JP6559446B2 - 回路パターンの断線及び短絡の検査方法及び検査用配線パターンを有するプリント基板 - Google Patents
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Description
またプリント基板を製造する技術分野において、近年、製造物の欠陥により生じた損害についての製造物責任に対する意識が高まっているため、回路パターンの導通検査及び短絡検査を高精度で行う工程が必須となっている。
従来より、回路パターンの導通検査や短絡検査として、種々の技術が知られていた。例えば、規則から外れたパターン形状部を目視で欠陥認定する目視検査や、上方から光を照射して正反射光を検出し段線を検出する照明検査や、回路パターンにおける電気的に独立したパターンにおける2箇所にピンを立ててテスターで計測するテスター測定法や、電気的に独立したパターン上に配線パターンを形成し、その端部を回路パターンの外周部まで延伸し、その端部をテスターで計測する配線パターン検査法等が知られていた。
そこで、コストや検査スペースの問題が比較的少ない配線パターン検査法によって回路パターンの導通検査や短絡検査が行われることも多くなってきている。すなわち、独立して配置された回路パターン上に電気的に直列接続させた検査用の配線パターンを形成し、検査パターンの端部同士をテスターにより計測する導通検査が行われている。
特に近年、タッチパネルのタッチセンサー用の電極配線が形成されたプリント基板が数多く製造されている。このようなタッチセンサーは、表示画面上で指等が触れた位置をセンサーで電気信号化する必要があり、多数のセンサ用の電極がグリッド状に配置されるため、多数の配線が等間隔で並列に配置されている。
このような、電気的に独立して配置された回路パターンの断線及び短絡を効率的に検査するためには、回路パターン上に一筆書き(検査用の配線パターンが連接して形成された状態である。配線の端部は二箇所のみとなる。)のものが知られている。例えば、特許文献1には、タッチパネルのタッチセンサーの電極配線の導通検査に使用される検査方法が開示されている。かかる特許文献1には、隣接する回路パターンの端部同士を接続し、実質的に一筆書きの配線パターンを形成する検査方法が開示されている。また、特許文献2には半導体集積回路の平面の回路パターン上に一筆書きで配線パターンを形成する検査方法が開示されている。
ここで、配線の断線欠陥や短絡欠陥の導通検査を効率的に行う方法として、特許文献2には、二筆書きで検査用配線パターンを形成する方法が開示されている。しかし、特許文献2に開示された検査方法では、同じ検査用配線パターンが隣接する箇所で生じる短絡欠陥を検出することができなかった。そして、同じ検査用配線パターンが隣接する箇所における短絡欠陥の検査については、一箇所ずつテスターを使って短絡の検査を行う必要があり、全ての配線間の短絡検査を一度に行うことができないという問題点があった。
そこで、検査用配線パターンの増加が検討できる。しかし、図4に示すような二筆書きで検査用配線パターンP2,P3を形成することによって、並列に配置された配線間において検査用電極パッド33と34及び35と36を使用しても、斜線で示した約半数の配線間における短絡を検出できないことが分かった。そして三筆書き、四筆書きと検査用配線パターンを増設することにより、断線と共に短絡を検出できる割合は上がるが、全配線間の短絡を完全に検出することができないし、検査工程も増えることが分かった。
例えば、図5に示すような五筆書きで検査用配線パターンP4〜P8を形成した場合、検査用配線パターンP4の両端における検査用電極パッド41と42、検査用配線パターンP5の両端における検査用電極パッド43と44、検査用配線パターンP6の両端における検査用電極パッド45と46、検査用配線パターンP7の両端における検査用電極パッド47と48、検査用配線パターンP8の両端における検査用電極パッド49と50を使用しても、斜線で示した5箇所において短絡を検出することができない。すなわち、五筆書きで検査用配線パターンを形成した場合は、断線と短絡についての検査工程は9回必要となり、検出率は約80%となることが分かった。
ここでプリント基板とは、ガラスエポキシ基板やセラミックス基板等に代表されるリジッド基板だけでなく、ポリイミドやポリエステル等のフィルム状の基板も含む。
このような構成を採用することによって、第一検査用配線パターンの両端部をテスターにより測定し、回路パターンの断線の有無を検査することができる。また、同様に第二検査用配線パターンの両端部をテスターにより測定し、回路パターンの断線の有無を検査することができる。次に、第一検査用配線パターンの一端部と、第二検査用配線パターンの一端部をテスターにより測定し、回路パターンにおける短絡の有無を検査することができる。従って、1台のテスターによる3回の導通検査によって、断線と短絡といった電気的欠陥を検出することが可能となる。
本発明において渦巻形状とは、中心から旋回しつつ遠ざかる形態を示している。曲線に限られるものではなく、一般的な回路パターンにおいては、一般的には角状に旋回しながら中心部から遠ざかる形態を示す。
また検査用電極パッドは、導通検査に用いる測定器を接続するために第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの両端に形成された端部に形成される。
(5)前記四箇所の検査用電極パッドが、プリント基板上における同縁側に集めて形成されていることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板である。
ここで、基板上における同縁側とは、平面視四角形の基板における4つある辺のうち、一辺のことである。すなわち、同縁側に全ての検査用電極パッドを集中させることによって、テスターを使用した導通検査の利便性が飛躍的に向上することが期待できる。
(6)前記四箇所の検査用電極パッド及び検査用配線パターンにおける複数の配線の端部同士の接続されている箇所が切断された上記(4)又は(5)に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板である。
断線及び短絡の検査後の基板について、検査用配線パターンの電気的接続を解消し、不要となった検査用電極パッドを排除することにより、検査機能を除去し、電子回路等の回路パターンのみが形成された基板を製造することができる。
参考例1
図1は、本発明に係る参考例を示す平面図である。
図1に示す如く、参考例1に係る基板10上には、電気的に独立して形成された複数の配線7a〜7nからなる回路パターンが形成されている。図1に示す回路パターンは、タッチパネルのタッチセンサーに使用されるものである。図1に示す如く、第一検査用配線パターン1は、回路パターンの中心に位置する基準配線7hより,並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続して形成されている。具体的には、基準配線7hは、基準配線7hに隣接する配線7gの外側の配線7fに直列接続している。次いで、配線7fは7jに直列接続し、更に7d、7l、7b,7nの順に直列接続されている。このように第一検査用配線パターン1は、並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
また、図1に示す如く、第二検査用配線パターン2は、前記基準配線7hに隣接する配線7gより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続している。具体的には、7g、7i、7e、7k、7c、7m、7aの順に直列接続されている。第二検査用配線パターン2も、第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
検査用電極パッドA1、A2、B1、B2はプリント基板10上に形成されるが、図1に示す如く、回路パターンが形成された一点鎖線で示された領域Tの外側に設置されるのが好ましい。また、プリント基板10を領域Tで切断することによって、検査用電極パッドA1、A2、B1、B2及び検査用配線パターン1,2における複数の配線の端部同士の接続されている箇所が切り離されたプリント基板を製造することもできる。
このような構成を採用することによって、第一検査用配線パターンの両端部A1及びA2をテスターにより導通検査することにより、回路パターンの断線の有無を検査することができる。また、同様に第二検査用配線パターンの両端部B1及びB2をテスターにより導通検査することにより、回路パターンの断線の有無を検査することができる。更に、第一検査用配線パターンの一端部A1と、第二検査用配線パターンの一端部B2をテスターにより導通検査することにより、回路パターンにおける短絡の有無を検査することができる。短絡の検査は、第一検査用配線パターンの端部A2と、第二検査用配線パターンの端部B1間の導通検査でも良く、第一検査用配線パターンの端部A1と、第二検査用配線パターンの端部B1間の導通検査、また第一検査用配線パターンの端部A2と第二検査用配線パターンの端部B2間の導通検査でも良い。
参考例1に係る検査用配線パターンを有する基板を用いれば、一台のテスターによる3回の導通検査によって、断線及び短絡という電気的欠陥を検出することが可能となる。これは従来技術による断線及び短絡の検査方法に比較して、格段に検査工程を省略できるため、より簡便かつ短時間で検査工程を終えることができる。
図2は、本発明に係る他の検査用配線パターンを有するプリント基板を示す平面図である。図2に示されたプリント基板は、ロール・ツー・ロール方式で製造される際の状態を示すものである。すなわち、本実施形態1に係る検査用配線パターンを有するプリント基板は、ロール状に巻いた基板に複数の回路パターンを形成したものを、他のロールに巻き取ることによって、効率良く量産する工程に用いることができる。
図2に示す如く、実施形態1に係るプリント基板20上には、電気的に独立して形成された複数の配線17a〜17nからなる複数の回路パターンが形成されている。図2に示す如く、第一検査用配線パターン11は、回路パターンの中心に位置する基準配線17hより、並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続して形成されている。具体的には、基準配線17hは、基準配線17hの外側の配線17gに隣接する配線17fに直列接続している。次いで、配線17fは17jに直列接続し、更に17d、17l、17b,17nの順に直列接続されている。このように第一検査用配線パターン11は、並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
また、図2に示す如く、第二検査用配線パターン12は、前記基準配線17hに隣接する配線17gより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続している。具体的には、17g、17i、17e、17k、17c、17m、17aの順に直列接続されている。第二検査用配線パターン12も、第一検査用配線パターン11と同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
図2において、配線パターン11,12は参考例1のような渦巻形状ではないが、これは検査用電極パッドの配置位置を確保するために、一部配線パターンを迂回させているためであり、実施形態1に係る配線パターンは参考例1の配線パターンと同じである。本発明における渦巻形状とは、図2に示すような形態の配線パターンも含まれるものとする。
本実施形態1に係る検査用配線パターンは、図2に示す如く、帯状の基板に複数同じものが形成されている。上述した検査用配線パターンは、図2の右側の配線パターンも同様に形成されている。
本実施形態1に係る検査用配線パターンを有するプリント基板は、検査用電極パッドA11、A12、B11、B12が、プリント基板20上における同縁側に集めて形成されている点に特徴を有する。
通常、ロール・ツー・ロール方式においては、テスターによる導通検査は、一人の従業者が流れてくる回路パターンを一つずつ手作業で検査をすることになる。このような構成を採用することにより、検査用電極パッドを近接した箇所にまとめて配設することができるため、ロール・ツー・ロール方式における導通検査の利便性が飛躍的に向上することが期待できる。
10,20 プリント基板
2,12 第二検査用配線パターン
7h,17h 基準配線
7g,17g 基準配線に隣接する配線
A1,A2,B1,B2、A11,A12,B11,B12 検査用電極パッド
Claims (4)
- プリント基板上に形成された回路パターンにおける電気的に独立して形成された複数の配線を第一検査用配線パターンと第二検査用配線パターンによって回路パターンの断線及び短絡を検査する検査方法において、前記第一検査用配線パターンは回路パターンの中心に位置する基準配線より並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続して形成され、前記第二検査用配線パターンは前記基準配線に隣接する配線より並列に並ぶ複数の配線を1本おきに前記第一検査用配線パターンが接続していない他の配線と電気的に直列接続して形成され、前記第一検査用配線パターンは、検査用電極パッドを基準配線の片端部に接続し、更に基準配線の他端部が基準配線に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、更に前記外側の配線の他端部と基準配線の他方側に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、このような接続の繰返しにより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されており、また、前記第二検査用配線パターンは、基準配線に隣接する配線の端部に検査用電極パッドが接続され、かつ検査用電極パッドの接続は第一検査用配線パターンにおける検査用電極パッドが接続された基準配線の端部とは反対側に接続され、前記第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成され、前記第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの両端部に接続された四箇所の検査用電極パッドが、プリント基板上における同縁側に集めて形成され、前記第一検査用配線パターンの両端部及び前記第二検査用配線パターンの両端部を導通検査することによって断線検査をし、前記第一検査用配線パターンの片端部と前記第二検査用配線パターンの片端部を導通検査することによって短絡検査を行うことを特徴とする回路パターンの断線及び短絡の検査方法。
- 第一検査用配線パターンと第二検査用配線パターンによって回路パターンの断線及び短絡の検査を行うことができるプリント基板において、当該プリント基板上には並列に並んだ複数の配線により回路パターンが形成されており、前記第一検査用配線パターンは回路パターンの中心に位置する基準配線の片端部に検査用電極パッドが接続されており、基準配線の他端部が前記基準配線に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、更に前記外側の配線の他端部と基準配線の他方側に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、このような接続の繰返しにより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されており、前記第二検査用配線パターンは、基準配線に隣接する配線の端部に検査用電極パッドが接続され、かつ検査用電極パッドの接続は第一検査用配線パターンにおける検査用電極パッドが接続された基準配線の端部とは反対側にされ、前記第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成され、前記第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの両端部に接続された四箇所の検査用電極パッドがプリント基板上における同縁側に集めて形成されていることを特徴とする検査用配線パターンを有するプリント基板。
- 前記第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの端部に接続された四箇所の検査用電極パッド及び検査用配線パターンにおける複数の配線の端部を接続する箇所は、プリント基板上における回路パターンが形成された領域の外側に設置されていることを特徴とする請求項2に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板。
- 前記四箇所の検査用電極パッド及び検査用配線パターンにおける複数の配線の端部同士の接続されている箇所が切断された請求項3に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板。
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