JP3930657B2 - 遊技設備管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記憶媒体(例えばICカード)に対応づけられた遊技価値を用いて遊技を行う遊技機の集合を統括的に管理する遊技機管理装置(遊技機管理システム)に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機には、現金に代えてプリペイドカードを用いて遊技を行うものがある。例えば、パチンコ遊技機においては、遊技の前に、購入金額に対応した遊技価値が付加されているプリペイドカードを購入し、このプリペイドカードに記録された遊技価値を貸球に変換しながら、遊技を行うものがある。このようなカード式の遊技機においては、かってはプリペイドカードに割り当てられた遊技価値を各遊技機において判断し、遊技球の貸出を行っていた。
【0003】
しかしながら、このような方法では、プリペイドカードの偽造等の不正に十分対抗することができない。このため、近年は、プリペイドカードに管理番号を付け、この管理番号を用いて、プリペイドカードへの遊技価値の付加状態をホストコンピュータ側で管理するような遊技設備管理システムが採用されるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような遊技設備管理システムにおいては、プリペイドカードに関する情報をホストコンピュータ側に送信する必要があるため、通信が混み合った場合など、システムの運用に影響を与えてしまうおそれがある。
【0005】
例えば、遊技店の営業開始の時間帯においては、プリペイドカードを発行するカード発行機は特に頻繁に操作される。また、各遊技機にも略同時にプリペイドカードによる球貸の要求がなされる。このため、遊技機やカード発行機からホストコンピュータ側への通信が一時的に混雑してしまい、通信速度が低下するので、遊技機やカード発行機の動作が遅くなってしまう。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技設備から管理手段への通信を合理的に行い、通信処理が遊技設備の稼働に障害を与えないようにした遊技設備管理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段を備えるとともに、管理用データが付与される記憶媒体と、この記憶媒体に対応づけられた遊技価値を管理する管理手段と、この管理手段において管理された遊技価値を用いて遊技球の貸し出しを指示する球貸処理を実行可能な遊技価値処理装置と、前記管理用データを付与した記憶媒体を発行する発行手段と、前記管理手段、前記遊技価値処理装置及び前記発行手段を接続する通信回線と、を備えた遊技設備管理装置において、複数の前記遊技価値処理装置には、当日中に前記発行手段から発行される記憶媒体に付与可能な前記管理用データの全候補からなる照合用データを記憶する照合用データ記憶手段と、前記記憶媒体に付与されている管理用データが前記照合用データ内に含まれるか否かを判定する照合判定手段とを備え、前記照合判定手段により前記記憶媒体に付与されている管理用データが前記照合用データ内に含まれると判定された場合に、該記憶媒体に関する情報の前記管理手段への送信に先立って、該記憶媒体に記憶されている遊技価値を用いた前記球貸処理を実行可能とし、前記照合判定手段により、該記憶媒体に付与されている管理用データが前記照合用データ内に含まれないと判定された場合には、該記憶媒体に付与されている管理用データを前記管理手段に送信し、該管理手段に記憶された遊技価値に基づいて前記球貸処理を実行する。
【0008】
第2の発明では、第1の発明において、前記管理手段は、当日中に前記発行手段から記憶媒体を発行するための前記管理用データの候補群を決定し、前記決定された管理用データの候補群を総ての発行手段の間で重複しないように分散し、総ての前記発行手段に送信するとともに、前記決定された管理用データの全候補を照合用データとして複数の前記遊技価値処理装置に送信する。
【0010】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、遊技者が記憶媒体(例えばICカード)を使用して遊技を行おうとすると、この記憶媒体に記憶された管理用データ(例えばカードID番号)が照合用データと照合され、一致する場合には、記憶媒体に関する情報の管理手段(例えばホストコンピュータ)への送信に先立って、記憶媒体に記憶された遊技価値を用いた遊技が可能とされる。したがって、記憶媒体が所定の単位管理期間(例えば当日)中に発行されたものであれば、管理手段への通信時間を待たずに、直ちに遊技価値を用いた遊技を開始でき、遊技機の稼働率を向上させることができる。一方、記憶媒体に記憶された管理用データが照合用データと一致しない場合、すなわち、記憶媒体が所定の単位管理期間中に発行されたものでなければ、遊技は、記憶媒体に記憶された遊技価値を用いて開始されることはなく、管理手段において管理されている遊技価値に基づいてなされる。したがって、例えば不正行為者が単位管理期間以前に発行された記憶媒体を偽造して持ってきた場合などでも、遊技開始以前に、偽造記憶媒体を発見することができ、不正行為を未然に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1には、遊技設備管理システム(遊技設備管理装置)の全体構成を示す。
【0015】
図示されるように、遊技店1には、管理手段であるホストコンピュータ10、カード清算機20、複数のカード発行機30、遊技機40とカードユニット50からなる複数の遊技機セット9が備えられ、これらは相互に通信回線5を介して接続されている。遊技者は、カード発行機30から発行されたICカード1をカードユニット50に挿入し、そのICカード1に記録されている遊技価値(現在付加金額)を用いて遊技を行う。
【0016】
なお、各カードユニット50には異常状態の発生(例えば、後述するようにカードユニット50に挿入されたICカード1のカードID番号が照合用データと一致しない場合)を報知する異常報知ランプ54が備えられている。また、ホストコンピュータ10は、外部通信回線(電話回線)6を介してカード会社7にも接続されている。
【0017】
図2には、遊技機セット9の構成を示す。
【0018】
図示されるように、遊技機40は、カードユニット50に遊技球の貸出を指令するための球貸スイッチ41、ICカード1の返却を指示する返却スイッチ42、その時点でICカード1の現在付加金額を表示させる残高表示部43、遊技球の排出を行う球排出装置44、球排出装置44を制御する球排出制御装置45を備えている。この球排出制御装置45には、カードユニット50における操作に基づいてどれだけの遊技球を貸し出すかを指示する球貸信号と、カードユニット50における異常状態の発生や遊技機40とカードユニット50との非接続等を知らせる状態信号が、カードユニット50から入力される。
【0019】
また、遊技機40には、遊技のための遊技球発射を行う発射装置46と、この発射装置46の駆動および停止を制御する発射制御装置が備えられる。この発射制御装置47には、球排出制御装置45から許可信号が入力され、この許可信号による許可があった場合のみ、発射装置46からの遊技球発射がなされるようになっている。そして、この許可信号は、前述の状態信号が、カードユニット50における異常状態の発生や遊技機40とカードユニット50との非接続等、遊技機セット9における遊技を停止すべき状態の発生を示すものである場合には送信されず、発射装置46からの遊技球発射が停止するようになっている。
【0020】
カードユニット50は、特許請求の範囲における「遊技価値処理装置」に相当するもので、ROM,RAM,CPUを備えたカードユニット制御装置51と、所定の挿入口に挿入されたICカード1に対して情報の読み取り/書き込みをするカードR/W(カードリーダー/ライター)と、ICカード1を挿入口内部に取り込んだり、挿入口から排出したりするカード搬送装置53と、異常報知ランプ54を備えている。遊技者がカードユニット40の挿入口にICカード1を挿入して球貸スイッチ41を操作すると、カードユニット制御装置51は、この指令にしたがって、球貸信号を球排出制御装置45に送信する。これにより、球排出装置44から遊技球が排出されたならば、この排出分だけICカード1の現在付加金額が減少するように、カードR/W52によるICカード1への書き込みがなされる。
【0021】
なお、カードユニット50(遊技価値処理装置)は、遊技機40と一体で形成されたものであってもよく、また遊技機40自体にカードユニット50の機能を持たせるようにしてもよい。
【0022】
図3には、ホストコンピュータ10、カード清算機20、カード発行機30の構成を示す。
【0023】
図示されるように、ホストコンピュータ10は、演算・制御装置11と、管理者による操作のための入力装置12、出力装置13と、記憶装置14を備え、通信インターフェース15を介してカード清算機20、カード発行機30等と接続され、また通信インターフェース(モデム)16を介して外部のカード会社7と接続されている。
【0024】
このホストコンピュータ10は、遊技店内の種々の遊技設備を統括管理するコンピュータであり、ICカード1に関する情報は、カード発行機30からの発行、遊技機セット9(カードユニット50)での使用、カード清算機20での清算の各段階において読み取られ、ホストコンピュータ10に送信され、記憶装置14内のカード残高データベースにおいて統括管理されるようになっている。
【0025】
ホストコンピュータ10は、各カード発行機30に、管理用データであるカードID番号として付与してもよい番号の集合(カードID番号の候補群)を、異なるカード発行機30で重複しないように適切に振り分けて、送信する。ここで、カードID番号とは、記憶遊技価値が0でないICカード1に1対1で対応するように(重複しないように)付与される数値データであり(図4参照)、個々のICカード1はこのカードID番号により識別可能となっている。
【0026】
また、ホストコンピュータ10は、各遊技機セット9(カードユニット50)に、カードID番号として使用され得る全番号のデータ(各カード発行機30に送信されたカードID番号候補群の全体集合)を、照合用データとして送信する。
【0027】
なお、カードID番号候補群および照合用データの送信は、遊技設備の稼働開始前にあらかじめなされ、各カード発行機30および各遊技機セット9のそれぞれに備えられた記憶装置において記憶保存される。これにより、各カード発行機30および各遊技機セット9は、稼働直後からこれらのデータを参照し得るようになっている。
【0028】
カード発行機30は、ROM、RAM、CPUを備えた制御装置31、金額選択スイッチ32、カード返却スイッチ33、紙幣処理装置34、釣り銭払い出し装置35、カードR/W36、カード搬送装置37、表示部38、インターフェース39等から構成される。このカード発行機30は、操作者の金額選択(ICカード1への付加金額)にしたがって記憶遊技価値が付与されたICカード1の発行を行うものである。この新規のカード発行においては、カードID番号が前述のカードID候補群から重複しないように選択され、発行されるICカード1に付与される。
【0029】
カード清算機20は、ROM,RAM,CPUを備えた制御装置21、カード回収スイッチ22、カード返却スイッチ23、硬貨払い出し装置24、カードR/W25、カード搬送装置26、表示部27、インターフェース28等から構成される。このカード清算機20は、使用済みのICカード1の回収、および清算残高分の払い戻しを行うものである。
【0030】
図4には、ICカード1の構成を示す。
【0031】
図示されるように、ICカード1には書換不能メモリ領域2と、書換可能メモリ領域3とを備える。書換不能メモリ領域2には、カード製造番号や固定セキュリティコードといったICカード1の製造に関わるデータが記録されている。また、書換可能メモリ領域3には、カードID番号、現在付加金額、可変セキュリティコード等が、随時書き換えられて記憶されている。ここで、カードID番号は、例えば図5に示すように、カード発行機番号、ランダムコード、日コード、月コード、年コード、遊技店コードを組み合わせた数値コードから構成される。なお、カードID番号を構成する各種コードのうち、日コード、月コード、年コードはカードの発行日を表すコード、カード発行機番号は当該カードを発行したカード発行機30を示すコード、遊技店コードは遊技店ごとに割り当てられた共通のコードであり、ICカード1を特定するための固有のコードはランダムコードとなる。
【0032】
書換不能メモリ領域2および書換可能メモリ領域3は、接点部4と接続され、この接点部4を介して読み込みおよび書き換えがなされるようになっている。なお、ICカード1は、書換不能メモリ領域2および書換可能メモリ領域3と接点部4の間にICを備えた形態をとるようにしてもよい。
【0033】
図6には、ホストコンピュータ10の記憶装置14に記憶されているカード残高データベースの一例を示す。図示されるように、カード残高データベースには、カードID番号に1対1に対応して現在付加金額が記憶されている。これにより、カードID番号が付与されたICカード1について、現在付加金額の状態を一律に管理し得る。
【0034】
図7には、カード発行機コード=03のカード発行機30の記憶装置における、カードID番号候補群用のデータベースの一例を示す。図示されるように、このデータベースには、このカード発行機30に割り当てられて発行されうるカードID番号が記憶保存されている。
【0035】
図8には、カードユニット50の記憶装置における、照合用データのデータベースの一例を示す。図示されるように、この総てのカード発行機30(すなわちカード発行機コード=01からカード発行機番号=10のカード発行機30)に送信されたカードID番号候補群の全体集合が記憶保存されている。
【0036】
図9には、ホストコンピュータ10、カード発行機30、カードユニット50のそれぞれにおける処理を、フローチャートで示す。
【0037】
ホストコンピュータ10は、ステップS1で初期化処理を行った後、ステップS2で当日発行するためのカードID番号候補群を決定する。そして、ステップS3では、ステップS2で決定されたカードID番号候補群を重複しないように適切に分散し、複数のカード発行機30に送信する。また、ステップS4では、ステップS3で送信されたカードID番号候補群の全体集合を、照合用データとして総てのカードユニット50に送信する。その後、ステップS5のカード発行対応処理、ステップS6の球貸操作対応処理のループを繰り返す。
【0038】
カード発行機30は、ステップS11の初期化処理の後、ステップS12でホストコンピュータ10から受信したカードID番号候補群を、所定の記憶装置に記憶保存する。その後、ホストコンピュータ10におけるカード発行対応処理(ステップS5)に連携して、ステップS13のカード発行受付処理を繰り返す。
【0039】
カードユニット50は、ステップS21の初期化処理の後、ステップS22でホストコンピュータ10から受信した照合用データを、所定の記憶装置に記憶保存する。その後、ホストコンピュータにおける球貸操作対応処理(ステップS6)に連携して、ステップS23の球貸操作受付処理を繰り返す。
【0040】
図10には、ホストコンピュータ10におけるカード発行対応処理(図9のステップS5)と、カード発行機30におけるカード発行受付処理(図9のステップS13)の詳しい処理手順を示す。
【0041】
カード発行受付処理においては、まずステップS41で待機タイマの更新処理がなされ、続くステップS42で紙幣の挿入があったか否かの判定がなされる。そして、カード発行機30への紙幣の挿入があった場合にはステップS43に進み、待機タイマの初期化を行う一方、紙幣の挿入が無かった場合にはステップS49に進む。
【0042】
ステップS43に続くステップS44では、金額ボタン受付処理が実行され、遊技者(操作者)によるカード発行機30の操作(付加金額に応じたICカード1の発行を要求する操作)が受け付けられる。
【0043】
続くステップS45では、発行すべきICカード1に、カードID番号候補群から適切に選択されたカードID番号を記録する。ステップS46では、ステップS44の操作に基づいて、当該ICカード1に現在付加金額のデータを記録する。ステップS47では、遊技者に釣り銭を払い出し、ステップS49では、遊技者に当該ICカード1を発行して、ステップS49に進む。
【0044】
ステップS49では、待機タイマがタイムアップしたか否かの判定がなされ、タイムアップしていなければ、そのままルーチンを終了する。一方、タイムアップしたならば、ステップS50に進み、未送信分のカード発行情報(カードID番号および現在付加金額のデータを含む)を、ホストコンピュータへ送信する。
【0045】
このように、カード発行機30からのカード発行情報の送信は、待機タイマがタイムアップしたことを条件に、すなわち、カード発行機30の利用(具体的にはカード発行機30への貨幣挿入)が所定時間以上にわたって無かったことを条件に実行される。したがって、カード発行情報の送信は、ちょうどカード発行機30の利用状況がすいてきた時になされるので、カード発行機30が混んでいるときには、送信作業がカード発行作業の邪魔となることはなく、カード発行は迅速に実行される。
【0046】
カード発行対応処理においては、ステップS31においてカード発行情報の受信があったか否かの判定がなされ、受信があった場合にはカード残高データベースを更新してから、また受信が無かった場合にはそのまま、ルーチンを終了する。
【0047】
図11〜図13には、ホストコンピュータ10における球貸操作対応処理(図9のステップS6)と、カードユニット50における球貸操作受付処理(図9のステップS23)の詳しい処理手順を示す。
【0048】
カードユニット50による球貸操作受付処理においては、まずステップS71で、ICカード1のカードユニット50への挿入が検出されたか否かの判定がなされ、検出があった場合にはステップS72に進み、検出が無かった場合にはそのままルーチン終了する。
【0049】
ステップS72では、挿入されたICカード1のカードID番号と、照合用データ(全カードID番号候補群との照合検査が実行され、続くステップS73では照合の結果、照合用データの中に当該ICカード1のカードID番号が存在するか否かの判定がなされる。
【0050】
このステップS73において照合用データの中に当該ICカード1のカードID番号が存在しないと判定された場合には、ステップS74で、カードの問い合わせ情報(カードID番号のデータを含む)をホストコンピュータ10に送信し、ステップS75で、ホストコンピュータ10から送信されてきた現在付加金額を取得して現在残高とし、ステップS76で残高表示部43への現在残高の表示を行って、ステップS90に進む。このように、挿入されたICカード1が当日に発行されたものでなければ、直ちに当該ICカード1のカードID番号をホストコンピュータ10に送信し、始めからホストコンピュータ10に記憶されたカード残高データベースに基づいて、遊技球の貸出を行う。
【0051】
一方、ステップS73において照合用データの中に当該ICカード1のカードID番号が存在すると判定された場合(ICカード1が当日に発行されたものである場合)には、ステップS77に進み、当該ICカード1から現在付加金額データを読み出す。続くステップS78では、この現在付加金額が0円であるか否かの判定がなされる。
【0052】
このステップS78で、現在付加金額が0円であれば、ステップS95に進み、当該ICカード1を遊技者に返却してルーチン終了する。一方、現在付加金額が0円でなければ、ステップS79でこの現在付加金額を現在残高(カードユニット50内で計算される当該ICカード1に残された遊技価値)とし、またステップS80でこの現在付加金額を初期残高とする。そして、ステップS81で、残高表示部43への現在残高の表示を行い、ステップS82で、遊技者による球貸操作(球貸スイッチ41の操作)に基づいて球貸処理
を実行する。
【0053】
このように本実施の形態では、ステップ72の判定によりカードユニット50に挿入されたICカード1のカードID番号が照合用データ内の番号と一致すれば、ホストコンピュータ10との通信に先立って、遊技球の貸出がなされる。したがって、遊技機40における遊技は、通信回線の混雑度に関わらず、迅速に開始または継続でき、遊技機セット9の稼働率を高めることができる。また、この場合に、使用されているICカード1のカードID番号は、あらかじめ記憶されている照合用データと一致しているので、偽造等がなされたものである可能性は極めて低く、不正行為を有効に防止できる。
【0054】
続くステップS83では、遊技者により返却スイッチ42が操作されたか否かの判定がなされ、操作されたならばステップS93に進み、操作されていなければステップS84に進む。
【0055】
ステップS84では、通信回線の混雑度の検証がなされる。この検証方法としては、例えば、ホストコンピュータ10に接続状態確認信号を送信してこれに対する返答時間を確認したり、あるいはホストコンピュータ10側から現在の回線混雑度に関する情報を送信するなど、様々な方法を採り得る。続くステップS85では、回線の混雑度が緩和された状態にあるか否かの判定がなされ、混雑度が緩和された状態に無ければステップS82に戻り、混雑度が緩和された状態にあればステップS86に進む。
【0056】
ステップS86では、カードの問い合わせ情報(カードID番号を含む)をホストコンピュータ10に送信する。このステップS86の問い合わせを受けて、ホストコンピュータ10から当該ICカード1の現在付加金額データが送信されてくると、ステップS87で、この現在付加金額を初期残高(ステップS80参照)と照合する。そしてステップS88で、照合の結果、これらの値が一致するか否かの判定がなされ、一致しなければステップS89で異常発生を報知してルーチン終了し、一致すればステップS90に進む。
【0057】
このよう本実施の形態では、通信回線の混雑度が緩和されたタイミングでホストコンピュータ10への通信を行うようにしているので、通信は迅速に実行でき、ホストコンピュータ10への通信が遊技機40での遊技の妨げになってしまうことはない。
【0058】
なお、ステップS86で問い合わされたカードID番号がホストコンピュータ10のカード残高データベースに無いものであれば、付加金額データとして0円が送信され、当該ICカード1に現在付加金額が付与されている場合は異常状態の発生として処理される。
【0059】
また、異常発生の報知方法としては、カードユニット50の異常報知ランプ54を点灯する、あるいはホストコンピュータ10に異常発生を知らせる信号を送信してホストコンピュータ10側で何らかの報知を行う等、様々な方法を採り得る。さらに、この異常発生時には、遊技機40の発射装置46からの遊技球発射を停止する等の対応処理をとるようにしてもよい。
【0060】
ステップS90では、球貸操作に基づく球貸処理がなされ、遊技球が貸し出される。続くステップS91では、当該ICカード1の現在残高(具体的にはICカード1挿入時の現在付加金額から利用金額を引いた残高)が0円であるか否かの判定がなされ、0円であれば、そのままステップS93に進む。一方、0円でなければ、ステップS92で返却スイッチ42の操作があったか否かの判定がなされ、操作がなければステップS90に戻り、操作があればステップS93に進む。
【0061】
ステップS93では、カード利用情報(カードID番号と現在残高を含む)をホストコンピュータ10に送信し、ステップS94では、現在残高を現在付加金額として当該ICカード1に記録する。そしてステップS95で、当該ICカード1を遊技者側に返却してルーチン終了する。
【0062】
ホストコンピュータ10による球貸操作対応処理においては、ステップS61で、カードユニット50からの問い合わせ情報(球貸操作受付処理のステップS74で送信された問い合わせ情報)の受信があったか否かの判定がなされ、受信がなければ、そのままステップS64に進む。一方、受信があったならば、ステップS62で、カードID番号を用いてカード残高データベースから当該ICカード1の現在付加金額を検索し、ステップS63で、この検索された現在付加金額をカードユニット50に送信してから、ステップS64に進む。なお、カード残高データベースに該当するカードID番号がないばあいには、現在付加金額として0円が送信される。
【0063】
ステップS64では、カードユニット50における通信回線の混雑度検証(球貸操作受付処理のステップS84の処理)に対する支援処理を実行する。具体的には、上述したようにカードユニット50からの接続状態確認信号の受信処理およびこれに対する返答信号の送信処理、あるいは回線混雑度に関する情報の送信処理等を実行する。
【0064】
ステップS65では、カードユニット50からの問い合わせ情報(球貸操作受付処理のステップS86で送信された問い合わせ情報)を受信したか否かの判定がなされ、受信がなければ、そのままステップS68に進む。一方、受信があったならば、ステップS66で、カードID番号を用いてカード残高データベースから当該ICカード1の現在付加金額を検索し、ステップS67で、この検索された現在付加金額をカードユニット50に送信してから、ステップS68に進む。
【0065】
ステップS68では、カードユニット50からのカード利用情報(球貸操作受付処理のステップS93で送信されたカード利用情報)の受信があったか否かの判定がなされ、受信が無ければそのままルーチン終了し、受信があればステップS69でこのカード利用情報に基づいてカード残高データベースを更新してルーチン終了する。
【0066】
以上のように、本実施の形態では、遊技者がICカード1を使用して遊技を行おうとすると、当該ICカード1に記憶されたカードID番号が照合用データと一致する場合には、ホストコンピュータ10へのカード問い合わせ情報の送信に先立って、ICカード1に記憶されている現在付加金額にしたがった遊技球の貸出がなされ、遊技開始が可能とされる。一方、カードID番号が照合用データと一致しない場合には、まずカード問い合わせ情報をホストコンピュータ10に送信し、この送信を受けたホストコンピュータ10から送信されて来た現在付加金額にしたがって遊技球の貸出がなされる。したがって、当該ICカード1が当日に発行されたものである場合には、球貸はホストコンピュータ10への通信時間を待たずに直ちになされ、遊技機40の稼働率を向上させることができる。一方、当該ICカード1が当日に発行されたものでない場合には、球貸はホストコンピュータ10のカード残高データベースに基づいてなされるので、例えば、不正行為者が前日以前に発行されたICカード1を偽造して当日に持ってきた場合などでも、球貸以前に偽造されたICカード1を発見することができ、不正行為を未然に防止できる。
【0067】
また、カード問い合わせ情報の送信に先立って球貸がなされた場合、ホストコンピュータ10への送信は、通信回線5の混雑度が低いタイミングで実行されるので、情報送信は合理的になされ、遊技の進行に支障が生じることはない。
【0068】
また、カード発行機30は、カード発行機30の利用(具体的にはカード発行機30への貨幣の挿入)が所定時間以上にわたって無かったことを条件に、カード発行情報のホストコンピュータ10への送信を実行される。したがって、例えば、複数の遊技者がカード発行機30に並んで次々と利用してるような場合に、ホストコンピュータ10への通信がカード発行作業の邪魔となることはなく、カード発行は迅速に実行される。
【0069】
なお、上記実施形態では遊技設備管理システムを一つの遊技店内で構成したが、本発明はこのような形態に限られるものではなく、遊技設備管理システムを、例えば外部の管理設備(例えばカード会社7のコンピュータ)を介して複数店舗にわたるネットワークとして構成することもできる。
【0070】
また、上記実施の形態では、記憶媒体としてICカード1を用いたが、本発明はこのような形態に限られず、記憶媒体は、カードID番号および現在付加金額を記憶可能なものであれば、どのような形態のものであってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における遊技設備管理システムを示す全体構成図である。
【図2】同じく遊技機セットを示す構成図である。
【図3】同じくホストコンピュータ、カード清算機、カード発行機を示す構成図である。
【図4】同じくICカードを示す構成図である。
【図5】同じくカードID番号の一例を示す説明図である。
【図6】同じくカード残高データベースを示す説明図である。
【図7】同じくカード発行機のデータベースを示す説明図である。
【図8】同じくカードユニットのデータベースを示す説明図である。
【図9】同じくホストコンピュータ、カード発行機、カードユニットにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図10】同じくカード発行機におけるカード発行受付処理とホストコンピュータにおけるカード発行対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】同じくカードユニットにおける球貸操作受付処理とホストコンピュータにおける球貸操作対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】同じくカードユニットにおける球貸操作受付処理とホストコンピュータにおける球貸操作対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】同じくカードユニットにおける球貸操作受付処理とホストコンピュータにおける球貸操作対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ICカード
3 書換可能メモリ
5 通信回線
9 遊技機セット
10 ホストコンピュータ
30 カード発行機
40 遊技機
50 カードユニット
Claims (2)
- 遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段を備えるとともに、管理用データが付与される記憶媒体と、
この記憶媒体に対応づけられた遊技価値を管理する管理手段と、
この管理手段において管理された遊技価値を用いて遊技球の貸し出しを指示する球貸処理を実行可能な遊技価値処理装置と、
前記管理用データを付与した記憶媒体を発行する発行手段と、
前記管理手段、前記遊技価値処理装置及び前記発行手段を接続する通信回線と、
を備えた遊技設備管理装置において、
複数の前記遊技価値処理装置には、当日中に前記発行手段から発行される記憶媒体に付与可能な前記管理用データの全候補からなる照合用データを記憶する照合用データ記憶手段と、前記記憶媒体に付与されている管理用データが前記照合用データ内に含まれるか否かを判定する照合判定手段とを備え、
前記照合判定手段により前記記憶媒体に付与されている管理用データが前記照合用データ内に含まれると判定された場合に、該記憶媒体に関する情報の前記管理手段への送信に先立って、該記憶媒体に記憶されている遊技価値を用いた前記球貸処理を実行可能とし、
前記照合判定手段により、該記憶媒体に付与されている管理用データが前記照合用データ内に含まれないと判定された場合には、該記憶媒体に付与されている管理用データを前記管理手段に送信し、該管理手段に記憶された遊技価値に基づいて前記球貸処理を実行することを特徴とする遊技設備管理装置。 - 前記管理手段は、当日中に前記発行手段から記憶媒体を発行するための前記管理用データの候補群を決定し、前記決定された管理用データの候補群を総ての発行手段の間で重複しないように分散し、総ての前記発行手段に送信するとともに、前記決定された管理用データの全候補を照合用データとして複数の前記遊技価値処理装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の遊技設備管理装置。
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