JP6557450B2 - 建築用部材及び外壁用役物 - Google Patents

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Description

本発明は、外壁材の間の隙間を覆うための建築用部材及び外壁用役物に関する。
一般に、建築躯体に複数の外壁材を取付けることで、建築物の外壁を構成することが行われている。このような外壁材は、サイディング材と呼ばれることがある。外壁材の間には隙間が生じる。このような隙間は、基材及び外壁用役物を含む建築用部材によって覆われる。
従来用いられていたこの種の建築用部材は、例えば下記の特許文献1等に示されている。すなわち、従来の建築用部材では、入側に狭路を有する係合溝が基材に設けられている。外壁用役物には、外壁用役物の長手方向全域に連続して延在された突状係合体が設けられている。狭路の奥まで突状係合体が係合溝に挿入されることで、外壁用役物が基材に係合される。
特開2013−151807号公報
上記のような従来構成では、突状係合体が外壁用役物の長手方向全域に連続して延在されているので、突状係合体全体を係合溝に一度に挿入しようとしても抵抗が大きい。このため、係合溝への突状係合体の挿入も長手方向に沿う外壁用役物の一端側から他端側に向けて徐々に行われ、外壁用役物が基材に適切に係合された場合でも大きな衝撃や音が生じることはない。従って、従来構成では、外壁用役物が基材に適切に係合されたか否かを確認することが容易ではなく、突状係合体を係合溝に確実に挿入するように慎重な作業が必要となり、作業効率が悪くなっている。仮に、突状係合体が係合溝に適切に挿入されていなかった場合、外壁用役物と外壁材との間に隙間が生じたり、外壁用役物が脱落したりすることがある。この様な場合、住宅の基本性能である水密性が損なわれたり、意匠性に問題が生じたりする。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、外壁用役物が基材に適切に係合されたことを容易に確認でき、作業効率を向上させることができる建築用部材及び外壁用役物を提供することである。
本発明に係る建築用部材は、外壁材の間の隙間を覆うための建築用部材であって、隙間に対応する位置において建築躯体に固定される基材と、基材に係合されて隙間を覆う長手状の外壁用役物とを備え、基材には、入側に狭路を有する係合溝が設けられており、外壁用役物には、外壁用役物の裏面から延出された一対の壁体により構成された軸部と各壁体の先端が外側に折り返されることで形成された一対の舌片により構成された係合部とをそれぞれ有し、外壁用役物の長手方向に互いに離間して設けられた複数の突状係合体が設けられており、各突状係合体において、一対の壁体及び一対の舌片が外壁用役物の長手方向に関して同じ位置に設けられており、各突状係合体は、係合部が狭路を通過する際に軸部又は係合部が弾性変形されるとともに、係合部が狭路を通過した後に軸部又は係合部が弾性復元され、軸部又は係合部が弾性復元された際に係合部が係合溝の側壁部に衝突して音を生じさせるように構成されており、長手方向に沿う各突状係合体の幅は10mm以上かつ50mm以下であり、係合溝及び突状係合体は、普通鋼又はステンレス鋼により構成されている。
また、本発明に係る外壁用役物は、外壁材の間の隙間に対応する位置において建築躯体に固定された基材に係合されて隙間を覆う長手状の外壁用役物であって、基材には入側に狭路を有する係合溝が設けられており、外壁用役物の裏面から延出された一対の壁体により構成された軸部と各壁体の先端が外側に折り返されることで形成された一対の舌片により構成された係合部とをそれぞれ有し、外壁用役物の長手方向に互いに離間して設けられた複数の突状係合体を備え、各突状係合体において、一対の壁体及び一対の舌片が外壁用役物の長手方向に関して同じ位置に設けられており、各突状係合体は、係合部が狭路を通過する際に軸部又は係合部が弾性変形されるとともに、係合部が狭路を通過した後に軸部又は係合部が弾性復元され、軸部又は係合部が弾性復元された際に係合部が係合溝の側壁部に衝突して音を生じさせるように構成されており、長手方向に沿う各突状係合体の幅は10mm以上かつ50mm以下であり、突状係合体は、普通鋼又はステンレス鋼により構成されている。
本発明の建築用部材及び外壁用役物によれば、各突状係合体は、係合部が狭路を通過する際に軸部又は係合部が弾性変形されるとともに、係合部が狭路を通過した後に軸部又は係合部が弾性復元され、軸部又は係合部が弾性復元された際に係合部が係合溝の側壁部に衝突して音を生じさせるように構成されているので、外壁用役物が基材に適切に係合されたことを容易に確認でき、作業効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1による外壁用役物を示す斜視図である。 図1の基材を示す平面図である。 裏側から見たときの図1の外壁用役物を示す斜視図である。 図3の突状係合体を拡大して示す平面図である。 図4の突状係合体が係合溝に挿入される前の状態を示す説明図である。 図5の突状係合体の係合部が狭路を通過する際の状態を示す説明図である。 図6の突状係合体の係合部が狭路を通過した後の状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態2による係合溝及び突状係合体を示す平面図である。 本発明の実施の形態3による係合溝及び突状係合体を示す平面図である。 本発明の実施の形態4による突状係合体43を示す平面図である。 本発明の実施の形態5による係合溝及び突状係合体を示す平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による外壁用役物4を示す斜視図である。図において、例えば家屋等の建築物の建築躯体1には、建築物の外方から見たときに長方形状の外形を有する複数枚の外壁材2(サイディング材)が取付けられている。各外壁材2は、その短手方向が建築物の高さ方向に沿うように配置されている。図示はしないが、各外壁材2の短手方向両端には、凹部及び凸部からなる接合部が設けられている。各外壁材2は、それらの接合部が互いに接合されることにより建築物の高さ方向に沿って連結されている。図1に示すように、建築物の突出する角(出隅)においては、異なる壁面を構成する外壁材2が出合うことにより、建築物の高さ方向に沿って長手状に延在された隙間が形成される。
建築躯体1には、隙間に対応する位置に基材3が固定されている。基材3には、隙間を覆うための複数の外壁用役物4が取付けられる。外壁用役物4は、建築物の外方から見たときに建築物の角を構成するものである。外壁材2及び外壁用役物4の外面(化粧面)には、凹凸(エンボス模様)が形成されている。また、外壁材2及び外壁用役物4の外面には、意匠性及び耐食性を考慮して塗装が施されている。
外壁材2の外面には、横方向に目地2a(飾り凹部)が設けられている。外壁用役物4の外面にも、外壁材2の目地2aに対応するように目地4a(飾り凹部)が設けられている。このように連続する目地2a,4aが設けられていることで、外壁材2と外壁用役物4との一体感により、意匠性が良好となる。
次に、図2は、図1の基材3を示す平面図である。図2において、基材3は、一枚の金属板が曲げ加工されることで製造されたものである。基材3には、基材3への外壁用役物4の取り付けに利用される係合溝30が設けられている。係合溝30には、一対の側壁部300と、各側壁部300の先端側に設けられた溝内突部310とが設けられている。各溝内突部310は、一方の側壁部300から他方の側壁部300に向かって突出されており、係合溝30の入側に狭路310aを形成している。狭路310aとは、溝内突部310の間の空間であり、溝内突部310(狭路310a)の奥側における側壁部300間の幅300aに比べて幅が狭くなっている部分である。
次に、図3は裏側から見たときの図1の外壁用役物4を示す斜視図であり、図4は図3の突状係合体43を拡大して示す平面図である。図3において、外壁用役物4は、一枚の金属板が曲げ加工されることで製造されたものであり、建築物の角を構成するように全体として断面L字状に形成されている。外壁用役物4の幅方向に沿う両端40は180°曲げされている。外壁用役物4の裏面41は、両端40から外壁用役物4の外面42に沿って延在されている。外壁用役物4の裏面41には、目地4aが形成される位置に切欠41aが形成されている。
外壁用役物4の裏側の幅方向略中央には、外壁用役物4の長手方向4bに互いに離間して(長手方向4bに関して不連続に)設けられた複数の突状係合体43が設けられている。各突状係合体43は、裏面41と連続する板材が折られることで構成されたものであり、切欠41aに対応して離間されている。すなわち、切欠41aが設けられている位置には突状係合体43が設けられていない。
図4に示すように、各突状係合体43は、軸部430と、軸部430の先端側に設けられた係合部431とを有している。軸部430は、外壁用役物4の裏面41から外壁用役物4の幅方向に直交する方向に延出された一対の壁体430aにより構成されるものであり、基材3の係合溝30の深さ方向に沿って延在するように形成されている。
係合部431は、各壁体430aの先端が外側に折り返されることで形成された一対の舌片431aにより構成されており、軸部430に近づく方向に弾性変形可能に設けられている。係合部431の幅431bは、係合溝30の溝内突部310(狭路310a)の奥側における側壁部300間の幅300a以上に設定される。
次に、図5,図6及び図7を用いて係合溝30に挿入される際の突状係合体43の動きについて説明する。図5は図4の突状係合体43が係合溝30に挿入される前の状態を示す説明図であり、図6は図5の突状係合体43の係合部431が狭路310aを通過する際の状態を示す説明図であり、図7は図6の突状係合体43の係合部431が狭路310aを通過した後の状態を示す説明図である。
図5及び図6に示すように、各突状係合体43の係合部431は、狭路310aを通過する際に溝内突部310によって押圧されて軸部430に近づく方向に弾性変形(圧縮)される。
そして、図7に示すように、各突状係合体43の係合部431は、狭路310aを通過した後に溝内突部310による押圧から解放されて弾性復元する(軸部430から離れる方向に変位する)。このとき、各突状係合体43が互いに離間されているので、各突状係合体43の係合部431の弾性変形は互いに独立して生じる。このため、各突状係合体43の係合部431は、狭路310aを通過した後に相応の勢いを有して広がり、係合溝30の側壁部300に衝突して「カチ」という装着音を生じさせる。
なお、従来技術のように突状係合体が外壁用役物の長手方向全域に渡って連続して設けられている場合、係合溝への突状係合体の挿入も長手方向に沿う外壁用役物の一端側から他端側に向けて徐々に行われる。このため、突状係合体の係合部も外壁用役物の長手方向に沿って図5〜図7のような状態を連続的にとる。この場合、図7のように係合部の一部が溝内突部の押圧から解放されたとしても、隣接する係合部の他の部分が図6のように溝内突部によって押圧されたままとなる。従って、溝内突部の押圧から解放された際の係合部の広がりは、穏やかなものとなり音を生じさせない。
各突状係合体43を構成する素材としては、一定量の曲げ弾性率及び硬度を有していることにより、狭路310aを通過した後に係合溝30の側壁部300に衝突して音を生じさせることができるものであればよく、種々の金属又は樹脂等を用いることができる。
係合溝30を構成する素材としては、狭路310aを通過する際に係合部431を押圧して弾性変形させるとともに、狭路310aを通過した後の係合部431の衝突の勢いを吸収せず音を生じさせる程度の硬度を有するものであればよく、種々の金属又は樹脂等を用いることができる。
突状係合体43及び係合溝30を構成することができる金属素材としては、例えば、Zn系めっき鋼板、ステンレス鋼板、Znめっきステンレス鋼板、溶融Alめっき鋼板、溶融Alめっきステンレス鋼板、Al板、塗装Zn系めっき鋼板、塗装ステンレス鋼板、塗装Al板、塗装Znめっきステンレス鋼板、塗装Alめっき鋼板、塗装Alめっきステンレス鋼板、及びチタン板等を挙げることができる。
また、突状係合体43及び係合溝30を構成することができる樹脂系素材としては、例えば塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ユニレート(登録商標)、フェノール樹脂若しくはMCナイロン(登録商標)等の曲げ弾性率が30000(kgf/cm)以上の樹脂材、又はこの樹脂材を例えばガラス繊維やセラミック粉末等により補強した複合材料等を挙げることができる。樹脂材の曲げ弾性率が30000(kgf/cm)以上であることで、音を生じさせる程度の弾性率及び硬度を確保できる。
次に実施例を挙げる。本発明者らは、突状係合体43の材質及び幅、並びに係合溝30の材質を変えて、突状係合体43を係合溝30に挿入した際の装着音(音鳴り性)及び係合強度(係合性)を評価した。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0006557450
GL:溶融Zn−Alめっき鋼板、Al:アルミ板、SUS:ステンレス鋼板(SUS304)、ZAM:溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板、Zn:溶融Znめっき鋼板、塗装GL:塗装溶融Zn−Alめっき鋼板、塗装Al:塗装アルミ板、塗装SUS:塗装ステンレス鋼板(SUS304)、塗装ZAM:塗装溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板、Zn:溶融Znめっき鋼板
音鳴り性は、屋外で突状係合体43を係合溝30に挿入した際の音の識別のしやすさで評価した。◎は装着音が明らかに識別できることを示し、○は装着音が識別できることを示し、×は装着音が識別できないことを示している。係合性は、オートグラフによる引っ張り試験にて評価した。0.1kNの引っ張り荷重で外れないものを◎として表し、外れるものを×として表している。
表1に示すように、外壁用役物4の長手方向4bに沿う突状係合体43の幅が10mm以上かつ50mm以下の範囲内である場合、音鳴り性及び係合性の両方において良好な結果が得られた。一方で、突状係合体43の幅が50mmを超えると、音鳴り性が悪くなることが確認された。これは、突状係合体43の幅が長くなることで、狭路310aを通過した後の突状係合体43の係合部431の広がりが穏やかなものとなるためと考えられる。また、突状係合体43の幅が10mm未満である場合には、係合性が悪いことが確認された。これは、突状係合体43の幅が短すぎると、突状係合体43の強度が低くなるためと考えられる。すなわち、音鳴り性及び係合性を両立させるためには、外壁用役物4の長手方向4bに沿う突状係合体43の幅が10mm以上かつ50mm以下であることが好ましい。
また、突状係合体43及び係合溝30の素材として普通鋼(塗装GL、GL若しくはZn)又はステンレス鋼(SUS若しくは塗装SUS)を用いた場合に、特に良好な音鳴り性を確認できた。これらの素材が十分な曲げ弾性率及び硬度を有しているためと考えられる。
さらに、突状係合体43及び係合溝30の素材として曲げ弾性率が30000(kgf/cm)以上の樹脂材を用いることで、十分な音鳴り性及び係合性を両立できることが確認された。
このような建築用部材及び外壁用役物4によれば、外壁用役物4の長手方向4bに互いに離間して設けられた複数の突状係合体43は、係合部431が狭路310aを通過する際に係合部431が弾性変形されるとともに、係合部431が狭路310aを通過した後に係合部431が弾性復元され、係合部431が弾性復元された際に係合部431が係合溝30の側壁部300に衝突して音を生じさせるように構成されているので、外壁用役物4が基材3に適切に係合されたことを容易に確認でき、作業効率を向上させることができる。
また、長手方向4bに沿う各突状係合体43の幅は10mm以上かつ50mm以下であるので、音鳴り性及び係合性の両立を図ることができる。
また、係合溝30及び突状係合体43の少なくとも一方が、金属、特に普通鋼又はステンレス鋼により構成されているので、良好な音鳴り性を得ることができる。
また、係合溝30及び突状係合体43の少なくとも一方が、曲げ弾性率が30000(kgf/cm)以上の樹脂材により構成されているので、十分な音鳴り性及び係合性を両立できる。
なお、実施の形態1では、外壁用役物4の裏面41において目地4aが形成される位置に切欠41aが形成されているように説明したが、目地が設けられない場合には切欠41aが不要な場合がある。この場合、突状係合体43の軸部430が外壁用役物4の長手方向4bに延長された壁体によって各突状係合体43が接続されてもよい。この場合でも、各突状係合体43の係合部431は互いに独立して弾性変形可能であり、係合溝30の側壁部300に衝突して音を発することができる。なお、各突状係合体43を接続する壁体は、係合に資する部分ではなく突状係合体43に含まれない。換言すると、各突状係合体43を接続する壁体が設けられても、各突状係合体43は外壁用役物4の長手方向4bに互いに離間されている(離れて配置されている)。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2による係合溝30及び突状係合体43を示す平面図である。実施の形態1では、係合溝30の溝内突部310が各側壁部300からそれぞれ突出されているように説明したが、図8に示すように溝内突部310は片側の側壁部300からのみ突出されていてもよい。
また、実施の形態1では突状係合体43の軸部430は一対の壁体430aにより構成されているように説明したが、図8に示すように軸部430は1つの壁体430aにより構成されていてもよい。
さらに、実施の形態1では突状係合体43の係合部431は一対の舌片431aにより構成されているように説明したが、図8に示すように係合部431は1つの舌片431aにより構成されていてもよい。
図8のような構成であっても、各突状係合体43の係合部431は、溝内突部310により形成された狭路310aを通過する際に弾性変形されるとともに、狭路310aを通過した後に弾性復元されて、係合溝30の側壁部300に衝突して「カチ」という装着音を生じさせることができる。なお、図8の係合溝30及び突状係合体43は、金属又は樹脂のバルク体により構成されている。金属バルク体は、鋳型を用いるか、又は切り出し加工により得ることができる。樹脂バルク体は、押出成型や射出成型により得ることができる。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3による係合溝30及び突状係合体43を示す平面図である。図9に示すように、本実施の形態の係合溝30には、係合溝30の深さ方向に沿って複数の溝内突部310が設けられている。このように、溝内突部310を係合溝30の深さ方向に多段に配置した場合、複数回の装着音を生じさせることができる。なお、突状係合体43の係合部431を構成する舌片431aが係合溝30の深さ方向に多段に配置されていてもよい。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4による突状係合体43を示す平面図である。実施の形態1では、突状係合体43の係合部431は単なる舌片431aにより構成されるように説明したが、突状係合体43の係合部431は、溝内突部310により形成された狭路310aを通過する際に弾性変形されるとともに、狭路310aを通過した後に弾性復元できる形状であれば、より複雑な形態をとることもできる。図10に示す係合部431は、係合溝30の幅方向に厚みを有するように金属片が複数回折り曲げられることで形成されている。図10のような構成であっても、実施の形態1の構成と同じ効果を得ることができる。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5による係合溝30及び突状係合体43を示す平面図である。実施の形態1では、突状係合体43の係合部431(舌片431a)が、狭路310aを通過する際に弾性変形されるとともに、狭路310aを通過した後に弾性復元するように説明した。しかしながら、弾性変形及び弾性復元されるのは、突状係合体43の軸部430であってもよい。
図11において、突状係合体43の軸部430は、一対の壁体430aにより構成されている。係合部431は、各壁体430aの先端に設けられた突起体431bにより構成されている。各突状係合体43の壁体430aは、その先端の突起体431bが狭路310aを通過する際に互いに近づく方向に弾性変形される。また、各突状係合体43の壁体430aは、その先端の突起体431bが狭路310aを通過する際に互いに近づく方向に弾性変形されるとともに、突起体431bが狭路310aを通過した後に弾性復元される。この壁体430aの弾性復元に応じて、各突状係合体43の突起体431b(係合部431)が係合溝30の側壁部300に衝突して「カチ」という装着音を生じさせる。
このような構成においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態1〜5では、建築物の突出する角における隙間(出隅部)を塞ぐ外壁用役物4について説明したが、建築物の窪んだ角及び建築物の平らな壁面に形成される隙間(入隅部及び目地部)を塞ぐ外壁用役物であっても本発明を適用することができる。
また、実施の形態1〜5では、外壁用役物4が一枚の板材により構成されるように説明したが、外壁用役物は、例えば特開2013−151807号公報等に示されるように2つ以上の部材を組み合わせて構成してもよい。
1 建築躯体
2 外壁材
3 基材
30 係合溝
300 側壁部
310a 狭路
4 外壁用役物
431 係合部

Claims (2)

  1. 外壁材の間の隙間を覆うための建築用部材であって、
    前記隙間に対応する位置において建築躯体に固定される基材と、
    前記基材に係合されて前記隙間を覆う長手状の外壁用役物と
    を備え、
    前記基材には、入側に狭路を有する係合溝が設けられており、
    前記外壁用役物には、前記外壁用役物の裏面から延出された一対の壁体により構成された軸部と各壁体の先端が外側に折り返されることで形成された一対の舌片により構成された係合部とをそれぞれ有し、前記外壁用役物の長手方向に互いに離間して設けられた複数の突状係合体が設けられており、
    各突状係合体において、前記一対の壁体及び前記一対の舌片が前記外壁用役物の長手方向に関して同じ位置に設けられており、
    各突状係合体は、前記係合部が前記狭路を通過する際に前記軸部又は前記係合部が弾性変形されるとともに、前記係合部が前記狭路を通過した後に前記軸部又は前記係合部が弾性復元され、前記軸部又は前記係合部が弾性復元された際に前記係合部が前記係合溝の側壁部に衝突して音を生じさせるように構成されており、
    前記長手方向に沿う各突状係合体の幅は10mm以上かつ50mm以下であり、
    前記係合溝及び前記突状係合体は、普通鋼又はステンレス鋼により構成されている
    ことを特徴とする建築用部材。
  2. 外壁材の間の隙間に対応する位置において建築躯体に固定された基材に係合されて前記隙間を覆う長手状の外壁用役物であって、前記基材には入側に狭路を有する係合溝が設けられており、
    前記外壁用役物の裏面から延出された一対の壁体により構成された軸部と各壁体の先端が外側に折り返されることで形成された一対の舌片により構成された係合部とをそれぞれ有し、前記外壁用役物の長手方向に互いに離間して設けられた複数の突状係合体を備え、
    各突状係合体において、前記一対の壁体及び前記一対の舌片が前記外壁用役物の長手方向に関して同じ位置に設けられており、
    各突状係合体は、前記係合部が前記狭路を通過する際に前記軸部又は前記係合部が弾性変形されるとともに、前記係合部が前記狭路を通過した後に前記軸部又は前記係合部が弾性復元され、前記軸部又は前記係合部が弾性復元された際に前記係合部が前記係合溝の側壁部に衝突して音を生じさせるように構成されており、
    前記長手方向に沿う各突状係合体の幅は10mm以上かつ50mm以下であり、
    前記突状係合体は、普通鋼又はステンレス鋼により構成されている
    ことを特徴とする外壁用役物。
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