〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9を用いて詳細に説明する。
(情報管理システム100における各装置の構成)
本実施形態の情報管理システム100は、迷惑電話拒否サービスを実現するものである。情報管理システム100は、電話機1、1a〜1c(ユーザ端末)、PC2(Personal Computer)(ユーザ端末以外の装置)及び管理サーバ3を備えている。当該迷惑電話拒否サービスは、電話機1、1a〜1cにおいて迷惑電話の着信を拒否するサービスである。また、情報管理システム100は、電話機1、1a〜1cの使用履歴、使用状況等をユーザがPC2を用いて参照したり、当該情報をメールにてユーザに通知するWEB管理サービスを実現する。
図2に示すように、電話機1、1a〜1cは、電話回線網4経由で管理サーバ3と通信可能に接続される。電話機1、1a〜1cは、管理サーバ3で管理する迷惑番号リストのデータを管理サーバ3から取得して、自機の迷惑電話リストを管理している。具体的には、電話機1、1a〜1cは、所定期間ごと(例えば1日に1回)に管理サーバ3へアクセスして、最新版の迷惑電話リストに更新するためのデータを取得し、自機が管理する迷惑電話リストを更新する。これにより、最新の迷惑電話リストによって迷惑電話の着信を拒否できる。また、電話機1、1a〜1cは、例えば上記アクセス時に、ユーザによる各電話機1、1a〜1cの使用履歴を示す使用履歴情報(発信動作または当該発信動作による発信に関わる情報を含む)等の各種情報(端末情報)を管理サーバ3へ送信する。また、電話機1、1a〜1cは、例えば、各ユーザが使用する電話機1、1a〜1cに着信があった、迷惑電話であると判断した電話番号(迷惑番号)を示す迷惑電話情報を、必要に応じて電話回線網4を通じて管理サーバ3へ送信する。
PC2は、インターネット回線網5経由で管理サーバ3と通信可能に接続される。PC2は、電話機1を現在使用するユーザに関する情報(ユーザ情報)を管理サーバ3へ送信する。ユーザに関する情報とは、WEB ID(後述)、送信先メールアドレス等を指す。なお、PC2は、インターネット回線網5に接続可能な通信端末であれば、携帯電話機(スマートフォン)、タブレット等であってもよい。また、ユーザは、管理サーバ3へのアクセスのために、PC2を用いて、ユーザ登録(例えば、WEB IDと送信先メールアドレスとを対応付けて管理サーバ3に管理させる処理)を行う。なお、WEB IDは、電話機1から、例えば上記管理サーバ3へのアクセス時に送信されてもよい。
管理サーバ3は、電話機1、1a〜1cまたはPC2から受信した各種情報を管理する。また、管理サーバ3は、上記迷惑電話リストを管理する。管理サーバ3は、警察や業者等から提供された迷惑電話情報、または電話機1、1a〜1cから受信した迷惑電話情報を用いて、迷惑電話リストを更新する。具体的には、管理サーバ3は、所定期間ごとに(例えば電話機1、1a〜1cからアクセスがあったときに)、迷惑電話リストのデータ(最初は迷惑電話リストのすべてのデータ、その後は、最新版の迷惑電話リストに更新するためのデータ)を電話機1、1a〜1cに送信する。これにより、迷惑電話拒否サービスに加入するすべてのユーザに対して最新の迷惑電話リストを提供できる。なお、管理サーバ3に登録される最初の迷惑電話リストは、警察や業者等から提供された迷惑電話情報に基づいて生成されてもよい。
また、管理サーバ3は、例えば、電話機1、1a〜1cに割り当てられたKeyコード、DECT ID等の端末設定情報(後述)及びWEB IDを管理する。また、管理サーバ3は、電話機1、1a〜1cから受信した使用履歴情報等の各種情報を、各電話機1、1a〜1cに対応付けて管理する。ユーザは、PC2から、WEB IDを用いて管理サーバ3へアクセスすることにより、当該ユーザの、電話機1、1a〜1cの使用履歴情報を管理サーバ3に照会し、確認できる。また、電話機1、1a〜1cから受信した使用履歴情報を、電話機1、1a〜1cのユーザとかかわりのある第三者(例えば、ユーザの家族)に提供する。第三者(例えば、ユーザの家族)は、PC2を用いて管理サーバ3にアクセスを行うことにより、電話機1等の使用履歴情報を確認できる。また、管理サーバ3は、電話機1等が拒否した電話番号の通知や、迷惑電話リストに対する操作があった旨の通知を、PC2に通知する。
なお、管理サーバ3は、複数のサーバで実現されてもよい。この場合、情報管理システム100は、例えば、管理サーバ3の代わりに、迷惑電話リストを提供するサーバと、端末情報を提供するサーバとを備えてもよい。
ここで、上記Keyコード及びDECT IDは、電話機1、1a〜1cを一意に識別するために、電話機1に割り当てられる端末識別情報である。上記DECT IDは、デジタルコードレス電話の規格であるDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)で用いられる端末識別情報である。上記Keyコード及びDECT IDは、各ユーザ及び第三者が視認不可能な情報で、かつ不変の値である。また、Keyコード及びDECT IDは、電話機1、1a〜1cそれぞれに予め割り当てられている。なお、電話機1、1a〜1cにはDECT IDのみが予め割り当てられており、Keyコードは、電話機1、1a〜1cによって、当該DECT IDから自動生成されてもよい。実施形態2においては、Keyコードは、図9に示す電話機6、6a〜6cによって、MAC(Media Access Control)アドレスから自動生成されてもよい。
上記WEB IDは、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報であり、各ユーザ及び第三者が視認可能な情報である。また、WEB IDは、個々のユーザが管理サーバ3(上記WEB管理サービス)へのアクセスするための情報であり、例えば使用履歴情報等のユーザ固有の情報(他のユーザに閲覧を許可しない情報)を閲覧するための情報である。具体的には、WEB IDは、ユーザがPC2を用いてユーザ認証を行うために用いられる。管理サーバ3は、ユーザ認証を行うと、登録された送信先メールアドレスに、管理サーバ3へのアクセス用のアカウント及びパスコードを送付する。これにより、ユーザは、1度ユーザ認証を行った後は、アカウント及びパスコードを入力するだけで、管理サーバ3へのアクセスが可能となる。すなわち、上記ユーザ認証は、ユーザの変更があった場合(新しいユーザは、前のユーザ宛に発行されたアカウント及びパスコードを知らないため)、または、既存のユーザがアカウント及びパスコードを忘れた場合のみ行われる。上記WEB IDは、各ユーザ及び第三者が視認可能な情報で、可変の値である。複数のWEB ID(WEB IDの群)は、電話機1、1a〜1cごとに予め決められている。本実施形態では、電話機1、1a〜1cごと(すなわち、1つのKeyコード)に対して256個のWEB IDが割り当てられている。また、管理サーバ3には、電話機1、1a〜1cが出荷される前に、例えば管理サーバ3を管理する管理者から、電話機1、1a〜1cのそれぞれに割り当てられたKeyコードと、複数のWEB ID(またはDECT ID)とが通知されている。
以下、図1、図3〜6を用いて、電話機1、1a〜1c、PC2及び管理サーバ3の具体的な構成について説明する。なお、以下では、ユーザが使用する電話機が電話機1であるものとして説明する。
図1に示すように、電話機1は、制御部10、操作部11、記憶部12、ディスプレイ13、スピーカ14、マイク15及び通信部16を備えている。制御部10は、電話機1を統括的に制御する。制御部10の詳細は後述する。操作部11は、ユーザ操作を受け付けるものであり、例えばタッチパネルで構成される。記憶部12は、制御部10が実行する各種の制御プログラム等を記憶するものであり、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。ディスプレイ13は、各種画像を表示するものであり、例えばLCD(Liquid crystal display)で構成される。スピーカ14は通話中の音声を出力し、マイク15は通話中のユーザの音声を入力する。通信部16は、電話回線網4経由で管理サーバ3とデータ通信を行う。
ここで、記憶部12に記憶される情報としては、カウンタ値、端末設定情報、WEB ID等が挙げられる。カウンタ値は、計数制御部102が計数した、WEB IDの変更の回数を指す。本実施形態では、カウンタ値は、電話機1の所定の初期化の実行回数(初期化の回数)を指す。本実施形態では、カウンタ値の初期値(電話機1の工場出荷時のカウンタ値)は0に設定されており、計数制御部102が計数するたびに1ずつ増える。また、上記初期化の回数が257回目となった場合にはカウンタ値は0に戻る。端末設定情報は、電話機1を識別するために電話機1に割り当てられる情報である。端末設定情報としては、上述のKeyコード及びDECT IDが挙げられる。WEB IDは、計数制御部102が計数するか否かを問わず、電話機1が初期化されたときに、WEB ID生成部104によって自動生成される。すなわち、WEB IDは可変の値である。その他、記憶部12には、上述した迷惑電話リスト等が記憶されている。
制御部10は、主として、初期化タイプ判定部101、計数制御部102、初期化実行部103、WEB ID生成部104(端末側情報変更部)、表示制御部105及び送受信制御部106を備えている。
初期化タイプ判定部101は、操作部11が電話機1の初期化の実行を示すユーザ指示(初期化実行指示)を取得したときに、そのユーザ指示の内容(すなわち、初期化のタイプ)を判定する。初期化のタイプとしては、電話機1のユーザの変更に伴った電話機1の初期化(タイプ1)、当該ユーザの変更を伴わない初期化(タイプ2)が挙げられる。タイプ1には、例えば、カウンタ値、Keyコード及びDECT ID以外の全ての情報(WEB IDを含む)(以降、カウンタ値等以外の全ての情報と称する)の初期化が含まれる。タイプ2には、例えば、電話帳以外の情報(例えば、電話機1に記憶されている発着信履歴情報及び/または迷惑電話リスト等)の初期化が含まれる。なお、タイプ2においても、カウンタ値、Keyコード及びDECT IDは初期化されない。初期化タイプ判定部101は、初期化のタイプをタイプ1と判定した場合には、当該判定を行った旨を計数制御部102に通知する。一方、タイプ2と判定した場合には、初期化実行指示が示す初期化のタイプを初期化実行部103に通知する。
計数制御部102は、WEB IDの変更の回数を計数する。本実施形態では、計数制御部102は、初期化タイプ判定部101によってタイプ1と判定された場合の、電話機1の初期化の実行回数を計数する。すなわち、計数制御部102は、カウンタ値等以外の全ての情報が初期化されるときのみ、初期化の回数を計数する。具体的には、計数制御部102は、タイプ1と判定された旨の通知を受信した場合、記憶部12に設定されている現在のカウンタ値を1つ増やす。そして、計数制御部102は、1つ増やした後のカウンタ値が上限値(本実施形態では255)より大きいか否かを判定し、上限値以下である場合にはその値を、上限値より大きい場合には初期値を新たなカウンタ値として設定し、記憶部12に記憶する。そして、計数制御部102は、初期化実行部103に計数が完了した旨を通知する。
初期化実行部103は、初期化実行指示の内容に基づいて、電話機1の初期化を実行する。初期化は、例えば、電話機1を再起動することにより行われる。初期化実行部103は、計数制御部102から計数が完了した旨の通知を受信した場合にはタイプ1に示す初期化を行う。一方、初期化実行部103は、初期化タイプ判定部101から通知を受けた場合には、その通知に含まれるタイプ2に示す初期化を行う。初期化実行部103は、初期化の実行が完了すると、WEB ID生成部104にその旨を通知する。
WEB ID生成部104は、初期化実行部103から初期化実行の完了通知を受けると、WEB IDを生成し、生成したWEB IDを記憶部12に記憶する。WEB ID生成部104は、記憶部12に記憶されているDECT ID及びカウンタ値を読み出し、DECT ID及びカウンタ値に基づいてWEB IDを生成する。すなわち、WEB ID生成部104は、DECT ID及びカウンタ値を含むWEB IDを生成する。WEB ID生成部104は、例えば、DECT ID及びカウンタ値を所定のアルゴリズムに従って変換したものをWEB IDとして生成する。なお、所定のアルゴリズムには、単にDECT IDにカウンタ値の文字列を付加する生成方法が含まれていてもよい。
また、本実施形態では、カウンタ値の初期値が0であり、タイプ1の初期化が発生するたびに、カウンタ値がインクリメントされていく。従って、WEB ID生成部104は、タイプ1の初期化が発生するたびに、インクリメントされた(上限値となった場合には初期値に戻った)カウンタ値とDECT IDとを所定のアルゴリズムに従って変換することによりWEB IDを生成することで、現在設定されているWEB IDを新たなWEB IDへと変更する。すなわち、WEB IDの変更は、上述した電話機1に対して予め決められているWEB IDの群(例えば図4のNo1〜256のWEB ID)から、WEB IDの変更毎に異なる1つのWEB IDを、変更後のWEB IDとして決定することにより行われる。さらに換言すれば、WEB IDの変更は、このように決定すると定められた所定の変更規則に従って行われる。そして、この所定の変更規則は、管理サーバ3との間で共有されている。そのため、管理サーバ3は、例えば変更通知要求等の処理を行うことなく、電話機1側でのWEB IDの変更を容易に認識できる。それゆえ、電話機1のユーザの変更に応じた管理サーバ3による情報管理を簡易な方法で行うことができる。
上述のように、上記WEB IDの群に含まれるWEB IDは、所定数(本実施形態では256個)の異なるWEB IDである。そして、上述のように、カウンタ値が上限値に達したら、初期値を用いてWEB IDが生成される。カウンタ値が初期値に戻らない場合には、ユーザの変更は256人までしか認められないことになる。しかし、本実施形態では、カウンタ値を初期値に戻してWEB IDを生成する。そのため、257人目以降のユーザの変更にも対応してWEB IDを生成できる。なお、257人目のWEB IDとして生成されるWEB IDが1人目と同じWEB IDであっても、256人目(前回のユーザ)のWEB IDとは異なる。そのため、例えば管理サーバ3側で、256人目のWEB IDと257人目のWEB IDとを比較することで、256人目のユーザに対応付けられた使用履歴情報を削除できる。
また、情報管理システム100では、上記迷惑電話拒否サービスの利用に際して、当該サービスの契約及び解約の手続が必要なく、電話機1を電話回線網4に接続するだけで当該サービスを利用できる。一方、一般的な情報管理システムでは、管理サーバは、上記解約の手続が行われることにより、ユーザの変更があったことを認識する。そのため、従来の情報管理システムでは、管理サーバは、上記解約の手続が行われたことの通知を受けることでしか、ユーザの変更、及びユーザの変更に伴う処理のタイミングを認識できなかった。しかしながら、本実施形態では、電話機1及び管理サーバ3が上記所定の変更規則を共有しているため、上記解約がなくても、上記処理のタイミングを認識できる。
ここで、タイプ1の初期化の場合には、電話機1の現在のユーザが当該電話機1を手放して当該電話機1を使用する状況ではなくなり、新たな他のユーザが当該電話機1を使用する状況になったものと推定される。当該状況としては、電話機1の譲渡(例えば、贈り物としての電話機1の提供、電話機1のレンタル等)、修理及び整備等が挙げられる。
つまり、WEB ID生成部104は、電話機1のユーザが現在のユーザから新たなユーザへと変更されたと推定される処理が発生したときに、上述した所定の変更規則に従って、WEB IDを、現在設定されているWEB IDから新たなWEB IDに変更するものといえる。具体的には、上述のように、WEB ID生成部104は、WEB IDに含まれるカウンタ値(WEB IDの変更の回数を示す変更回数情報)を、計数制御部102が計数したカウンタ値に変更することにより決定したWEB IDを、新たなユーザ識別情報とする。また、WEB ID生成部104は、DECT IDに、計数制御部102が計数したWEB IDの変更の回数を組み合わせることによりWEB IDを決定する。
表示制御部105は、ディスプレイ13を制御して、各種画像をディスプレイ13に表示させる。表示制御部105は、例えば、工場出荷時に設定されているか、またはWEB ID生成部104が生成したWEB IDをディスプレイ13に表示させる。これにより、ユーザは、例えば、PC2のディスプレイ(不図示)に表示されるユーザ登録用画面、ユーザ認証用画面等のWEB管理画面に、WEB IDを入力することができる。そして、WEB IDを用いてユーザ登録を行っておくことにより、ユーザは、使用履歴情報の管理または閲覧、他のユーザが登録した迷惑電話情報の通知等、管理サーバ3による迷惑電話拒否サービス(それに付随したWEB管理サービス)の提供を受けることが可能となる。その他、表示制御部105は、発信先または着信元の電話番号、管理サーバ3で管理されている迷惑電話リストに含まれる電話番号等をディスプレイ13に表示させる。
送受信制御部106は、通信部16を制御することにより、電話回線網4経由で、使用履歴情報等を管理サーバ3に送信したり、管理サーバ3で管理されている迷惑電話情報等を受信したりする。
なお、本実施形態では、タイプ1と判定された場合、現在のカウンタ値は1つ増やされるが、これに限らず、所定値だけ増加または減少させてもよい。また、予め決められた所定値となったときに初期値に戻ればよい。例えば、減少させる場合、初期値は上限値(本実施形態では255)であり、上記所定値(本実施形態では下限値0)までカウントされると初期値に戻る。すなわち、カウンタ値の変更規則が、電話機1と管理サーバ3との間で共有されていれば、その変更規則は任意に設定できる。
また、PC2は、図1に示すように、主として、操作部21、制御部22及び通信部23を備える。操作部21は、ユーザ操作を受け付けるものであり、例えばタッチパネルまたはマウスで構成される。制御部22は、電話機1を統括的に制御する。通信部23は、インターネット回線網5経由で管理サーバ3とデータ通信を行う。例えば、操作部21は、ユーザが入力するWEB IDを受け付ける。制御部22は、通信部23を制御することにより、受け付けたWEB IDを管理サーバ3へ送信する。
また、管理サーバ3は、図3に示すように、制御部30、通信部31及び記憶部32を備えている。制御部30は、管理サーバ3を統括的に制御する。制御部30の詳細は後述する。通信部31は、電話回線網4経由で電話機1と、インターネット回線網5経由でPC2とのデータ通信を行う。記憶部32は、WEB ID管理テーブル321、使用履歴情報テーブル322、ユーザ情報テーブル323等、制御部30が実行する各種の制御プログラム等を記憶する。記憶部32は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。以下に各種テーブルについて説明する。
WEB ID管理テーブル321は、図4に示すように、KeyコードとWEB IDとが対応付けられたテーブルである。具体的には、WEB ID管理テーブル321では、Keyコードのそれぞれに対して、複数のWEB ID(本実施形態では256個)が対応付けられている。また、WEB ID管理テーブル321には、各WEB IDに含まれるカウンタ値、WEB IDを最終認証した日時(WEB IDが変更された日時)が格納されている。また、WEB ID管理テーブル321には、各電話機1、1a〜1cにおけるWEB IDの利用可否を示す情報が格納されている。各Keyコードに対応付けられたWEB IDの群のうち、電話機1、1a〜1cにおいて現在設定されていると管理サーバ3が認識しているWEB IDには「可」、それ以外のWEB IDには「否」が設定される。ユーザ情報テーブル323は、図5に示すように、PC2においてユーザ登録用画面への入力を受け付けたWEB ID及び送信先メールアドレスを管理するテーブルである。使用履歴情報テーブル322は、図6に示すように、各Keyコードと各電話機1、1a〜1cの使用履歴情報とを対応付けて管理するテーブルである。すなわち、使用履歴情報テーブル322は、使用履歴情報を電話機1、1a〜1cに対応付けて管理するテーブルである。使用履歴情報としては、各電話機1、1a〜1cにおいて発生した発信、着信等の処理、当該処理が発生した日時(操作日時)、通話時間、通信相手を示す電話番号等が挙げられる。図6では、1つのKeyコードに対する使用履歴情報が蓄積されている例を示している。なお、使用履歴情報テーブル322には、発信動作の他、上述した発信動作による発信に関わる情報が記憶されていてもよい。
制御部30は、図3に示すように、送受信制御部301(受信制御部)、WEB ID一致判定部302、WEB ID変更部303(サーバ側情報変更部)、使用履歴情報削除部304(情報削除部)及びユーザ登録処理部305を備えている。
送受信制御部301は、通信部31を制御することにより、記憶部32に記憶されている迷惑電話リストのデータ等を電話機1に送信する。また、送受信制御部301は、記憶部32に記憶されている使用履歴情報、ユーザ登録用画面等をPC2に送信する。さらに、送受信制御部301は、電話機1で管理されている使用履歴情報または迷惑電話情報等を、電話機1から受信する。また、送受信制御部301は、電話機1によって生成(決定)されたWEB ID等を、電話機1またはPC2から受信する。
WEB ID一致判定部302は、電話機1またはPC2から受信したWEB ID(第1ユーザ識別情報)が、現在「可」となっているWEB IDとが一致するか否かを判定する。WEB ID一致判定部302は、これら2つのWEB IDが一致しないと判定した場合に、その旨をWEB ID変更部303に通知する。
WEB ID変更部303は、上記2つのWEB IDが一致しないと判定された場合に、電話機1のユーザの変更に応じて、WEB IDを、現在設定されているWEB IDから新たなWEB IDに変更するものである。
ここで、WEB ID変更部303による上記ユーザ識別情報の変更は、電話機1と同様、電話機1との間で共有している上述の所定の変更規則に従って行われる。すなわち、WEB IDの変更は、WEB ID管理テーブル321において、上述した電話機1、1a〜1cごとに予め決められているWEB IDの群(例えば図4のNo1〜256のWEB ID)から、変更毎に異なる1つのWEB IDを決定するように行われる。
また、WEB ID変更部303は、WEB ID一致判定部302によって上記2つのWEB IDが一致しないと判定された場合、WEB ID管理テーブル321に含まれる上記WEB IDの群のうち、受信したWEB IDと一致するWEB IDの利用可否を「可」に設定し、これまで「可」と設定されていたWEB IDを「否」に設定する。
換言すれば、WEB ID変更部303は、(1)PC2から受信したWEB IDと、(2)上記所定の変更規則に従って、現在設定されているWEB ID(すなわち、「可」となっているWEB ID)の次またはそれ以降に決定されることになっているWEB ID(第2ユーザ識別情報)とが一致した場合、当該第2ユーザ識別情報としてのWEB IDを電話機1の現在のユーザのユーザ識別情報として設定する。この場合、WEB ID一致判定部302は、上記(1)のWEB IDと、上記(2)のWEB IDとが一致しているか否かを判定し、これら2つのWEB IDが一致した場合に、その旨をWEB ID変更部303に通知する。
このようなWEB ID変更部303を備えることで、管理サーバ3は、例えば変更通知要求等の処理を行うことなく、電話機1で決定されたWEB IDを受信するだけで、電話機1のWEB IDに変更が生じているかどうかを判別できる。それゆえ、電話機1のユーザの変更に応じた管理サーバ3による情報管理を簡易な方法で行うことができる。
使用履歴情報削除部304は、PC2から受信したWEB IDと、現在「可」となっているWEB IDとが一致しない場合(上記(1)のWEB IDと、上記(2)のWEB IDとが一致した場合)、WEB IDを送信(生成)した電話機1に対応付けられた使用履歴情報を削除する。具体的には、使用履歴情報削除部304は、上記更新の完了通知を受けると、使用履歴情報テーブル322のうち、WEB IDを受信することにより利用可否が「可」から「否」に変更されたWEB IDに対応付けられたKeyコードを含む使用履歴情報テーブル322を削除する。
ユーザ登録処理部305は、ユーザ登録に関する処理を行う。具体的には、ユーザ登録処理部305は、ユーザ登録用画面に入力されたWEB IDと送信先メールアドレスとを対応付けて、ユーザ情報テーブル323に格納する。
このように、管理サーバ3は、電話機1のユーザの変更に伴うWEB IDの変更に伴い、電話機1(すなわち、Keyコード)に対応付けて管理している使用履歴情報を削除する。これにより、電話機1の譲渡前のユーザによる電話機1の使用履歴情報を管理サーバ3から削除できる。そのため、譲渡前のユーザまたは第三者が、譲渡後のユーザの使用履歴情報を取得することができないようにすることができる。それゆえ、管理サーバ3で管理している使用履歴情報のセキュリティを向上することができる。
(情報管理システム100の各装置の処理)
図7に基づいて、電話機1およびPC2における処理の一例について説明する。電話機1では、操作部11が初期化実行指示を取得すると(S1)、初期化タイプ判定部101は、初期化対象にWEB IDが含まれるか否かを判定する(S2)。すなわち、初期化タイプ判定部101は、初期化実行指示がタイプ1の初期化を示すか否かを判定する。
タイプ1の場合(S2でYES)、計数制御部102は、現在のカウンタ値を1つ増やし(S3)、そのカウンタ値が上限値を超えているか否かを判定する(S4)。計数制御部102は、上限値を超えている場合(S4でYES)、初期値を新たなカウンタ値として設定する(S5)。一方、計数制御部102は、上限値以下の場合(S4でNO)、1つ増やした後のカウンタ値を新たなカウンタ値として設定する。
S5の処理後、S2でNOの場合、またはS4でNOの場合、初期化実行部103が初期化実行指示に従った初期化を行う(S6)。その後、WEB ID生成部104は、WEB IDを生成し(S7;端末側情報変更ステップ)、表示制御部105は、生成されたWEB IDをディスプレイ13に表示する(S8)。なお、S5の処理後、及びS4でNOの場合には、変更されたカウンタ値を含むWEB IDが生成される。すなわち、記憶部12に記憶されるWEB IDが変更(更新)される。S2でNOの場合には、初期化前後において、WEB IDの変更は無い。また、S6及びS7の処理はその処理順を問わない。
ユーザがディスプレイ13に表示されたWEB IDを確認し、PC2において当該WEB IDを入力する。このWEB IDの入力は、例えば管理サーバ3にユーザ登録を行うタイミングで行われる。PC2の操作部21は、WEB IDの入力を受け付けると(S11)、当該WEB IDを管理サーバ3に送信する(S12)。これにより、管理サーバ3は、当該WEB IDを受信することにより、電話機1に現在設定されているWEB IDに変更が生じているかを確認できる。
次に、図8に基づいて、管理サーバ3における処理の一例について説明する。管理サーバ3では、PC2からのユーザ登録指示を受けて、ユーザ登録処理部305は、ユーザ登録用画面をPC2に送信する(S21)。図7のS11及びS12において、PC2は、ユーザ登録用画面へのWEB ID及び送信先メールアドレスの入力を受け付け、当該WEB ID及び送信先メールアドレスを管理サーバ3に送信する。管理サーバ3では、送受信制御部301が当該WEB ID及び送信先メールアドレスを受信する(S22;受信制御ステップ)。なお、管理サーバ3の、WEB ID及び送信先メールアドレスの受信タイミング(PC2の送信タイミング)は、ユーザ登録時に限られない。
その後、WEB ID一致判定部302は、WEB ID管理テーブル321を参照して、当該WEB IDに対応付けられたKeyコードを取得する(S23)。そして、WEB ID一致判定部302は、WEB ID管理テーブル321を参照して、受信したWEB IDが、取得したKeyコードに対応付けられたWEB IDの群のうち、現時点で利用可否が「可」となっているWEB IDと異なっているか否かを判定する(S24)。異なっていると判定された場合には(S24でYES)、WEB ID変更部303は、利用可否が「可」となっているWEB IDの利用可否を「否」に変更するとともに、受信したWEB IDに対応するWEB IDの利用可否を「可」に変更する(S25;サーバ側情報変更ステップ)。すなわち、WEB ID変更部303は、上記第2ユーザ識別情報としてのWEB IDを「可」に変更することにより、電話機1の現在のユーザのWEB IDとして設定する。なお、上述のように、WEB ID一致判定部302は、S24において、上記(1)のWEB IDと上記(2)のWEB IDとが一致しているかを判定してもよい。この場合、一致していればS24の処理に移行する。その後、使用履歴情報削除部304は、取得したKeyコードに対応付けられた使用履歴情報を削除する(S26)。そして、ユーザ登録処理部305は、S22で受信したWEB ID及び送信先メールアドレスをユーザ情報テーブル323に登録する(S27)。一方、上記2つのWEB IDが一致すると判定された場合には(S24でNO)、ユーザの変更が生じていないと推定されるため、WEB IDを変更し、使用履歴情報を削除する必要がない。そのため、この場合、図8のフローは終了となる。
なお、S25及びS26の処理はその処理順を問わない。また、S27の処理は、S22の処理後であればよい。また、S25の処理において、WEB ID変更部303は、WEB IDに含まれるカウンタ値が0から255へと変更されている間については、受信したWEB IDよりも古いWEB IDを無効にすることで、WEB IDを更新してもよい。この場合、初期状態では、1つのKeyコードに属するWEB IDの全てが「可」となっている。WEB ID変更部303は、「可」のWEB IDのうち、カウンタ値が一番小さいWEB IDを、電話機1の現在のユーザのWEB IDとして設定する。初期状態では初期値0を含むWEB IDを、電話機1の現在のユーザのWEB IDとして設定する。そして、S24でYESの場合、WEB ID変更部303は、S25の処理において「可」のWEB IDのうち、カウンタ値が一番小さいWEB IDの利用可否を「否」とすることで当該WEB IDを無効にし、次にカウンタ値が大きいWEB IDを、電話機1の現在のユーザのWEB IDとして設定する。例えば、1回目のWEB IDの変更であれば、WEB ID変更部303は、カウンタ値が0のWEB IDの利用可否を「否」とし、カウンタ値が一番小さい「可」のWEB ID(すなわち、カウンタ値が1のWEB ID)を、電話機1の現在のユーザのWEB IDとしてとして設定する。
また、図7では、電話機1が生成したWEB IDをディスプレイ13に表示し、その表示を確認したユーザがPC2に当該WEB IDを入力することにより、PC2が当該WEB IDを管理サーバ3に送信する(S11〜S13)。これに限らず、例えば、電話機1が生成(決定)したWEB IDを、電話機1が管理サーバ3に直接送信する構成であってもよい。この場合、送受信制御部106は、例えば所定期間ごとの管理サーバ3へのアクセス時に、生成されたWEB IDを管理サーバ3に送信する。また、この場合、図8では、S21及びS27の処理(ユーザ登録に係る処理)は行われず、S22では、管理サーバ3の送受信制御部301は、電話機1から送信されたWEB IDを受信する。また、前回のアクセス時に受信したWEB IDが、現時点で利用可否が「可」となっているWEB IDであってもよい。この場合、S24において、電話機1またはPC2から受信したWEB IDが、前回のアクセス時に受信したWEB IDと異なっていると判断された場合に、使用履歴情報削除部304は、当該電話機1の使用履歴情報を削除する。
〔実施形態2〕
実施形態2について、図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。なお、情報管理システム100aは、実施形態1の、電話回線網4に接続された電話機1、1a〜1cを含むシステムであってもよい。
本実施形態の情報管理システム100aは、電話機1、1a〜1cの代わりに電話機6、6a〜6c(ユーザ端末)を備えている点で、実施形態1の情報管理システム100と異なる。電話機6、6a〜6cは、電話回線網4ではなく、PC2と同様インターネット回線網5経由で、管理サーバ3と通信可能に接続される。すなわち、電話機6、6a〜6cは、IP(Internet Protocol)電話、特にインターネット電話である。
電話機6、6a〜6cは、図1に示す電話機1と同様の構成を有しており、初期化が実行されるたびにWEB IDを生成する。ただし、電話機6、6a〜6cは、電話回線網4を用いていないため、端末識別情報としてDECT IDを用いることができない。その代わり、電話機6、6a〜6cは、インターネット回線網5に接続される。そのため、電話機6、6a〜6cにはそれぞれ、端末識別情報としてDECT IDの代わりにMACアドレスが割り当てられる。したがって、電話機6、6a〜6cは、端末設定情報としてKeyコード及びMACアドレスを有している。そして、WEB ID生成部104は、DECT IDの代わりにMACアドレスにカウンタ値を用いることにより、WEB IDを生成する。
〔変形例〕
その他、電話機1、1a〜1cまたは電話機6、6a〜6cとしては、以下のような構成であってもよい。例えば、実施形態1では、タイプ1の初期化が実行されたときにWEB IDが変更されるが、これに限らず、電話機1の電話番号が変更されたときにWEB IDが変更されてもよい。すなわち、電話機1のユーザの変更があったと推定される処理は、電話番号の変更処理であってもよい。この場合、電話機1は、初期化タイプ判定部101及び初期化実行部103を備えている必要はなく、初期化タイプ判定部101の代わりに、電話番号の変更があったか否かを判定する電話番号変更判定部を備えていればよい。この場合、カウンタ値は、電話番号の変更回数となる。計数制御部102は、電話番号の変更があったと判定されるたびにカウンタ値をインクリメントする。WEB ID生成部104は、計数制御部102からインクリメントした旨の通知を受けると、WEB IDを生成する。
また、情報管理システム100、100aが迷惑電話拒否サービスを実現するものとして説明したが、これに限らず、任意のサービスを実現するものであってよい。上記システムは特に、管理対象機器である電話機等のユーザ端末がレンタル用であり、管理サーバがユーザ端末ごとにデータを管理し、ユーザ端末のユーザが変わるたびに当該データを削除するユースケースに好適に使用できる。さらに、上記では、ユーザ端末として電話機を挙げているが、これに限らず、ドアフォン、ファクシミリ、PC、タブレット等の各種電子機器であってもよい。
また、上記では、電話機1等ではWEB IDを生成し、管理サーバ3ではWEB ID管理テーブル321を管理するものとして説明したが、これに限られない。例えば、管理サーバ3側でWEB IDを生成してもよい。この場合、管理サーバ3は、受信したWEB IDに対して、電話機1等で行われる所定のアルゴリズムに基づく演算と逆の演算を行うことで、DECT IDとカウンタ値とを割り出し、DECT IDに対応する電話機1等において現在設定されているWEB IDを特定してもよい。この場合、管理サーバ3にてWEB ID管理テーブル321を管理する必要がない。また、電話機1等で、割り当てられているWEB IDの群をテーブルとして管理してもよい。この場合、電話機1等において上記演算を行う必要がない。さらに、電話機1等および管理サーバ3の双方で、WEB IDを生成してもよい。また、電話機1等および管理サーバ3の双方で、WEB ID管理テーブル321を管理してもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
電話機1、PC2及び管理サーバ3の制御ブロック(特に制御部10の各ブロック、制御部22、制御部30の各ブロック)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、電話機1、PC2及び管理サーバ3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るユーザ端末(電話機1、1a〜1c、6、6a〜6c)は、ユーザ端末に対応付けられた端末情報(使用履歴情報)が管理サーバ(3)によって管理される当該ユーザ端末であって、上記ユーザ端末のユーザが現在のユーザから新たなユーザへと変更されたと推定される処理が発生したときに、ユーザを識別するためのユーザ識別情報(WEB ID)を、現在設定されているユーザ識別情報から新たなユーザ識別情報に変更する端末側情報変更部(WEB ID生成部104)を備え、上記端末側情報変更部による上記ユーザ識別情報の変更は、所定の変更規則に従って行われ、上記所定の変更規則は、上記ユーザ端末ごとに予め決められている上記ユーザ識別情報の群から、上記ユーザ識別情報の変更毎に異なる1つの上記ユーザ識別情報を決定することを定めたものである。
上記構成によれば、ユーザ端末は、上記推定される処理が発生したときに、上記所定の変更規則に従って、現在設定されているユーザ識別情報から新たなユーザ識別情報に変更する。
したがって、管理サーバは、上記所定の変更規則が予め設定されることにより、例えば変更通知要求等の処理を行うことなく、ユーザ端末側でのユーザ識別情報の変更を容易に認識できる。それゆえ、ユーザ端末のユーザの変更に応じた管理サーバによる情報管理を簡易な方法で行うことができる。
さらに、本発明の態様2に係るユーザ端末では、上記態様1において、上記端末側情報変更部は、上記ユーザの変更に伴う上記ユーザ端末の初期化が行われたときに、上記ユーザ識別情報を変更してもよい。
上記構成によれば、ユーザ端末は、上記初期化をトリガとしてユーザ識別情報を変更する。それゆえ、ユーザ端末は、簡易な方法で、かつ精度よくユーザの変更を認識できる。
さらに、本発明の態様3に係るユーザ端末は、上記態様2において、上記ユーザ識別情報には、上記ユーザ識別情報の変更の回数を示す変更回数情報(カウンタ値)が含まれており、上記ユーザ識別情報の変更の回数を計数する計数制御部(102)を備え、上記端末側情報変更部は、上記変更回数情報が示す上記ユーザ識別情報の変更の回数を、上記計数制御部が計数した上記ユーザ識別情報の変更の回数に変更することにより決定した上記ユーザ識別情報を、上記新たなユーザ識別情報としてもよい。
上記構成によれば、ユーザ端末は、ユーザ識別情報に含まれる変更回数情報が示す、ユーザ識別情報の変更の回数を、計数制御部によって計数されたユーザ識別情報の変更の回数に変更するだけで、新たなユーザ識別情報に変更できる。それゆえ、ユーザ端末は、簡易な方法でユーザ識別情報を変更できる。また、管理サーバは、ユーザ識別情報に含まれる変更回数情報を確認するだけで、ユーザ識別情報の変更の有無を確認できる。
さらに、本発明の態様4に係るユーザ端末は、上記態様3において、上記ユーザ識別情報には、上記ユーザ端末を識別するための端末識別情報(DECT ID、MACアドレス)が含まれており、上記端末側情報変更部は、上記端末識別情報に、上記計数制御部が計数した上記ユーザ識別情報の変更の回数を組み合わせることにより上記ユーザ識別情報を決定してもよい。
上記構成によれば、ユーザ識別情報に端末識別情報が含まれているので、管理サーバは、管理サーバが端末情報を管理している複数のユーザ端末のうち、ユーザ識別情報に変更が生じたユーザ端末を正確に特定できる。
さらに、本発明の態様5に係るユーザ端末は、上記態様1から4のいずれかにおいて、 上記群に含まれる上記ユーザ識別情報は、所定数の異なる上記ユーザ識別情報であってもよい。
上記構成によれば、予め決められているユーザ識別情報が所定数(有限)の異なる情報であるため、管理サーバは、ユーザ端末側でのユーザ識別情報の変更を容易にかつ確実に認識できる。
さらに、本発明の態様6に係るユーザ端末は、上記態様1から5のいずれかにおいて、電話機であってもよい。
上記構成によれば、電話機の端末情報を管理サーバにて管理する環境において、ユーザの変更に応じた管理サーバによる情報管理を簡易な方法で行うことができる。
さらに、本発明の態様7に係るユーザ端末では、上記態様1から6のいずれかにおいて、上記所定の変更規則は、上記ユーザ端末と上記管理サーバとの間で共有されていてもよい。
上記構成によれば、管理サーバは、例えば変更通知要求等の処理を行うことなく、ユーザ端末側でのユーザ識別情報の変更を容易に認識できる。
さらに、本発明の態様8に係る管理サーバ(3)は、ユーザ端末(電話機1、1a〜1c、6、6a〜6c)に対応付けられた端末情報(使用履歴情報)を管理する管理サーバであって、上記ユーザ端末のユーザの変更に応じて、ユーザを識別するためのユーザ識別情報(WEB ID)を、現在設定されているユーザ識別情報から新たなユーザ識別情報に変更するサーバ側情報変更部(WEB ID変更部303)を備え、上記サーバ側情報変更部による上記ユーザ識別情報の変更は、所定の変更規則に従って行われ、上記所定の変更規則は、上記ユーザ端末ごとに予め決められている上記ユーザ識別情報の群から、上記ユーザ識別情報の変更毎に異なる1つの上記ユーザ識別情報を決定することを定めたものであり、上記ユーザ端末または上記ユーザ端末以外の装置(PC2)から、上記ユーザ端末によって決定された上記ユーザ識別情報を受信する受信制御部(送受信制御部301)をさらに備え、(1)上記受信制御部が受信した上記ユーザ識別情報である第1ユーザ識別情報と、(2)上記所定の変更規則に従って、上記現在設定されているユーザ識別情報の次またはそれ以降に決定されることになっている第2ユーザ識別情報と、が一致した場合、上記サーバ側情報変更部は、上記第2ユーザ識別情報を上記ユーザ端末の現在のユーザの上記ユーザ識別情報として設定する。
上記構成によれば、管理サーバは、上記第1ユーザ識別情報と上記第2ユーザ識別情報とが一致した場合に、第2ユーザ識別情報を、ユーザ端末の現在のユーザのユーザ識別情報として設定する。また、管理サーバにおいて、ユーザ識別情報は、所定の変更規則に従って変更される。
したがって、管理サーバは、上記所定の変更規則が予め設定されることにより、例えば変更通知要求等の処理を行うことなく、ユーザ端末で決定されたユーザ識別情報を受信するだけで、当該ユーザ端末のユーザ識別情報に変更が生じているかどうかを判別できる。それゆえ、ユーザ端末のユーザの変更に応じた管理サーバによる情報管理を簡易な方法で行うことができる。
さらに、本発明の態様9に係る管理サーバは、上記態様8において、上記第1ユーザ識別情報と上記第2ユーザ識別情報とが一致した場合、上記第1ユーザ識別情報を生成したユーザ端末に対応付けられた上記端末情報を削除する情報削除部(使用履歴情報削除部304)を備えてもよい。
上記構成によれば、上記第1ユーザ識別情報と上記第2ユーザ識別情報とが一致した場合、管理サーバは、当該第1ユーザ識別情報を送信したユーザ端末に対応付けられた端末情報を削除する。すなわち、管理サーバは、当該ユーザ端末のユーザが変更された場合に、当該ユーザ端末に対応付けられた端末情報を削除する。それゆえ、変更後のユーザによって、変更前のユーザの端末情報が閲覧されることを防止できる。すなわち、管理サーバに管理されている管理情報のセキュリティを向上させることができる。
さらに、本発明の態様10に係る管理サーバでは、上記態様8または9において、上記所定の変更規則は、上記ユーザ端末と上記管理サーバとの間で共有されていてもよい。
上記構成によれば、管理サーバは、例えば変更通知要求等の処理を行うことなく、ユーザ端末で決定されたユーザ識別情報を受信するだけで、当該ユーザ端末のユーザ識別情報に変更が生じているかどうかを判別できる。
さらに、本発明の態様11に係る情報管理システム(100、100a)は、上記態様1から7のいずれかのユーザ端末と、上記態様8から10のいずれかの管理サーバとを備えてもよい。
上記構成によれば、態様1または8にて述べたように、ユーザ端末のユーザの変更に応じた管理サーバによる情報管理を簡易な方法で行うことができる。
さらに、本発明の態様12に係るユーザ端末(1、1a〜1c、6、6a〜6c)の制御方法は、ユーザ端末に対応付けられた端末情報が管理サーバ(3)によって管理される当該ユーザ端末の制御方法であって、上記ユーザ端末のユーザが現在のユーザから新たなユーザへと変更されたと推定される処理が発生したときに、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、現在設定されているユーザ識別情報から新たなユーザ識別情報に変更する端末側情報変更ステップ(S7)を含み、上記端末側情報変更ステップにおける上記ユーザ識別情報の変更は、所定の変更規則に従って行われ、上記所定の変更規則は、上記ユーザ端末ごとに予め決められている上記ユーザ識別情報の群から、上記ユーザ識別情報の変更毎に異なる1つの上記ユーザ識別情報を決定することを定めたものである。
上記構成によれば、態様1にて述べたように、ユーザ端末のユーザの変更に応じた管理サーバによる情報管理を簡易な方法で行うことができる。
さらに、本発明の態様13に係る管理サーバ(3)の制御方法は、ユーザ端末に対応付けられた端末情報を管理する管理サーバの制御方法であって、上記ユーザ端末のユーザの変更に応じて、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、現在設定されているユーザ識別情報から新たなユーザ識別情報に変更するサーバ側情報変更ステップ(S25)を含み、上記サーバ側情報変更ステップにおける上記ユーザ識別情報の変更は、所定の変更規則に従って行われ、上記所定の変更規則は、上記ユーザ端末ごとに予め決められている上記ユーザ識別情報の群から、上記ユーザ識別情報の変更毎に異なる1つの上記ユーザ識別情報を決定することを定めたものであり、上記ユーザ端末または上記ユーザ端末以外の装置から、上記ユーザ端末によって決定された上記ユーザ識別情報を受信する受信制御ステップ(S22)をさらに含み、(1)上記受信制御ステップにおいて受信した上記ユーザ識別情報である第1ユーザ識別情報と、(2)上記所定の変更規則に従って、上記現在設定されているユーザ識別情報の次またはそれ以降に決定されることになっている第2ユーザ識別情報と、が一致した場合、上記サーバ側情報変更ステップでは、上記第2ユーザ識別情報を上記ユーザ端末の現在のユーザの上記ユーザ識別情報として設定する。
上記構成によれば、態様8にて述べたように、ユーザ端末のユーザの変更に応じた管理サーバによる情報管理を簡易な方法で行うことができる。
さらに、本発明の各態様に係るユーザ端末または管理サーバは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記ユーザ端末または管理サーバが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記ユーザ端末または管理サーバをコンピュータにて実現させるユーザ端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。