ラインが有効ラインに変更される場合などである。
尚、図柄回転ユニット3の内部には、回転リール4a、4b、4cが停止した状態において視認される9個の図柄それぞれを内側から照射可能な位置に回胴用LEDが配置されている(図1では不図示)。それぞれの回胴用LEDはそれぞれの回転リール4a、4b、4cの回転状態や停止状態、或いは各種演出に応じて点灯・消灯される。
表示窓8の下方には、遊技の進行状況などを示すLED群9や、遊技成果として払出されるメダル数を表示する払出表示部10や、貯留数表示部11が設けられている。
LED群9は、例えば、当ゲームに投入されたメダルの枚数を示すLEDやリプレイゲーム中であることを示すLED、回胴を回転させる準備が整ったことを示すLED(当ゲームの遊技に要する所定枚数のメダルの投入が完了したことを示すLED)、メダルの投入の受付状態を示すLEDなどで構成されている。また、変動中であるか否かを表すために設けられる専用のLEDが含まれていてもよい。
払出表示部10は、7セグメントLEDを2個連設して構成されており、払出メダル数を特定すると共に、何らかの異常事態の発生時には、異常内容を表示するエラー表示器としても機能する。
貯留数表示部11は、クレジット状態で貯留されているメダル数が表示されている。
表示窓8の上方、左、右には、LED演出部15a、15b、15cが設けられている。LED演出部15a、15b、15cは、所定の絵柄、意匠が施され、内側に配置されたLEDによって光による演出が実行されるように構成されている。LED演出部15a、15b、15cで実行される演出は、例えば、BBやRBに当選したことを示す演出や、ATやART等の状態を示す演出、AT中やART中のアシスト演出等である。
尚、個々の説明は省略するが、前面パネル2には、演出や動作状態を提示するためのLEDとして他のLEDが各種配置されている。
前面パネル2の中央右側には、メダルを投入するメダル投入口12が設けられ、これに近接して、メダル投入口12に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン13が設けられている。返却ボタン13の右側には、専用のキーを差し込むための鍵穴が設けられている。前面パネル2が本体ケース1に対して閉じた状態において、鍵穴に差し込まれたキーを右へ回すことにより前面パネル2が解錠され(以下「解錠動作」と表記)、前面パネル2の本体ケース1に対する開閉が可能となる。また、鍵穴に差し込まれたキーを左へ回すことにより、打ち止めやエラーによる遊技の中止状態が解除される(以下「中止解除動作」と表記)。
また、前面パネル2の中央左側には、クレジット状態のメダルを払出すクレジット精算ボタン14と、クレジット状態のメダルを擬似的に三枚投入するマックス投入ボタン16とが設けられている。
また、前面パネル2には、回転リール4a、4b、4cの回転を開始させるためのスタートレバー17(始動手段)と、回転中の回転リール4a、4b、4cを停止させるための停止ボタン18a、18b、18c(停止手段)が設けられている。
遊技者がスタートレバー17を操作すると、通常は、3つの回転リール4a、4b、4cが正方向に回転を開始する。但し、内部当選状態を予告するリール演出のために、回転リール4a、4b、4cの全部または一部が、変則的に回転(いわゆる「演出回転」)した上で正方向の回転を開始する場合もある。
リール演出としては具体的内容が各種考えられ、例えば、
・極めてゆっくり正方向に回転(正回転)して静止するスロー演出
・正回転と逆回転を繰り返した後に、所定時間だけ逆回転して静止する逆回転演出
・第1の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第1の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第2の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、極めてゆっくり正回転した後に静止するスロー揺動演出
・第2の時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、所定時間だけ逆回転した後に静止する揺動逆回転演出
・所定速度で正回転または逆回転した後に所定の図柄に揃えて静止する演出
・現状の回転状態(或いは停止状態)を維持する演出
などが用意されている。そして、このようなリール演出時には、LCDユニット7におけるキャラクタ演出や、LEDランプを点滅させるランプ演出や、スピーカを駆動する音声演出の全部または一部が適宜に選択されて実行される。
前面パネル2の下方には、メダルを蓄える横長の受け皿19と、払出装置5の払出口5cに連通するメダル導出口20とが設けられている。
また前面パネル2の上方左右、及び下方左右にはスピーカ30a、30b、30c、30dが配置されている。
図3に示すように、前面パネル2の裏側は、図1で示したメダル投入口12に投入されたメダルの選別を行うメダル選別装置21と、メダル選別装置21により不適正と判別されたメダルをメダル導出口20に案内する返却通路22とが設けられている。
また、前面パネル2の裏側上部には、基板ケース23が配置されている。この基板ケース23には、図5で述べる演出制御基板42、演出インターフェース基板43、液晶制御基板44、液晶インターフェース基板45などが収容されている。
またメダル選別装置21の側方には、図1に示す各種の遊技部材と主制御基板40との間の信号を中継する遊技中継基板60(図5で後述する)が設けられている。
<2.回胴遊技機の制御構成>

次に本実施の形態のスロットマシンの制御系の構成について説明する。
図5は、スロットマシンの内部の制御構成の概略的なブロック図である。本実施の形態のスロットマシンは、その制御構成が主制御基板40を中心に構成されている。
主制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、スロットマシンの遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。例えば主制御基板40が回転リール4a、4b、4cを含む各種の遊技部材の動作を制御するとともに、動作状況を把握する。また遊技動作に応じて演出を実行させる。
主制御基板40は、電源基板41、演出インターフェース基板43、回胴中継基板53、遊技中継基板60、外部集中端子板70、回胴設定基板71、払出接続基板73との間で各種信号(コマンドや検出信号等)のやりとりを行う。
電源基板41は、AC24Vを受けて、これを整流・平滑して直流電圧を得る。そして電源基板41はコンバータ回路を備えて各部に必要な電源電圧を生成する。図では主制御基板40を介して各部に与えられる主制御電源電圧V1、及び演出インターフェース基板43を介して各部に与えられる演出制御電源電圧V2を示している。
また電源基板41には電源遮断状態を検出する電源監視回路や、主制御基板40にバックアップ電源電圧を供給するバックアップ電源回路なども設けられている。
演出制御基板42は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、スロットマシンの演出動作に関する制御を行う。
演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して主制御基板40からのコマンドを受け取る。例えば主制御基板40は、演出制御基板42に対して、スピーカ30(30a〜30d)による音演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、LCDユニット7による図柄演出、役物による役物演出を実現するための制御コマンドを出力し、演出制御基板42はその制御コマンドに応じた演出制御処理を行う。
また演出制御基板42では、主制御基板40から内部抽選結果を特定する制御コマンド(遊技開始コマンド)受けると、内部抽選結果に対応してアシストタイム当選状態とするか否かのAT抽選を実行する。
尚、演出制御基板42においてAT抽選に当選した後の所定回数のゲーム(AT中)では、小役当選状態において、その図柄を所定の図柄停止ラインに整列できるよう、3つの回転リール4a、4b、4cの停止順序を遊技者に報知している。
また演出制御基板42は、主制御基板40からのリール演出実行を示す制御コマンドを受けると、主制御基板40で実行するリール演出に対応する演出動作を開始する。
これらのような演出制御動作のため、演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を通して各部と必要な通信を行う。
演出制御基板42は、演出インターフェース基板43、及び液晶インターフェース基板45を介して液晶制御基板44に接続されている。
液晶制御基板44は、LCDユニット7における画像表示による演出の制御を行う。この液晶制御基板44には、VDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)、液晶制御CPU、液晶制御ROM、液晶制御RAM等が搭載される。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う。
画像ROMには、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)が格納されている。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域とされる。
液晶制御CPUは、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する。
液晶制御ROMには、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータが格納される。
液晶制御RAMは、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
このような液晶制御基板44は、演出制御基板42からの表示演出に関するコマンドを受け付け、それに応じて表示駆動信号を生成する。そして液晶インターフェース基板45を介してLCDユニット7に表示駆動信号を供給し、画像表示を実行させる。
また、演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介してスピーカ中継基板47を制御し、スピーカ30a〜30dを用いた音演出を実行させる。
また演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して、LED基板48や回胴LED中継基板56を経由して各種のLEDによるランプ演出を実現している。
LED基板48には、例えば図1に示したLED演出部15a、15b、15cとしてのLEDが配置されている。
回胴LED中継基板56は、第1回胴LED基板50a、第2回胴LED基板50b、第3回胴LED基板50cについて演出制御基板42からのLED駆動信号を中継する。
第1回胴LED基板50aには、回転リール4aの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。第2回胴LED基板50bには、回転リール4bの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。また、第3回胴LED基板50cには、回転リール4cの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。
主制御基板40は、遊技中継基板60を介して、図5のようにスロットマシンの各種遊技部材に接続されている。
遊技表示基板61は、遊技の進行状態などを示すLED群9や、7セグメントLEDを有した払出表示部10や、同じく7セグメントLEDを有した貯留数表示部11を搭載している。また、遊技表示基板61は、メダル投入口12の近傍に設けられメダルの投入を促すためのLED(メダル投入口LED)と、マックス投入ボタン16の近傍に設けられマックス投入ボタン16の操作を促すためのLED(マックス投入ボタンLED)と、スタートレバー17の近傍に設けられスタートレバー17の操作を促すためのLED(スタートレバーLED)と、停止ボタン18ごとに設けられたLED(停止ボタンLED)とを搭載している。主制御基板40は、遊技表示基板61に対して、遊技中継基板60を介して制御コマンドを送信し、遊技の進行状態などの状況に応じた表示を実行させるように制御している。
始動スイッチ基板62には、スタートレバー17による始動スイッチが搭載されている。
停止スイッチ基板63には停止ボタン18a、18b、18cによる停止スイッチが搭載されている。
貯留メダル投入スイッチ基板64には、マックス投入ボタン16の投入スイッチが搭載されている。
精算スイッチ基板65には清算ボタン14の清算スイッチが搭載されている。
主制御基板40は、これらの基板(62、63、64、65)のスイッチによる遊技者操作の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。
ドアセンサ66は、前面パネル2の前述した鍵穴に対して設けられたセンサである。ドアセンサ66によって、前述した遊技の中止解除動作を認識可能とされている。
メダル通過センサ67及びレバー検出センサ68は、メダル選別装置21に設けられている。メダル通過センサ67は、例えばフォトインタラプタで構成され、選別された正規のメダルの通過を検出するセンサである。レバー検知センサ68は、例えばフォトマイクロセンサで構成され、メダル投入口12から投入されたメダルの通過を検出するセンサである。つまり、メダル投入口12から投入されたメダルは、レバー検知センサ68を通過した後に正規のメダルだけが選別された後、メダル通過センサ67によりその通過が検出される。
主制御基板40は、これらのセンサ(66、67、68)の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。さらに、主制御基板40は、受信したセンサの検出信号により投入されたメダルの投入時間や通過方向を検出し、所定の規定に合致した場合にのみ投入メダルとして受け付け、それ以外の場合には投入メダルエラーとして処理する。
ブロッカーソレノイド69は、不正メダルの通過を阻止するブロッカーをON/OFFに駆動する。主制御基板40は、遊技中継基板60を介してブロッカーソレノイドを制御する。
また、主制御基板40は、回胴中継基板53を経由して、回転リール4a、4b、4cを回転させる3つのステッピングモータ54(第1回胴ステッピングモータ54a、第2回胴ステッピングモータ54b、第3回胴ステッピングモータ54c)と接続されている。
さらに主制御基板40は、回胴中継基板53を経由して、回転リール4a、4b、4cの原点位置(後述する原点位置101)を検出するための3つのインデックスセンサ55(第1回胴インデックスセンサ55a、第2回胴インデックスセンサ55b、第3回胴インデックスセンサ55c)に接続されている。
主制御基板40は、ステッピングモータ54a、54b、54cを駆動または停止させることによって、回転リール4a、4b、4cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。また主制御基板40は、インデックスセンサ55a、55b、55cの検出信号に基づき、回転リール4a、4b、4cの原点位置を検知できる。
また、主制御基板40は、払出接続基板73を介してメダル払出のための装置部にも接続されている。メダル払出のための装置部として、メダル払出制御を行うホッパー基板74と、払出モータ75と、メダル払出センサ76が設けられている。
ホッパー基板74は、主制御基板40からの制御コマンドに基づいて払出モータ75を回転させて、所定量のメダルを払出しする。
メダル払出センサ76は、払出メダルの通過を検出する。メダル払出センサ76による検出信号は、払出メダル枚数が不足したり払出動作が行われないなどの払出異常状態の検出に用いられる。
また主制御基板40は、外部集中端子板70に接続されている。外部集中端子板70は、例えばホールコンピュータに接続されており、主制御基板40は、外部集中端子板70を通して、メダルの投入枚数やメダルの払出枚数などをホールコンピュータに出力している。
また主制御基板40は、回胴設定基板71にも接続されている。回胴設定基板71は、係員が設定キースイッチ72を用いて設定した設定値を示す信号などを出力している。設定値とは、当該スロットマシンで実行される抽選処理の当選確率などを、設定1から設定6まで6段階で規定するもので、遊技ホールの営業戦略に基づいて適宜に設定される。
続いて、図6で主制御基板40の回路構成を説明する。
図示の通り、主制御基板40は、ワンチップマイコンによるコントローラ80と、8ビットパラレルデータを入出力するI/Oポート回路83と、カウンタ回路81と、各部とのインターフェース部を有して構成されている。
コントローラ80は、CPU80a、ROM80b、RAM80cの他、割込コントローラ80dやCTC(Counter/Timer Circuit) 80e等を内蔵している。
CTC80eは、8ビットのカウンタやタイマを集積した回路であり、CPU80aの処理における周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)、時間計測の機能を付与するものである。本例では、CTC80eを利用して、CPU80aに1.49msの時間間隔でタイマ割込み(後述の図10)をかけている。
カウンタ回路81はハードウェア的に乱数値を生成する回路である。コントローラ80(CPU80a)はカウンタ回路81で生成された乱数値を利用して抽選処理を行う。
主制御基板40には、コントローラ80と図5に示した各基板等とのインターフェースが設けられる。
電源インターフェース82は電源基板41の電源回路との間のインターフェースである。
遊技インターフェース84は遊技中継基板60との間のインターフェースである。コントローラ80は、遊技インターフェース84を介して各種スイッチ、センサの検出信号の入力や、LED制御、ブロッカーソレノイド制御のためのコマンド送信を行う。
回胴モータ駆動部85は回胴中継基板53との間のインターフェースである。コントローラ80は、回胴モータ駆動部85によりステッピングモータ54a、54b、54cに対するモータ駆動信号の出力を行うと共に、回胴モータ駆動部85を経由して入力されるインデックスセンサ55a、55b、55cからの検出信号を取得する。
演出制御インターフェース86は、コントローラ80が演出インターフェース基板43を介して演出制御基板42へのコマンド送信を行うためのインターフェースである。具体的には例えば8ビットパラレルポートである。
払出接続インターフェース87は払出接続基板73とのインターフェースである。
外部インターフェース88は、外部集中端子板70を介したホールコンピュータとのインターフェースである。
回胴設定インターフェース89は、回胴設定基板71との間のインターフェースである。
<3.回転リール及び回胴モータ>

続いて、回転リール4a、4b、4cについて説明する。
図7は、回転リール4a、4b、4cに対する原点検出に係る構成についての説明図である。原点検出とは、各回転リール4a、4b、4cに設けられた特定の位置、即ち、原点の検出である。
尚、原点検出に係る構成は、回転リール4a〜4cのそれぞれについて同様であるため、ここでは代表して一つの回転リールを回転リール4として図示している。図7Aは原点検出に係る構成を斜視図により示し、図7Bは回転リール4に形成された被検出部93dと原点位置101との関係を概略断面図により示している。
図7Aには、ステッピングモータ54が備えるロータ54rの中心軸である回転軸Raを一点鎖線により示している。回転リール4は、回転軸Raの軸周りに回転駆動されるリールドラム90と、リールドラム90の内側に配置されたバックライト部91と、リールドラム90を直接的または間接的に支持するベース体92とを備えている。
ベース体92は、例えば合成樹脂で構成され、略板状に形成されたベース板92bと、ベース板92bから回転軸Raに沿った方向に突出する突出部92tを有している。ベース板92bは、リールドラム90の左右方向の一方側(ここでは右側)に沿って配置されている。ステッピングモータ54は、ロータ54r(回転軸Ra)を左右方向の一方側(ここでは左側)に向けた状態で、ベース体92の一面側(ここでは左面側)に固定されている。
この場合、突出部92tは、ベース板92bから左側方向に突出している。
リールドラム90は、二つのリールフレーム93、94と、これらリールフレーム930、94の外周に円筒状に装着される帯状のリールシート95とを有して構成されている。リールフレーム93、94は、例えば光透過性を有しないかまたは光透過率が極めて低い黒色の合成樹脂製で構成されており、それぞれ外周部がリム部93r、94rとして形成されている。リールフレーム93のリム部93r、リールフレーム94のリム部94rは、それぞれリールシート95の左右の縁部に沿う円環状に形成されている。
リールフレーム93は、ステッピングモータ54のロータ54rに着脱自在に固定されたハブ部93hと、リム部93rとハブ部93hとの間を半径方向に連結する複数のスポーク部93sとを有している。
ここで、本例の場合、リールフレーム94は、リールフレーム94に対して直接的には連結されておらず、リールフレーム94のリム部94rはリールシート95を介してリールフレーム93のリム部93rに支持されている(勿論、リム部94rとリム部93rとの間を周方向の1または複数箇所で例えば一体に連結することもできる)。
リールシート95は、例えば無色透明の合成樹脂製シートにより一定幅の帯状に形成され、リールフレーム93、94のリム部93r、94rに巻き付けられ、例えば接着剤により貼着されている。この図では図示を省略したが、リールシート95上には、複数の図柄が印刷により形成されている。
リールシート95における図柄形成領域は光透過率が比較的高くされており、バックライト部91におけるLEDが点灯したとき、その発光領域が明るく発光するようになっている。
インデックスセンサ55は、例えば透過型フォトセンサにより構成され、図のように本例ではベース板92bからリールドラム90に突出する突出部92tの先端部分に装着されている。インデックスセンサ55は、発光面、受光面がリールフレーム93の半径方向において互いに対向するように配置された発光部551と受光部552を有している。
本例の場合、リールドラム93の所定のスポーク部93sには、インデックスセンサ55と対向する向きに突出する被検出部93dが形成されている。この被検出部93dは、リールドラム90の回転に伴い、インデックスセンサ55の発光部551と受光部552との間の空間を通過する位置に形成されている。
このような構成により、透過型フォトセンサとしてのインデックスセンサ55によっては、リールドラム90(回転リール4)の回転の一周回につき1回、発光部551と受光部552との間を被検出部93dが通過することに伴うONパルスの出現する検出信号が得られる。
ここで、図7Bに示すように、被検出部93dは、回転方向R(正回転方向)に平行な方向おける両エッジ(端部)のうち一方のエッジが原点位置101と同じ回転角度に位置するように位置決めされている。具体的に、本例の被検出部93dは、正回転方向(R)への回転進行方向側のエッジが原点位置101と同じ回転角度に位置するように位置決めされている。
尚、原点検出のための構成は、上記で説明したものに限定されるべきものではない。例えば、突起状の被検出部93dに代えて、特開2014−33743号公報に開示されているような切欠部による被検出部を設けた構成とすることもできる。この場合、インデックスセンサ55の発光部551と受光部552は、回転リール4の回転に伴い切欠部が到来したときに発光部551の発した光が受光部552で受光されるように配置すればよい。
インデックスセンサ55としては、透過型のフォトセンサに限らず、反射型のフォトセンサを用いることもできる。
続いて、回転リール4a、4b、4cを回転させる各ステッピングモータ54a、54b、54cの駆動方式と回転リール4a、4b、4cに形成された図柄との関係について、その一例を説明する。
本実施の形態において、ステッピングモータ54a、54b、54cはユニポーラ駆動のステッピングモータとされ、それぞれセンタータップされた2つの駆動巻線を有している。本実施の形態の場合、ステッピングモータ54a、54b、54cの駆動は、例えば、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返す1−2相励磁によって行われる。1−2相励磁による駆動方法は、1相励磁や2相励磁の駆動方法と比較して、ステップ角を半分にしたなめらかな駆動を実現できる。1−2相励磁の励磁パターン(励磁データ)の更新周期はタイマ割込み処理の周期である1.49msとされる。
図8は、回転リール4a、4b、4cに形成された図柄についての説明図である。
本例において、回転リール4a、4b、4cの表面には、回転方向に沿って21コマ分の図柄が配置されている。回転リール4a、4b、4cのそれぞれにおいて、図柄の種類は10種類(赤7、白7、バー、キャラ、チェリー、すいか、ベル、リプレイ、はずれ1、はずれ2)とされ、それらが所定の順序で配列されている。図中では、回転リール4aに形成された21コマの図柄をそれぞれ図柄4a1、4a2、・・・、4a21と表している。同様に、回転リール4bに形成された21コマの図柄を図柄4b1、4b2、・・・、4b21、回転リール4cに形成された21コマの図柄を図柄4c1、4c2、・・・、4c21と表している。各図柄の符号の末尾に付した番号は、その図柄の番号を表している。
回転リール4a、4b、4cにおいて、各図柄は等間隔で配置され、図中では図柄の切れ目位置を破線で表している。回転リール4a、4b、4cにおいては、所定の図柄切れ目位置が原点位置101とされている。本例における原点位置101は、それぞれ1番目の図柄である図柄4a1、4b1、4c1と、21番目の図柄である図柄4a21、4b21、4c21との間の図柄切れ目位置にそれぞれ設定されている。
図中の矢印Rは、定常回転中(正方向回転中)における回転リール4a、4b、4cの回転方向を表している。このことから理解されるように、各図柄に付した番号は、原点位置101を起点として、定常回転中において図柄が遷移する順番を表している。
ここで、本例においては、ステッピングモータ54a、54b、54cが1回転すると回転リール4a、4b、4cがそれぞれ1/63回転するようにステッピングモータ54a、54b、54cと回転リール4a、4b、4cとの間の回転比が設定されている。換言すれば、回転リール4a、4b、4cを1回転させるにはステッピングモータ54a、54b、54cを63回転させることを要する。
本例においては、ステッピングモータ54a、54b、54cを1回転させるために必要な駆動ステップ数は8ステップとなるため、回転リール4a、4b、4cを1回転させるために必要なステッピングモータ54a、54b、54cの駆動ステップ数は8×63=504とされている。
本例における回転リール4a、4b、4cには21コマの図柄が等間隔で形成されているため、図柄1コマ当たりのステップ数は504÷21=24ステップである。
これに応じ、各図柄については、ステップ位置として計24の位置を検出可能とされている。ここで、図柄中のステップ位置は、後の図11で説明するタイマ割込み処理ごとに図柄ステップ数がデクリメント(−1)されていくことで検出可能とされる。すなわち、各図柄中で検出可能なステップ位置は、24番(先頭ステップ位置)〜1番(最終ステップ位置)の24個である。その図柄の最終ステップ位置(1番)に到達した状態から図柄ステップ数が更にデクリメントされると、図柄ステップ数は24番(=0番)へと戻る。
また、各図柄については、24(0)番〜1番のステップ位置のうち所定のステップ位置がその図柄の停止を許可すべき位置(停止許可ステップ位置)として定められている。具体的には、8番のステップ位置が図柄の停止許可ステップ位置として定められている。回転リール4の停止時には停止図柄が決定され、該停止図柄で回転リール4を停止させるが、この際、回転リール4を停止させる位置は停止図柄中のどのステップ位置でも良いわけではなく、8番のステップ位置に達したことに応じて停止を許可するように定められている。
<4.メイン処理>

続いて、主制御基板40のCPU80aが実行する各種の処理について説明する。CPU80aは、主として電源投入時に開始される無限ループ状のメイン処理と、CTC80eからの定期割込みで一定時間毎に起動されるマスク可能な(Maskable Interrupt)タイマ割込み処理とを実行する。
先ずは図9のフローチャートにより、CPU80aが実行するメイン処理について説明する。
CPU80aは、スロットマシンの電源が投入されるとステップS101の初期設定処理を実行する。ここで、電源投入後の状態としては、電断前に実行されていた処理を再開してホットスタートするか、或いは、ステップS102の処理に移行してコールドスタートするかの何れかとなる。
例えば、営業開始前に係員が前述した設定キースイッチ72を操作して抽選処理の当選確率などを設定した場合には、コールドスタート処理となるが、そのような係員の操作が無く、且つ異常が検出されない場合には、遊技動作をホットスタートする。
ここで、ホットスタートである場合、CPU80aはステップS101の初期設定処理において、所定の電断復帰処理を実行する。該電断復帰処理としては、電断が
a)リール演出中であった場合
b)起動中であった場合
c)起動が終了し定常回転中であった場合
d)停止ボタン18a、18b、18cが操作された後であった場合
のそれぞれに対応した処理を実行する。具体的に、a)のケースでは、リール演出を最初からやり直すための各種設定処理、b)またはc)のケースでは回転リール4a、4b、4cの起動をやり直すための各種設定処理、d)のケースでは電断前の停止操作に応じて実行されていた停止制御を再開させるための各種設定処理をそれぞれ実行する。尚、このようなホットスタート時に対応して実行される電断復帰処理の具体的な内容については、例えば特開2013−212264号などにも記載されているため、詳しくはそちらを参照されたい。
尚、CPU80aは、電断時に対応しては、電源基板41より供給される電源遮断を通知する信号を受けて、マスク不能のNMI(Non Maskable Interrupt)割込み処理を実行する。このNMI割込み処理では、RAM80cの所定領域についてのチェックサム演算及び算出したチェックサム値の保持やバックアップフラグのセット、及びレジスタの値の退避処理等が実行されるが、詳細な内容については上記の特開2013−212264号などを参照されたい。
一方、コールドスタートである場合、CPU80aはステップS102〜S117で表す一連のメインループ処理を繰返す。ステップS102〜S117のメインループ処理は、1ゲームごとに繰り返し実行されるものである。尚、1ゲームの期間は、回転リール4を回転させて抽選結果に応じた停止態様で停止させるまでの期間を指す。
先ず、ステップS102でCPU80aは、RAM初期化処理を実行する。すなわち、RAM80cのワークエリアにおける所定領域を0クリアする。
続くステップS103でCPU80aは、現在のゲームにおける遊技状態フラグを生成する。遊技状態フラグとは、現在のゲームが「ボーナスゲーム中」か「ボーナス内部当選中」か「通常ゲーム中」かなどの遊技の状態を特定するフラグである。
尚、以下の説明においては、通常ゲーム中とボーナス内部当選中を合わせて通常遊技状態と記載し、ボーナスゲーム中などの有利な遊技状態を特別遊技状態と記載する。
さらに、CPU80aは次のステップS104で遊技メダル投入処理を実行する。すなわち、メダル投入口12から実際に投入されたメダル、及び、マックス投入ボタン16の押下によって擬似的に投入されたメダルについての投入メダル管理処理が実行される。この投入メダル管理処理では、投入または擬似投入されたメダルの枚数を判定し、その後、スタートレバー17がオン操作されるとサブルーチン処理を終了する。
なおこの際、メダルの投入に応じて、その旨を表す制御コマンド(投入コマンド)が演出制御インターフェース86における送信バッファにセットされ、後述するタイマ割込み処理(図10)のコマンド出力処理(S205)において、演出制御基板42に送信される。尚、このタイミングでは、遊技者による清算動作を示す清算コマンドなどが送信されることもある。
上記のステップS104によりスタートレバー17がオン操作されて上記の投入メダル管理処理が終了すると、CPU80aはステップS105で内部抽選用乱数抽出処理を実行する。具体的には、カウンタ回路81に保持されているカウンタ値を取得する。取得したカウンタ値は、乱数値としてRAM80cの所定の番地に保持される。
そして、続くステップS106でCPU80aは、記憶された乱数値に基づいて内部抽選処理(図柄抽選処理)を実行する。図柄抽選処理では、ボーナス図柄への当選か否か、小役図柄への当選か否か、再遊技を示すリプレイ図柄への当選か否かが決定され、決定された抽選結果を示す制御コマンド(遊技開始コマンド)が演出制御インターフェース86における送信バッファにセットされ、タイマ割込み処理のコマンド出力処理(S205)によって演出制御基板42に送信される。即ち、各図柄に当選したか否かが演出制御基板42に通知される。尚、小役図柄としては、例えば、「チェリー図柄」(4a10、4b3、4c9)、「ベル図柄」(4a4、4b5、4c3等)、「すいか図柄」(4a9、4b12、4c1等)などを例示することができる。
ステップS106の内部抽選処理を実行したことに応じて、CPU80aは次のステップS107でリール演出を実行するか否かを決定するリール演出抽選処理を実行する。尚、リール演出抽選処理において選出可能な演出は、内部抽選処理の結果に対応して定められている。例えば、「すいか図柄」等の所定の図柄に内部当選状態であれば、所定の当選確率に基づいて「極めてゆっくり正方向に回転して静止するスロー演出」等の所定のリール演出が選出可能となる。
ステップS107のリール演出抽選処理を実行したことに応じて、CPU80aは次のステップS108で停止図柄決定初期化処理として後述する図柄停止制御処理(図13のステップS409)で用いる各種データの初期化を実行した上で、次のステップS109で回転リール4a〜4cの回転を開始させるべく回胴回転開始設定処理を実行する。
ステップS109の回胴回転開始設定処理は、リール演出抽選に当選しているか否かによって処理内容が異なっている。
ここで、リール演出は様々なタイミングで実行され、例えば、スタートレバー17の操作に応じて実行される。スタートレバー17の操作のタイミングで実行されるリール演出に当選している場合には、スタートレバー17の操作に応じてリール演出が実行された上で回転リール4a、4b、4cが一旦停止し、その後に改めて回転リール4a、4b、4cが起動(加速回転)されて一定速度による定常回転状態に遷移する。
リール演出抽選に当選している場合、ステップS109の回胴回転開始設定処理においては、回転リール4a、4b、4cを演出回転させた後に改めて定常回転状態に向けて起動させるための各種の設定処理が実行される。
一方、リール演出抽選に当選していない場合、ステップS109の回胴回転開始設定処理では回転リール4a、4b、4cを定常回転状態に向けて起動させるための各種の設定処理が実行される。
尚、当該ステップS109で実行される具体的な処理の内容については後の図12で改めて説明する。
ところで、遊技者は、スタートレバー17の操作に応じて或るリール演出が実行された場合には、そのリール演出の種類に応じた所定の図柄に内部当選していることを推理できる。遊技者は、このような推理から目標とした図柄が図柄停止ライン上に揃うように停止操作を行う。推理が当った場合であって、且つ、停止タイミングが適切な場合に限り、内部当選状態が実効化されて所定のメダルが払出される。
CPU80aは、ステップS109の回胴回転開始設定処理を実行したことに応じ、次のステップS110で回胴停止処理を実行する。
回胴停止処理では、停止ボタン18a、18b、18cの操作に応じて、回転リール4a、4b、4cの停止図柄を決定するための処理や、回転リール4a、4b、4cを停止図柄で停止させるための各種データの設定処理が行われる。また、回胴停止処理では、図柄停止ライン上に停止された図柄の照合処理も行われる。
尚、ステップS110の回胴停止処理として実行される具体的な処理の内容については後の図13により改めて説明する。
尚、上記の回胴停止処理においては、内部抽選処理(S106)の当否結果に沿うように、回転リール4a、4b、4cのうち対応する回転リール4を停止制御する。すなわち、内部抽選処理の結果、何らかの内部当選状態であれば、遊技者の適切な停止操作を条件として、当選結果に合うよう回転リール4a、4b、4cの図柄を整列させる。但し、遊技者が停止ボタン18を押すタイミングや、停止操作の順番が不適切である場合には、ハズレ状態の図柄で停止される。この結果、折角の小役当選も無駄になるが、ボーナス当選については、次回のゲーム以降も持ち越される。但し、リール演出が実行された場合には、その示唆に沿って正しい停止操作を実行すれば、メダルの取りこぼしが回避可能となる。
CPU80aは、ステップS110の回胴停止処理を実行したことに応じ、次のステップS111で入賞判定処理を実行する。すなわち、ステップS110の回胴停止処理における上記の照合処理の結果に基づき、図柄停止ライン上に当選図柄(当選役)が揃ったか否かを判定すると共に、当該判定結果に応じたメダルの払出枚数を算出する。
尚、入賞判定処理では、図柄停止ライン上に当選図柄が揃ったか否かの判定結果を示す制御コマンド(入賞情報コマンド)を演出制御基板42に送信するべく、入賞情報コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする処理も行われる。
また、入賞判定処理では、算出した払出枚数分のメダル払出をメダル払出装置5に実行させるべく、当該払出枚数によるメダル払出を指示する制御コマンドを払出接続インターフェース87における送信バッファにセットする処理も行われる。
続くステップS112でCPU80aは、メダル払出枚数監視処理として、メダル払出センサ76の検出信号に基づき払出メダル枚数をカウントすると共に、メダル払出に応じてクレジットの値を更新する処理を行う。
尚、メダル払出枚数監視処理では、メダル払出を示す制御コマンド(払出コマンド)を演出制御基板42に送信するべく、払出コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする処理も行われる。
さらに、次のステップS113でCPU80aは、再遊技設定処理を実行する。再遊技設定処理では、リプレイ当選状態か否かを判定し、リプレイ当選状態であれば、再遊技動作の開始処理を実行し、ステップS114に進む。リプレイ当選状態でない場合には、再遊技動作の開始処理は実行せずにステップS114に進む。
ステップS114でCPU80aは、現在がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中であれば、CPU80aはステップS116のボーナス作動中処理としてボーナス作動中である場合に対応した所定処理を実行した上で、先のステップS102に戻る。
一方、現在がボーナスゲーム中でなかった場合、CPU80aはステップS115でボーナス図柄が揃っているか否かを判定し、ボーナス図柄が揃っている場合には、ステップS117のボーナス作動開始処理としてボーナス開始時に対応した各種の設定処理を実行した上で、ステップS102に戻る。
ボーナス図柄が揃っていなかった場合、CPU80aはステップS117のボーナス作動開始処理をパスしてステップS102に戻る。
<5.タイマ割込み処理>

続いて、図10を参照して1.49msごとに起動されるタイマ割込み処理について説明する。
先ず、CPU80aはステップS201でレジスタの値を退避させた上で(レジスタ退避処理)、ステップS202で各種スイッチ信号やセンサ信号を受ける入力ポートのデータを取得し、例えばRAM80cの所定領域に記憶させる(ポート入力処理)。尚、センサ信号には、メダル通過センサ67やメダル払出センサ76、第1回胴インデックスセンサ55a、第2回胴インデックスセンサ55b及び第3回胴インデックスセンサ55cの各インデックスセンサ55、及びドアセンサ66等からの検出信号が含まれる。また、ポート入力処理では、カウンタ回路81からの乱数値の取り込みも行われる。
次に、CPU80aはステップS203で回胴回転制御処理を実行する。回胴回転制御処理は、図9のメイン処理における回胴回転開始設定処理(S109)や回胴停止処理(S110)での設定データに基づいて、起動回転から停止までの回転リール4の駆動を実現するためにステッピングモータ54a、54b、54cに出力する励磁データをRAM80cに用意された出力バッファにセットする処理となる。
続くステップS204でCPU80aは、定期更新処理として各種の対象タイマについての更新処理を実行した上で、ステップS205でコマンド出力処理を実行する。すなわち、演出制御インターフェース86における送信バッファにセットされている制御コマンドを1バイト毎に演出制御基板42に出力する。
次のステップS206でCPU80aは、表示・モータ出力処理として各種ランプの表示動作を更新すると共にステップS203でセットした励磁データを回胴モータ駆動部85を介してステッピングモータ54a、54b、54cに出力させる。ステッピングモータ54に励磁データが出力されると、各ステッピングモータは励磁データに応じた所定の励磁状態となり、励磁データが更新されていくことで回転リール4の回転や停止が行われる。
尚、このステップS206で表示更新されるランプには、LED群9として設けられたランプ(例えば回胴を回転させる準備が整ったことを示すLEDやメダルの投入受付状態を示すLED、投入されたメダルの枚数を示すLED等)が含まれている。
さらに、CPU80aは、次のステップS207で異常監視処理を実行し、ステップS208で外部情報信号出力処理を実行する。ステップS207の異常監視処理では、前述したレバー検知センサ68やメダル払出センサ76、ドア開放センサ35の検出信号に基づく異常の有無の判定と判定結果に応じた処理を実行する。また、ステップS208の外部情報信号出力処理は、前述した外部集中端子板70を介した情報出力に係る処理であり、具体的には、払出したメダルなどの情報をホールコンピュータに出力する処理を実行する。
続くステップS209でCPU80aは、マックス投入ボタン有効フラグを確認し、マックス投入ボタン有効フラグが「1」(オン)であればステップS210でマックス投入ボタン16が操作されているか否かを判別する。尚、マックス投入ボタン有効フラグは、1ゲームに必要な枚数のコインが投入されたことに応じてオン、それ以外の場合はオフ(「0」)とされるフラグである。
ステップS210において、マックス投入ボタン16が操作されていた場合、CPU80aはステップS211でマックス投入操作コマンドをセットし、ステップS212に進む。
一方、ステップS209でマックス投入ボタン有効フラグが「0」であった場合、またはステップS210でマックス投入ボタン16が操作されていなかった場合には、CPU80aはそのままステップS212に処理を進める。
ステップS212でCPU80aは、先のステップS201の処理で退避したレジスタの値を復帰させる。ステップS212のレジスタ復帰処理を実行したことに応じ、CPU80aはタイマ割込み処理を終える。
<6.回胴の回転及び停止に係る処理>
[6−1.回胴制御フラグ]

続いて、回転リール4a〜4cの回転と停止に係る処理について説明する。
先ずは、回転リール4a〜4cの回転と停止に係る処理で用いられる回胴制御フラグFGa〜FGcについて説明しておく。
本実施の形態においては、3つの回転リール4a〜4cに対応してそれぞれ各1バイト長(8ビット長)の回胴制御フラグFGa〜FGcが用意され、該回胴制御フラグFGa〜FGcの各バイトの値に基づいて演出回転、及び起動回転(加速回転)から完全停止までの回転動作の制御が行われる。
図11Aは、回胴制御フラグFGa〜FGcのデータ構造を例示している。
回胴制御フラグFGa〜FGcの各々は、それぞれ1ビットで成る制御中フラグF0、リール演出中フラグF1、回胴センサONフラグF2、停止命令フラグF3、停止信号検出フラグF4、回胴起動済みフラグF5、回胴起動フラグF6、回胴停止中フラグF7の8ビットで構成されている。各フラグFのビット位置は、そのフラグFに付した番号が表すビット位置と一致している。
図11Bは、各フラグF7〜F0の意義についての説明図である。
制御中フラグF0は、回転リール4が回転制御中であるか否かを表し、スタートレバー17のON操作による回転開始から、停止ボタン18のON操作に応じた完全停止状態までの間はF0=1となる。リール演出中フラグF1は、回転リール4を変則回転させるリール演出中であることをF1=1により表す。回胴起動中フラグF6は、回転リール4を定常回転としての一定速度による回転状態まで加速させる起動動作中であることをF6=1で表す。回胴起動済みフラグF5は、起動を終えた回転リール4が定常回転していることをF5=1で表す。
また、停止信号検出フラグF4は、遊技者が停止ボタン18をON操作したことが検出されるとF4=1となり、停止命令フラグF3は、その後の滑り(スベリ)制御を経てメイン処理の回胴停止処理(S110)で停止図柄への到達が検出されたことに応じてF3=1となる。
回胴停止中フラグF7は、停止図柄における所定の停止実行ステップ位置(回転リール4を停止させるためにブレーキ制御(全相励磁)を開始するステップ位置)への到達に応じてF7=1となる。尚、回胴停止中フラグF7は、後の図12により説明するステップS307で回転リール4の起動前に回胴制御フラグFG=01hにセットされることでF7=0となる。
また、回胴センサONフラグF2は、各回転リール4が回転を開始した後、原点位置101に達する毎にインデックスセンサ55がONすること応じてF2=1にセットされる。回胴センサONフラグF2は、遊技者による停止操作を受け付けるか否かを規定しており、F2=1となった後の停止操作が有効な停止操作として受け付けられる。
[6−2.回胴の回転開始〜定常回転中に係る処理]

回転リール4a〜4cの回転動作や停止動作は、図9に示したメイン処理における回胴回転開始設定処理(S109)及び回胴停止処理(S110)と、図10に示したタイマ割込み処理における回胴回転制御処理(S203)とが協働(cooperation) することで実現される。
以下、これら回胴回転開始設定処理、回胴停止処理、及び回胴回転制御処理について、回胴の回転開始〜定常回転中と、回転停止との観点で分けて説明する。
先ずは図12のフローチャートにより、回胴回転開始設定処理について説明する。
図12において、CPU80aは、ステップS301でリール演出フラグを取得し、ステップS302でリール演出抽選に当選しているか否かを判別する。リール演出フラグは、図9のメイン処理におけるリール演出抽選処理(S107)の抽選結果を表すフラグであり、リール演出抽選の当否及び当選したリール演出の種類を表す。
リール演出抽選に当選していた場合、CPU80aはステップS303でリール演出開始設定・待機処理を実行する。すなわち、予め用意された演出テーブルのうちから当選したリール演出の種類に応じた演出テーブルをステッピングモータ54a、54b、54cごとにセットする等、演出回転を開始するための必要な設定処理を実行すると共に、演出回転が終了するまで待機する。また、リール演出開始設定・待機処理では、リール演出が実行される回転リール4の回胴制御フラグFGに03hが設定される。即ち、該当の回転リール4が回転制御中であり、且つ、リール演出中であることを示す。
尚、選択した演出テーブルに基づく回転制御のための処理は、図10に示したタイマ割込み処理における回胴回転制御処理(S203)で実行される。
ステップS303によるリール演出開始設定・待機処理が完了した場合(つまりリール演出が完了した場合)、または先のステップS302でリール演出抽選に当選していないとの否定結果が得られた場合、CPU80aは、ステップS304のウェイトタイマ取得処理及び続くステップS305の指定数割込み待ち処理を実行した上で、次のステップS306でウェイトタイマを4.1sにセットする。このウェイトタイマのセットにより、4.1sのタイムカウントがスタートされる。
ここで、4.1sは、ゲーム間の時間間隔として最低限空けるべき時間長である。このようにゲーム間の時間間隔として最低限の間隔が定められていることで、遊技者がメダルを過大消費してしまうことの防止が図られている。
ステップS304のウェイトタイマ取得処理では、1ゲーム前に実行されたステップS306のタイマセット処理によりカウントスタートされたウェイトタイマの値が取得される。ステップS305の待ち処理では、このように取得したウェイトタイマの値に応じたタイマ割込回数(取得ウェイトタイマ値÷1.49ms)分の待機を行う。
これにより、ゲーム間の間隔が最低でも4.1s以上空けられる。
尚、4.1sは一例であって、適宜変更が可能である。
CPU80aは、ステップS306のタイマセット処理を実行したことに応じ、ステップS307で回胴制御フラグFGa〜FGcを01hにセットする。ここで、回胴制御フラグFG=01hとは、制御中フラグF0=1で、他のフラグF1〜F7が全て0を意味する。このように制御中フラグF0のみが「1」に設定されたことで、その後のタイマ割込み処理の回胴回転制御処理(S203)によって、3つの回転リール4a〜4cを定常回転に向けて起動させるための制御が開始される。
次のステップS308でCPU80aは、起動用のモータ動作テーブルをセットする。モータ動作テーブルとは、ステッピングモータ54a〜54cを定常回転に向けて加速回転させるためのモータ動作を実現するために設けられるものであり、モータに出力する励磁データとそれを出力する時間長とが対応付けられた情報を持つテーブルである。
続いて、CPU80aは、ステップS309で再遊技作動状態ビットのクリアと再遊技LEDのオフ制御とを行う。尚、再遊技作動状態ビットは、1つ前のゲームに対応して実行されたステップS113の再遊技設定処理において、リプレイ当選状態であった場合に所定値(例えば1)がセットされている。
続くステップS310でCPU80aは、回転開始コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットし、この図に示す回胴回転開始設定処理を終える。
[6−3.回胴の停止に係る処理]

続いて、回転リール4の停止に係る処理について説明する。
回転リール4の停止操作の受け付けは図9に示したメイン処理における回胴停止処理(S110)により行われるため、以下では先ずステップS110の回胴停止処理について説明する。
図13は、ステップS110の回胴停止処理のフローチャートである。
図13において、CPU80aは、先ずステップS401で1回の割込み処理が完了するまで待機する。
ここで、ステップS110の回胴停止処理の直前のステップS109では回胴回転開始設定処理が実行されている。先の説明から理解されるように、回転リール4a〜4cの回転は、当該ステップS109の回胴回転開始設定処理で必要な設定が為された後の初回のタイマ割込み処理において回胴回転制御処理(S203)が実行されることで開始される。従って、ステップS401の待機処理は、回転リール4a〜4cが回転を開始するまで待機する処理として機能する。
尚、ステップS401の待機処理は、この図に示す処理が進行する過程で複数回実行される。2回目以降に実行されるステップS401の待機処理は、回胴回転制御処理(S203)が1回分行われる、すなわち回転制御が1タイマ割込み分進行するのを待機する処理として機能する。
ステップS401の待機処理を行ったことに応じ、CPU80aはステップS402で回転中の回胴(回転リール4)に対応する回胴センサONフラグF2を判定し、続くステップS403で回胴センサONフラグF2が全てON(=1)であるか否か、すなわち全ての回転リール4について原点位置101が検出されたか否かを判別する。
回胴センサONフラグF2が全てONであるとの条件が満たされていない場合、CPU80aはステップS417で停止ボタン18a〜18cの各停止ボタンLEDを赤点灯させ、ステップS401に戻る。尚、赤点灯は、停止操作の受け付けが禁止である旨を表す。
一方、回胴センサONフラグF2が全てONであるとの条件が満たされている場合、CPU80aはステップS404で無効な操作が行われているか否かを判別する。すなわち、停止ボタン18a〜18cのうち1つの停止ボタン18を押圧するという有効な停止操作以外の無効な操作が行われているか否かを判別する。
無効な操作が行われている場合、CPU80aはステップS417で停止ボタン18a〜18cの各停止ボタンLEDを赤点灯させ、ステップS401に戻る。
無効な操作が行われていない場合、CPU80aはステップS405で有効な停止操作が行われているか否かを判別し、有効な停止操作が行われていない場合はステップS418で回転中の回転リール4に対応する停止ボタンLEDを青点灯させ、ステップS401に戻る。
一方、有効な停止操作が行われている場合、CPU80aはステップS406で停止ボタン18a〜18cに係る停止ボタンLEDの全てを赤点灯させる。
ここで、停止ボタンLEDの点灯制御のみについて着目すると、該ステップS406で停止ボタン18a〜18cの停止ボタンLEDの全てを赤点灯させた後には、ステップS412で全ての回転リール4が停止操作されたか否かが判別され、全ての回転リール4が停止操作されていなければステップS401に戻って上記のような青点灯・赤点灯に係る処理が実行される。
このような処理の流れにより、回転リール4a〜4cの回転開始後には、停止ボタンLEDの点灯制御が以下のように行われる。

・回転開始(リール演出開始または起動開始)から停止操作が受け付け可能となるまでは、停止ボタンLEDの全てを赤点灯で維持させる。
・停止操作が受け付け可能となったとき、停止ボタンLEDの全てを青点灯させる。但し、無効な操作が行われたときは、停止ボタンLEDの全てを赤点灯させる。
・回転リール4の停止操作が行われたときは、一旦停止ボタンLEDの全てを赤点灯させた後、停止操作が行われた回転リール4の停止ボタン18の停止ボタンLEDのみを赤点灯で維持させ、他の回転中の回転リール4に対応する停止ボタンの停止ボタンLEDを青点灯に戻す。この際、回転中の回転リール4がなければ、停止ボタンLEDの全てが赤点灯状態のままとなる。
処理の説明を続ける。
上記のようにステップS405で有効な停止操作が行われていると判別され、ステップS406で停止ボタン18a〜18cの停止ボタンLEDを赤点灯させたことに応じ、CPU80aはステップS407で停止信号検出フラグF4=1にセットする。
続いて、CPU80aはステップS408で各種変数の更新処理を実行する。具体的には、停止間隔タイマを211msにセットする。211msは、最大滑りコマ数である4コマ分の時間に相当する。
ステップS408で各種変数の更新処理を実行したことに応じ、CPU80aはステップS409で図柄停止制御処理を実行する。この図柄停止制御処理は、停止操作が行われた回転リール4についての停止図柄を含めた停止位置を決定(算出)し、停止図柄に到達したことに応じて停止命令フラグF3=1をセットし、有効な図柄停止ライン上の図柄を照合することが主な処理内容となる。また、CPU80aは、停止操作が受け付けられた旨を演出制御基板42に通知するための停止操作受付情報コマンドの出力をステップS409で行う。
ステップS409の図柄停止制御処理を実行したことに応じ、CPU80aはステップS410に処理を進め、停止結果情報コマンドセット処理として、停止結果を表す停止結果情報コマンドを演出制御基板42に送出するべく演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする。
続くステップS411でCPU80aは、停止間隔タイマ=0となるまで待機する。このステップS411の待機処理により、先のステップS408で停止間隔タイマが設定されてから211ms分の時間が経過するまでの待機が実現される。このような待機により、停止操作が行われてから次の回転リール4についての停止操作が受け付け可能となるまでの間に必ず最大滑りコマ数分の時間が確保される。
CPU80aは、ステップS411の待機処理を実行したことに応じ、ステップS412で全ての回転リール4が停止操作されたか否かを判別し、全ての回転リール4が停止操作されていない(つまり停止操作されていない回転リール4が残されている)場合は前述のようにステップS401に戻り、全ての回転リール4が停止操作されていた場合はステップS413に処理を進める。
ステップS413でCPU80aは、入力ポートの情報取得処理として、停止ボタン18a〜18c、スタートレバー17、マックス投入ボタン16、クレジット精算ボタン14、及びドア開放センサ35についての入力情報を取得し、次のステップS414で上記の各入力情報に対応した操作のうち何れかの操作が行われているか否かを判別する。
何れかの操作が行われている場合、CPU80aはステップS413の情報取得処理とステップS414の判別処理を再度実行する。つまり、何れかの操作が行われている限り処理がステップS413→S414→S413とループする。
何れの操作も行われていなければ、CPU80aはステップS415に進み、全停止後ウェイトタイマセット処理として、ウェイトタイマに所定値(本例では101ms)をセットし、続くステップS416で指定数割込み待ち処理を実行する。指定数割込み待ち処理としては、ステップS415でセットしたウェイトタイマの値に応じた回数分のタイマ割込み処理が実行されるまで待機する処理を実行する。
ステップS416の待機処理を実行したことに応じ、CPU80aはこの図に示す回胴停止処理を終える。
尚、実際の回転リール4の停止は、メイン処理の図柄停止制御処理(S409)において停止命令フラグF3に1をセットしたことに応じて、タイマ割込み処理の回胴回転制御処理(S203)において停止のための励磁パターンが当該回転リール4に対応するステッピングモータ54に出力されることによって行われる。この停止のための励磁パターンの出力は、停止図柄に到達したこと(=停止命令フラグF3に1がセットされたこと)に加え、所定の図柄ステップ数に到達したこと(ステップS203において監視している)に応じてなされる。
<7.変動に係る状態遷移について>

変動に係る状態遷移について図14を用いて定義する。
先ず、図14A及び図14Bに示すように、遊技者がスロットマシンを遊技している際のスロットマシンの状態には、変動中であるか否かの観点から、「変動待機中」と「変動中」と「変動停止中」と「中断演出中」とに分けられる。
変動待機中とは、遊技者がメダルをメダル投入口12に投入(リプレイ当選後のメダルの擬似投入も含む)してから三つの回転リール4a、4b、4cが回転し出すまで(即ちスタートレバー17が操作されるまで)の状態を指す。
変動中とは、遊技者が三つの回転リール4a、4b、4cが回転が開始されてから三つの回転リール4a、4b、4cが停止するまでの状態を指す。
変動停止中とは、三つの回転リール4a、4b、4cが停止してから(即ち、変動中の状態が終わった時点から)次のゲームを開始するためにメダルをメダル投入口12に投入するまでの状態(即ち、遊技者のスタートレバー17の操作に応じた各回転リール4の停止態様が遊技者に対して提示されている状態)を指す。
中断演出中を除けば、変動待機中と変動中と変動停止中のそれぞれの状態が繰り返されることで、遊技が進行していく。
中断演出中とは、フリーズ演出中のことであり、変動中や変動停止中、或いは、各状態の切り替えのタイミングで遷移する状態である。即ち、変動中の所定のタイミングで中断演出中の状態へ遷移し、中断演出中の状態が終わると変動中の状態へ戻るケースや、変動中から変動停止中へ切り替わるタイミングで中断演出中の状態へ遷移するケースなどがある。
尚、フリーズ演出は、中断演出中に実行される。
図14は、フリーズ演出を実行する場合の状態遷移について示したものである。
フリーズ演出に係る中断演出中の状態へ遷移するタイミングは、具体的には、スタートレバー17を操作したタイミングで中断演出中の状態へ遷移する場合(図14A)や、三つの回転リール4a、4b、4cのうち一つ目の回転リール4a(または4b、または4c)を停止するための停止ボタン18が押下されたタイミングで中断演出中の状態へ遷移する場合(図14B)などがある。また、三つの回転リール4a、4b、4cが全て停止したタイミングで中断演出中の状態へ遷移する場合や、メダルが払出される直前に中断演出中の状態へ遷移する場合や、メダルが払出されてからメダル投入までの間に中断演出中の状態へ遷移する場合などもある。図14Bに示した、停止ボタン18の押下を契機に中断演出中の状態へ遷移する場合では、例えば、現状の回転状態(一つの回転リールのみが停止し、二つの回転リールが回転している状態)を維持しつつ、残りの二つの停止ボタン18、18の操作が無効となる演出が行われる。これに応じて、中断演出中の状態の間にLCDユニット7におけるキャラクタ演出やLEDによるランプ演出などが実行される。これにより、遊技者は残りの二つの回転リールを停止させることができず、各種演出の終了まで中断演出中の状態が継続するため、各種演出を演出終了まで遊技者に見せることができる。
尚、通常遊技状態中や特別遊技状態中(BBゲーム中やARTゲーム中など)には、それぞれ、「変動待機中」と「変動中」と「変動停止中」と「中断演出中」の状態が存在し得る。
また、変動中の状態が開始されてから変動中の状態が終了するまで(中断演出中の状態を挟んでもよい)を1ゲーム(1変動)と定義する。
尚、変動中において、特に、停止ボタン18の押下が有効となってから回転リール4が停止するまでの状態を「停止制御対応中」と定義する。
上記した各状態(変動待機中と変動中と変動停止中と中断演出中)は、主制御基板40によって切り替えられ、必要に応じて適宜演出制御基板42に通知される。例えば、変動中から変動停止中への切り替えは、上述したステップS410の停止結果情報コマンドセット処理によって通知可能とされる。
<8.第1の実施の形態>
[8−1.遊技状態と天井について]

スロットマシンの遊技状態と天井について、図15を参照して説明する。
スロットマシンの遊技状態には、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも有利な特別遊技状態がある。
特別遊技状態の例としては、ボーナスゲームやAT、RT、ARTなどを実行している状態が挙げられる。
また、特別遊技状態抽選に外れ続けて通常遊技状態が長く続いた結果、遊技者が遊技をやめてしまうことを防止するために、天井が設けられている。
具体的には、カウント対象をカウントしていき、該カウントが所定値(天井値)に達したときに特別遊技を発動するものである。
カウントが所定値に達したときにカウントを0にリセットする場合、天井値が一つ固定値として設けられる。即ち、0からカウントしていき、天井値に達して特別遊技が発動した場合、該特別遊技が終了すると共に再度0からカウントし直す。
尚、天井値は、変動する値として設けられてもよい。即ち、カウントが0にリセットされた場合には天井値が1000として設定されるが、遊技を進めていく間に所定の条件の成立に伴って999,998,・・・と減少したり1001,1002,・・・と増加したりしてもよい。具体的には、特定の小役の成立に応じて天井値を減少させる例や、停止ボタン18の停止順などの指定した遊技手順を踏まなかった場合に天井値を増加させる例などが挙げられる。
カウントが所定値に達したときにカウントを0にリセットしない場合、天井値は相対的に設けられる。具体的には、ある特定の契機に、現在のカウント数に1000を加算した値が天井値として設けられる。例えば、カウント数が300のときに特定の契機が訪れた場合、天井値として1300(300+1000)が設定される。更に、800のときに再度特定の契機が訪れた場合、天井値が1300から1800(800+1000)へ更新される。
ここで、カウント対象の具体例を挙げる。カウント対象としては、例えば、ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数などである。以下に示す各例においては、カウント対象としてゲーム数を用いた例を説明する。
カウント対象のカウントは、主制御基板40のCPU80aが実行し、カウント数は例えばRAM80cに記憶される。また、天井値はROM80b或いはRAM80cに記憶される。
尚、カウント対象のカウントを演出制御基板42が実行し、カウント数を演出制御基板42のRAMに記憶し、天井値を演出制御基板42のROM或いはRAMに記憶してもよい。
以上で説明した遊技の種類と天井の一例を図15を参照して説明する。
通常遊技を開始してから142ゲーム目に特別遊技抽選に当選し、特別遊技としてのBBが開始される。特別遊技(BB)が終了すると、ゲーム数のカウントがリセットされて0となり、再び通常遊技状態へ遷移する。その後、特別遊技抽選に当選しないままゲーム数のカウント値が1000となり天井ゲーム数(天井値)に到達すると、特別遊技としてのARTが開始される。ARTは、例えば10ゲームを1セットとして、1または複数セットが連続して実行される。図15に示した例では、7ゲームの通常遊技状態を挟んで2セットが実行される。
尚、以下の説明においては、通常遊技状態における特別遊技抽選を第1の特別遊技抽選とし、天井到達時における特別遊技抽選を第2の特別遊技抽選とする。但し、天井到達時においては特定の特別遊技を実行することが決められており、第2の特別遊技抽選を実行しない場合もある。
また、第1の特別遊技抽選において抽選対象となる特別遊技は、BB、RB、RT、AT、ARTなどである。もちろんこの中の何れかだけを抽選対象としてもよいし、いくつかを抽選対象としてもよいし、全てを抽選対象としてもよい。
更に、第2の特別遊技抽選において抽選対象となる特別遊技は、RT、AT、ARTなどである。
また、天井において実行される第2の特別遊技抽選では、抽選対象となる特別遊技のセット数や継続率を決める抽選とされる。このとき、100%当選する当落抽選を行った後にセット数や継続率を決める抽選(以降、振り分け抽選と記載)を行ってもよいし、当落の抽選は行わずに振り分け抽選のみを行ってもよい。
第1の特別遊技抽選によって実行される特別遊技を第1特別遊技、第2の特別遊技抽選によって実行される特別遊技を第2特別遊技とする。
第1特別遊技は、毎回同じ種類の特別遊技である必要はない。例えば、第1の特別遊技抽選によってBBに当選し、第1特別遊技としてBBが実行された後、次の第1の特別遊技抽選によってARTに当選した場合、第1特別遊技としてARTが実行される。即ち、通常遊技状態において当選した特別遊技を総じて第1特別遊技とし、天井に到達したことを契機として実行される特別遊技を総じて第2特別遊技とする。
[8−2.特別遊技状態と遊技価値について]

ここでは、特別遊技状態と遊技価値の関係について説明する。
尚、遊技価値とは、遊技の結果遊技者に付与される価値であり、払い出されるメダルや次のゲームをメダルを使用せずに遊技することができるリプレイゲームなどを指す。
まず、遊技の態様として通常遊技、特別遊技が設けられ、特別遊技としては、BB(第1種特別遊技),RB,ART(第2種特別遊技)が設けられたスロットマシンを例に挙げて説明する。このとき、第1特別遊技としてBB,RB,ARTの何れかが実行され、第2特別遊技としてARTが実行される。
図16の表は、BB,RB,ARTの基本的な遊技価値情報として、それぞれの平均獲得枚数及び平均純増枚数を示している。換言すれば、それぞれの遊技状態において獲得が期待される遊技価値の関係を表している。尚、ARTは1セット(=10ゲーム)分を遊技したときの数値を記載している。
図16によれば、BBは平均獲得枚数が315枚、平均純増枚数が294枚とされる。
ここで、獲得枚数とは、BB中に払い出されるメダルの総数であり、獲得枚数が315枚となるのは、例えば、払出枚数が15枚とされた小役を21回揃えたときなどである。また、純増枚数とは払出枚数から投入枚数を差し引いた数値であり、純増枚数が294枚となるのは、例えば、1枚のメダルを投入して払出枚数が15枚とされた小役を揃える一連の行為を21回行ったときなどである。
また、RBは平均獲得枚数が98枚、平均純増枚数が84枚とされる。更に、ART(1セット)は平均獲得枚数が44枚、平均純増枚数が20枚とされる。
以降の説明では、これらの数値に基づいた例を説明する。
[8−3.天井の設定例1]

設定例1では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目し、VA1よりも平均獲得枚数が少なくなるように天井における振り分け抽選を行う。
図17Aは、第1の特別遊技抽選において(即ち通常遊技状態において)ARTに当選した場合のセット数の振り分けを規定した振り分けテーブルである。尚、振り分けテーブルとしては、平均獲得枚数と平均純増枚数の情報はなくてもよい。他の振り分けテーブルに関しても同様である。
図17Aの表に基づいてARTのセット数の振り分け抽選を行った場合、平均3.35セットとなり、平均獲得枚数の期待値(ARTによって獲得が期待されるメダル数)が147.4枚、平均純増枚数が67枚となる。
これを踏まえて、BB,RB,ARTの遊技価値情報として、それぞれの遊技状態に当選したときに期待される獲得枚数と純増枚数を図17Bに示す。ARTが当選したときに期待される平均獲得枚数や平均純増枚数は、3.35セット分を遊技したときに得られる平均獲得枚数や平均純増枚数と同じとなる。
尚、セット数の振り分けのみを規定したテーブルでなく、当選確率も含めて規定してもよい。具体的には、当選確率が1/300であり、当選した場合のセット数の振り分けが図17Aと同様となるテーブルとして、図17Cに示す抽選テーブルが規定されていてもよい。この場合、セット数が1となる確率は、当選確率が1/300であることに加えて振り分け確率が30%であるため、(1/300)×(30/100)=30/30000が記載されている。
まとめると、ARTに当選したときに図17Aの表に基づいて振り分け抽選をしてもよいし、ARTに当選するか否かも含めて図17Cの表に基づいて抽選してもよい。
尚、これは、以降の他の例においても同様である。以降の他の例においては、図17Cに相当する表と説明は省略し、図17Aに相当する表を示して説明を行う。
以上で説明したように、BB,RB,ARTのそれぞれの平均獲得枚数は、図17Bに示すように、315枚、98枚、147.4枚となる。これらを更に平均した値VA1は、(315+98+147.4)/3=186.8枚となる。従って、天井における振り分け抽選(第2の特別遊技抽選)においては、平均セット数が186.8/44(≒4.24)セットよりも少なくなるように抽選を行えばよい。
具体的には、図18Aに示すように、平均セット数が4.0となる振り分け抽選を行えばよい。天井に到達した際に図18Aの表に基づいたARTの振り分け抽選を実行することにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値が176枚(<186.8枚)とされる(図18B参照)。
[8−4.天井の設定例2]

設定例2では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目する。
図19Aは、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTの当選確率を示している。この当選確率によれば、スタートレバー17を操作したときに各特別遊技の抽選が行われ、BBの当選確率は1/400、RBの当選確率は1/300、ARTの当選確率は1/250となる。ARTは、当選すると平均3.35セット(平均33.5ゲーム)のARTが開始される。
当選確率も加味した平均獲得枚数VA2は、BB,RB,ARTの出現確率に基づいて計算される。即ち、BB,RB,ARTの何れかの特別遊技に当選した場合におけるBBの割合は約25.4%、RBの割合は約33.9%、ARTの割合は約40.7%であり、これに基づいて、VA2=315×0.254+98×0.339+147.4×0.407≒173.3枚と算出される。
従って、天井における振り分け抽選においては、平均セット数が173.3/44(≒3.94セットよりも少なくなるように抽選を行えばよい。
具体的には、天井に到達した際に図19Bの表に基づいたARTの振り分け抽選(即ち平均セット数が3.0とされたARTの振り分け抽選)を実行する。これにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値は約132枚(<173.3枚)とされる(図19C参照)。
[8−5.天井の設定例3]

設定例3では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数のうち、最小となる平均獲得枚数VA3に着目する。
尚、設定例3における第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選では、設定例1と同様に図17Aの振り分けテーブルを参照する。従って、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数は、図17Bに示す通りとなる。
ここで、最小となる平均獲得枚数VA3は、315、98、147.4のうちの最小値である98となる。
従って、天井における振り分け抽選においては、平均セット数が98/44(≒2.23)セットよりも少なくなるように抽選を行えばよい。
具体的には、天井に到達した際に図20Aの表に基づいたARTの振り分け抽選(即ち平均セット数が2.0とされたARTの振り分け抽選)を実行する。これにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値が88枚(<98枚)とされる(図20B参照)。
尚、設定例3では、ARTの平均獲得枚数として、平均セット数に基づく平均獲得枚数を例に挙げたが、ARTの最低セット数に基づく平均獲得枚数を比較対象としてもよい。
具体的に、第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選において、図21Aに示す振り分けテーブルを用いる例を示す。
図21Aの振り分けテーブルでは、最小のセット数が2とされている。即ち、最小となる平均獲得枚数VA3’は、315,98,88のうちの最小値である88となる。
従って、天井における振り分け抽選においては、平均セット数が88/44(=2.0)セットよりも少なくなるように抽選を行えばよい。
具体的には、天井に到達した際に図21Bの表に基づいたARTの振り分け抽選(即ち平均セット数が1.95とされたARTの振り分け抽選)を行う。これにより、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値が85.8枚(<88枚)とされる(図21C参照)。
[8−6.天井の設定例4]

設定例4では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも少なくなるように天井のART振り分け抽選を実行するが、振り分けられる最大のセット数は、天井のART振り分け抽選の方が第1の特別遊技抽選よりも多い例を説明する。
具体的には、第1の特別遊技抽選においては、図17Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を実行する。
また、第2の特別遊技抽選においては、図22Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を実行する。
これにより、振り分けられる最大のセット数は、第1の特別遊技抽選においては10となるのに対し、第2の特別遊技抽選においては20となる。即ち、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの最大の平均獲得枚数は、44×20=880枚となり、BB(315枚)やRB(98枚)やART(10セットで440枚)よりも多くなる。
しかし、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値(143枚)は、出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2(173.3枚)よりも少なくなる(図22B参照)。
尚、設定例4では、比較対象として出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2を例に挙げたが、平均獲得枚数を単純に平均した値VA1や最小となる平均獲得枚数VA3、或いは、VA3’を比較対象としてもよい。その場合には、比較対象とされたそれぞれの値を下回るように、図22Aの振り分けテーブルの確率を設定すればよい。
[8−7.天井の設定例5]

設定例5では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも多くなるが、振り分けられる最大のセット数は少なくなる例を説明する。
具体的には、第1の特別遊技抽選においては、図23Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を実行する。この場合、第1の特別遊技抽選におけるARTの平均セット数は、3.5セットとなり、平均獲得枚数は154枚となる。従って、出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、315枚(約25.4%)、98枚(約33.9%)、154枚(約40.7%)から、約175.9枚と算出される。また、第1の特別遊技抽選における最大の平均獲得枚数は、ARTの30セットに当選した場合の1320枚となる。
一方、第2の特別遊技抽選においては、図23Bの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を実行する。この場合、図23Cに示すように、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの最大の平均獲得枚数は、20セットに当選した場合の880枚(<1320枚)となる。また、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は5セットとなり、平均獲得枚数は、220枚(>175.9枚)となる。
従って、天井を契機とした特別遊技は、通常遊技において当選した特別遊技よりも平均的に多い獲得枚数が期待されるが、最大の平均獲得枚数は少なくされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機(設定例5では30セットのART)となってしまうことを防止可能とされる。
尚、設定例5では、比較対象として出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2を例に挙げたが、平均獲得枚数を単純に平均した値VA1や最小となる平均獲得枚数VA3、或いは、VA3’を比較対象としてもよい。
[8−8.天井の設定例6]

設定例6では、ARTのボリュームゾーン(振り分け確率が最大とされたセット数)をARTの代表的な性能として着目する。
先ず、第1の特別遊技抽選において図24Aの振り分けテーブルを用いた場合、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、約192.1枚となる。更に、最大の平均獲得枚数は20セットに当選した場合の880枚となる。
一方、第2の特別遊技抽選において図24Bの振り分けテーブルを用いた場合、これによって実行されるARTの平均セット数は5.4セットとなり、平均獲得枚数は237.6枚となる。更に、最大の平均獲得枚数は30セットに当選した場合の1320枚となる。
即ち、平均獲得枚数の期待値、及び、最大の平均獲得枚数は、共に第2の特別遊技抽選によって実行される特別遊技の方が多くなる。
しかし、ARTのボリュームゾーンに着目した場合、第1の特別遊技抽選におけるART振り分け抽選のセット数のボリュームゾーンは3セットとなり、第2の特別遊技抽選におけるART振り分け抽選のセット数のボリュームゾーンは2セットとなる。
従って、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数と出現率の割合は、315枚(約25.4%)、98枚(約33.9%)、132枚(約40.7%)となり、出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、167枚となる。更に第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値は、図24Cに示すように、88枚(2セット)となる。
これにより、天井を契機とした特別遊技は通常遊技において当選した特別遊技と比較して、ボリュームゾーンに着目したときの平均獲得枚数の期待値が少なくされる。
尚、設定例6では、比較対象として出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2を例に挙げたが、平均獲得枚数を単純に平均した値VA1や最小となる平均獲得枚数VA3、或いは、VA3’を比較対象としてもよい。
[8−9.天井の設定例7]

設定例7では、第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選と、第2の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選において、同じ振り分けテーブルを用いる場合を説明する。
具体的には、図17Aに示す振り分けテーブルを用いる。
このとき、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数は、BB(315枚)、RB(98枚)、ART(147.4枚)となる。そして、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、約173.3枚とされる。
一方、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値は、147.4枚となる。
即ち、同一の振り分けテーブルを用いたとしても、天井を契機とした特別遊技は、通常遊技において当選した特別遊技よりも平均獲得枚数の期待値が少なくされる
[8−10.天井の設定例8]

設定例8では、第1の特別遊技抽選としての特別遊技BB,RB,ARTのうち、最大となる平均獲得枚数VA4に着目する。
具体的には、第1の特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選で図17Aに示した振り分けテーブルを用いる場合、BB,RB,ARTのそれぞれの平均獲得枚数の期待値は、315枚、98枚、147.4枚となるため、VA4はBBの平均獲得枚数である315枚となる。
例えば、第2の特別遊技抽選において、図25Aに示すARTの振り分けテーブルを用いる。この場合、図25Bに示すように、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は7.0セットとなり、平均獲得枚数は308枚(<315枚)となる。
これにより、天井を契機とした特別遊技によって平均的に獲得できる遊技価値は、通常遊技において当選した特別遊技BB,RB,ARTの中で最も高い平均獲得枚数を期待できる特別遊技によって平均的に獲得できる遊技価値よりも押さえられ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能とされる。
[8−11.天井の設定例9]

続いて、ARTの振り分け抽選における別の例を用いた設定例9を説明する。
上記の設定例1乃至設定例8においては、ARTのセット数と振り分け確率が記憶されたARTの振り分けテーブルを用いた。
設定例9では、ARTの継続率と抽選確率が記憶された振り分けテーブルを用いて、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目する。
ここで、ARTの継続率とは、ART1セット分の特別遊技を消化したときに、次の1セット分の特別遊技が実行される確率を示したものである。即ち、継続率が90%であれば、90%の確率で次の1セットのARTが実行される。
ARTを継続するか否かの抽選(継続抽選)は、ARTを実行する際の所定のタイミング(例えば、ARTのセット毎の終了タイミングや開始タイミング、或いは、ART遊技中のタイミングなど)で実行される。
尚、継続率の振り分け抽選をこれまでのセット数の振り分け抽選と区別するために、継続率振り分け抽選とし、抽選に用いるテーブルを継続率振り分けテーブルとする。
例えば、第1の特別遊技抽選において、図26Aに示すARTの継続率振り分け抽選を実行する。このとき、第1の特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTの平均獲得枚数は、それぞれ315枚、98枚、約132.9枚となる。これらを更に平均した値VA1は、約181.0枚となる。
一方、第2の特別遊技抽選において、図26Bに示すARTの継続率振り分け抽選を実行する場合、図26Cに示すように、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は約4.04セットとなり、平均獲得枚数は約177.8枚(<181.0枚)となる。
尚、設定例2乃至8において、振り分け抽選の代わりに、継続率振り分けテーブルを用いた継続率振り分け抽選を行ってもよい。その場合、各例においては、それぞれの条件を満たすように(設定例2で例示すると、天井を契機としたARTの平均獲得枚数の期待値がVA2未満となるように)継続率振り分けテーブルが設定されていればよい。
また、継続率と併せて最大継続数を設定してもよい。例えば、最大継続数を15などのように設定してもよい。この場合、ARTの継続抽選に当選し続けたとしても、15回目の継続抽選は行われない(若しくは落選が確定される)。
これにより、過剰なメダルを獲得する契機となることをとなることを防止することができる。更に、第2の特別遊技抽選におけるARTの最大継続数は第1の特別遊技抽選におけるARTの最大継続数よりも少ない数値とされてもよい。これにより、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機とならない遊技機を提供することができる。
[8−12.天井の設定例10]

上記の設定例1乃至設定例9においては、獲得枚数(平均獲得枚数や最大/最小の平均獲得枚数など)に着目した例を示したが、設定例10においては、純増枚数に着目する例を説明する。
設定例10は設定例1に対応する例として、BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数を単純に平均した値VA10に着目する。このとき、第1の特別遊技抽選においては図17Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行い、第2の特別遊技抽選においては図27Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行う。
第1の特別遊技抽選によって実行される特別遊技BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数は、図17Bに示すように、294枚、84枚、67枚となる。これらを更に平均した値VA10は、(294+84+67)/3=148.3枚となる。
一方、第2の特別遊技抽選によって実行されるARTの平均純増枚数の期待値は、図27Bに示すように、20×0.05+40×0.05+60×0.05+100×0.25+140×0.3+200×0.3=133枚(<148.3枚)となる。
これにより、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機とならない遊技機を提供することができる。
尚、設定例2乃至9において、獲得枚数の代わりに純増枚数に着目してもよい。その場合、各例においては、それぞれの条件を満たすように、即ち、設定例2で例示すると、第2の特別遊技抽選におけるARTの平均純増枚数の期待値が、第1の特別遊技抽選における特別遊技の当選確率も加味した平均純増枚数よりも少ない値となるように、振り分けテーブル(或いは継続率振り分けテーブル)が設定されていればよい。
<9.第2の実施の形態>
[9−1.遊技の種類と天井について]

ここでは、第1の実施の形態と異なる点を主に説明し、言及していない部分に関しては、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略した部分である。
スロットマシンの遊技状態には、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも有利な特別遊技状態がある。有利な特別遊技状態としては、BB,RB,ARTを例に挙げて説明する。
第2の実施の形態においては、通常遊技状態において、BB,RB,ARTの抽選が所定のタイミングでなされる。また、通常遊技状態には、特別遊技状態へ遷移するための抽選(以降、特別遊技抽選と記載)の態様が異なる2種類の状態(以降では、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態と記載)が設けられている。BB及びRBに関しては、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態における抽選確率は一定とされる。また、ARTに関しては、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態とでARTに係る抽選(以降、特別遊技状態抽選と記載)の態様が異なる。
ARTに係る抽選の態様が異なる例としては、例えば、ARTの抽選に用いる抽選テーブルが異なる例や、ARTに係る抽選の際に行う演出が異なる例や、ARTに当選した場合に獲得が期待されるメダルの枚数が異なる例などが挙げられる。
以降では、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態とでARTの抽選に用いる抽選テーブルが異なる例を説明する。
尚、第1通常遊技状態における特別遊技抽選(BB,RB,ART)を高期待特別遊技抽選(第1の特別遊技抽選)とし、第2通常遊技状態における特別遊技抽選(BB,RB,ART)を低期待特別遊技抽選とし、天井到達時における特別遊技抽選を天井到達時特別遊技抽選(第2の特別遊技抽選)とする。
また、高期待特別遊技抽選に当選した場合に実行される特別遊技(BB,RB,ART)を高期待特別遊技(第1特別遊技)、低期待特別遊技抽選に当選した場合に実行される特別遊技(BB,RB,ART)を低期待特別遊技、天井到達時特別遊技抽選によって実行される特別遊技(ART)を天井特別遊技(第2特別遊技)とする。
具体的な例を図28を参照して説明する。
第1の実施の形態と同様に、天井ゲーム数(天井値)が1000とされており、加えて、別のカウント数として、700が設定されている。
カウント数が0から700までは、第2通常遊技状態とされ、700から1000までは第1通常遊技状態とされる。カウント数が1000に達すると、天井到達時特別遊技抽選が実行される。天井における特別遊技抽選では、特筆しない限り、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブル(若しくは継続率振り分けテーブル)が使用される例を用いる。
図28に示すように、第2通常遊技状態が開始されてから142ゲーム目に低期待特別遊技抽選に当選し、特別遊技としてのBBが開始される。特別遊技(BB)が終了すると、ゲーム数のカウントがリセットされて0となり、再び第2通常遊技状態へ遷移する。特別遊技抽選に当選しないままゲーム数のカウント値が700に到達すると、第2通常遊技状態から第1通常遊技状態に遷移し、特別遊技抽選も高期待特別遊技抽選が実行される。
その後、第1の特別遊技抽選に当選しないままゲーム数のカウント値が1000となり天井ゲーム数(天井値)に到達すると、低期待特別遊技抽選によって実行されるARTの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選が実行され、抽選に応じて特別遊技としてのARTが開始される。ARTは、例えば10ゲームを1セットとして、1または複数セットが連続して実行される。図28に示した例では、7ゲームの通常遊技状態を挟んで2セットが実行される。
尚、第2の実施の形態は、カウント数が所定値(天井値)に達する直前の所定期間として第1通常遊技状態が設けられている例であるが、天井値を1000とした場合、所定期間としては1000未満(1〜999)の何れかとされ、所定期間が1000とする場合は含まない。即ち、第2の実施の形態は、第2通常遊技状態が少なくとも1ゲームは存在する例である。
[9−2.高期待特別遊技及び低期待特別遊技の遊技価値について]

高期待特別遊技と低期待特別遊技の遊技価値の関係について説明する。
第1通常遊技状態において実行される高期待特別遊技抽選では、高期待特別遊技としてのBB(第1種特別遊技),RB,ART(第2種特別遊技)の抽選が行われる。
一方、第2通常遊技状態において実行される低期待特別遊技抽選では、低期待特別遊技としてのBB,RB,ARTの抽選が行われる。
BB,RB,ARTの基本的な遊技価値は、ARTを1セット分として捉えた場合、図16に示すものとなり、高期待特別遊技及び低期待特別遊技の間に差分はない。
高期待特別遊技及び低期待特別遊技において実行される振り分け抽選(または継続率振り分け抽選)の結果も加味した遊技価値が異なる。また、高期待特別遊技抽選によって実行されるARTは、低期待特別遊技抽選によって実行されるARTよりも、遊技価値の期待値が高い。
具体的な振り分けテーブルの例は、以下に示す各天井の設定例で示す。
[9−3.天井の設定例11]

設定例11では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目する。
高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図17Aに示すものであり、これによって実行されるARTの平均セット数、平均獲得枚数及び平均純増枚数は、図17Bに示すようにそれぞれ、3.35セット、147.4枚、67枚となる。
一方、低期待特別遊技におけるARTの振り分けテーブルを、図29Aに示す。この振り分けテーブルに基づくARTの平均セット数、平均獲得枚数及び平均純増枚数は、図29Bに示すようにそれぞれ、2.75、121枚、55枚となる。
尚、先に述べたように、天井到達時特別遊技抽選では定期対特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルが使用される。即ち、図29Aの振り分けテーブルが使用される。
高期待特別遊技抽選におけるBB,RB,ARTの平均獲得枚数から算出されるVA1は、186.8枚である。天井到達時特別遊技抽選において実行されるARTは、平均2.75セットとなり、それによって期待される平均獲得枚数は121枚(<186.8枚)とされる(図29C参照)。
これにより、天井を契機とした特別遊技(第2特別遊技としてのART)によって平均的に獲得できる遊技価値は、第1通常遊技状態において当選した第1特別遊技としてのBB,RB,ARTによって獲得できる遊技価値を単純に平均した値(VA1)よりも押さえられ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能とされる。
また、設定例11では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2と比較しても、天井到達時特別遊技によって獲得できる平均的な遊技価値が少なくされる(図29D参照)。
具体的には、VA2が約173.3枚(設定例2と同一式で算出)とされ、天井到達時特別遊技によって獲得できる平均的な遊技価値(121枚)よりも多くされる。
これによっても、天井を契機とした特別遊技(第2特別遊技としてのART)によって平均的に獲得できる遊技価値は、第1通常遊技状態において当選した第1特別遊技としてのBB,RB,ARTの平均獲得枚数と出現率から算出される平均獲得枚数(VA2)よりも押さえられ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能とされる。
[9−4.天井の設定例12]

設定例12では、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数のうち、最小となる平均獲得枚数VA3に着目する。
設定例12における高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図17Aに示した振り分けテーブルを用いる。従って、最小となる平均獲得枚数VA3は、図17Bに示すように、RBの平均獲得枚数である98枚となる。
また、低期待特別遊技抽選及び天井到達時特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図20Aに示す振り分けテーブルを用いる。
この場合、天井到達時特別遊技の平均獲得枚数の期待値は88枚とされ、VA3(=98枚)よりも少なくされる(図20B参照)。
尚、設定例3と同様に、最小となる平均獲得枚数VA3’に着目して、天井到達時特別遊技抽選の振り分けテーブルを設定してもよい。
[9−5.天井の設定例13]

設定例13では、BB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも少なくなるように天井のART振り分け抽選を実行するが、振り分けられる最大のセット数は、天井のART振り分け抽選の方が高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選よりも多い例を説明する。
具体的には、高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図17Aに示した振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選及び天井到達時特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルは、先の図22Aに示す振り分けテーブルを用いる。
これにより、振り分けられる最大のセット数は、高期待特別遊技抽選においては10となるのに対し、天井到達時特別遊技抽選においては20となる。即ち、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの最大の平均獲得枚数は、880枚となり、BB(315枚)やRB(98枚)やART(10セットで440枚)よりも多くなる。
しかし、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの平均獲得枚数の期待値(143枚)は、出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2(173.3枚)よりも少なくなる(図22B参照)。
尚、設定例4と同様に、VA2に着目する代わりにVA1やVA3、VA3’に着目してもよい。
[9−6.天井の設定例14]

設定例14では、高期待特別遊技におけるBB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2に着目し、天井を契機に実行されるARTの平均獲得枚数がVA2よりも多くなるが、振り分けられる最大のセット数は少なくなる例を説明する。
尚、設定例14では、天井を契機としたARTの振り分け抽選において、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルとは異なる振り分けテーブルを用いる。
具体的には、高期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図23Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図29Aの振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選では、図23Bの振り分けテーブルを用いる。
この場合、高期待特別遊技のVA2は175.9枚とされ、最大の平均獲得枚数は、ARTの30セットに当選した場合の1320枚となる。また、天井到達時特別遊技の平均獲得枚数は、220枚(>175.9枚)とされ、最大の平均獲得枚数は、20セットに当選した場合の880枚(<1320枚)となる。
従って、天井を契機としたARTは、高期待特別遊技抽選において当選した高期待特別遊技よりも平均的に多い獲得枚数が期待されるが、最大の平均獲得枚数は少なくされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機(設定例14では30セットのART)となってしまうことを防止可能とされる。
尚、設定例5と同様に、VA2に着目する代わりにVA1やVA3、VA3’に着目してもよい。
[9−7.天井の設定例15]

設定例15では、ARTのボリュームゾーンをARTの代表的な性能として着目する。
尚、設定例15では、天井を契機としたARTの振り分け抽選において、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルとは異なる振り分けテーブルを用いる。
具体的には、高期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図24Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図29Aの振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選では、図24Bの振り分けテーブルを用いる。
ARTのボリュームゾーンに着目した場合、高期待特別遊技抽選におけるART振り分け抽選のセット数のボリュームゾーンは3セットとなり、天井到達時特別遊技抽選におけるART振り分け抽選のセット数のボリュームゾーンは2セットとなる。
従って、高期待特別遊技のVA2は167枚とされ、天井到達時特別遊技の平均獲得枚数は、88枚(<167枚)とされる。
尚、設定例6と同様に、VA2に着目する代わりにVA1やVA3、VA3’に着目してもよい。
[9−8.天井の設定例16]

設定例16では、天井到達時特別遊技抽選におけるARTの振り分け抽選において、高期待特別遊技抽選におけるARTの振り分テーブル(図17A)を用いる例を説明する。
このとき、高期待特別遊技におけるBB,RB,ARTそれぞれの出現率も加味した平均獲得枚数の平均値VA2は、約173.3枚とされる。また、天井到達時特別遊技の平均獲得枚数の期待値は、147.4枚となる。
即ち、同一の振り分けテーブルを用いたとしても、天井を契機とした特別遊技は、通常遊技において当選した特別遊技よりも平均獲得枚数の期待値が少なくされる。
[9−9.天井の設定例17]

設定例17では、高期待特別遊技抽選としての特別遊技BB,RB,ARTのうち、最大となる平均獲得枚数VA4に着目する。
尚、設定例17では、天井を契機としたARTの振り分け抽選において、低期待特別遊技抽選におけるARTの振り分けテーブルとは異なる振り分けテーブルを用いる。
具体的には、高期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図17Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの振り分け抽選では、図29Aの振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選では、図25Aの振り分けテーブルを用いる。
この場合、高期待特別遊技におけるVA4はBBの平均獲得枚数である315枚となる。また、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は7.0セットとなり、平均獲得枚数は308枚(<315枚)となる。
これにより、天井を契機とした特別遊技によって平均的に獲得できる遊技価値は、高期待特別遊技抽選において当選した特別遊技BB,RB,ARTの中で最も高い平均獲得枚数を期待できる特別遊技によって平均的に獲得できる遊技価値よりも押さえられ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能とされる。
[9−10.天井の設定例18]

設定例11乃至設定例17においては、ARTのセット数と振り分け確率が記憶されたARTの振り分けテーブルを用いたが、設定例18では、ARTの継続率と抽選確率が記憶された継続率振り分けテーブルを用いる。尚、BB,RB,ARTそれぞれの平均獲得枚数を単純に平均した値VA1に着目する。
設定例18では、高期待特別遊技抽選のARTの継続率振り分け抽選では、図26Aの振り分けテーブルを用いる。また、低期待特別遊技抽選のARTの継続率振り分け抽選では、図30の振り分けテーブルを用いる。更に、天井到達時特別遊技抽選におけるARTの継続率振り分け抽選では、図26Bの振り分けテーブルを用いる。
この場合、高期待特別遊技におけるVA1は約181.0枚となる。また、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの平均セット数は約4.04セットとなり、平均獲得枚数は約177.8枚(<181.0枚)となる。
尚、設定例11乃至設定例17において、振り分け抽選の代わりに、継続率振り分けテーブルを用いた継続率振り分け抽選を行ってもよい。その場合、各例においては、それぞれの条件を満たすように継続率振り分けテーブルが設定されていればよい。
[9−11.天井の設定例19]

設定例11乃至設定例18においては、獲得枚数(平均獲得枚数や最大/最小の平均獲得枚数など)に着目した例を示したが、設定例19においては、純増枚数に着目する例を説明する。
設定例19は設定例11に対応する例として、BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数を単純に平均した値VA10に着目する。このとき、高期待特別遊技抽選においては図17Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行い、天井到達時特別遊技抽選においては図29Aの振り分けテーブルを用いた振り分け抽選を行う。
高期待特別遊技抽選において実行される第1特別遊技BB,RB,ARTそれぞれの平均純増枚数は、図17Bに示すように、294枚、84枚、67枚となる。これらを更に平均した値VA10は、(294+84+67)/3=148.3枚となる。
一方、天井到達時特別遊技抽選によって実行されるARTの平均純増枚数の期待値は、図29Bに示すように、20×0.3+40×0.4+60×0.1+100×0.1+140×0.05+200×0.05=55枚(<148.3枚)となる。
これにより、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機とならない遊技機を提供することができる。
尚、設定例11乃至18において、獲得枚数の代わりに純増枚数に着目してもよい。その場合、各例においては、それぞれの条件を満たすように、振り分けテーブル(或いは継続率振り分けテーブル)が設定されていればよい。
<10.変形例>

第2の実施の形態では、通常遊技状態として第1通常遊技状態と第2通常遊技状態の二つが設けられた例を説明したが、三つ以上の通常遊技状態が設けられていてもよい。
また、第2の実施の形態では、特定のゲーム数で第1通常遊技状態から第2通常遊技状態に遷移する例を説明したが、加えて、特定の小役などによっても遷移するようにしてもよい。具体的には、天井値が1000、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態への遷移するカウント数が900に設定されると共に、特定の小役が所定回数成立した場合、900よりも前のゲーム数であっても第2通常遊技状態へ遷移するようにしてもよい。
上記した各実施の形態においては、振り分けテーブルや継続率振り分けテーブル、或いは、各特別遊技状態(BB,RB,ART)の抽選確率などが示されていたが、それらのテーブルや抽選確率は、スロットマシンにおける一つの設定値(1〜6の何れかが設定されるもの)における一例を示すものである。異なる設定値ごとにテーブルや抽選確率を変え、特定遊技状態の遊技価値に差を付けてもよい。
上記した各実施の形態では、カウントを0にリセットした後の天井値の初期設定値は特定の値(例えば1000)である例を説明したが、リセット後の天井値の初期設定値はリセットごとに異なる値としてもよい。例えば、カウントを0にリセットする際に天井値抽選を行い、複数の天井値候補から一つが選択されてもよい。
第2の実施の形態においては、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態が設けられた例を説明した。この場合、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態の何れの状態であるのかを遊技者が把握し易いように、各通常遊技状態における演出態様に差異を設けてもよい。
具体的には、第1通常遊技状態においてのみ実行される演出を設けることや、特定の演出の出現確率を第1通常遊技状態及び第2通常遊技状態で変えることなどを行う。
第2の実施の形態においては、第1種特別遊技をBBとする例を挙げたが、RBなどの他の特別遊技を第1種特別遊技をとしてもよい。
<11.まとめ>

第1の実施の形態で説明した回胴式遊技機にあっては、複数の図柄が表示された複数の回胴としての回転リール4a、4b、4cと、回胴の回転を始動させる始動制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、回胴の回転を停止させる停止制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段(主制御基板40のCPU80a)と、カウント対象(ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数など)をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値に達するまでは第1特別遊技の抽選を実行し、カウント数が所定値に達した場合に第2特別遊技を実行する特別遊技制御手段(主制御基板40のCPU80a、若しくは、演出制御基板42のCPU)と、を備え、第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
また、第1の実施の形態で説明した回胴式遊技機にあっては、複数の図柄が表示された複数の回胴としての回転リール4a、4b、4cと、回胴の回転の始動契機となる始動手段(スタートレバー17)と、回胴の回転の停止契機となる停止手段(停止ボタン18a、18b、18c)と、回胴の始動/停止の制御を行う回胴制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段(主制御基板40のCPU80a)と、カウント対象(ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数など)をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値に達するまでは第1特別遊技の抽選を実行し、カウント数が所定値に達した場合に第2特別遊技を実行する特別遊技制御手段(主制御基板40のCPU80a、若しくは、演出制御基板42のCPU)と、を備え、第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
また、第1特別遊技として第1種特別遊技(例えばBB)と第2種特別遊技(例えばART)の少なくとも2種類が設けられる。
これにより、特別遊技の複数の種類が設けられた回胴式遊技機においても、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
更に、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第1種特別遊技の平均的な獲得遊技価値及び第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の何れよりも少ない。
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井が通常遊技状態における何れの特別遊技よりも獲得遊技価値が少ないため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
更にまた、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第1種特別遊技及び第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の平均値よりも少ない
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井における特別遊技の獲得遊技価値をある程度確保しつつ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
加えて、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第1種特別遊技及び第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値のうちの最大値よりも少ない
これにより、例えば、通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、平均獲得遊技価値が最大となる特別遊技は第1特別遊技のうちの一つとされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
第2の実施の形態で説明した回胴式遊技機にあっては、複数の図柄が表示された複数の回胴としての回転リール4a、4b、4cと、回胴の回転を始動させる始動制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、回胴の回転を停止させる停止制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段(主制御基板40のCPU80a)と、カウント対象(ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数などであり、各実施の形態においてはゲーム数)をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値(1000ゲーム)に達した場合に第2特別遊技を実行し、所定値に達する直前の所定期間(300ゲーム)において第1特別遊技の抽選を実行する特別遊技制御手段(主制御基板40のCPU80a、若しくは、演出制御基板42のCPU)と、を備え、第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
また、第2の実施の形態で説明した回胴式遊技機にあっては、複数の図柄が表示された複数の回胴としての回転リール4a、4b、4cと、回胴の回転の始動契機となる始動手段(スタートレバー17)と、回胴の回転の停止契機となる停止手段(停止ボタン18a、18b、18c)と、回胴の始動/停止の制御を行う回胴制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段(主制御基板40のCPU80a)と、カウント対象(ゲーム数や特定小役、特定演出の実行回数などであり、各実施の形態においてはゲーム数)をカウントするカウント手段と、カウント数が所定値(1000ゲーム)に達した場合に第2特別遊技を実行し、所定値に達する直前の所定期間(300ゲーム)において第1特別遊技の抽選を実行する特別遊技制御手段(主制御基板40のCPU80a、若しくは、演出制御基板42のCPU)と、を備え、第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも第1通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
また、第1特別遊技として第1種特別遊技と第2種特別遊技の少なくとも2種類が設けられる。
これにより、特別遊技の複数の種類が設けられた回胴式遊技機においても、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井よりも第1通常遊技状態における特別遊技の方が獲得遊技価値が多いため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
更に、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第1種特別遊技の平均的な獲得遊技価値及び第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の何れよりも少ない。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井が第1通常遊技状態における何れの特別遊技よりも獲得遊技価値が少ないため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
更にまた、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第1種特別遊技及び第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の平均値よりも少ない。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、天井における特別遊技の獲得遊技価値をある程度確保しつつ、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることをより防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
加えて、第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、第1種特別遊技及び第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値のうちの最大値よりも少ない。
これにより、例えば、天井直前の第1通常遊技状態において第1特別遊技の抽選が実行され、天井において第2特別遊技が実行される場合に、平均獲得遊技価値が最大となる特別遊技は第1特別遊技のうちの一つとされるため、天井が過剰な遊技価値の獲得の契機となることを防止可能な回胴式遊技機を提供することができる。
また、上記では、本発明がスロットマシンに適用される例を示したが、本発明は複数の図柄が表示された複数の回胴を備えた回胴式遊技機に広く好適に適用できる。
1…本体ケース
2…前面パネル
3…図柄回転ユニット
4a〜4c…回転リール(回胴)
16…マックス投入ボタン
17…スタートレバー
18a〜18c…停止ボタン
24A、24B…7セグメントLED
24a…第1LED
24b…第2LED
40…主制御基板
54a…第1回胴ステッピングモータ
54b…第2回胴ステッピングモータ
54c…第3回胴ステッピングモータ
54r…ロータ
55a…第1回胴インデックスセンサ
55b…第2回胴インデックスセンサ
55c…第3回胴インデックスセンサ
80…コントローラ
80a…CPU
80b…ROM
80c…RAM

Claims (5)

  1. 複数の図柄が表示された複数の回胴と、
    前記回胴の回転を始動させる始動制御手段と、
    前記回胴の回転を停止させる停止制御手段と、
    所定条件の成立を契機に役の抽選を行う役抽選手段と、
    カウント対象をカウントするカウント手段と、
    カウント数が所定値に達するまでは第1特別遊技の抽選を実行し、前記カウント数が所定値に達した場合に第2特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備え、
    前記第1特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値よりも多い
    ことを特徴とする回胴式遊技機。
  2. 前記第1特別遊技として第1種特別遊技と第2種特別遊技の少なくとも2種類が設けられた
    請求項1に記載の回胴式遊技機。
  3. 前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第1種特別遊技の平均的な獲得遊技価値及び前記第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の何れよりも少ない
    請求項2に記載の回胴式遊技機。
  4. 前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第1種特別遊技及び前記第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値の平均値よりも少ない
    請求項2に記載の回胴式遊技機。
  5. 前記第2特別遊技における平均的な獲得遊技価値は、前記第1種特別遊技及び前記第2種特別遊技の平均的な獲得遊技価値のうちの最大値よりも少ない
    請求項2に記載の回胴式遊技機。
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