本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体または当該遊技媒体数を示すデータであって、所定の期限内(例えば、当日中の閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、所定の期限を越えて(例えば翌日以降)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技台を移動した場合等に使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課してもよい。また、持玉を当日貯玉と呼んでもよい。
なお、遊技媒体には、パチンコ玉等の遊技玉の他、メダル等も含む。本明細書中では、説明を簡明にするため、遊技媒体がメダル等であっても持玉、貯玉と称することとする。
まず、本実施例にかかる持玉から貯玉への移行について説明する。図1は、本実施例にかかる持玉から貯玉への移行について説明するための説明図である。図1に示すように、台間カード処理機10は、レート1〜3の3つのレートについて持玉を管理している。具体的には、レート1の持玉数が1000玉であり、レート2の持玉数が500玉であり、レート3の持玉数が700玉である。
台間カード処理機10は、遊技客から持玉を貯玉に移行するための貯玉移行操作を受け付けた場合には、各レートの持玉数を含む貯玉移行要求をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、受信した貯玉移行要求を処理メモリに格納し、レート1の持玉数を貯玉に移行させるレート1移行処理、レート2の持玉数を貯玉に移行させるレート2移行処理、レート3の持玉数を貯玉に移行させるレート3移行処理を順次会員管理装置50に対して行なう。
会員管理装置50は、レート1移行処理を受け付けた場合にレート1の貯玉口座の残高を加算し、レート2移行処理を受け付けた場合にレート2の貯玉口座の残高を加算し、レート3移行処理を受け付けた場合にレート3の貯玉口座の残高を加算する。この結果、レート1の貯玉口座の残高は1000玉加算され、レート2の貯玉口座の残高は500玉加算され、レート3の貯玉口座の残高は700玉加算されることとなる。
このように、複数レートの持玉がある場合に、貯玉口座を管理する会員管理装置50に対して各レートの持玉数を対応する貯玉口座の残高に加算する処理を順次行なうことで、持玉を貯玉に移行する処理を一括して実行することができる。
次に、本実施例に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、1玉4円で貸し出された遊技玉を使用する遊技機20aを複数配置した4円パチンコ区画と、1玉2円で貸し出された遊技玉を使用する遊技機20bを複数配置した2円パチンコ区画と、1玉1円で貸し出された遊技玉を使用する遊技機20cを複数配置した1円パチンコ区画とを有する。
複数の遊技機20aには、それぞれ台間カード処理機10aが対応して設けられている。台間カード処理機10aは、1玉4円のレート1に設定されており、遊技機20aに対して1玉4円で遊技玉を貸し出す処理を行なう。
また、台間カード処理機10aは、カードを挿入された場合に、該カードに関連付けられた各レートの持玉口座の残高をカード管理装置40から取得して管理する。そして、持玉再プレイ操作を受け付けた場合には、持玉口座のうち自装置に設定されたレート1の残高を減算して対応する数の遊技玉を遊技機20aに払い出す。また、台間カード処理機10aは、遊技機20aから獲得された遊技玉を計数する各台計数機能を有する。計数された遊技玉は、台間カード処理機10aに設定されたレート1の持玉数に加算される。また、台間カード処理機10aは、カードを排出する場合に、各レートの持玉数をカード管理装置40に通知し、各レートの持玉数を0にクリアする。なお、持玉再プレイは、設定によっては自装置と異なるレートの持玉を払い出すようにしてもよく、その場合はレートに応じて玉数の換算を行う。レート2の持玉を使用する場合には、レート2の持玉2個につき1個の遊技玉を払い出し、レート3の持玉を使用する場合には、レート3の持玉4個につき1個の遊技玉を払い出すこととなる。
また、台間カード処理機10aは、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合には、会員管理装置50が管理する貯玉口座のうち、自装置に設定されたレート1の残高を減算して対応する数の遊技玉を遊技機20aに払い出す。
複数の遊技機20bには、それぞれ台間カード処理機10bが対応して設けられている。台間カード処理機10bは、1玉2円のレート2に設定されており、遊技機20bに対して1玉2円で遊技玉を貸し出す処理を行なう。
また、台間カード処理機10bは、カードを挿入された場合に、該カードに関連付けられた各レートの持玉口座の残高をカード管理装置40から取得して管理する。そして、持玉再プレイ操作を受け付けた場合には、持玉口座のうち自装置に設定されたレート2の残高を減算して対応する数の遊技玉を遊技機20bに払い出す。また、台間カード処理機10bは、遊技機20bから獲得された遊技玉を計数する各台計数機能を有する。計数された遊技玉は、台間カード処理機10bに設定されたレート2の持玉数に加算される。また、台間カード処理機10bは、カードを排出する場合に、各レートの持玉数をカード管理装置40に通知し、各レートの持玉数を0にクリアする。なお、持玉再プレイは、設定によっては自装置と異なるレートの持玉を払い出すようにしてもよく、その場合はレートに応じて玉数の換算を行う。レート1の持玉を使用する場合には、レート1の持玉1個につき2個の遊技玉を払い出し、レート3の持玉を使用する場合には、レート3の持玉2個につき1個の遊技玉を払い出すこととなる。
また、台間カード処理機10bは、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合には、会員管理装置50が管理する貯玉口座のうち、自装置に設定されたレート2の残高を減算して対応する数の遊技玉を遊技機20bに払い出す。
複数の遊技機20cには、それぞれ台間カード処理機10cが対応して設けられている。台間カード処理機10cは、1玉1円のレート3に設定されており、遊技機20cに対して1玉1円で遊技玉を貸し出す処理を行なう。
また、台間カード処理機10cは、カードを挿入された場合に、該カードに関連付けられた各レートの持玉口座の残高をカード管理装置40から取得して管理する。そして、持玉再プレイ操作を受け付けた場合には、持玉口座のうち自装置に設定されたレート3の残高を減算して対応する数の遊技玉を遊技機20cに払い出す。また、台間カード処理機10cは、遊技機20cから獲得された遊技玉を計数する各台計数機能を有する。計数された遊技玉は、台間カード処理機10cに設定されたレート3の持玉数に加算される。また、台間カード処理機10cは、カードを排出する場合に、各レートの持玉数をカード管理装置40に通知し、各レートの持玉数を0にクリアする。なお、持玉再プレイは、設定によっては自装置と異なるレートの持玉を払い出すようにしてもよく、その場合はレートに応じて玉数の換算を行う。レート1の持玉を使用する場合には、レート1の持玉1個につき4個の遊技玉を払い出し、レート2の持玉を使用する場合には、レート2の持玉1個につき2個の遊技玉を払い出すこととなる。
また、台間カード処理機10cは、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合には、会員管理装置50が管理する貯玉口座のうち、自装置に設定されたレート3の残高を減算して対応する数の遊技玉を遊技機20cに払い出す。
台間カード処理機10a〜10cは、通信回線を介してカード管理装置40、会員管理装置50及び景品管理装置60と接続されている。台間カード処理機10a〜10cは、カード管理装置40とは直接通信を行なうが、その他の装置との通信はカード管理装置40経由で行なう。なお、以降の説明では台間カード処理機10a〜10cを台間カード処理機10と総称する。
カード管理装置40は、カードの管理を行なう装置である。カード管理装置40は、カードIDにプリペイド価値及び各レートの持玉口座を対応づけたカード管理データによりカードを管理する。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードIDを含むカード挿入通知を受信した場合には、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値と、各レートの持玉口座の残高とを通知し、該カードIDに関連付けられた各レートの持玉口座を0にする。かかる処理により、カード挿入後の持玉口座残高は、台間カード処理機10が行なうこととなる。なお、ここではカード管理装置40が、カード挿入通知に対する応答時に持玉口座を0にする場合を示したが、台間カード処理機10がカードの挿入通知後にカード管理装置40に対して持玉減算要求を送信し、カード管理装置40は持玉減算要求の受信時に持玉口座を0にするよう構成してもよい。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードIDを含む玉貸要求を受信した場合に、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値を減算し、玉貸要求の送信元である台間カード処理機10に玉貸許可を送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードIDと各レートの持玉数を含むカード排出通知を受信した場合には、該カードIDに関連付けられた各レートの持玉口座の残高を受信した持玉数に書き換えてカード管理データを更新する。なお、台間カード処理機10が、カード返却操作を受け付けた場合に、持玉登録要求信号をカード管理装置40に送信することで、カード管理装置40に持玉の登録を完了させてから、カード返却通知を送信するよう構成してもよい。
また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの持玉口座の残高を景品管理装置60に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員に関する情報を会員管理データにより管理する装置である。会員管理データは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、氏名、各レートの貯玉口座残高、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等を関連付けたデータである。
会員管理装置50は、カード管理装置40が台間カード処理機10から会員カードのカードIDを含むカード挿入通知を受信した場合に、該カードIDに対応付けられた各レートの貯玉口座の残高をカード管理装置40経由で台間カード処理機10に通知する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10が貯玉再プレイ要求を行なった場合には、台間カード処理機10に設定されたレートの貯玉口座の残高を減算して再プレイ許可を送信する。また、会員管理装置50は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの貯玉口座の残高を景品管理装置60に対して通知する。
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行なう。景品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るリーダライタ並びに景品を払い出す景品払出装置が接続されている。景品管理装置60は、リーダライタがカードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードのカードIDをカード管理装置40及び会員管理装置50に送信して、該カードIDに対応付けられた持玉口座及び貯玉口座の残高を取得する。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。なお、図3には、台間カード処理機10に併設される遊技機を破線で図示している。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、遊技玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12aとを有する。また、台間カード処理機10は、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードを受け付けるカード挿入口14aと、携帯端末等をかざすためのかざし部14bと、遊技玉を遊技機に投出するノズルユニット18aと、遊技機の下皿から落下させた遊技玉を計数する計数ユニット18bとを有する。
次に、図2に示した台間カード処理機10の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17とを有する。また、台間カード処理機10は、ノズルユニット18a及び計数ユニット18bと接続している。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、遊技機20及び通信回線との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、カードID16a、有価価値データ16b、装置ID16c、レート設定データ16d及び処理メモリ16eを記憶する。
カードID16aは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。
有価価値データ16bは、遊技媒体の払い出しを受けるために使用可能な有価価値を示すデータである。この有価価値には、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高、持玉口座の残高並びに貯玉口座の残高を含む。
装置ID16cは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。レート設定データ16dは、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータであり、レート1〜3のいずれかである。処理メモリ16eは、台間カード処理機10が行った処理の履歴を示すデータである。
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、紙幣処理部17b、カード処理部17c、貯玉移行処理部17d及びメモリ管理部17eを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID16a及び装置ID16cを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を受信した場合に、受信した有価価値により有価価値データ16bを更新する。データ管理部17aは、有価価値データ16bに示されたプリペイド価値、持玉及び貯玉の値を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸し操作が行なわれた場合に、カードID16a及び装置ID16cを含む玉貸要求をカード管理装置40に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉を払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、有価価値データ16bに示された各レートの持玉口座のうち、レート設定データ16dに対応するレートの持玉口座の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉を払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID16a及び装置ID16cを含む貯玉再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイ許可を受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉を払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID16a、装置ID16c並びに各レートの持玉数を含むカード排出通知をカード管理装置40に送信し、各レートの持玉口座の残高を0にクリアする。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID16a及び装置ID16cを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
紙幣処理部17bは、紙幣挿入口12aから受け付けた紙幣を搬送制御しつつ該紙幣の金種識別及び真偽識別を行った後に、該紙幣を図示しない紙幣収納部に収納する処理部である。紙幣処理部17bは、紙幣の金種識別により特定された金額をデータ管理部17aに通知し、入金通知を行なわせる。
カード処理部17cは、カード挿入口14aからカードを受け付けたならば、リーダライタ14によりカードIDを読み取らせ、カードID16aとして記憶部16に格納し、データ管理部17aにカード挿入通知を行なわせる。また、カード処理部17cは、カード返却操作を受け付けたならば、データ管理部17aにカード排出通知を行なわせ、カード挿入口14aからカードを返却する。
貯玉移行処理部17dは、遊技客から持玉を貯玉に移行するための貯玉移行操作を受け付けた場合に、有価価値データ16bに示された各レートの持玉口座の残高と、カードID16aと、装置ID16cとを含む貯玉移行要求をカード管理装置40に送信する。貯玉移行要求は、メモリ管理部17eにより処理メモリ16eに格納される。貯玉移行処理部17dは、貯玉移行要求の送信時に各レートの持玉口座の残高をゼロにクリアする。
なお、挿入されているカードが会員に対して発行される会員カードであれば、カードIDにより移行先の貯玉口座が特定可能であるが、挿入されているカードが非会員でも使用可能な一般カードであれば、移行先の貯玉口座を特定するために会員を識別するための情報が必要である。この会員を識別するための情報としては、携帯端末のIDmを使用可能である。携帯端末のIDmを使用する場合には、かざし部14bから読み取ったIDmを貯玉移行要求に含めることとなる。なお、携帯端末での貯玉には、IDmそのものを使うのではなく、事前にIDmにより会員カードIDを問い合わせ、応答で得た会員カードIDを利用して行なうようにしてもよい。
貯玉移行処理部17dは、貯玉移行要求に対し、正常終了の通知をカード管理装置40から受信した場合には、貯玉成功を報知する。また、貯玉移行要求に対し、貯玉エラーの通知をカード管理装置40から受信した場合には、エラーとなったレートの持玉口座の残高を処理メモリ16eから復元し、貯玉失敗を報知する。また、貯玉移行要求に対し、通信エラーの通知をカード管理装置40から受信した場合には、自装置のレート設定データ16dに示されたレートの持玉口座の残高を含むエラーログを生成し、貯玉失敗を報知する。このように、自装置のレート設定データ16dに示されたレートの持玉口座の残高をエラーログに含めるのは、台間カード処理機10が持玉口座の残高を増減するのは、レート設定データ16dに示されたレートの持玉口座に対してのみであり、かかる口座の最新の残高を管理するのが自装置であるためである。なお、通信エラーの検知は、上位の装置(カード管理装置40等)から通知される場合に限らず、台間カード処理機10で検知し、通信エラーが発生したと判定してもよい。上位の装置が故障した、或いは上位の装置との通信回線に異常が発生した場合には、応答が帰らないためである。
メモリ管理部17eは、上述した貯玉移行要求とエラーログとを含め、台間カード処理機10による各種処理について、その履歴を時刻情報とともに処理メモリ16eに格納する処理部である。
次に、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。図5は、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータを説明するための説明図である。
図5(a)に示すカードID16aは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「1001」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。
図5(b)に示す有価価値データ16bは、プリペイド価値が「30度数」、レート1の持玉口座の残高が「1000玉」、レート2の持玉口座の残高が「500玉」、レート3の持玉口座の残高が「700玉」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数は1度数が100円相当である。
図5(c)に示す装置ID16cは、台間カード処理機10のIDが「5006」である状態を示している。また、図5(d)に示すレート設定データ16dは、台間カード処理機10に「レート1」が設定された状態を示している。
図5(e)に示す処理メモリ16eは、時刻「16時15分00秒」に貯玉移行要求を送信したことを示している。また、貯玉移行要求には、台間カード処理機10の装置ID「5006」、カードID「1001」、かざし部14bにより読み取ったIDm「IDmX1」、各レートの持玉口座残高(レート1=1000、レート2=500、レート3=700)が含まれている。
つぎに、図2に示したカード管理装置40の内部構成について説明する。図6は、図2に示したカード管理装置40の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、カード管理装置40は、表示部41及び入力部42と接続され、店舗ネットワーク通信部44、記憶部45及び制御部46を有する。
表示部41は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部42は、キーボードやマウス等である。店舗ネットワーク通信部44は、通信回線を介して台間カード処理機10、会員管理装置50、景品管理装置60等とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部45は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ45a及び処理メモリ45bを記憶する。
カード管理データ45aは、カードIDに対し、プリペイド価値の残高と、各レートの持玉口座の残高と、該カードが挿入されている台間カード処理機のIDを示す使用先IDとを対応付けたデータである。処理メモリ45bは、カード管理装置40が行った処理の履歴を示すデータである。
制御部46は、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード管理部46a、貯玉移行要求受付部46b及び貯玉移行処理部46cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、カード管理部46a、貯玉移行要求受付部46b及び貯玉移行処理部46cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
カード管理部46aは、カード管理データ45aの管理を行なう処理部である。具体的には、カード管理部46aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、カード挿入通知に示されたカードIDの使用先を、同じくカード挿入通知に示された装置IDとする。また、カード挿入通知に示されたカードIDに関連付けられた有価価値を台間カード処理機10に通知する。ここで、有価価値のうち、プリペイド価値と各レートの持玉口座の残高については、カード管理データ45aから読みだす。また、挿入されたカードが会員カードである場合には、会員管理装置50に対してカードIDを通知し、該カードIDに関連付けられた各レートの貯玉口座の残高を取得する。カード管理部46aは、カードIDに関連付けられた有価価値を台間カード処理機10に通知した場合に、通知した各レートの持玉口座の残高をゼロにクリアしてカード管理データ45aを更新する。
また、カード管理部46aは、台間カード処理機10からカードIDを含む玉貸要求を受信した場合に、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値が所定値以上であるか否かを判定する。プリペイド価値が所定値以上である場合には、カード管理部46aは、プリペイド価値を所定値減算してカード管理データ45aを更新し、台間カード処理機10に更新後のプリペイド価値を含む玉貸許可を送信する。一方、プリペイド価値が所定値未満である場合には、カード管理部46aは、台間カード処理機10に玉貸不可を通知する。
また、カード管理部46aは、台間カード処理機10から金額、カードID16a及び装置ID16cを含む入金通知を受信した場合に、該カードID関連付けられたプリペイド価値を入金通知に示された金額に対応する度数分加算して、カード管理データ45aを更新する。
また、カード管理部46aは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に転送する。また、貯玉再プレイ要求に対する会員管理装置50からの応答についても、カード管理部46aが転送制御をおこなう。
また、カード管理部46aは、カード排出通知を受信した場合には、カード排出通知に示されたカードID並びに各レートの持玉口座の残高に基づいて、カード管理データ45aの持玉口座の残高を更新する。また、該カードIDの使用先については、値を消去して更新する。
また、カード管理部46aは、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの持玉口座の残高を景品管理装置60に対して通知する。
貯玉移行要求受付部46bは、台間カード処理機10から受信した貯玉移行要求を処理メモリ45bに格納し、貯玉移行要求の受信を貯玉移行処理部46cに通知して、貯玉移行処理を行わせる処理部である。貯玉移行処理には、遊技客自身による移行操作によるものと、遊技客自身は操作を行わない自動移行処理の2つがある。自動移行処理の例としては、会員カードに持玉が関連付けられている場合に閉店処理を行なう、或いは日付が変わるなどすると、当該持玉を貯玉へ自動で移行するものである。また、4円レートの持玉が関連付けられた会員カードを1円レートの台間カード処理機に挿入した場合に、4円レートの持玉を貯玉移行する場合もある。
貯玉移行処理部46cは、貯玉移行要求の受信通知を受けた場合に、処理メモリ45bから貯玉移行要求を読み出し、1レート分ずつ貯玉移行処理を実行する。そして、貯玉移行処理の実行結果を台間カード処理機10に通知する。
次に、カード管理装置40の記憶部45が記憶するデータの具体例について説明する。図7は、カード管理装置40の記憶部45が記憶するデータを説明するための説明図である。
図7(a)に示すカード管理データ45aでは、カードID「1001」にプリペイド価値「30度数」、各レートの持玉口座の残高「0」、使用先ID「5006」が関連付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「5006」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉口座の残高「0」はゼロである。
また、図7(a)に示すカード管理データ45aでは、カードID「2002」にプリペイド価値「20度数」と、レート1の持玉口座の残高「0」と、レート2の持玉口座の残高「1200」と、レート3の持玉口座の残高「0」とが関連付けられている。すなわち、カードID「2001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理がカード管理装置40により行われている。
図7(b)に示す処理メモリ45bは、時刻「16時15分00秒」に貯玉移行要求を受信したことを示している。この貯玉移行要求には、装置ID「5006」、カードID「1001」、IDm「IDmX1」、各レートの持玉口座残高(レート1=1000、レート2=500、レート3=700)が含まれている。
また、図7(b)に示す処理メモリ45bは、時刻「16時15分01秒」に会員管理装置50に対して貯玉加算要求を送信したことを示している。この貯玉加算要求は、貯玉移行要求のうち、レート1の持玉を貯玉に移行させる要求であり、移行先の口座と玉数を特定するため、「IDmX1;レート1=1000」を含む。これは、IDmX1に関連付けられた会員のレート1の貯玉口座に1000玉を加算する要求であることを示す。
また、図7(b)に示す処理メモリ45bは、時刻「16時15分02秒」に会員管理装置50から貯玉加算完了を受信したことを示している。具体的には、貯玉加算完了には、「IDmX1;レート1=1000」を含む。これは、IDmX1に関連付けられた会員のレート1の貯玉口座に1000玉を加算したことを示す。この加算により、レート1の貯玉移行処理が完了する。
また、図7(b)に示す処理メモリ45bは、時刻「16時15分03秒」に会員管理装置50に対して貯玉加算要求を送信したことを示している。この貯玉加算要求は、貯玉移行要求のうち、レート2の持玉を貯玉に移行させる要求であり、移行先の口座と玉数を特定するため、「IDmX1;レート2=500」を含む。これは、IDmX1に関連付けられた会員のレート5の貯玉口座に500玉を加算する要求であることを示す。
つぎに、図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。図8は、図2に示した会員管理装置50の内部構成を示すブロック図である。図8に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部52は、キーボードやマウス等である。店舗ネットワーク通信部54は、通信回線を介して台間カード処理機10、カード管理装置40、景品管理装置60等とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員管理データ55a及び景品管理データ55bを記憶する。
会員管理データ55aは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対し、氏名、各レートの貯玉口座残高、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等を関連付けたデータである。景品管理データ55bは、遊技店が提供する景品の種類や在庫を示すデータである。
制御部56は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、会員管理部56a及び景品管理部56bを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、会員管理部56a及び景品管理部56bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
会員管理部56aは、会員管理データ55aの管理を行なう処理部である。具体的には、会員管理部56aは、台間カード処理機10から会員を特定可能な情報(会員カードのIDやIDm)を受信した場合には、該会員に関連付けられた各レートの貯玉口座の残高を会員管理データ55aから読み出して台間カード処理機10に通知する。同様に、景品管理装置60から会員を特定可能な情報(会員カードのIDやIDm)を受信した場合には、該会員に関連付けられた各レートの貯玉口座の残高を会員管理データ55aから読み出して景品管理装置60に通知する。
また、会員管理部56aは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求に示された情報(レート設定データ、カードID、IDm等)により貯玉再プレイに使用する貯玉口座を特定し、該口座の残高が所定数以上であるか否かを判定する。口座の残高が所定数以上である場合には、会員管理部56aは、残高から所定数を減算して会員管理データ55aを更新し、更新後の残高を含む貯玉再プレイ許可を台間カード処理機10に送信する。
また、会員管理部56aは、カード管理装置40から貯玉加算要求を受信した場合には、該貯玉加算要求に示された情報(レート、カードID、IDm等)により加算対象となる貯玉口座を特定し、該口座の残高を指定された数だけ加算する。
この加算処理が正常に終了したならば、会員管理部56aは、カード管理装置40に対して正常終了を通知する。また、加算により貯玉口座の残高が上限を超えるなど、貯玉の加算を行なうことができず、貯玉の加算に失敗した場合には、会員管理部56aは、カード管理装置40に対して貯玉失敗を通知する。
景品管理部56bは、遊技店が提供する景品の種類や在庫を管理する処理部である。景品管理部56bは、景品の交換や入荷などにより景品の種類や在庫が変動した場合に、景品管理データ56bを更新する。
次に、会員管理装置50の記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。図9は、会員管理装置50の記憶部55が記憶するデータを説明するための説明図である。図9(a)に示す会員管理データ55aは、カードID「2009」に対して、氏名「B C」と、各レートの貯玉口座残高と、携帯端末のIDm「IDmX1」とを関連付けている。なお、各レートの貯玉口座残高が「0」の状態を示している。また、図示は省略したが会員管理データ55aは、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号、住所、連絡先等をカードIDに関連付けることができる。
図9(b)に示す景品管理データ45cは、景品コード「0001」に対して、景品名「大景品」及び在庫数「1000」等を対応付けた状態を示している。
次に、台間カード処理機10にカードを挿入した場合の動作について説明する。図10は、台間カード処理機10にカードを挿入した場合の動作を説明するための説明図である。図10に示すように、台間カード処理機10にカードを挿入すると(1)、台間カード処理機10は、挿入されたカードのカードIDと自装置の装置IDとを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する(2)。
カード管理装置40は、受信したカード挿入通知に基づいて、カード管理データ45aを更新する(3)。具体的には、受信したカード挿入通知に示されたカードID「1001」に関連付けられた使用先IDを、台間カード処理機10の装置ID「5006」とする。また、各レートの持玉口座残高については、有価価値の通知を行なうために処理メモリに退避させたうえで「0」に更新する。
カード管理装置40は、台間カード処理機40に対して、有価価値の通知を行なう(4)。具体的には、プリペイド価値「30」と、持玉レート1「1000」と、持玉レート2「500」と、持玉レート3「700」とを通知する。台間カード処理機10は、通知された有価価値により、有価価値データ16bを更新する(5)。なお、ここではカードが一般カードである場合を想定し、貯玉口座の残高は有価価値に含まれていないが、挿入されたカードが会員カードであったならば、カード管理装置40は会員カードのカードIDを会員管理装置50に通知して各レートの貯玉口座の残高を取得し、台間カード処理機10に通知する有価価値に各レートの貯玉口座の残高を含める。
次に、貯玉移行にかかる処理について説明する。図11は、貯玉移行が正常終了した場合の動作について説明する説明図である。図11に示すように台間カード処理機10は、貯玉移行操作を受け付けると、各レートの持玉口座の残高を用いて持玉移行要求を生成し、処理メモリ16eに格納し、有価価値データ16bの持玉口座残高をゼロにクリアする(1)。このため、処理メモリ16eには、レート1の持玉口座残高「1000」と、レート2の持玉口座残高「500」と、レート3の持玉口座残高「700」とが格納される。
台間カード処理機10がカード管理装置40に貯玉移行要求を送信すると(2)、カード管理装置40は、受信した貯玉移行要求を処理メモリ45bに格納し、レート毎に会員管理装置50に対して貯玉加算処理を行なう。
具体的には、カード管理装置40は、レート1の貯玉加算処理を会員管理装置50に対して送信し(3a)、会員管理装置50は、レート1の貯玉口座残高を「1000」加算して、レート1貯玉加算完了を通知する。つづいて、カード管理装置40は、レート2の貯玉加算処理を会員管理装置50に対して送信し(3b)、会員管理装置50は、レート2の貯玉口座残高を「500」加算して、レート2貯玉加算完了を通知する。つづいて、カード管理装置40は、レート3の貯玉加算処理を会員管理装置50に対して送信し(3c)、会員管理装置50は、レート3の貯玉口座残高を「700」加算して、レート3貯玉加算完了を通知する。カード管理装置40は、すべてのレートについて加算完了の通知を受信した場合には、台間カード処理機10に対して正常終了を通知する。
図12は、貯玉移行が貯玉エラーにより失敗した場合の動作について説明する説明図である。図12に示すように台間カード処理機10は、貯玉移行操作を受け付けると、各レートの持玉口座の残高を用いて持玉移行要求を生成し、処理メモリ16eに格納し、有価価値データ16bの持玉口座残高をゼロにクリアする(1)。このため、処理メモリ16eには、レート1の持玉口座残高「1000」と、レート2の持玉口座残高「500」と、レート3の持玉口座残高「700」とが格納される。
台間カード処理機10がカード管理装置40に貯玉移行要求を送信すると(2)、カード管理装置40は、受信した貯玉移行要求を処理メモリ45bに格納し、レート毎に会員管理装置50に対して貯玉加算処理を行なう。
具体的には、カード管理装置40は、レート1の貯玉加算処理を会員管理装置50に対して送信し(3a)、会員管理装置50は、レート1の貯玉口座残高を「1000」加算して、レート1貯玉加算完了を通知する。つづいて、カード管理装置40は、レート2の貯玉加算処理を会員管理装置50に対して送信する(3b)。
このレート2の貯玉加算処理が失敗すると、会員管理装置50は、レート2の貯玉失敗をカード管理装置40に通知する。カード管理装置40は、貯玉失敗の通知を受信すると、以降のレートについては貯玉加算処理を実施せず、失敗及び未実施のレート情報を含む貯玉エラーを台間カード処理機10に通知する(4)。図12では、レート2及びレート3の貯玉エラーが台間カード処理機10に通知される。この結果、会員管理装置50では、レート2及びレート3の貯玉口座残高は加算されない。なお、レート2及びレート3の両方を貯玉エラーにするのではなく、レート2のみ貯玉エラーと通知し、レート3は未実施として通知してもよい。これにより、台間カード処理機10のエラー表示は「レート2」の貯玉エラーとなる。貯玉失敗の具体例について説明すると、例えば、第三者管理センタで貯玉を管理している場合、個人の貯玉上限が設定されている。そこで、今回の貯玉への加算処理でその上限を超える場合には貯玉をさせないようにする。すなわち、貯玉上限数が25万玉とした場合、24万玉を貯玉している遊技客がさらに2万玉を貯玉するときに、その2万玉を加算すると26万玉になり上限値を超えてしまうので、貯玉への移行処理は行なわず、貯玉失敗とする。
台間カード処理機10は、貯玉エラーを受信した場合には、貯玉エラーにより示されたレートの持玉を処理メモリ16eから復元し、有価価値データ16bを更新する(5)。図12では、レート2及びレート3について貯玉エラーを受信しているので、レート1の持玉口座残高は「0」、レート2の持玉口座残高は「500」、レート3の持玉口座残高は「700」となる。
このように、貯玉エラーが発生し、持玉残高を復元した場合には、貯玉への移行は失敗したものの、元々の持玉は失われておらず、カードに関連付けられている。このため、遊技店員による処理は不要であり、カードをそのまま遊技客に返すことができる。
図13は、貯玉移行が通信エラーにより失敗した場合の動作について説明する説明図である。図13に示すように台間カード処理機10は、貯玉移行操作を受け付けると、各レートの持玉口座の残高を用いて持玉移行要求を生成し、処理メモリ16eに格納し、有価価値データ16bの持玉口座残高をゼロにクリアする(1)。このため、処理メモリ16eには、レート1の持玉口座残高「1000」と、レート2の持玉口座残高「500」と、レート3の持玉口座残高「700」とが格納される。
台間カード処理機10がカード管理装置40に貯玉移行要求を送信すると(2)、カード管理装置40は、受信した貯玉移行要求を処理メモリ45bに格納し、レート毎に会員管理装置50に対して貯玉加算処理を行なう。
具体的には、カード管理装置40は、レート1の貯玉加算処理を会員管理装置50に対して送信し(3a)、会員管理装置50は、レート1の貯玉口座残高を「1000」加算して、レート1貯玉加算完了を通知する。つづいて、カード管理装置40は、レート2の貯玉加算処理を会員管理装置50に対して送信する(3b)。
このレート2の貯玉加算処理が通信エラーにより失敗すると、カード管理装置40は、以降のレートについては貯玉加算処理を実施せず、通信エラーの発生を台間カード処理機10に通知する(4)。
台間カード処理機10は、通信エラーの発生を通知されると、自装置のレート設定データ16dに示されたレートの持玉口座の残高を含むエラーログを生成する(5)。レート設定データ16dがレート1を示しているならば、処理メモリ16eに示された各レートの持玉口座残高のうち、レート1の持玉口座残高「1000」がエラーログに含まれる。なお、レート設定データ16dがレート2を示しているならば、エラーログにはレート2の持玉口座残高「500」を含め、レート設定データ16dがレート3を示しているならば、エラーログにはレート3の持玉口座残高「700」を含める。
このように、レート設定データ16dに対応するレートの持玉口座の残高をエラーログに含めるのは、台間カード処理機10が持玉口座の残高を増減するのは、レート設定データ16dに示されたレートの持玉口座に対してのみであり、かかる口座の最新の残高を管理するのが自装置であるためである。
遊技店員は、このエラーログと、各装置の処理メモリから、各レートの持玉口座残高と貯玉口座残高とを適切な値に復元することができる。この場合には、遊技店員による持玉口座残高及び貯玉口座残高が行われた後、遊技客にカードを返すこととなる。
次に、台間カード処理機10による貯玉移行にかかる処理動作について説明する。図14は、台間カード処理機10による貯玉移行にかかる処理動作を説明するためのフローチャートである。
台間カード処理機10の貯玉移行要求部17dは、表示操作部13に対する貯玉移行操作が行われたか否かを判定し(ステップS101)、貯玉移行操作が行われていなければ(ステップS101;No)、そのまま処理を終了する。
貯玉移行操作が行われたならば(ステップS101;Yes)、貯玉移行要求部17は、貯玉移行の対象とするレートの指定が行われたか否かを判定する(ステップS102)。対象とするレートの選択が行われていなければ(ステップS102;No)、貯玉移行要求部17は、すべてのレートを貯玉移行の対象とし(ステップS104)、対象とするレートの選択が行われたならば(ステップS102;Yes)、選択されたレートを貯玉移行の対象とする(ステップS103)。このように、貯玉移行に際しては、選択された一部のレートのみを対象とすることができる。
ステップS103又はステップS104の後、貯玉移行要求部17は、移行対象のレートの持玉口座残高を処理メモリ16eに格納し(ステップS105)、移行対象のレートの持玉口座残高をゼロにクリアする(ステップS106)。そして、カード管理装置40に貯玉移行要求を送信する(ステップS107)。
貯玉移行要求に対し、カード管理装置40から正常終了の通知を受信したならば(ステップS108;Yes)、貯玉移行要求部17は、貯玉成功を報知し(ステップS109)、処理を終了する。この貯玉成功の報知は、表示操作部13に対する表示などにより行なう。
貯玉移行要求に対し、カード管理装置40から正常終了の通知を受信しなければ(ステップS108;No)、貯玉移行要求部17は、通信エラーが発生したか否かを判定する(ステップS110)。
通信エラーが発生したならば(ステップS110;Yes)、貯玉移行要求部17は、会員管理装置の確認が必要なエラーとし、持ち玉を0とする(ステップS113)。このとき、自装置のレート設定に対応する持玉数を含むエラーログを生成してもよい。その後、貯玉失敗を報知して(ステップS112)、処理を終了する。
また、通信エラーではなく、他の理由により貯玉移行が正常終了しなかったならば(ステップS110;No)、貯玉移行要求部17は、貯玉エラーが発生したレートの持玉口座残高を処理メモリ16eから復元し(ステップS111)、貯玉失敗を報知して(ステップS112)、処理を終了する。
ステップS112の貯玉失敗の報知は、表示操作部13に対する表示などにより行なう。また、遊技店員用の端末にも報知するよう構成してもよい。また、貯玉失敗時には、失敗の内容や対処方法を報知するように構成してもよい。具体的には、貯玉エラーを報知する場合には、貯玉への移行が成功したレートと、失敗したレートを表示し、貯玉への移行が失敗したレートについては持玉のままとなっていることを報知する。また、通信エラー等により貯玉への移行が失敗した場合には、遊技店員の呼び出しを求める報知を行なう。
次に、カード管理装置40による貯玉移行にかかる処理動作について説明する。図15は、カード管理装置40による貯玉移行にかかる処理動作を説明するためのフローチャートである。
カード管理装置40の貯玉移行要求受付部46bは、台間カード処理機10から貯玉移行要求を受信したか否かを判定し(ステップS201)、貯玉移行要求を受信していなければ(ステップS201;No)、そのまま処理を終了する。
貯玉移行要求を受信したならば(ステップS201;Yes)、貯玉移行要求受付部46bは、貯玉移行要求を処理メモリ45bに格納する(ステップS202)。貯玉移行処理部46cは、格納された貯玉移行要求に基づいて、移行対象かつ未処理のレートを選択し(ステップS203)、選択したレートの貯玉加算処理を会員管理装置50に対して行なう(ステップS204)。
貯玉移行処理部46cは、会員管理装置50から貯玉加算完了を受信したか否かを判定し(ステップS205)、貯玉加算完了を受信したならば(ステップS205;Yes)、移行対象のレートに未処理のレートが残っているか否かを判定する(ステップS206)。
移行対象のレートに未処理のレートが残っているならば(ステップS206;Yes)、ステップS203に移行し、移行対象かつ未処理のレートを選択する。そして、移行対象の全てのレートについて処理が完了したならば(ステップS206;No)、台間カード処理機10に正常終了を通知して(ステップS207)、処理を終了する。
一方、貯玉完了通知を受信せず(ステップS205;No)、貯玉加算失敗の通知を受信したならば(ステップS208;Yes)、選択中のレート及び未処理のレートについて貯玉エラーを台間カード処理機10に通知し(ステップS209)、処理を終了する。
また、貯玉加算失敗の通知を受信していなければ(ステップS208;No)、貯玉移行処理部46cは、通信エラーの発生を台間カード処理機10に通知し(ステップS210)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、複数レートの持玉口座を有する状態で台間カード処理機10が貯玉移行操作を受け付けた場合に、台間カード処理機10が貯玉に抗すべき各レートの持玉口座残高を含む貯玉移行要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40は、貯玉口座を管理する会員管理装置50に対し、各レートの持玉口座残高を対応する貯玉口座の残高に加算する処理を順次行なうよう構成したので、複数レートの持玉口座を貯玉口座に移行する処理を効率的に行なうことができる。
なお、本実施例では、貸し出し時のレートが異なる複数の遊技種について貯玉への移行を行なう場合について説明を行ったが、景品交換時のレートが異なる複数の遊技種や、遊技媒体の種類が異なる複数の遊技種を貯玉に移行する場合にも適用可能である。このため、遊技玉用の持玉口座とメダル用の持玉口座を一括して貯玉口座に移行することもできる。
また、上述の実施例では、遊技玉を投入して遊技を行い、遊技により獲得した遊技玉が払い出される開放式の遊技機を例に説明を行ったが、遊技玉の取り出しが制限された封入式の遊技機であっても本発明を適用可能である。封入式の遊技機では、玉貸し及び貯玉再プレイを行った場合に、遊技玉を払い出すのではなく、台間カード処理機10が管理する持玉が加算され、封入式遊技機は、該持玉の範囲内で遊技玉を発射し、遊技により獲得された賞出玉も持玉に加算されることとなる。
また、上述の実施例では、貯玉移行を行なうときに複数レートをどのような順序で貯玉処理するかについての詳細な説明を省略したが、この順序は任意に設定可能である。具体的には、予め設定された順序(4円、2円、1円の順序等)であってもよいし、台間カード処理機10に設定されたレートを最初(若しくは最後)にしてもよい。
また、通信回線に異常があり、上位機種との通信ができない場合、いわゆるオフライン時は、貯玉操作は行わない。この場合には、貯玉操作の受付時にオフラインであるために貯玉不可であることを通知する。
また、上述の実施例では、貯玉移行の操作時に、移行対象となるレートを選択可能とし、移行対象となるレートについては持玉の全数を貯玉に移行させる場合について説明を行ったが、持玉から貯玉に移行する玉数を指定可能とし、持玉の一部のみを貯玉に移行できるように構成してもよい。
また、上述の実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。
また、本実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。