JP7179683B2 - 作業機の油圧システム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ、バックホー等の作業機の油圧システムに関するものである。
従来、作業機において暖機を行う技術として特許文献1に示されているものがある。
特許文献1の作業機は、ポンプから吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁と、このパイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディとを備えている。特許文献1では、弁ボディに、ポンプから吐出されたパイロット油を流入させるヒートアップ油路を設け、ヒートアップ油路に流入させたパイロット油をリリーフ弁又は絞りを介して作動油タンクに流すことにより弁ボディをヒートアップしている。
特許第5809544号公報
特許文献1の作業機では、暖機のために弁ボディを加工して、当該弁ボディ内に、リリーフ弁又は絞りを繋ぐ油圧油路を形成しなければならなかった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、ブレーキ作動弁及び走行作動弁によって油路の暖機を簡単に行うことができる作業機油圧システムの提供を目的とする。
技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下の通りである。
作業機の油圧システムは、作動油を吐出油路に吐出する油圧ポンプと、前記吐出油路に接続され、且つ第1設定圧の作動油を第1油路に流すブレーキ作動弁と、走行装置を駆動させる走行モータを前記第1設定圧に基づいて制動するブレーキ機構と、前記吐出油路に接続され、且つ第2油路を介して第2設定圧の作動油を操作弁に流す走行作動弁と、前記操作弁から供給される作動油のパイロット圧に基づいて、前記走行モータに供給する作動油を制御する走行ポンプと、前記第1油路と前記第2油路とを接続する第3油路と、前記ブレーキ作動弁に接続された排出油路と、前記ブレーキ作動弁及び前記走行作動弁を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第2設定圧が前記第1設定圧より高くなるように前記ブレーキ作動弁及び前記走行作動弁を制御することにより、前記第2油路、前記第3油路、前記第1油路、前記ブレーキ作動弁及び前記排出油路を介して作動油を排出する
前記ブレーキ作動弁は、前記第1設定圧の作動油を前記ブレーキ機構に作用させて当該ブレーキ機構を制動させる第1位置と、前記ブレーキ機構を制動させることを解除する第2位置との間で切換可能な切換弁である。
前記ブレーキ作動弁は、前記ブレーキ機構に作用する作動油の圧力を、当該ブレーキ機構を制動させる制動圧から当該ブレーキ機構を制動させることを解除する解除圧に変更可能な比例弁である。
記第3油路は、前記第2油路において前記走行作動弁と前記操作弁とのに接続されている。
記第3油路は、前記第2油路において前記操作弁と前記走行ポンプとの間に接続されている
前記走行作動弁は、原動機の回転数に基づいて前記第2設定圧を変更するアンチストール比例弁であるか、又は前記操作弁への作動油の供給を停止させる油圧ロック切換弁である。
前記第3油路に設けられ且つ、前記第2油路から前記第1油路への作動油を許容し、前記第1油路から前記第2油路への作動油を阻止する逆止弁を備えている。
作業機の油圧システムは、前記走行モータと前記走行ポンプとを接続する変速用油路を備え、前記走行ポンプは、前記走行ポンプの斜板を操作可能なレギュレータを含み、前記走行作動弁は、前記レギュレータによって前記斜板を操作することで前記走行ポンプを正転及び逆転のいずれかに切り換える。
本発明によれば、ブレーキ作動弁及び走行作動弁によって油路の暖機を簡単に行うことができる。
第1実施形態における作業機の油圧システム(油圧油路)を示す図である。 作業機の走行系の油圧システムの部分拡大図である。 図2Aの第1変形例を示す図である。 図2Bの第2変形例を示す図である。 第3油路の接続先を変更した第3変形例である。 エンジン回転数と走行一次圧の関係を示す図である。 第2実施形態における作業機の油圧システム(油圧油路)を示す図である。 第3実施形態における作業機の油圧システム(油圧油路)を示す図である。 第4実施形態における作業機の油圧システム(油圧油路)を示す図である。 第5実施形態における作業機の油圧システム(油圧油路)を示す図である。 第5実施形態における作業機の油圧システムの変形例を示す図である。 作業機の一例であるトラックローダを示す側面図である。
以下、本発明に係る作業機1の油圧システムの実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図10は、本発明に係る作業機1の側面図を示している。図10では、作業機1の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機1はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機1であってもよい。
作業機1は、図10に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5とを備えている。
本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図10の左側)を前方、運転者の後側(図10の右側)を後方、運転者の左側(図10の手前側)を左方、運転者の右側(図10の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。走行装置5は、機体2の外側に設けられている。機体内の後部には、原動機32が搭載されている。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ15とを有している。
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。バケットシリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(第1枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(第2枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
ブームシリンダ14の上部は、枢支軸18(第3枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第3枢支軸18は、各ブーム10の基部であって、当該基部の前部に設けられている。ブームシリンダ14の下部は、枢支軸19(第4枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第4枢支軸19は、機体2の後部の下部寄りであって第3枢支軸18の下方に設けられている。
制御リンク13は、リフトリンク12の前方に設けられている。この制御リンク13の一端は、枢支軸20(第5枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第5枢支軸20は、機体2であって、リフトリンク12の前方に対応する位置に設けられている。制御リンク13の他端は、枢支軸21(第6枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第6枢支軸21は、ブーム10であって、第2枢支軸17の前方で且つ第2枢支軸17の上方に設けられている。
ブームシリンダ14を伸縮することにより、リフトリンク12及び制御リンク13によって各ブーム10の基部が支持されながら、各ブーム10が第1枢支軸16回りに上下揺動し、各ブーム10の先端部が昇降する。制御リンク13は、各ブーム10の上下揺動に伴って第5枢支軸20回りに上下揺動する。リフトリンク12は、制御リンク13の上下揺動に伴って第2枢支軸17回りに前後揺動する。
ブーム10の前部には、バケット11の代わりに別の作業具11が装着可能とされている。別の作業具11としては、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
バケットシリンダ15は、各ブーム10の前部寄りにそれぞれ配置されている。バケットシリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。
左側及び右側の各走行装置5は、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置5が採用されている。なお、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置5を採用してもよい。
次に、本発明に係る作業機1の油圧システムについて説明する。作業機1の油圧システムは、走行系の油圧システムと、作業系の油圧システムを有している。
図1に示すように、走行系の油圧システムは、走行系の油圧システムは、走行装置5を駆動するシステムであって、原動機32と、第1油圧ポンプ(油圧ポンプ)P1と、第1走行モータ機構31Lと、第2走行モータ機構31Rと、走行駆動回路34とを備えている。
原動機32は、電気モータ、エンジン等から構成されている。この実施形態では、原動機32はエンジンである。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク(作動油タンク)22に貯留された作動油を吐出可能である。第1油圧ポンプP1の吐出側には、作動油を流す吐出油路40が設けられている。吐出油路40の中途部には、フィルタ35が設けられている。吐出油路40の作動油の吐出側は、複数に分岐している。当該吐出油路40の吐出側には、第1チャージ油路41が接続されている。第1チャージ油路41は、走行駆動機構34に至っている。第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
走行駆動機構34は、第1走行モータ機構31L及び第2走行モータ機構31Rを駆動する機構であって、第1走行モータ機構31Lの駆動用の駆動回路(左用駆動回路)34Lと、第2走行モータ機構31Rの駆動用の駆動回路(右用駆動回路)34Rとを有している。
駆動回路34L,34Rは、それぞれHSTポンプ(走行ポンプ)52L、52Rと、変速用油路57h,57iと、第2チャージ油路42とを有している。変速用油路57h,57iは、HSTポンプ52L,52RとHSTモータ36とを接続する油路である。第2チャージ油路42は、変速用油路57h,57iに接続され、第1油圧ポンプP1からの作動油を変速用油路57h,57iに補充する油路である。HSTポンプ52L,52Rは、原動機32の動力によって駆動される斜板形可変容量アキシャルポンプである。HSTポンプ52L,52Rは、パイロット圧が作用する前進用受圧部52aと後進用受圧部52bとを有し、受圧部52a,52bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。斜版の角度を変更することによって、HSTポンプ52L,52Rの出力(作動油の吐出量)や作動油の吐出方向を変えることができる。言い換えれば、HSTポンプ52L,52Rは、斜板の角度を変更されることによって、走行装置5へ出力する駆動力を変更する。
第1走行モータ機構31Lは、機体2の左側に設けられた走行装置5の駆動軸に動力を伝達する機構である。第2走行モータ機構31Rは、機体2の右側に設けられた走行装置5の駆動軸に動力を伝達する機構である。第1走行モータ機構31Lは、HSTモータ(走行モータ)36と、変速機構を有している。
HSTモータ36は、斜板形可変容量アキシャルモータあって、車速(回転)を1速或いは2速に変更することができるモータである。言い換えれば、HSTモータ36は、作業機1の推進力を変更することができるモータである。
変速機構は、斜板切換シリンダ38aと、切換弁38bとを含んでいる。斜板切換シリンダ38aは、伸縮によってHSTモータ36の斜板の角度を変更するシリンダである。切換弁38bは、斜板切換シリンダ38aを一方側或いは他方側に伸縮させる弁であって、第1位置39a及び第2位置39bに切り換わる二位置切換弁である。切換弁38bの切換は、変速切換弁33により行う。変速切換弁33は、吐出油路40に接続され且つ第1走行モータ機構31Lの切換弁38b及び第2走行モータ機構31Rの切換弁38bに接続されている。変速切換弁33は、第1位置33aと第2位置33bとに切り換え可能な二位置切換弁である。変速切換弁33を第1位置33aにすると、切換弁38bに作用させる作動油の圧力を所定の速度(例えば、1速)に対応する圧力(減速圧)に設定する。また、変速切換弁33を第2位置33bにすると、切換弁38bに作用させる作動油の圧力を所定の速度(1速)よりも早く速度(2速)に対応する圧力(増速圧)に設定する。したがって、変速切換弁33が第1位置33aの場合、切換弁38bは第1位置39aになり、これに伴って、斜板切換シリンダ38aは収縮し、HSTモータ36を1速にすることができる。また、変速切換弁33が第2位置33bの場合、切換弁38bは第2位置39bになり、これに伴って、斜板切換シリンダ38aは伸長し、HSTモータ36を2速にすることができる。なお、HSTモータ36を1速又は2速の変速は制御装置90の制御により行う。例えば、制御装置90には、スイッチ(変速スイッチ)等の操作部材58が設けられている。操作部材58を1速に切り換えると、制御装置90は、変速切換弁33のソレノイドを消磁する制御信号を出力して当該変速切換弁33を第1位置33aにする。また、操作部材58を2速に切り換えると、制御装置90は、変速切換弁33のソレノイドを励磁する制御信号を出力して当該変速切換弁33を第2位置33bにする。
また、第1走行モータ機構31Lは、ブレーキ機構30を有している。ブレーキ機構30は、右側の走行装置5の制動、即ち、HSTモータ36の回転又はHSTモータ36の回転に伴って回転する出力軸の回転を停止可能である。ブレーキ機構30は、第1油圧ポンプP1から吐出されたパイロット油(作動油)によって、走行モータ機構31を制動する作動状態となったり、制動を解除する作動状態に変化する。例えば、ブレーキ機構30は、走行モータ機構31の出力軸に設けられた第1ディスクと、移動可能な第2ディスクと、第2ディスクが第1ディスクに接触する側へ付勢するバネとを備えている。また、ブレーキ機構30は、第1ディスク、第2ディスク及びバネを収容する収容部(収容ケース)59を備えている。この収容部59であって、第2ディスクが納められている部分と、ブレーキ切換弁80aとは、後述するように油路を介して接続されている。ブレーキ切換弁80aは、ブレーキ機構30における制動及び制動の解除(制動解除)を行う電磁弁であって、第1位置80a1と第2位置80a2とに切り換え可能な二位置切換弁である。ブレーキ切換弁80aは、第1位置80a1である場合、ブレーキ機構30に作用させる作動油の圧力(収容部59に作用する圧力)を当該ブレーキ機構30が制動する圧力(制動圧)に設定する。また、ブレーキ切換弁80aは、第2位置80a2である場合、作動油の圧力を制動解除する圧力(解除圧)以上に設定する。なお、ブレーキ切換弁80aの切換は、制御装置90の制御により行う。例えば、制御装置90には、ブレーキ切換弁80aのソレノイドを消磁する制御信号を出力して当該ブレーキ切換弁80aを第1位置80a1にする。また、制御装置90は、ブレーキ切換弁80aのソレノイドを励磁する制御信号を出力して当該ブレーキ切換弁80aを第2位置80a2にする。また、制御装置90からブレーキ切換弁80aへの制御信号の出力は、例えば、スイッチを設けておき、スイッチを手動で操作することにより行っても良いし、制御装置90が作業機の運転状況を判断して自動的に行ってもよい。
したがって、ブレーキ制切換弁80aが第1位置80a1である場合、収容部59の格納部のパイロット油が排出され、第2ディスクが制動の方向に動き、ブレーキ機構30における制動を行うことができる。また、ブレーキ制切換弁80aが第2位置80a2である場合、収容部59の格納部にパイロット油が供給され、第2ディスクが制動とは反対側(バネの付勢方向とは反対側)に動き、ブレーキ機構30における制動解除を行うことができる。なお、第2走行モータ機構31Rは、第1走行モータ機構31Lと同様の構成であって、第1走行モータ機構31Lで示した構成を第2走行モータ機構31Rに読み替えればよいため、構成の説明を省略する。
図1に示すように、作業機1は、操作装置53を備えている。操作装置53は、走行装置5、即ち、第1走行モータ機構31L、第2走行モータ機構31R及び走行駆動機構34を操作する装置である。操作装置53は、第1操作部材54と、複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)とを有している。
第1操作部材54は、操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作部材である。また、複数の操作弁55は、共通、即ち、1本の第1操作部材54によって操作される。複数の操作弁55は、第1操作部材54の揺動に基づいて作動する。複数の操作弁55には、吐出油路40を介して、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)が供給可能である。複数の操作弁55は、操作弁55a、操作弁55b、操作弁55c及び操作弁55dである。
複数の操作弁55と、走行系の走行駆動機構34(走行ポンプ52L,52R)とは、走行油路45によって接続されている。走行油路45は、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有している。第1走行油路45aは、走行ポンプ52Lの前進用受圧部52aに接続された油路である。第2走行油路45bは、走行ポンプ52Lの後進用受圧部52bに接続された油路である。第3走行油路45cは、走行ポンプ52Rの前進用受圧部52aに接続された油路である。第4走行油路45dは、走行ポンプ52Rの後進用受圧部52bに接続された油路である。第5走行油路45eは、操作弁55、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dを接続する油路である。第5走行油路45eは、複数のシャトル弁46と、複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)とを接続している。
第1操作部材54を前方(図1では矢示A1方向)に揺動させると、操作弁55aが操作されて該操作弁55aからパイロット圧が出力され、走行モータ36の出力軸が第1操作部材54の揺動量に比例した速度で正転(前進回転)して作業機1が前方に直進する。また、第1操作部材54を後方(図1では矢示A2方向)に揺動させると、操作弁55bが操作されて該操作弁55bからパイロット圧が出力され、走行モータ36の出力軸が第1操作部材54の揺動量に比例した速度で逆転(後進回転)して作業機1が後方に直進する。
また、第1操作部材54を右方(図1では矢示A3方向)に揺動させると、操作弁55cが操作されて該操作弁55cからパイロット圧が出力され、左側の走行モータ36の出力軸が正転し且つ右側の走行モータ36の出力軸が逆転して作業機1が右側に旋回する。第1操作部材54を左方(図1では矢示A4方向)に揺動させると、操作弁55dが操作されて該操作弁55dからパイロット圧が出力され、左側の走行モータ36の出力軸が逆転し且つ右側の走行モータ36の出力軸が正転して作業機1が左側に旋回する。
また、第1操作部材54を斜め方向に揺動させると、受圧部52aと受圧部52bとに作用するパイロット圧の差圧によって、左方の走行モータ36及び右側の走行モータ36の出力軸の回転方向及び回転速度が決定され、作業機1が前進又は後進しながら右旋回又は左旋回する。
図1に示すように、吐出油路40には、操作装置53(操作弁55a、55b、55c、55d)に供給する作動油を停止可能な油圧ロック切換弁81aが接続されている。油圧ロック切換弁81aは、第1位置81a1と第2位置81a2とに切り換え可能な二位置切換弁である。油圧ロック切換弁81aを第1位置81a1にすると、第1油圧ポンプP1からのパイロット油は、操作弁55a、55b、55c、55dには供給されず、第1操作部材54を操作しても操作弁55a、55b、55c、55dによる作動油の圧力がHSTポンプ(走行ポンプ)52L、52Rに作用しないロック状態になる。油圧ロック切換弁81aを第2位置81a2にすると、第1油圧ポンプP1からのパイロット油は、操作弁55a、55b、55c、55dには供給され、第1操作部材54の操作に伴って、操作弁55a、55b、55c、55dによる作動油の圧力がHSTポンプ(走行ポンプ)52L、52Rに作用するロック解除状態になる。
さて、作業機1の油圧システムは、第1油圧機器に接続する第1油路と、第2油圧機器に接続する第2油路とを第3油路で接続し、第1油圧機器に供給する作動油を制御する第1作動弁に第1排出油路を接続し、且つ、第2油圧機器に供給する作動油を制御する第2作動弁に第2排出油路を接続することによって、暖機を行い易くしている。この実施形態では、第1油圧機器は、ブレーキ機構30、第2油圧機器は、走行駆動機構34である。また、第1作動弁は、ブレーキ機構30に供給する作動油を制御するブレーキ作動弁の1つであるブレーキ切換弁80a、第2作動弁は、走行駆動機構34に供給する作動油を制御する走行作動弁の1つである油圧ロック切換弁81aである。
以下、第1油路、第2油路、第3油路について説明する。
図1及び図2Aに示すように、第1油路61は、第1油圧機器(ブレーキ機構30)と、第1油圧機器(ブレーキ機構30)に供給する作動油を制御する第1作動弁(ブレーキ切換弁)80aとを接続する油路である。この実施形態では、第1油路61は、第1ブレーキ油路61aと、第2ブレーキ油路61bとを含んでいる。第1ブレーキ油路61aは、第1走行モータ機構31Lのブレーキ機構30と、ブレーキ切換弁(第1作動弁)80aとを接続する油路である。第2ブレーキ油路61bは、第2走行モータ機構31Rのブレーキ機構30と、ブレーキ切換弁(第1作動弁)80aとを接続する油路である。第1ブレーキ油路61aと第2ブレーキ油路61bとは途中で合流していて、合流後の油路(第1ブレーキ油路61aと第2ブレーキ油路61bとの兼用油路)61cがブレーキ切換弁80aに接続されている。兼用油路61cには、作動油の流量を低減する絞り部74が設けられている。言い換えれば、絞り部74は、第1油路61において、第3油路63が第1油路61に接続する接続部(後述する合流部64)とブレーキ切換弁80aに接続する接続部との区間に設けられている。
ブレーキ切換弁80aの排出ポートには、第1排出油路66が接続されている。第1排出油路66は、ブレーキ切換弁80aを通過した作動油、即ち、第1油路61(第1ブレーキ油路61a、第2ブレーキ油路61b)の作動油を排出可能である。第1排出油路66は、油圧ポンプの吸込み部や作動油タンク22等に接続されている。
第2油路62は、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)と、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)に供給する作動油を制御する第2作動弁(油圧ロック切換弁)81aとを接続する油路である。この実施形態では、第2油路62は、吐出油路40において油圧ロック切換弁81aと操作弁55a、55b、55c、55dとを接続する区間(油路)40aと、操作弁55a、55b、55c、55dと走行ポンプ52L、52Rとを接続する走行油路45とを含んでいる。
油圧ロック切換弁81aの排出ポートには、第2排出油路67が接続されている。第2排出油路67は、油圧ロック切換弁81aを通過した作動油、即ち、第2油路62の作動油を排出可能である。第2排出油路67は、油圧ポンプの吸込み部や作動油タンク22等に接続されている。
第3油路63は、第1油路61と第2油路62とを接続する油路である。第3油路63は、第1ブレーキ油路61aと第2ブレーキ油路61bとが合流する合流部64と、油路40aが合流する合流部65とを接続している。第3油路63は、吐出油路40において、操作弁55a、55b、55c、55dの上流側に接続されている。即ち、第3油路63は、操作弁55a、55b、55c、55dの一次側に接続されている。また、第3油路63には、逆止弁173が接続されている。逆止弁173は、第2油路62から第1油路61への作動油を許容し、第1油路61から第2油路62への作動油を阻止する。
図1及び図2Aに示すように、油路40aにおいて、合流部65と第2作動弁(油圧ロック切換弁)81aとの間には絞り部84が設けられている。絞り部84は、吐出油路40において、第2作動弁(油圧ロック切換弁)81aの上流側に設けてもよい。
制御装置90は、ブレーキ切換弁(第1作動弁)80aで設定されるブレーキ設定圧(第1設定圧)PV1と、第2作動弁(油圧ロック切換弁)81aで設定される設定圧(第2設定圧)PV2との差圧を設定する。ブレーキ設定圧PV1は、例えば、ブレーキ切換弁80aの出力ポート100の圧力である。言い換えれば、第1設定圧PV1は、第1油路61(第1ブレーキ油路61a、第2ブレーキ油路61b)に作用する圧力である。
第2設定圧(設定圧)PV2は、例えば、油圧ロック切換弁81aの出力ポート101の圧力である。言い換えれば、第2設定圧PV2は、第2油路62に作用する圧力である。
制御装置90は、第1設定圧PV1と第2設定圧PV2との差圧が発生するように、ブレーキ切換弁80a及び油圧ロック切換弁81aを制御する。制御装置90は、例えば、暖機を行う暖機モードである場合に、ブレーキ切換弁80aのブレーキ設定圧PV1を、油圧ロック切換弁81aの設定圧PV2よりも低くする。言い換えれば、制御装置90は、暖機モードである場合、油圧ロック切換弁81aの設定圧PV2を、ブレーキ切換弁80aのブレーキ設定圧PV1よりも高くする。
詳しくは、制御装置90は、暖機モードである場合、ブレーキ切換弁80aを第1位置80a1にすることにより、ブレーキ設定圧PV1をブレーキ機構30が制動する制動圧に設定する。また、制御装置90は、暖機モードである場合、油圧ロック切換弁81aを第2位置81a2にすることにより、設定圧PV2をブレーキ設定圧PV1よりも高くする。即ち、ブレーキ切換弁80aが制動状態であり、油圧ロック切換弁81aがロック解除状態である場合には、ブレーキ設定圧PV1<設定圧PV2であり、油圧ロック切換弁81aで設定する設定圧PV2は、ブレーキ切換弁80aで設定する作動油のブレーキ設定圧PV1よりも高くなる。
図2Aの矢印A10に示すように、ブレーキ設定圧PV1<設定圧PV2である場合、油圧ロック切換弁81aを通過した作動油は、第2油路62及び第3油路63を経て、第1油路61に流れ、ブレーキ切換弁80aの排出ポートから第1排出油路66に排出される。これにより、第1油路(ブレーキ油路)及び第2油路(走行油路)の暖機を行うことができる。なお、暖機モードは、例えば、制御装置90に、ON/OFFに切り換え可能なモードスイッチ95を接続し、モードスイッチ95がONである場合には、暖機モードになり、モードスイッチ95がOFFである場合には、暖機モードが解除される。
図2Bは、図2Aの第1変形例を示す図である。なお、図2Bは、説明の便宜上、第1走行モータ機構31L側の油路を示しているが、第2走行モータ機構31R側の油路は省略しており、第2走行モータ機構31R側の油路に対しても適用可能である。
図2Bに示すように、第1変形例は、第2作動弁を、電磁比例弁で構成されたアンチストール比例弁81bに変更した例である。
アンチストール比例弁81bは、エンジンストールを防止する制御(アンチストール制御)を行う。図4は、エンジン回転数と、走行一次圧と、制御線L1、L2の関係を示している。走行一次圧とは、吐出油路40において、アンチストール比例弁81bから操作弁55(操作弁55a、操作弁55b、操作弁55c、操作弁55d)に至る区間における作動油の圧力(パイロット圧)である。即ち、操作部材54に設けられた操作弁55に入る作動油の一次圧である。制御線L1は、ドロップ量が所定未満である場合のエンジン回転数と、走行一次圧との関係を示している。制御線L2は、ドロップ量が所定以上である場合のエンジン回転数と、走行一次圧との関係を示している。
制御装置90は、ドロップ量が所定未満である場合、エンジンの実回転数と走行一次圧との関係が、制御線L1に一致するように、アンチストール比例弁81bの開度を調整する。また、制御装置90は、ドロップ量が所定以上である場合、エンジンの実回転数と走行一次圧との関係が、制御線L2に一致するように、アンチストール比例弁81bの開度を調整する。制御線L2では、所定のエンジン回転数に対する走行一次圧が、制御線L1の走行一次圧よりも低い。即ち、同一のエンジン回転数に着目した場合、制御線L2の走行一次圧が、制御線L1の走行一次圧よりも低い。したがって、制御線L2に基づく制御によって、操作弁55に入る作動油の圧力(パイロット圧)が低く抑えられる。その結果、HSTポンプ(走行ポンプ)52の斜板角が調整され、エンジンに作用する負荷が減少し、エンジンのストールを防止することができる。なお、図4では、1本の制御線L2を示しているが、制御線L2は複数であってもよい。例えば、エンジン回転数毎に制御線L2が設定されていてもよい。また、制御線L1及び制御線L2を示すデータ、或いは、関数等の制御パラメータ等は、制御装置90が有していることが好ましい。
アンチストール比例弁81bは、1次ポート(ポンプポート)81b1、2次ポート81b2を有している。アンチストール比例弁81bの1次ポート81b1は吐出油路40に接続されている。アンチストール比例弁81bの2次ポート81b2は、第2油路62(油路40a)に接続されている。アンチストール比例弁81bの排出ポート81b3は、第2排出油路67を介して作動油タンク22に接続されている。アンチストール比例弁81bにおいては、第2設定圧(設定圧)PV2は、2次ポート81b2の圧力である。
第1変形例において、制御装置90は、暖機モードである場合に、ブレーキ切換弁80aを第1位置80a1にする一方、アンチストール比例弁81bの開度を最大に設定する。即ち、制御装置90は、暖機モードである場合に、ブレーキ切換弁80aのブレーキ設定圧PV1を制動圧、アンチストール比例弁81bの設定圧PV2を制動圧以上にする。
したがって、油圧ロック切換弁81aをアンチストール比例弁81bに変更した場合であっても、アンチストール比例弁81bの開度を設定することにより、ブレーキ設定圧PV1<設定圧PV2に設定することができる。この場合も、アンチストール比例弁81bを通過した作動油は、第2油路62及び第3油路63を経て、第1油路61に流れ、ブレーキ切換弁80aの排出ポートから第1排出油路66に排出することができる。なお、制御装置90は、暖機モードでない場合、上述したように、エンジンの回転数に基づいてアンチストールの制御を行う。上述した実施形態では、アンチストール比例弁81bの開度は最大にしているが、第2設定圧(設定圧)PV2がブレーキ設定圧PV1よりも高くなるように開度を設定すればよい。
図2Cは、図2Bの第2変形例を示している。この第2変形例では、図2Cに示すように、ブレーキ作動弁を電磁比例弁(ブレーキ比例弁)80bに変更した例である。ブレーキ比例弁80bは、1次ポート(ポンプポート)80b1、2次ポート80b2を有している。ブレーキ比例弁80bの1次ポート80b1は吐出油路40に接続されている。ブレーキ比例弁80bの2次ポート80b2は、第1油路61に接続されている。ブレーキ比例弁80bの排出ポート80b3は、第1排出油路66を介して作動油タンク22に接続されている。ブレーキ比例弁80bにおいては、第1設定圧PV1は、2次ポート80b2の圧力である。
第2変形例において、制御装置90は、暖機モードである場合に、ブレーキ機構30が制動する制動圧となるようにブレーキ比例弁80bの開度を最小に設定する一方、アンチストール比例弁81bの開度を最大に設定する。即ち、制御装置90は、暖機モードである場合に、ブレーキ比例弁80bのブレーキ設定圧PV1を制動圧、アンチストール比例弁81bの設定圧PV2を制動圧以上にする。
したがって、ブレーキ切換弁80aをブレーキ比例弁80bに変更した場合であっても、ブレーキ比例弁80b及びアンチストール比例弁81bの開度を設定することにより、ブレーキ設定圧PV1<設定圧PV2に設定することができる。この場合も、アンチストール比例弁81bを通過した作動油は、第2油路62及び第3油路63を経て、第1油路61に流れ、ブレーキ比例弁80bの排出ポート80b3から第1排出油路68に排出することができる。
図3は、第3油路63の第3変形例を示している。上述した実施形態では、第3油路63は、操作弁55a、55b、55c、55dの上流側(一次側)に接続されていたが、第3変形例では、操作弁55a、55b、55c、55dの下流側(二次側)に接続されている。なお、図3は、説明の便宜上、複数の操作弁55a、55b、55c、55dのうち、操作弁55a、55bを示しているが、他の操作弁55c、55d及び当該操作弁55c、55dに接続される走行油路45c、45dも適用可能である。
第3油路63は、第1暖機油路63aと、第2暖機油路63bとを含んでいる。第1暖機油路63aは、第2油路62を構成する第1走行油路45aに接続されている。また、第2暖機油路63bは、第2油路62を構成する第2走行油路45bに接続されている。第1走行油路45a及び第2走行油路45bには、逆止弁173が接続されている。第3変形例においても、制御装置90は、暖機モードである場合に、油圧ロック切換弁81aをロック解除状態(ロック解除圧)に設定し、ブレーキ切換弁80aを制動状態(制動圧)に設定することで、ブレーキ設定圧PV1<設定圧PV2にする。そうすると、第2油路62である第1走行油路45a及び第2走行油路45bの作動油が、第1暖機油路63a及び第2暖機油路63bを通過して、ブレーキ切換弁80aの排出ポートから排出することができる。なお、図3では、ブレーキ切換弁80a及び油圧ロック切換弁81aを示しているが、上述したように、ブレーキ比例弁80b、アンチストール比例弁81bであってもよい。
上述した実施形態において、第1作動弁、即ち、ブレーキ作動弁(ブレーキ切換弁80a、ブレーキ比例弁80b)で設定される第1設定圧(ブレーキ設定圧)PV1を測定可能な第1測定装置と、第2作動弁、即ち、走行作動弁(油圧ロック切換弁81a、アンチストール比例弁81b)で設定される第2設定圧PV2を測定可能な第2測定装置とを接続し、暖機モードである場合に、制御装置90が、ブレーキ設定圧PV1<設定圧PV2になるように、第1作動弁及び第2作動弁を制御してもよい。第1設定圧(ブレーキ設定圧)PV1及び第2設定圧(設定圧)PV2を、制御装置90が第1油圧ポンプP1の駆動(吐出圧、回転数等)、原動機回転数等から推定して、第1作動弁及び第2作動弁を制御してもよい。
また、制御装置90に作動油の温度を検出する温度検出装置91に接続し、温度検出装置91で検出された温度である検出温度に応じて差圧(ブレーキ設定圧PV1と設定圧PV2との差圧)を設定してもよい。制御装置90は、温度検出装置91で検出した検出温度が予め定められた設定温度よりも低い場合に差圧を大きくする。具体的には、制御装置90は、検出温度が氷点下であって作動油の粘性が高い場合は、アンチストール比例弁81bの開度を大きくし、検出温度が氷点下でない場合は、アンチストール比例弁81bの開度を小さくする。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態における作業機の油圧システムを示している。第2実施形態では、図5に示すように、第1油圧機器は、作業制御弁300、第1作動弁は、油圧ロック切換弁310、第2油圧機器は、走行駆動機構34(図示省略)、第2作動弁は、アンチストール比例弁81bである。
第1油路は、第1油圧機器(作業制御弁300)と、第1油圧機器(作業制御弁300)に供給する作動油を制御する第1作動弁(油圧ロック切換弁310)とを接続する油路361である。第2油路は、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)と、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)に供給する作動油を制御する第2作動弁(アンチストール比例弁81b)とを接続する油路62である。第2油路62は、第1実施形態と同様に、区間(油路)40a、走行油路45とを含んでいる。第3油路は、第1油路361と第2油路62とを接続する油路363である。
作業制御弁300は、作業系の油圧シリンダ(作業油圧アクチュエータ)等に供給する作動油を制御する弁である。作業制御弁300は、例えば、ブームシリンダ14に供給する作動油を制御するブーム制御弁、バケットシリンダ15に供給する作動油を制御するバケット制御弁等である。この実施形態では、作業制御弁300は、ブーム制御弁であるとして説明を進めるが、バケット制御弁であってもよい。説明の便宜上、作業制御弁300を「ブーム制御弁300」として表記する。
ブーム制御弁300は、例えば、3位置切換弁であって、中立位置から一方側に操作されると、ブーム制御弁300は、ブームシリンダ14のボトム側に作動油を供給する一方、ブームシリンダ14のロッド側から排出された作動油を作動油タンク等に排出することで、ブームシリンダ14を伸長させる。また、ブーム制御弁300は、中立位置から他方側に操作されると、ブームシリンダ14のロッド側に作動油を供給する一方、ブームシリンダ14のボトム側から排出された作動油を作動油タンク等に排出することで、ブームシリンダ14を収縮させる。なお、ブーム制御弁300は、当該ブーム制御弁300に設けられた受圧部300a、300bに付与されたパイロット油の圧力(パイロット圧)によって切り換えられる。
ブーム制御弁300の受圧部300a、300bには、それぞれ作業油路320が接続されている。作業油路320は、第1油路361の一部を構成する油路である。作業油路320には、複数の操作弁(作業操作弁)330(330a、330b)が接続されている。複数の操作弁330(330a、330b)は、複数の作業油路320に所定のパイロット圧を付与する弁であって、操作部材331の操作量に応じて、パイロット圧を変化させる。
例えば、操作部材331を一方向に揺動されると、操作弁330aが操作されて、該操作弁330aからパイロット圧が出力され、当該パイロット圧がブーム制御弁300の受圧部300aに作用する。操作部材331を他方向に揺動されると、操作弁330bが操作されて、該操作弁330bからパイロット圧が出力され、当該パイロット圧がブーム制御弁300の受圧部300bに作用する。つまり、操作部材331を操作することによって、操作弁330から出力されるパイロット圧が変化して、ブーム制御弁300、即ち、ブームシリンダ14を操作することができる。
油圧ロック切換弁310は、操作弁330a、330bに供給する作動油を停止可能な弁である。油圧ロック切換弁310は、第1位置310aと第2位置310bとに切り換え可能な二位置切換弁である。油圧ロック切換弁310を第1位置310aにすると、第1油圧ポンプP1からのパイロット油は、第1油路361へ流れない一方で、第1油路361は第1排出油路366に接続される。即ち、油圧ロック切換弁310を第1位置310aにすると、第1油圧ポンプP1からのパイロット油は、操作弁330a、330bには供給されず、操作部材331を操作しても操作弁330a、330bによるパイロット圧がブーム制御弁300に作用しないロック状態になる。油圧ロック切換弁310を第2位置310bにすると、第1油圧ポンプP1からのパイロット油は、操作弁330a、330bに供給され、操作弁330a、330bの操作時にパイロット圧がブーム制御弁300に作用するロック解除状態になる。
第3油路363には、逆止弁373が接続されている。逆止弁373は、第2油路62から第1油路361への作動油を許容し、第1油路361から第2油路62への作動油を阻止する。また、逆止弁373の両側には、バイパス油路374が設けられている。バイパス油路374には、作動油の流量を低減させる絞り部377が設けられている。
第2実施形態において、制御装置90は、走行系の第1操作部材54の操作が行われていない場合(操作弁55a、55bが操作されていない場合)は、暖機モードに移行可能であって、アンチストール比例弁81bの開度を大きくすることで、アンチストール比例弁81bの設定圧PV2を、油圧ロック切換弁310の出力ポート310cの圧力(PV1)よりも大きくする。このように、制御装置90は、少なくとも走行駆動機構34が作動していない場合は、アンチストール比例弁81bの開度を大きくするため、第2油路62の作動油(パイロット油)が、第3油路363、バイパス油路374及び油圧ロック切換弁310を通過して、油圧ロック切換弁310の排出ポートから作動油タンク等に連通する第1排出油路366に排出することができる。即ち、第2実施形態では、作業機系の油圧ロック切換弁310と、アンチストール比例弁81bとを第3油路363によって連通可能にすることによって、暖機を行うことができる。
なお、作業機1の走行及び作業が禁止されている場合、即ち、油圧ロックモードである場合において、温度検出装置91によって検出されたパイロット油(作動油の温度)の温度が予め定められた温度以下になった場合に暖機モードにしてもよい。この場合、油圧ロック切換弁310は、第1位置310aに切り換わる一方、アンチストール比例弁81bは、予め定められた設定圧を大きくしている。暖機モードでない場合は、油圧ロック切換弁310は、第1位置310aに保持され、アンチストール比例弁81bは、停止状態(第2排出油路67と油路40aとを連通する)になる。
また、設定圧PV2>設定圧PV1以外の状況、即ち、アンチストール比例弁81bの設定圧PV2が、油圧ロック切換弁310の出力ポート310cの圧力(PV1)よりも低くなった場合にも、2次側のパイロット油を、アンチストール比例弁81bを通じて第2排出油路67に排出してもよい。
具体的には、作業機1の走行及び作業のうち、走行のみが禁止されている場合、即ち、パーキングモードである場合では、油圧ロック切換弁310は、第2位置310bに保持され、アンチストール比例弁81bは、停止状態になる。これにより、第1油路361のパイロット油は、バイパス油路374及び油路40aを通過して第2排出油路67に流れる。
作業機1の走行及び作業が作動可能なモードである場合、即ち、運転モードである場合において、温度検出装置91によって検出されたパイロット油の温度が予め定められた温度以下になった場合に暖機モードになる。油圧ロック切換弁310は、第2位置310bに保持され、アンチストール比例弁81bの設定圧PV2は、油圧ロック切換弁310の出力ポート310cの圧力(PV1)よりも低く設定される。これにより、第1油路361のパイロット油は、バイパス油路374及び第2油路62を通過して、第2排出油路67に流れる。
作業機の油圧システムは、作業油圧アクチュエータと、作業油圧アクチュエータに供給する作動油を制御する作業制御弁300と、作業制御弁300に供給する作動油の遮断が可能な油圧ロック切換弁310と、作動油の圧力に基づいて走行装置を駆動させる走行ポンプ52L、52Rと、走行ポンプ52L、52Rに供給する作動油を制御可能なアンチストール比例弁81bと、作業制御弁300と油圧ロック切換弁310とを接続する第1油路361と、走行ポンプ52L、52Rとアンチストール比例弁81bとを接続する第2油路62と、第1油路361と第2油路62とを接続する第3油路363と、を備え、アンチストール比例弁81bは、油圧ロック切換弁310で設定された圧力(設定圧PV1)よりも高い圧力に設定する。これによれば、アンチストール比例弁81bによって第2油路62の作動油が、第3油路363及び第1油路361を介して流すことができ、暖機を行うことができる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態における作業機の油圧システムを示している。第3実施形態では、図6に示すように、第1油圧機器は、作業制御弁300、第1作動弁は、油圧ロック切換弁310、第2油圧機器は、走行モータ(HSTモータ)36、第2作動弁は、変速切換弁33である。図6に示すように、例えば、変速切換弁33の上流側に絞り部467が設けられている。なお、絞り部467は、第3油路463と第2油路462とが接続する接続部と、変速切換弁33との間、又は、変速切換弁33を第2位置33bにした場合の内部油路に設けられていてもよい。
第1油路は、第1油圧機器(作業制御弁300)と、第1油圧機器(作業制御弁300)に供給する作動油を制御する第1作動弁(油圧ロック切換弁310)とを接続する油路361である。第2油路は、第2油圧機器(走行モータ36)と、第2油圧機器(走行モータ36)に供給する作動油を制御する第2作動弁(変速切換弁33)とを接続する油路462である。第3油路は、第1油路361と第2油路462とを接続する油路463である。第3油路463には、逆止弁473が接続されている。逆止弁473は、第2油路462から第1油路361への作動油を許容し、第1油路361から第2油路62への作動油を阻止する。また、逆止弁473の両側には、バイパス油路474が設けられている。バイパス油路474には、作動油の流量を低減させる絞り部477が設けられている。
したがって、制御装置90は、少なくとも走行駆動機構34が作動していない場合(第1操作部材54の操作が行われていない場合)に、変速切換弁33を第2位置33bにする。これにより、第2油路462の作動油(パイロット油)が、第3油路463及び油圧ロック切換弁310を通過して、油圧ロック切換弁310の排出ポートから第1排出油路366に排出することができる。即ち、第3実施形態では、作業機系の油圧ロック切換弁310と、変速切換弁33とを第3油路463によって連通可能にすることによって、暖機を行うことができる。
なお、油圧ロックモードである場合において、温度検出装置91によって検出されたパイロット油の温度が予め定められた温度以下になった場合に暖機モードになる。この場合、油圧ロック切換弁310は、第1位置310aに切り換わる一方、変速切換弁33は第2位置33bに切り換わる。暖機モードでない場合は、油圧ロック切換弁310は、第1位置310aに保持され、変速切換弁33は第1位置33aになる。
また、設定圧PV2>設定圧PV1以外の状況、変速切換弁33の設定圧PV2が、油圧ロック切換弁310の出力ポート310cの圧力(PV1)よりも低くなった場合も、2次側のパイロット油を、変速切換弁33を通じて第2排出油路67に排出することも可能である。
例えば、パーキングモードである場合では、油圧ロック切換弁310は、第2位置310bに保持され、変速切換弁33は第1位置33aになる。これにより、第1油路361のパイロット油は、バイパス油路474及び変速切換弁33を通過して排出される。
運転モードである場合において、温度検出装置91によって検出されたパイロット油の温度が予め定められた温度以下になった場合に暖機モードになる。暖機モードでは、運転者(オペレータ)が操作部材58を2速に切り換える操作をしても当該操作部材58による変速切換弁33の切換は行われず、変速切換弁33は第1位置33aに保持される。また、油圧ロック切換弁310は、第2位置310bに保持される。これにより、第1油路361のパイロット油は、バイパス油路474及び変速切換弁33を通過して排出される。
作業機の油圧システムは、作業油圧アクチュエータと、作業油圧アクチュエータに供給する作動油を制御する作業制御弁300と、作業制御弁300に供給する作動油の遮断が可能な油圧ロック切換弁310と、作動油の圧力に基づいて走行装置の変速を可能な走行モータ36と、走行モータ36に供給する作動油を制御可能で且つ変速を行う変速切換弁33と、作業制御弁300と油圧ロック切換弁310とを接続する第1油路361と、走行モータ36と変速切換弁33とを接続する第2油路462と、第1油路361と第2油路462とを接続する第3油路463と、を備え、変速切換弁33は、油圧ロック切換弁310で設定された圧力(設定圧PV1)よりも高い圧力に設定する。これによれば、変速切換弁33によって第2油路462の作動油を、第3油路463及び第1油路361を介して流すことで、暖機を行うことができる。
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態における作業機の油圧システムを示している。第4実施形態では、図7に示すように、第1油圧機器は、ブレーキ機構30、第1作動弁は、ブレーキ切換弁80a、第2油圧機器は、走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R、第2作動弁は、複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)である。第2作動弁である複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)は、走行ポンプ52L、52Rに供給する作動油を制御する走行作動弁である。
第1油路は、第1油圧機器(ブレーキ機構30)と、第1油圧機器(ブレーキ機構30)に供給する作動油を制御する第1作動弁(ブレーキ切換弁)とを接続する油路61である。第2油路は、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)と、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)に供給する作動油を制御する第2作動弁(操作弁55a、55b、55c、55d)とを接続する走行油路45(第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45d)である。第3油路は、第1油路61と第2油路45とを接続する油路563である。第3油路563には、逆止弁573が接続されている。逆止弁573は、第2油路45から第1油路61への作動油を許容し、第1油路61から第2油路45への作動油を阻止する。
操作弁55a、55b、55c、55dは、比例電磁弁であって、制御装置90からの制御信号に応じて開度が変更可能である。制御装置90には、揺動自在な操作部材96が接続されている。操作部材96を前進に対応する方向に操作すると、操作弁55a、55cが操作部材96の操作量に応じて開き、走行ポンプ52L、52Rが正転する。操作部材96を後進に対応する方向に操作すると、操作弁55b、55dが操作部材96の操作量に応じて開き、走行ポンプ52L、52Rが逆転する。操作部材96を左旋回に対応する方向に操作すると、操作弁55b、55cが操作部材96の操作量に応じて開き、走行ポンプ52Lが逆転、走行ポンプ52Rが正転する。操作部材96を右旋回に対応する方向に操作すると、操作弁55a、55dが操作部材96の操作量に応じて開き、走行ポンプ52Lが正転、走行ポンプ52Rが逆転する。このように、操作部材96の操作によって、操作弁55a、55b、55c、55dを操作することができる。
制御装置90は、例えば、暖機モードである場合に、操作部材96の操作に関わらず、操作弁55a、55b、55c、55dの設定圧力(PV2)を、ブレーキ切換弁80aのブレーキ設定圧PV1よりも高くする。詳しくは、制御装置90は、暖機モードである場合、ブレーキ切換弁80aを第1位置80a1にする一方で、操作弁55a、55b、55c、55dの開度を大きくすることにより、操作弁55a、55b、55c、55dの設定圧力(PV2)を、ブレーキ設定圧PV1よりも大きくする。即ち、ブレーキ切換弁80aが制動状態である場合には、操作弁55a、55b、55c、55dを大きくすることにより、走行油路45の作動油(パイロット油)を、逆止弁573、第3油路563、第1油路61及びブレーキ切換弁80aを経て、第1排出油路66に流すことにより暖機することができる。
操作弁55a、55b、55c、55dの設定圧力(PV2)は、それぞれ同一の圧力であってもよいが、異なる圧力であってもよい。また、操作弁55a、55b、55c、55dの設定圧力(PV2)を順番にブレーキ設定圧PV1よりも大きくしてもよい。
作業機の油圧システムは、ブレーキ機構30と、ブレーキ作動弁80aと、走行ポンプ52L、52Rと、操作弁55a、55b、55c、55dと、ブレーキ機構30とブレーキ作動弁80aとを接続する第1油路61と、走行ポンプ52L、52Rと操作弁55a、55b、55c、55dとを接続する第2油路45と、第1油路61と第2油路45とを接続する第3油路563とを備えている。これによれば、操作弁55a、55b、55c、55dによって第2油路45の作動油を、第3油路563及び第1油路61を介して、ブレーキ作動弁80aに流すことができ、暖機を行うことができる。
[第5実施形態]
図8は、第5実施形態における作業機の油圧システムを示している。図8に示した油圧システムは、走行系の油圧システムであり、走行ポンプ52L、52Rと、操作弁155L、155Rとを備えている。
走行ポンプ52L、52Rのそれぞれは、レギュレータ156L、156Rを含んでいる。レギュレータ156L、156Rは、走行ポンプ52L、52Rの斜板の角度(斜板角度)を変更可能であって、作動油が供給可能な供給室157と、供給室157に設けられたピストンロッド158とを含んでいる。ピストンロッド158は、斜板に連結されていて、ピストンロッド158の作動によって斜板角度を変更することができる。
操作弁155Lは、レギュレータ156Lを操作する弁、即ち、走行ポンプ52Lに供給する作動油を制御する弁である。操作弁155Lは、電磁弁であって、制御装置90からソレノイド160Lに付与された制御信号に基づいてスプールが移動し且つ、スプールの移動による開度が変更する。また、操作弁155Lは、第1位置159aと第2位置159bと中立位置159cとに切り換え可能である。
操作弁155Lの第1ポートとレギュレータ156Lの供給室157とは、第1走行油路145aにより接続されている。操作弁155Lの第2ポートとレギュレータ156Lの供給室157とは、第2走行油路145bにより接続されている。
操作弁155Rは、レギュレータ156Rを操作する弁、即ち、走行ポンプ52Rに供給する作動油を制御する弁である。操作弁155Rは、電磁弁であって、制御装置90からソレノイド160Rに付与された制御信号に基づいてスプールが移動し且つ、スプールの移動による開度が変更する。また、操作弁155Rは、第1位置159aと第2位置159bと中立位置159cとに切り換え可能である。
操作弁155Rの第1ポートとレギュレータ156Lの供給室157とは、第3走行油路145cにより接続されている。操作弁155Lの第2ポートとレギュレータ156Lの供給室157とは、第4走行油路145dにより接続されている。
操作弁155L及び操作弁155Rを第1位置159aに切り換えれば、走行ポンプ52L、52Rは正転し、操作弁155L及び操作弁155Rを第2位置159bに切り換えれば、走行ポンプ52L、52Rは逆転する。操作弁155Lを第1位置159aに切り換え且つ操作弁155Rを第2位置159bに切り換えれば、走行ポンプ52Lは正転、走行ポンプ52Rは逆転する。操作弁155Lを第2位置159bに切り換え且つ操作弁155Rを第1位置159aに切り換えれば、走行ポンプ52Lは逆転、走行ポンプ52Rは正転する。したがって、操作弁155L及び操作弁155Rは、走行ポンプ52L、52Rを正転及び逆転のいずれかに切り換えることができ、走行作動弁の1つである。
さて、第5実施形態における作業機の油圧システムにおいては、ブレーキ切換弁80aと、操作弁155L及び操作弁155Rとの切換によって暖機を行うことができる。
図8に示すように、第1油圧機器は、ブレーキ機構30、第1作動弁は、ブレーキ切換弁80a、第2油圧機器は、走行ポンプ52L、52R、第2作動弁は、操作弁155L及び操作弁155Rである。
第1油路は、第1油圧機器(ブレーキ機構30)と、第1油圧機器(ブレーキ機構30)に供給する作動油を制御する第1作動弁(ブレーキ切換弁)とを接続する油路61である。第2油路は、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)と、第2油圧機器(走行駆動機構34の走行ポンプ52L、52R)に供給する作動油を制御する第2作動弁(操作弁155L、155R)とを接続する走行油路(第1走行油路145a、第2走行油路145b、第3走行油路145c、第4走行油路145d)である。
第3油路は、第1油路61と第2油路(第1走行油路145a、第2走行油路145b、第3走行油路145c、第4走行油路145d)とを接続する油路663である。第3油路663は、第1走行油路145aに接続された油路663a、第2走行油路145bに接続された油路663b、第3走行油路145cに接続された油路663c、第4走行油路145dに接続された油路663dを含んでいる。また、第3油路663は、油路663a、663b、663c、663dを合流する油路663eを含んでいる。
油路663aと油路663bとが合流する合流部には、高圧選択弁610Lが接続され、油路663cと油路663dとが合流する合流部にも、高圧選択弁610Rが接続されている。油路663eの一端は、高圧選択弁610L、610Rに接続され、他端は、第1油路61に接続されている。油路663eにおいて、高圧選択弁610L、610Rよりも第1油路61側には、逆止弁611が接続されている。逆止弁611は、高圧選択弁610L、610Rから第1油路61への作動油を許容し、第1油路61から高圧選択弁610L、610Rへの作動油を阻止する。
制御装置90は、例えば、暖機モードである場合に、操作弁155L及び操作弁155Rの設定圧力(PV2)を、ブレーキ切換弁80aのブレーキ設定圧PV1よりも大きくする。詳しくは、制御装置90は、暖機モードである場合、ブレーキ切換弁80aを第1位置80a1にする一方で、操作弁155L及び操作弁155Rを第1位置159aに切り換えることにより、操作弁155L及び操作弁155Rの設定圧力(PV2)を、ブレーキ設定圧PV1よりも大きくする。即ち、ブレーキ切換弁80aが制動状態である場合には、操作弁155L及び操作弁155Rの開度を大きくすることにより、走行油路145の作動油(パイロット油)を、高圧選択弁610L、610R、第3油路663、第1油路61及びブレーキ切換弁80aを経て、第1排出油路66に流すことにより暖機することができる。なお、制御装置90は、暖機モードである場合において、操作弁155L及び操作弁155Rの切換は、上述した例に限定されず、操作弁155L及び操作弁155Rを第2位置159bに切り換えてもよいし、操作弁155L及び操作弁155Rのいずれか一方を第1位置159aに切り換え他方を第2位置159bに切り換えてもよい。
図9は、第5実施形態における作業機の油圧システムの変形例を示している。図9において、第5実施形態と同様の構成は説明を省略する。
図9に示すように、第3油路663は、第1走行油路145aに接続された油路663a、第2走行油路145bに接続された油路663b、第3走行油路145cに接続された油路663c、第4走行油路145dに接続された油路663dを含んでいる。また、第3油路663は、油路663a、663b、663c、663dを合流する油路663eを含んでいる。油路663a、663b、663c、663dのそれぞれには、逆止弁612が接続されている。逆止弁612は、第2油路から第1油路61への作動油を許容し、第1油路61から第2油路への作動油を阻止する。図9の変形例においても制御装置90は、暖機モードである場合に、操作弁155L及び操作弁155Rを切り換えることによって、第2油路の作動油を第3油路663を経て、第1油路61に流すことにより暖機を行うことができる。
第1走行油路145a、第2走行油路145b、第3走行油路145c及び第4走行油路145dには、作動油の流量を低減する絞り部166が設けられている。絞り部166により、供給室157へ供給/排出される流量が低減するため、急加速、急減速にならないように、走行性(操作性)を向上させることができる。
なお、暖機する場合においては、操作弁155L及び操作弁155Rにおける第1位置159aと第2位置159bとの切換を、それぞれ交互に行ってもよい。走行油路(第1走行油路145a、第2走行油路145b、第3走行油路145c、第4走行油路145d)に作用したパイロット油は、油路663eを介してブレーキ作動弁80aの第1排出油路66から排出されるため、HSTポンプ(走行ポンプ)52L、52Rの斜板は傾転せずに中立位置に保持される。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 作業機
7 走行装置
30ブレーキ機構
61 第1油路
62 第2油路
63 第3油路
66 第1排出油路
67 第2排出油路
68 第1バイパス油路
71 第1逆止弁
80a ブレーキ作動弁
81a 変速作動弁
81b :アンチストール比例弁
300 :作業制御弁(ブーム制御弁)
300a :受圧部
300b :受圧部
310 :油圧ロック切換弁
310a :第1位置
310b :第2位置
310c :出力ポート
310d :排出ポート
320 :作業油路
330 :操作弁
330a :操作弁
330b :操作弁
331 :操作部材
361 :第1油路
363 :第3油路
373 :逆止弁
374 :バイパス油路
462 :第2油路
463 :第3油路
473 :逆止弁
474 :バイパス油路
563 :第3油路
573 :逆止弁
610L :高圧選択弁
610R :高圧選択弁
611 :逆止弁
612 :逆止弁
663 :第3油路
663a :油路
663b :油路
663c :油路
663d :油路
663e :油路
P1 :第1油圧ポンプ
PV2 :設定圧
P1 油圧ポンプ

Claims (8)

  1. 作動油を吐出油路に吐出する油圧ポンプと、
    前記吐出油路に接続され、且つ第1設定圧の作動油を第1油路に流すブレーキ作動弁と、
    走行装置を駆動させる走行モータを前記第1設定圧に基づいて制動するブレーキ機構と、
    前記吐出油路に接続され、且つ第2油路を介して第2設定圧の作動油を操作弁に流す走行作動弁と、
    前記操作弁から供給される作動油のパイロット圧に基づいて、前記走行モータに供給する作動油を制御する走行ポンプと、
    前記第1油路と前記第2油路とを接続する第3油路と、
    前記ブレーキ作動弁に接続された排出油路と、
    前記ブレーキ作動弁及び前記走行作動弁を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記第2設定圧が前記第1設定圧より高くなるように前記ブレーキ作動弁及び前記走行作動弁を制御することにより、前記第2油路、前記第3油路、前記第1油路、前記ブレーキ作動弁及び前記排出油路を介して作動油を排出する作業機の油圧システム。
  2. 前記ブレーキ作動弁は、前記第1設定圧の作動油を前記ブレーキ機構に作用させて当該ブレーキ機構を制動させる第1位置と、前記ブレーキ機構を制動させることを解除する第2位置との間で切換可能な切換弁である請求項1に記載の作業機の油圧システム。
  3. 前記ブレーキ作動弁は、前記ブレーキ機構に作用する作動油の圧力を、当該ブレーキ機構を制動させる制動圧から当該ブレーキ機構を制動させることを解除する解除圧に変更可能な比例弁である請求項1に記載の作業機の油圧システム。
  4. 記第3油路は、前記第2油路において前記走行作動弁と前記操作弁とのに接続されている請求項1~3のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
  5. 記第3油路は、前記第2油路において前記操作弁と前記走行ポンプとの間に接続されている請求項1~3のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
  6. 前記走行作動弁は、原動機の回転数に基づいて前記第2設定圧を変更するアンチストール比例弁であるか、又は前記操作弁への作動油の供給を停止させる油圧ロック切換弁である請求項4又は5に記載の作業機の油圧システム。
  7. 前記第3油路に設けられ且つ、前記第2油路から前記第1油路への作動油を許容し、前記第1油路から前記第2油路への作動油を阻止する逆止弁を備えている請求項1~6のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
  8. 記走行モータと前記走行ポンプとを接続する変速用油路を備え、
    前記走行ポンプは、前記走行ポンプの斜板を操作可能なレギュレータを含み、
    前記走行作動弁は、前記レギュレータによって前記斜板を操作することで前記走行ポンプを正転及び逆転のいずれかに切り換える請求項1~7のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
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