JP6554877B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明のパターン形成方法は、プレパターン形成用組成物を用いてプレパターンを形成する工程と、パターン形成用自己組織化組成物を用い、上記プレパターンが形成された上記基板上に自己組織化膜を形成する工程(以下、「自己組織化膜形成工程」ともいう。)と、上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程(以下、「除去工程」ともいう。)とを備える。上記プレパターンを形成する工程は、プレパターン形成用組成物を用い、基板の上面側(表面側)に塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」ともいう。)と、上記塗膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)と、上記露光された塗膜の現像によりプレパターンを形成する工程(以下、「プレパターン形成工程」ともいう。)とを備えるとよい。また、上記プレパターン形成用組成物として、プレパターン形成用組成物(I)を用いる。
本工程は、下層膜形成用組成物を用い基板上に下層膜を形成する工程である。これにより、図1に示すように、基板101上に下層膜102が形成された下層膜付き基板を得ることができ、自己組織化膜はこの下層膜102上に形成される。上記自己組織化膜が有する相分離構造(ミクロドメイン構造)は各ブロック間の相互作用に加えて下層膜102との相互作用によっても変化するため、下層膜102を有することで構造制御が容易となり所望のパターンを得ることができる。さらに、自己組織化膜が薄膜である場合には、下層膜102を有することでその転写プロセスを改善することができる。
本工程は、プレパターン形成用組成物(I)を用い下層膜102上に塗膜を形成する。
上記プレパターン形成用組成物(I)は、フェノール性水酸基を含む第1構造単位を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう。)、感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう。)、及び溶媒を含有する。上記プレパターン形成用組成物が上記[A]重合体、[B]酸発生体及び溶媒を含有し、このプレパターン形成用組成物を用いてプレパターンを形成することで、基板の上面側に形成される自己組織化膜の相分離が良好なものとなり、LWR性能に優れる。上記構成により上記効果を奏する理由は明らかではないが、例えば、以下のように推察することができる。上記[B]酸発生体により良好な形状のプレパターンが形成されると共に、上記第1構造単位中のフェノール性水酸基によりプレパターンの極性が適度に調節される。その結果、プレパターンと自己組織化膜との相互作用により、プレパターンが形成された基板上に形成される自己組織化膜の相分離が良好なものとなり、LWR性能が向上すると考えられる。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する。また、酸解離性基を含む第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう。)や、フッ素原子を含む第3構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう。)を有することが好ましい。さらに、上記構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)以外の構造単位を有してもよい。
構造単位(I)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である。このように[A]重合体がフェノール構造を有することで、適度な相互作用により自己組織化膜の相分離をより良好なものとできる。また、後述する露光工程において極端紫外線(EUV)を用いた場合における感度が向上する。このような構造単位(I)としては、下記式(2)で表されるものが好ましい。
−SO−、−SO2−、−SO2O−、−SO3−等のヘテロ原子のみからなる基;
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。
構造単位(II)は、酸解離性基を含む構造単位である。構造単位(II)が酸解離性基を含むことで、プレパターンの形状が良好なものとなる。このような構造単位(II)としては、下記式(1)で表される構造単位が好ましい。
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などの鎖状炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などの脂環式炭化水素基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロペンテン構造、シクロペンタジエン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造、シクロデカン構造等単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造などが挙げられる。
構造単位(III)は、フッ素原子を含む構造単位である。[A]重合体が構造単位(III)を有することで、[A]重合体の極性を適度に調節でき、また、後述する露光工程において極端紫外線(EUV)を用いた場合における感度がさらに向上する。
[A]重合体は上記構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位が挙げられる。[A]重合体がこれらの構造単位を有することで、極性がさらに適度なものとなる。ここで、ラクトン構造とは、−O−C(O)−で表される基を含む1つの環(ラクトン環)を有する構造をいう。また、環状カーボネート構造とは、−O−C(O)−O−で表される基を含む1つの環(環状カーボネート環)を有する構造をいう。スルトン構造とは、−O−S(O)2−で表される基を含む1つの環(スルトン環)を有する構造をいう。
[A]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を使用し、適当な重合反応溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル重合開始剤を含有する溶液を、重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル重合開始剤を含有する溶液とを各別に、重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル重合開始剤を含有する溶液とを各別に、重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
[B]酸発生体は、放射線照射により酸を発生する化合物である。その酸の作用により[A]重合体の酸解離性基が解離してカルボキシ基等の極性基が生じ、その結果、[A]重合体のエッチングレートが変化する。[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基等が挙げられる。
上記Rb1〜Rb7で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Rb1〜Rb3、Rb6及びRb7で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rb4及びRb5で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル等の酢酸エステル系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒;
γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;
ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
上記プレパターン形成用組成物は、必要に応じて酸拡散制御体を含有してもよい。酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られるプレパターン形成用組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れたプレパターン形成用組成物が得られる。酸拡散制御体のプレパターン形成用組成物における含有形態としては、後述するような低分子化合物である酸拡散制御剤の形態(以下、適宜「酸拡散制御剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた酸拡散制御基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
上記パターン形成用組成物(I)は、例えば上記溶媒中で、[A]重合体、[B]酸発生体等を所定の割合で混合することにより調製できる。また、プレパターン形成用組成物は、適当な溶媒に溶解又は分散させた状態に調製され使用され得る。
本工程では、上記塗膜の所望の領域に特定パターンのマスクを介して放射線を照射し、露光を行う。上記放射線としては、例えば、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、荷電粒子線等が挙げられる。これらのうち、ArFエキシマレーザー光やKrFエキシマレーザー光に代表される遠紫外線、極端紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光、極端紫外線がより好ましい。また、露光方法としては液浸露光を行ってもよい。
本工程は、現像液により上記塗膜を現像することでプレパターン103を形成する工程である。上記プレパターン103によってパターン形成用自己組織化組成物の相分離によって得られるパターン形状が制御され、所望の微細パターンを形成することができる。
本工程は、パターン形成用自己組織化組成物を用い、基板上に相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程である。上記下層膜102を用いない場合、基板上に直接パターン形成用自己組織化組成物を塗布して塗膜を形成し、相分離構造を備える自己組織化膜を形成する。また、上記下層膜102を用いる場合、図3及び図4に示すように、パターン形成用自己組織化組成物をプレパターン103によって挟まれた下層膜102上の領域に塗布して塗膜104を形成し、基板101上に形成された下層膜102上に、基板101に対して略垂直な界面を有する相分離構造を備える自己組織化膜105を形成する工程である。
上記パターン形成用自己組織化組成物は、自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の重合体(以下、「[D]重合体」ともいう。)、及び溶媒を含有する。また、界面活性剤等の他の成分をさらに含有してもよい。
[D1]ブロック共重合体は複数種のブロックから構成される。それぞれのブロックは1種又は複数種の単量体由来の単位の連鎖構造を有し、それぞれのブロックを形成する単量体は互いに異なる。このような複数のブロックを有する[D1]ブロック共重合体を適切な溶媒に溶解させると、同じ種類のブロック同士が凝集し、同種のブロックからなる相を形成する。このとき異なる種類のブロックから形成される層同士は互いに混ざり合うことがないため、異種の相が周期的に交互に繰り返される秩序パターンを有する相分離構造を形成することができると推察される。
[D1]ブロック共重合体は、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、リビングラジカル重合等によって合成することができ、例えばポリスチレンブロック、ポリ(メタ)アクリル酸ブロック及びこれら以外の他のブロックを所望の順で重合しながら連結することにより合成することができる。これらの中で、リビングアニオン重合が好ましい。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
[D2]重合体は複数種の重合体からなり、それぞれの重合体を形成する単量体は互いに異なる。このような複数種の重合体を有する[D2]重合体を適切な溶媒に溶解させると、同じ種類の重合体同士が凝集し、同種の重合体からなる相を形成する。このとき異なる種類の重合体から形成される層同士は互いに混ざり合うことがないため、異種の相が周期的に交互に繰り返される秩序パターンを有する相分離構造を形成することができると推察される。
[D2]重合体は、[A]重合体と同様に、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を使用し、適当な重合反応溶媒中で重合することにより製造できる。
パターン形成用自己組織化組成物が含有してもよい溶媒としては、例えば上記プレパターン形成用組成物において例示したものと同様のものが挙げられる。
上記パターン形成用自己組織化組成物は、さらに界面活性剤を含有してもよい。上記パターン形成用自己組織化組成物が界面活性剤を含有することで、基板等への塗布性を向上させることができる。
上記パターン形成用自己組織化組成物は、例えば上記溶媒中で、[D]重合体、界面活性剤等を所定の割合で混合することにより調製できる。また、パターン形成用自己組織化組成物は、適当な溶媒に溶解又は分散させた状態に調製され使用され得る。
本工程は上記自己組織化膜105が有する相分離構造のうちいずれか一方の相を除去する工程である。ここでは、図4及び図5に示すようにaブロック相105aを除去する。自己組織化により相分離したaブロック相とbブロック相とのエッチングレートの差を用いて、aブロック相105aをエッチング処理により除去することができる。aブロック相105a及び後述のプレパターン除去工程によりプレパターン103を除去した後の状態を図5に示す。
本工程は、図4及び図5に示すように、プレパターン103を除去する工程である。プレパターン103を除去することにより、より微細かつ複雑なパターンを形成することが可能となる。なお、プレパターン103の除去の方法については、上記aブロック相105aの除去の方法と同様のものを用いることができる。また、本工程は、上記部分除去工程と同時に行ってもよいし、部分除去工程の前又は後に行ってもよい。
本工程は、除去工程後、残存したbブロック相105bからなるパターンをマスクとして下層膜及び基板をエッチングすることによりパターニングする工程である。基板へのパターニングが完了した後、マスクとして使用された相は溶解処理等により基板上から除去され、最終的にパターニングされた基板(パターン)を得ることができる。
重合体のMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により東ソー社製のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を使用し、以下の条件により測定した。
溶離液:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
重合体の各構造単位含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−EX400」)を使用して測定した。
[ポリスチレン樹脂の合成]
1Lのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったシクロヘキサン500gを注入し、0℃まで冷却した。その後、n−ブチルリチウム(シクロヘキサン溶液:1.8モル/L)を5mL注入し、蒸留脱水処理を行ったスチレン40gを30分かけて滴下注入した。滴下終了後60分間熟成した後、末端処理剤としての1,2−ブチレンオキシド1gを注入し、樹脂末端イソプロパノール基に修飾して反応を停止させた。反応溶液を室温まで昇温し、得られた反応溶液を濃縮してプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)で置換した後、シュウ酸2%水溶液1000gを注入撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、金属Liを除去した後、超純水1,000gを注入撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返しシュウ酸除去した後、溶液を濃縮してn−ヘキサン500g中に滴下して、樹脂を析出させた。析出した樹脂を減圧濾過し、n−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることで、白色の重合体(X−1)10.5gを得た。重合体(X−1)のMwは5,300であり、Mw/Mnは1.1であった。
500mLのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったテトラヒドロフラン200gを注入し、−78℃まで冷却した。その後、s−ブチルリチウム(シクロヘキサン溶液:1N)を0.27g注入し、蒸留脱水処理を行ったスチレン10.7g(0.103モル)を30分かけて滴下注入した。このとき反応溶液の内温が−60℃ 以上にならないように注意した。滴下終了後30分間熟成した後、更に蒸留脱水処理を行ったメタクリル酸メチル10.3g(0.103モル)を30分かけて滴下注入し、30分間反応させた。この後、末端処理剤として1,2−ブチレンオキシド1gを注入し、樹脂末端イソプロパノール基に修飾して反応を停止させた。反応溶液を室温まで昇温し、得られた反応溶液を濃縮してプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)で置換した後、シュウ酸2%水溶液1000gを注入撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、金属Liを除去した後、超純水1,000gを注入撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返しシュウ酸除去した後、溶液を濃縮してn−ヘキサン500g中に滴下して、樹脂を析出させた。析出した樹脂を減圧濾過し、n−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることで、白色の重合体(X−2)20.5gを得た。重合体(X−2)のMwは5,100であり、Mw/Mnは1.1であった。
80℃に加熱した2−ブタノン10g中に、メタクリル酸メチル10gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)2gとを含んだ2−ブタノン20gを3時間かけて滴下した。その後、80℃で3時間加熱した後濃縮してから、n−ヘキサン200g中に滴下して重合体を析出させた。析出した重合体を減圧濾過し、重合体をn−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥して白色の重合体(X−3)8gを得た。重合体(X−3)のMwは5,200であり、Mw/Mnは1.1であった。
無水マレイン酸5gを水100gに加熱溶解させてマレイン酸水溶液を調製した。次に、フェニルトリエトキシシラン23.0g、4−t−ブトキシフェネチルトリエトキシシラン34.0g、及びプロピレンリコールモノプロピルエーテル500gをフラスコに入れた。このフラスコに、冷却管と先に調製しておいたマレイン酸水溶液を入れた滴下ロートとをセットし、オイルバスにて60℃で加熱した後、マレイン酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、濃塩酸1.0gを入れ、60℃で1時間反応させた。次いで、反応液を冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500gを入れて、さらにエバポレータにセットし、反応中生成したメタノール及びエタノールを除去した。その後、反応液に水500gを入れ、酸を抽出し、洗浄を行った。その後、さらにエバポレータにより濃縮し重合体(X−4)を得た。重合体(X−4)のMwは2,200であり、Mw/Mnは1.1であった。
重合体(X−1)及び(X−2)を質量比5:5で混合し、各重合体の濃度がそれぞれ1質量%となるように酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEA)に投入して溶液を作製した。この溶液を孔径200nmのメンブレンフィルタでろ過してパターン形成用自己組織化組成物(Y−1)を調製した。
使用した各成分の種類及び配合量を下記表1に示す通りとした以外は、上記合成例1と同様に操作して、各パターン形成用自己組織化組成物を調製した。
[[A]重合体の合成]
[A]重合体の合成に用いた単量体を下記に示す。
上記式(M−1)で表される化合物55g、上記式(M−2)で表される化合物45g、AIBN3g及びt−ドデシルメルカプタン1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル150gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、6時間重合させた。重合後、反応溶液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、共重合体を凝固精製した。次いで、この共重合体に再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらにメタノール150g、トリエチルアミン37g及び水7gを加え、沸点にて還流させながら8時間加水分解反応を行い、(M−1)に由来する構造単位の脱アセチル化を行った。反応後、溶剤及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた共重合体をアセトン150gに溶解し、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して減圧下50℃で一晩乾燥することで重合体(A−1)を得た。この共重合体(A−1)のMwは8,000、Mw/Mnは1.9であり、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位及び化合物(M−4)に由来する構造単位の含有比率は50(モル%):50(モル%)であった。
表2に示す単量体を用いた以外は上記合成例4と同様にして重合体(A−2)〜重合体(A−5)を合成した。
上記式(M−4)で表される化合物55g、上記式(M−6)で表される化合物45g、及びAIBN3gをメチルエチルケトン300gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、反応溶液を2,000gのメタノール中に滴下して、共重合体を凝固させた。次いで、この共重合体を300gのメタノールで2回洗浄し、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥することで重合体(CA−1)を得た。この重合体(CA−1)のMwは8,400、Mw/Mnは1.9であり、化合物(M−3)及び化合物(M−4)に由来する各構造単位の含有比率は40(モル%):60(モル%)であった。
B−1:下記式(B−1)で表される化合物
C−1:下記式(C−1)で表される化合物
D−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
D−2:乳酸エチル
[A]重合体としての(A−1)100質量部、酸発生剤としての(B−1)27質量部、酸拡散制御剤としての(C−1)2.6質量部、並びに溶媒としての(D−1)4,300質量部及び(D−2)1,900質量部を混合した。この混合液を孔径0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、プレパターン形成用組成物(R−1)を調製した。
[A]重合体として表3に示すものを用いた以外は上記合成例9と同様にしてフォトレジスト組成物(R−2)〜(R−6)を調製した。
[プレパターンの形成]
塗布現像装置(東京エレクトロン社の「クリーントラックACT−8」)を用い、シリコンウエハ上に表3で示すプレパターン形成用組成物をスピンコートした後、110℃、60秒の条件でPBを行い、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。続いて、簡易型の電子線描画装置(日立社の「HL800D」、出力;50keV、電流密度;5.0アンペア/cm2)を用いて電子線を照射した。電子線の照射後、上記塗布現像装置を用い、100℃、60秒の条件でPEBを行った。PEB後、アルカリ現像又は有機溶媒現像を行った。
PEB後、上記塗布現像装置を用い、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で1分間、パドル法で現像した後、純水で水洗・乾燥することでL/S=100nm/100nmのプレパターンを形成した。
PEB後、上記塗布現像装置を用い、酢酸ブチルにより、23℃で1分間、パドル法で現像した後、乾燥させた他は上記アルカリ現像と同様にして、L/S=100nm/100nmのプレパターンを形成した。
上記プレパターンを形成した基板に、表4に示すパターン形成用自己組織化組成物を用いて以下の手順でパターンを形成した。
上記プレパターンを形成した基板に254nmの紫外光を150mJ/cm2照射後、200℃で5分間ベークした。その後、パターン形成用自己組織化組成物(Y−1)を上記基板上に厚さ15nmになるように塗布し、130℃で1分間焼成して相分離させ、ミクロドメイン構造を形成した。その後、シクロヘキサン中に1分間浸漬させメタクリル酸メチル相を除去することでパターンを形成した。
上記プレパターンを形成した基板に254nmの紫外光を150mJ/cm2照射後、200℃で5分間ベークした。その後、パターン形成用自己組織化組成物(Y−2)を上記基板上に厚さ15nmになるように塗布し、130℃で1分間焼成して相分離させ、ミクロドメイン構造を形成した。その後、テトラブチルアンモニウムハイドライドに1分間浸漬させポリスチレン部分を除去することでパターンを形成した。
上記プレパターンを形成した基板に254nmの紫外光を150mJ/cm2照射後、200℃で5分間ベークした.その後、パターン形成用自己組織化組成物(Y−3)を上記基板上に厚さ15nmになるように塗布し、220℃で5分間焼成して相分離させ、ミクロドメイン構造を形成した。さらに、254nmの放射線を3000mJ/cm2で照射し、メチルイソブチルケトン(MIBK)/2−プロパノール(IPA)=2/8の溶液中に5分間浸漬させメタクリル酸メチル相を除去することでパターンを形成した。
上記のように形成したパターンについて、測長日立ハイテクノロジーズ社の「S9830」)を用いて観察し、得られたパターンのLWR(nm)がプレパターンのLWRより20%以上小さくなっていれば良好、20%未満の場合を不良と判断した。結果を表4に示す。
102 下層膜
103 プレパターン
104 塗膜
105 自己組織化膜
105a aブロック相
105b bブロック相
Claims (12)
- 基板上に、プレパターン形成用組成物を用いてプレパターンを形成する工程と、
パターン形成用自己組織化組成物を用い、上記プレパターンが形成された基板上に自己組織化膜を形成する工程と、
上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程と
を備え、
上記プレパターン形成用組成物が、
フェノール性水酸基を含む第1構造単位と、酸解離性基を含む第2構造単位とを有する重合体、
下記式(4)で表される化合物を含む感放射線性酸発生剤、
下記式(c−2)で表されるスルホニウム塩化合物及び下記式(c−3)で表されるヨードニウム塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のオニウム塩化合物を含む酸拡散制御剤、並びに
溶媒
を含有するパターン形成方法。 - 上記パターン形成用自己組織化組成物が、
自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の重合体、及び
溶媒
を含有する請求項1又は請求項2に記載のパターン形成方法。 - 上記塗膜形成工程前に、
基板上に下層膜を形成する工程
をさらに備え、
上記自己組織化膜形成工程において、自己組織化膜を上記下層膜上のプレパターンが存在しない領域に形成する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のパターン形成方法。 - 上記第2構造単位が下記式(1)で表される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 上記第1構造単位の含有割合が、上記重合体を構成する全構造単位に対して40モル%以上70モル%以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 上記重合体が、フッ素原子を含む第3構造単位をさらに有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 上記露光工程において、極端紫外線(EUV)を照射する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 上記現像工程において、有機溶媒を主成分とする現像液を用いる請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 上記現像工程において、アルカリ現像液を用いる請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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