JP6556569B2 - 作業機の油圧システム - Google Patents
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Description
特許文献1に示された油圧ショベルの油圧制御装置は、油圧ポンプから作業具に供給される圧油の流れを制御する方向制御弁と、油圧ポンプと作業具との間に設けられ且つ油圧ポンプから作業具に供給される圧油の圧力を制御する流体制御弁と、作業具からタンクに戻る油路に設けられるフィルタと、フィルタの目詰まり状態を検出する目詰まり状態検出手段と、目詰まり状態検出手段によりフィルタの目詰まり状態が検出されたときには、フィルタの目詰まり状態が検出されていないときに比べて、作業具に供給される圧油の圧力が低下するように流体制御弁を制御する制御手段とを備えている。
作業機の油圧システムは、作動油を貯留するタンクと、作動油を吐出する油圧ポンプと、作動油により作動する油圧機器と、前記油圧機器の下流に設けられたフィルタと、前記フィルタと油圧機器とを接続する第1油路と、前記フィルタの上流に設けられ、前記第1油路の作動油を受圧する受圧部を有し且つ前記受圧部が受圧した前記第1油路の作動油の圧力に基づいてリリーフする設定圧が可変するリリーフ弁と、前記第1油路と前記リリーフ弁の前記受圧部とを接続し且つ、前記第1油路の作動油の圧力を前記受圧部に作用させる第2油路と、を備えている。
また、前記リリーフ弁は、前記入力ポートに入った作動油の温度が高くなるにつれて前記設定圧が低く且つ前記入力ポートに入った作動油の温度が低くなるにつれて前記設定圧が高くなる設定部材を有している。
また、前記油圧機器は、作動油によって回転する油圧モータと、前記油圧モータの回転により回転するファンと、前記バイパス油路に設けられた作動弁とを有している。
また、前記リリーフ弁は、前記油圧ポンプと前記油圧機器との間の油路に設けられ、前記フィルタに掛かる圧力の上昇が予測される所定条件下では、前記作動弁を作動させることにより前記ファンの回転数を上昇させる制御装置を備えている。
[第1実施形態]
図6は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図6では、作業機の一例として、スキッドステアローダを示している。但し、本発明に係る作業機はスキッドステローダに限定されず、例えば、コンパクトトラックローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
機体2上にはキャビン3が搭載されている。キャビン3内の後部には運転席8が設けられている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図6の左側)を前方、運転者の後側(図6の右側)を後方、運転者の左側(図6の手前側)を左方、運転者の右側(図6の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
作業装置4は、ブーム10と、バケット11と、リフトリンク12、制御リンク13と、ブームシリンダC1と、バケットシリンダC2とを有する。ブーム10は、機体2の左及び右に設けられている。バケット11は、ブーム10の先端(前端)に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10の基部(後部)を支持する。ブームシリンダC1は、ブーム10を上又は下に駆動する。
次に、スキッドステアローダ1に設けられた作業系油圧回路(作業系油圧システム)30について説明する。
作業系システム30は、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2と、制御弁56とを備えている。
第2油圧ポンプP2は、第1油圧ポンプP1とは異なる位置に設置され且つ、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。なお、説明の便宜上、第2油圧ポンプP2から吐出した作動油のことを「パイロット油」、パイロット油の圧力のことを「パイロット圧」という。
制御弁56は、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。制御弁56は、パイロット圧によって、第1位置62a、第2位置62b、第3位置(中立位置)62cに切り換わる。即ち、制御弁56は、第1位置62a、第2位置62b及び第3位置62cに切り換わることによって、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ33へ向かう作動油の方向、流量及び圧力を制御する。
詳しくは、給排油路83は、制御弁56の第1給排ポートと接続部材50の第1ポートとを接続する第1給排油路83aを含んでいる。また、給排油路83は、制御弁56の第2給排ポートと接続部材50の第2ポートとを接続する第2給排油路83bとを含んでいる。つまり、制御弁56を操作することによって、制御弁56から第1給排油路83aに向けて作動油を流したり、制御弁56から第2給排油路83bに向けて作動油を流すことができる。
制御弁56と、比例弁60(第1比例弁60Aと、第2比例弁60B)とは、制御油路86により接続されている。
例えば、操作部材93を一方向に揺動、或いは、スライドすることによって、第1比例弁60Aの開度を調整した結果、受圧部61aに作用するパイロット圧が所定以上になると、制御弁56のスプールが移動して当該制御弁56は、第3位置62cから第1位置62aに切り換わる。また、例えば、操作部材93を他方向に揺動、或いは、スライドすることによって、第2比例弁60Bの開度を調整した結果、受圧部61bのパイロット圧が所定以上になると、制御弁56のスプールが移動して当該制御弁56は、第3位置62cから第2位置62bに切り換わる。以上のように、制御弁56を切り換えることによって、予備アクチュエータ33を作動させることができる。
具体的には、油圧機器51は、冷却を行う冷却機器である。この冷却機器51は、例えば、原動機7の周囲に配置され、原動機7等を冷却する。なお、冷却機器51の配置は、前述したものに限定されない。
例えば、作動油の温度が0度以下の場合、特に、作動油の温度が氷点下10度(−10度)以下といった非常に低温である場合では、作動油の粘度が非常に高くなる。即ち、低温とは、作業機で一般的に用いられる粘度グレード(動粘度)の作動油における粘度が非常に高くなる温度域であって、この高い粘度の影響を受けて、油路における油圧が上昇しやすい温度である。作動油が低温である場合に、作動油をフィルタに流すと当該フィルタに大きな負荷が掛かることになる。
第3油路40gは、バイパス油路40dであって作動弁51cの下流側の部分と、リリーフ弁52Aの受圧部52bとを接続している。これによれば、作動油が低温であることに起因してバイパス油路40dの作動油の粘性が高い場合でも、バイパス油路40dの下流側に位置するフィルタ53を保護することができる。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態による作業系油圧システムを示す図である。図3は、作業系油圧システムにおいて、第1実施形態で示したリリーフ弁52Aを、別のリリーフ弁52Bに変更した回路を示している。第2実施形態では、リリーフ弁52B以外の構成は、第1実施形態と同様である。
設定部材52aは、温度によって形状或いは付勢力が変化するスプリングを含んでいる。スプリングは、リリーフ弁52Bに内蔵された弁体を閉鎖する方向に付勢している。第2入力ポート52dは、吐出油路40が接続され、出力ポート52eは作動油タンク22に接続されている。
これによれば、フィルタ53の上流側の第1油路40bに流れる作動油は、第2油路40f及び第1入力ポート52cを介してリリーフ弁52Bに入る。第1油路40bの作動油が低温であると、リリーフ弁52Bに入る作動油も低温である。リリーフ弁52Bは、第1入力ポート52cに入った温度に応じて設定圧が下がるため、油路40eから作動油タンク22へ流れる作動油が多くなる。その結果、作動油の温度が低く当該作動油の粘性が高くなる場合でも、第1油路40bに掛かる作動油の圧力は大きくなることが無いため、フィルタ53を保護することができる。
第3油路40gは、バイパス油路40dであって作動弁51cの下流側の部分と、リリーフ弁52Bの第1入力ポート52cとを接続している。これによれば、作動油が低温であってバイパス油路40dを流れる作動油の温度が低い場合でも、バイパス油路40dの下流側に位置するフィルタ53を保護することができる。
また、上述した実施形態では、第1油路40b(油圧機器51とフィルタ53とを繋ぐ油路)とリリーフ弁52Bとを繋ぎ、第1油路の作動油の温度が低下した場合にリリーフ弁52Bの設定圧を低くしていた。これに代え、フィルタ53の上流側であって第2油圧ポンプP2と油圧機器51とを繋ぐ油路40aとリリーフ弁52Bとを繋ぎ、油路40aの作動油の温度が低下した場合にリリーフ弁52Bの設定圧を低くしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
7 原動機
40c 第1油路
40d バイパス油路
40f 第2油路
40g 第3油路
51 油圧機器
51a 油圧モータ
51b ファン
51c 作動弁
52A リリーフ弁
52B リリーフ弁
52C リリーフ弁
52D リリーフ弁
52a 設定部材
52b 受圧部
52c 第1入力ポート
52d 第2入力ポート
52e 出力ポート
52f 設定部材
52g 第3入力ポート
53 フィルタ
Claims (9)
- 作動油を貯留するタンクと、
作動油を吐出する油圧ポンプと、
作動油により作動する油圧機器と、
前記油圧機器の下流に設けられたフィルタと、
前記フィルタと油圧機器とを接続する第1油路と、
前記フィルタの上流に設けられ、前記第1油路の作動油を受圧する受圧部を有し且つ前記受圧部が受圧した前記第1油路の作動油の圧力に基づいてリリーフする設定圧が可変するリリーフ弁と、
前記第1油路と前記リリーフ弁の前記受圧部とを接続し且つ、前記第1油路の作動油の圧力を前記受圧部に作用させる第2油路と、
を備えている作業機の油圧システム。 - 作動油を吐出する油圧ポンプと、
作動油により作動する油圧機器と、
前記油圧機器の下流に設けられたフィルタと、
前記油圧機器の一次側と二次側とを連結するバイパス油路と、
前記フィルタと油圧機器とを接続する第1油路と、
前記フィルタの上流に設けられ、前記作動油を受圧する受圧部を有し且つ前記受圧部で受圧した作動油の圧力に基づいてリリーフする設定圧が可変するリリーフ弁と、
前記バイパス油路と前記リリーフ弁の前記受圧部とを接続する第3油路と、
を備え、
前記リリーフ弁の受圧部は、前記第3油路を介して前記バイパス油路の作動油の圧力が作用し、当該受圧部に作用した作動油の圧力に基づいてリリーフする設定圧が可変する作業機の油圧システム。 - 作動油を吐出する油圧ポンプと、
作動油により作動する油圧機器と、
前記油圧機器の下流に設けられたフィルタと、
前記フィルタと油圧機器とを接続する第1油路と、
前記フィルタの上流に設けられ、作動油が入る入力ポートを有し且つ前記入力ポートに入った作動油の温度に基づいてリリーフする設定圧が可変するリリーフ弁と、
前記油圧機器の一次側と二次側とを連結するバイパス油路と、
を備え、
前記入力ポートは、リリーフする作動油が入るポートと、前記作動油とは別に前記バイパス油路の作動油が入るポートとを含む作業機の油圧システム。 - 前記リリーフ弁は、作動油が受圧する受圧部と、前記受圧部に作用する作動油の圧力が高くなるにつれて前記設定圧が低く且つ前記受圧部に作用する作動油の圧力が低くなるにつれて前記設定圧が高くなる設定部材と、を有している請求項1又は2に記載の作業機の油圧システム。
- 前記リリーフ弁は、前記入力ポートに入った作動油の温度が高くなるにつれて前記設定圧が高く且つ前記入力ポートに入った作動油の温度が低くなるにつれて前記設定圧が低くなる設定部材を有している請求項3に記載の作業機の油圧システム。
- 前記油圧機器は、作動油によって回転する油圧モータと、前記油圧モータの回転により回転するファンと、前記油圧モータの一次側と二次側とを連結するバイパス油路と、前記バイパス油路に設けられた作動弁とを有している請求項1に記載の作業機の油圧システム。
- 前記油圧機器は、作動油によって回転する油圧モータと、前記油圧モータの回転により回転するファンと、前記バイパス油路に設けられた作動弁とを有している請求項3又は5に記載の作業機の油圧システム。
- 前記リリーフ弁は、前記油圧ポンプと前記油圧機器との間の油路に設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
- 前記リリーフ弁は、前記油圧ポンプと前記油圧機器との間の油路に設けられ、前記フィルタに掛かる圧力の上昇が予測される所定条件下では、前記作動弁を作動させることにより前記ファンの回転数を上昇させる制御装置を備えている請求項6又は7に記載の作業機の油圧システム。
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