以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態においては、この発明にかかる情報処理装置を公共交通機関利用促進装置によって実施する例について説明する。
(公共交通機関利用促進システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる情報処理装置を実現する公共交通機関利用促進装置を含む、公共交通機関利用促進システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる情報処理装置を実現する公共交通機関利用促進装置を含む、公共交通機関利用促進システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進システム100は、公共交通機関利用促進装置110と、改札機120と、店舗の端末装置(決済端末装置)130と、利用者の端末装置140と、決済サーバ150と、を備えている。公共交通機関利用促進装置110、改札機120、店舗の端末装置130、利用者の端末装置140、決済サーバ150は、それぞれインターネットなどのネットワーク101に接続されている。
公共交通機関利用促進装置110は、たとえば、パーソナルコンピュータなどの汎用的なコンピュータ装置によって実現することができる(図2Aを参照)。公共交通機関利用促進装置110は、利用者の識別情報ごとに、公共交通機関の利用履歴(乗降履歴)に関する情報や商品やサービスの購買履歴に関する情報を記憶している(図3A、図3B、図3C、図3D、図3Eを参照)。
改札機120は、各種の公共交通機関が発行する交通系ICカードに設けられたICチップなどの記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されたカード情報を読み取り、読み取ったカード情報に基づく改札通過通知を公共交通機関利用促進装置110に送信する。改札通過通知は、改札機120を通過した利用者の交通系ICカードの記憶媒体から読み取った定期券情報と利用者の識別情報とを含む。また、改札通過通知は、利用者が改札機120を通過した方向、すなわち、乗車(入場)であるか降車(出場)であるかを示す情報を含む。また、改札通過通知は、当該改札通過通知の送信元の改札機120の位置(乗降地点)を示す情報を含む。
交通系ICカードに設けられたICチップなどの記憶媒体は、たとえば、定期券情報を記憶する。定期券情報は、利用者が繰り返し乗車する特定の区間(乗降区間)と、当該乗降区間において指定された特定の公共交通機関に繰り返して乗車が可能な期間(乗降期間)と、を示す情報によって実現することができる。
乗降区間は、当該乗降区間の両端の乗降地点を指定することによって特定することができる。乗降地点は、公共交通機関に乗車したり降車したりする地点であり、具体的には、鉄道の駅やバスの停留所などによって実現することができる。乗降区間の両端の乗降地点間を移動する経路が複数ある場合、乗降区間に関する情報は、途中に経由する乗降地点を示す情報を含んでいてもよい。
乗降地点は、当該乗降地点の緯度および経度を示す座標(位置情報)によって特定することができる。位置情報は、たとえば、GPS(Global Positioning System)や携帯電話の基地局などを利用して取得することができる。乗降期間は、たとえば、「1ヶ月」、「3ヶ月」、「6ヶ月」のように設定される。ICチップなどの記憶媒体に定期券情報を記憶した交通系ICカードは、定期券を実現する。
また、交通系ICカードに設けられたICチップなどの記憶媒体は、たとえば、電子マネー(交通系電子マネー)を記憶していてもよい。交通系ICカードにおいては、たとえば、支払い前に交通系ICカードの記憶媒体に電子マネーをあらかじめチャージ(入金)しておくプリペイド(前払い)型の電子マネーを用いる。
改札機120は、具体的には、たとえば、鉄道の駅などの乗降地点に設けることができる。この場合、改札機120は、具体的には、利用者が鉄道などの公共交通機関を利用するために駅構内に入場する際や、利用者が鉄道などの公共交通機関の利用を終えて駅構内から出場する際に、カード情報の読み取りをおこなう。
また、改札機120は、具体的には、たとえば、バスの乗車料金収受箱などに設けられていてもよい。この場合、改札機120は、具体的には、利用者がバスなどの公共交通機関を利用するために乗車する際や降車する際に、カード情報の読み取りをおこなう。すなわち、バスの乗車料金収受箱などに設けられた改札機120は、停留所など、バスへの乗車あるいはバスからの降車をおこなう乗降地点において、カード情報の読み取りをおこなう。
店舗の端末装置130は、たとえば、カードリーダを備えた決済端末によって実現することができる。店舗の端末装置130は、決済に際して、当該決済に利用されたカードの記憶媒体に記憶された情報を読み取り、読み取った情報を公共交通機関利用促進装置110に送信する。利用者の端末装置140は、たとえば、スマートフォンなどの、通信機能を備えた可搬性のコンピュータ装置によって実現することができる。
利用者の端末装置140は、利用者が所有するスマートフォンなどによって実現することができる。利用者の端末装置140は、スマートフォンに限るものではなく、たとえば、汎用的な携帯型の電話機、通信機能を備えたゲーム機器、デスクトップ型のパーソナルコンピュータなど、通信機能を備えた各種の端末装置によって実現することができる。
決済サーバ150は、カード決済に関する情報を記憶する各種のデータベースなどを備えており、各種のデータベースに記憶された情報を用いて、利用者が提供を受けた商品やサービスの対価を、クレジットカードなどのカードを用いて支払う決済(以下「カード決済」という)をおこなう。また、決済サーバ150は、カード決済の履歴を記憶するデータベースを備えている。決済サーバ150は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。
(公共交通機関利用促進装置110のハードウエア構成)
つぎに、公共交通機関利用促進装置110のハードウエア構成について説明する。図2Aは、公共交通機関利用促進装置110のハードウエア構成を示す説明図である。図2Aにおいて、公共交通機関利用促進装置110は、汎用的なコンピュータ装置によって実現することができ、CPU211と、RAM212と、HDD213と、HD214と、ネットワークI/F215と、を備えている。この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部211〜215は、バス210によってそれぞれ接続されている。
CPU211は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどる。RAM212には、CPU211が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアが確保されている。HDD213は、CPU211の制御にしたがってHD214に対するデータのリード/ライトを制御する。HD214は、HDD213の制御で書き込まれたデータを記憶する。
RAM212やHD214には、各種のデータベースや各種の制御プログラムが格納されている。具体的には、RAM212やHD214には、たとえば、公共交通機関利用促進サービスの提供にかかるデータベースやプログラムなどが記憶されている。より具体的には、RAM212やHD214には、たとえば、施設データベースや利用者データベースなどの各種のデータベースが記憶されている。
施設データベースは、施設の所在地に関する情報と当該施設の利用特典に関する特典情報とを関連付けて記憶する。利用者データベースは、利用者の識別情報と当該識別情報によって識別される利用者の端末装置140に関する情報とを関連付けて記憶する。
公共交通機関利用促進装置110を実現するコンピュータ装置において、各種のデータベースや各種の制御プログラムは、RAM212における不揮発領域あるいはHD214に記憶されており、コンピュータ装置の電源をOFFした場合にも消去されない。
CPU211は、RAM212に確保されたワークエリアを用いて、RAM212やHD214に記憶された各種データベースを参照して、各種の制御プログラムを実行する。CPU211は、たとえば、この制御プログラムの実行に際してネットワークI/F215を制御する。これにより、CPU211は、インターネットなどのネットワーク101を介して、当該ネットワーク101に接続された別のコンピュータ装置との間におけるデータの入出力を制御することができる。
(改札機120のハードウエア構成)
つぎに、改札機120のハードウエア構成について説明する。図2Bは、改札機120のハードウエア構成を示す説明図である。図2Bにおいて、改札機120は、CPU221と、RAM222と、カードリーダ223と、ネットワークI/F224と、スピーカー225と、を備えている。また、改札機120が備える各部221〜225は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU221は、改札機120全体の制御をつかさどる。RAM222は、改札機120による交通系ICカードのカード情報の読み取りにかかる各種のプログラムを記憶している。また、RAM222は、CPU221のワークエリアとして使用される。CPU221は、交通系ICカードのカード情報の読み取りに際して、RAM222をワークエリアとしてRAM222に記憶された各種のプログラムを実行する。CPU221は、読み取ったカード情報を、ネットワークI/F224を介して公共交通機関利用促進装置110に送信する。
スピーカー225は、たとえば、交通系ICカードのカード情報に基づいて、乗り越し、期限切れ、残高不足などであると判断した場合に、デジタル形式の警告音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の警告音声データに基づいてスピーカーコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力し、乗り越し、期限切れ、残高不足などであることを報知する。
改札機120は、磁気カードによって実現される乗車券に記憶されたカード情報を読み取る磁気ヘッドや、当該磁気ヘッドを通過するように磁気カードを搬送する搬送機構、磁気カードの挿入を検知するセンサなどを備えていてもよい。この場合、CPU221は、センサからの出力値に基づいて搬送機構を駆動制御し、磁気ヘッドにおける出力値の変化に基づいてカード情報を読み取る。
また、改札機120は、交通系ICカードのカード情報に基づいて、乗り越し、期限切れ、残高不足などであると判断した場合に、利用者の改札機120の通過を規制するゲート部材や、当該ゲート部材を開閉制御するモータなどを備えていてもよい。この場合、CPU221は、交通系ICカードのカード情報に基づいて、乗り越し、期限切れ、残高不足を判断し、これらに該当する場合にモータを駆動制御してゲート部材を動作させ、改札を閉じる。
(店舗の端末装置130のハードウエア構成)
つぎに、店舗の端末装置130のハードウエア構成について説明する。図2Cは、店舗の端末装置130のハードウエア構成を示すブロック図である。図2Cにおいては、カード決済に特化した機能を備えた店舗の端末装置130のハードウエア構成を示している。
図2Cにおいて、カード決済に特化した機能を備えた店舗の端末装置130は、CPU231と、RAM232と、ディスプレイ233と、操作部234と、ネットワークI/F235と、ブザー236と、カードリーダライタ237と、プリンタ238と、を備えている。また、店舗の端末装置130が備える各部231〜238は、バス230によってそれぞれ接続されている。
CPU231は、店舗の端末装置130全体の制御をつかさどる。RAM232は、カード決済に際して実行させる各種のプログラムなどを記憶している。また、RAM232は、CPU231のワークエリアとして使用される。CPU231は、カード決済に際して、ネットワークI/F235を介して決済サーバ150との間で通信をおこなう。
操作部234は、カード決済をおこなう店舗の店員などによるカード決済にかかる各種の入力操作を受け付けたり、カードの所有者による暗証番号の入力操作を受け付けたりする。操作部234は、入力された情報をCPU231に出力する。ディスプレイ233は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ233を実現する液晶パネルは、定型メッセージ、数字、記号などを表示することができる。また、ディスプレイ233を実現する液晶パネルは、7セグメント方式のディスプレイであってもよい。
ブザー236は、店舗の端末装置130においてエラーが発生した場合などに所定のブザー音声を出力する。ブザー236としては、たとえば、圧電ブザー、電子ブザー、電磁ブザーなど公知の各種のブザーを用いることができる。
カードリーダライタ237は、CPU231によって制御されて、交通系ICカードが備えるICチップなどの記録媒体に記憶された電子マネーの残高を読み取り、CPU231に出力する。CPU231は、読み取った残高から決済にかかる金額を差し引き、カードリーダライタ237を制御して、差し引いた金額をあらたな残高として記録媒体に記憶する。
カードリーダライタ237は、交通系ICカードが備える記憶媒体に接触することなくカード情報の読み取りや記録をおこなう非接触型であってもよく、交通系ICカードが備える記憶媒体に端子を接触させてカード情報の読み取りや記録をおこなう接触型であってもよい。カードリーダライタ237の構造については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
店舗の端末装置130は、カードリーダライタ237に加えて、クレジットカードなどのカードが備えるICチップなどの記録媒体に記録された情報を読み取るカードリーダ(図示を省略する)を備えていてもよい。カードリーダは、クレジットカードなどのカードを用いた決済において、カードに記録されたデータを読み出し、読み出したデータをCPU231に出力する。
プリンタ238は、伝票用紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。プリンタ238は、たとえば複写が可能な伝票用紙に対する印字が可能なインパクトドットプリンタなどを用いることができる。プリンタ238は、インパクトドットプリンタに限るものではなく、サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ238は、伝票用紙を保持する用紙保持機構、伝票用紙に対して印字をおこなうプリンタヘッドなどを備えて構成されている。
(利用者の端末装置140のハードウエア構成)
つぎに、利用者の端末装置140のハードウエア構成について説明する。図2Dは、利用者の端末装置140のハードウエア構成を示す説明図である。利用者の端末装置140は、たとえば、スマートフォンなどの携帯型端末装置によって実現することができる。
図2Dにおいて、利用者の端末装置140は、CPU241と、ROM242と、RAM243と、ネットワークI/F244と、ディスプレイ245と、操作部246と、マイク247と、スピーカー248と、カメラ249と、を備えている。また、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進システム100を構成する顧客の端末装置140を実現するスマートフォンが備える各構成部241〜249は、バス240によってそれぞれ接続されている。
CPU241は、利用者の端末装置140全体の制御をつかさどる。ROM242は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM243は、CPU241のワークエリアとして使用される。ネットワークI/F244は、インターネットなどのネットワーク101を介して、当該ネットワーク101に接続されたコンピュータ装置や別のスマートフォンとの間におけるデータの入出力を制御する。また、ネットワークI/F244は、電話回線網に接続されており、別の利用者の端末装置140(スマートフォン、携帯型電話機、PHS)などの通信端末装置や、固定型電話機との間における音声による通話を実現する。
ディスプレイ245は、たとえば、スマートフォンを携帯型電話機(あるいはPHS)として利用する場合における設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示する。ディスプレイ245は、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
操作部246は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。操作部246は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される操作部246は、当該操作部246に対する入力操作に応じた信号を出力する。操作部246をタッチパネルによって実現する場合、当該タッチパネルは、ディスプレイ245の表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。
マイク247は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカー248は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカーコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。カメラ249は、操作部246の操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、RAM243などに記憶される。
(施設データベースの一例)
つぎに、施設データベースについて説明する。図3Aは、施設データベースの一例を示す説明図である。図3Aにおいて、施設データベース310は、施設の識別情報ごとに、施設の所在地に関する情報と広告情報とを関連付けて記憶する。施設の識別情報は、施設ごとに割り当てられた、施設ごとに固有の情報であって、たとえば、公共交通機関利用促進システム100の運営者あるいは管理者などが任意に設定することができる。
施設の所在地に関する情報は、施設が所在する地点を特定可能な情報(地点情報)であって、この地点情報は、たとえば、GPS衛星から送信される電波に基づいて算出されるGPSデータによって実現することができる。GPSデータにより、施設の所在地の緯度、経度、高さなどを示すことができる。
あるいは、地点情報は、たとえば、地域を一定のルールにしたがって格子状に区切った各格子の位置を経度・緯度を用いてあらわすメッシュデータによって実現してもよい。具体的に、メッシュデータにおけるメッシュは、たとえば、1度ごとの経線と3分の2度ごとの緯線とによって全国を分割した第一次メッシュ、第一次メッシュを縦横にそれぞれ8等分した第二次メッシュ、あるいは、第二次メッシュを縦横にそれぞれ10等分した第三次メッシュなどを用いることができる。
施設データベース310は、所在地に関する情報として、施設の識別情報ごとに、当該施設にもっとも近い乗降地点(最寄り駅)名、最寄り駅の路線名、最寄り駅までの距離、当該施設と最寄り駅との間の移動にかかる時間などに関する情報を記憶していてもよい。施設の周辺に複数の乗降地点がある場合、複数の乗降地点名、各乗降地点の路線名、各乗降地点までの距離、当該施設と各乗降地点との間の移動にかかる時間などに関する情報を記憶していてもよい。
広告情報は、施設の利用特典に関する特典情報を含む。特典情報は、公共交通機関利用促進システム100の利用者が享受する特典(利用特典)を示し、利用特典を提供している施設や当該利用特典の内容を示す。利用特典は、施設ごとに任意に設定されるものであってもよく、公共交通機関利用促進システム100の運用形態としてあらかじめ一律に設定されるものであってもよい。
特典情報は、たとえば、「○○コンビニ限定 菓子類50%OFF」、「○○駅限定 エキナカ店舗 ALL10%OFF」など、施設、および、利用者が当該施設を利用した場合の割引率や割引額を示すテキスト情報によって実現することができる。
また、特典情報は、たとえば、「利用特典の発行元の施設の利用にかかる決済金額から、定期券の乗降区間に含まれる乗降地点のうち当該施設から所定範囲内の乗降地点(たとえば、最寄り駅)にもっとも近い乗降地点と、施設から所定範囲内の乗降地点との移動に利用する公共交通機関の運賃の少なくとも一部を免除する」などのように、利用者が施設を利用するための移動に要した交通費のうち、定期券の乗降区間外の移動にかかる交通費を施設側が負担することを示す情報によって実現することができる。
このような特典情報は、具体的には、たとえば、「○○駅エキナカ店舗利用で、○○駅までの往復交通費無料」、「C駅のケーキ屋です。往復の交通費(320円)分の割引券です。ぜひ、お立ち寄りください。」など、利用特典の内容を示すテキスト情報によって実現することができる。
利用特典のうち、交通費の負担に関する利用特典は、施設が個別に設定するものではなく、公共交通機関利用促進システム100の運用形態としてあらかじめ設定されるものであってもよい。すなわち、公共交通機関利用促進システム100の利用者は、施設を利用するためにおこなった定期券の乗降区間外の移動にかかる交通費の負担は不要であって、それに追加する利用特典の有無を各施設が任意に設定する運用形態としてもよい。
定期券の乗降区間外の移動にかかる交通費は、施設側のみならず、当該移動に用いた公共交通機関の運営者側が一部あるいは全部を負担してもよい。定期券の乗降区間外の移動にかかる交通費を、施設側が負担するか、公共交通機関の運営者側が負担するか、双方で分担するかは、施設側と公共交通機関の運営者側とが話し合いなどによって任意に決定してもよく、公共交通機関利用促進システム100の運営者などがシステムの運用形態として一律に決定してもよい。
また、施設データベース310は、施設の識別情報ごとに、広告情報の送信(配信)条件を関連付けて記憶していてもよい。送信条件は、たとえば、年齢、性別、学生であるか会社員であるか一般の利用者であるかを示す属性、定期券の利用頻度などによって設定することができる。具体的には、たとえば、「30代女性、会社員または一般の利用者」などのような送信条件を設定することができる。また、送信条件は、たとえば、施設の識別情報(あるいは広告情報)ごとに、一つの広告情報を送信する上限数に関する情報を関連付けて記憶していてもよい。
また、施設データベース310は、施設の識別情報ごとに、利用特典の有効期間(利用期間)に関する情報や、各利用特典にかかる特典通知の配信数に関する情報を記憶していてもよい。さらに、施設データベース310は、施設の識別情報ごとに、複数の特典情報を関連付けて記憶していてもよい。この場合、同一の施設の識別情報に関連付けられた複数の特典情報のそれぞれの送信先は、有効期間や送信条件によって決定することができる。
(利用者データベースの一例)
つぎに、利用者データベースについて説明する。図3Bは、利用者データベースの一例を示す説明図である。図3Bにおいて、利用者データベース320は、利用者の識別情報と当該識別情報によって識別される利用者の端末装置140に関する情報とを関連付けて記憶する。
利用者の識別情報は、利用者ごとに割り当てられた、利用者ごとに固有の情報であって、たとえば、交通系ICカードに割り当てられた各カードの識別情報によって実現することができる。また、利用者の識別情報は、公共交通機関利用促進システム100の運営者あるいは管理者などが任意に設定してもよい。
利用者の端末装置140に関する情報は、利用者の端末装置140に対する広告情報の送信に供する情報であって、具体的には、たとえば、利用者の端末装置140を実現するスマートフォンに設定された電子メールアドレスによって実現することができる。
利用者データベース320は、さらに、利用者の識別情報ごとに、定期券情報、購買履歴情報を関連付けて記憶する。定期券情報は、利用者の定期券の内容に関する情報であって、たとえば、定期券の乗降区間や乗降期間などを特定可能な情報によって実現することができる。
購買履歴情報は、利用者が提供を受けた商品やサービスを特定可能な情報、商品やサービスの提供の対価として利用者が交通系ICカードの記憶媒体に記憶された電子マネーを利用して支払った金額に関する情報、当該対価の支払いをおこなった日時に関する情報などを含む。
また、利用者データベース320は、利用者の識別情報ごとに、当該識別情報によって識別される利用者の性別、趣味や嗜好、年齢に関する情報(属性情報)を関連付けて記憶する。利用者データベース320において、趣味や嗜好に関する情報は、一人の利用者の識別情報に複数関連付けて記憶してもよい。
(乗降履歴データベースの一例)
つぎに、乗降履歴データベースについて説明する。図3Cは、乗降履歴データベースの一例を示す説明図である。図3Cにおいて、乗降履歴データベース330は、利用者の識別情報と、当該識別情報によって識別される利用者の公共交通機関の乗降履歴(乗車履歴)に関する情報と、を関連付けて記憶する。乗降履歴に関する情報は、公共交通機関への乗車日時および公共交通機関からの降車日時を特定可能な情報を含む。
公共交通機関への乗車日時は、具体的には、利用者が鉄道などの公共交通機関を利用するために駅構内に入場する際に改札機120がカード情報を読み取った日時とすることができる。また、公共交通機関からの降車日時は、具体的には、利用者が鉄道などの公共交通機関の利用を終えて駅構内から出場する際に改札機120がカード情報を読み取った日時とすることができる。
乗降履歴データベース330は、改札機120から、当該改札機120が読み取ったカード情報を取得するごとに更新される。乗降履歴データベース330は、過去1ヶ月分、過去3ヶ月分、過去6ヶ月分のように所定期間に取得されたデータを記憶することができる。あるいは、乗降履歴データベース330は、定期券の乗降区間が更新されるまで、継続してデータを記憶するものであってもよい。
また、乗降履歴データベース330は、利用者の識別情報と、当該識別情報によって識別される利用者の定期券の乗降区間に関する情報と、を関連付けて記憶する。これにより、利用者の公共交通機関の乗降履歴が、定期券を利用したものであるか否かを特定することができる。乗降履歴データベース330は、乗降履歴ごとに、定期券の利用の有無を記憶していてもよい。
(駅別降車予定者数データベースの一例)
つぎに、駅別降車予定者数データベースについて説明する。図3Dは、駅別降車予定者数データベースの一例を示す説明図である。図3Dにおいて、駅別降車予定者数データベース340は、駅名ごとに、当該駅において降車すると推定される利用者数(降車予定者数)を関連付けて記憶する。
降車予定者数は、各駅における、過去の乗降履歴に基づいて算出することができる。あるいは、降車予定者数は、定期券を用いて乗車した利用者の数、当該乗車日時、および、定期券の乗降区間に基づいて、リアルタイムで算出してもよい。さらに、降車予定者数は、過去の乗降履歴などに基づいて算出される降車予定者数と、リアルタイムで算出される降車予定者数とを加味して算出してもよい。
図3Dに示す例においては、「目黒駅」における降車予定者数は1234名であって、恵比寿駅側から目黒駅に向かう利用者においては目黒駅の手前となる4駅のいずれかの駅での降車予定者数は、合計で1331名であることを示している。
駅別降車予定者数データベース340は、降車予定者数を、時間帯別に記憶していてもよい。この場合、たとえば、「目黒駅における16時〜17時までの降車予定者数」、「目黒駅における17時〜18時までの降車予定者数」などのように記憶することができる。駅別降車予定者数データベース340は、さらに、降車予定者数を、曜日別に記憶していてもよい。この場合、たとえば、「目黒駅における月曜日の16時〜17時までの乗降予定者数」、「目黒駅における月曜日の16時〜17時までの乗降予定者数」などのように記憶することができる。
(広告配信条件データベース)
つぎに、広告配信条件データベースについて説明する。図3Eは、広告配信条件データベースの一例を示す説明図である。図3Eにおいて、広告配信条件データベース350は、施設の識別情報ごとに、当該施設の最寄りの乗降地点(最寄り駅)、当該最寄り駅での降車予定者数、当該最寄り駅で降車する利用者の性別、当該利用者の購買履歴に関する情報を関連付けて記憶している。
施設の最寄り駅に関する情報は、公共交通機関を利用して施設に行く場合に、もっとも近い乗降地点を示す。施設の最寄り駅に関する情報は、たとえば、鉄道の路線上における駅のうちの最寄り駅を示す。施設の最寄り駅に関する情報は、公共交通機関を利用して施設に行く場合に、複数種類の公共交通機関を利用することができれば、広告配信条件データベース350は、複数の乗降地点を示す情報を、施設の最寄り駅に関する情報として記憶してもよい。
最寄り駅での降車予定者数に関する情報は、施設側が指定した時間帯など、所定の時間帯において最寄り駅で降車すると推定される利用者数を示す。最寄り駅での降車予定者数に関する情報は、当該最寄り駅で降車すると推定される利用者数と、当該最寄り駅から所定範囲内の乗降地点(駅)で降車すると推定される利用者数と、の両方を含んだ数であってもよい。最寄り駅から所定範囲内の乗降地点(駅)で降車すると推定される利用者の数は、当該最寄り駅が、定期券の乗降区間外となる利用者を計数する。
公共交通機関利用促進システム100においては、最寄り駅で降車する利用者の性別や、当該利用者の購買履歴に関する情報は、改札機120を通過する際に交通系ICカードから読み取ったカード情報や、過去の乗車履歴などに基づいて特定することができる。また、最寄り駅で降車する利用者の購買履歴に関する情報は、決済サーバ150と通信をおこない、改札機120を通過する際に交通系ICカードから読み取ったカード情報に含まれる識別情報に基づいて利用者を特定し、特定された利用者の購買履歴に関する情報を取得してもよい。
(公共交通機関利用促進システム100の利用イメージ)
つぎに、公共交通機関利用促進システム100の利用イメージについて説明する。図4は、公共交通機関利用促進システム100の利用イメージを示す説明図である。図4において、利用者はA駅からB駅までを乗降区間とする定期券を所有している。公共交通機関利用促進システム100においては、たとえば、上記の乗降履歴データベース330に基づき、利用者は、帰宅時にA駅から乗車してB駅で降車すると推定される場合、A駅から乗車した利用者にとってB駅の1つ先の駅、すなわち、定期券の乗降区間外となるC駅を最寄り駅とする施設の広告情報を送信する。
また、公共交通機関利用促進システム100においては、上記の乗降履歴データベース330に基づき、定期券の乗降区間のみならず、乗車時刻(あるいは降車予定時刻)を加味して、A駅における改札機120でカード情報を読み取った時刻が通常時より所定時間(1時間程度)以上早い時刻であれば、C駅を最寄り駅とする施設の広告情報を送信するようにしてもよい。これにより、時間を加味して最適な施設を案内することができ、当該施設の効果的な利用促進を図ることができる。
また、公共交通機関利用促進システム100においては、上記の利用者データベース320における購買履歴に基づいて、施設の広告情報を送信するようにしてもよい。具体的には、たとえば、特定の施設(たとえば、「○○コンビニ」)における特定の商品(たとえば、「菓子類」)の購入が多い利用者に対しては「○○コンビニ限定 菓子類50%OFF」の特典情報を含む広告情報を送信することができる。
特定の施設における特定の商品の購入が多い利用者に対して上記のような広告情報を送信することにより、当該広告情報によって提供される利用特典が利用者の関心を惹いた場合には、交通系ICカードの更なる利用促進を図ることができる。さらに、交通系ICカードの更なる利用促進を図ることにより、『広告情報の送信(配信)→交通系ICカードの利用→公共交通機関利用促進システム100への情報提供』が繰り返され、公共交通機関利用促進システム100側において、利用者の多様な交通系ICカードの利用形態を収集することができる。
また、具体的には、たとえば、対象施設(たとえば、「エキナカ店舗」)の利用が少なく、定期券の乗降区間外の利用が少ない利用者に対しては、「○○駅限定 エキナカ店舗 ALL10%OFF」および「○○駅エキナカ店舗利用で、○○駅までの往復交通費無料」などのように、乗降区間外のエキナカ店舗の特典情報と、○○駅までの往復交通費を負担する旨の案内を含む広告情報を送信することができる。
対象施設の利用が少なく、定期券の乗降区間外の利用が少ない利用者に対して上記のような広告情報を送信することにより、定期券の乗降区間の1つ先の乗降地点(駅)まで足を伸ばすことが期待でき、公共交通機関が運営する施設の利用促進を図ることができる。上記いずれの場合にも、広告情報を送信するタイミングは、定期券の乗降区間や乗車時刻(あるいは降車予定時刻)を加味して最適なタイミングを決定することができる。
この実施の形態の公共交通機関利用促進システム100において、定期券の乗降区間外となる上記のC駅は、乗降区間に含まれる乗降地点を通る路線上の乗降地点に限るものではない。この実施の形態の公共交通機関利用促進システム100を利用することにより、具体的には、たとえば、定期券の区間内から逸脱して店舗を利用した場合に、定期券の区間から逸脱した部分の移動に少しの金額(たとえば、往復に300〜400円程度の交通費)を負担して移動することができる店舗からの広告を利用者に提供し、その移動にかかった金額(往復の交通費)を店舗が負担するようなサービスを提供することができる。
定期券の乗降区間外となる上記のC駅は、乗降区間に含まれる乗降地点から公共交通機関を利用して移動するために所定範囲内の金額を必要とする乗降地点から所定範囲内にある施設であればよい。具体的には、たとえば、定期券の乗降区間においては鉄道のみを利用するものであっても、定期券の乗降区間に含まれる乗降地点からバスなどの公共交通機関に乗り換えて、所定範囲内の金額で移動することができる施設の広告を利用者に提供するようにしてもよい。
(公共交通機関利用促進装置110の機能的構成)
つぎに、公共交通機関利用促進装置110の機能的構成について説明する。図5は、公共交通機関利用促進装置110の機能的構成を示すブロック図である。図5において、公共交通機関利用促進装置110の機能は、記憶部500と、利用者情報取得部501と、広告情報取得部502と、日時推定部503と、端末特定部504と、広告情報送信部505と、が実現する各機能によって実現される。記憶部500は、上述した各種のデータベースを記憶している。記憶部500は、上述した各種のデータベースを更新可能に記憶している。
利用者情報取得部501は、定期券に記憶された、乗降区間および乗降期間に関する定期券情報と当該定期券の利用者の識別情報とを取得する。上記の記憶部500は、利用者情報取得部501が改札通過情報を受信するごとに、受信した改札通過情報に含まれる各種の情報に基づいて、利用者データベース320や乗降履歴データベース330などを記憶する。
乗降区間に関する情報は、利用者が繰り返し乗車する特定の区間を示す。乗降区間は、当該乗降区間の両端の乗降地点を指定することによって特定することができる。乗降地点は、公共交通機関に乗車したり降車したりする地点であり、具体的には、駅や停留所などによって実現することができる。
また、乗降区間に関する情報は、当該乗降区間の両端の乗降地点間を移動する経路が複数ある場合、途中に経由する乗降地点を示す情報を含んでいてもよい。乗降期間は、乗降区間において指定された特定の公共交通機関を自由に利用できる期間を示す。乗降期間は、たとえば、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の単位で指定することができる。
利用者情報取得部501は、改札機120から送信される、当該改札機120が読み取ったカード情報を受信することによって定期券情報と利用者の識別情報とを取得することができる。この実施の形態において、利用者情報取得部501の機能は、CPU211、RAM212およびネットワークI/F215などによって実現することができる。
広告情報取得部502は、利用者情報取得部501によって取得された定期券情報に基づいて、施設データベース310を参照して、乗降区間に含まれる乗降地点から公共交通機関を利用して移動するために所定範囲内の金額を必要とする乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得する。具体的には、広告情報取得部502は、乗降区間に含まれる乗降地点から移動するために、徒歩ではなく、鉄道、バス、水上バスなどの各種の公共交通機関の利用を要する施設のうち、定期券の区間から逸脱した部分の移動に所定範囲内の金額を必要とする乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得する。
定期券の区間から逸脱した部分の移動に所定範囲内の金額を必要とする乗降地点から所定範囲内の施設は、たとえば、施設データベース310が記憶する所在地に関する情報(最寄り駅名、最寄り駅の路線名など)と、各種の地図情報や公共交通機関などが提供する路線情報と、を用いることによって特定することができる。
また、具体的には、広告情報取得部502は、たとえば、定期券の区間内から逸脱して施設を利用した場合に、定期券の区間から逸脱した部分の移動に少しの金額(たとえば、往復に300〜400円程度の交通費)を負担して移動することができる施設の広告情報を取得する。
さらに具体的には、たとえば、定期券の区間が「JR大崎駅」と「JR渋谷駅」との間の区間である場合、すなわち、乗降区間に含まれる乗降地点が「JR大崎駅」、「JR五反田駅」、「JR目黒駅」、「JR恵比寿駅」、「JR渋谷駅」である場合について説明する。この場合において、乗降地点から公共交通機関を利用して移動するために所定範囲内の金額を必要とする乗降地点としては、具体的には、たとえば、JR大崎駅からJRを利用して移動することができる「JR品川駅」、JR五反田駅から東急池上線を利用して移動することができる「東急池上線 大崎広小路駅」などを挙げることができる。
また、このような乗降地点としては、具体的には、たとえば、JR五反田駅から都営浅草線を利用して移動することができる「都営浅草線 高輪駅」、JR目黒駅から東急目黒線を利用して移動することができる「東急目黒線 不動前駅」、または、JR目黒駅から都営三田線を利用して移動することができる「都営三田線 白金台駅」などを挙げることができる。さらに、このような乗降地点としては、具体的には、たとえば、JR恵比寿駅から都営バスに乗り換えて移動することができる「日赤医療センター停留所」、あるいは、JR渋谷駅から定期券の区間外の「JR原宿駅」、または、JR渋谷駅から京王井の頭線に乗り換えて移動することができる「京王井の頭線 駒場東大前駅」などを挙げることができる。
広告情報取得部502は、利用者情報取得部501によって取得された定期券情報に基づいて、施設データベース310を参照して、乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。所定範囲は、たとえば、成人が徒歩で数分(たとえば、5分)以内に到達することができる範囲とすることができる。所定範囲は、公共交通機関利用促進システム100の運営者あるいは管理者などが任意に設定することができる。
広告情報取得部502は、具体的には、たとえば、乗降区間外であって当該乗降区間の両端の乗降地点に隣接する乗降地点から所定範囲内の施設の利用特典に関する特典情報を含む広告情報を取得する。広告情報は、上記の特典情報に加え、当該広告情報の送信元の施設に関する情報などを含んでいてもよい。施設に関する情報は、たとえば、当該施設の名称、当該施設の住所、最寄りの乗降地点から当該施設までの地図などを示す。
広告情報取得部502は、具体的には、たとえば、乗降区間の両端の乗降地点である駅の隣の駅から所定範囲内の施設の利用特典に関する特典情報を含む広告情報を取得する。駅の改札機120を定期券の情報を用いて通過(入場)した利用者は、定期券が指定する乗降区間の両端の駅を一つ先の駅まで乗り越すことによって、隣の駅に行くことができる。
また、広告情報取得部502は、具体的には、たとえば、乗降区間に含まれる途中の乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。この場合、広告情報取得部502は、乗降区間における途中駅から所定範囲内の施設の広告情報を取得する。たとえば、駅の改札機120を定期券の情報を用いて通過した利用者は、定期券が指定する乗降区間の途中駅(乗降区間の両端以外の駅)で降車することによって、途中の駅に行くことができる。
また、広告情報取得部502は、具体的には、たとえば、乗降区間に含まれる乗降地点を通り、乗降区間の移動に利用する路線とは異なる路線上の乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。すなわち、広告情報取得部502は、乗降区間に含まれる乗降地点において接続する別の路線上の乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。この場合、広告情報取得部502は、乗降区間の移動に利用する路線とは別の路線であって、乗降区間の途中駅で連絡している別の路線に乗り換えることによって行くことができる駅から所定範囲内の施設の広告情報を取得する。広告情報取得部502は、利用者情報取得部501が取得した定期券情報と利用者の識別情報に基づいて乗降履歴データベース330を参照して、通常時よりも所定時間以上早いと判断したときは、広告情報を取得してもよい。
利用者情報取得部501によって取得された定期券情報が、定期券の乗降区間を移動する際に、公共交通機関の乗り換えを要することを示す場合、広告情報取得部502は、利用者が公共交通機関の乗り換えをおこなう乗降地点において接続する別の路線上の乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。これにより、利用者は、広告情報によって案内された施設を、“乗り換えのついで”に利用しやすくなる。
また、利用者情報取得部501によって取得された定期券情報が、定期券の乗降区間を移動する際に、公共交通機関の乗り換えを要することを示す場合、広告情報取得部502は、利用者が公共交通機関の乗り換えをおこなう乗降地点において乗り換えをおこなわずに、継続して乗車することにより到達できる乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。これにより、利用者は、通常利用している乗り換えの乗降地点を乗り過ごすだけで、広告情報によって案内された施設を利用することができる。
広告情報取得部502は、たとえば、施設の利用にかかる決済金額から、乗降区間に含まれる乗降地点のうち施設から所定範囲内の乗降地点にもっとも近い乗降地点と、施設から所定範囲内の乗降地点との移動に利用する公共交通機関の運賃の少なくとも一部を免除することを案内する広告情報を取得する。この実施の形態において、広告情報取得部502の機能は、CPU211、RAM212、HDD213およびHD214などによって実現することができる。
日時推定部503は、乗降履歴データベース330を参照して、定期券情報を次回取得する日時を推定する。日時推定部503は、乗降履歴データベース330を参照せず、路線データを参照して、乗車(入場)した日時に基づいて、降車(出場)する日時を算出し、算出結果に基づいて、定期券情報を次回取得する日時を推定してもよい。この場合、記憶部500(HD214)においては、路線データを記憶する路線データベースを備える。路線データは、たとえば、路線ごとの、当該路線における各乗降地点における到着時刻および発車時刻に関する情報によって実現することができる。この実施の形態において、日時推定部503の機能は、CPU211、RAM212、HDD213およびHD214などによって実現することができる。
日時推定部503は、たとえば、利用者情報取得部501によって取得された改札通過通知に含まれる定期券情報および改札機120を通過した方向に基づいて、利用者が定期券を利用して定期券の乗降区間の一端の乗降地点から乗車(入場)したと判断される場合は、当該乗降区間の他端の乗降地点において降車(出場)すると判断し、当該他端の乗降地点において降車(出場)するために改札機120を通過すると推定される日時を、改札通過通知を次回取得する日時として推定する。
また、日時推定部503は、たとえば、利用者情報取得部501によって取得された改札通過通知に含まれる定期券情報および改札機120を通過した方向に基づいて、利用者が定期券を利用して定期券の乗降区間の一端の乗降地点から降車(出場)したと判断される場合は、乗降履歴データベース330を参照して、当該乗降区間の他端の乗降地点において乗車(入場)するために改札機120を通過すると推定される日時を、改札通過通知を次回取得する日時として推定する。
具体的には、日時推定部503は、たとえば、平日の7時30分前後に定期券の乗降区間の一端の乗降地点から乗車(入場)した公共交通機関を当該乗降区間の他端の乗降地点から8時10分前後に降車(出場)するとともに、平日の19時10分前後に定期券の乗降区間の他端の乗降地点から乗車(入場)した公共交通機関を当該乗降区間の一端の乗降地点から19時40分前後に降車(出場)する利用者の場合、平日であれば、乗車(入場)した日時の40分後を次回取得する日時として推定する。
端末特定部504は、利用者データベース320を参照して、利用者情報取得部501によって取得された利用者の識別情報に関連付けられた端末装置に関する情報を特定する。端末装置に関する情報は、具体的には、たとえば、当該端末装置に設定された電子メールアドレスによって実現することができる。この実施の形態において、端末特定部504の機能は、CPU211、RAM212、HDD213およびHD214などによって実現することができる。
端末特定部504は、利用者情報取得部501によって取得された利用者の識別情報のうち、利用者データベース320において当該識別情報に関連付けられた購買履歴情報や、利用者の性別、趣味や嗜好、年齢に関する情報に基づいて、広告情報取得部502によって取得された広告情報の送信先として広告効果が高いと判断される利用者の識別情報に関連付けられた端末装置に関する情報を特定してもよい。
この場合、具体的には、端末特定部504は、施設データベース310において施設の識別情報ごとに関連付けて記憶されている広告情報の送信条件に基づいて、広告情報取得部502によって取得された広告情報の送信条件に該当する利用者の識別情報に関連付けられた端末装置に関する情報を特定することができる。
さらに、端末特定部504は、施設データベース310を参照して、広告情報取得部502によって取得された広告情報に、送信の上限数に関する情報が関連付けられている場合、広告情報の送信条件に該当する利用者のうち、たとえば、定期券の乗降区間外の移動にかかる交通費が少ない利用者の識別情報に関連付けられた端末装置に関する情報を特定してもよい。
また、端末特定部504は、施設データベース310を参照して、広告情報取得部502によって取得された広告情報に、送信の上限数に関する情報が関連付けられている場合、日時推定部503によって推定された、改札通過通知を次回取得する日時のうち、広告情報によって指定される利用特典の有効期間に、該当する施設の最寄りの乗降地点で降車する利用者の識別情報に関連付けられた端末装置に関する情報を特定してもよい。
広告情報送信部505は、端末特定部504によって特定された端末装置に関する情報に基づいて、当該端末装置に対して、広告情報取得部502によって取得された広告情報を送信する。広告情報送信部505は、利用者が公共交通機関に乗車(入場)した後、該当する施設の最寄りの乗降地点を通過する前に、広告情報を送信してもよい。この実施の形態において、広告情報送信部505の機能は、CPU211、RAM212およびネットワークI/F215などによって実現することができる。
広告情報送信部505は、日時推定部503によって推定された日時に基づいて、広告情報を送信してもよい。具体的に、広告情報送信部505は、次回取得する日時として推定した日時のうち、乗車(入場)すると推定される日時にあわせて広告情報を送信することができる。これにより、公共交通機関による移動中に、利用者の端末装置140を介して広告情報を利用者に通知することができる。
広告情報送信部505が送信する広告情報は、各広告情報を識別する広告識別情報を含んでいてもよい。この場合、記憶部500は、送信した広告情報と、当該広告情報の広告識別情報と、当該広告情報の送信先の利用者の端末装置に関する情報または当該利用者の識別情報と、を関連づけて記憶する。
これにより、施設において決済がおこなわれた際に、広告識別情報が特定できれば、送信した広告情報により集客ができたことや、当該広告識別情報の利用者を把握することができる。この場合、具体的には、たとえば、施設における決済に際して、交通系ICカードの記憶媒体に記憶された電子マネーが用いられることにより、当該交通系ICカードに記憶された利用者の識別情報に基づいて利用者を特定することができる。
あるいは、公共交通機関利用促進システム100の運用上、決済に際して、利用者が施設側に広告識別情報を提示(申告)してもよい。そして、施設側において、決済に際して提示された広告識別情報を入力することにより、送信した広告情報により集客ができたことや、当該広告識別情報の利用者を把握するようにしてもよい。
広告識別情報を含む広告情報を送信する場合、当該広告情報を、利用者の端末装置に送信するとともに、当該利用者が改札機120を通過する際に、当該利用者の交通系ICカードの記憶媒体に記憶させるようにしてもよい。これにより、利用者は、施設における決済に際して、交通系ICカードのカード情報を店舗の端末装置に読み取らせるだけで、広告情報(広告識別情報)および当該利用者の識別情報を伝えることができる。
(公共交通機関利用促進装置110の処理手順)
つぎに、公共交通機関利用促進の処理手順について説明する。図6は、公共交通機関利用促進の処理手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、まず、改札通過通知を受信するまで待機する(ステップS601:No)。ステップS601において、改札通過通知を受信した場合(ステップS601:Yes)、当該改札通過通知が乗車の通知であるか否かを判断する(ステップS602)。
ステップS602において、ステップS601:Yesにおいて受信した改札通過通知が乗車の通知である場合(ステップS602:Yes)、受信した改札通過通知に含まれる情報を、乗車にかかる情報として、乗降履歴データベース330に記憶する(ステップS603)。そして、ステップS601:Yesにおいて受信した改札通過通知の送信元となる改札機120が設置された乗降地点が、定期券の乗降区間内の乗降地点であるか否かを判断する(ステップS604)。ステップS604において、定期券の乗降区間内の乗降地点ではない場合(ステップS604:No)、一連の処理を終了する。
ステップS604において、定期券の乗降区間内の乗降地点である場合(ステップS604:Yes)、乗降履歴データベース330を参照して、改札通過通知を次回取得する日時すなわち降車予定日時を推定する(ステップS605)。そして、ステップS601:Yesにおいて受信した改札通過通知、ステップS605において推定された降車予定日時、施設データベース310、利用者データベース320、駅別降車予定者数データベース340および広告配信条件データベース350を参照して広告情報を取得する(ステップS606)。
また、ステップS601:Yesにおいて受信した改札通過通知に基づいて、利用者データベース320を参照して、ステップS606において取得された広告情報の送信先を特定する(ステップS607)。ステップS607においては、たとえば、ステップS601:Yesにおいて受信した改札通過通知に含まれる利用者の識別情報に基づいて、利用者データベース320を参照して、当該利用者の識別情報に関連付けられた利用者の端末装置140に設定された電子メールアドレスを特定する。
また、ステップS607においては、たとえば、広告情報に送信の上限数に関する情報が関連付けられている場合、上記のように、広告情報によって指定される利用特典の有効期間に、該当する施設の最寄りの乗降地点で降車する利用者の識別情報に関連付けられた端末装置に関する情報を特定してもよい。
そして、ステップS605において推定した日時に基づいて算出される送信タイミングになるまで待機する(ステップS608:No)。ステップS608においては、たとえば、ステップS605において推定した日時から所定時間前の日時を、送信タイミングとして算出し、算出された送信タイミングが到来したか否かを判断する。
その後、ステップS608において、送信タイミングになった場合(ステップS608:Yes)、ステップS606において取得した広告情報を、ステップS607において特定した利用者の端末装置140に送信して(ステップS609)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS602において、ステップS601:Yesにおいて受信した改札通過通知が乗車の通知ではない場合(ステップS602:No)、受信した改札通過通知に含まれる情報を、降車にかかる情報として、乗降履歴データベース330に記憶して(ステップS610)、一連の処理を終了する。
なお、上述した実施の形態においては、支払い前に交通系ICカードの記憶媒体に電子マネーをあらかじめチャージしておくプリペイド型の電子マネーを用いた決済にかかる金額から、利用特典に応じた額を差し引くことにより利用特典を提供する例について説明したが、公共交通機関利用促進システム100における利用特典の提供方法は、プリペイド型の電子マネーを用いた決済に限るものではない。
具体的には、たとえば、事前のチャージを不要とし、決済の後に決済にかかる金額を請求する、いわゆるポストペイ(後払い)型の決済方法であってもよい。この場合、決済金額の引き落とし日など所定のタイミングにおいて、当該引き落とし日にかかる決済金額から、利用特典に応じた額を差し引くことにより利用特典を提供する。このように、ポストペイ型の決済方法により公共交通機関利用促進システム100における利用特典を提供する場合、定期券情報は、磁気カードに設けられた磁気テープに記憶されていてもよい。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置を実現する公共交通機関利用促進装置110は、定期券情報と当該定期券の利用者の識別情報とを取得し、取得された定期券情報に基づいて、乗降区間に含まれる乗降地点から公共交通機関を利用して移動するために所定範囲内の金額を必要とする乗降地点から所定範囲内の施設の利用特典を示す特典情報を含む広告情報を取得する。
そして、取得された利用者の識別情報に関連付けられた端末装置に関する情報を特定し、特定された端末装置に関する情報に基づいて、当該端末装置に対して、取得された広告情報を送信するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、定期券の利用者に対して、定期券の乗降区間に含まれる乗降地点から公共交通機関を利用して移動するために所定範囲内の金額を必要とする乗降地点から所定範囲内の施設を、当該施設を利用した場合の特典とともに案内することができる。
一般的に、定期券の利用者は、当該定期券の乗降区間における公共交通機関の利用頻度が高く、乗降区間外の乗降地点の利用頻度は低いことが想定される。この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、利用者に対して、施設を利用した場合の特典とともに当該施設を案内することにより、普段の乗降頻度が低い乗降地点であって、定期券を利用することにより割安で行くことができる乗降地点から所定範囲内の施設を案内することができる。
これにより、利用者は、自身の好みに合う施設であって、定期券を利用することにより少ない交通費の負担で利用することができる施設を知ることができ、また、利用特典が提供されることにより当該施設を通勤や通学の“ついで”に利用しやすくなる。また、これにより、施設側は、定期券を利用することによって少ない交通費の負担で自身の施設を利用することができる利用者に対して当該施設の利用を促すことができ、行動の有無が不明な利用者を含めて一律に利用特典を通知する場合と比較して、当該施設の利用促進を図ることができる。
このように、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、利用者に過度の負担をかけることなく当該利用者に対して当該利用者の好みに合う施設を案内し、施設の利用促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110は、乗降区間外であって当該乗降区間の両端の乗降地点に隣接する乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、定期券の利用者に対して、乗降区間外であって当該乗降区間の両端の乗降地点に隣接する乗降地点から所定範囲内の施設を、当該施設を利用した場合の特典とともに案内することができる。
一般的に、定期券の利用者は、当該定期券の乗降区間の両端の乗降地点において公共交通機関の乗降をおこなう頻度が高く、乗降地点に隣接する乗降地点においては、乗降をおこなう頻度が低いことが想定される。このため、乗降地点に隣接する乗降地点の周辺に利用者の好みに合う施設があっても、定期券の乗降区間外であるために利用機会を逸していることがある。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、利用者に対して、乗降地点に隣接する乗降地点の周辺の施設を利用した場合の特典とともに当該施設を案内することにより、普段の乗降頻度が高い乗降地点に隣接し、定期券を利用することにより割安な料金で行くことができる乗降地点から所定範囲内の施設を案内することができる。
これにより、利用者は、乗降区間の1区間外であるため、近くにいるにもかかわらずこれまで利用していなかった施設を知り、当該施設を少ない交通費の負担で利用することができる。また、施設側は、これまで1区間隣の乗降地点まで来ていたが定期券の乗降範囲外であるため逸していた利用者に対して当該施設の利用を促すことができ、行動の有無が不明な利用者を含めて一律に利用特典を通知する場合と比較して、当該施設の利用促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110は、乗降区間に含まれる途中の乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、定期券の利用者に対して、乗降区間に含まれる途中の乗降地点から所定範囲内の施設を、当該施設を利用した場合の特典とともに案内することができる。
一般的に、定期券の利用者は、当該定期券の乗降区間の両端の乗降地点において公共交通機関の乗降をおこなう頻度が高く、乗降区間に含まれる途中の乗降地点は通過してしまい、乗降をおこなう頻度が低いことが想定される。このため、乗降区間に含まれる途中の乗降地点の周辺に利用者の好みに合う施設があっても、途中下車することなく利用機会を逸していることがある。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、利用者に対して、乗降区間に含まれる途中の乗降地点の周辺の施設を利用した場合の特典とともに当該施設を案内することにより、利用者がこれまでは通過していたが、定期券を利用することにより割安な料金で行くことができる乗降地点から所定範囲内の施設を案内することができる。
これにより、利用者は、乗降区間に含まれてはいるものの途中の乗降地点であるため、これまで利用していなかった施設を知り、当該施設を少ない交通費の負担で利用することができる。また、施設側は、乗降区間に含まれてはいるものの途中の乗降地点であるためこれまでは素通りしていた利用者に対して当該施設の利用を促すことができ、行動の有無が不明な利用者を含めて一律に利用特典を通知する場合と比較して、当該施設の利用促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110は、乗降区間に含まれる乗降地点を通り、前記乗降区間の移動に利用する路線とは異なる路線上の乗降地点から所定範囲内の施設の広告情報を取得してもよい。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、定期券の利用者に対して、当該定期券の乗降区間に含まれる途中の乗降地点で接続する路線を利用することにより少ない交通費の負担で利用することができる施設を、当該施設を利用した場合の特典とともに案内することができる。
一般的に、定期券の利用者は、定期券の乗降区間に含まれる途中の乗降地点において、当該乗降地点において接続する路線どうしの乗り換えをおこなう場合、定期券の乗降区間外の乗降地点へ向かうことは少ないことが想定される。このため、乗り換えをおこなうために高頻度で乗降しているにもかかわらず、乗り換えをおこなう乗降地点あるいは当該乗降地点の周辺に利用者の好みに合う施設があっても、途中下車することなく利用機会を逸していることがある。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、利用者に対して、当該利用者が乗り換えをおこなう乗降地点あるいは乗り換えをおこなうことができる乗降地点、または当該乗降地点の周辺にある利用者の好みに合う施設を、利用した場合の特典とともに案内することができる。
これにより、利用者は、当該利用者が乗り換えをおこなう乗降地点あるいは乗り換えをおこなうことができる乗降地点、または当該乗降地点の周辺にある利用者の好みに合う施設を知り、当該施設を少ない交通費の負担で利用することができる。また、施設側は、乗り換えをおこなっていた利用者あるいは乗り換えをおこなうことができるにもかかわらず素通りしていた利用者に対して当該施設の利用を促すことができ、行動の有無が不明な利用者を含めて一律に利用特典を通知する場合と比較して、当該施設の利用促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110は、施設の利用にかかる決済金額から、定期券の乗降区間に含まれる乗降地点のうち、施設から所定範囲内の乗降地点にもっとも近い乗降地点と、当該施設から所定範囲内の乗降地点との移動に利用する公共交通機関の運賃の少なくとも一部を免除する利用特典を示す特典情報を含む広告情報を送信してもよい。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、利用特典の通知を受けた施設を利用する際の交通費を免除することにより、利用者に対して、施設を利用させやすくすることができる。これにより、利用者は、より少ない交通費の負担で、定期券の乗降区間から一足伸ばして、利用特典の通知を受けた施設を利用しやすくなり、施設側は、効果的に自身の施設の利用促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110は、定期券情報を次回取得する日時を推定し、推定された日時に基づいて、当該日時の所定時間前に広告情報を送信してもよい。
この発明にかかる実施の形態の公共交通機関利用促進装置110によれば、乗降地点において乗降する日時に基づいて推定される、次回乗降する日時の所定時間前に特典通知を送信することにより、利用特典が受けられる施設を効果的に案内することができる。これにより、各利用者に対して、利用特典が受けられる施設を効果的なタイミングで案内することができ、当該施設の一層の利用促進を図ることができる。
また、公共交通機関利用促進装置110においては、日時推定部503が、乗降履歴データベース330を参照して、公共交通機関からの降車にかかる定期券情報を次回取得する日時を推定し、日時推定部503によって推定された日時と、利用者情報取得部501によって取得された利用者の識別情報に関連付けられた当該利用者に関する情報と、に基づいて、公共交通機関からの降車にかかる定期券情報を次回取得する日時が、乗降履歴データベース330が記憶する日時に関する情報に基づいて算出される通常の降車日時よりも所定時間早い場合に、広告情報送信部505によって広告情報を送信するようにしてもよい。
これにより、利用者に時間的な余裕があると推測される場面において、利用者の好みに合った施設に関する広告情報を送信することができる。これにより、利用者は、自身の好みに合った施設を通勤や通学の“ついで”に一層利用しやすくなる。また、これにより、施設側は、定期券を利用することによって少ない交通費の負担で自身の施設を利用することができる利用者に対して当該施設の利用を効果的に促すことができ、行動の有無が不明な利用者を含めて一律に利用特典を通知する場合と比較して、当該施設の利用促進を図ることができる。
なお、この実施の形態で説明した公共交通機関利用促進方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。