ところが、出願人が開示している基板検査装置には、以下のような改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示している基板検査装置では、検査対象の回路基板(以下、「検査対象基板」ともいう)における一対の検査ポイント(一対の導体パターン)の間の絶縁検査に先立ち、両検査ポイントに一対の検査用プローブをそれぞれ接触させた状態において両検査ポイント(両検査用プローブ)と電極部(電極)との間の静電容量を個別に測定し、測定された静電容量と接触状態判別用データと比較することによって両検査用プローブが検査ポイントにそれぞれ正常に接触しているか否かを確認する確認処理を実行する構成・方法が採用されている。
一方、出願人は、電極部(電極)の上に検査対象基板を載置して検査するタイプの基板検査装置だけでなく、検査対象基板の端部を挟持した状態において検査対象基板上の各検査ポイントに検査用プローブを順次接触させて検査するタイプの基板検査装置を開発している。このような基板検査装置では、検査用プローブを接触させた検査ポイントの導体パターンと対向する電極部が存在しないため、上記特許文献に開示した基板検査装置のように検査用プローブ(検査ポイント:導体パターン)と電極部(電極)との間の静電容量を測定して検査用プローブが正常に接触しているか否かを確認することができない。
そこで、出願人は、例えば電極部が存在しない基板検査装置によって検査対象基板を検査する際に、一対の検査ポイントの間の絶縁検査に先立ち、両検査ポイントに一対の検査用プローブをそれぞれ接触させた状態において両検査用プローブの間(両検査ポイントの間)の静電容量を測定し、測定された静電容量と接触状態判別用データと比較することによって両検査用プローブが検査ポイントにそれぞれ正常に接触しているか否かを確認する確認処理を実行する構成・検査方法を試みた。
しかしながら、確認処理に際して両検査用プローブの間(両ポイントの間)の静電容量を測定して接触状態判別用データと比較する構成・方法では、正常に絶縁されている両検査ポイントに両検査用プローブが正常に接触しているか否かを正しく判別することができるものの、絶縁不良が生じている両検査ポイントについては、両検査用プローブが正常に接触しているにも拘わらず、正常に接触していないと誤って判別されることがあるのを見出した。
具体的には、正常に絶縁されている一対の検査ポイントに例えば一方の検査用プローブが正常に接触しているものの、他方の検査用プローブが正常に接触していないときには、非接触の検査用プローブと検査ポイントとの間の静電容量、および両検査ポイントの間の静電容量の大きさに応じた極く少量の電流が両検査用プローブの間を流れることとなる。したがって、このような状態のときには、接触状態判別用データによって規定されている基準容量値を下回る極く小さな静電容量が演算(測定)されるため、検査用プローブが検査ポイントに正常に接触していないと判別することができる。
また、正常に絶縁されている一対の検査ポイントに両検査用プローブが正常に接触しているときには、両検査ポイントの間の静電容量の大きさに応じた電流が両検査用プローブの間を流れることとなる。したがって、このような状態のときには、接触状態判別用データによって規定されている基準容量値以上の静電容量が演算(測定)されるため、検査用プローブが検査ポイントに正常に接触していると判別することができる。なお、正常に絶縁されている両検査ポイントに両検査用プローブが正常に接触している状態においては、両検査ポイントの間に交流電圧を印加したときに、両検査ポイントの間の静電容量の存在により、電圧波形に対して位相が90度進んだ電流波形が検出される。
一方、相互に絶縁されているべき両検査ポイントの導体パターン間に製造不良等に起因する短絡箇所が存在するとき(絶縁不良が存在するとき)には、その短絡箇所の位置や形状(絶縁不良の状態)によっては、その短絡箇所が両導体パターンに跨がるインダクタンス成分が存在するのと等価となることがある。このような場合には、存在して然るべき静電容量と、本来は存在していないインダクタンス成分とが両検査ポイントの間に存在する状態となる。
このような絶縁不良が生じている一対の検査ポイントに、両検査用プローブのいずれか(または双方)が正常に接触していないときには、両検査用プローブの間を流れる電流値が極く少量となり、接触状態判別用データによって規定されている基準容量値を下回る極く小さな静電容量が演算(測定)される。このため、検査用プローブが検査ポイントに正常に接触していないと判別することができる。
しかしながら、上記のような短絡箇所(インダクタンス成分)が存在する両検査ポイントに両検査用プローブがそれぞれ正常に接触しているときには、両検査ポイントの間に交流電圧を印加した際に、両検査ポイントの間の静電容量の大きさに応じた電流の電流値、およびインダクタンス成分を介して両検査用ポイントの間を流れる電流の電流値が測定されることとなる。この場合、インダクタンス成分が存在する両検査ポイント間に交流電圧を印加したときには、電圧波形に対して位相が90度遅れた電流波形、すなわち、両検査ポイント間に静電容量だけが存在する状態において検出される電流波形に対して位相が180°遅れたが電流波形が検出される。
したがって、両検査ポイントに両検査用プローブが正常に接触しているにも拘わらず、インダクタンス成分の存在と等価の短絡箇所の存在に起因して、測定のタイミング(電流値のサンプリング周期)によっては、両検査ポイント間の静電容量の大きさに応じた電流値よりも小さな電流値、または、マイナスの電流値が測定されることがある。このような場合には、接触状態判別用データによって規定されている基準容量値を下回る極く小さな静電容量、またはマイナスの値の静電容量が演算(測定)されるため、検査用プローブが検査ポイントに正常に接触していないと誤って判別されてしまう。したがって、両検査用プローブを接触させた一対の検査ポイント間の絶縁状態を検査することができないため、この点を改善する必要がある。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、検査対象基板の導体パターンと対向する電極が存在しなくても、一対の検査用プローブが検査ポイントに正常に接触しているか否かを確実に判別し得る基板検査装置および基板検査方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1記載の基板検査装置は、検査対象基板に接触させられる一対の検査用プローブと、前記両検査用プローブを移動させる移動機構と、前記両検査用プローブを介して予め規定された検査用被測定量を測定する測定部と、前記移動機構を制御して前記検査対象基板上の一対の検査ポイントに前記両検査用プローブをそれぞれ接触させるプロービング処理、および前記測定部を制御して前記検査用被測定量を測定させると共に当該測定部による測定結果に基づいて前記一対の検査ポイントの間の良否を判別する検査処理を実行する処理部とを備えた基板検査装置であって、前記処理部は、前記検査対象基板において相互に絶縁されているべき前記一対の検査ポイントの間の良否を検査するときに、前記プロービング処理を実行して当該両検査ポイントに前記両検査用プローブをそれぞれ接触させた後に、前記測定部を制御して前記両検査用プローブの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において当該両検査用プローブの間を流れる電流の電流値を測定させる第1の処理を実行すると共に、当該第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイントの間の静電容量値を演算する第2の処理を実行し、前記第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値以上のときには、前記両検査ポイントを対象とする前記検査処理を実行すると共に、前記第2の処理によって演算した静電容量値が前記第1の基準値を下回るときには、前記第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイント間のインピーダンス値を演算する第3の処理を実行し、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値以下のときには、前記両検査ポイントを対象とする前記検査処理を実行すると共に、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が前記第2の基準値を超えているときには、前記両検査用プローブが前記両検査ポイントに正常に接触していないと判別して前記検査処理を実行することなく予め規定された第4の処理を実行する。
また、請求項2記載の基板検査装置は、検査対象基板に接触させられる一対の検査用プローブと、前記両検査用プローブを移動させる移動機構と、前記両検査用プローブを介して予め規定された検査用被測定量を測定する測定部と、前記移動機構を制御して前記検査対象基板上の一対の検査ポイントに前記両検査用プローブをそれぞれ接触させるプロービング処理、および前記測定部を制御して前記検査用被測定量を測定させると共に当該測定部による測定結果に基づいて前記一対の検査ポイントの間の良否を判別する検査処理を実行する処理部とを備えた基板検査装置であって、前記処理部は、前記検査対象基板において相互に絶縁されているべき前記一対の検査ポイントの間の良否を検査するときに、前記プロービング処理を実行して当該両検査ポイントに前記両検査用プローブをそれぞれ接触させた後に、前記測定部を制御して前記両検査用プローブの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において当該両検査用プローブの間を流れる電流の電流値を測定させる第1の処理を実行すると共に、当該第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイントの間の静電容量値を演算する第2の処理を実行し、前記第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値以上のときには、前記両検査ポイントを対象とする前記検査処理を実行すると共に、前記第2の処理によって演算した静電容量値が前記第1の基準値を下回るときには、前記第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイント間のインピーダンス値を演算する第3の処理を実行し、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値以下のときには、前記検査処理を実行することなく前記両検査ポイント間の絶縁状態が不良であると判別すると共に、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が前記第2の基準値を超えているときには、前記両検査用プローブが前記両検査ポイントに正常に接触していないと判別して前記検査処理を実行することなく予め規定された第4の処理を実行する。
さらに、請求項3記載の基板検査装置は、請求項1または2記載の基板検査装置において、前記処理部は、前記両検査用プローブが正常に接触していないと判別した前記両検査ポイントを対象とする前記プロービング処理を前記第4の処理として実行した後に、前記第1の処理および前記第2の処理を再び実行すると共に、当該第2の処理によって演算した静電容量値に応じて前記検査処理、および前記第3の処理以降の各処理のいずれかを実行する。
また、請求項4記載の基板検査方法は、前記検査対象基板上の一対の検査ポイントに一対の検査用プローブをそれぞれ接触させるプロービング処理、および前記両検査用プローブを介して予め規定された検査用被測定量を測定すると共にその測定結果に基づいて前記一対の検査ポイントの間の良否を判別する検査処理を実行する基板検査方法であって、前記検査対象基板において相互に絶縁されているべき前記一対の検査ポイントの間の良否を検査するときに、前記プロービング処理を実行して当該両検査ポイントに前記両検査用プローブをそれぞれ接触させた後に、前記両検査用プローブの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において当該両検査用プローブの間を流れる電流の電流値を測定する第1の処理を実行すると共に、当該第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイントの間の静電容量値を演算する第2の処理を実行し、前記第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値以上のときには、前記両検査ポイントを対象とする前記検査処理を実行すると共に、前記第2の処理によって演算した静電容量値が前記第1の基準値を下回るときには、前記第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイント間のインピーダンス値を演算する第3の処理を実行し、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値以下のときには、前記両検査ポイントを対象とする前記検査処理を実行すると共に、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が前記第2の基準値を超えているときには、前記両検査用プローブが前記両検査ポイントに正常に接触していないと判別して前記検査処理を実行することなく予め規定された第4の処理を実行する。
また、請求項5記載の基板検査方法は、前記検査対象基板上の一対の検査ポイントに一対の検査用プローブをそれぞれ接触させるプロービング処理、および前記両検査用プローブを介して予め規定された検査用被測定量を測定すると共にその測定結果に基づいて前記一対の検査ポイントの間の良否を判別する検査処理を実行する基板検査方法であって、前記検査対象基板において相互に絶縁されているべき前記一対の検査ポイントの間の良否を検査するときに、前記プロービング処理を実行して当該両検査ポイントに前記両検査用プローブをそれぞれ接触させた後に、前記両検査用プローブの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において当該両検査用プローブの間を流れる電流の電流値を測定する第1の処理を実行すると共に、当該第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイントの間の静電容量値を演算する第2の処理を実行し、前記第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値以上のときには、前記両検査ポイントを対象とする前記検査処理を実行すると共に、前記第2の処理によって演算した静電容量値が前記第1の基準値を下回るときには、前記第1の処理において測定された電流値に基づいて前記両検査ポイント間のインピーダンス値を演算する第3の処理を実行し、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値以下のときには、前記検査処理を実行することなく前記両検査ポイント間の絶縁状態が不良であると判別すると共に、前記第3の処理によって演算したインピーダンス値が前記第2の基準値を超えているときには、前記両検査用プローブが前記両検査ポイントに正常に接触していないと判別して前記検査処理を実行することなく予め規定された第4の処理を実行する。
さらに、請求項6記載の基板検査方法は、請求項4または5記載の基板検査方法において、前記両検査用プローブが正常に接触していないと判別した前記両検査ポイントを対象とする前記プロービング処理を前記第4の処理として実行した後に、前記第1の処理および前記第2の処理を再び実行すると共に、当該第2の処理によって演算した静電容量値に応じて前記検査処理、および前記第3の処理以降の各処理のいずれかを実行する。
請求項1記載の基板検査装置、および請求項4記載の基板検査方法では、検査対象基板において相互に絶縁されているべき一対の検査ポイントの間の良否を検査するときに、プロービング処理を実行して両検査ポイントに両検査用プローブをそれぞれ接触させた後に、両検査用プローブの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において両検査用プローブの間を流れる電流の電流値を測定させる第1の処理を実行すると共に、第1の処理において測定された電流値に基づいて両検査ポイントの間の静電容量値を演算する第2の処理を実行し、第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値以上のときには、両検査ポイントを対象とする検査処理を実行すると共に、第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値を下回るときには、第1の処理において測定された電流値に基づいて両検査ポイント間のインピーダンス値を演算する第3の処理を実行し、第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値以下のときには、両検査ポイントを対象とする検査処理を実行すると共に、第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値を超えているときには、両検査用プローブが両検査ポイントに正常に接触していないと判別して検査処理を実行することなく予め規定された第4の処理を実行する。
したがって、請求項1記載の基板検査装置、および請求項4記載の基板検査方法によれば、インダクタンス成分が存在するのと等価の短絡箇所が存在する両検査ポイントについて、検査処理の開始に先立って両検査用プローブが正常に接触しているか否かを判別するときに、検査ポイントに両検査用プローブが正常に接触しているにも拘わらず、静電容量値に基づいて正常に接触していないと誤って判別されることなく、インピーダンス値に基づいて正常に接触していると正しく判別することができる。これにより、検査対象基板の導体パターンと対向する電極が存在しなくても、検査ポイントに両検査用プローブが正常に接触しているか否かを確実に判別し、その検査ポイントについての検査処理を確実に実行することができる。
請求項2記載の基板検査装置、および請求項5記載の基板検査方法では、検査対象基板において相互に絶縁されているべき一対の検査ポイントの間の良否を検査するときに、プロービング処理を実行して両検査ポイントに両検査用プローブをそれぞれ接触させた後に、両検査用プローブの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において両検査用プローブの間を流れる電流の電流値を測定させる第1の処理を実行すると共に、第1の処理において測定された電流値に基づいて両検査ポイントの間の静電容量値を演算する第2の処理を実行し、第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値以上のときには、両検査ポイントを対象とする検査処理を実行すると共に、第2の処理によって演算した静電容量値が予め規定された第1の基準値を下回るときには、第1の処理において測定された電流値に基づいて両検査ポイント間のインピーダンス値を演算する第3の処理を実行し、第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値以下のときには、検査処理を実行することなく両検査ポイント間の絶縁状態が不良であると判別すると共に、第3の処理によって演算したインピーダンス値が予め規定された第2の基準値を超えているときには、両検査用プローブが両検査ポイントに正常に接触していないと判別して検査処理を実行することなく予め規定された第4の処理を実行する。
したがって、請求項2記載の基板検査装置、および請求項5記載の基板検査方法によれば、インダクタンス成分が存在するのと等価の短絡箇所が存在する両検査ポイントについて、検査処理の開始に先立って両検査用プローブが正常に接触しているか否かを判別するときに、検査ポイントに両検査用プローブが正常に接触しているにも拘わらず、演算される静電容量値に基づいて正常に接触していないと誤って判別される事態を好適に回避できるだけでなく、絶縁状態が不良であることで低いインピーダンス値が測定される不良の検査ポイントについての不要な検査処理を実行しなくて済む分だけ、検査対象基板の検査に要する時間を充分に短縮することができる。
請求項3記載の基板検査装置、および請求項6記載の基板検査方法では、両検査用プローブが正常に接触していないと判別した両検査ポイントを対象とするプロービング処理を第4の処理として実行した後に、第1の処理および第2の処理を再び実行すると共に、第2の処理によって演算した静電容量値に応じて検査処理、および第3の処理以降の各処理のいずれかを実行する。
したがって、請求項3記載の基板検査装置、および請求項6記載の基板検査方法によれば、例えば検査ポイントと両検査用プローブとの間に異物が挟まるなどして検査ポイントに両検査用プローブが一時的に接触できなかったとしても、第4の処理としてのプロービング処理において、その検査ポイント(または、その検査ポイントの極く近傍の新たな検査ポイント)に対するプロービング処理を実行することで、異物が排除されて両検査用プローブを正常に接触させることができる。また、他の検査ポイントについてのプロービング処理を第4の処理として実行することで、例えば、検査対象基板の製造不良に起因して検査ポイントが絶縁膜で覆われた状態となっており、その検査ポイントに対するプロービング処理を何度実行しても両検査用プローブを正常に接触させることができないときに、そのような検査ポイントに対する不要なプロービング処理を繰り返すことがない分だけ1枚の検査対象基板の検査に要する時間を充分に短縮することができる。
以下、基板検査装置および基板検査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す基板検査装置1は、「基板検査装置」の一例であって、基板保持機構2、コンタクトプローブ3a,3b、移動機構4a,4b、測定部5、操作部6、表示部7、処理部8および記憶部9を備え、後述する「基板検査方法」に従って検査対象基板Xの良否を電気的に検査可能に構成されている。
この場合、検査対象基板Xは「検査対象基板」の一例であって、図2に示すように、導体パターンYa,Ybなどの複数の導体パターン(以下、区別しないときには「導体パターンY」ともいう)が形成されている。また、検査対象基板Xには、隣接する一対の導体パターンY,Y間の絶縁状態や、各導体パターンY毎の導通状態を検査するための複数の「検査ポイント」が規定されている。具体的には、一例として、上記の導体パターンYa,Ybの間の絶縁状態を検査するための「検査ポイント」としては、導体パターンYa上に検査ポイントPaが規定され、導体パターンYb上に検査ポイントPbが規定されているものとする。以下、検査ポイントPa,Pb等を区別しないときには「検査ポイントP」ともいう。
一方、基板保持機構2は、一例として、検査対象基板Xの端部を挟持して所定の検査位置に保持することができるように構成されている。コンタクトプローブ3a,3bは、「一対の検査用プローブ」の一例である伸縮型のピンプローブであって、測定部5に対してそれぞれ電気的に接続されている。移動機構4a,4bは、「移動機構」の一例であって、本例では、移動機構4aが処理部8の制御に従ってコンタクトプローブ3aを任意のXY方向(検査対象基板Xの表面に沿った方向)およびZ方向(検査対象基板Xの表面に垂直な方向)に移動させて任意の検査ポイントPに接触させ、移動機構4bが処理部8の制御に従ってコンタクトプローブ3bを任意のXYZ方向に移動させて任意の検査ポイントPに接触させる構成が採用されている。
測定部5は、「測定部」の一例であって、後述するように、処理部8の制御に従い、検査対象基板Xに規定された各検査ポイントP,P・・のうちの任意の2箇所にそれぞれ接触させられた両コンタクトプローブ3a,3bを介して両検査ポイントP,Pの間についての各種の電気的パラメータを測定して測定値データD1を出力する測定処理を実行する。なお、測定部5による測定処理については、後に詳細に説明する。
操作部6は、基板検査装置1の動作条件の設定操作や、検査処理の開始/停止を指示する操作が可能な操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部8に出力する。表示部7は、処理部8の制御に従い、基板検査装置1の動作条件を設定する設定画面、検査対象基板Xについての検査時における動作状態の表示画面、および検査対象基板Xに検査結果などを表示する。
処理部8は、「処理部」の一例であって、基板検査装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部8は、図3に示す基板検査処理10を実行して検査対象基板Xの良否を検査し、その検査結果を表示部7に表示させると共に、検査結果データD2を生成して外部装置に出力可能に記憶部9に記憶させる。
より具体的には、処理部8は、両移動機構4a,4bを制御して検査対象基板X上に規定された各検査ポイントP,P・・のうちの一対の検査ポイントP,Pに両コンタクトプローブ3a,3bをそれぞれ接触させる「プロービング処理」を実行する。また、処理部8は、測定部5を制御して測定処理を実行させて「予め規定された検査用被測定量」を測定させると共に、測定処理の測定結果に基づいて両検査ポイントP,Pの間の良否を判別する「検査処理」を実行する。
さらに、本例の基板検査装置1における処理部8は、上記の「プロービング処理」の完了後、「検査処理」の開始に先立ち、両コンタクトプローブ3a,3bが接触させられているべき検査ポイントP,Pに正常に接触しているか否かを判別する「確認処理」を実行する構成が採用されている。なお、この「確認処理」については、後に詳細に説明する。
記憶部9は、処理部8の動作プログラム、検査対象基板Xについての検査用データD0、測定部5から出力される測定値データD1、および処理部8によって生成される検査結果データD2などを記憶する。
次に、基板検査装置1による検査対象基板Xの検査方法について添付図面を参照して説明する。
なお、検査対象基板Xの良否を検査する際には、前述したように、隣接する一対の導体パターンY,Y間の絶縁状態の検査(絶縁検査)、および各導体パターンY毎の導通状態の検査(導通検査)などの複数種類の検査項目をそれぞれ実行するが、「基板検査装置」および「基板検査方法」についての理解を容易とするために、これらの検査項目のうちの「絶縁検査」の方法(「検査対象基板において相互に絶縁されているべき一対の検査ポイントの間の良否を検査するとき」の一例)について以下に説明する。
まず、検査対象基板Xを基板保持機構2によって保持させて検査位置に位置させる。この状態において、操作部6の操作によって検査の開始が指示されたときに、処理部8は、図3に示す基板検査処理10を開始する。
この基板検査処理10では、処理部8は、まず、検査用データD0に基づいて「プロービング処理」を実行する(ステップ11)。具体的には、一例として、図2に示す導体パターンYa,Yb間の絶縁検査に際して、処理部8は、移動機構4aを制御して導体パターンYaの検査ポイントPaにコンタクトプローブ3aを接触させると共に、移動機構4bを制御して導体パターンYbの検査ポイントPbにコンタクトプローブ3bを接触させる。
次いで、処理部8は、検査用データD0に基づき、「確認処理」を実行する。具体的には、処理部8は、測定部5を制御してコンタクトプローブ3a,3bの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において両コンタクトプローブ3a,3bの間を流れる電流の電流値を測定させる(「第1の処理」としての「測定処理」の実行:ステップ12)。これに応じて、測定部5が、測定した電流値を示す測定値データD1を処理部8に出力し、処理部8は、出力された測定値データD1を記憶部9に記憶させる。
続いて、処理部8は、コンタクトプローブ3a,3bの間に印加した交流電圧の電圧値、および上記の測定値データD1に基づき、導体パターンYa,Yb間(検査ポイントPa,Pb)の間の静電容量Cの静電容量値を演算する(「第2の処理」の実行:ステップ13)。
この場合、図2に示すように、絶縁検査をすべき導体パターンYa,Ybは、短絡箇所等が生じ得る近接パターンであるため、同図に示すように、両導体パターンYa,Ybの間には静電容量Cが存在する。したがって、両導体パターンYa,Ybが正常に絶縁されている状態(導体パターンYa,Ybの間にインダクタンス成分Lが存在するのと等価の短絡箇所が存在しない状態)において、検査ポイントPa(導体パターンYa)にコンタクトプローブ3aが正常に接触させられ、かつ検査ポイントPb(導体パターンYb)にコンタクトプローブ3bが正常に接触させられているときには、上記の「測定処理」において、静電容量Cの大きさに応じた電流値(以下、「正常時電流値」ともいう)が測定される。
したがって、正常に絶縁された両導体パターンYa,Ybの検査ポイントPa,Pbにコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触させられているときには、正常時電流値に基づき、検査用データD0に記録されている接触状態判別用の基準値(基準静電容量値:「第1の基準値」の一例)以上の静電容量値が演算される。この際に、処理部8は、静電容量値が基準値以上であると判別し(ステップ14)、両コンタクトプローブ3a,3bが検査ポイントPa,Pbに正常に接触していると判別して「確認処理」を完了し(ステップ15)、検査ポイントPa,Pbの間の絶縁検査を開始する(ステップ16)。
具体的には、一例として、処理部8は、検査ポイントPa,Pbにコンタクトプローブ3a,3bを接触させた状態を維持しつつ、測定部5を制御して検査ポイントPa,Pb間(導体パターンYa,Yb間)の抵抗値(「予め規定された検査用被測定量」の一例)を測定させる。
また、処理部8は、測定された抵抗値が検査用データD0に記憶されている基準抵抗値以上のときには、検査ポイントPa,Pb間(導体パターンYa,Yb間)が正常に絶縁されていると判別し、良好との判別結果およびその抵抗値を検査ポイントPa,Pbに関連付けて検査結果データD2に記録する。また、処理部8は、測定された抵抗値が検査用データD0に記憶されている基準抵抗値を下回るときには、検査ポイントPa,Pb間(導体パターンYa,Yb間)が正常に絶縁されていないと判別し、不良との判別結果およびその抵抗値を検査ポイントPa,Pbに関連付けて検査結果データD2に記録する。
続いて、処理部8は、絶縁検査を実行すべき他の検査ステップ(他の検査ポイントP,P)が存在するか否かを判別し(ステップ17)、検査すべき検査ステップが存在するときには、ステップ11に戻り、対象の検査ポイントP,Pに対する「プロービング処理」を実行する。
一方、前述したステップ11の「プロービング処理」において、検査ポイントPa(導体パターンYa)にコンタクトプローブ3aが正常に接触させられ、かつ検査ポイントPb(導体パターンYb)にコンタクトプローブ3bが正常に接触させられていたとしても、図2に示すように、導体パターンYa,Ybの間にインダクタンス成分Lが存在するのと等価の短絡箇所が存在している状態(両導体パターンYa,Ybが正常に絶縁されていない状態)では、ステップ12の「測定処理」において、測定のタイミング(電圧値のサンプリング周期)によっては、正常時電流値よりも小さな値の電流値、または、マイナス値の電流値(以下、「短絡箇所存在時電流値」ともいう)が測定されることがある。
また、導体パターンYa,Yb間の絶縁状態を問わず、前述したステップ11の「プロービング処理」において、コンタクトプローブ3a,3bのいずれか、または双方が検査ポイントPa,Pb(導体パターンYa,Yb)に正常に接触されていないときには、ステップ12の「測定処理」において、正常時電流値よりも小さな値の電流値(以下、「接触不良時電流値」ともいう)が測定される。
したがって、両導体パターンYa,Yb間が正常に絶縁されていないときや、コンタクトプローブ3a,3bのいずれか、または双方が検査ポイントPa,Pbに正常に接触していないときには、短絡箇所存在時電流値、または接触不良時電流値に基づき、検査用データD0に記録されている接触状態判別用の基準値を下回る静電容量値が演算される。この際に、処理部8は、静電容量値が基準値を下回ると判別し(ステップ14)、検査ポイントPa,Pb間に印加した交流電圧の電圧値、および記憶部9に記憶させた測定値データD1の値(電流値)に基づき、両検査ポイントPa,Pb間のインピーダンス値を演算する(「第3の処理」の実行:ステップ18)。
この場合、インダクタンス成分Lが存在するのと等価の短絡箇所が存在する導体パターンYa,Yb(検査ポイントPa,Pbに両コンタクトプローブ3a,3bが正常に接触させられているときには、短絡箇所存在時電流値に基づき、検査用データD0に記録されている接触状態判別用の基準値(基準インピーダンス値:「第2の基準値」の一例)以下のインピーダンス値が演算される。この際に、処理部8は、インピーダンス値が基準値以下であると判別し(ステップ19)、両コンタクトプローブ3a,3bが検査ポイントPa,Pbに正常に接触していると判別して「確認処理」を完了する(ステップ15)。また、処理部8は、前述したステップ16以降の処理を実行する。
一方、導体パターンYa,Yb間の絶縁状態を問わず、前述したステップ11の「プロービング処理」において、コンタクトプローブ3a,3bのいずれか、または双方が検査ポイントPa,Pb(導体パターンYa,Yb)に正常に接触されていないときには、接触不良時電流値に基づき、検査用データD0に記録されている接触状態判別用の基準値(基準インピーダンス値:「第2の基準値」)を超えるインピーダンス値が演算される。この際に、処理部8は、インピーダンス値が基準値を超えると判別し(ステップ19)、両コンタクトプローブ3a,3bが検査ポイントPa,Pbに正常に接触していないと判別して「確認処理」を完了する(ステップ20)。
この際に、処理部8は、まず、その検査ポイントPa,Pbにコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触していないと判別したのが初回であるか否かを判別する(ステップ21)。この場合、本例では、上記のステップ20の判別が検査ポイントPa,Pbに対する初回の判別結果であるため、処理部8は、上記のステップ11に戻り、その検査ポイントPa,Pbにコンタクトプローブ3a,3bを再び接触させる「フロービング処理」を実行する(「第4の処理」としての「再プロービング処理」の実行:ステップ22)。次いで、処理部8は、上記のステップ12以降の各処理を再び実行する。
この場合、例えば、検査ポイントPa,Pbのいずれか、または双方が製造不良等に起因して絶縁膜で覆われた状態となっていたり、検査ポイントPa,Pbのいずれか、または双方にコンタクトプローブ3a,3bの接触を妨げる異物が付着した状態となっていたりしたときには、上記のステップ22の「プロービング処理」を行っても、検査ポイントPa,Pbにコンタクトプローブ3a,3bを正常に接触させることができない。この際に、処理部8は、検査ポイントPa,Pbにコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触していないと判別すると共に(ステップ20)、その検査ポイントPa,Pbに対する接触不良との判別が初回ではないと判別する(ステップ21)。
この際に、処理部8は、検査ポイントPa,Pbに対する絶縁検査を実施することができないと判別して(ステップ23)、そのような判別結果を検査結果データD2に記録し、絶縁検査を実行すべき他の検査ステップ(他の検査ポイントP,P)が存在するか否かを判別する(ステップ17)。また、上記の一連の各処理を実行することにより、すべての検査ステップ(絶縁検査を実行すべきすべての検査ポイントP,P)についての検査を終了したときに、処理部8は、この基板検査処理10を終了する。
このように、この基板検査装置1、およびその基板検査方法では、検査対象基板Xにおいて相互に絶縁されているべき一対の検査ポイントP,Pの間の良否を検査するときに、「プロービング処理」を実行して両検査ポイントP,Pに両コンタクトプローブ3a,3bをそれぞれ接触させた後に、両コンタクトプローブ3a,3bの間に予め規定された電圧値の交流電圧を印加させた状態において両コンタクトプローブ3a,3bの間を流れる電流の電流値を測定させる「第1の処理」を実行すると共に、「第1の処理」において測定された電流値に基づいて両検査ポイントP,Pの間の静電容量値を演算する「第2の処理」を実行し、「第2の処理」によって演算した静電容量値が予め規定された「第1の基準値」以上のときには、両検査ポイントP,Pを対象とする「検査処理」を実行すると共に、「第2の処理」によって演算した静電容量値が予め規定された「第1の基準値」を下回るときには、「第1の処理」において測定された電流値に基づいて両検査ポイントP,P間のインピーダンス値を演算する「第3の処理」を実行し、「第3の処理」によって演算したインピーダンス値が予め規定された「第2の基準値」以下のときには、両検査ポイントP,Pを対象とする「検査処理」を実行すると共に、「第3の処理」によって演算したインピーダンス値が予め規定された「第2の基準値」を超えているときには、両コンタクトプローブ3a,3bが両検査ポイントP,Pに正常に接触していないと判別して「検査処理」を実行することなく予め規定された「第4の処理」を実行する。
したがって、この基板検査装置1、およびその基板検査方法によれば、インダクタンス成分Lが存在するのと等価の短絡箇所が存在する検査ポイントP,Pについて、「検査処理(絶縁検査)」の開始に先立ってコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触しているか否かを判別するときに、検査ポイントP,Pにコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触しているにも拘わらず、静電容量値に基づいて正常に接触していないと誤って判別されることなく、インピーダンス値に基づいて正常に接触していると正しく判別することができる。これにより、検査対象基板Xの導体パターンYと対向する電極が存在しなくても、検査ポイントP,Pにコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触しているか否かを確実に判別し、その検査ポイントP,Pについての「検査処理」を確実に実行することができる。
また、この基板検査装置1、およびその基板検査方法では、両コンタクトプローブ3a,3bが正常に接触していないと判別した両検査ポイントP,Pを対象とする「プロービング処理」を「第4の処理」として実行した後に、「第1の処理」および「第2の処理」を再び実行すると共に、「第2の処理」によって演算した静電容量値に応じて「検査処理」、および「第3の処理」以降の各処理のいずれかを実行する。
したがって、この基板検査装置1、およびその基板検査方法によれば、例えば検査ポイントP,Pとコンタクトプローブ3a,3bとの間に異物が挟まるなどして検査ポイントP,Pにコンタクトプローブ3a,3bが一時的に接触できなかったとしても、「第4の処理」としての「プロービング処理」において、その検査ポイントP,P(または、その検査ポイントP,Pの極く近傍の新たな検査ポイントP,P)に対する「プロービング処理」を実行することで、異物が排除されてコンタクトプローブ3a,3bを正常に接触させることができる。
なお、「基板検査装置」の構成、および「基板検査方法」の内容については、上記の基板検査装置1の構成、および基板検査方法による基板検査処理10の内容の例に限定されない。例えば、ステップ18の「第3の処理」において演算した両検査ポイントPa,Pb間のインピーダンス値が、「第2の基準値」としての接触状態判別用の基準値(基準インピーダンス値)以下のときに(ステップ19)、両コンタクトプローブ3a,3bが検査ポイントPa,Pbに正常に接触していると判別して「確認処理」を完了し(ステップ15)、ステップ16の絶縁検査を実行する構成および方法を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、このような構成および方法に代えて、「第3の処理」によって演算したインピーダンス値が「第2の基準値」以下のときに、「検査処理」を実行することなく両検査ポイントP,P間の絶縁状態が不良であると判別して、その検査ポイントP,Pについての検査を終了する構成および方法を採用することもできる。
このような構成の「基板検査装置」、およびその「基板検査方法」によれば、インダクタンス成分Lが存在するのと等価の短絡箇所が存在する検査ポイントP,Pについて、「検査処理(絶縁検査)」の開始に先立ってコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触しているか否かを判別するときに、検査ポイントP,Pにコンタクトプローブ3a,3bが正常に接触しているにも拘わらず、演算される静電容量値に基づいて正常に接触していないと誤って判別される事態を好適に回避できるだけでなく、絶縁状態が不良であることで低いインピーダンス値が測定される不良の検査ポイントP,Pについての不要な「検査処理」を実行しなくて済む分だけ、検査対象基板Xの検査に要する時間を充分に短縮することができる。
また、「第4の処理」としての「プロービング処理(再プロービング処理)」において、接触不良が発生していると判別した検査ポイントP,Pにコンタクトプローブ3a,3bを再び接触させる処理を実行する構成および方法を例に挙げて説明したが、このような構成および方法に代えて、接触不良が発生していると判別した検査ポイントP,Pの位置とは僅かに異なる同一パターン上の検査ポイントP,Pにコンタクトプローブ3a,3bを新たに接触させる「プロービング処理(再プロービング処理)」を「第4の処理」として実行する構成および方法を採用することもできる。
さらに、「第4の処理」は、接触不良が発生していると判別した検査ポイントP,P、または、その検査ポイントP,Pの極く近傍の新たな検査ポイントP,Pにコンタクトプローブ3a,3bを接触させる「プロービング処理」に限定されず、接触不良が発生していると判別した検査ポイントP,Pに接触できないと判別し、他の検査ポイントP,P(他の検査ステップ)についての「プロービング処理」を「第4の処理」として実行する構成および方法を採用することもできる。
このように、他の検査ポイントP,Pについての「プロービング処理」を「第4の処理」として実行することで、例えば、検査対象基板Xの製造不良に起因して検査ポイントP,Pが絶縁膜で覆われた状態となっており、その検査ポイントP,Pに対する「プロービング処理」を何度実行してもコンタクトプローブ3a,3bを正常に接触させることができないときに、そのような検査ポイントP,Pに対する不要な「プロービング処理」を繰り返すことがない分だけ1枚の検査対象基板Xの検査に要する時間を充分に短縮することができる。